JP2004343527A - 電気音響変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、薄型化が可能であると共に振動板を音声信号に対応して確実に振動させることができる電気音響変換装置を提供すること。
【解決手段】本発明の電気音響変換装置は、平面状の振動板5と、この振動板5の上下に所定の隙間を有して配設された上板1と下板2とを備え、振動板5の所定位置には、中心部に円形空間6aを有すると共に上板1および下板2と平行な平面部6bを有するリング状の磁石6が配設され、この磁石6の平面部6bと対向する位置の上板1には、磁石6の平面部6bと平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイル7が配設され、磁石6を挟んで第1コイル7と対向する位置の下板2には、第1コイル7と同形状に巻回した第2コイル8が配設されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の電気音響変換装置は、平面状の振動板5と、この振動板5の上下に所定の隙間を有して配設された上板1と下板2とを備え、振動板5の所定位置には、中心部に円形空間6aを有すると共に上板1および下板2と平行な平面部6bを有するリング状の磁石6が配設され、この磁石6の平面部6bと対向する位置の上板1には、磁石6の平面部6bと平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイル7が配設され、磁石6を挟んで第1コイル7と対向する位置の下板2には、第1コイル7と同形状に巻回した第2コイル8が配設されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気音響変換装置に係わり、特に平面状で奥行き寸法が小さい薄型の電気音響変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノート型のパーソナルコンピュータや薄型のテレビ、もしくは携帯電話機等種々の電子機器に用いられるスピーカ、またはマイクロホン等として、薄型の電気音響変換装置が採用されている。
【0003】
このような従来の電気音響変換装置を、図3に基づいて説明すると、フェライト磁石等の永久磁石からなるリング状磁石21は、中心部に円形空間22を有して外形がリング状に形成され、その内縁部にS極と外縁部にN極とが形成されている。
また、リング状磁石21の上方には、所定の隙間を有して薄膜状の振動板23が配設され、その一面にはコイル24がリング状磁石21の形状に対応する範囲に渦巻き状に巻回されて、接着剤25により振動板23に固着されている。
【0004】
前記振動板23は、弛みの無い状態でハウジング26内部に張設されて、リング状磁石21の平らな面と対向する上方の振動板23にコイル24が接着されて配設されている。
また、リング状磁石21は、所定厚さの軟鉄製のヨーク27を介してハウジング26の底板26aに接着剤等で固着されている。
そして、リング状磁石21の内縁部のS極と外縁部のN極とに生じる磁束によって、従来の電気音響変換装置がスピーカの場合に、コイル24に音声電流を流すことにより、磁界が発生して、コイル24とリング状磁石21との間に反発力、または吸引力が発生する。
その結果、振動板23が振動して音声を再現することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−211496号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の電気音響変換装置は、渦巻き状に巻回したコイル24を接着剤25で振動板23に固着していたので、コイル24と接着剤25との重みによって、振動板23が下方に弛むおそれがあった。
前記振動板23に弛みが発生すると、振動板23を適正に振動させることができなくなり、音声を正常に再現できなくなるおそれがあった。
また、コイル24および接着剤25の重みで振動板23が弛んでも、振動板23がリング状磁石21に接しないように、振動板23とリング状磁石21との間の隙間を大きくしなければいけないので薄型化が難しかった。
また、リング状磁石21は、所定の厚さ寸法からなるフェライト磁石等の永久磁石で形成され、所定厚さのヨーク27を介して底板26aに取り付けられているので、振動板23と底板26aとの間隔が大きくなり、従来の電気音響変換装置の厚さが略2mm程度と厚くなる問題があった。
本発明は、前述したような課題に鑑みてなされたものであり、薄型化が可能であると共に振動板を音声信号に対応して確実に振動させることができる電気音響変換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の電気音響変換装置は、平面状の振動板と、この振動板を挟んで上下に所定の隙間を有して対向配設された上板と下板とを備え、前記振動板の所定位置には、中心部に円形空間を有すると共に前記上板および下板と平行な平面部を有するリング状の磁石が配設され、前記磁石の前記平面部と対向する位置の前記上板には、前記磁石の平面部と平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイルが配設され、前記磁石を挟んで前記第1コイルと対向する位置の前記下板には、前記第1コイルと同形状に巻回した第2コイルが配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記磁石は、磁性粉が練り込みされた磁性体ペーストを前記振動板の表面に印刷形成したことを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記磁石は、内周縁と外周縁とにおいて相互に磁極が異なるラジアル方向に着磁されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記課題を解決するための第4の解決手段として、前記第1コイルまたは/および前記第2コイルは、前記渦巻き状の内周側と外周側とにヨークが配設されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第5の解決手段として、前記内周側と外周側との前記ヨークを含む前記第2コイルのリング状の幅寸法は、前記ラジアル方向に着磁されている前記磁石の幅寸法と同寸法に形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関する電気音響変換装置の実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明に関する実施の形態を説明する要部断面図であり、図2は本発明に係わる磁石を説明する平面図である。
まず、本発明の1実施の形態の電気音響変換装置は、図1に示すように、外形が円形状で板厚が略0.1mmのステンレス板等からなる上板1が配設されている。また、後述する振動板5を挟んで上下に所定の隙間を有して下板2が対向配置されている。
【0013】
前記下板2は、上板1と同材質で外形が同形状に形成され、所定位置に複数の孔2aが貫通形成されている。
また、上板1と下板2との間には、環状の第1、第2スペーサ3、4が配設され、この第1、第2スペーサ3、4に上板1と下板2の外周部が支持されて、上板1と下板2とに挟めれた内部が空洞状になっている。
【0014】
前記第1、第2スペーサ3、4との間には、PETフィルム等の高分子材料からなり厚さが略10μmの振動板5が狭持されて配設されている。
前記振動板5は、円形状の外周端部に均等に張力が加えられた状態で、第1、第2スペーサ3、4に圧接狭持されて支持されているので、どの位置においても弛みがないようになっている。
また、振動板5の上面には、中心部に円形空間6aを有して外形がリング状の磁石6が形成されている。
【0015】
前記磁石6は、SmFeN等からなる磁性粉をポリエステル樹脂等のバインダーに練り込みして製造した磁性体ペーストを、振動板5にリング状に印刷して形成されている。そして、上板1と対向する磁石6の上面が平面状に形成されて平面部6bとなっている。
また、磁石6は、磁性体ペーストを印刷することにより、厚さが略0.1mmの薄肉に形成されて、重さが略0.02gと非常に軽くすることができる。
そのために、磁石6の重みで振動板5に弛みが発生することがない。また、磁石6は、図2に示すように、その内周側と外周側とで磁極が異なるラジアル方向に着磁されて、例えば、内周側がS極、外周側がN極となっている。
【0016】
また、磁石6と対向する位置の上板1には、導線を磁石6の着磁方向と同方向のラジアル方向に渦巻き状に複数ターン巻回した第1コイル7が接着剤等により固着されて配設されている。
また、磁石6を挟んで第1コイル7と対向する位置の下板2には、第1コイル7と同形状に巻回した第2コイル8が接着剤等により固着されて配設されている。
【0017】
また、第1、第2コイル7、8と磁石6との間のギャップは、振動板5が最大に振動しても接触しないような略0.2mmになるように、第1、第2スペーサ3、4の厚さが設定されている。
また、第1、第2コイル7、8と磁石6との間のギャップを略0.2mmと小さくすることにより、磁石6と第1、第2コイル7、8間の磁界の漏れを少なくできるようになっている。
また、第2コイル8には、内周側にインナーヨーク9が外周側にアウターヨーク10がそれぞれ密着して配設されている。前記インナーヨーク9およびアウターヨーク10を含む第2コイル8のリング状の幅寸法は、ラジアル方向に着磁されている磁石6の幅寸法と略同寸法に形成されている。
【0018】
前記インナーヨーク9およびアウターヨーク10は、材料が軟鉄等の磁性材料で形成されて、第2コイル8に密着しているので、インナーヨーク9およびアウターヨーク10と第2コイル8間の磁界の漏れを少なくすることができる。
そのために、本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合だと、第2コイル8に通電する電流が小さくても、大きな磁束密度を得ることができ、振動板5を効率よく振動させることができる。
【0019】
このような本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合は、第1、第2コイル7、8に音信号を電気信号とした交流電流を通電すると、フレーミングの法則に従い、第1、第2コイル7、8に発生する磁場と磁石6の磁場とが作用して、磁石6が第1コイル7に吸引されると共に第2コイル8に反発、または、第1コイル7に反発する共に第2コイル8に吸引されることにより、振動板5が図示上下方向に所定の周波数で振動する。
【0020】
この振動板5が振動することで、所定の音域の音を再現して外部に出力するようになっている。
また、本発明の電気音響変換装置がマイクロホンの場合は、外部からの音によって振動板5が振動すると、この振動板5の振動に同期して磁石6が振動する。
そして、第1、第2コイル7、8に誘導起電力が発生し、この誘導起電力によって生じた電流の電気信号を音信号として入力できるようになっている。
【0021】
このような本発明の電気音響変換装置の用いている磁石6の製造方法を説明すると、まず、振動板5に印刷するための磁性体ペーストは、ポリエステル樹脂等のバインダーに、SmFeN等からなる磁性粉を所定の混合比で混合させて、所定の粘度を有して製造されている。前記SmFeN等からなる磁性粉の粒径は略0.1mmに形成されているものを用いている。
そして、振動板5の幅広な母材(図示せず)を所定の温度と時間でアニールを行い、この振動板5の母材上に、リング状の磁石6の印刷パターンが複数形成されたメタルマスク版(図示せず)を位置させて、磁性体ペーストを振動板5の表面に印刷する。
その後、所定の温度と時間で磁性体ペーストを乾燥させることで、振動板5の母材上に、厚さが0.1mm以下と薄い着磁前のリング状の磁石6が複数形成される。
【0022】
次に、複数の磁石6が印刷形成された幅広の振動板5の母材を、図2に示すような円形状に切断して切り離して、着磁機械(図示せず)によりラジアル方向に着磁して着磁後の磁石6が形成されている。
このようにラジアル方向に着磁されて磁石6は、反磁界を小さくすることができ、パーミアンス(導磁度)を大きくすることができるので、厚さが0.1mm以下と薄くても、強い磁力を得ることができる。
そのために、磁石6の厚さが0.1mm以下と薄肉化が可能となった。
【0023】
このような、振動板5上に印刷形成された磁石6は、磁性粉の粒径に対応して厚さを決めることができ、本実施の形態では磁性粉の粒径が0.1mmと大きなものを用いて磁石6の厚さが0.1mmに形成したもので説明したが、必要に応じて磁性粉の粒径を替えることにより、磁石6の厚さを変更可能になっている。
また、電気音響装置を薄型にする必要のない場合は、磁性体ペーストを印刷して形成した磁石6の上に繰り返し磁性体ペーストを多層印刷することにより、磁石の厚さを厚くして更に強い磁力を得ることも可能である。
【0024】
また、本発明の実施の形態では、内周側と外周側とで磁極の異なるようなラジアル方向に着磁した磁石6で説明したが、厚さ方向に着磁した磁石(図示せず)でも良い。
また、第2コイル8に形成したインナーヨーク9とアウターヨーク10とは、第1コイル7に形成、あるいは両方に形成したものでも良い。
または、インナーヨーク9およびアウターヨーク10を、第1、第2コイル7、8のどちらにも形成しないものでも良い。
【0025】
即ち、第1コイル7および/または第2コイル8には、渦巻き状に巻回された内周側と外周側とにヨーク9、10が配設されたものであれば良い。
または、第1、第2コイル7、8のどちらにも、インナーヨーク9およびアウターヨーク10を形成してないものでも良い。
また、本発明における第1、第2コイル7、8は、渦巻き状に巻回した導線からなるもので説明したが、上板1、下板2に渦巻き状に印刷形成した導電パターン(図示せず)からなるものでも良い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、磁石と対向する位置の上板には、磁石の平面部と平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイルが配設され、磁石を挟んで第1コイルと対向する位置の下板には、第1コイルと同形状に巻回した第2コイルが配設されているので、本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合は、第1、第2コイルに音信号を電気信号とした交流電流を通電することにより、振動板を音信号に対応して確実に効率よく振動させることができる。
そして、振動板が確実に効率良く振動することで、音を忠実に再現して外部に出力できる高性能な電気音響変換装置を提供できる。
【0027】
また、磁石は、磁性粉が練り込みされた磁性体ペーストを振動板の表面に印刷形成したので、磁性分の粒径を替えることにより、厚さが薄い磁石を形成することができ、本発明の電気音響変換装置を薄型にできる。
【0028】
また、磁石は、内周縁と外周縁とにおいて相互に磁極が異なるラジアル方向に着磁されているので、薄い磁石でも強い磁力を得ることができる。
【0029】
また、第1コイルまたは/および第2コイルには、渦巻き状の内周側と外周側とにヨークが配設されているので、コイルに通電する電流が小さくても大きな磁束密度を得ることができる。
【0030】
また、内周側と外周側とのヨークを含む第2コイルのリング状の幅寸法は、ラジアル方向に着磁されている磁石の幅寸法と同寸法に形成されているので、第2コイルに発生する磁束を効率よく磁石に作用させて、音信号に対応して振動板を確実に振動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する実施の形態を説明する要部断面図である。
【図2】本発明に係わる磁石を説明する平面図である。
【図3】従来の電気音響変換装置を説明する要部断面図図である。
【符号の説明】
1 上板
2 下板
3 第1スペーサ
4 第2スペーサ
5 振動板
6 磁石
6a 円形空間
6b 平面部
7 第1コイル
8 第2コイル
9 インナーヨーク
10 アウターヨーク
【発明の属する技術分野】
本発明は電気音響変換装置に係わり、特に平面状で奥行き寸法が小さい薄型の電気音響変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノート型のパーソナルコンピュータや薄型のテレビ、もしくは携帯電話機等種々の電子機器に用いられるスピーカ、またはマイクロホン等として、薄型の電気音響変換装置が採用されている。
【0003】
このような従来の電気音響変換装置を、図3に基づいて説明すると、フェライト磁石等の永久磁石からなるリング状磁石21は、中心部に円形空間22を有して外形がリング状に形成され、その内縁部にS極と外縁部にN極とが形成されている。
また、リング状磁石21の上方には、所定の隙間を有して薄膜状の振動板23が配設され、その一面にはコイル24がリング状磁石21の形状に対応する範囲に渦巻き状に巻回されて、接着剤25により振動板23に固着されている。
【0004】
前記振動板23は、弛みの無い状態でハウジング26内部に張設されて、リング状磁石21の平らな面と対向する上方の振動板23にコイル24が接着されて配設されている。
また、リング状磁石21は、所定厚さの軟鉄製のヨーク27を介してハウジング26の底板26aに接着剤等で固着されている。
そして、リング状磁石21の内縁部のS極と外縁部のN極とに生じる磁束によって、従来の電気音響変換装置がスピーカの場合に、コイル24に音声電流を流すことにより、磁界が発生して、コイル24とリング状磁石21との間に反発力、または吸引力が発生する。
その結果、振動板23が振動して音声を再現することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−211496号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の電気音響変換装置は、渦巻き状に巻回したコイル24を接着剤25で振動板23に固着していたので、コイル24と接着剤25との重みによって、振動板23が下方に弛むおそれがあった。
前記振動板23に弛みが発生すると、振動板23を適正に振動させることができなくなり、音声を正常に再現できなくなるおそれがあった。
また、コイル24および接着剤25の重みで振動板23が弛んでも、振動板23がリング状磁石21に接しないように、振動板23とリング状磁石21との間の隙間を大きくしなければいけないので薄型化が難しかった。
また、リング状磁石21は、所定の厚さ寸法からなるフェライト磁石等の永久磁石で形成され、所定厚さのヨーク27を介して底板26aに取り付けられているので、振動板23と底板26aとの間隔が大きくなり、従来の電気音響変換装置の厚さが略2mm程度と厚くなる問題があった。
本発明は、前述したような課題に鑑みてなされたものであり、薄型化が可能であると共に振動板を音声信号に対応して確実に振動させることができる電気音響変換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の電気音響変換装置は、平面状の振動板と、この振動板を挟んで上下に所定の隙間を有して対向配設された上板と下板とを備え、前記振動板の所定位置には、中心部に円形空間を有すると共に前記上板および下板と平行な平面部を有するリング状の磁石が配設され、前記磁石の前記平面部と対向する位置の前記上板には、前記磁石の平面部と平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイルが配設され、前記磁石を挟んで前記第1コイルと対向する位置の前記下板には、前記第1コイルと同形状に巻回した第2コイルが配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記磁石は、磁性粉が練り込みされた磁性体ペーストを前記振動板の表面に印刷形成したことを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記磁石は、内周縁と外周縁とにおいて相互に磁極が異なるラジアル方向に着磁されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記課題を解決するための第4の解決手段として、前記第1コイルまたは/および前記第2コイルは、前記渦巻き状の内周側と外周側とにヨークが配設されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第5の解決手段として、前記内周側と外周側との前記ヨークを含む前記第2コイルのリング状の幅寸法は、前記ラジアル方向に着磁されている前記磁石の幅寸法と同寸法に形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関する電気音響変換装置の実施の形態を図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明に関する実施の形態を説明する要部断面図であり、図2は本発明に係わる磁石を説明する平面図である。
まず、本発明の1実施の形態の電気音響変換装置は、図1に示すように、外形が円形状で板厚が略0.1mmのステンレス板等からなる上板1が配設されている。また、後述する振動板5を挟んで上下に所定の隙間を有して下板2が対向配置されている。
【0013】
前記下板2は、上板1と同材質で外形が同形状に形成され、所定位置に複数の孔2aが貫通形成されている。
また、上板1と下板2との間には、環状の第1、第2スペーサ3、4が配設され、この第1、第2スペーサ3、4に上板1と下板2の外周部が支持されて、上板1と下板2とに挟めれた内部が空洞状になっている。
【0014】
前記第1、第2スペーサ3、4との間には、PETフィルム等の高分子材料からなり厚さが略10μmの振動板5が狭持されて配設されている。
前記振動板5は、円形状の外周端部に均等に張力が加えられた状態で、第1、第2スペーサ3、4に圧接狭持されて支持されているので、どの位置においても弛みがないようになっている。
また、振動板5の上面には、中心部に円形空間6aを有して外形がリング状の磁石6が形成されている。
【0015】
前記磁石6は、SmFeN等からなる磁性粉をポリエステル樹脂等のバインダーに練り込みして製造した磁性体ペーストを、振動板5にリング状に印刷して形成されている。そして、上板1と対向する磁石6の上面が平面状に形成されて平面部6bとなっている。
また、磁石6は、磁性体ペーストを印刷することにより、厚さが略0.1mmの薄肉に形成されて、重さが略0.02gと非常に軽くすることができる。
そのために、磁石6の重みで振動板5に弛みが発生することがない。また、磁石6は、図2に示すように、その内周側と外周側とで磁極が異なるラジアル方向に着磁されて、例えば、内周側がS極、外周側がN極となっている。
【0016】
また、磁石6と対向する位置の上板1には、導線を磁石6の着磁方向と同方向のラジアル方向に渦巻き状に複数ターン巻回した第1コイル7が接着剤等により固着されて配設されている。
また、磁石6を挟んで第1コイル7と対向する位置の下板2には、第1コイル7と同形状に巻回した第2コイル8が接着剤等により固着されて配設されている。
【0017】
また、第1、第2コイル7、8と磁石6との間のギャップは、振動板5が最大に振動しても接触しないような略0.2mmになるように、第1、第2スペーサ3、4の厚さが設定されている。
また、第1、第2コイル7、8と磁石6との間のギャップを略0.2mmと小さくすることにより、磁石6と第1、第2コイル7、8間の磁界の漏れを少なくできるようになっている。
また、第2コイル8には、内周側にインナーヨーク9が外周側にアウターヨーク10がそれぞれ密着して配設されている。前記インナーヨーク9およびアウターヨーク10を含む第2コイル8のリング状の幅寸法は、ラジアル方向に着磁されている磁石6の幅寸法と略同寸法に形成されている。
【0018】
前記インナーヨーク9およびアウターヨーク10は、材料が軟鉄等の磁性材料で形成されて、第2コイル8に密着しているので、インナーヨーク9およびアウターヨーク10と第2コイル8間の磁界の漏れを少なくすることができる。
そのために、本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合だと、第2コイル8に通電する電流が小さくても、大きな磁束密度を得ることができ、振動板5を効率よく振動させることができる。
【0019】
このような本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合は、第1、第2コイル7、8に音信号を電気信号とした交流電流を通電すると、フレーミングの法則に従い、第1、第2コイル7、8に発生する磁場と磁石6の磁場とが作用して、磁石6が第1コイル7に吸引されると共に第2コイル8に反発、または、第1コイル7に反発する共に第2コイル8に吸引されることにより、振動板5が図示上下方向に所定の周波数で振動する。
【0020】
この振動板5が振動することで、所定の音域の音を再現して外部に出力するようになっている。
また、本発明の電気音響変換装置がマイクロホンの場合は、外部からの音によって振動板5が振動すると、この振動板5の振動に同期して磁石6が振動する。
そして、第1、第2コイル7、8に誘導起電力が発生し、この誘導起電力によって生じた電流の電気信号を音信号として入力できるようになっている。
【0021】
このような本発明の電気音響変換装置の用いている磁石6の製造方法を説明すると、まず、振動板5に印刷するための磁性体ペーストは、ポリエステル樹脂等のバインダーに、SmFeN等からなる磁性粉を所定の混合比で混合させて、所定の粘度を有して製造されている。前記SmFeN等からなる磁性粉の粒径は略0.1mmに形成されているものを用いている。
そして、振動板5の幅広な母材(図示せず)を所定の温度と時間でアニールを行い、この振動板5の母材上に、リング状の磁石6の印刷パターンが複数形成されたメタルマスク版(図示せず)を位置させて、磁性体ペーストを振動板5の表面に印刷する。
その後、所定の温度と時間で磁性体ペーストを乾燥させることで、振動板5の母材上に、厚さが0.1mm以下と薄い着磁前のリング状の磁石6が複数形成される。
【0022】
次に、複数の磁石6が印刷形成された幅広の振動板5の母材を、図2に示すような円形状に切断して切り離して、着磁機械(図示せず)によりラジアル方向に着磁して着磁後の磁石6が形成されている。
このようにラジアル方向に着磁されて磁石6は、反磁界を小さくすることができ、パーミアンス(導磁度)を大きくすることができるので、厚さが0.1mm以下と薄くても、強い磁力を得ることができる。
そのために、磁石6の厚さが0.1mm以下と薄肉化が可能となった。
【0023】
このような、振動板5上に印刷形成された磁石6は、磁性粉の粒径に対応して厚さを決めることができ、本実施の形態では磁性粉の粒径が0.1mmと大きなものを用いて磁石6の厚さが0.1mmに形成したもので説明したが、必要に応じて磁性粉の粒径を替えることにより、磁石6の厚さを変更可能になっている。
また、電気音響装置を薄型にする必要のない場合は、磁性体ペーストを印刷して形成した磁石6の上に繰り返し磁性体ペーストを多層印刷することにより、磁石の厚さを厚くして更に強い磁力を得ることも可能である。
【0024】
また、本発明の実施の形態では、内周側と外周側とで磁極の異なるようなラジアル方向に着磁した磁石6で説明したが、厚さ方向に着磁した磁石(図示せず)でも良い。
また、第2コイル8に形成したインナーヨーク9とアウターヨーク10とは、第1コイル7に形成、あるいは両方に形成したものでも良い。
または、インナーヨーク9およびアウターヨーク10を、第1、第2コイル7、8のどちらにも形成しないものでも良い。
【0025】
即ち、第1コイル7および/または第2コイル8には、渦巻き状に巻回された内周側と外周側とにヨーク9、10が配設されたものであれば良い。
または、第1、第2コイル7、8のどちらにも、インナーヨーク9およびアウターヨーク10を形成してないものでも良い。
また、本発明における第1、第2コイル7、8は、渦巻き状に巻回した導線からなるもので説明したが、上板1、下板2に渦巻き状に印刷形成した導電パターン(図示せず)からなるものでも良い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、磁石と対向する位置の上板には、磁石の平面部と平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイルが配設され、磁石を挟んで第1コイルと対向する位置の下板には、第1コイルと同形状に巻回した第2コイルが配設されているので、本発明の電気音響変換装置がスピーカの場合は、第1、第2コイルに音信号を電気信号とした交流電流を通電することにより、振動板を音信号に対応して確実に効率よく振動させることができる。
そして、振動板が確実に効率良く振動することで、音を忠実に再現して外部に出力できる高性能な電気音響変換装置を提供できる。
【0027】
また、磁石は、磁性粉が練り込みされた磁性体ペーストを振動板の表面に印刷形成したので、磁性分の粒径を替えることにより、厚さが薄い磁石を形成することができ、本発明の電気音響変換装置を薄型にできる。
【0028】
また、磁石は、内周縁と外周縁とにおいて相互に磁極が異なるラジアル方向に着磁されているので、薄い磁石でも強い磁力を得ることができる。
【0029】
また、第1コイルまたは/および第2コイルには、渦巻き状の内周側と外周側とにヨークが配設されているので、コイルに通電する電流が小さくても大きな磁束密度を得ることができる。
【0030】
また、内周側と外周側とのヨークを含む第2コイルのリング状の幅寸法は、ラジアル方向に着磁されている磁石の幅寸法と同寸法に形成されているので、第2コイルに発生する磁束を効率よく磁石に作用させて、音信号に対応して振動板を確実に振動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する実施の形態を説明する要部断面図である。
【図2】本発明に係わる磁石を説明する平面図である。
【図3】従来の電気音響変換装置を説明する要部断面図図である。
【符号の説明】
1 上板
2 下板
3 第1スペーサ
4 第2スペーサ
5 振動板
6 磁石
6a 円形空間
6b 平面部
7 第1コイル
8 第2コイル
9 インナーヨーク
10 アウターヨーク
Claims (5)
- 平面状の振動板と、この振動板を挟んで上下に所定の隙間を有して互いに対向配設された上板と下板とを備え、前記振動板には、中心部に円形空間を有すると共に前記上板および下板と平行な平面部を有するリング状の磁石が配設され、前記磁石の前記平面部と対向する位置の前記上板には、前記磁石の平面部と平行方向に渦巻き状に巻回した第1コイルが配設され、前記磁石を挟んで前記第1コイルと対向する位置の前記下板には、前記第1コイルと同形状に巻回した第2コイルが配設されていることを特徴とする電気音響変換装置。
- 前記磁石は、磁性粉が練り込みされた磁性体ペーストを前記振動板の表面に印刷形成したことを特徴とする請求項1記載の電気音響変換装置。
- 前記磁石は、内周縁と外周縁とにおいて相互に磁極が異なるラジアル方向に着磁されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気音響変換装置。
- 前記第1コイルまたは/および前記第2コイルは、前記渦巻き状の内周側と外周側とにヨークが配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気音響変換装置。
- 前記内周側と外周側との前記ヨークを含む前記第2コイルのリング状の幅寸法は、前記ラジアル方向に着磁されている前記磁石の幅寸法と同寸法に形成されていることを特徴とする請求項4記載の電気音響変換装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003138938A JP2004343527A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 電気音響変換装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010219922A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Kenwood Corp | スピーカ装置 |
JP2020504511A (ja) * | 2017-01-04 | 2020-02-06 | ユ,スジン | ブリッジエッジ方式の超スリム型高解像電磁スピーカー |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138938A patent/JP2004343527A/ja not_active Withdrawn
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JP7257321B2 (ja) | 2017-01-04 | 2023-04-13 | ユ,スジン | ブリッジエッジ方式の超スリム型高解像電磁スピーカー |
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