JP4054619B2 - 画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の著作権保護を実現するために、静止画像または動画像のデジタル画像データに対して、画質劣化を加える変換、画質劣化を除去する逆変換を行う画像処理装置及び方法、並びに、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像をデジタルデータとして扱うデジタル画像には、従来のアナログ画像と比較して、コンピュータ等によって画質を劣化すること無く簡単にコピーでき、通信回線を通じて電送することができるという特徴がある。しかし、その一方で、このような特徴により、著作権等に絡むデジタル画像が安易に不正コピーされ再配布されることにもなる。
【0003】
これを防ぐための方法の一つとして電子透かしと呼ばれる手法がある。電子透かしには、大きく分類して著作権情報、ユーザ情報等の透かし情報を目に見えない形で埋め込む不可視型と、画像上に著作権を保有する会社のロゴ等の透かし画像を目に見える形で形成する可視型とがある。
【0004】
不可視型の電子透かしでは、透かし情報が埋め込まれているということが、埋め込み画像を一見しただけでは認識できない、或いは認識し難い。このため、透かし情報の削除は行われにくいものの、不正コピー、不正配布は可視型に比べ行われ易い。但し、例えデジタル画像が不正にコピー又は配布された場合であっても、そのデジタル画像中には透かし情報が残っているので、透かし情報として埋め込まれたユーザID等により、不正ユーザを特定することができる。
【0005】
一方、可視型電子透かしでは、透かし情報は、デジタル画像上に目で見える形で書き込まれているので、そのままでは利用し辛く、不正コピーや不正配布を思いとどまらせる効果がある。可視型の電子透かしの埋め込み方法として、従来、著作権所有者のロゴ等の著作情報を表した画像の画素値を、原画像の画素値と置き換えることにより、著作情報を原画像に埋め込むという手法がよく用いられてきた。この手法の欠点としては、原画像の画素値が失われるため、差分情報なしには原画像を復元できないことが挙げられる。
【0006】
デジタル画像のインターネット等を介したオンライン販売においては、購入前にはデジタルコンテンツの内容を完全に開示しないで著作権保護を図り、利用者は画像の大まかな内容を知った上で、購入するという形態を採るのが一般的であろう。
【0007】
上記の目的を達成するために、デジタルコンテンツの販売者は、顧客に画像の大まかな内容を示す為に、縮小画像(サムネール画像)や原画像の全てまたは一部に対し意図的に画質劣化を加えた画像をを公開または配布する方法を用いることである。
【0008】
上記画質劣化を加える手段として、著作権者のロゴ等が埋め込まれた可視型電子透かしも候補の一つであるが、可視型電子透かしが可逆でない場合には、画質劣化した部分の原画像を再送信する必要がある。この場合、ネットワークを経由して、原画像を再送するよりも、鍵のみを再送したほうが通信量や再送時の盗聴などの点から安全性が高いと考えられる。従って、このようなオンラインの画像配信サービスにおいては、鍵を用いることで画質劣化を除去できる手法が望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような技術の一つに半開示技術が存在する。半開示技術とは、原画像の任意の領域において、任意のビット位置のビット情報を取り出し、鍵に基づく暗号方式等の演算処理を施し、原画像に画質劣化を加える技術である。
【0010】
半開示技術を用いることで、原画像の一部のビット情報を保存し、抽出したビット列に鍵に基づく変換処理を加え、開示する画像の画質をコントロールすることが出来る。そして鍵に基づく逆変換処理を加えることで、画質劣化した画像から原画像を復元することが出来る。
【0011】
半開示技術の一例として、特開平8−256321号公報があり、これにはJPEGまたはMPEG圧縮符号化方式で圧縮符号化された画像のビット列の一部分を抽出し、その抽出部分以外を参照せずに、独立に定義された変換方式によって、抽出されたビット列を直接変換し、書き戻す方法を提案している。
【0012】
ユーザは配布された画質劣化した画像の原画像を購入したいと考えるなら、上記のビット列の変換に用いられた鍵を入手する。ユーザは一部がスクランブルされた画像と前記の鍵から完全に復元されたコンテンツを入手することができる。
【0013】
しかしながら、上記方法は元の画像の特徴を保存するものの、スクランブル(暗号化)の一種であり、変換処理により加わるノイズに対して、十分に画質が考慮されているとは言えない。
【0014】
具体的には、変換処理(スクランブル)される画像において、画質劣化は予め決められた一様に抽出されるビット列によってのみ決められ、画像の特徴等に依存しない。従って、明るい輝度値における輝度の変化には鈍感で、暗い輝度値における変化には敏感であるという人間の視覚特性は考慮されておらず、どの階調においても画質劣化が一様であるわけではない。
【0015】
換言すれば、画像の閲覧者が画像の概要を十分に確認できる適切なノイズ付加方法が求められている。
【0016】
本発明はかかる課題に鑑み成されたものであり、埋め込み対象の多値画像データの持つ雰囲気を保ちつつ、それにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を可逆的に埋め込む画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体を提供しようとするものである。
【0017】
また、他の発明は、付加情報を除去することでオリジナル画像、もしくはオリジナル画像に近い画像まで復元することが可能な画像処理装置及び方法、並びにコンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
画素単位にノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って1画素単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素の位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素の位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定手段と、
該判定手段によって、注目画素の位置がノイズを多重化する位置にあると判定した場合、前記注目画素よりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素の近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素の画素値に従って、前記注目画素を表わす複数ビット中のノイズを多重化するビット領域を特定する特定手段と、
該特定手段で特定された注目画素のビット領域に対して可逆的にビット情報を変更する変更手段とを備える。
【0019】
【本発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0020】
<前提の説明>
本実施形態においては、可視型電子透かしの埋め込みに用いる成分を、カラー画像を構成する輝度成分とする場合について説明する。輝度成分を操作する場合には、色成分の変化が無い為、人の目には明るさに変化が加わったように見える。従って、可視型電子透かしの埋め込みとしては好適な成分である。
【0021】
しかしながら、可視型電子透かしの埋め込みに用いる成分は輝度成分だけに限らない。R(赤)、G(緑)、B(青)の各成分を、画像の特徴を保存しつつ、可視型電子透かしが人の目に好ましく見えるように、バランスよく操作することも可能である。その他の成分(例えばC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)等)についても同様である。
【0022】
また、説明を簡単にする為、入力される画像は8ビットグレースケール画像とするが、R(赤)、G(緑)、B(青)やまたは、Y(輝度)、U、V(色差2成分)の色成分から構成される画像においても、本発明の実施の方法で処理可能である。
【0023】
図10は、本実施形態に於いて画像に埋め込む可視型電子透かしを表す透かし画像形状情報の一例である。図示の場合、単純な文字列「ABC、DEF」であるが、透かし画像形状情報としては著作権者のロゴ、画像撮影日時、個人名、企業名、ロゴ、印象的な効果を与える模様等のどのような画像情報になるであろう。また透かし画像形状情報は、画像の関心領域(例えば、医療用画像の患部等)であってもよい。
【0024】
また本発明においては、透かし画像形状情報は、図10のように透かし処理(実施形態ではノイズ付加或いはノイズ多重化)する位置を規定する各画素1ビット(2値)の情報を持つマスク画像(図10では白のアルファベットの領域が可視型電子透かしが埋めこまれる領域を示す)として説明を行う。
【0025】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を図面と共に説明する。
【0026】
図11は実施形態における画像処理を行う情報処理装置のブロック構成図である。図示において、1は装置全体の制御を司るCPUであり、2はブートプログラムやBIOS等を記憶しているROMである。3はCPU1のワークエリアとして使用されるRAMであり、ここにOS、画像処理に係るプログラム等がロードされ、実行されることになる。4はOS、画像処理プログラム、画像データファイル(処理前、処理後を含む)を格納するための外部記憶装置としてのハードディスク装置である。5が画像入力装置であって、例えばイメージスキャナ、デジタルカメラ、画像ファイルを格納している記憶媒体(メモリカードや、フレキシブルディスク、CDROM等)、或いは、ネットワーク上から画像をダウンロードするためのインタフェースであっても構わない。6は、画像を表示したり、各種操作を行うためのGUIを提供する表示装置であり、7はキーボード、8は表示画面上の所望とする位置を指定したり、各種メニューを選択するために用いられるポインティングデバイスである。
【0027】
上記構成における装置に電源が投入され、OSがRAM3上にロードされ、ユーザの指示、或いは、予め自動起動するように設定しておくことで、本実施形態における画像処理プログラムがRAM3にロードされ、実行されることになる。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態による可逆ノイズ加算装置の処理を示すフローチャートである。
【0029】
同図において、まず、ステップS102の初期状態で、画素位置と画素値で構成される複数の画素からなる原画像Iと、埋め込む画像の形状を示す画素位置からなる透かし画像形状情報Mと、2進数で表現される所定のシリアルビット系列を生成するための乱数キーRと、画素値の中の演算対象となるビット領域を規定した演算ビット領域決定テーブルT_Nと、加算するノイズの強度を定義する可視強度値Sと、近隣画素選択方法NS、近隣画素解析方法NAを設定し、出力画像Wの格納領域を例えばRAM上に確保する。
【0030】
なお、原画像Iは画像入力装置5より直接入力したもので良いし、HDD4に一旦保存した画像ファイルでも構わない。また、画像形状情報Mは、HDD4に予め記憶されているものを利用するものとするが、ユーザが自由に作成しても良い。乱数キーRについては、乱数発生するための関数(プログラム)を実行すればよいし、演算ビット領域決定テーブルTや、可視強度値Sはキーボード等から入力しても良いし、予めこれらをファイルとしてHDDに保存してあるものを採用しても構わない。また、出力画像Wの出力先は、HDD4であるものとする。更に、シリアルビット系列は画像全体で固定としてもよいが、秘匿性を高めるため、乱数キーRに基づき画像の埋め込み位置に応じて変化するものとする。
【0031】
また、このステップS102では、以下の処理に先立ち、原画像I中の特定の画素を順次選択していくが、この選択順は、左上隅を開始位置とし、そこから右水平方向の1ラインをスキャンし、ラインエンドになった場合には、次のライン(2ライン目)の左から右方向へスキャンすることを繰り返し行うものとする。これは、ノイズ除去でも同じである。
【0032】
さて、ステップS104では、入力画像の未処理の画素を選択する(初期状態では左上隅になる)。ステップS106では、選択した原画像中の画素位置が、透かし画像形状情報のどの位置に相当するか、すなわち、画像形状情報中の“1”(実施形態では図10における白画素位置に埋め込むことは既に説明した)の位置にあるのか否かを判断する。埋め込み(多重化)対象画素であると判断した場合には、ステップS108にその画素位置情報を送り、画像形状情報の“1”以外の位置、すなわち、“0”の位置にあると判断した場合には、その画素についての処理を終了する。
【0033】
ステップS108に処理が進んだ場合、初期設定で設定された近傍領域選択方法NSに基づき、埋め込み対象画素の近傍領域を決定する。次に同じく初期設定で設定された近隣解析方法NAに従い、近傍領域内の画素値を解析し、近傍領域解析値を生成する。ここで、近傍領域解析値は、近傍領域から得られる埋め込み対象画素の予測値である近傍領域画素値と、近傍領域の周波数的特性等を含む近傍領域特性値で構成されるものである(詳細は後述)。
【0034】
次にステップS110では、ステップS108で生成した近傍領域解析値や可視強度値Sに基づき、ステップS112の演算処理で処理対象となる演算ビット領域を決定する。
【0035】
ステップS112では、ステップS110で決定された演算ビット領域のビットとステップS102の初期設定で入力される乱数キーRから生成されるシリアルビット系列の間で演算処理を行う。このとき演算は可逆の処理である必要がある。実施形態では、この演算処理として排他的論理和演算処理を採用するが、モジュロ加算、モジュロ乗算等の可逆な演算は全て含まれる。
【0036】
次にステップS114では、出力画像Wに対応する入力画素のビット領域の値を処理された演算ビット領域の値で書き込む、書き込み処理を実行する。
【0037】
次にステップS116では全ての画素が処理されたかを判定し、未処理の画素があるならステップS104に戻り、前述の処理を全ての画素が終了するまで続行する。
【0038】
以上、本実施形態における可逆ノイズ加算処理の概要を述べた。
【0039】
図2は本実施形態における、演算処理で行われる操作の一例を図的に示したものである。202は入力画素値、204は乱数キーRから生成されるシリアルビット系列、206は入力画素とシリアルビット系列の対応するビット位置の排他的論理和(XOR)、208は演算処理後の出力画素、太枠で囲まれたビット位置は演算ビット領域を示す。
【0040】
シリアルビット系列204は画素を復号化する際の鍵にもなる。なお演算ビット領域以外に対応するシリアルビット系列は必要ない。
【0041】
206の太枠内は、入力画素の演算ビット領域と対応するシリアルビット系列のビット領域を演算処理結果(ここでは排他的論理和)である。
【0042】
208は206の演算処理結果を対応する入力画素の演算ビット領域の値に書き込んだ結果である。
【0043】
図示の場合、演算結果の画素値と原画素値との差(以下でBは2進数を意味する)は、
10011101(B)−10110101(B)
=157−181=−24
となり、着目画素値は「−24」変化したことを意味する。
【0044】
B5,B4,B3,B1,B0(B2が除外されている点に注意されたい)の5ビットが演算ビット領域である場合、演算ビット領域が全て反転すると、最大で 2^5 + 2^4 + 2^3 + 2^1 + 2^0 = 32 + 16 + 8 + 2 + 1 = 59 (x^yはxのy乗を示す)の画素値の変化が実現する。
このように演算ビット領域は、埋め込み対象画素における画素値の最大変化量(Δmax)を決定する。本実施形態では、上記の演算ビット領域に属するビット情報を操作することにより、可逆ノイズの埋め込みを行う。従って、演算ビット領域は、付加される可逆ノイズの強度を決める要素となる。本実施形態では、演算ビット領域は、埋め込み対象画素の近隣の単一または複数の画素値から成る近傍領域の解析に基づいて決定される。
【0045】
そこで、次に、近傍領域解析処理、近傍領域解析値について詳細に説明する。
【0046】
本実施形態においては、埋め込み対象画素に可視型電子透かしを埋め込むために隣接画素等から構成される近傍領域の解析に基づいて、演算処理する演算ビット領域を決定する。
【0047】
一般に自然画像では隣接画素の間では画素値に相関が大きい。即ち、隣接する画素位置は、略等しい画素値を備えることが多い。そのため、自然画像では、近隣画素における人の目に知覚可能な変更量は、埋め込み対象画素における人の目に知覚可能な変更量として適切である。
【0048】
また、人間の輝度の視覚特性は、明るい輝度は輝度の変化が知覚されにくく、暗い輝度は輝度の変化が知覚され易いという非線形な特性がある。
【0049】
本実施形態では、埋め込み対象画素と相関性の高い近隣画素を参照し、尚且つ、人間の視覚特性をも加味し、埋め込み対象画素の最大変化量Δmaxをきめ細かく設定することで、原画像のどの階調(輝度)においてもほぼ同様に知覚されるノイズの加算を実現するものである。
【0050】
以下では、埋め込み対象画素への可逆ノイズの埋め込みの為の演算ビット領域を決める近隣画素で構成される領域を「近傍領域」と呼ぶこととする。
【0051】
この近傍領域を構成する画素は、単一の画素でもよいし、複数の画素でもよい。また近傍領域は、埋め込み対象画素と相関が高いと予想される領域であればよく、必ずしも埋め込み対象画素に隣接している必要はない。
【0052】
また、近傍領域内の画素を解析する場合、画素値だけでなく、近傍領域内の画素値の周波数特性や近傍領域内の画素値の分散等の統計的性質を利用してもよい。
【0053】
更にまた、高周波部分やテクスチャ領域において最大変化量Δmaxを大きく設定した演算領域決定テーブルT_Nを設計すれば、高周波成分から成る領域やテクスチャ領域でも、人の目に均等に認識され易い可逆のノイズを付加することが出来る。
【0054】
次に本実施形態における近傍領域選択解析処理について詳しく説明する。
【0055】
図5は図1のステップS108の近傍領域選択解析処理を実行する近傍領域選択解析部の内部構成を示すブロック図であり、近傍領域選択部502と近傍領域解析部504で構成される。
【0056】
近傍領域選択部502には、画像情報(画素位置、画素値)、埋め込み対象画素の位置情報、近傍領域選択方法NSが入力される。近傍領域選択部502は、前記の入力情報に基づき、近傍領域を決定するが、近傍領域は画像全体で固定でなく、画素位置や所定の鍵情報に従って変化させる形態にしてもよい。
【0057】
近傍領域選択部502は後段の近傍領域解析部504に近傍領域情報(画素の位置、画素値等)を出力する。
【0058】
後段の近傍領域解析部504は、近傍領域情報(画素の位置、画素値等)と近傍領域解析方法NAが入力され、前記の入力情報に基づき、近傍領域の画素値を解析する。そして、近傍領域解析部504は近傍領域解析値(近傍領域画素値と近傍領域特性値)を出力する。
【0059】
次に近傍領域選択解析手段の処理について図を用いて具体的に説明する。
【0060】
図6は8ビットグレースケールの入力画像601と可視型電子透かしが埋め込まれた出力画像602(ノイズ付加後の画像)の一部を図的に示した図である。
【0061】
図6中の太枠で囲まれた画素(画素13a、14a、15a、18a、19a、20a)は、透かし画像形状内に相当し、可逆ノイズの埋め込み対象画素である。
【0062】
本実施形態では、画素13aの演算ビット領域は、画素13aの近傍領域に基づいて選択され、その近傍領域はまず、近傍領域選択手段502を用いて決定される。
【0063】
説明を簡単なものとするため、実施形態における近傍領域選択手段502は、着目画素の左画素とする。従って、今、画素13aがノイズ付加処理を行わせる着目画素とした場合、その左隣の画素12a(画素値112)が近傍領域として選択されることになる。尚、近傍領域として複数の画素領域を選択する場合については、後に説明する。
【0064】
次に近傍領域解析部504に画素7a(画素値112)を入力する。図6では説明を簡単にするため、近傍領域解析手段504は、入力画素値112をそのまま近傍領域解析値として出力するとする。
【0065】
次に、演算ビット領域決定処理では、前段の近傍領域選択解析処理から得られる近傍領域解析値を元に、埋め込み対象画素13aの演算ビット領域を決定することになる。
【0066】
実施形態の場合、演算ビット領域決定は次のようにして行うものとした。
【0067】
図3はステップS110の演算ビット領域決定処理を実行する、演算ビット領域決定部のブロック図である。
【0068】
演算ビット領域決定部300には、ステップS108の近傍領域選択解析処理から入力される近傍領域解析値302、初期設定で設定された可視強度値S(306)、演算ビット領域決定テーブルT_N304がそれぞれ入力される。
【0069】
演算ビット領域決定部300では、近傍領域解析値302と演算ビット領域決定テーブルT_N304、さらには可視強度値S306とに基づいて、埋め込み対象画素の演算ビット領域を決定し、演算ビット領域情報308として出力する。
【0070】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_Nについて説明する。
【0071】
演算ビット領域決定テーブルT_Nは、ステップS110演算ビット領域決定処理で演算ビット領域を決定する際に用いられる参照テーブルである。
【0072】
図4に近傍領域解析値(近傍領域内の画素の画素値)と対応付けられた演算ビット領域決定テーブルT_Nの一例を示す。同図(a)が可視強度S=1の場合のテーブルを示し、同図(b)が可視強度S=2の場合のテーブルを示している。近傍画素領域の値(輝度)が小さいほど、着目画素における演算ビット領域は下位ビットにシフトしていることがわかる。これは、自然画(デジタルカメラやスキャナで読取った階調画像)の場合、着目画素と近傍画素との相関が高い、換言すれば、注目画素とその近傍画素の輝度はほぼ等しい点、更には、人間の輝度の視覚特性は、明るい輝度は輝度の変化が知覚されにくく、暗い輝度は輝度の変化が知覚され易いという非線形な特性を考慮しているためである。
【0073】
図示において401は近傍領域解析値を表し(図4では簡単のために近傍領域画素値のみを表示している)、402は近傍領域解析値に対応する埋め込み対象画素の演算ビット領域(図4ではYが記入されているビット位置が演算ビット領域)を表し、403は演算ビット領域から計算される最大変化量Δmaxを表している。また、「Y」が記されていないビットに対しては変更しない。
【0074】
また、図示の如く、可視強度S=2の場合、可視強度S=1に対し、総じて演算ビット領域はビット位置として下位方向へシフトしていることがわかる。この意味するものは、可視強度S=2の場合には、オリジナル画像に対する変更する割合が少ない、換言すれば、オリジナル画像の画質劣化を抑制するとも言える。
【0075】
上記のように演算ビット領域決定テーブルT_Nは、近傍領域解析値(図4では近傍領域から計算される近傍領域画素値)及び可視強度値Sが演算ビット領域と対応付けられた値を持っている。演算ビット領域決定手段300では、上記の可視強度Sに応じて、いずれかの演算ビット領域決定テーブルを選択し、その選択された演算ビット領域決定テーブルT_Nを参照し、入力される近傍領域解析値302及び可視強度値S306に対応する演算ビット領域を読み取り、出力する。
【0076】
最後にステップS112の演算処理では、既に述べた方法で決定された演算ビット領域において、図2に図示したようなシリアルビット系列と演算ビット領域のビットの間でビット演算を実行する。ステップ114の書き込み処理では、ステップ112の演算結果を出力画像の対応する演算ビット領域に書き込む。
【0077】
次に、図7を用いて、本実施形態における可逆ノイズ除去処理の概要を簡単に述べる。なお、装置構成は、ノイズ埋め込みを行う装置と実質的に同じであるので、その詳細は省略する。
【0078】
まず、ステップS702の初期設定で、画素位置と画素値で構成される複数の画素からなる可逆ノイズが埋め込まれた画像Wと、埋め込む画像の形状を示す画素位置からなる透かし画像形状情報Mと、2進数で表現される所定のシリアルビット系列を生成するための乱数キーRと、画素値の中の演算対象となるビット領域を規定した演算ビット領域決定テーブルT_Nと、可視型電子透かしの強度を定義する可視強度値Sを入力し、出力画像Eは入力画像Wと等しくなるように設定する(入力画像Wのコピーを生成し、それを出力画像Eとする)。
【0079】
ここで、透かし画像形状情報Mと乱数キーRと演算ビット領域決定テーブルT_N,可視強度値Sは可逆ノイズを除去する為の鍵情報として利用されることになる。
【0080】
次にステップS704において、入力画像の未処理の画素を選択する。
【0081】
ステップS706では、選択された画素にノイズが多重化されているか否かを、その画素位置が画像形状情報のどの位置にあるのか(0の位置にあるのか、1の位置にあるのか)に基づいて判断する。ノイズ多重化済みの画素でないと判断した場合には、その画素についての処理を終える。
【0082】
一方、ノイズ多重化済みの画素であると判断した場合には、ステップS708に進んで、初期設定で設定された近傍領域選択方法NSに基づき、埋め込み対象画素の近傍領域(実施形態では左隣画素)を決定する。次に同じく初期設定で設定された近傍解析方法NAに従い、近傍領域内の画素値を解析し、近傍領域解析値を生成する。
【0083】
次にステップS710では、ステップS708で生成した近傍領域解析値や可視強度値Sに基づき、ステップ712の演算処理で処理対象となる演算ビット領域を決定する。例えば、可視強度S=1の場合、図4(a)のテーブルを参照することで、近傍領域(左隣画素)の画素値に基づき、着目画素の演算ビット領域を求めることができる。
【0084】
次にステップS712では、ステップS710で決定された演算ビット領域のビットとステップS702の初期設定で入力される乱数キーから生成されるシリアルビット系列の間で逆演算処理を行う。この演算は埋め込み時の演算と対応した逆演算処理(復号処理)である。実施形態の場合、埋め込み時と同じシリアルビットでもって、演算ビット領域について排他的論理和を行うものであるから、当然、その結果、オリジナルの画素値にまで完全復元できるようになる。
【0085】
ステップS714では、入力画素のビット領域の値を処理された演算ビット領域の値を出力画像Eの対応画素に書き込む、書き込み処理を実行する。
【0086】
次のステップ716では、全ての画素が処理されたかを判定し、未処理の画素があるならステップS704に戻り、前述の処理を全ての画素が終了するまで続行する。
【0087】
以上、本実施の形態の可逆ノイズ除去装置の動作について述べた。
【0088】
本実施形態における処理内容は上記の通りであるが、その処理内容を分かりやすくするため、具体例を以下に説明する。
【0089】
完全に可逆のノイズの付加を実現するためには、近傍領域選択方法に関して若干の条件が必要となる。即ち、逆演算時に、埋め込み時に演算処理された演算ビット領域を正しく知る必要がある。従って、近傍領域選択方法は、逆演算時(可逆ノイズ除去時)に演算ビット領域の決定に用いた近傍領域の画素値を参照できるように近傍領域を選択する必要がある。
【0090】
上記の条件を満たすような近傍領域の選択方法は、多数考えられるが、一例として、埋め込み対象画素の左隣を近傍領域として参照し、着目画素に対する可逆ノイズの付加/除去を行う場合が考えた。着目画素の左隣の画素を近傍領域とする場合、その近傍領域は完全にオリジナル画像まで復元されていることが必要になる。この為の手法もいくつか考えられる。1つは、画像形状情報の最左端の縦一列については「0」、すなわち、ノイズ埋め込み対象外とするようにすることであろう。この結果、各ラインについて左から右に向かうノイズ除去を行う場合、先頭の画素はオリジナルのままであるので近傍領域として十分に機能する。また、別な手法としては、各ラインの先頭の画素がノイズ多重化対象とすることを許容した場合、近傍領域は存在しないので、その演算ビット領域を固定することであろう。
【0091】
まず埋め込みから簡単に説明する。図6において、可視強度S=1が設定されており、画素13aが埋め込み対象画素であると判定された場合について説明する。このとき、近傍領域として、左横の画素12a(画素値112)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値の近傍領域画素値が「112」として出力される。
【0092】
次に、決定された演算ビット領域決定テーブルT_N(可視強度S=1であるので、図4(a)のテーブル)を用いて、画素13aの演算ビット領域を決定する。近傍領域の値は「112」であるので、結局のところ、画素13aのB4、B3、B1が演算ビットとして決定されることになる。
【0093】
そして、画素13aの演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理(排他的論理和)により、画素13a(画素値116)に対して画素値126が計算され、出力画像602の画素13aに画素値126が書き込まれる。
【0094】
次に処理対象は画素14aに進むことになる。このとき、入力画像601の左横の画素13a(変更前の画素値「116」)を参照し、演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いて、画素14aの演算ビット領域を決定する。そして、演算ビット領域とシリアルビット系列の演算処理により、画素14a(画素値114)に対して画素値98が計算され、出力画像602の画素14aに画素98が書き込まれる。
【0095】
このようにして、順次、変更される前の左横の画素の画素値を読み出し、可逆ノイズの埋め込みを行っていく。
【0096】
次に上述のようにして埋め込まれた可逆ノイズを除去するステップについて説明する。ノイズ除去する場合、先に説明したように、ノイズ多重化済みの画像、可視強度、画像形状情報、乱数キー等、必要な情報は既に入力しているものとする。
【0097】
まず、画素13a(画素値126)が除去対象画素になった場合について説明する。この場合、その左隣の画素位置までは復元処理が完了していることになることに注意されたい。
【0098】
先ず、近傍領域として出力画像602の左横の復元済みの画素12a(画素値112)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値である近傍領域画素値「112」が出力される。
【0099】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_N(可視強度Sで選択される)を用いて、画素13aの演算ビット領域を決定する。そして演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理により、画素13a(透かし埋め込み後の画素値126)に対して復元画素値116が計算され、出力画像601(原画像)の画素13aに画素値116が書き込まれる。
【0100】
次に画素14aが除去対象画素になるが、この場合、その入力画像601の左横の画素13aではなく、既に復元された出力画像602内の左横の画素13a(復元画素値116)が選択、解析される。その結果、近傍領域解析値の近傍領域画素値が116として出力される。
【0101】
次に、演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いて、画素14aの演算ビット領域を決定する。そして演算ビット領域のビット値とシリアルビット系列の演算処理により、画素14a(画素値98)に対して画素値114が計算され、出力画像601(原画像)の画素14aに画素値114が書き込まれる。
【0102】
このようにして、順次、復元処理済の近隣画素の画素値を選択、解析することで、埋め込み時と同じ演算ビット領域を決定することが出来、可逆ノイズを完全に除去することが出来る。
【0103】
以上は簡単な説明の為に上記の説明では近傍領域として埋め込み対象画素の左横の画素を選択したが、主走査方向の位置が同じで、直前のライン上の画素を近傍領域としても良い。要は、復元処理が完了する画素を参照するようにすればよい。
【0104】
また、1つの画素を参照領域とするのではなく、複数の画素にまたがる領域を近傍領域として選択、解析してもよい。
【0105】
例えば、近傍領域選択部は、図6において、着目画素13aに対し、近傍領域として、画素7a、8a、12aを選択する。次に近傍領域解析部は、画素7a、8a、12aの画素値から、埋め込み対象画素13aの画素値を予測し、その予測値を近傍領域画素値としてもよい。
【0106】
それ以外にも、近傍領域選択部は、画素13aの近傍領域として、左画素1a、2a、6a、7aの4画素を選択する方法なども考えられる。この場合、近傍領域解析手段は、近傍領域内の分散値、周波数係数等も合わせて計算し、近傍領域特性値としてもよい。この場合、演算ビット領域決定テーブルT_Nには、分散値、周波数係数等の近傍領域特性値にも対応する演算ビット領域が定義されているとする。
【0107】
図4(a)の演算ビット領域決定テーブルT_Nの場合(可視強度S=1の場合)、近傍領域解析値(近傍領域画素値)である入力画素値112に対応する演算ビット領域は、B4、B3、B1となる。このとき、最大変化量(Δmax)を計算すると2^4+2^3+2^1=26(x^yはxのy乗)となる。例えば、埋め込み対象画素の画素値が112の場合には、112のB4,B3,B1はそれぞれ1,0,0であるから、変更量は+方向には2^3+2^1=10, -方向には2^4=16 の幅を持つ。
【0108】
本実施の形態の可逆ノイズ加算方法は、埋め込み対象画素に近い値を持つ近傍領域画素値や埋め込み対象画素近傍の近傍領域特性値からなる近傍領域解析値に基づき、きめ細かな演算ビット領域の設定が可能であることが分かる。
【0109】
また、本実施形態の可逆ノイズ付加装置を用い、入力画像の全画素に可逆ノイズを付加する場合について述べる。入力画像の端近くの画素が埋め込み対象画素として選択される場合、近傍領域が存在しない場合が考えられる。以下、近傍領域が存在しない場合の対処方法例を幾つか述べる。
【0110】
例えば、入力画像の端近くで近傍領域が存在しない画素が埋め込み対象画素の場合は、先に説明したように、可逆ノイズの付加を中止する方法をとってもよい。このとき、近傍領域が存在しない画素から可逆ノイズを除去する際には、可逆ノイズは付加されていないことが分かっているので、近傍領域が得られるまで可逆ノイズの除去は実行しなくてよい。
【0111】
また、入力画像の端近くで近傍領域が存在しない画素が埋め込み対象画素の場合は、可視強度値Sに従ってのみ決められる固定の演算ビット領域に対して、演算ビット処理を行ってもよい。このとき、近傍領域が存在しない画素から可逆ノイズを除去する際には、可視強度値Sに従ってのみ決められる演算ビット領域に対して、逆演算処理を施し、可逆ノイズの除去は実行するとよい。
【0112】
近傍領域選択方法NSによって決められる近傍領域の大きさが得られるような入力画像の画素値に対しては、既に詳しく述べてきたように、近傍領域解析値に従って、演算ビット領域を決定する。
【0113】
また、これも先に説明したが、人間の視覚特性は、輝度値が小さいほど輝度値の変化に敏感で、輝度値が大きいほど輝度値の変化が目立たたないという特性がある。従って、演算ビット領域(最大変化量Δmax)は上記の人間の視覚特性を考慮して設計することが好ましい。かかる点、実施形態によれば、可視強度S=1、2のいずれであっても、近傍領域が高輝度の場合には、演算ビットは高いビット位置まで及び、逆に、低輝度の場合には低位のビットが演算ビット領域となるので、オリジナル画像に近い雰囲気を維持しつつ、可視的な付加情報を多重化させることができるようになる。
【0114】
なお、空間上の色の変化が人間の知覚に変化と一致する均等知覚色空間CIE1976L*u*v*やCIE 1976 L*a*b*(以降L*a*b*色空間と呼ぶ)が1976年にCIEから推奨されている。
【0115】
上記の均等知覚色空間は、上記の演算ビット領域(最大変化量Δmax)を決定する際にも有用である。
【0116】
本実施形態によれば、原画像の透かし画像形状情報で示される領域において、原画像の特徴を維持しつつ、演算処理によって付加されるノイズ量が画像の階調に従って変化するように、画素値の変更量を設定することが出来る。それに加え、付加されたノイズの除去時に原画像を必要としない。さらに、演算処理に安全性の高い暗号方式を導入することで、付加されたノイズの除去を困難にすることが出来る。
【0117】
なお、演算ビット領域を決定する際に演算ビット領域決定テーブルT_Nを用いたが、数式で表現される演算ビット領域決定関数Fを用いることも可能であり、この様な方法も本発明の範疇に含まれる。
【0118】
上記例の具体的な利用方法は、例えば、次のようなものである。
【0119】
インターネット上で画像をサービスするサーバを設置し、図1の処理を施した付加情報を多重化した画像、及び、それぞれの画像を復元するための特有の情報(画像形状情報M、乱数キーR、演算ビット領域決定テーブルT、そして可視強度S)を記憶管理しておき、ユーザ(クライアント)は所望とする画像を選択し、ダウンロードできるようしておく。このダウンロードした画像には、上記のように付加情報(例えば撮影者や撮影日時等)が可視化して多重化され、尚且つ、その画像の全体の雰囲気を十分に伝えるものができるようになる。ユーザはダウンロードした画像について、オリジナルに復元したいことをサーバに伝えると(例えばブラウザ等で対応するボタンをクリックするとう操作で伝える)、サーバは、オリジナルそのものではなく、その画像に特有の復元に必要な情報(画像形状情報M、乱数キーR、演算ビット領域決定テーブルT、そして、可視強度値S)を送信する(これにより、オリジナルそのものが漏洩することを防ぐことができる)。なお、送信する際に、これらの情報を秘密キーでもって暗号化しておけば更に安全なものとすることができる。ユーザ側のPCでは、これらの情報を受けとって、図7に示す処理を実行させる処理を行う。
【0120】
なお、乱数キーRについては、乱数そのものを送信するのでなく、乱数を発生する共通の関数をサーバ及びクライアント側で保有するようにし、その乱数を発生するため初期化パラメータのみを送信するようにする。勿論、全ての画像について同じパラメータとしてしまうと、サーバが保有している全画像を復元できてしまうので、個々の画像毎にこのパラメータを異なるようにしておく。
【0121】
なお、上記実施形態では、演算ビット領域を決定するテーブルは図4(a)、(b)に示す様に2種類存在するものとして説明したが、3種類あるいはそれ以上あっても良い。特に、演算ビット領域として、B7(MSB)、B6を除外したが、可視強度を更に強くする、或いはしたい場合には、これらのビットまで演算領域にすることも可能である。
【0122】
また、可視強度Sは、ユーザが自由に設定しても良いが、自動化させても構わないであろう。例えば、オリジナル画像の輝度分布(ヒストグラム等を作成すれば良い)のレンジ幅、その中心輝度をパラメータとして、可視強度Sを自動決定しても良い。例えば、オリジナル画像全体が暗い場合、可視ノイズの埋め込みを行う演算ビット領域は、比較的、低位のビット領域に割り当てられ、可視ノイズによる付加情報が見にくくなる可能性がある。従って、このように全体的に暗い画像の場合には、高い輝度に変更され得るように、高位のビットまで演算ビット領域とするため、可視強度を自動的に高くするようにできるであろう。
【0123】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、画素単位で画素単位でノイズ付加処理を行う場合について想定したが、本実施の形態では、JPEGやJPEG2000等の圧縮符号化画像に対して、可逆のノイズを付加する場合について説明する。
【0124】
JPEGやJPEG2000等の圧縮符号化方式では、入力色成分は規定されないが、一般にR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分を、Y(輝度)、Cb(色差)、Cr(色差)に変換後、離散コサイン変換や離散ウェーブレット変換を実行する場合が多い。
【0125】
従って、JPEGやJPEG2000圧縮符号化されたカラー画像の輝度成分を表す周波数変換係数を可視型電子透かしの埋め込み成分として用いることで、特別な工夫なしに輝度値に埋め込むことが可能となる。
【0126】
JPEG圧縮符号化方式では、ブロック単位の圧縮符号化が行われている。例えば、JPEG圧縮符号化画像には、最小符号化単位(通常8×8画素)が存在し、その単位毎に圧縮符号化の基本的な処理が行われている。従って、JPEG圧縮符号化画像に可視型電子透かしを埋め込む場合、透かし画像形状情報は、画素単位でなく、最小符号化単位とすると、第1の実施の形態の手法を応用し易い。
【0127】
より詳しく説明すると、画像を8×8画素ブロック単位に周波数成分データに変換するために先ずDCT変換を行う。そして、この画素ブロックが、ノイズを多重化すべき位置にない場合には、通常のJPEG符号化を行う。一方、多重化すべき位置にあると判断した場合には、DCT変換した結果得られる直流成分DCの値を構成するビットに対し、第1の実施形態と同様の処理を行う。この際、可視強度値Sをも参酌することは第1の実施形態と同様である。また、近傍領域は、その近傍に位置する画素ブロックの直交変換後の直流成分を用いることになろう。
【0128】
図8の801は、JPEG圧縮符号化方式において、画像を最小符号化単位毎にブロック化して図示した図である。JPEG圧縮符号化画像の場合、最小符号化単位内(801)で離散コサイン変換(DCT)が実行される。802はDCT変換後の最小符号化単位ごとに得られるDCT係数の直流(DC)成分(平均値)であり、それ以外の63個の係数が交流AC係数である。
【0129】
最小符号化単位ごとに、DCT係数のDC成分(直流)に対して、第1の実施の形態で述べた演算ビット領域の演算処理を行えば、最小符号化単位内(801)の平均値を変化させることが出来、ブロック単位の可逆ノイズ付加が実現できる。
【0130】
従って透かし画像形状情報は、埋め込み対象最小符号化単位ブロックを指定する情報とすれば、第1の実施形態を適用できるのは容易に理解できよう。また、第1の実施形態に対する更なるメリットの1つは、画像形状情報Mのサイズを小さくできることである。すなわち、JPEGの場合、8×8画素単位に多重化するか否かを決定するものであるから、画像形状情報(2値画像)の1画素が、原画像の8×8画素に対応するものとして利用すれば良いからである(1/64の容量で済むことになる)。
【0131】
なお、ノイズを除去する場合には、逆DCT変換処理を行う前段階で、処理対象となるブロックが、ノイズ埋め込み対象であるか否かを画像形状情報に基づいて判断する。ノイズ埋め込み対象外であると判断した場合には、通常の処理を経て復号化する。そして、ノイズ埋め込み対象であると判断した場合には、その直流成分における演算ビット領域を、可視強度値Sで決定された演算ビット領域決定テーブルTを参照して求め(特定し)、そのテーブルから、近傍領域の復元済みの直流成分より演算ビット領域を決定する。そして、、乱数により発生したシリアルビット系列との論理演算(第1の実施形態に従えば排他論理和)を行うことで、復元することになる。ただし、JPEG圧縮符号化では、量子化処理によりデータを破棄しているので、100%オリジナルにまでは復元はできない。しかしながら、本第2の実施形態においても、少なくとも、通常のJPEGによる復号結果と同等の品質にまでオリジナルに近く、ノイズを除去した画像を得ることができる。
【0132】
第1の実施形態の近傍領域解析値(近傍領域特性値)としては、複数の近隣の最小符号単位ブロック内のDCT係数や埋め込み対象ブロックである最小符号化単位内の他のDCT係数を用いてもよい。埋め込み対象ブロックである最小符号化単位内の交流成分であるAC係数は、埋め込み対象ブロックの周波数特性を表しており、近傍領域解析値(近傍領域特性値)としても効果的に使うことが出来る。
【0133】
一方、JPEG2000圧縮符号化画像では、離散ウェーブレット変換(DWT)を用いて、画像の形状情報を保持しつつ、画像を低周波から高周波成分に渡って段階的に帯域ごとに分割し、圧縮符号化する。
【0134】
図9はJPEG2000圧縮符号化方式における離散ウェーブレット変換による帯域分割の様子を図的に示した図である。
【0135】
離散ウェーブレット変換では、画像に影響が大きい低周波画像成分はLLに集まり、LLは原画像の画像特徴をよく保存している。従って、埋め込みに用いる要素を離散ウェーブレット変換(DWT)の低周波成分(LL)とすると、第1の実施形態と比較的近い形で可逆のノイズ付加を行うことが可能である。
【0136】
図9の場合、LLは2回DWTを行った結果の低周波成分のサブブロックであるが、そのサブブロックLLを構成している全ての画素に対して、第1の実施形態と同様の埋め込みを行えばよい。この場合、参照する近傍領域は、隣接する画素ブロックのサブブロックLLでも良いが、注目サブブロックLLにツリー構造を成している注目ブロック中の他のサブブロック(サブバンド)HL2、LH2、HH2、HL1、LH1、HH1)のDWT係数を近傍領域として用いても良い。
【0137】
上記サブバンドのDWT係数からは原画像の埋め込み対象である区域の周波数特性の情報が得られるため、可視型電子透かしの強度を決める近傍領域特性値としても有効である。
【0138】
なお、第1、第2の実施形態で説明した手法をJPEG2000圧縮符号化画像の離散ウェーブレット変換(DWT)係数に適用する場合、DWT係数は正負の値を取りうることを考慮し、演算ビット領域決定テーブルを設計する必要がある。
【0139】
また、JPEG2000圧縮符号化画像の場合、ROI(Region ofInterest:関心領域)のために、画像サイズと同じサイズを持つ1ビットのビットプレーンが用意される(JPEG2000の基本符号化システムでは、ROI領域だけシフトアップして符号化される)。
【0140】
従って、関心領域が特に存在せず、透かし画像形状情報を可視型電子透かしのように画像閲覧者に示したい場合、透かし画像形状情報をROIに設定してもよい。
【0141】
例えば、著作権情報を示す可視のロゴ情報をROIに記述しておけば、コンテンツ配信で画像情報を伝送する際に、ロゴ情報から先に視聴者に示すことが出来、利用者にコンテンツの著作権者を明示する効果も実現できる。
【0142】
さらに、透かし画像形状情報は既にROI情報として、画像と共に符号化されているため、可逆ノイズを除去する際に必要な鍵情報が僅かですむというメリットがある。
【0143】
また、可逆ノイズの除去に必要な透かし画像形状情報は、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付することも可能である。このとき、ノイズが付加された画像から原画像に戻すときに、画像ファイル以外に必要な鍵情報だけですみ、配送する情報量を削減できる効果もある。
【0144】
また、可逆ノイズの除去に必要な鍵(および透かし画像形状情報)は比較的情報量が少ない為、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付することも可能である。このとき、特定の利用者のみ可逆ノイズの除去を可能するため、上記の鍵(および透かし画像形状情報)を所定の暗号方式(例えば、公開鍵暗号方式)で暗号化し、画像ファイルのヘッダ等の所定位置に添付してもよい。
【0145】
第1の実施形態では、暗号方式としては、非排他的論理和(XOR演算)の場合のみ説明したが、所定の処理単位(例えば64ビット)となるように複数の演算ビット領域を集め、DES等の共通鍵暗号方式や、公開鍵暗号方式を用いることも可能である。
【0146】
第1の実施形態の場合、埋め込み対象画素から可逆ノイズを除去するときに、既に近傍領域が復元されている必要がある。従って、埋め込み対象画素の左横を近傍領域とする場合には、縦方向の複数の画素の演算ビット領域から、所定の単位のビット数を集め、暗号化する等の工夫が必要となる。
【0147】
また、DES等の所定の処理単位毎に処理を行うブロック暗号方式に属する共通鍵暗号方式を用いる場合には、集めたビット数が所定の処理単位に満たない場合には、足りないビット数だけ0や1をパディングし所定単位を満たし、暗号化を行うとよい。このとき元の画素位置に格納できないビットは、ヘッダ等のファイルの所定位置に付加するとよい。
【0148】
あるいは、1〜数ビット単位で処理できる(共通鍵暗号方式に属する)ストリーム暗号方式に属する暗号方式を用いてもよい。
【0149】
このとき第1の実施形態において、初期設定で入力されるのは乱数キーではなく、共通鍵暗号方式では共通鍵、公開鍵暗号方式では埋め込み時には公開鍵、抽出時に秘密鍵となる。
【0150】
本実施形態では、暗号化方式としてDESを例に挙げたが、他の共通鍵暗号方式、例えば、AES、FEAL、IDEA、RC2、RC4、RC5、MISTY、シーザー型暗号、ビジネル暗号・ビューフォート暗号、プレイフェア暗号、ヒル暗号、バーナム暗号等を用いることもできる。
【0151】
また本実施形態では、静止画像についてのみ説明を行ったが、動画像に対しても同様の原理が適用できることは容易に想像できる。例えば、MPEG圧縮符号化方式の場合、中間フレームを埋め込みの対象とすることで、比較的容易に可逆ノイズを埋め込むことが出来る。MotionJPEG2000の場合は時間フレーム方向にJPEG2000圧縮符号化画像と同様の手法で可逆ノイズの埋め込みを繰り返すことで埋め込み可能である。従って、動画像に対して可逆ノイズを加えることも本発明の範疇である。
【0152】
本発明では、画像の画素値に応じた可逆のノイズを加えることを主眼に説明を行ったが、透かし画像形状情報に強いノイズを加えることで可視の電子透かしとすることも可能であり、本発明で述べた方式を用いた可視型電子透かしの埋め込みも本発明の範疇である。
【0153】
また、上記の実施形態からも明らかなように、本実施形態を実現するその殆どは、ソフトウェアでもって実現できるものである。通常、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置にコンピュータプログラムを導入する場合、フロッピー(登録商標)ディスクやCDROM、或いは、半導体メモリカード等のコンピュータ可読記憶媒体を装置にセットし、インストールプログラムを実行するか、或いは、システムにコピーすることになるので、かかるコンピュータ可読記憶媒体も本願発明の範疇に含まれるのは明らかである。
【0154】
また、コンピュータ上で稼働しているOS等が処理の一部又は全部を行う場合、あるいは記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された拡張機能ボードやコンピュータに接続された拡張機能ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づいて、上記拡張機能ボードや拡張機能ユニットに備わるCPU等が処理の一部又は全部を行う場合にも、各実施の形態と同等の機能を実現できると共に、同等の効果を得ることができ、本発明の目的を達成することができる。
【0155】
以上説明したように本実施形態によれば、入力画像及び鍵を入力し、入力画像の構成要素の構成値に対し、入力画像の構成要素の構成値の一部を参照し、更に鍵に基づいた演算を行うことで前記構成値の変更を行い、入力画像の特徴に応じかつセキュリティ性の高い可逆のノイズを原画像に埋め込むことができ、著作権の保護を十分行うことができる。
【0156】
また、可逆のノイズが埋め込まれた画像と鍵を入力し、上記演算と逆の演算を行うことにより、可逆ノイズを除去し、原画像を復元することができる。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、埋め込み対象の多値画像データの持つ雰囲気を保ちつつ、それにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を可逆的に埋め込むことが可能になる。また、付加情報を除去することでオリジナル画像、もしくはオリジナル画像に近い画像まで復元することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における可逆ノイズ加算処理のフローチャートである。
【図2】演算処理を内容の具体例を示す図である。
【図3】演算ビット領域決定処理を実行する演算ビット領域決定部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態における演算ビット領域決定テーブルの一例を示す図である。
【図5】近傍領域選択解析処理を実行する近傍領域選択解析部の内部構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態における原画像とノイズ付加後の画像との関係を示す図である。
【図7】第1の実施形態における可逆ノイズ除去のフローチャートである。
【図8】JPEG圧縮符号化方式における最小符号化単位を示す図である。
【図9】JPEG2000圧縮符号化方式における離散ウェーブレット変換による帯域分割の様子を示す図である。
【図10】本実施形態における透かし画像形状情報の一例を示す図である。
【図11】実施形態における装置の具体的なブロック構成図である。

Claims (12)

  1. 多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
    画素単位にノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って1画素単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素の位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素の位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定手段と、
    該判定手段によって、注目画素の位置がノイズを多重化する位置にあると判定した場合、前記注目画素よりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素の近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素の画素値に従って、前記注目画素を表わす複数ビット中のノイズを多重化するビット領域を特定する特定手段と、
    該特定手段で特定された注目画素のビット領域に対して可逆的にビット情報を変更する変更手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 更に、ノイズの多重化させる強度に関する情報を設定する手段と、
    画素値に応じてノイズを多重化するためビット領域を定義したテーブルを、各強度毎に記憶する記憶手段とを備え、
    前記特定手段は、設定された強度に関する情報で特定される、前記記憶手段に記憶された1つのテーブルに従って、ノイズ多重化するビット領域を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. ノイズが可逆的に埋め込まれ、目視可能な付加情報が多重化された多値画像データから、前記付加情報を除去する画像処理装置であって、
    画素単位にノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って1画素単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素の位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素の位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定手段と、
    前記注目画素よりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素の近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素の画素値に従って、前記注目画素を表わす複数ビット中のノイズが多重化されたビット領域を特定する特定手段と、
    該特定手段で特定された注目画素のビット領域の状態を、ノイズ多重化した際の逆変換することで、多重化する以前の状態に復元する復元手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  4. 多値画像データを所定サイズの画素ブロック単位に周波数成分データに変換して圧縮符号化すると共に、前記多値画像にノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理装置であって、
    前記所定サイズの画素ブロック単位に、ノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力手段と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って前記画素ブロック単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素ブロックの位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素ブロックの位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定手段と、
    前記注目画素ブロックよりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素ブロックの近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素ブロックの変換後の低周波成分を示す値に従って、前記注目画素ブロックの変換後の低周波成分を表わす値を示す複数ビット中のノイズを多重化するビット領域を特定する特定手段と、
    該特定手段で特定された低周波成分のデータのビット領域に対して可逆的にビット情報を変更する変更手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記周波数成分への変換は直交変換であって、前記低周波成分は直交変換後の直流成分であることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記周波数成分への変換はウェーブレット変換であって、前記低周波成分は複数回のウェーブレット変換によって生成される低周波成分のブロックのデータであることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 更に、ノイズの多重化させる強度に関する情報を設定する手段と
    画素値に応じてノイズ多重化するためビット領域を定義したテーブルを、各強度毎に記憶する記憶手段とを備え、
    前記特定手段は、設定された強度に関する情報で特定される、前記記憶手段に記憶された1つのテーブルに従って、ノイズ多重化するビット領域を特定することを特徴とする請求項4乃至のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 多値画像データにノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理方法であって、
    画素単位にノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力工程と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って1画素単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素の位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素の位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定工程と、
    該判定工程によって、注目画素の位置がノイズを多重化する位置にあると判定した場合、前記注目画素よりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素の近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素の画素値に従って、前記注目画素を表わす複数ビット中のノイズを多重化するビット領域を特定する特定工程と、
    該特定工程で特定された注目画素のビット領域に対して可逆的にビット情報を変更する変更工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  9. ノイズが可逆的に埋め込まれ、目視可能な付加情報が多重化された多値画像データから、前記付加情報を除去する画像処理方法であって、
    画素単位にノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力工程と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って1画素単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素の位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素の位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定工程と、
    前記注目画素よりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素の近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素の画素値に従って、前記注目画素を表わす複数ビット中のノイズが多重化されたビット領域を特定する特定工程と、
    該特定工程で特定された注目画素のビット領域の状態を、ノイズ多重化した際の逆変換することで、多重化する以前の状態に復元する復元工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  10. 多値画像データを所定サイズの画素ブロック単位に周波数成分データに変換して圧縮符号化すると共に、前記多値画像にノイズを多重化し、ノイズを多重化した分布による目視可能な付加情報を埋め込む画像処理方法であって、
    前記所定サイズの画素ブロック単位に、ノイズを多重化する/しないを示す情報を、前記付加情報として入力する入力工程と、
    前記多値画像データを、予め設定されたスキャン方向に従って前記画素ブロック単位にスキャンし、当該スキャン中の注目画素ブロックの位置が、ノイズを多重化する位置にあるのか否かを、前記注目画素ブロックの位置に対応する前記付加情報に従って判定する判定工程と、
    前記注目画素ブロックよりも前にスキャンした位置にあって、前記注目画素ブロックの近傍の、予め設定された相対位置にある近傍画素ブロックの変換後の低周波成分を示す値に従って、前記注目画素ブロックの変換後の低周波成分を表わす値を示す複数ビット中のノイズを多重化するビット領域を特定する特定工程と、
    該特定工程で特定された低周波成分のデータのビット領域に対して可逆的にビット情報を変更する変更工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  11. コンピュータが読込み実行することで、前記コンピュータを、請求項1乃至の何れか1項に記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 請求項11に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
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