JP2004343474A - 暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置 - Google Patents
暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】加減算量算出器5は、暗号変換器6からの暗号情報に基づいて、パラメータ算出器4からの濾過信号の画素ブロックの輝度信号の平均値を変更するように、画素ブロック内の輝度信号に加減算する加減算量を算出する。埋め込み信号作成器7は、ディジタル信号と濾過信号の対応する画素ブロック内の信号毎の差分と加減算量とに基づいて、所定の規則に従って濾過信号の画素ブロック内部の信号を増減し、画素ブロック毎の埋め込み信号を作成する。加算器8は、画素ブロック毎の埋め込み信号と濾過信号とを画素単位に加算して、暗号情報のビットの値に基づいて、画素の輝度値が修正された暗号情報埋め込み信号を出力する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置に係り、特に画像データや音声データなどのディジタル信号に暗号情報を付加して伝送する暗号情報埋め込み装置及び伝送された暗号情報を再生する暗号情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
暗号情報の一伝送方式として電子透かし技術がある。この電子透かし技術は、画像データや音声データなどのディジタル信号に何らかの情報を埋め込み、隠し持たせる技術である。埋め込む方式は従来より様々なものが提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0003】
非特許文献1では著作情報をMPEG(Moving Picture Experts Group)符号に埋め込むにあたり、MPEGの各層を構成する画像データの量と埋め込まれる著作情報の情報量の関係などを考慮して、マクロブロック層以下の情報埋め込み可能領域である動きベクトル、量子化特性値、DCT係数の計3つへの情報埋め込みについて評価し、DCT係数が情報埋め込み領域として最適であることを開示している。
【0004】
すなわち、動きベクトルはデータの再符号化などにより、容易に埋め込み情報の消し込みが可能であり、また適当な値を選ぶと画像が大きく劣化してしまうなどの欠点があり、量子化のパラメータの値を変化させるための量子化特性値は、画像劣化を抑えたまま、埋め込み情報の消し込みが可能であるという欠点がある。
【0005】
これに対し、DCT係数では画像の劣化を知覚されない程度のDCT係数の量子化幅を決め、近傍の量子化値に値を丸めることにより、情報の埋め込みを行うことができ、DCT係数は画像そのもののデータ部であるため,フォーマット変換などにも対応でき、情報埋め込み領域として最適であると結論している。
【0006】
また、非特許文献2では、直接拡散方式に従い、PN系列で画像信号を拡散し、拡散された画像信号の周波数スペクトルに署名情報を合成し、また署名情報を含んだ画像信号を逆拡散すると、署名情報は画像信号全体に拡散し、画像信号に対して大きなノイズにならないため、署名情報を含んだ画像は、見かけ上は原画像とほぼ同一であり、他方、署名情報は画像に加わるノイズに対しても強いということを開示している。
【0007】
【非特許文献1】
小川宏、他2名、”DCTを用いたデジタル動画像における著作権情報埋め込み方法”、SCIS’97−31G
【非特許文献2】
大西淳児、他2名、”PN系列による画像への透かし署名法”、SCIS’97−26B
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の電子透かし埋め込み方法を適用して、暗号情報を画像データや音声データなどのディジタル信号に埋め込んで伝送する場合、画像データや音声データの変換処理に時間、コストがかかるという問題が生じる。また、DCT等の直交変換を用いて算出された変換係数に対して、電子透かし情報として暗号情報を埋め込むと、簡単な低域フィルタでも暗号情報が欠損する恐れがある。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、簡単に暗号情報の埋め込みと再生を実現し得る暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、画質劣化を極力抑え、JPEGやMPEGのような符号化方式により高域を落とす処理を施しても、耐性の強い暗号情報の伝送が可能な暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の暗号情報埋め込み装置は、画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号を入力として受け、ディジタル信号に対して低域フィルタ特性を付与して濾過信号を出力するフィルタ処理手段と、ディジタル信号及び濾過信号をそれぞれ特定領域毎に分割する領域分割手段と、分割された濾過信号の特定領域毎に濾過信号の統計量を算出する算出手段と、埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換手段と、暗号情報及び統計量に基づいて、濾過信号の特定領域の統計量を変更するために必要な加減算量を算出する加減算量算出手段と、ディジタル信号と濾過信号の対応する特定領域内の信号毎の差分と加減算量とに基づいて、所定の規則に従って濾過信号の特定領域内部の信号を増減し、特定領域毎の埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成手段と、特定領域毎の埋め込み信号と濾過信号とを所定の信号単位で加算して、暗号情報に応じて値が変化した暗号情報埋め込み信号を出力する加算手段とを有する構成としたものである。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の暗号情報埋め込み装置は、画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号を入力として受け、ディジタル信号を特定領域毎に分割する領域分割手段と、分割された特定領域毎のディジタル信号に対して、特定領域毎に情報複雑度を算出し、その情報複雑度に応じて低域フィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、分割された特定領域毎のディジタル信号に対して、フィルタ特性選択手段により選択された低域フィルタ特性を付与して濾過信号を出力するフィルタ処理手段と、濾過信号の特定領域毎に濾過信号の統計量を算出する算出手段と、埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換手段と、暗号情報及び統計量に基づいて、濾過信号の特定領域の統計量を変更するために必要な加減算量を算出する加減算量算出手段と、ディジタル信号と濾過信号の対応する特定領域内の信号毎の差分と加減算量とに基づいて、所定の規則に従って濾過信号の特定領域内部の信号を増減し、特定領域毎の埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成手段と、特定領域毎の埋め込み信号と濾過信号とを所定の信号単位で加算して、暗号情報に応じて値が変化した暗号情報埋め込み信号を出力する加算手段とを有する構成としたものである。
【0013】
上記の第1及び第2の発明では、供給されるディジタル信号に対して予め低域フィルタ特性を付与した濾過信号に対して特定領域毎に統計量を算出し、更に暗号情報及び統計量に基づいて算出した加減算量と、上記のディジタル信号と濾過信号の対応する特定領域内の信号毎の差分とに基づいて、所定の規則に従って濾過信号の特定領域内部の信号を増減して埋め込み信号を作成する。第2の発明では、濾過信号の特定領域毎の特徴に応じて適切な低域フィルタ特性を選択するようにしたため、信号品質の向上が期待できる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の暗号情報再生装置は、画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号に対して低域フィルタ特性を付与して得られた濾過信号の特定領域毎に、濾過信号の統計量と、埋め込み情報を暗号化して得られた暗号情報と、ディジタル信号と濾過信号の対応する特定領域内の信号毎の差分とに基づいて、所定の規則に従って濾過信号の特定領域内部の信号を増減して得られた特定領域毎の埋め込み信号を、濾過信号に所定の信号単位で加算してなる暗号情報埋め込み信号が、所定の伝送路を経由して供給され、上記の暗号情報埋め込み信号を特定領域に分割する領域分割手段と、領域分割手段により分割された暗号情報埋め込み信号の特定領域毎に暗号情報埋め込み信号の統計量を算出する統計量算出手段と、暗号情報埋め込み信号の特定領域毎の統計量に基づいて、暗号情報埋め込み信号中に埋め込まれた暗号情報を判定し抽出する判定手段と、判定手段により抽出された暗号情報を、暗号化前の元の埋め込み情報に復元する暗号逆変換手段とを有する構成としたものである。
【0015】
この発明では、暗号情報埋め込み信号の特定領域毎に暗号情報埋め込み信号の統計量を算出し、その特定領域毎の統計量に基づいて、暗号情報埋め込み信号中に埋め込まれた暗号情報を判定し抽出することができる。
【0016】
また、本発明は上記の目的を達成するため、画像や音声をはじめとするディジタル信号を入力とし、ディジタル信号を低域フィルタでフィルタ処理する低域フィルタステップと、ディジタル信号及びフィルタ処理された濾過信号を特定領域に分割する領域分割ステップと、分割された濾過信号の特定領域毎に濾過信号の統計量を算出するパラメータ算出ステップと、埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換ステップと、暗号情報及び統計量に基づいて濾過信号の特定領域の濾過信号の統計量を変更する為に必要な加減算量を算出する加減算量算出ステップと、ディジタル信号の特定領域のディジタル信号と濾過信号の特定領域の濾過信号との信号毎の差分及び加減算量を所定の規則に基づいて特定領域内部の信号を増減し、新たに埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成ステップと、濾過信号の特定領域の濾過信号と埋め込み信号とを加算する加算ステップとからなる暗号情報埋め込みプログラムを含んでもよく、暗号情報埋め込み信号を入力とし、暗号情報埋め込み信号を特定領域に分割する分割領域ステップと、分割された暗号情報埋め込み信号をの特定領域毎に暗号情報埋め込み信号の統計を算出するパラメータ算出ステップと、暗号情報埋め込み信号の特定領域毎の統計量から埋め込まれた暗号情報を判定し抽出する判定ステップと、抽出された暗号情報を元の埋め込み情報に復元する暗号逆変換ステップとからなる暗号情報再生プログラムを含んでもよい。
【0017】
また、本発明は、画像や音声をはじめとするディジタル信号を入力とし、ディジタル信号を特定領域に分割する領域分割ステップと、分割されたディジタル信号を特定領域毎にディジタル信号の特定領域内部の特性に応じて、低域フィルタを選択する低域フィルタ選択ステップと、分割されたディジタル信号の特定領域のディジタル信号を低域フィルタ選択ステップにて選択された低域フィルタでフィルタ処理する低域フィルタステップと、フィルタ処理された濾過信号の特定領域毎に濾過信号の統計量を算出するパラメータ算出ステップと、埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換ステップと、暗号情報及び統計量に基づいて濾過信号の特定領域の濾過信号の統計量を変更する為に必要な加減算量を算出する加減算量算出ステップと、ディジタル信号の特定領域のディジタル信号と濾過信号の特定領域の濾過信号との信号毎の差分及び加減算量を所定の規則に基づいて特定領域内部の信号を増減し、新たに埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成ステップと、濾過信号の特定領域の濾過信号と埋め込み信号とを加算する加算ステップとからなる暗号情報埋め込みプログラムと、暗号情報埋め込み信号を入力とし、暗号情報埋め込み信号を特定領域に分割する領域分割ステップと、分割された暗号情報埋め込み信号の特定領域毎に暗号情報埋め込み信号の統計量を算出するパラメータ算出ステップと、暗号情報埋め込み信号の特定の領域毎の統計量から埋め込まれた暗号情報を判定し抽出する判定ステップと、抽出された暗号情報を元の埋め込み情報に復元する暗号逆変換ステップとからなる暗号情報再生プログラムを含んでもよい。
【0018】
ここで、暗号情報埋め込みプログラムの埋め込み信号作成ステップにて、予め埋め込み信号の全ての信号の値を0にリセットし、ディジタル信号の特定領域のディジタル信号と濾過信号の特定領域の濾過信号との信号毎の差分を求め、加減算量と同じ正負符号の差分信号の位置にある埋め込み信号を増減し、埋め込み信号の合計値が加減算量に至るように埋め込み信号を作成してもよい。
【0019】
また、暗号情報埋め込みプログラムの埋め込み信号作成ステップにて、ディジタル信号の特定領域のディジタル信号と濾過信号の特定領域の濾過信号との信号毎の差分を求め、加減算量と同じ正負符号の差分信号の位置にある埋め込み信号を増減する際に、差分信号の位置にある埋め込み信号を増減する際に、差分信号の大小関係に基づき、埋め込み信号を増減する位置の順序を変更するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明になる暗号情報埋め込み装置の第1の実施の形態のブロック図を示す。図2は本発明になる暗号情報再生装置の第1の実施の形態のブロック図を示す。図1に示す暗号情報埋め込み装置において、画像情報を少なくとも含む所望の情報に関するディジタル入力信号は2分岐され、一方は低域フィルタ(LPF)1に入力されて、フィルタ処理された低域周波数成分からなるディジタル信号(以下、これを濾過信号というものとする)とされた後、領域分割器2に入力され、他方はフィルタ処理されることなく、そのまま領域分割器3に入力される。
【0021】
領域分割器2及び3は、それぞれ入力されたディジタル信号中の画像の輝度信号が、図3に示される縦W画素、横H画素からなる画像であるものとしたとき、縦X画素、横Y画素(但しX≦W、Y≦H)の画素ブロックIに分割し、この画素ブロック単位に以下の処理を施していく。パラメータ算出器4は、領域分割器2で分割処理された濾過信号の画素ブロック毎に、その画素ブロック内の画素の輝度値の総和と平均値を算出し、それらを加減算量算出器5にパラメータとして送出する。
【0022】
一方、著作権情報その他所望の埋め込み情報は暗号変換器6にて暗号化された後、加減算量算出器5に送出される。暗号化の簡単な一例としては、ASCII文字を送る場合、文字は1バイト(8ビット)で表されるので、8個のビットを1ビットずつ順に送るものとすればよいし、また、後述する図2の暗号情報再生装置の暗号逆変換器14との整合性がとれればハフマンテーブルのようなテーブルを用いて符号化したものを1ビットずつ送ってもよい。
【0023】
加減算量算出器5は、暗号変換器6から送出される暗号情報に基づいて、パラメータ算出器4から送出される濾過信号の画素ブロックの輝度信号の平均値を変更するように、画素ブロック内の輝度信号に加減算する輝度総和値を算出する。なお、予め暗号情報記録部と暗号情報再生装置での暗号情報の整合性がとれる意味付けを設定しておく。
【0024】
ここでは、埋め込む暗号情報のビットが”1”である場合、画素ブロックの輝度信号の平均値を偶数に、暗号情報のビットが”0”の場合、画素ブロックの輝度信号の平均値を奇数になるように規則付けするものとする。
【0025】
上記の加減算量算出器5に入力される濾過信号の画素ブロックの輝度値の総和SUM及び平均値AVGは以下のように表される。
【0026】
【数1】
AVG=SUM//N (2)
但し、Piは画素ブロック内の画素の輝度値、Nは画素ブロック内の画素の総数、演算子”//”は除算後小数点以下の四捨五入を表す。
【0027】
まず、埋め込む暗号情報のビットが”1”である場合について、加減算量算出器5の動作について説明する。前述したように、埋め込む暗号情報のビットが”1”である場合、加減算量算出器5は、平均値AVGが偶数となるように変更するので、次式に示すように、平均値AVGが奇数であれば、平均値AVGに1加算した値(AVG1)、或いは1減算した値(AVG2)を求め、次に画素ブロックの画素総数Nを乗じて、平均値がAVG1或いはAVG2となる画素ブロック内の輝度値総和を計算する。
【0028】
SUM1=AVG1×N, AVG1=AVG+1 (3)
SUM2=AVG2×N, AVG2=AVG−1 (4)
続いて、加減算量算出器5は、元々の画素ブロックの輝度値総和SUMと(3)式及び(4)式から算出される輝度値総和SUM1及びSUM2との絶対値差分δ1及びδ2を計算する。
【0029】
δ1=|SUM−SUM1| (5)
δ2=|SUM−SUM2| (6)
続いて、加減算量算出器5は、(5)式及び(6)式から算出される絶対値差分δ1とδ2とを比較し、絶対値差分が小さい方の平均値AVG1又はAVG2を新たにその画素ブロックの平均値として選択する。
【0030】
そして、加減算量算出器5は、選択した平均値がAVG1であれば、差分値△=SUM1−SUMを、選択した平均値がAVG2であれば、差分値△=SUM2−SUMを加減算量として埋め込み信号作成器7に出力する。
【0031】
ここで、絶対値差分が小さくなる方の平均値を選択するようにしたのは、後述する加算器8にて、加減算量(差分値△)が画素ブロック内の画素の加減算に反映されることによる画質劣化を極力抑えるためである。しかし、ハードウェアの制約条件等から処理数を減らす場合には、例えば常に平均値AVGに1加算した値を変更後の平均値として選択し、(3)式から総和SUM1を算出し、差分値△=SUM1−SUMを加減算量として埋め込み画素ブロック作成器7に出力するとしても構わない。
【0032】
また、埋め込む暗号情報のビットが”1”である場合、平均値AVGが偶数であれば、平均値の変更処理をする必要がないので、加減算量算出器5は、この場合は埋め込み信号作成器7に差分値△=0を加減算量として出力する。
【0033】
なお、差分値△=0を加減算量として出力するのではなく、より埋め込み情報の検出精度を上げるために、画素ブロック内の輝度値総和が平均値AVGに画素総数Nを乗じた値となるように調整してもよい。この場合、平均値AVGに画素総数Nを乗じた総和SUM3は(7)式で表される。
【0034】
SUM3=AVG×N (7)
そして、この場合、加減算量算出器5は、元々の画素ブロックの輝度値総和SUMと、(7)式から算出される総和との差分値△=SUM3−SUMを埋め込み信号作成器7に加減算量として出力する。
【0035】
次に、埋め込む暗号情報のビットが”0”である場合について、加減算量算出器5の動作について説明する。前述したように、埋め込む暗号情報のビットが”0”である場合、加減算量算出器5は、平均値AVGが奇数となるように変更するので、平均値AVGが偶数であれば、前述した埋め込む暗号情報のビットが”1”で、かつ、平均値AVMが偶数の場合と同様の演算を行って平均値AVGを奇数に変更して、AVG変更後の輝度値総和を求めた後、元々の画素ブロックの輝度値総和との差分値から加減算量を算出し、埋め込み信号作成器7に出力する。
【0036】
また、埋め込む暗号情報のビットが”0”である場合、平均値AVGが奇数であれば、平均値の変更処理をする必要がないので、加減算量算出器5は、この場合は埋め込み信号作成器7に差分値△=0を加減算量として出力する。この場合、(7)式から算出される総和との差分値△=SUM3−SUMを埋め込み信号作成器7に加減算量として出力してもよい。
【0037】
次に、埋め込み信号作成器7について説明する。埋め込み信号作成器7は、領域分割器2からの濾過信号と、領域分割器3からの画素ブロック単位の入力ディジタル信号と、加減算量算出器5からの暗号情報が埋め込まれた加減算量(差分値)Δとを入力信号として受け、濾過信号の画素ブロックに加算する輝度値の埋め込み画素ブロックを作成する。
【0038】
図4は画素ブロックの任意の1ラインの輝度値を表したものである。同図において、実線IIが元のディジタル入力信号の、また、点線IIIが濾過信号の、画素ブロックの同一位置にあるラインの輝度値をそれぞれ示す。図4において、実線IIが点線IIIよりも上になっている領域(図4中の●のある領域)は、濾過信号の輝度値が元のディジタル入力信号の輝度値よりも小さくなっている領域であり、一方実線IIが点線IIIよりも下になっている領域(図4中の▲のある領域)は、濾過信号の輝度値が元のディジタル入力信号の輝度値よりも大きくなっている領域である。
【0039】
埋め込み信号作成器7は、加減算量算出器5から入力される加減算量△が正の値の場合、図4中の●のある領域の濾過信号の輝度値を増加させ、上記の加減算量△が負の場合、図4中の▲のある領域の濾過信号の輝度値を減少させ、元のディジタル入力信号の輝度値に近付けるようにする。
【0040】
すなわち、埋め込み信号作成器7は、まず、入力される濾過信号の画素ブロックと同じ位置の元のディジタル入力信号の画素ブロックにおいて、相対する画素の輝度値の差分値を算出する。この差分値は元のディジタル入力信号の輝度値から濾過信号の輝度値を画素毎に減じた値であり、図4中の●のある領域であるか、▲のある領域であるかを示す。埋め込み画素ブロックの画素値は予め全て0にセットしておく。
【0041】
加減算量△が正の値の場合、図4中の●のある領域に該当する差分値が正の値となる画素と同じ位置にあたる埋め込み画素ブロックの画素の輝度値を増加させ、埋め込み画素ブロック内で増加量の総計が加減算量△と同じになるようにする。このため、差分値が大きい画素に対応する埋め込み画素ブロック内の画素値を+1ずつ増加させ、増加量が加減算量△に達するまで繰り返す。
【0042】
一方、加減算量△が負の値の場合、図4中の▲のある領域に該当する差分値が負の値となる画素と同じ位置にあたる埋め込み画素ブロックの画素の輝度値を減少させ、埋め込み画素ブロック内で減少量の総計が加減算量△になるようにする。このため、差分値が小さい画素に対応する埋め込み画素ブロック内の画素値を−1ずつ減少させ、減少量が加減算量△に達するまで繰り返す。埋め込み信号作成器7は、こうして作成した埋め込み画素ブロックを加算器8に出力する。
【0043】
加算器8は、埋め込み信号作成器7で作成された埋め込み画素ブロックと、領域分割器2から出力された濾過信号とを入力信号として受け、埋め込み画素ブロックと濾過信号の画素ブロックとを画素単位に加算する。ここでは、濾過信号から元のディジタル入力信号に近づけるように輝度値を変更しているので、極力画質劣化を抑えて、埋め込む暗号情報のビットに応じた輝度値の変更が可能となる。こうして、暗号情報のビットの値に基づいて、画素の輝度値が修正された画像が暗号情報埋め込み信号として加算器8から出力される。
【0044】
次に、図2に示す暗号情報再生装置について説明する。図2において、埋め込み信号として図1の加算器8から出力されて、所望の伝送路を経由した暗号情報埋め込み画像が領域分割器11に入力される。領域分割器11は、図1に示した暗号情報埋め込み装置の領域分割器2及び3と整合性のとれる暗号情報が混入された領域を指定し、領域分割器2及び3により分割された画素ブロックと同サイズに画像を分割し、この画素ブロック単位に処理を施していく。
【0045】
パラメータ算出器12は、領域分割器11で分割処理された画素ブロック毎に、暗号情報埋め込み装置のパラメータ算出器4と同様の手順で、その画素ブロック内の画素の輝度値の平均値を算出し、判定器13に送出する。判定器13は、画素ブロック内の画素の輝度値の平均値が偶数の場合は暗号情報のビットとして”1”を、逆に奇数の場合は暗号情報のビットとして”0”を出力する。暗号逆変換器14は、判定器13から出力される暗号情報のビット列が入力され、逆変換を施されて元の埋め込み情報を得る。
【0046】
次に、本発明になる暗号情報埋め込み装置の第2の実施の形態について説明する。図5は本発明になる暗号情報埋め込み装置の第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。なお、図5における暗号情報埋め込み装置に対応した暗号情報再生装置の第2の実施の形態を示す構成は、図2と同じ構成である。
【0047】
図5に示す暗号情報埋め込み装置において、画像情報を少なくとも含む所望の情報に関するディジタル入力信号が領域分割器21に入力され、図3に示されるような画素ブロックに分割され、この画素ブロック単位に可変低域フィルタ(LPF)22、LPF選択器23及び埋め込み信号作成器7にそれぞれ供給される。
【0048】
LPF選択器23は、入力されたディジタル入力信号の画素ブロックの画像複雑度に応じて、可変低域フィルタ(LPF)22の最適な低域フィルタ特性を選択する。ここで、画像複雑度は画素ブロック内の画像のテクスチャ、模様、柄等の複雑さ(画素の輝度変化の激しさ)を表す指標であり、その算出方法としては、例えば画素ブロック内部の隣り合う画素の絶対値差分の総和や、画素ブロック内部を視覚特性を考慮した帯域フィルタをかけて、その絶対値和を使用する等が挙げられる。画素ブロック内の画素値が一様であれば画像複雑度は低く、テレビの試験放送のノイズ画面のように煩雑であれば画像複雑度は高くなる。
【0049】
LPF選択器23は、画素ブロックの画像複雑度を算出し、その画像複雑度に応じて、視覚特性上の画質劣化が目立たない可変LPF22の低域フィルタ特性を選択する。すなわち、画像複雑度が低い場合は帯域幅を落とさない低域フィルタ特性を選択し、画像複雑度が高い場合は著しい画質劣化が表れない程度の帯域幅を確保した低域フィルタ特性を選択する。
【0050】
可変LPF22は、複数の低域フィルタ特性の中からLPF選択器23で選択された一の低域フィルタ特性をディジタル入力信号に付与するフィルタ処理を行い、得られたディジタル入力信号の低域周波数成分である濾過信号を出力する。可変LPF22から出力される濾過信号に対する以後の信号処理は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。本実施の形態によれば、画素ブロック毎の特徴に応じて適切な低域フィルタ特性を選択できるので、第1の実施の形態に比し画質向上が期待できる。
【0051】
なお、第1、第2の実施の形態では暗号情報埋め込み装置の領域分割器2、3、21と暗号情報再生装置の領域分割器11以降の処理過程を、領域分割した画素ブロック単位の処理としており、暗号情報埋め込み装置では埋め込み情報の暗号化ビット数分の処理を行えば終了とみなしてもよいし、複数回暗号化ビットを繰り返し埋め込むことで耐性を高めるようにしてもよく、暗号情報再生装置では暗号情報埋め込み装置に対応して埋め込み情報の抽出可能であれば、どのような処理で埋め込み・抽出方法をとっても構わない。
【0052】
また、暗号情報埋め込み装置の領域分割器2、3及び21と暗号情報再生装置の領域分割器11とで整合性がとれるのであれば、領域分割する際に暗号ビットを埋め込む領域を判定する手段を領域分割器2、3及び21と領域分割器11の中に含めていても構わない。更に、暗号変換器6における暗号化方式についても、暗号逆変換器14との整合性がとれていれば、どのような方式を用いても構わない。
【0053】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は本発明になる暗号情報埋め込み装置の第3の実施の形態の要部のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図6の加減算量算出器5の入力側の構成は、図1及び図5のいずれの構成でもよい。なお、図6における暗号情報埋め込み装置に対応した暗号情報再生装置の第3の実施の形態を示す構成は、図2と同じ構成である。
【0054】
前記第1及び第2の実施の形態では、埋め込み画素ブロックを作成する際に、元のディジタル入力信号と濾過信号との輝度差分値から埋め込み画素ブロック内の画素の埋め込み量を操作していたが、第3の実施の形態では、暗号情報埋め込み装置の要部において、図6に示すように擬似乱数発生器25を設け、この擬似乱数発生器25から発生される擬似乱数を用いて埋め込み画素ブロック内の画素の埋め込み量を操作するようにしたものである。
【0055】
図6において、擬似乱数発生器25は埋め込み画素ブロックと同じ画素数の擬似乱数を発生し、その擬似乱数から埋め込み画素ブロックに対応する擬似乱数テーブルを作成して埋め込み信号作成器26に入力する。すなわち、埋め込み画素ブロックがn×m画素であれば、乱数テーブルはm行n列のn×m個の乱数からなるテーブルであり、埋め込み画素ブロック内の各画素と乱数テーブルの乱数とが対応するようにされている。
【0056】
埋め込み信号作成器26は、加減算量算出器5から入力される加減算量△が正の値の場合、図4中の●のある領域の濾過信号の輝度値を増加させ、上記の加減算量△が負の場合、図4中の▲のある領域の濾過信号の輝度値を減少させ、元のディジタル入力信号の輝度値に近付けるようにするが、輝度値が変更される濾過信号の画素は、擬似乱数テーブルによって決定される。
【0057】
すなわち、埋め込み信号作成器26は、まず、入力される濾過信号の画素ブロックと同じ位置の元のディジタル入力信号の画素ブロックにおいて、相対する画素の輝度値の差分値を算出する。この差分値は元のディジタル入力信号の輝度値から濾過信号の輝度値を画素毎に減じた値であり、図4中の●のある領域であるか、▲のある領域であるかを示す。埋め込み画素ブロックの画素値は予め全て0にセットしておく。
【0058】
埋め込み信号作成器26は、入力される加減算量△が正の値の場合、図4中の●のある領域に該当する差分値が正の値となる画素と同じ位置にあたる埋め込み画素ブロックの濾過信号の画素の輝度値を増加させ、埋め込み画素ブロック内で増加量の総計が加減算量△と同じになるようにする。このとき、埋め込み画素ブロック内の濾過信号の全画素のうち、前記乱数テーブルの乱数の値が大きいものから順に加減算量△の絶対値に相当する数だけ、それらの乱数に対応した画素位置の各画素の輝度値が+1ずつ増加される。
【0059】
一方、加減算量△が負の値の場合、図4中の▲のある領域に該当する差分値が負の値となる画素と同じ位置にあたる埋め込み画素ブロックの画素の輝度値を減少させ、埋め込み画素ブロック内で減少量の総計が加減算量△になるようにする。このときも上記と同様に、埋め込み画素ブロック内の濾過信号の全画素のうち、前記乱数テーブルの乱数の値が大きいものから順に加減算量△の絶対値に相当する数だけ、それらの乱数に対応した画素位置の各画素の輝度値が−1ずつ減少される。
【0060】
本実施の形態によれば、上記のように、擬似乱数発生器25から発生される擬似乱数を用いて、埋め込み画素ブロック内の埋め込み量を操作する画素を決定しているので、画素操作を拡散する効果がある。
【0061】
次に、本発明はハードウェアのみならず、ソフトウェア(プログラム)としても適用可能であり、その一般的なプログラムの実施の形態について説明する。図7は暗号情報伝送プログラムの暗号情報埋め込み処理の第1の実施の形態の処理過程を示すフローチャートであり、図8は図7における暗号情報埋め込み処理に対応した暗号情報伝送プログラムの暗号情報再生処理の第1の実施の形態の処理過程を示すフローチャートである。
【0062】
図7及び図8のフローチャートは、本発明の第1の実施の形態の暗号情報埋め込み装置及び暗号情報再生装置を示す図1及び図2に対応しており、カウンタ機能を設けた点だけが異なる。このカウンタ機能は、領域分割したブロックに対し埋め込み或いは抽出するブロックを順次進めていき、また埋め込む暗号化ビットをブロック毎に切り換えで送り出す。
【0063】
まず、暗号情報埋め込み装置のソフトウェア処理について説明する。情報伝送プログラムは、ディジタル入力信号に対して低域フィルタ(LPF)処理を行い(ステップS21)、得られた低域周波数成分からなる濾過信号と元のディジタル入力信号を別々に領域分割する(ステップS22)。続いて、カウンタをセットした後(ステップS23)、分割処理された濾過信号の画素ブロック毎に、パラメータとなる統計量を算出する(ステップS24)。
【0064】
続いて、暗号を構成するビット列の各ビットの値(0又は1)に応じて、例えば濾過信号の画素ブロックの輝度信号の平均値を変更するように、画素ブロック内の輝度信号に加減算する、暗号情報が埋め込まれた加減算量を算出する(ステップS25)。その後、画素ブロック単位のディジタル入力信号と、画素ブロック単位の濾過信号と、暗号情報が埋め込まれた加減算量とに基づいて、濾過信号の画素ブロックに加算する輝度値の埋め込み画素ブロックを作成する(ステップS26)。
【0065】
そして、埋め込み画素ブロックを、濾過信号の画素ブロックに画素単位に加算することにより、暗号情報のビットの値に基づいて、画素の輝度値が修正された暗号情報埋め込み信号を出力する(ステップS27)。続いて、すべての画素ブロックについて埋め込み画素ブロックの加算が行われたかどうか判定し(ステップS28)、すべての画素ブロックについての加算が行われていないときには、カウンタの値を1加算して(ステップS29)、ステップS24に進んで次の画素ブロックのパラメータとなる統計量を算出すると共に、ステップS25で加減算量を作成するために使用する次の暗号ビットを出力する。以下、上記と同様の動作をすべての画素ブロックについての加算が行われるまで繰り返される。
【0066】
このようにして、濾過信号から元のディジタル入力信号に近づけるように輝度値を変更しているので、極力画質劣化を抑えて、埋め込む暗号情報のビットに応じた輝度値の変更が可能となる。
【0067】
次に、図8の暗号情報再生装置のソフトウェア処理について説明する。情報伝送プログラムは、所望の伝送路を経由した暗号情報埋め込み画像ディジタル信号に対して、暗号情報埋め込み装置の領域指定と整合性のとれる暗号情報が混入された領域を指定し、暗号情報埋め込み装置の分割ブロックと同サイズに画像を分割する(ステップS31)。
【0068】
続いて、情報伝送プログラムは、領域分割された一つの画素ブロックについてカウンタをセットし(ステップS32)、その画素ブロック内の画素の例えば輝度値の平均値を統計量として算出し(ステップS33)、例えば画素ブロック内の画素の輝度値の平均値が偶数の場合は暗号情報のビットとして”1”を、逆に奇数の場合は暗号情報のビットとして”0”を出力する(ステップS34)。
【0069】
続いて、情報伝送プログラムは、出力される暗号情報のビット列がすべての画素ブロックについて行われたかどうか判定し(ステップS35)、すべての画素ブロックについて行われていないときには、カウンタの値を1つ増加して(ステップS36)、次の画素ブロックについてステップS33及びS34の動作を行う。以下、同様にして、すべての画素ブロックについてステップS33及びS34の処理が終わると、出力される暗号情報のビット列に基づいて、暗号の解読が行われる(ステップS37)。
【0070】
なお、図7の暗号情報埋め込み装置の終了判定ステップS28及び図8の暗号情報再生装置の終了判定ステップS35では、暗号情報埋め込み装置と暗号情報再生装置とで整合性がとれていれば、どのような終了条件を設定しても構わない。一例としては、カウンタがカウントする回数を予め設定しておき、その回数分処理が行われたら終了としてもよい等が挙げられる。
【0071】
次に、情報伝送プログラムの第2の実施の形態について説明する。図9は情報伝送プログラムの暗号情報埋め込み処理の第2の実施の形態の処理過程を示すフローチャートであり、このフローチャートは、図5にブロック図を示した本発明の第2の実施の形態の暗号情報埋め込み装置に対応しており、カウンタ機能を設けた点だけが異なる。このカウンタ機能は、領域分割したブロックに対し埋め込み或いは抽出するブロックを順次進めていき、また埋め込む暗号化ビットを画素ブロック毎に切り換えで送り出す。
【0072】
まず、暗号情報埋め込み装置のソフトウェア処理について説明する。情報伝送プログラムは、ディジタル入力信号に対して図3に示したような画素ブロックに分割し(ステップS41)、カウンタをセットしてから(ステップS42)、この画素ブロック単位に画像複雑度に応じて、最適な低域フィルタ特性を選択する(ステップS43)。ここで、画像複雑度は前述したように、画素ブロック内の画像のテクスチャ、模様、柄等の複雑さ(画素の輝度変化の激しさ)を表す指標であり、その算出方法としては、例えば画素ブロック内部の隣り合う画素の絶対値差分の総和や、画素ブロック内部を視覚特性を考慮した帯域フィルタをかけて、その絶対値和を使用する等が挙げられる。
【0073】
次に、選択された一の低域フィルタ特性を用いてディジタル入力信号の画素ブロックに対して低域フィルタ処理を行い、ディジタル入力信号の低域周波数成分である濾過信号を出力する(ステップS44)。これ以降の濾過信号に対する信号処理は、図7の第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
なお、図9における暗号情報埋め込み処理に対応した暗号情報再生処理のフローチャートは、図7の暗号情報埋め込み処理の場合と同様に図8で示される。図8に示した暗号情報埋め込み処理のフローチャートの終了判定ステップS35及び図9に示した暗号情報再生処理のフローチャートの終了判定ステップS28では、暗号情報埋め込み処理と暗号情報再生処理とで整合性がとれていれば、どのような終了条件を設定しても構わない。
【0075】
なお、上記した装置の機能をプログラムによりコンピュータに実現させるようにしてもよい。このプログラムは、記憶媒体から読みとられてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
【0076】
また、以上の実施の形態では、ディジタル入力信号は画像情報を含んでいるが、音声情報のみのディジタル入力信号、あるいは画像情報と音声情報の両方を含むディジタル入力信号でもよい。ディジタル音声信号に対しては所定時間毎の周波数スペクトル成分の平均値と総和値等を用い得る。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、供給されるディジタル信号に対して予め低域フィルタ特性を付与した濾過信号に対して、埋め込む暗号情報に応じて算出された信号の加減算量を加減算することで、簡単に暗号情報の埋め込みができ、また、暗号情報埋め込み信号の特定領域毎に暗号情報埋め込み信号の統計量を算出し、その特定領域毎の統計量に基づいて、暗号情報埋め込み信号中に埋め込まれた暗号情報を判定し抽出することにより、従来に比し簡単に暗号情報の再生を実現することができる。
【0078】
また、本発明によれば、濾過信号から元のディジタル信号に近付けるように、加減算量を加減算していくので、極力画質劣化を抑えることが可能であり、低域フィルタにより事前に低域重視の帯域制限をしているため、JPEGやMPEGのような高域を落とす処理を施しても、耐性の強い電子透かし記録及び再生が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の暗号情報埋め込み装置の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明の暗号情報再生装置の一実施の形態のブロック図である。
【図3】本発明において暗号を混入するための領域分割の一例の説明図である。
【図4】元のディジタル入力信号と濾過信号の任意の1ラインの輝度値の変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の暗号情報埋め込み装置の第2の実施の形態のブロック図である。
【図6】本発明の暗号情報埋め込み装置の第3の実施の形態の要部のブロック図である。
【図7】暗号情報伝送プログラムの暗号情報埋め込み処理の第1の実施の形態の処理過程を示すフローチャートである。
【図8】暗号情報伝送プログラムの暗号情報再生処理の第1の実施の形態の処理過程を示すフローチャートである。
【図9】暗号情報伝送プログラムの暗号情報埋め込み処理の第2の実施の形態の処理過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 低域フィルタ(LPF)
2、3、11、21 領域分割器
4 パラメータ算出器
5 加減算量算出器
6 暗号変換器
7、26 埋め込み信号作成器
8 加算器
13 判定器
14 暗号逆変換器
22 可変低域フィルタ(可変LPF)
23 LPF選択器
25 擬似乱数発生器
Claims (3)
- 画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号を入力として受け、該ディジタル信号に対して低域フィルタ特性を付与して濾過信号を出力するフィルタ処理手段と、
前記ディジタル信号及び前記濾過信号をそれぞれ特定領域毎に分割する領域分割手段と、
分割された前記濾過信号の特定領域毎に該濾過信号の統計量を算出する算出手段と、
埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換手段と、
前記暗号情報及び前記統計量に基づいて、前記濾過信号の特定領域の統計量を変更するために必要な加減算量を算出する加減算量算出手段と、
前記ディジタル信号と前記濾過信号の対応する前記特定領域内の信号毎の差分と前記加減算量とに基づいて、所定の規則に従って前記濾過信号の前記特定領域内部の信号を増減し、前記特定領域毎の埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成手段と、
前記特定領域毎の埋め込み信号と前記濾過信号とを所定の信号単位で加算して、前記暗号情報に応じて値が変化した暗号情報埋め込み信号を出力する加算手段と
を有することを特徴とする暗号情報埋め込み装置。 - 画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号を入力として受け、該ディジタル信号を特定領域毎に分割する領域分割手段と、
分割された前記特定領域毎の前記ディジタル信号に対して、該特定領域毎に情報複雑度を算出し、その情報複雑度に応じて低域フィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段と、
分割された前記特定領域毎の前記ディジタル信号に対して、前記フィルタ特性選択手段により選択された低域フィルタ特性を付与して濾過信号を出力するフィルタ処理手段と、
前記濾過信号の特定領域毎に該濾過信号の統計量を算出する算出手段と、
埋め込み情報を暗号化して暗号情報として出力する暗号変換手段と、
前記暗号情報及び前記統計量に基づいて、前記濾過信号の特定領域の統計量を変更するために必要な加減算量を算出する加減算量算出手段と、
前記ディジタル信号と前記濾過信号の対応する前記特定領域内の信号毎の差分と前記加減算量とに基づいて、所定の規則に従って前記濾過信号の前記特定領域内部の信号を増減し、前記特定領域毎の埋め込み信号を作成する埋め込み信号作成手段と、
前記特定領域毎の埋め込み信号と前記濾過信号とを所定の信号単位で加算して、前記暗号情報に応じて値が変化した暗号情報埋め込み信号を出力する加算手段と
を有することを特徴とする暗号情報埋め込み装置。 - 画像及び音声の少なくとも一方を含む所望の情報に関するディジタル信号に対して低域フィルタ特性を付与して得られた濾過信号の特定領域毎に、該濾過信号の統計量と、埋め込み情報を暗号化して得られた暗号情報と、前記ディジタル信号と前記濾過信号の対応する前記特定領域内の信号毎の差分とに基づいて、所定の規則に従って前記濾過信号の前記特定領域内部の信号を増減して得られた前記特定領域毎の埋め込み信号を、前記濾過信号に所定の信号単位で加算してなる暗号情報埋め込み信号が、所定の伝送路を経由して供給され、該暗号情報埋め込み信号を前記特定領域に分割する領域分割手段と、
前記領域分割手段により分割された前記暗号情報埋め込み信号の特定領域毎に該暗号情報埋め込み信号の統計量を算出する統計量算出手段と、
前記暗号情報埋め込み信号の特定領域毎の前記統計量に基づいて、該暗号情報埋め込み信号中に埋め込まれた暗号情報を判定し抽出する判定手段と、
前記判定手段により抽出された前記暗号情報を、暗号化前の元の埋め込み情報に復元する暗号逆変換手段と
を有することを特徴とする暗号情報再生装置。
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