JP2004344323A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】パチンコ機において、回転体による規則性を回避する。
【解決手段】回転体25の回転速度を、通常遊技状態、時短遊技状態、高確率遊技状態に対応して変化させるので、回転体25を離脱した遊技球が普通電動役物22に入賞に起因して読み込まれる大当たり判定用の乱数値に周期性が生じるのを回避できる。特に回転体25は、球収容部25aから離脱した遊技球が普通電動役物22に向かって垂直落下する位置に設置されているから、上記大当たり判定用の乱数値の周期性を遊技状態に応じて回避するのに好適である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等の弾球遊技機には、遊技球を収容可能な球収容部を有して回転し、その回転に伴って球収容部に遊技球を受け入れ可能な状態、球収容部に遊技球を保持したまま回転する状態、球収容部が保持していた遊技球を離脱させる状態に順次変化する回転体を備えるものがある。
【0003】
例えば第3種始動口として用いられる回転入賞装置が広く知られている。
また、特開平7−171244号公報には、図柄始動口(7)の上方に設置されたセンター役物(6)に保留溝(44)を有する回転体(45)を配置して所定の回転速度で回転させることにより、保留溝(44)に保持した遊技球を図柄始動口(7)上で離脱させ、所定の時間的間隔をおいて図柄始動口(7)に入球させる構成が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−171244号公報(段落0017〜0022、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−171244号公報の技術は、回転体の例えば1/3回転毎という周期的で図柄始動口に入球させるので、図柄始動口への入球に応じて読み込まれる乱数値(例えば大当たりか否かの判定に使用される乱数値)に周期性ができる(ランダム性が確保できなくなる)おそれがある。なお、第3種始動口等に用いられる回転入賞装置も周期性の点では同様の問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の弾球遊技機は、遊技球を収容可能な球収容部を有して遊技盤面に沿って回転し、その回転に伴って前記球収容部が遊技球を受け入れ可能な状態、前記球収容部が遊技球を保持可能な状態、前記球収容部が保持していた遊技球を離脱させる状態に順次変化する回転体を備えた弾球遊技機において、前記回転体の回転速度を変更制御する回転速度制御手段を設けたので、回転体の回転速度を、例えば通常の遊技状態、時短遊技状態、高確率遊技状態等の遊技状態に対応して変化させることや、特別図柄又は普通図柄の変動保留記憶数に対応して変化させることができる。つまり、回転体を離脱した遊技球によって発生するイベント(例えば特別図柄又は普通図柄の図柄始動口への入球に応じて読み込まれる乱数値)の周期性を回避することが可能になる。
【0007】
請求項2記載の弾球遊技機は、請求項1記載の弾球遊技機において、該弾球遊技機は、遊技球が図柄始動口に進入したことに起因して図柄を変動表示し、その変動表示後に確定表示する図柄によって当たり外れを報知する構成であり、前記回転体は、前記球収容部から離脱した遊技球が前記図柄始動口に向かって落下する位置に設置されているから、図柄始動口への入球に応じて読み込まれる乱数値の周期性を遊技状態に応じて回避するのに好適である。
【0008】
なお、「球収容部から離脱した遊技球が図柄始動口に向かって落下する位置」とは、離脱した遊技球が図柄始動口に向かって落下すればよく(言い換えれば、図柄始動口に進入する可能性が比較的高ければよく)、離脱した遊技球が確実に図柄始動口に進入する位置である必要はない。このような位置は、球収容部からの離脱が例えば図柄始動口の真上で行われる位置である。
【0009】
請求項3記載の弾球遊技機は、請求項2記載の弾球遊技機において、前記球収容部から離脱した遊技球のみが前記図柄始動口に進入可能に構成されているので、図柄始動口への進入率を設計値通りにできる。また、請求項2と同様に、図柄始動口への入球に応じて読み込まれる乱数値の周期性を遊技状態に応じて回避するのにも好適である。
【0010】
請求項4記載の弾球遊技機は、請求項2又は3記載の弾球遊技機において、前記遊技球を受け入れ可能な状態の前記球収容部に流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、前記図柄始動口に進入した遊技球を検出する進入球検出手段と、前記流入球検出手段からの検出信号(流入信号)に応じて読み込んだ第1乱数値と前記進入球検出手段からの検出信号(進入信号)に応じて読み込んだ第2乱数値とを用いて演算し、該演算結果に基づいて当たり外れを判定する演算判定手段を設け、該演算判定手段の判定結果が前記確定表示された図柄によって報知される構成としたから、演算判定手段による判定結果にランダム性が確保できる。
【0011】
ここで請求項3記載の構成、すなわち前記球収容部から離脱した遊技球のみが前記図柄始動口に進入可能な構成とすれば、図柄始動口への入球をサポートすることにより変動むらを減少させ、快適な遊技を提供できる。また、当たり外れの判定処理が複雑化しない。
【0012】
請求項5記載の弾球遊技機は、請求項1から4のいずれか1項に記載の弾球遊技機において、前記遊技球を受け入れ可能な状態の前記球収容部に流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、前記流入球検出手段からの検出信号(流入信号)に応じて読み込んだ回転数制御用乱数値に基づいて前記回転体の目標回転速度を決定する回転速度決定手段とを設け、前記回転速度制御手段は前記回転体の回転速度を該目標回転速度に制御する構成としたので、回転体の回転速度をランダムに変更することができる。なお、流入球検出手段は請求項4の流入球検出手段を兼用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例により発明の実施の形態を説明する。
【0014】
【実施例1】
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機(全体の図示は省略)の遊技盤10には外レール11と内レール12とによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。
【0015】
遊技領域13の中央部にはセンターケース14が装着されている。
センターケース14には、保留LED16、7セグメントLEDの普通図柄表示器17が装着され、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。また、センターケース14にて取り囲まれるようにして特別図柄表示装置18(全体の図示は省略)のLCDパネル15aが配されている。
【0016】
センターケース14の左右には普通図柄始動口となるゲート21が設置されている。
センターケース14の直下には回転誘導装置23が設置され、その直下には特別図柄始動口である普通電動役物22が設置されている。
【0017】
図2に拡大して示すように、回転誘導装置23には、円盤状であり、U溝状の球収容部25aが設けられた回転体25が備わっている。
回転体25は、外周に沿った壁27aと前面側を覆う前プレート27bとからなるカバー27によって覆われている。なお、図は回転体25の挙動を明瞭にするために透視図にしてある。
【0018】
カバー27には、流入口28が上部に、排出口29が下部に設けられている。また、流入口28の上方には、一対の釘30がいわゆる命釘として植設されている。
回転体25は図示されないモータによって駆動されて、本実施例では時計回りに回転する。
【0019】
球収容部25aが流入口28に対応する位置になると、上方から流下してきた遊技球が流入口28から球収容部25aに流入できる(球収容部25aが遊技球を受け入れ可能な状態、図2(a)参照)。それ以外の状態では、図2(c)、(d)に例示するとおり、遊技球は球収容部25aに流入できず、例えば釘30間にとどめられる。
【0020】
回転体25が球収容部25aに遊技球を受け入れて回転した場合、流入口28〜排出口29の範囲では、カバー27が遊技球の球収容部25aからの離脱を阻むので遊技球は球収容部25aに保持される(球収容部25aが遊技球を保持可能な状態、図2(b)参照)。
【0021】
球収容部25aが排出口29に対応する位置になると、球収容部25aに保持されていた遊技球は球収容部25aから離脱し排出口29を通って落下する(球収容部25aが保持していた遊技球を離脱させる状態、図2(c)参照)。
排出口29を通過した球収容部25aは「空き」であるから(図2(d)参照)、流入口28に対応する位置になれば遊技球を受け入れできる。
【0022】
普通電動役物22は、チューリップ式の可変入賞装置であり、一対の可動羽根31を立てた通常状態(図2(a)参照)と、これらを左右に倒した開放状態(図2(b)参照)とに変化する。
普通電動役物22は、その上下方向中心軸が回転誘導装置23の排出口29の中心軸と一致する設定で設置されており、排出口29から排出された遊技球は可動羽根31の間(実際には普通電動役物22の命釘30の間)に向かって落下する(図2(c)参照)。排出口29から命釘30までの落下距離は小さいので(本実施例では遊技球の直径の約1.2倍、遊技球の直径を上回るが2倍には至らない程度が好適)、排出口29から排出された遊技球が普通電動役物22に入賞する確率は高い。
【0023】
普通電動役物22は、遊技球がゲート21を通過したことに起因する普通図柄抽選で当たりとなると(普通図柄表示器17に当たりの普通図柄が表示されると)設定時間だけ開放されるが、1開放中に3個の入賞があれば前記時間に達しなくとも開放が終了する。
【0024】
図1に示すように、普通電動役物22の左右には普通入賞口32が配され、下方にはアタッカー式の大入賞口35と左右の普通入賞口32とを備える大入賞装置37が配され、盤面最下部にはアウト口38が設けられている。
なお、遊技盤10には、ランプ風車、風車、多数の遊技釘30(一部のみ図示)が装着されているが、これらは周知であるので説明を省略する。
【0025】
本実施例のパチンコ機の制御系中、本発明に関連が深い部分のみを図3にて説明する。
中枢となる主制御装置70は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート、各種の抽選や選択に使用する乱数カウンタ(複数)等を備えている(詳細の図示は省略)。
【0026】
主制御装置70には、普通電動役物22への入賞球を検出する特別図柄始動口スイッチ22a、遊技球がゲート21を通過したことを検出する普通図柄始動口スイッチ21a、遊技球が大入賞口35の内部に設けられている特定領域を通過したことを検出するVスイッチ、大入賞口35への入賞球を検出するカウントスイッチ、普通入賞口32への入賞球を検出する賞球払出スイッチ等の検出信号が入力される。
【0027】
主制御装置70は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して表示制御装置72、払出制御装置、発射制御装置、音制御装置、ランプ制御装置に出力したり、また普通電動役物22の開閉、大入賞口35の開閉、回転体25の回転速度等を制御する。
【0028】
表示制御装置72は特別図柄表示装置18に組み込まれており、特別図柄表示装置18は、表示制御装置72、LCDパネルユニット15及び付属ユニットにて構成されている。上述のLCDパネル15aはLCDパネルユニット15の表示面である。表示制御装置72、主制御装置70から送られてくるコマンドに応じてLCDパネルユニット15の表示を制御する。なお、表示制御装置72はCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート、各種の選択等に使用する乱数カウンタ(複数)等を備えている(詳細の図示は省略)。
【0029】
払出制御装置、発射制御装置、音制御装置及びランプ制御装置の構成、制御対象、制御動作等は公知技術に従っており、また本発明との関連が薄いので図示と説明は省略する。
次に、パチンコ機の動作を説明する。
【0030】
このパチンコ機の動作の多くは公知の第1種パチンコ機とおおむね同様であるので、その概要を説明する。
まず普通電動役物22への入賞球を特別図柄始動口スイッチ22aで検出すると、主制御装置70は、大当たり判定用の乱数カウンタの値を読み込んで、これを通常テーブル又は確変テーブルに記録されている当たり値と照合して大当たりか否かの判定を行い、判定結果に応じて確定図柄(大当たり図柄又は外れ図柄)を決定し、また変動パターン(変動時間)を決定する。そして、主制御装置70は、確定図柄のデータと変動パターンのデータが含まれる図柄変動コマンドを生成して表示制御装置72に送信する。
【0031】
図柄変動コマンドを受信した表示制御装置72は、図柄変動コマンドに応じてLCDパネルユニット15を制御してLCDパネル15aにて変動表示を行わせた後に確定図柄を確定表示させる。
上述の大当たり判定が大当たりであると(LCDパネル15aにて大当たり図柄が確定表示された後に)、主制御装置70は、大入賞口35を開放動作させて大当たり遊技を実行する。
【0032】
大当たり遊技の終了時には、大当たり遊技の原因となった大当たり図柄が確変図柄であったか否かに応じて確変フラグを操作して、大当たり判定の当たり確率を高確率(確変フラグセット)又は通常確率(確変フラグクリア)に設定する。
確変フラグがセットされていると、大当たり判定は通常テーブル(通常確率)よりも大当たりの確率が高い確変テーブルによって行われる。
【0033】
また、大当たり遊技の終了後に高確率にならなかったとき(通常確率)は、特別図柄の変動回数が設定値(例えば100回)になるまで、特別図柄の変動時間が短縮される(時短遊技が行われる)。
なお、高確率遊技中又は時短遊技中は、普通電動役物22の開放時間が通常よりも長くされる。
【0034】
さて、本実施例に独特な回転誘導装置23の制御を図4、図5を参照して説明する。
図4に示すように、主制御装置70は通常遊技(高確率遊技でも時短遊技でもない遊技状態)か否かを判断し(S101)、肯定判断なら通常回転を選択(S102)、通常遊技ではなくて(S101:NO)時短遊技中なら(S103:YES)時短回転を選択し(S104)、時短遊技でもない、すなわち高確率中なら(S103:NO)確変回転を選択する(S105)。
【0035】
本実施例の場合、通常回転、時短回転、確変回転は、それぞれ図5(a)に示すとおりの設定となっており、主制御装置70は、通常回転であれば60秒/1回転、時短回転であれば5秒/1回転、確変回転であれば5秒/1回転となる回転速度で回転体25の回転速度(駆動用のモータ)を制御する。このとき主制御装置70は回転速度制御手段として機能している。
【0036】
このように、回転体25の回転速度を、通常遊技状態、時短遊技状態、高確率遊技状態に対応して変化させるので、回転体25を離脱した遊技球が普通電動役物22の入賞に起因して読み込まれる大当たり判定用の乱数値に周期性が生じるのを回避できる。特に回転体25は、球収容部25aから離脱した遊技球が普通電動役物22に向かって垂直落下する位置に設置されているから、上記大当たり判定用の乱数値の周期性を遊技状態に応じて回避するのに好適である。
【0037】
なお、回転誘導装置23の排出口29から普通電動役物22までの落下距離をより小さくして、排出口29から排出された遊技球のみが普通電動役物22に入賞できる構成とすることも可能で、その場合は回転誘導装置23に取り込まれた遊技球が確実に普通電動役物22に入賞するから、通常回転を特別図柄の平均の変動時間(本実施例では10秒)程度に、つまり図5(b)に例示するように設定すればよい。そうすれば、図柄変動の周期と始動入賞の発生周期が対応するので次々と図柄変動が行われる。また、遊技球が回転体の球収容部25aに流入できずに流入口28付近に保持されている際には、普通電動役物22に入賞する可能性が高く構成されているため、図柄変動への期待を高めると共に、図柄変動が生じることに関する予告的な役割をも果たすことができる。これによって、遊技者は図柄変動の保留記憶数が最大値であるときの遊技球の無駄な発射を事前に予見できるため、効率よく遊技球を利用し、大当たりを狙うことができる。
【0038】
或いは、回転体25と普通電動役物22との間にクルーンのような時間を不規則にする構造物を配置すれば、回転体25の動きと普通電動役物22への入賞のタイミングとを切り離すことができ、ランダム性をより高くできる。また、回転体25と普通電動役物22との間に釘などの障害物を配置して排出口29から落下してきた遊技球が普通電動役物22に入賞する率を変化させることもできる。
【0039】
【変形例1】
図6に示すように、回転誘導装置23をゲート21の上方に配置することもできる。回転体25は、図7に示すように、回転に伴って球収容部25aに遊技球を受け入れ、搬送し、離脱させる。図7(a)〜(d)に示す回転誘導装置23の状態は、それぞれ図2(a)〜(d)と同様である。
【0040】
この場合、回転速度の選択は図4と同様に行われるが、通常回転、時短回転、確変回転は例えば図5(c)に示すように設定され、主制御装置70は、通常回転であれば180秒/1回転、時短回転であれば5秒/1回転、確変回転であれば5秒/1回転となる回転速度で回転体25の回転速度(駆動用のモータ)を制御する。
【0041】
このように、回転体25の回転速度を、通常遊技状態、時短遊技状態、高確率遊技状態に対応して変化させるので、回転体25を離脱した遊技球がゲート21に進入した際に読み込まれる普通図柄抽選用の乱数値に周期性が生じるのを回避できる。特に回転体25は、球収容部25aから離脱した遊技球がゲート21に向かって垂直落下する位置に設置されているから、上記普通図柄抽選用の乱数値の周期性を遊技状態に応じて回避するのに好適である。
【0042】
なお、回転誘導装置23の排出口29からゲート21までの落下距離をより小さくして、排出口29から排出された遊技球のみがゲート21を通過できる構成とすることも可能で、その場合は回転誘導装置23に取り込まれた遊技球が確実にゲート21を通過するから、通常回転を普通図柄の平均の変動時間(本実施例では30秒)程度に、つまり図5(d)に例示するように設定すればよい。そうすれば、普通図柄変動の周期と普通図柄始動の発生周期が対応するので次々と普通図柄変動が行われる。
【0043】
【変形例2】
上記の例では回転誘導装置23と普通電動役物22(又はゲート21)とを、それぞれ独立に遊技盤10に装着しているが、図8(a)に示すように回転誘導装置23とゲート21とを共通のベース板40上に配置して1ユニットとしたり、図8(b)、(c)に示すように回転誘導装置23と普通電動役物22とを共通のベース板41上に配置して1ユニットとしたりできる。
【0044】
このように、回転誘導装置23と普通電動役物22又はゲート21とを1ユニット化すると、遊技盤10への取り付け誤差又は製品誤差によって生じる入球率の変化を最小限に抑えることができる。また、回転誘導装置23と普通電動役物22(又はゲート21)とをベース板を異ならせて個々に設けるように構成する場合に比べ、盤面上に占める取付面積を小さく抑えることにができ、遊技盤面上の限られたスペースを有効に活用することによって、遊技機の興趣を高めることも可能となる。
【0045】
【実施例2】
図9に示すように、本実施例では、回転誘導装置23と普通電動役物22とはベース板41上に1ユニット化されている。また、このユニットには流入球検出手段となる検出スイッチ42も含まれており、流入口28を通過する遊技球は検出スイッチ42によって検出される。検出スイッチ42の検出信号は主制御装置70に入力される。普通電動役物22が通常状態(図9(a))のときは、回転誘導装置23の排出口29から普通電動役物22までの距離が小さくて、排出口29から排出された遊技球のみが普通電動役物22に入賞できるが、図9(b)に示すように普通電動役物22が開放された際には、排出口29から排出された遊技球でなくても側方から入賞できる。なお、図9に示す以外の構成は実施例1と同様である。
【0046】
本実施例における回転誘導装置23の制御について図10、図11を参照して説明する。
図10に示すように、主制御装置70は、検出スイッチ42の検出信号が入力されると(S201:YES)、回転速度決定用の乱数値を読み込んで(S202)、通常遊技か否かを判断する(S203)。
【0047】
通常遊技中で(S203:YES)、乱数値が判定値と一致すれば(S204:YES)回転体25の回転速度を回転速度aに制御し(S205)、乱数値が判定値と一致しないときは(S204:NO)回転体25の回転速度を回転速度bに制御する(S206)。
【0048】
通常遊技中ではなく(S203:NO)、時短遊技中なら(S207:YES)、乱数値が判定値と一致すれば(S208:YES)回転体25の回転速度を回転速度cに制御し(S209)、乱数値が判定値と一致しないときは(S208:NO)回転体25の回転速度を回転速度dに制御する(S210)。
【0049】
通常遊技中でも時短遊技中でもないなら(S207:NO)、乱数値が判定値と一致すれば(S211:YES)回転体25の回転速度を回転速度eに制御し(S212)、乱数値が判定値と一致しないときは(S211:NO)回転体25の回転速度を回転速度fに制御する(S213)。
【0050】
回転速度a〜fを選択する点で主制御装置70は回転速度決定手段として機能している。
回転速度a〜fの設定は図11(a)に示すとおりである。
回転速度をこのように制御する構成としたので、回転体25の回転速度をランダムに変更することができる。
【0051】
なお、図11(a)に示す回転速度a〜fの設定は例示であり、これらに限定されない。また、回転速度の種類(目標回転速度)は各遊技状態毎に2種類ではなくて3種類以上でもよい。
また、図14(b)に例示するように普通電動役物22を固定式の入賞口44に置き換える等により、回転誘導装置23の排出口29から排出された遊技球のみが特別図柄始動口に入賞できる構成とすることも可能である。その場合の回転速度a〜fは図11(b)に例示するように設定すればよい。
【0052】
また、本実施例においては大当たり判定に関わる処理にも特徴があるので、図12(乱数記憶処理)及び図13(当否判定処理)によって説明する。
図12の乱数記憶処理では、検出スイッチ42の検出信号(流入信号)が入力されると(S301:YES)、大当たり判定用の第1乱数値を読み込んで(S302)、保留記憶数が最大(保留満杯)か否かを判断する(S303)。保留満杯でなければ(S303:NO)第1乱数値を保留記憶する(S304)。
【0053】
S301で否定判断のとき、S303で肯定判断のとき又はS304に続いては、特別図柄始動口スイッチ22a(進入検出手段に該当)の検出信号(進入信号)が入力されたか否かを判断する(S305)。この検出信号が入力されていれば(S305:YES)、大当たり判定用の第2乱数値を読み込んで(S306)、保留記憶数が最大(保留満杯)か否かを判断する(S307)。保留満杯でなければ(S307:NO)第2乱数値を保留記憶する(S308)。
【0054】
S305で否定判断のとき又はS307で肯定判断のときはリターンする。
図13の当否判定処理では、まず大当たり中か(S401)、変動表示中か(S402)、保留記憶b(第2乱数値の保留記憶)があるか(S403)を順に判断する。
【0055】
大当たり中ではなく(S401:NO)、変動表示中でもなく(S402:NO)、保留記憶bがあるときに限り(S403:YES)、第1乱数値と第2乱数値とを演算処理する(S404)。
そして、確変中であれば(S405:YES)、確変テーブルの確変判定値とS405で演算処理後の数値とを照合し(S406)、確変中でなければ(S405:NO)、通常テーブルの通常判定値とS405で演算処理後の数値とを照合して(S407)、大当たりか否かを判定する。主制御装置70は演算判定手段として機能している。
【0056】
S406又はS407の判定結果が大当たりなら(S408:YES)、大当たり図柄を確定図柄として決定し(S409)、変動パターンを決定する(S410)。
S406又はS407の判定結果が外れなら(S408:NO)、通常遊技中か否かを判断する(S411)。
【0057】
通常遊技中なら(S411:YES)、外れ図柄を確定図柄として決定し(S412)、通常遊技時の変動パターンを決定し(S413)、通常遊技中でなければ(S411:NO)、外れ図柄を確定図柄として決定し(S414)、時短の変動パターンを決定する(S415)。
【0058】
S409、S412又はS414の確定図柄のデータとS410、S413又はS415の変動パターンは図柄変動コマンドとして表示制御装置72に送信され、実施例1で説明したと同様に特別図柄の変動表示と確定表示がおこなわれる。判定が大当たりで大当たり図柄が確定表示されると大当たり遊技が実行されるのも実施例1と同様である。
【0059】
このように、流入口28を通過して球収容部25aに流入する遊技球を検出スイッチ42で検出し、その検出信号(流入信号)に応じて第1乱数値を読み込む。また、遊技球が普通電動役物22に入賞して特別図柄始動口スイッチ22aからの検出信号(進入信号)に応じて第2乱数値を読み込む。そして、第1乱数値と第2乱数値とを演算し、その演算結果に基づいて大当たりか外れかを判定するから、その判定結果にランダム性が確保できる。
【0060】
なお、大当たりか否かの判定にランダム性を確保するだけなら、回転体25の回転速度を図11に示すように大幅に変化させる必要はなく、例えば14.5秒/1回、15.0秒/1回、15.5秒/1回という程度に小幅に変化させるだけでも十分である。
【0061】
また、普通電動役物22を固定式の入賞口44に置き換える例は図14(b)に示したが、図14(a)に示すように回転誘導装置23及び検出スイッチ42をゲート21に適用してもよい。
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の遊技盤の正面図。
【図2】実施例1の回転誘導装置の動作説明図。
【図3】実施例1のパチンコ機のブロック図。
【図4】実施例1の主制御装置が実行する回転制御処理のフローチャート。
【図5】実施例2の回転速度の設定の説明図。
【図6】変形例1の遊技盤の正面図。
【図7】変形例1の回転誘導装置の動作説明図。
【図8】変形例2の回転誘導装置の説明図。
【図9】実施例2の回転誘導装置の説明図。
【図10】実施例2の主制御装置が実行する回転制御処理のフローチャート。
【図11】実施例2の回転速度の設定の説明図。
【図12】実施例2の主制御装置が実行する乱数記憶処理のフローチャート。
【図13】実施例2の主制御装置が実行する当否判定処理のフローチャート。
【図14】実施例2の回転誘導装置の変形例の説明図。
【符号の説明】
10 遊技盤
13 遊技領域
18 特別図柄表示装置
21 ゲート(図柄始動口)
21a 普通図柄始動口スイッチ
22 普通電動役物(図柄始動口)
22a 特別図柄始動口スイッチ(進入球検出手段)
23 回転誘導装置
25 回転体
25a 球収容部
28 流入口
29 排出口
35 大入賞口
42 検出スイッチ(流入球検出手段)
70 主制御装置(回転速度制御手段、演算判定手段、回転速度決定手段)
72 表示制御装置

Claims (5)

  1. 遊技球を収容可能な球収容部を有して遊技盤面に沿って回転し、その回転に伴って前記球収容部が遊技球を受け入れ可能な状態、前記球収容部が遊技球を保持可能な状態、前記球収容部が保持していた遊技球を離脱させる状態に順次変化する回転体を備えた弾球遊技機において、
    前記回転体の回転速度を変更制御する回転速度制御手段を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項1記載の弾球遊技機において、
    該弾球遊技機は、遊技球が図柄始動口に進入したことに起因して図柄を変動表示し、その変動表示後に確定表示する図柄によって当たり外れを報知する構成であり、
    前記回転体は、前記球収容部から離脱した遊技球が前記図柄始動口に向かって落下する位置に設置されていることを特徴とする弾球遊技機。
  3. 請求項2記載の弾球遊技機において、
    前記球収容部から離脱した遊技球のみが前記図柄始動口に進入可能に構成されていることを特徴とする弾球遊技機。
  4. 請求項2又は3記載の弾球遊技機において、
    前記遊技球を受け入れ可能な状態の前記球収容部に流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、
    前記図柄始動口に進入した遊技球を検出する進入球検出手段と、
    前記流入球検出手段からの検出信号(流入信号)に応じて読み込んだ第1乱数値と前記進入球検出手段からの検出信号(進入信号)に応じて読み込んだ第2乱数値とを用いて演算し、該演算結果に基づいて当たり外れを判定する演算判定手段を設け、
    該演算判定手段の判定結果が前記確定表示された図柄によって報知される構成としたことを特徴とする弾球遊技機。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の弾球遊技機において、前記遊技球を受け入れ可能な状態の前記球収容部に流入する遊技球を検出する流入球検出手段と、
    前記流入球検出手段からの検出信号(流入信号)に応じて読み込んだ回転数制御用乱数値に基づいて前記回転体の目標回転速度を決定する回転速度決定手段とを設け、
    前記回転速度制御手段は前記回転体の回転速度を該目標回転速度に制御することを特徴とする弾球遊技機。
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