JP2004343117A - 半導体製造装置用セラミック板 - Google Patents

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康隆 伊藤
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Abstract

【課題】 軽量で昇温、降温特性に優れるとともに、高温において反りがなく、しかも、大型のシリコンウエハを載置することができ、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバなどの半導体製造装置として最適なセラミック板を提供すること。
【解決手段】 直径200mm以上、厚さ8mm未満のセラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が250〜450GPaであるセラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなる半導体製造装置用セラミック板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に、静電チャック、ウエハプローバ、サセプタ、ホットプレートなどの半導体製造装置に使用される半導体製造装置用セラミック板に関し、特には、大型のシリコンウエハを載置でき、反り量の少ない半導体製造装置用セラミック板に関する。
半導体は種々の産業において必要とされる極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハに種々の回路等を形成することにより製造される。
このような半導体チップの製造工程において、例えば、静電チャック、ホットプレート、ウエハプローバ、サセプタなど、セラミック基板をベースとして使用する半導体製造装置が盛んに用いられている。
このような半導体製造装置として、例えば、特許文献1、特許文献2などには、これらの用途に使用されるセラミック基板が開示されている。
上記公報などに開示されているセラミック基板は、いずれもその直径が6インチ(150mm)程度か、厚さが8mm以上のものであった。
ところが、最近のシリコンウエハの大型化にともない、セラミック基板に関しても、直径が8インチ以上のものが求められるようになってきている。
また、シリコンウエハの製造工程では、セラミック基板の内部に発熱体が埋設されたものを使用して加熱する必要があり、さらに、その熱容量を小さくして温度追従性を向上させるために、厚さを8mm未満にすることが必要となってきている。
特許第2587289号公報 特開平10−72260号公報
しかしながら、このような大型で薄いセラミック基板では、高温領域まで加熱すると、自重でわずかながら反りが発生してしまう。この反りが発生すると、セラミック基板上にシリコンウエハを載置した際、シリコンウエハが破損したり、セラミック基板から一定距離離間して加熱する場合に、ウエハと加熱面との距離にばらつきが生じて、ウエハの温度が不均一になってしまう場合があり、ウエハプローバなどとして用いる場合には正確な導通テストができず、静電チャックとして用いる場合には吸着力が低下してしまうという問題があった。
そこで本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、セラミック基板に反りが発生する原因は、高温領域でヤング率が低下するためであることを見いだすとともに、25〜800℃までの温度範囲におけるセラミック基板のヤング率が、250〜450GPa、特には280〜350GPaの範囲であれば、セラミック基板中に補強体を設けることにより、このような反り発生の問題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
また、セラミック基板が、気孔率5%以上の多孔質体である場合には、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が80〜250GPaの範囲であれば、セラミック基板中に補強体を設けることにより、このような反り発生の問題を解決できることもあわせて知見した。
即ち、第一の本発明は、直径200mm以上、厚さ8mm未満のセラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が、250〜400GPa、特には、280〜350GPaであるセラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなることを特徴とする半導体製造装置用セラミック板である。
また、第二の本発明は、多孔質セラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が80〜250GPaであるセラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなることを特徴とする半導体製造装置用セラミック板である。
上記第一の本発明に係る半導体製造装置用セラミック板において、上記セラミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミックを使用できるが、特に窒化物セラミックとしては、窒化アルミニウムからなるものであることが望ましい。
また、上記セラミック基板は、窒化アルミニウムを50重量%を超えて含むことが望ましい。
また、上記第一の本発明の半導体製造装置用セラミック板において、上記金属または導電性セラミックからなる補強体は、セラミック基板の中心または中心より半導体ウエハ等の被加熱物を載置したり、一定距離離間させて加熱する加熱面(以下、ウエハ加熱面という)の対向面に偏芯した位置に少なくとも1層形成されているか、または、ウエハ加熱面の対向面に形成されていることが望ましく、上記セラミック板は、気孔率が5%未満である緻密体であることが望ましい。
また、上記多孔質セラミック基板の気孔率は、5%以上であることが望ましい。
本発明の半導体製造装置用セラミック板は、軽量で昇温、降温特性に優れるとともに、高温において反りがなく、しかも、大型のシリコンウエハを載置することができ、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバなどの半導体製造装置として最適である。
第一の本発明の半導体製造装置用セラミック板は、直径200mm以上、厚さ8mm未満のセラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が250〜450GPa、特には、280〜350GPaであるセラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなるものであることを特徴とする。
また、第二の本発明の半導体製造装置用セラミック板は、多孔質セラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が80〜250GPaである多孔質セラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなることを特徴とする。
以下、特に第一の本発明と第二の本発明とを区別する必要がある場合には、第一の本発明、第二の本発明と記載するが、特に区別する必要がない場合には、単に本発明ということにする。従って、本発明という場合には、両方の発明を含むものとする。
本発明では、上記した大きさを有し、高温でのヤング率が低下する窒化アルミニウムなどを含むセラミック基板に特有の問題を発見するとともに、このセラミック基板中に補強体を埋設するか、表面に補強体を設けることにより、反りを防止してシリコンウエハの破損を防止し、ウエハプローバなどでは正確な導通テストを実現し、静電チャックでは吸着力の低下を防止するのである。
本発明では、直径200mm以上、厚さ8mm未満のセラミック基板を使用するが、これは、半導体ウエハの直径が8インチ以上が主流となり、大型化が求められているからである。
上記セラミック基板の直径は、12インチ(300mm)以上であることが望ましい。次世代の半導体ウエハの主流となる大きさだからである。また、大型のセラミック基板であるが故に、反りが発生しやすく、本発明の効果が顕著だからである。
上記セラミック基板の厚さを8mm未満としているのは、8mm以上では、セラミック基板の熱容量が大きくなり、温度制御手段を設けて加熱、冷却すると温度追従性が低下してしまうからである。
また、8mm未満の薄いセラミック基板ほど反りやすく、本発明の効果が顕著だからである。
セラミック基板の厚さは、5mm以下が望ましい。5mmを超えると熱容量が大きくなり、温度制御性、ウエハ加熱面の温度均一性が低下するからである。
第一の本発明のセラミック板では、25〜800℃まで温度範囲におけるヤング率が 250〜450GPa、特には、280〜350GPaであるセラミックを使用する。このようなセラミックとしては特に限定されないが、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
ヤング率が250GPa未満では、常温でも反りが発生してしまい、450GPaを越えると剛直すぎて、いずれにせよセラミック基板を支持容器(ケーシング)に載置したり、はめ込んだり、支持柱による固定等の配設することができないのである。ヤング率が250GPa未満では、セラミック基板に金属や導電性セラミックからなる補強体が形成されていても、支持容器にセラミック基板を固定しようとすると、反ってしまう。また、セラミック基板に補強体を設けると、セラミック基板自体に歪みが生じる。支持容器に配設することにより、セラミック基板が若干反ることでこのような歪みが解消されるのであるが、ヤング率が450GPaを越えると、剛直になりすぎて、支持容器に固定しようとすると割れてしまう。つまり、ヤング率が 250〜450GPaの範囲は、セラミック基板の機能を確保したまま、支持容器に配設できる範囲である。
さらに、ヤング率が280GPa未満であると、高温時の反り量が大きすぎて補強体を設けても反り量を小さくすることが困難となり、一方、350GPaを超えると、セラミック基板の反り量が充分に小さく、そもそも反りが発生せず、上記したような問題が発生し得ないからである。
また、第二の本発明では、半導体製造装置用セラミック板が、気孔率5%以上の多孔質セラミック基板の場合、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が80〜250GPaであることが必要である。
ヤング率が80GPa未満であると、補強体を設けることによっても反り量を小さくすることが困難となり、一方、250GPaを超えると、剛直になりすぎて、支持容器に固定しようとすると割れてしまう。つまり、ヤング率が80〜250GPaの範囲は、機能を確保したまま、支持容器に配設できる範囲である。 多孔質体の場合は、ヤング率が低く反りやすく、また強度が低く破壊されやすい。このため、緻密体に比べてセラミック基板の機能を確保したまま、支持容器に配設できる範囲が低くなる。
なお、気孔率の測定は、セラミック基板を粉砕して流体と置換して体積を測定し、重量/測定体積により、真比重を求めておき、見かけの大きさと重量から見かけの比重を求め、見かけの比重/真比重により気孔率を計算する。
本発明で用いる窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素等が挙げられる。上記窒化アルミニウムを使用する場合には、50重量%を超えた量が窒化アルミニウムから構成される組成のものが好ましい。この場合に使用される他のセラミックとしては、例えば、酸化物セラミックとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどが挙げられ、また炭化物セラミックとしては、炭化珪素、炭化チタン、炭化タングステンなどが挙げられ、複合セラミックとしては、サイアロン等が挙げられる。
上記セラミック基板のヤング率は、2種類以上のセラミックを混合あるいは積層して使用することにより、また、例えば、アルカリ土類金属、希土類金属、カーボン等を添加することにより制御することができる。上記アルカリ土類金属としては、Na、Caなどが望ましく、希土類金属としてはYが望ましい。また、カーボンは非晶質、結晶質いずれのものも使用することができる。さらに、カーボンは100〜2000ppmの含有量が望ましい。このような含有量とすることにより、セラミック板を黒色化することができるからである。
また、上記セラミック基板のヤング率は、気孔率で調整することも可能である。緻密体のセラミックの場合は、気孔率5%未満で調整する。多孔質セラミックの場合は、気孔率5%以上で調整する。気孔率が高いほどヤング率は低下する。
上記金属または導電性セラミックからなる補強体は、セラミック基板の中心または中心よりウエハ加熱面の対向面に偏芯した位置に少なくとも1層形成されているか、または、ウエハ加熱面の対向面に形成されていることが望ましい。
反りの発生によってウエハ加熱面から遠い側のセラミックが伸長することになるので、この伸長する部分に補強体を設けることによって反りを確実に防止することができるからである。
上記補強体の形状としては、例えば、平面形状、平面形状を幾つかの部分に分割した形状、渦巻き形状、同心円形状、格子形状などが挙げられる。
上記補強体の厚さは、1〜50μm程度が望ましい。1μmより薄いと補強効果がなく、50μmより厚くなるとセラミック板全体の反りや、ウエハ加熱面の平坦度の低下を招くからである。
上記補強体としては、例えば、金属焼結体、非焼結性金属体、導電性セラミックの焼結体などが挙げられる。
上記金属焼結体、上記非焼結性金属体の原料としては、例えば、高融点金属を使用することができる。上記高融点金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、ニッケルおよびインジウムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステンまたはモリブデンの炭化物が挙げられる。
上記補強体は、セラミック基板の内部に設ける場合には、例えば、発熱体、ガード電極、グランド電極、静電電極などとして機能させることができ、また、セラミック基板の表面に形成する場合には、例えば、発熱体、チャックトップ電極などとして機能させることができる。
また、上記したように、セラミック基板の内部に、発熱体とガード電極とグランド電極のように、複数の層からなる補強体を設けることができる。
このような発熱体などが設けられたセラミック板は、例えば、ホットプレート(ヒータ)、静電チャック、ウエハプローバなどとして使用することができる。
図1は、本発明の半導体製造装置用セラミック板の一実施形態であるセラミックヒータの一例を模式的に示す底面図であり、図2は、上記セラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
セラミック基板11は、円板状に形成されており、補強体(発熱体)12は、セラミック基板11のウエハ加熱面の全体の温度が均一になるように加熱するため、セラミック基板11の底面に同心円状のパターンに形成されている。
また、これら補強体12は、互いに近い二重の同心円同士が1組として、1本の線になるように接続され、その両端に入出力の端子となる端子ピン13が接続されている。また、中央に近い部分には、支持ピン16を挿入するための貫通孔15が形成され、さらに、測温素子を挿入するための有底孔14a〜14iが形成されている。
また、図2に示したように、この支持ピン16は、その上にシリコンウエハ19を載置して上下させることができるようになっており、これにより、シリコンウエハ19を図示しない搬送機に渡したり、搬送機からシリコンウエハ19を受け取ったりすることができる。
発熱体としての補強体12は、セラミック基板11の内部で、その中心または中心よりウエハ加熱面の対向面に偏芯した位置に形成されていてもよい。
上記セラミックヒータでは、補強体12は機械的な補強体としてのみでなく、発熱体としても機能する。
セラミック基板の内部または底面に補強体12を形成するためには、金属や導電性セラミックからなる導体ペーストを用いることが望ましい。
即ち、セラミック基板の内部に補強体を形成する場合には、グリーンシート上に導体ペースト層を形成した後、グリーンシートを積層、焼成することにより、内部に補強体を作製する。一方、表面に補強体を形成する場合には、通常、焼成を行ってセラミック基板を製造した後、その表面に導体ペースト層を形成し、焼成することにより補強体を作製する。
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、補強体12と窒化物セラミック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
上記導体ペーストには、上記したように、金属粒子に金属酸化物を添加し、補強体12を金属粒子および金属酸化物を焼結させたものとすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板である窒化物セラミックと金属粒子とを密着させることができる。
上記金属酸化物を混合することにより、窒化物セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考えられる。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、補強体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックとの密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミックとの密着性を改善することができる。
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して補強体12を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に補強体12を設けたセラミック基板11では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
補強体12がセラミック基板11の表面に形成される場合には、補強体12の表面部分に、図2に示すような金属被覆層17が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
本発明では、必要に応じてセラミック基板に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御することができるからである。
熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。
上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
次に、本発明の半導体製造装置用セラミック板の製造方法について説明する。
まず、図1に示したセラミッ基板11の底面に補強体12が形成されたセラミック板の製造方法について説明する。
(1) セラミック板の作製工程
上述した窒化アルミニウムなどの窒化物セラミックに必要に応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。
次に、生成形体に、必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピン16を挿入する貫通孔15となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔14a〜14iとなる部分を形成する。
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を作製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
(2) セラミック基板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、補強体を設けようとする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。補強体は、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、図1に示すような同心円状からなるパターンに印刷することが望ましい。
導体ペースト層は、焼成後の補強体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが望ましい。
(3) 導体ペーストの焼成
セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、補強体12を形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、金属粒子、セラミック基板および金属酸化物が焼結して一体化するため、補強体とセラミック基板との密着性が向上する。
(4) 金属被覆層の形成
補強体12表面には、金属被覆層を設けることが望ましい。金属被覆層は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
(5) 端子等の取り付け
補強体12のパターンの端部に電源との接続のための端子(端子ピン13)を半田で取り付ける。また、有底孔14a〜14iに熱電対を挿入し、ポリイミド等の耐熱樹脂、セラミックで封止し、セラミックヒータ10とする。
次に、セラミック基板の内部に補強体が形成されたセラミック板の製造方法について説明する。
(1) セラミック基板の作製工程
まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述したセラミック粉末としては、窒化アルミニウムなどを使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えてもよい。
イットリアの量は、5重量%以上が好ましい。焼結体中に1重量%以上のイットリウムを残留させることができ、ヤング率を25〜800℃の温度領域で250〜450GPaに調整することができるからである。
イットリウムの残留量が1重量%未満の場合、ヤング率が25℃付近で250GPa未満となるため好ましくない。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシートを作製する。
グリーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシートに、必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、補強体を外部の端ピンと接続するためのスルーホールとなる部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
(2) グリーンシート上に導体ペーストを印刷する工程
グリーンシート上に、金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導体ペーストを印刷する。
これらの導体ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。
上記金属粒子が、タングステン粒子またはモリブデン粒子である場合、その平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
(3) グリーンシートの積層工程
導体ペーストを印刷していないグリーンシートを、導体ペーストを印刷したグリーンシートの上下に積層する。
このとき、上側に積層するグリーンシートの数を下側に積層するグリーンシートの数よりも多くして、補強体の形成位置を底面の方向に偏芯させる。
具体的には、上側のグリーンシートの積層数は20〜50枚が、下側のグリーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
(4) グリーンシート積層体の焼成工程
グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPa(100〜200kg/cm2 )が好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
なお、焼成を行った後に、測温素子を挿入するための有底孔を設けてもよい。有底孔は、表面研磨後に、ドリル加工やサンドブラストなどのブラスト処理を行うことにより形成することができる。また、内部の補強体と接続するためのスルーホールに端子を接続し、加熱してリフローする。加熱温度は、半田処理の場合には90〜110℃が好適であり、ろう材での処理の場合には、900〜1100℃が好適である。
さらに、測温素子としての熱電対などを耐熱性樹脂で封止し、セラミックヒータとする。
このようにして製造したセラミックヒータを支持容器(ケーシング)30に配設した図を図4に記載する。なお、ここに記載したセラミックヒータは、セラミック基板11の底面に補強体12が形成されたセラミックヒータ10である。
支持容器30の底には、冷媒を供給する供給ポート39と、冷媒を排出する開口30aが形成されている。
セラミック基板11は、断熱材35を介して支持容器30に固定される。セラミック基板11の上からは板バネ37をピン38で固定して、セラミック基板11を支持容器に固定するのである。
セラミック基板11の表面には、図示しない突起が形成され、この突起によってセラミック基板の加熱面11aとウエハ9との間に、5〜5000μmの隙間が生じて一定距離離間させながら、加熱することができるのである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)補強体を内部に有する半導体製造装置用セラミック板の製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)6重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた。
(3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
この導体ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、図1に示したような同心円パターンとした。上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、8MPa(80kg/cm2 )の圧力で積層した。
(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、Yが1.3重量%残留する厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの補強体を有するセラミック板とした。
セラミック板の気孔率は、セラミック板を粉砕して、水銀置換し体積を測定し、重量と体積から真比重を計算し、さらに、見かけの大きさと重量から見かけの比重を計算し、さらに真比重と見かけの比重から気孔率を計算した。その結果、測定限界値以下でほとんど0であった。
(比較例1)補強体を有さないセラミック板(直径12インチ、厚み3mm)の製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)6重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた。
(3) グリーンシートを50枚、130℃、8MPa(80kg/cm2 )の圧力で積層した。
(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出した。本比較例1にかかるセラミック板の気孔率は、ほとんど0であった。
なお、図3は、実施例1や比較例1で用いられている窒化アルミニウムの温度とヤング率との関係を示したグラフであり、このグラフより、窒化アルミニウム基板は、25〜800℃までの温度領域におけるヤング率が250〜450GPaの範囲内であることがわかる。
なお、ヤング率の測定には、曲げ共振法ヤング率測定装置を使用した。
試験片は、長さ100mm、幅20mm、厚さ2mmの形状に切り出したものを使用した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。即ち、試験片の両端から0.224L近傍を支点とし、アルミナ繊維を用いて電気炉中に試験片を吊り下げ、共振点の測定は、測定温度に達した時点より10分間温度を保持してから開始した。曲げの一次共振点の探索は、まず、簡易発振器の周波数を主動で走査し、オシロスコープ管面上のリサージュ図形の変化から周波数の一次測定を行い、ついで、ファンクションジェネレータの出力周波数を計算機より制御して二次測定を行って、共振周波数を求めた。以上により得た一次曲げモードの共振周波数から、以下の式(1)を用いてヤング率を測定した。
E=0.9465×{(m・f2 )/w}×(L/t)3 ×{1+6・59×(t/L)2 }・・・・(1)
但し、E:ヤング率(Pa)、f:共振周波数(Hz)、L:試験片の長さ(m)、w:試験片の幅(m)、t:試験片の厚さ(m)、m:試験片の質量(kg)である。
(比較例2)補強体を有さないセラミック板(直径6インチ、厚み3mm)の製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)6重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた。
(3) グリーンシートを50枚、130℃、8MPa(80kg/cm2 )の圧力で積層した。
(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを150mmの円板状に切り出した。
本比較例2にかかるセラミック板の気孔率は、ほとんど0であった。
(比較例3)補強体を有さないセラミック基板(直径12インチ、厚み8mm)の製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)6重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた。
(3) グリーンシートを150枚、130℃、8MPa(80kg/cm2 )の圧力で積層した。
(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、厚さ9mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出し、表面を研磨して厚さ8mmとした。本比較例3にかかるセラミック板の気孔率は、ほとんど0であった。
(比較例4)
イットリアを添加せず、常圧焼結を行ったほかは、実施例1と同様にして、窒化アルミニウム基板を得た。このヤング率を上述の測定法により測定した。ヤング率は、25℃で240GPaであり、その気孔率は、1%であった。
(実施例2)
4 C8重量%、SiC92重量%からなる粉末を用い、グリーンシート成形後、SiO2 ガラスペーストを塗布、乾燥させ、さらに導体ペースト印刷後に、この導体ペースト表面にガラスペーストを塗布、乾燥させ、その後、アルゴン雰囲気中、1980℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスしたほかは、実施例1と同様にして、SiC焼結体からなる基板を得た。ヤング率は、25℃で360GPa、800℃で340GPaであり、その気孔率は0.5%であった。
(実施例3)
4 C8重量%、SiC92重量%からなる粉末を用い、グリーンシート成形後、SiO2 ガラスペーストを塗布、乾燥させ、さらに導体ペースト印刷後に、この導体ペースト表面にガラスペーストを塗布、乾燥させ、アルゴン雰囲気中、1980℃、圧力20MPa(200kg/cm2 )で3時間ホットプレスしたほかは、実施例1と同様にして、SiC焼結体からなる基板を得た。ヤング率は、25℃で400GPa、800℃で380GPaであり、その気孔率は0.5%であった。
(比較例5)
4 C8重量%、C0.5重量%、SiC91.5重量%からなる粉末を用い、アルゴン雰囲気中、1980℃、圧力20MPa(200kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、さらに1500℃で3時間加熱したほかは、実施例1と同様にして、SiC焼結体からなる基板を得た。ヤング率は、25℃で460GPaであり、その気孔率はほぼ0であった。
上記実施例1〜3および比較例1〜5で得られたセラミックヒーターについて、500℃における反り量を測定した。また、図4に示した支持容器に固定した場合に、クラックが発生するか否かについても調べた。その結果を下記の表1に示した。反り量の測定は、500℃まで昇温して1時間保持し、常温に戻して表面形状測定器(京セラ製 ナノウエイ)で測定した。
Figure 2004343117
(実施例4)補強体(発熱体)を内部に有するセラミックヒータの製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)7重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmのシリコンウエハ支持ピンを挿入する貫通孔15となる部分、端子ピンと接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
(3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル径バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、図1に示したような同心円パターンとした。また、端子ピンを接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。
上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面、ウエハの載置面のこと)に37枚、下側に13枚、130℃、8MPa(80kg/cm2 )の圧力で積層した。
(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPa(150kg/cm2 )で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体を有するセラミックヒータとした。
(5) 次に、(4) で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC粒子等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
(6) さらに、スルーホール用の貫通孔の一部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の端子ピンを接続させた。
なお、端子ピンの接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
(7) 次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に挿入し、シリカゾルを埋め込み、100℃で1時間乾燥させてセラミックヒータの製造を完了した。
本実施例4にかかるセラミックヒータの気孔率は、ほとんど0であった。
(比較例6)
グリーンシート数を150枚とし、厚さを8mmとしたほかは、実施例4と同様にしてセラミックヒータを製造した。
本比較例6にかかるセラミックヒータの気孔率は、ほとんど0であった。
(実施例5)補強体(発熱体)を底面に有する窒化アルミニウム製のセラミックヒータ(図1参照)の製造
(1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)80重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)6重量部、窒化ケイ素20重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。この生成形体にドリル加工を施し、シリコンウエハの支持ピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14a〜14iとなる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
(3) 加工処理の終った生成形体を1800℃、圧力:20MPa(200kg/cm2 )でホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム−窒化ケイ素板状体を得た。
次に、この板状体から直径12インチ(300mm)の円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラミック基板)11とした。
(4) 上記(3) で得たセラミック基板11に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円状のパターンとした。
導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
(5) 次に、導体ペーストを印刷したセラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板11に焼き付け、補強体(以下、発熱体という)12を形成した。銀−鉛の発熱体12は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の補強体(発熱体)12の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させた。
(7) 電源9の接続を確保するための端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成した。
ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン13を載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン13を補強体(発熱体)12の表面に取り付けた。
(8) 温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、セラミックヒータ10(図1参照)を得た。
本実施例5にかかるセラミックヒータの気孔率は、ほとんど0であった。
(実施例6)底面に補強体(発熱体)を形成したSiC焼結体
実施例5と同様であるが、炭化珪素粉末(平均粒径:1.0μm)80重量部、B4 C5重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。また、導体ペーストを印刷する前に炭化珪素焼結体の表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で加熱して表面に厚さ2μmのSiO2 膜を形成した。SiCのヤング率は、25℃で380GPa、800℃で360GPaであり、その気孔率は、0.5%であった。
(比較例7)
実施例6と同様であるが、焼結体の厚さを8mmとした。本比較例7にかかるセラミックヒータの気孔率は、0.5%であった。
(比較例8)
実施例5と同様であるが、炭化珪素粉末(平均粒径:1.0μm)80重量部、B4 C5重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。また、導体ペーストを印刷する前に炭化珪素焼結体の表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で加熱して表面に厚さ2μmのSiO2 膜を形成した。さらに、焼結体を1600℃で3時間焼成した。SiCのヤング率は、25℃で460GPa、800℃で360GPaであり、その気孔率は、0.5%であった。
(実施例7)SiC焼結体(多孔質)
実施例5と同様であるが、炭化珪素粉末(平均粒径:1.0μm)80重量部、B4 C5重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。また、導体ペーストを印刷する前に炭化珪素焼結体の表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で加熱して表面に厚さ2μmのSiO2 膜を形成した。さらに、ホットプレスではなく、常圧焼結させた。SiCのヤング率は、25℃で200GPa、800℃で180GPaであり、その気孔率は、6%であった。
(比較例9)SiC焼結体(多孔質)
実施例5と同様であるが、炭化珪素粉末(平均粒径:1.0μm)100重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。また、導体ペーストを印刷する前に炭化珪素焼結体の表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で加熱して表面に厚さ2μmのSiO2 膜を形成した。さらに、ホットプレスではなく、常圧焼結させた。SiCのヤング率が25℃で90GPa、800℃で78GPaであり、その気孔率は、10%であった。
(比較例10)SiC焼結体(多孔質)
実施例5と同様であるが、炭化珪素粉末(平均粒径:1.0μm)80重量部、B4 C5重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。また、導体ペーストを印刷する前に炭化珪素焼結体の表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で加熱して表面に厚さ2μmのSiO2 膜を形成した。さらに、5MPa(50kg/cm2 )でホットプレスした。SiCのヤング率が25℃で260GPa、800℃で240GPaであり、その気孔率は、5.5%であった。
実施例4〜7および比較例6〜10で得られたセラミックヒータにつき、ヤング率を測定するとともに、電圧を印加してから温度が上昇を始めるまでの応答時間を測定した。また400℃の反り量および支持容器に固定した場合のクラックの有無を調べた。
その結果を下記の表2に示した。
Figure 2004343117
以上の結果より明らかなように、セラミック基板を薄くする方が応答時間が短くヒータとしては有利であるが、補強体(この場合は発熱体として機能)がない場合は、薄ければ反りが発生してしまうことがわかる。また、ヤング率が高い場合は反りの問題は生じず、一方ヤング率が低すぎると反りが大きくなり、補強体だけでは対応できない。
さらに、ヤング率が高すぎると、クラックが発生し、支持容器に固定することが困難になる。
本発明の半導体製造装置用セラミック板の一実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示した半導体製造装置用セラミック板の一部を示す部分拡大断面図である。 実施例で用いた窒化アルミニウムの温度とヤング率との関係を示すグラフである。 図1に示した本発明の半導体製造装置用セラミック板を支持容器に配設した様子を示す断面図である。
符号の説明
10 セラミックヒータ
11 セラミック基板
12 補強体(発熱体)
13 端子ピン
14(14a〜14i) 有底孔
15 貫通孔
16 支持ピン
17 金属被覆層
19 シリコンウエハ

Claims (9)

  1. 直径200mm以上、厚さ8mm未満のセラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が250〜450GPaであるセラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなることを特徴とする半導体製造装置用セラミック板。
  2. その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率は、280〜350GPaである請求項1に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  3. 前記セラミック基板は、窒化アルミニウムからなる請求項1または2に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  4. 前記セラミック基板は、窒化アルミニウムを50重量%を超えて含む請求項1または2に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  5. 前記金属または導電性セラミックからなる補強体は、セラミック基板の中心または中心より被加熱物を加熱する面の対向面に偏芯した位置に少なくとも1層形成されてなる請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  6. 前記金属または導電性セラミックからなる補強体は、セラミック基板の被加熱物を加熱する面の対向面に形成されてなる請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  7. 前記セラミック基板の気孔率は、5%未満である請求項1〜6のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック板。
  8. 多孔質セラミック基板であって、その25〜800℃までの温度範囲におけるヤング率が80〜250GPaである多孔質セラミック基板の内部または表面に金属または導電性セラミックからなる補強体を設けてなることを特徴とする半導体製造装置用セラミック板。
  9. 前記多孔質セラミック基板の気孔率は5%以上である請求項8に記載の半導体製造装置用セラミック板。
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