JP2004342951A - 半導体露光工程における露光条件制御方法及び制御システム - Google Patents

半導体露光工程における露光条件制御方法及び制御システム Download PDF

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卓也 松本
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Abstract

【課題】加工要求精度の向上に対応し、処理装置および配線層(レイヤ)といった処理条件の違いによる影響をより詳細に反映したフィードフォワード/フィードバックによる露光条件制御方法を提供すること。
【解決手段】半導体露光工程における露光条件を、露光後のアライメントずれ測定量及び寸法測定結果などをフィードバックすることにより制御する際、フィードバックに用いる測定結果を、生産品種、配線層(レイヤ)、処理装置およびレチクルに加えて、前配線層(レイヤ)の処理装置別に集計し、処理装置を、露光処理後のアライメントずれ測定結果などの傾向が等しいものをまとめた装置群として管理する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体露光工程のプロセス工程を構成する処理装置に対してプロセス条件を制御するプロセス条件制御方法およびプロセス条件制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶パネルや半導体集積回路などの製造工場のプロセス工程において、処理装置の歩留り向上やモニタウェハー削減などのために、処理装置の処理結果をモデル式を用いてフィードフォワード/フィードバックすることにより、プロセス条件を制御する手法、いわゆるMBPC(Model Based Process Control)が広く用いられている。特に、半導体回路パターンの微細化に伴い、回路パターンを形成する露光工程での線幅の均一性や重ね合わせに求められる要求精度は装置の管理限界を超えつつあり、歩留り向上のためには、前記MBPCを用いた露光条件の制御が必須となっている。
【0003】
この半導体露光工程におけるMBPCの例として、露光工程の後に行われるエッチング工程などの工程での測定データを使用するプロセス条件制御方法などが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなプロセス条件制御方法を半導体露光工程に適用する場合、処理装置間には制御性に関する号機差が存在することから、測定データを処理装置ごとに区分する必要があり、図3に示すように、処理装置別履歴DBから同じ処理装置で処理した直前数ロットの測定データがフィードフォワード/フィードバックに用いるデータとして採用され、露光条件が決定される。また、半導体集積回路の製造工場では、多数の品種が混在して処理されており、さらに、一つの品種ごとに複数の配線層(レイヤ)を形成する必要があるため、一つの処理装置で処理される被加工物の条件は多岐にわたっている。そのため、フィードフォワード/フィードバックに用いるデータは、同じ処理装置で処理が行われたものでも、これら条件ごとに区分して管理することが必要となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−260683号公報(4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
多品種少量化が進むにつれて、半導体集積回路の製造工場において、前記条件ごとに区分して管理を行うと、フィードフォワード/フィードバックに必要な測定データが集まらず、結果としてモニタウェハーと称される測定用のウェハーを用いて、事前に露光条件を確認する工程が必要となる。そのため、条件ごとの管理は行わない方が望ましいが、加工要求精度の微細化は年々進んでおり、処理装置および配線層(レイヤ)といった処理条件の違いによる影響は、今後さらに大きくなることが予想される。つまり、前記のようなデータ区分を行ってもフィードフォワード/フィードバックによるプロセス条件制御が機能しなくなる可能性がある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点および事情に鑑みてなされたものであって、より詳細なデータ区分を行う高度なMBPC制御を行うためのプロセス条件制御方法およびプロセス条件制御システムを、実際の生産現場で実現可能とすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係るプロセス条件制御方法では、半導体露光工程における露光条件を露光後のアライメントずれ測定量及び寸法測定結果などをフィードバックすることにより制御する際、フィードバックに用いる測定結果として、生産品種、配線層(レイヤ)、処理装置およびレチクルに加えて、前配線層(レイヤ)を処理装置別に集計したものを用いるものである。ここで、前配線層(レイヤ)とは、処理する配線層(レイヤ)に予め関連付けられた一つ以上の配線層(レイヤ)を指す。したがって、複数の処理装置間の号機差をより正確に反映することができ、微細化の進んだ回路パターンの加工においても、高い歩留りでの生産が行える。
【0009】
しかし、このようなデータ区分によるプロセス条件制御方法では、生産条件が多岐にわたることから、フィードフォワード/フィードバックするために必要なデータ数が確保できないという問題が生じる。そこで、本発明に係るプロセス条件制御方法では、処理装置および前配線層(レイヤ)の処理装置を、露光処理後のアライメントずれ測定結果などの傾向が等しいものをまとめた装置群としても管理し、少ないデータからでもフィードフォワード/フィードバックするために必要なデータを蓄積するものとする。
【0010】
また、前記装置群は露光後のアライメントずれ測定結果などによって、適時組替え可能とし、そのときの状況をリアルタイムに反映したものとする。
【0011】
また、条件の組合せごとに、事前に過去の処理履歴から歩留りの予測を行い、その条件の妥当性を判断する。もし、予測される歩留りが期待値よりも低ければ、その条件での処理を行わない。前記判断は、通常処理の際にも、検査結果が異常の場合に行われる再生処理の際にも行われるものとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、半導体露光工程における露光条件を、露光測定結果をフィードバックして決定する露光条件制御方法において、配線層の関連情報を登録する関連レイヤ情報データベースから、処理を行う配線層と関連する配線層情報を検索し、得られた配線層に対して、生産品種、配線層、レチクル、および前配線層の処理装置情報を登録する処理装置別履歴データベースから、生産品種、レチクル、処理装置に加えて、前配線層の処理装置に紐付けられた履歴データを検索し、得られた検索結果により、露光条件を計算することを特徴とするもので、フィードバックに用いる測定結果を、生産品種、配線層(レイヤ)、処理装置およびレチクルに加えて、前配線層(レイヤ)の処理情報を処理装置別に集計するようにしたので、複数の処理装置間の号機差をより正確に反映することができ、微細化の進んだ回路パターンの加工においても、高い歩留りでの生産を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記履歴データは、装置の関連情報を登録する関連装置情報データベースから、処理を行う装置と関連する装置群情報を検索し、前記装置群情報に対して、処理装置の群別履歴を登録する処理装置群別履歴DBから検索される処理を行う装置が属する装置群に紐付けられた履歴データであることを特徴とするもので、処理装置別の履歴情報とは別に処理装置群別の履歴情報を備えることにより、詳細なデータ区分を行うことが可能となり、多品種少量の半導体集積回路の製造工程において、高い歩留りでの生産を行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記装置群は、露光後の測定結果と露光処理時に設定した露光条件によって、順次組替えられることを特徴とするもので、履歴情報に露光条件計算要求時における状況をリアルタイムに反映することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、過去の歩留り情報を登録する歩留り情報データベースと、現状の装置状態を登録する装置状態データベースから歩留り予測値が決定され、前記予測値が予め設定した値を下回った場合は、以降の処理を中止し、前記設定値を上回った場合は露光条件の計算を行うことを特徴とするもので、無駄な作業工数を削減でき、装置の稼働率を高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、半導体露光工程における露光条件を、露光測定結果をフィードバックして決定する露光条件制御システムにおいて、半導体装置から送られる制御情報が、処理履歴情報か、検査結果情報か、露光条件計算要求かを判断する情報処理部と、処理履歴情報を生産品種、配線層、レチクル、および処理装置別情報と、その前配線層の処理情報を合せて登録する処理装置別データベースと、処理装置群別の履歴を登録する処理装置群別履歴データベースと、関連する配線層を登録する関連情報データベースと、関連する装置群情報を登録する関連装置データベースを有する情報蓄積部を備えたことを特徴とするもので、多品種少量の半導体集積回路の製造工場でも、より詳細なデータ区分を行うことができ、複数の処理可能装置間の装置間差を考慮した露光条件の制御を行うことが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、情報蓄積部は、過去の歩留り情報を登録する歩留り情報データベースと、現状の装置状態を登録する装置状態データベースを備えたことを特徴とするもので、処理条件に応じて予め歩留り予測を行うことにより無駄な作業工数を削減し、装置の稼働率を高めることができる。
【0018】
【実施の形態】
図1〜図2に本発明の実施の形態を示す。但し当然のことではあるが、本発明は図示の実施の形態により限定を受けるものではない。
【0019】
図1は、本発明のプロセス条件制御方法を適用する工程を模式的に示した工程フロー図である。図1に示すように、本実施の形態では、露光工程を、ウェハー表面検査装置などで実施される受入検査工程と、一組のコーター・ステッパ・デベロッパーによって実施される露光・現像工程と、重ね合わせ測定機などによるずれ検査工程と、SEMなどによる線幅測定工程から構成されるものとし、それぞれ2つまたは3つの処理可能装置(101a〜104b)が存在するものとする。また、それぞれの処理装置には管理端末と称する制御コンピュータが設置されており、処理条件や検査結果の通知および露光条件要求などは、上位システムであるプロセス工程管理システムで行うものとする。ここで、露光条件は受入検査工程の後で、過去の処理履歴をフィードバックすることにより決定されるものとする。また、本実施の形態では被加工材Aが図1に示すような処理経路で処理が行われた後に、被加工材Bの処理が行われるものとする。
【0020】
図2は、本発明のプロセス条件制御方法を実現するプロセス条件制御システムの構成を示したブロック図である。図2に示すように、本実施の形態で用いるプロセス条件制御システムは、情報受信部201と、受信情報判断部202と、傾向監視部203と、処理条件解析部204と、露光条件計算部205と、情報送信部206で構成される情報処理部と、各種DB(207〜213)で構成される情報蓄積部から構成される。ここで、制御情報とは装置から通知される処理履歴情報、検査結果または露光条件要求のいずれかの情報を示している。
【0021】
以下、本実施の形態のプロセス工程管理システムの処理内容について、前記図1、図2を参照して説明する。
【0022】
図2に示すように、本発明を実現するプロセス条件制御システムは、装置からの制御情報を情報受信部201にて受信することにより動作する。受信された制御情報は、受信情報判断部202に送られ、登録が必要な処理履歴情報もしくは検査結果情報か、露光条件計算要求かを判断される。受信した制御情報が、処理履歴情報の場合は、生産品種、配線層(レイヤ)、レチクル、および処理装置別に処理装置別履歴DB207に登録する。その際、関連レイヤ情報DB210から関連する前配線層(レイヤ)情報を検索し、その前配線層(レイヤ)の処理装置情報も合せて処理装置別履歴DB207に登録する。また、関連装置情報DB209から、傾向の同じ装置をまとめた装置群情報を検索し、それに基づいて処理装置群別履歴DB208の更新も行う。受信した制御情報が、検査結果情報の場合は、歩留り情報DB212を更新し、さらに、傾向監視部203で異常が発見されれば、関連装置情報DB209に保存されている装置群情報の更新も行う。この際の異常検出は、例えば関連装置間のデータの相関係数を統計的に監視することなどで行う。露光・現像工程では、図1に示すように、処理装置102bと処理装置102cが同じ傾向をもつ装置群Bとして管理されているものとする。次に、受信した制御情報が、露光条件計算要求の場合、受信情報判断部202から処理条件解析部204に送られ、そこで歩留り情報DB212と装置状態DB213から過去の歩留り情報と現状の装置状態を加味して、生産品種、配線層(レイヤ)、処理装置、レチクルおよび前配線層(レイヤ)処理装置の組合せ別に歩留り予測値が計算される。この予測値が予め設定した値を下回った場合、たとえば、E−mailや携帯電話を介した通知を行い、以降の処理を中止するといった対応を行う。これにより、無駄になる作業工数を削減でき、装置の稼働率を高めることができる。歩留り予測値が設定値を超えている場合は、露光条件計算部205にて露光条件の計算が行われ、その結果が情報送信部206から装置に送信される。その際、まず関連レイヤ情報DB210から関連する配線層(レイヤ)情報を検索し、そこで得られた配線層(レイヤ)に対して、処理装置別履歴DB207から処理を行う生産品種、レチクルおよび処理装置、前処理装置に紐付けられる履歴データを検索する。処理装置別履歴DB207に履歴データが存在しない場合は、関連装置情報DB209から関連する装置群情報を検索し、処理装置群別履歴DB208から所属する装置群に紐付けられる履歴データを検索する。たとえば、図1に示す工程において、被加工材Bに対する第二層の露光・現像工程の処理を、処理装置102cで行う場合、第二層だけを考えると被加工材Aの処理データをフィードバックデータとして用いることが可能である。しかし、前前配線層(レイヤ)である第一層の処理装置を加味すると、被加工材Bの第一層の処理が処理装置102bで行われていないと、その履歴データを使用することが出来ない。本発明のプロセス条件制御方法では、このような状況に対応するため、処理装置別の履歴情報とは別に、処理装置群別の履歴情報を管理しており、この例では、被加工材Bの第一層の処理が処理装置102cで行われた場合でも、被加工材Aの履歴データを用いることを可能としている。そのため、多品種少量の半導体集積回路の製造工程でも、より詳細なデータ区分を行うことが可能となる。検索した履歴データと、入力装置214を介して予め計算式情報DB211に登録された計算式を用いて、露光条件の計算を行い、その計算結果は、情報送信部206より装置に通知される。装置では、通知された条件をもとに処理を行い、処理の結果を制御情報としてふたたびプロセス条件制御システムに通知する。半導体集積回路の製造工場のような多くの処理装置を有する大規模な工場では、このプロセス条件制御システムは工程ごと、または装置位置ごとに複数設定してもよい。また、前記処理装置群は、露光後のアライメントずれの測定結果と露光処理時に設定した露光条件によって、順次組替えることにより、その時の状況をリアルタイムに反映したものとすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明のプロセス条件制御方法およびそのシステムによれば、多品種少量の半導体集積回路の製造工場において、より詳細なデータ区分を行うことができ、複数の処理可能装置間の装置間差を考慮した露光条件の制御を行うことが可能となる。また、処理条件に応じて予め歩留り予測を行うことにより無駄な作業工数を削減し、装置の稼働率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1で想定した工程を示す工程フロー図である。
【図2】本発明の実施の形態1のプロセス条件制御システムを示すブロック図である。
【図3】従来のプロセス条件制御システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
101 ウェハー表面検査装置
102 露光・現像工程を構成するコーター・ステッパ・デベロッパー
103 重ね合わせ測定機
104 SEM
201 情報受信部
202 受信情報判断部
203 傾向監視部
204 処理条件解析部
205 露光条件計算部
206 情報送信部
207 処理装置別履歴DB
208 処理装置群別履歴DB
209 関連装置情報DB
210 関連レイヤ情報DB
211 計算式情報DB
212 歩留り情報DB
213 装置状態DB
214 入力装置

Claims (6)

  1. 半導体露光工程における露光条件を露光測定結果をフィードバックして決定する露光条件制御方法において、配線層の関連情報を登録する関連レイヤ情報データベースから、処理を行う配線層と関連する配線層情報を検索し、得られた配線層に対して、生産品種、配線層、レチクル、および前配線層の処理装置情報を登録する処理装置別履歴データベースから、生産品種、レチクル、処理装置に加えて、前配線層の処理装置に紐付けられた履歴データを検索し、得られた検索結果により、露光条件を計算することを特徴とする露光条件制御方法。
  2. 前記履歴データは、装置の関連情報を登録する関連装置情報データベースから、処理を行う装置と関連する装置群情報を検索し、前記装置群情報に対して、処理装置の群別履歴を登録する処理装置群別履歴DBから検索される処理を行う装置が属する装置群に紐付けられた履歴データであることを特徴とする請求項1に記載の露光条件制御方法。
  3. 前記装置群は、露光後の測定結果と露光処理時に設定した露光条件によって、順次組替えられることを特徴とする請求項2記載の露光条件制御方法。
  4. 過去の歩留り情報を登録する歩留り情報データベースと、現状の装置状態を登録する装置状態データベースから歩留り予測値が決定され、前記予測値が予め設定した値を下回った場合は、以降の処理を中止し、前記設定値を上回った場合は、露光条件の計算を行うことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の露光条件制御方法。
  5. 半導体露光工程における露光条件を、露光測定結果をフィードバックして決定する露光条件制御システムにおいて、半導体装置から送られる制御情報が、処理履歴情報か、検査結果情報か、露光条件計算要求かを判断する情報処理部と、処理履歴情報を生産品種、配線層、レチクル、および処理装置別情報と、その前配線層の処理情報を合せて登録する処理装置別データベースと、処理装置群別の履歴を登録する処理装置群別履歴データベースと、関連する配線層を登録する関連情報データベースと、関連する装置群情報を登録する関連装置データベースを有する情報蓄積部を備えたことを特徴とする露光条件制御システム。
  6. 情報蓄積部は、過去の歩留り情報を登録する歩留り情報データベースと、現状の装置状態を登録する装置状態データベースを備えたことを特徴とする請求項5に記載の露光条件制御システム。
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