JP2004344297A - 短下肢装具 - Google Patents

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Eiichi Saito
栄一 才藤
Takayoshi Inagaki
孝好 稲垣
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Abstract

【課題】軽くて嵩張らず、かつ、足関節が底屈・背屈方向へ円滑に動かすことのできる短下肢装具を提供する。
【解決手段】足部を載せる足載置体2と、膝下方部の下腿部のところに装着される下腿カフ5と、下腿カフ5と足載置体2との間を連結するものであって踵後方部位から上方に伸びて上記下腿カフ5に連結される後方支柱1と、からなるようにする。後方支柱1を平板状のプラスチック材からなるようにするとともに、上記足載置体2との連結部に第一のヒンジ機構10を設け、更に、上記下腿カフ5との連結部に第二のヒンジ機構6を設ける。上記第一のヒンジ機構10のところに、足載置体2と後方支柱1との間において底屈方向または背屈方向へ所定の角度だけ傾くことが可能なように形成された角度調整機構を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行の不自由な障害者が歩行訓練を行う際に用いられる短下肢装具に関するものであり、特に、本短下肢装具を、足部(フット部)の載せられる足載置体と、障害者の下腿部に装着される下腿カフと、当該下腿カフと上記足載置体との間を連結する後方支柱と、の3部品からなるようにするとともに、これら各部品を適宜選択することによって、異なった仕様のものを迅速に作製し、これによって各障害者の体形に適合した短下肢装具を迅速に提供することのできるようにした短下肢装具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、片麻痺患者の歩行訓練に用いられる短下肢装具としては、下腿部の両側に金属製の支柱を取り付けるようにした金属製両側支柱式短下肢装具、またはプラスチック製の半割チューブ状体からなるシューホーン型装具、あるいは、特開平9−103443号公報記載のものの如く、足継ぎ手を足関節の内外両側に有する足継ぎ手付きプラスチック製短下肢装具等が知られている。そして、これら各短下肢装具は、オーダーメイドにて、各個人の足部に合わせて一個づつ作製(製造)されるもの、あるいはレディメイドによって作製されるもの等、種々の形態からなるものが挙げられる。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−103443号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記金属製両側支柱式短下肢装具にあっては、足載置体の踵を支点とした運動である底・背屈運動の制御と言う点においては優れているが、全体が嵩張るようになると言う問題点がある。これに対して、上記シューホーン型短下肢装具は、外観体裁は改善されているものの、その形状特性から、フレキシビリティを優先させると、全体の捩れ剛性が低下してしまい、歩行訓練には好ましくないと言う問題点がある。更には、上記足継ぎ手付きプラスチック製短下肢装具にあっては、可動範囲や補助モーメントの調整は可能であるが、上記シューホーン型短下肢装具よりも嵩張り感が大きく、外観体裁が悪いと言う問題点がある。また、上記各タイプのものにおいて、オーダーメイド方式によるものにおいては、採型、仮合わせ等を経ることにより、完成に至るまでに約2〜3週間程度の期間を要すると言う問題点がある。また、レディメード方式によるものにおいては、既存の数種類の短下肢装具の中から選ぶこととなるので、個人の足部の形状に合わないことも多く、患者に不都合を来すという問題点がある。このような問題点を解決するために、足載置体、後方支柱、下腿カフの3部品からなり、これら各部品をキット化し、臨床現場での足型の採取とこれに平行する足載置体の作製とを迅速に行い、個々の患者に合致した短下肢装具を迅速に提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講じることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、足部を載せる足載置体と、膝下方部の下腿部のところに装着される下腿カフと、当該下腿カフと上記足載置体との間を連結するものであって踵後方部位から上方に伸びて上記下腿カフに連結される後方支柱と、からなる短下肢装具に関して、上記後方支柱の上記足載置体との連結部のところに第一のヒンジ機構を設け、当該第一のヒンジ機構のところに、上記足載置体が底屈方向または背屈方向へ所定の角度だけ傾くことが可能なように形成された角度調整機構を設け、更に、上記後方支柱の上方部のところに第二のヒンジ機構を設けるとともに、当該第二のヒンジ機構を介して上記下腿カフを上記後方支柱の上方部に取付けるようにした構成を採ることとした。
【0006】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、患者が本短下肢装具を装着することによって歩行訓練を円滑に行うことができるようになる。すなわち、本発明のものにおいては、上記足載置体と下腿カフとの間に設けられる後方支柱が、足載体置との連結部のところに設けられた第一のヒンジ機構を支点にして前後に傾くようになっていることより、装着者の歩行運動中において、足載置体が背屈方向及び底屈方向に所定の角度だけ自由に傾くようになる。また、所定の角度だけ傾いた状態において、その位置にて固定されるようになっているので、くるぶしを支点にして足部が所定量傾いた状態において下腿部(脛部)が、この位置に保持されることとなる。更に、装着者のふくらはぎの近くを保持する下腿カフが後方支柱の上方部に第二のヒンジ機構を介して取付けられるようになっているので、歩行運動中において下腿カフとふくらはぎとの間においてずれ等を吸収することができるようになる。その結果、装着者は、他の補助器具、例えば松葉杖等を用いて、比較的円滑に歩行運動を行うことができるようになる。
【0007】
次に、請求項2記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、請求項1記載の短下肢装具に関して、上記第一のヒンジ機構のところに、装着者の下腿部側に所定の反力を付与するように作用するバネ機構を設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいても、上記請求項1記載のものと同様、本短下肢装具装着者は歩行訓練を円滑に行うことができるようになる。特に、本発明のものにおいては、上記第一のヒンジ機構のところに所定の反力を発揮するバネ機構が設けられるようになっていることより、上記足載置体が、背屈方向あるいは底屈方向に所定量傾いた状態において、装着者の下腿部のところには、所定量のバネ反力が作用するようになる。このバネ反力の作用により、装着者は、自身の足部のところに所定の跳ね返り力を受けるようになり、足の運びを円滑に行うことができるようになる。その結果、装着者(患者)は歩行訓練を効率良く行うことができるようになる。
【0008】
次に、請求項3記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、請求項1記載の短下肢装具に関して、上記後方支柱を、所定の方向への剛性が高くなるように形成された方向依存性型のプラスチック材からなるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいても、上記請求項1記載のものと同様、装着者の歩行訓練が円滑に行われるようになる。特に、本発明のものにおいては、上記後方支柱が、例えば、その長手方向には所定の撓み剛性を有する一方、捩り方向に関しては、その剛性が極端に高い値を有する等、方向依存性のある部材にて形成されるようになっているので、装着者の足部が載せられる足載置体が、歩行訓練中において左右にずれたりするようなことがない。すなわち、横ブレ等を防止することができるようになる。このような状態において、後方支柱は、その前後方向、すなわち足の脛の部分の前後方向への傾き方向に対しては、ある程度撓み変形をするようになり、装着者の歩行運動中において足部(フット部)と脛部との間における相対変位に、ある程度追従することができるようになる。その結果、装着者の歩行訓練は円滑に進められるようになる。
【0009】
次に、請求項4記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1ないし請求項3記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の短下肢装具に関して、上記足載置体を、初期の段階においては既存の成形体からなる仮足載置体を仮装着しておくようにするとともに、一定期間使用後、患者の足型に合わせて成形された正規の足載置体を上記仮足載置体と取替えるようにした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記仮足載置体を、例えば標準品的に3つのサイズのものを予め用意しておき、これらのうちの適当なサイズのものを選んで仮足載置体として採用することによって、即日に歩行訓練が可能となる。そして、これと同時に、患者の足部からフォーミング成形手段にて採型した陽性モデルを作成し、これを基礎に正規の足載置体を成形し、この正規の足載置体が形成(作製)された時点において、上記仮足載置体と取り替えるようにする。これによって、患者(装着者)の足型に合致した足載置体を有する短下肢装具が効率良く形成(作製)されることとなる。その結果、患者の歩行訓練を仮の足載置体を用いて早期に開始することができるようになるとともに、最終的には患者の足型に合致した短下肢装具を迅速に形成(作製)することができるようになり、患者の歩行訓練を効率良く進めることができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図9を基に説明する。そのうちの第一の実施の形態に関するものは、図1に示す如く、片麻痺患者である装着者の足部(フット部)の載せられる足載置体2と、当該足載置体2を形成するの踵部23の後方部に結合され、上方に伸びるように形成され、かつ、装着者の下腿部を支持するように形成される後方支柱1と、当該後方支柱1の上端部に設けられるものであって装着者の膝の下方部を拘束するように保持する下腿カフ5と、からなることを基本とするものである。
【0011】
このような基本構成からなるものにおいて、上記足載置体2は、全体がプラスチック材にて形成されるものであって多くの場合は踵部23も含めて全体が所定の成形手段にて一体的に成形されるようになっているものである。そして、このように形成されたプラスチック製足載置体2の、その踵部23のところには、L字状に屈曲した板金製の連結ブラケット33がビス34を介して取り付けられるようになっている。そして、このL字状の連結ブラケット33のところには、後に述べる後方支柱1の一部が第一のヒンジ機構10を介して取付けられるようになっているものである。そして、このような足載置体2の長手方向両側縁部のところには、装着者の足部の甲の部分を締め付けるように形成されたベルト31、32が設けられるようになっている。
【0012】
次に、このような構成からなる上記足載置体2の作製(製造)手順について説明する。まず、最初の段階においては、例えば3種類のサイズ等からなる異なった形状の仮足載置体2’を予め用意しておくとともに、これら仮足載置体2’、後方支柱1、下腿カフ5をキットとして揃えておくようにする。このような状態において、上記予め用意されてあった仮足載置体2’のうちの適当なサイズのものを取出して患者の足部に仮装着するとともに、このような状態で所定のプラスチック材を上記仮足載置体2’の内部に注入し発泡させる。すなわち、所定のフォーミング手段を用いて患者の足型に合致した仮足載置体2’を形成する。そして、このような仮足載置体2’のところに上記キットとして揃えられていた後方支柱1、下腿カフ5を取り付けて仮の短下肢装具を形成(製作)する。従って、患者は、この仮の短下肢装具を用いて直ちに歩行訓練を開始することができるようになる。また、上記フォーミング手段にて仮足載置体2’が形成された状態において、当該仮足載置体2’の内部形状を用いて陽性モデルを作成し、この陽性モデルを基礎に患者(装着者)の足型に合致した正規の足載置体2を形成(作製)する。そして、この正規の足載置体2が完成した時点において、上記仮の足載置体2’と取替えることによって、患者(装着者)の足型に合致した足載置体2を有する短下肢装具が効率良く形成されることとなる。
【0013】
次に、上記足載置体2の上方部であって当該足載置体2に設けられた連結ブラケット33のところに第一のヒンジ機構10を介して取り付けられる後方支柱1について説明する。本実施の形態に係る後方支柱1は、図1に示す如く、足載置体2に設けられた連結ブラケット33の垂直部33aに第一のヒンジ機構10を介して取付けられるようになっているものである。具体的には、後方支柱1の下端部のところが、第一のヒンジ機構10を形成する一方の部材である上部ヒンジプレート11にビスネジ等からなる締結手段19を介して連結されるようになっているものである。一方、このような後方支柱1の上端部のところには、第二のヒンジ機構6を介して下腿カフ5が取付けられるようになっているものである。具体的には、本後方支柱1の上端部のところが第二のヒンジ機構6を形成する一方のヒンジプレート61にビスネジ等からなる締結手段19を介して連結されるようになっているものである。そして、このような後方支柱1は、所定の板幅を有する可撓プレートからなるものである。すなわち、このような構成からなる本後方支柱1は、所定のプラスチック材にて形成されるものであって帯板状の外観形態を有するものである。そして、この帯板状の形態からなるプラスチック製の可撓プレート内には、炭素繊維等が混入され、このものは、板面直角方向には可撓性を有するが、所定の方向、例えば捩れ方向等には高い剛性値を有するようになっているものである。
【0014】
このような可撓性プレートからなる後方支柱1の下端部のところに取り付けられる第一のヒンジ機構10は、図1ないし図6に示す如く、2枚の帯板状金属製部材及び一本のピンにて形成されるようになっているものである。すなわち、本第一のヒンジ機構10は、図2及び図3に示す如く、金属製の上部ヒンジプレート11及び下部ヒンジプレート12、更には、これら両ヒンジプレート11、12を回転自在なように連結するヒンジピン13からなるものである。このような第一のヒンジ機構10の上部ヒンジプレート11には、上記可撓性プレートからなる後方支柱1の下端部がビス等の締結手段19を介して連結されるとともに、下部ヒンジプレート12には上記足載置体2に取付けられた連結ブラケット33の垂直部33aが同じくビス等の締結手段19を介して連結されるようになっているものである(図1参照)。また、このような構成からなる各ヒンジプレート11、12の、それぞれのヒンジピン13の取り付けられるところには、図2及び図3に示す如く、各種機構が形成されるようになっている。具体的には、図3に示す如く、上部ヒンジプレート11側には一対のヒンジ部111が設けられるとともに、下部ヒンジプレート12側にも上記上部ヒンジプレート11側のヒンジ部111と係合するヒンジ部121が設けられるようになっている。
【0015】
そして、これら各ヒンジ部111、121のところには、図3に示す如く、ヒンジピン13が装着されるとともに、当該ヒンジピン13のところには両ヒンジプレート11、12間に所定のバネ反力を付与するコイルスプリング7が設置されるようになっている。このコイルスプリング7は、図4にすように、自由状態時において、コイルスプリング7の2つの自由端が、互いに約30度の角度を成すように設定されているものである。このようなコイルスプリング7が、図2及び図3に示すように組み込まれると、上部ヒンジプレート11には、上記ヒンジピン13を中心にして当該上部ヒンジプレート11を、図1において後方側へ傾動させるような力が作用することとなる。すなわち、図5及び図6において、時計方向廻りへのバネ反力が付与されるようになる。すなわち、これによって、所定のバネ機構が形成されることとなる。
【0016】
次に、上記第一のヒンジ機構10のところに形成される角度調整機構について説明する。まず、上記各ヒンジ部111、121の、それぞれの先端部のところには、図3に示す如く、爪状の形態からなるストッパ部112、122が設けられるようになっている。また、各上部ヒンジプレート11及び下部ヒンジプレート12のうちのいずれか一方側、本実施の形態においては下部ヒンジプレート12の上記ヒンジ部121周りのところには、雌ネジ機構からなるネジ穴123が設けられるようになっている。そして、このようなネジ穴123のところには、雄ネジ機構からなる調整ボルト15が装着されるようになっている。このような構成を採ることにより、本実施の形態のものにおいては、第一のヒンジ機構10が組み立てられると、まず、図5に示すように、コイルスプリング7のバネ反力によって上部ヒンジプレート11の後端面が、下部ヒンジプレート12のヒンジ部121に形成されたストッパ部122に当接するようになる。これによって、上部ヒンジプレート11の中立状態(ほぼ垂直状態)が保持されることとなる。その結果、図1に示す如く、本短下肢装具全体の中立状態が保持されるようになる。
【0017】
また、上部ヒンジプレート11のヒンジ部111には、爪状のストッパ部112が設けられている。そして、これは、図6に示すように、調整ボルト15の先端部155の位置を適当に調整することによって、コイルスプリング7のバネ反力に抗して上部ヒンジプレート11を前方へ傾動させることができるようになっているものである。その傾斜角度は、上記調整ボルト15の先端部155を移動させることによって規制されるものであり、上記上部ヒンジプレート11に設けられたストッパ部112が下部ヒンジプレート12の前面に当接するまでの範囲内の値である。具体的には、本実施の形態においては、例えば約20°の値に設定されている。このような角度調整機構、具体的には調整ボルト15の先端部155の位置を適宜調整することによって、中立位置(図5の状態)を基点にして、傾動角度、すなわち、後方支柱1等の作動角度を適宜調整することができる。また、これによって、背屈運動時の反力あるいは底屈運動時の反力等を制御することができるようになる。そして、このことは、短下肢装具を作製した後においても可能である。従って、臨床現場での微調整を行うことができるようになる。
【0018】
次に、本第一のヒンジ機構10についての第二の実施の形態について、図7ないし図9を基に説明する。このものも、その基本的な点は、上記第一の実施の形態のものと同じである。異なる点は、バネ機構におけるコイルスプリング7のバネ反力の働く方向に関する点である。具体的には、本実施の形態に関するものは、図7に示す如く、上部ヒンジプレート11と、当該上部ヒンジプレート11にヒンジピン13を介して回転自在なように連結される下部ヒンジプレート12と、これら各ヒンジプレート11、12のヒンジ部111、121周りであって上記ヒンジピン13のところに設けられるコイルスプリング7と、からなることを基本とするものである。このような構成からなるものにおいて、本実施の形態のものにおいては、上記コイルスプリング7が第一の実施の形態のものとは逆の方向、すなわち、図8において、上部ヒンジプレート11を反時計方向廻りに回転させるようにバネ反力を発揮するよう、コイルスプリング7の自由端が各ヒンジ部111、121のところに設置されるようになっているものである。
【0019】
また、これに関連して、調整ボルト15も上部ヒンジプレート11のヒンジ部111周りに設置され、その先端部155が下部ヒンジプレート12側に設けられたストッパ部122に接触するようになっているものである(図9参照)。その結果、上部ヒンジプレート11と下部ヒンジプレート12とがセットされた状態において、各ヒンジプレート11、12は、図9の実線図示の如く、直立状の中立状態を保持するようになる。すなわち、図8及び図9に示す如く、コイルスプリング7のバネ反力の作用により、上部ヒンジプレート11側のストッパ部112が下部ヒンジプレート12の前面に接触することによって、中立位置が保持されることとなる。また、上部ヒンジプレート11のヒンジ部111周りに設けられた調整ボルト15の先端部155の位置を適宜調整することによって、上部ヒンジプレート11の後方への傾動角度を適当な値に制御することができるようになっている。本実施の形態においては、図9の二点鎖線図示の如く、上記調整ボルト15を調整することによって、上部ヒンジプレート11の背面側と下部ヒンジプレート12側のストッパ部122とを接触させた状態で最大傾斜角約20°まで、上記上部ヒンジプレート11、すなわち、後方支柱1を後方へ傾けさせることができるようになっている。このように、本第二の実施の形態のものにおいては、上部ヒンジプレート11及び後方支柱1が、図9に示す如く、中立位置から後方へ、コイルスプリング7のバネ反力に抗した状態で傾動可能なようになっているものである。この傾動方向及び傾動運動に対する抵抗モーメントの発生方向が、上記第一の実施の形態のものとは異なっている(反対となっている)点が、本実施の形態のものの特徴である。
【0020】
次に、このような構成からなる後方支柱1の、その上端部のところに第二のヒンジ機構6を介して取付けられる下腿カフ5について、図1を基に説明する。このものは、図1に示す如く、半円筒状の形態からなるものであって人工レザー等にて形成され、装着者の下腿部に巻き付けられるようになっているものである。そして、その開口部のところには、本下腿カフ5を患者の下腿部に装着するためのベルト51及びバックル52等が設けられるようになっているものである。
【0021】
なお、このような下腿カフ5と後方支柱1の上端部との間を連結する第二のヒンジ機構6は、図1に示す如く、上記後方支柱1の上端部のところにビスネジ等からなる締結手段19を介して取付けられる一方のヒンジプレート61と、半円筒状の下腿カフ5の後方部のところに所定の締結手段55にて取付けられるもう一方のヒンジプレート65と、これら両ヒンジプレート61、65を回転自在なように支持するヒンジピン66と、からなるものである。このようなヒンジ機構(第二のヒンジ機構)6を介して下腿カフ5が後方支柱1の上端部のところに取付けられることによって、装着者が歩行運動をする際に生ずる、くるぶしを中心としたふくらはぎ部における下腿カフ5装着部周りの運動軌跡と、上記第一のヒンジ機構10におけるヒンジピン13を支点とした上記下腿カフ5の運動軌跡と、の差によるふくらはぎ部のずれを吸収することができるようになる。
【0022】
このような構成からなる本短下肢装具を装着することによって、患者(装着者)は、歩行訓練を円滑に行うことができるようになる。特に、この場合、上記第一のヒンジ機構10が所定の範囲内で作動することの外に、上記可撓性プレートからなる後方支柱1自体も前後方向に弾性変形をするようになっているため、これによって、ある程度の底屈運動及び背屈運動が許容されるようになる。また、下腿部は、コイルスプリング7のバネ反力及び後方支柱1の可撓性によるバネ反力に打ち勝つように作動するが、このとき、上記下腿部には所定の抵抗モーメントが生ずるようになる。その結果、背屈運動及び底屈運動に対する適当な反力が形成され、患者(装着者)の歩行訓練が効率良く行われるようになる。また、このような反力(抵抗モーメント)の値は、上記調整ボルト15を適宜調整することによって最適の状態に設定されるようになっている。具体的には、本実施の形態においては、足関節における初期角度を背屈側に0°〜10°の範囲内において調整しておくようにするとともに、このような状態において脛部が後方へ傾斜する底屈方向への運動に対しては、2〜20Nmの抵抗モーメントが生ずるように調整をしておくようにする。このような性能を有する短下肢装具を装着することによって、患者は歩行訓練を円滑に行うことができるようになるとともに、リハビリテーションを効果的に進めることができるようになる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、足部を載せる足載置体と、膝下方部の下腿部のところに装着される下腿カフと、当該下腿カフと上記足載置体との間を連結するものであって踵後方部位から上方に伸びて上記下腿カフに連結される後方支柱と、からなる短下肢装具に関して、上記後方支柱の上記足載置体との連結部のところに第一のヒンジ機構を設け、当該第一のヒンジ機構のところに、上記足載置体が底屈方向または背屈方向へ所定の角度だけ傾くことが可能なように形成された角度調整機構を設け、更に、上記後方支柱の上方部のところに第二のヒンジ機構を設けるとともに、当該第二のヒンジ機構を介して上記下腿カフを上記後方支柱の上方部に取付けるようにした構成を採ることとしたので、患者が本短下肢装具を装着することによって歩行訓練を円滑に行うことができるようになった。すなわち、本発明のものにおいては、上記足載置体と下腿カフとの間に設けられる後方支柱が、その下方部に設けられるヒンジ機構を介して前後に傾くようになっていることより、装着者の歩行運動中において、足載置体が背屈方向及び底屈後方に所定の角度だけ自由に傾くようになるとともに、所定の角度だけ傾いた状態において、その位置にて固定されるようになり、くるぶしを支点にして足部が所定量傾いた状態において下腿部と本短下肢装具とが密着するようになった。その結果、装着者は、適度のフィット感を得ることができるようになり、他の補助器具、例えば松葉杖等を用いて、歩行運動を円滑に行うことができるようになった。
【0024】
また、本発明においては、上記後方支柱と足載置体との連結部に設けられるヒンジ機構のところに、装着者の下腿部側に所定の反力を付与するように作用するバネ機構を設けるようにした構成を採ることとしたので、上記足載置体が、背屈方向あるいは底屈方向に所定量傾いた状態において、装着者の下腿部のところには、所定量のバネ反力が作用するようになり、このバネ反力の作用により、装着者は、自身の足部のところに所定の跳ね返り力を受けるようになった。その結果、患者(装着者)は足の運びを円滑に行うことができるようになり、患者(装着者)は歩行訓練を効率良く行うことができるようになった。
【0025】
また、本発明においては、後方支柱を、所定の方向への剛性が高くなるように形成された方向依存性型のプラスチック材からなるようにした構成を採ることとしたので、装着者の歩行訓練が円滑に行われるようになった。特に、本発明のものにおいては、上記後方支柱が、例えば、その長手方向には所定の撓み剛性を有する一方、捩り方向に対しては、その剛性が極端に高い値を有する等、方向依存性のある部材にて形成されるようにしたので、装着者の足部が載せられる足載置体が、歩行訓練中において左右にずれたりするようなことが無くなった。すなわち、足載置体が横ブレ等をするようなことが無くなった。その結果、後方支柱は、その前後方向、すなわち、足の脛の部分の前後方向への傾き方向に対しては、ある程度撓み変形をするようになり、装着者の歩行運動中において足部(フット部)と脛部との間における相対変位に、ある程度追従するようになり、装着者の歩行訓練は円滑に進められるようになった。
【0026】
また、本発明においては、足載置体に関して、初期の段階においては既存の成形体からなる仮足載置体を仮装着しておくようにするとともに、一定期間使用後、患者の足型に合わせて成形された正規の足載置体を上記仮足載置体と取替えるようにしたので、患者は、即日に仮の足載置体を用いて歩行訓練を開始することができるようになった。そして、これと同時に、患者の足部からフォーミング成形手段にて採型した陽性モデルを作成し、これを基礎に正規の足載置体を作製し、この正規の足載置体が作製された時点において、上記仮足載置体と取り替えるようにし、これによって、患者(装着者)の足型に合致した足載置体を有する短下肢装具を迅速に形成(作製)することができるようになった。このように、本発明のものにおいては、患者の歩行訓練が仮の足載置体を用いて早期に開始されると同時に、最終的には患者の足型に合致した短下肢装具を作製することができるようになり、患者の歩行訓練を効率良く進めることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の主要部を成すヒンジ機構についての全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明にかかるヒンジ機構の全体構成を示す展開斜視図である。
【図4】本発明にかかるヒンジ機構に用いられるスプリングの全体構成を示す側面図である。
【図5】本発明における第一の実施形態に関するヒンジ機構周りの構成を示す側面図である。
【図6】第一の実施形態に関するヒンジ機構の作動態様を示す図である。
【図7】本発明にかかるヒンジ機構についての第二の実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図8】第二の実施形態に関するヒンジ機構周りの構成を示す部分断面図である。
【図9】第二の実施形態に関するヒンジ機構の作動態様を示す図である。
【符号の説明】
1 後方支柱
10 第一のヒンジ機構
11 上部ヒンジプレート
111 ヒンジ部
112 ストッパ部
113 ネジ穴
12 下部ヒンジプレート
121 ヒンジ部
122 ストッパ部
123 ネジ穴
13 ヒンジピン
15 調整ボルト
155 先端部
19 締結手段(ビスネジ)
2 足載置体
2’ 仮の足載置体
23 踵部
31 ベルト
32 ベルト
33 連結ブラケット
33a 垂直部
34 ビス
5 下腿カフ
51 ベルト
52 バックル
55 締結手段
6 第二のヒンジ機構
61 一方のヒンジプレート
65 もう一方のヒンジプレート
7 コイルスプリング

Claims (4)

  1. 足部を載せる足載置体と、膝下方部の下腿部のところに装着される下腿カフと、当該下腿カフと上記足載置体との間を連結するものであって踵後方部位から上方に伸びて上記下腿カフに連結される後方支柱と、からなる短下肢装具において、上記後方支柱の上記足載置体との連結部のところに第一のヒンジ機構を設け、当該第一のヒンジ機構のところに、上記足載置体が底屈方向または背屈方向へ所定の角度だけ傾くことが可能なように形成された角度調整機構を設け、更に、上記後方支柱の上方部のところに第二のヒンジ機構を設けるとともに、当該第二のヒンジ機構を介して上記下腿カフを上記後方支柱の上方部に取付けるようにしたことを特徴とする短下肢装具。
  2. 請求項1記載の短下肢装具において、上記第一のヒンジ機構のところに、装着者の下腿部側へ所定の力を付与するように作用するバネ機構を設けるようにしたことを特徴とする短下肢装具。
  3. 請求項1記載の短下肢装具において、上記後方支柱を、所定の方向への剛性が高くなるように形成された方向依存性型プラスチック材からなるようにしたことを特徴とする短下肢装具。
  4. 請求項1ないし請求項3記載の短下肢装具において、初期の段階においては既存の成形体からなる仮足載置体を仮装着しておくようにするとともに、一定期間使用後、患者の足型に合わせて成形された正規の足載置体を上記仮足載置体と取替えるようにしたことを特徴とする短下肢装具。
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