JP2004342932A - ウエーハの洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オリフラ部が形成された複数のウエーハをスロットが複数形成されたバスケットに入れ、薬液が満たされた洗浄槽に浸漬し洗浄する方法において、ウエーハのオリフラ部の位置を上向きから時計回り方向に所定角度α=45度〜315度回転させた状態で揃えて洗浄するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエーハ、例えば半導体ウエーハの洗浄方法に関し、特に複数の工程間で使用されるバスケット(キャリヤーなどとも呼ばれる)にオリフラ(オリエンテーションフラット)付きのウエーハをセットして洗浄する洗浄方法の改良に関する。
【0002】
【関連技術】
シリコンウエーハ等の半導体ウエーハは、一般にチョクラルスキー(Czochralski;CZ)法や浮遊帯域溶融(Floating Zone;FZ)法等を使用して単結晶インゴットを製造する単結晶成長工程と、この単結晶インゴットをスライスし、少なくとも一主面が鏡面状に加工されるウエーハ製造(加工)工程を経たて製造され、この鏡面研磨ウエーハ上にエピタキシャル層を堆積させたり、SOI層を形成したり、直接デバイス等を形成したりする。
【0003】
更に詳しくウエーハ製造(加工)工程について示すと、単結晶インゴットをスライスして薄円板状のウエーハを得るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウエーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、このウエーハを平坦化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウエーハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そのウエーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程と、研磨されたウエーハを洗浄して、これに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程を有している。上記ウエーハ加工工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理工程や平面研削工程等の工程が加わったり、同じ工程を多段で行ったり、工程順が入れ換えられたりする。
【0004】
図10はSOIウエーハの原材料となるウエーハの研磨工程後の処理の一例を示すフローチャートである。図10においては、研磨工程(ステップ200)で研磨したウエーハは研磨装置のプレートから剥がされてバスケットに収納され(ステップ202)、そのままバスケットに保管、即ち洗浄前ストックを行う(ステップ204)。続いて1次洗浄を行い(ステップ206)、次に平坦度測定装置等で厚さ等を検査し(ステップ208)、2次洗浄(ステップ210)、最終検査(ステップ212)の順でウエーハを処理している例が示されている。この時、研磨工程後のウエーハの保管には、例えば、図9に示すようなバスケット10が用いられる。図9において、バスケット10は相対向する一対の側壁12,12を有し、該側壁12,12の内面にはウエーハを収納保持するための多数のスロット14,14が設けられている。16a,16bは上記側壁12,12を連結する連結部材であり、18は上部開口部である。
【0005】
図10の工程で用いられる研磨装置は、特別の限定はないが、例えば図11に示すような従来構造のものが用いられる。図11はバッチ式の研磨装置の一例を示すもので、研磨装置Aは回転軸37により所定の回転速度で回転せしめられる研磨定盤30を有している。該研磨定盤30の上面には研磨布Pが貼設されている。
【0006】
33はウエーハ保持盤で上部荷重35を介して回転シャフト38によって回転せしめられる。複数枚のウエーハWは接着の手段によってウエーハ保持盤33の下面に保持された状態で上記研磨布Pの表面に押し付けられ、同時に研磨剤供給装置(図示せず)より研磨剤供給管34を通して所定の流量で研磨剤溶液(スラリー)39を研磨布P上に供給し、この研磨剤溶液39を介してウエーハWの被研磨面が研磨布P表面と摺擦されてウエーハWの研磨が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように研磨工程で研磨したウエーハを、洗浄工程において研磨する際、ウエーハの表面に接触痕のようなキズ(コスレ)が発生することがあり問題となることがあった。特に規格(仕様)を超えるような大きなキズが発生することもあった。また、このキズ(コスレ)の発生の仕方(発生位置や発生頻度)も不規則であり問題であった。
【0008】
本発明は、上述したような洗浄工程において従来発生していたキズの発生を防止することを目的としてなされたものであって、上述したキズの発生を効果的に抑制できるウエーハの洗浄方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意調査したところ、洗浄中または洗浄槽から洗浄槽への移動中にウエーハの一部、特にオリフラ部が隣接するウエーハに接触し、その部分にキズが発生することが分かった。
【0010】
特に近年ではSOIウエーハの製造用等にウエーハの直径は同じでも従来より薄いウエーハを処理することがあり、これらの薄いウエーハも従来と同じバスケットを使用し処理されていた為、バスケットのスロット内で余分なスペースがあくため、ウエーハが傾き隣のウエーハと接触しやすくなっていることが考えられる。
【0011】
そこで、本発明のウエーハの洗浄方法は、オリフラ部が形成された複数のウエーハをスロットが複数形成されたバスケットに入れ、薬液が満たされた洗浄槽に浸漬し洗浄する方法において、ウエーハのオリフラ部の位置を上向きから時計回り方向に所定角度α=45度〜315度回転させた状態で揃えて洗浄することを特徴とする。上記所定角度αが45度未満又は315度を越え360度未満であると、洗浄処理中におけるウエーハ同士の接触によるキズの発生を有効に防止することができない。
【0012】
特に規格(仕様)を超えるような大きなキズは、オリフラ部が隣接するウエーハの面内に接触することで発生しやすいことが分かった。そこでオリフラ部を揃えることで、オリフラ部が隣接するウエーハと接触しづらいように設定した。しかし、単にオリフラ部を揃えただけでは、依然としてキズの発生が生じた。特にオリフラ部を上向きに揃えて保持した場合、やはり隣接するウエーハと接触して大きなキズが発生することがあった。これはウエーハが洗浄中に若干動いてしまうことにより生じると考えられる。つまり、洗浄中にオリフラ部のズレが生じ、その時にオリフラ部がバスケットの開口径が大きい上側にあると隣のウエーハと接触しやすいためキズが生じることがわかった。また、オリフラ部が上部以外になるようにして、下向き、横向き等ランダムに保持した場合もウエーハの保持高さが区々となりウエーハ内部(外周2mm〜3mm程度の位置)にキズが発生することがわかった。
【0013】
一方、オリフラ部の位置を下向き又は横向きの一定方向に揃えて洗浄した場合、オリフラ部以外の部分が隣接するウエーハに接触することがあったが、この接触は点接触に近く規格を超えるようなキズは観察されずらいことがわかった。特にオリフラ部の位置が揃っていることからウエーハの高さがほぼ同じでありオリフラ部以外でウエーハが接触したとしてもウエーハの最外周部に近いところで接触することが多い。通常ウエーハの最外周部分には品質を保証する必要のない除外領域(エッジエクスクルージョンなどと言われる)がある。SOIウエーハなどでは外周1mm程度にキズが発生したとしても品質上は問題なく処理される。
【0014】
キズの発生が完全に防止できるに越したことはないが、キズが発生したとしても微小なキズで品質保証エリア外に生じるように処理することが重要である。本発明のウエーハの洗浄方法によれば、このようにキズが発生しても不都合とならないような態様でウエーハの洗浄を好適に実施できる。
【0015】
特に、バスケットが洗浄工程以外でも用いられ、洗浄工程でスロット幅が変えられない場合、例えば、複数のスロットが形成されたバスケットが、ウエーハ研磨後のウエーハ回収用ボックス(研磨工程)、洗浄用のキャリヤーボックス(洗浄工程)、測定装置のサンプルセット用ボックス(検査工程)など、複数の工程で併用して使用される容器を用いて、ウエーハを洗浄するときに有効である。
【0016】
上記のようにウエーハ研磨後のウエーハ回収用ボックス(研磨工程)や洗浄用のキャリヤーボックス(洗浄工程)及び測定装置のサンプルセット用ボックス(検査工程)と複数の工程で併用して用いられるバスケットでは、スロット幅などもある程度決まってしまう。例えば、検査工程で用いられる装置ではウエーハを出し入れするために搬送機がバスケットのスロット間に移動し処理するが、ある程度の間隔が必要であり、あまり狭いスロット幅のバスケットは使用することができない。つまり、測定装置の搬送装置にあったピッチに設定する必要があり、このピッチに合わないバスケットを用いた場合、不具合が生じることもある。工程内ではいろいろなバスケットが混在する為、同じ口径のウエーハを保持する為にスロット幅の違うバスケットがあると管理が非常に難しくなってしまう。従って、なるべくスロット幅は同じ形態のバスケットを用いることが重要である。
【0017】
また、このようなバスケットは、バスケットの上部が直径以上に開口して、容器の側面(なお、本発明で容器の側面とはウエーハ外周部を保持している側の面をいう)及び側面に近い下面に形成されたスロットでウエーハを支持する形態であるため、開口部の広いバスケット上部では、ウエーハが傾いたことにより隣接するウエーハと接触しやすい。上記したように隣接するウエーハに大きなキズを付けるのは主にオリフラ部であるので、この位置にオリフラ部が存在するのは好ましくない。
【0018】
従って、ウエーハのオリフラ部の位置を開口部の広い上向き以外の位置に揃えて設定する。即ち、ウエーハのオリフラ部の位置を上向きから時計回り方向に45度〜315度回転させた状態に揃えて洗浄する。このような範囲であれば洗浄中にウエーハが多少ズレたとしても(回転したとしても)、オリフラ部が開口部(上向き)になることがなく好適である。またこのような位置でオリフラ部をあらかじめ揃えて洗浄を行えば、洗浄中に隣接するウエーハと接触すること、特にキズが発生するような接触の仕方をすることが防止できる。特にオリフラ部の位置を下向き又は横向きに揃えて洗浄を行うのが好適である。バスケットの下部は一般的にウエーハを保持する為に開口径が小さくなっており、隣接するウエーハとオリフラ部が接触することがない。またオリフラ部の位置を横向きにしてもオリフラ部がスロット内に入った状態で保持されるので隣接するウエーハと接触することがないためである。もちろんこれらの中間位置に揃えても良い。開口部の広い位置にオリフラ部がこないように設定し、オリフラ部の位置もすべてのウエーハで同じ方向に揃えて保持する。
【0019】
オリフラ部の位置合わせは洗浄前に行われる。例えば、図10の工程では研磨後の1次洗浄(ステップ106)の前及び検査後の2次洗浄(ステップ110)の前に実施される。研磨後に行う場合は、オリフラ部の位置合わせは、ウエーハをバスケットに入ったままの状態で行われることが好ましく、また水中で実施されること(水中オリフラ部揃え機を用いてオリフラ部合わせを行うこと)が好ましい。検査後は、検査装置に付属する位置合わせ機で位置合わせを行った後、ロボットアームでオリフラ部の位置が同じ向き(上向き以外の位置で揃った状態)になるようにバスケットにウエーハを戻すことで行うことができる。水中オリフラ部揃え機は、洗浄機のはじめの槽内に設定しても、洗浄機とは別に独立した水中オリフラ部揃え機を設定しても良い。
【0020】
また、下記式(1)を満たす薄いウエーハを保持して洗浄するときに本発明のウエーハの洗浄方法を適応することが好ましい。
【0021】
【数2】
【0022】
(式(1)において、tはウエーハの厚さ、dはバスケットのスロット幅である。)
【0023】
スロット幅とは図9に示したようにウエーハを保持するスロット14の先端から、次のスロット14の先端までの距離、またはウエーハを保持するスロット部の最深部のセンターから、次のスロット部の最深部のセンターまでの距離として表すことができる。スロット幅dとウエーハの厚さtの差が大きいほど(ウエーハ厚さが薄いほど)、隣接するウエーハと接触する可能性が大きくなる為、キズの発生も多くなる可能性がある。スロット14の形状(最深部の幅、先端から最深部までの傾斜等)により、若干異なるものの、スロット幅dに比べ、ウエーハ厚さtが13%以下に薄い場合に特に本発明方法を実施すると好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0025】
図1は本発明のウエーハの洗浄方法の一つの実施の形態を示すフローチャートである。図1は従来の洗浄工程を示す図10の工程を例に洗浄前にオリフラ部の位置合わせを行う工程を付加したものである。
【0026】
図1において、研磨工程(ステップ100)で研磨装置を用いて研磨されたウエーハは、研磨装置のウエーハ保持盤から剥がされてバスケットに収納される(ステップ102)。バスケットが満タンになったら水中オリフラ部揃え機でウエーハのオリフラ部の位置を所定角度α回転させた状態、例えば上向き(開口部)から時計回り方向に45度〜315度回転させた状態で揃え(ステップ104)、そのままバスケットに保管、即ち洗浄前ストックを行う(ステップ106)。続いて、1次洗浄を行い(ステップ108)、次に平坦度測定装置等で厚さ等を検査し、検査が終了したらオリフラ部の位置を所定角度α回転させた状態、例えば上向き(開口部)から時計回り方向に45度〜315度回転させた状態で揃えバスケットに収納する(ステップ110)。その後、2次洗浄(ステップ112)及び最終検査(ステップ114)を行う。
【0027】
本発明方法で用いられる研磨装置は、特別の限定はないが、既に説明した図11に示したような従来公知の研磨装置を用いることができる。
【0028】
本発明方法で用いられる容器(バスケット)についてその一例を説明する。このバスケットとしては、例えば、図9に示したような従来の形態のバスケット10を用いることができ、上部の開口部18からウエーハを挿入し、バスケット側壁12,12の内面に形成されたスロット14,14でウエーハを保持して処理するものである。このバスケット10は、図1のフローチャートで示すように研磨工程後に、ウエーハのウエーハ回収用ボックス(保管用ボックス)として用いられ、洗浄工程ではキャリヤーボックスとして使用され、さらに検査工程において測定装置のサンプルセット用ボックス等として使用され、このように複数の工程で共通して用いられる。
【0029】
さらに図9を用いてこのバスケット10について詳細に説明すると、複数のスロット14,14が側壁12,12の内面に形成され、ウエーハが複数同時に収納処理できるようになっている。一般的には25枚のウエーハが収納できるようにスロット14,14が形成されている。スロットの幅dは、4〜5mm程度である。この幅は、一般的なウエーハの厚さ及び搬送機の精度等により設定された幅である。このバスケットの材質は特に限定するものではないが、例えば、ポリプロピレンやPFA(パーフロロアルキルビニルエーテル樹脂)などで形成されている。
【0030】
次に研磨後のウエーハを洗浄する例を説明する(図1の1次洗浄、ステップ108)。研磨が終了したウエーハを取り出しバスケットに収納し、バスケットが満タンになったら水中オリフラ部揃え機でオリフラ部の向きを揃える。この時、オリフラ部の向きをオリフラ部が上向きの状態を基準として時計回り方向に所定角度αだけウエーハを回転させた状態として揃える必要がある。即ち、開口部の広いオリフラ部が上向き(図2(a)、α=0度)以外の位置、例えば図2に示すようにバスケット10中のウエーハWのオリフラ部OFが右横方向(図2(b)、α=90度)のような状態を本発明ではオリフラ部が右横向きと言う)、下方向(図2(c)、α=180度)のような状態を本発明ではオリフラ部が下向きと言う)又は左横方向(図2(d)、α=270度)のような状態を本発明ではオリフラ部が左横向きと言う)となるような向きにオリフラ部OFを揃える。
【0031】
このようなオリフラ部OFの向きを揃える作業は洗浄前のストック槽で行えば良い。研磨後はウエーハが乾燥することは好ましくないので、ウエーハの回収やオリフラ部の位置合わせは、なるべく水中で処理されることが好ましい。洗浄前のストック槽は洗浄装置の稼動状況によりウエーハを一時的に保管する場所であり、洗浄効果の少ない薬液(純水)の入った槽である。この洗浄工程前のストック槽中に水中オリフラ部揃え機を配置し、オリフラ部を一定の方向に揃える。
【0032】
水中オリフラ部揃え機は、特に限定するものではないが、図3(a)(b)に示すような構成のものが用いられる。図3(a)(b)において、水中オリフラ部揃え機50を構成する基台52の四辺には、アクチュエータ53を介して設けられたクランプ部材54,55,56,57がそれぞれ設けられている。クランプ部材54,56は同一構成であって、その上面には段部54a,56aが設けられている。その他のクランプ部材55,57も同一構成であり、全体として略U字形の形状を呈している。
【0033】
そして前記アクチュエータ53の作動によってこれら各クランプ部材54,55,56,57は、それぞれ前記基台52の各辺に対して接離自在に構成されている。また前記基台52の上面中央には、モータ58、タイミングベルト59によって回転自在なローラ60が、上下動装置61上に設けられており、これらによってウエーハWのオリフラ部合わせを行う。
【0034】
そして、前記基台52自体は、昇降機構62によって上下方向(Z方向)に移動自在である。
【0035】
上述した構成により、水槽内に配置されたローラ60を用い図3(b)に示したようにウエーハを回転させてオリフラ部OFの位置を揃えるものである。特にこの水中オリフラ部揃え機50では下向きに揃える方が機構的に簡便に実施できる。
【0036】
次に洗浄装置について説明する。図8は洗浄装置の構成の一例を示す模式的説明図である。図8において、洗浄装置20には、第1の薬液処理槽21、第1のリンス槽22、第2の薬液処理槽23、第3、第4のリンス槽24,25などの複数の槽の処理部が存在し、作業者によるハンドリングや、搬送ロボットにより、バスケットを搬送し洗浄する。図8において、バスケット10はハンドル26を介して第1の薬液処理槽21に位置する場合が示されている。なお、用いる薬液や洗浄槽の数等は特に限定するものではなく、要求される品質に応じ適宜設定すれば良い。
【0037】
ウエーハの洗浄は、ウエーハの入ったバスケットを、洗浄液(又はリンス液)が満たされた処理槽内に上方から挿入し浸漬することで行う。この時、超音波や容器の揺動、薬液を順次供給する方式(オーバーフロー方式)などを付加しても良い。所定の処理時間が経過した時点でバスケットを槽内から上方に取り出される。このようにして複数の洗浄槽で処理され洗浄が行われる。
【0038】
次に検査工程後の洗浄(図1の2次洗浄、ステップ112)について説明する。上記のように(1次)洗浄されたウエーハは、バスケットに入れたまま平坦度等のウエーハ品質が検査される。このような検査に用いられる装置には通常、ハンドリング用のロボット(バスケットからウエーハを取り出し、測定装置の任意の位置(ステージ)にウエーハを搬送する搬送装置)と測定位置を正確に設定する為の位置合わせ機構を有している。このような検査装置で検査された後、ウエーハをバスケットに戻す際、オリフラ部が開口部の広い位置(上部)にこないように位置合わせ機構やハンドリング用のロボットを調整又は上記測定装置の任意の位置(ステージ)でウエーハを回転させるなどしてオリフラ部の位置を調整する。この時上記と同様にオリフラ部の位置を下向き(α=180度)又は横向き(α=90度又は270度)、又はその中間位置(α=135度又は225度)など上向き(開口部)から時計回り方向に45度〜315度回転させた状態に設定する。
【0039】
次に洗浄装置は、上記1次洗浄と同様なものを用いれば良く複数処理部が存在し、作業者によるハンドリングや、搬送ロボットにより、上記バスケットのままウエーハを搬送し洗浄する。使用する薬液等は特に限定されない。
【0040】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0041】
(実施例1)
本実施例では、ウエーハの片面をワックスでプレートに接着し研磨する方式で研磨したウエーハの洗浄方法を例に説明する。ウエーハ直径150mmのシリコンウエーハを用いた。
【0042】
研磨が終了したウエーハをプレートから剥がして、図9に示したPFA製のバスケットに収納した。バスケットには25枚ずつ収納した。研磨後のシリコンウエーハのウエーハ厚さtは300μmである。また上記バスケットのスロット幅dは4.76mmである。なお、このスロット幅dは一般的なウエーハ厚さ(直径150mmのシリコンウエーハでは厚さが625μm〜675μm程度)などを基準に設定された幅である。従って、この実施例では一般的なウエーハ厚さより薄いウエーハを処理している。つまり、スロット幅d/ウエーハ厚さtの比は約6%(300/4760×100=6.3%)と薄いウエーハを保持して洗浄した例である。
【0043】
この収納は、純水の入ったストック槽内で実施した。またこのストック槽には図3(a)(b)で示したような水中オリフラ部揃え機が設置してあり、バスケット中のウエーハのオリフラ部がすべて、下向き(図2(c)のような状態)となるように向きの調整を行った。
【0044】
この状態でバスケットに収納されたまま、図8に示すような複数の洗浄槽を有する洗浄装置で洗浄を行った。バスケットには、搬送用のハンドルを設置し、作業者による手作業で搬送した。洗浄槽に浸漬し一定時間保持して洗浄した。所定の処理時間(例えば、3分)が経過した時点で洗浄槽からバスケットのまま取り上げ、順じ各槽で処理した。オリフラ位置は洗浄処理を繰り返すことによって若干(設定した位置より数度程度)のズレは生じるものの、ほぼ下向きに揃って洗浄することができた。
【0045】
このような処理をした後、ウエーハ表面のキズを確認した。ウエーハのキズは集光灯下で目視で確認した。キズのような輝点は観察されなかった。キズの発生率(洗浄処理したウエーハの総数に対するキズがあったウエーハの数)は0%であった。
【0046】
(実施例2)
次に検査工程後の洗浄を例に説明する。例えば、実施例1のように洗浄されたウエーハは、バスケットに入れたまま平坦度等のウエーハ品質が検査されることがある。本例ではこのような検査を行った後のウエーハの洗浄を例に説明する。
【0047】
検査装置は、平坦度測定用の測定装置を用いた。この装置には、ウエーハの入ったバスケットをセットするローダと、バスケットからウエーハを取り出すハンドリング用のロボットと、ウエーハの位置決めを行うステージと、測定装置本体と、測定後のウエーハを回収するバスケットが設置されたアンローダ部からなる装置を使用した。
【0048】
ウエーハの入ったバスケットからウエーハを取り出し、ウエーハの位置決めを行ったのち、平坦度を測定し、測定後のウエーハをアンローダ部に設置されたバスケットに回収した。
【0049】
本発明では、このような検査装置で検査された後、ウエーハをバスケットに戻す際、オリフラ部が開口部の広い位置(上部)にこないように位置決めを行うステージでウエーハを回転させ搬送した。この例ではオリフラ部の位置を右斜め下向き(右横向きと下向きの中間位置:オリフラ部の位置を上向きから右方向(時計回り方向)に135度回転させた位置)に設定した。
【0050】
この状態でバスケットに収納されたまま、図8に示すような複数の洗浄槽を有する洗浄装置で洗浄を行った。実施例1と同様、作業者による手作業で搬送した。洗浄槽に浸漬し一定時間保持して洗浄した。所定の処理時間(例えば3分)が経過した時点で洗浄槽からバスケットのまま取り上げ、順次各槽で処理した。
【0051】
このような処理をした後、ウエーハ表面のキズを確認した。ウエーハのキズは集光灯下で目視で確認した。キズのような輝点は観察されなかった。キズの発生率(洗浄処理したウエーハの総数に対するキズがあったウエーハの数)は0%であった。
【0052】
(比較例1)
特にオリフラ部の位置を合わせることなく実施例1と同じ条件で洗浄を行った。この時、ウエーハのオリフラ部は、上向きのもの下向きのもの横向きのものなど様々である(オリフラ部の位置が不揃いになっている)。特に上向き方向にオリフラ部が多い状態で洗浄した。
【0053】
その結果、図4に模式的に示すようにオリフラ部の位置(及び形状)に一致した部分で接触しキズK1が生じていることが分かった。オリフラ部が接触する為、大きい(長い)キズK1となってしまうことが分かる。なお、本例ではキズの発生率は50%程度あった。
【0054】
(比較例2)
ほとんどのウエーハのオリフラ部は上向き以外の向きになっているが、その位置が揃えられていない状態で実施例1と同様に洗浄した。この時、オリフラ部の位置が不揃いなため、図5に示すようにバスケット10内でウエーハWの高さが異なっていることがわかる。この状態で洗浄を行い、ウエーハ表面を観察すると、図6に模式的に示すようなウエーハ外周部2〜3mmの位置にキズK2が発生していた。このキズK2の一部をAFMで観察すると図7に示すような凹形状であった。このキズK2の発生状況を確認すると隣接するウエーハと接触することで発生していた。このケースではオリフラ部以外のウエーハ外周部が接触したことによりキズK2が発生したと考えられる。本例ではキズの発生率は10%程度であった。
【0055】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。例えば、洗浄条件等は特に限定されるものではない。また実施例2(検査後の洗浄)では、検査装置に付随する位置合わせ機構により、バスケット移載時のウエーハの位置(オリフラ位置)を設定したが、実施例1(研磨後の洗浄)の例と同様に、水中オリフラ揃え機を用いても良い。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の洗浄方法は、洗浄槽に挿入されるウエーハを、該ウエーハのオリフラ部が所定角度だけ回転した状態、例えば横向き又は下向きとなるように揃えて洗浄するため、従来方法ではウエーハの面内に不規則に発生していたキズの発生が防止でき、良好なウエーハが製造できるという大きな効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエーハの洗浄方法の工程順の一例を示すフローチャートである。
【図2】バスケットに収納されたウエーハの状態を示す説明図で、(a)はオリフラ部が上向きの状態、(b)はオリフラ部が右横向きの状態、(c)はオリフラ部が下向きの状態及び(d)はオリフラ部が左横向きの状態をそれぞれ示す。
【図3】ウエーハ揃え機の一例を示す図面で、(a)は斜視説明図、(b)は断面的説明図である。
【図4】比較例1における洗浄後のウエーハのキズの発生状態を示す説明図で、(a)は隣接するウエーハとの接触によってキズが発生する状態を示し、(b)は発生したキズを示す。
【図5】比較例2におけるバスケットに収納されたウエーハの不揃いの状態を示す。
【図6】比較例2における洗浄後のウエーハのキズの発生状態を示す説明図である。
【図7】比較例2における洗浄後のウエーハのキズの発生部分をAFMで観察した結果を示す図面である。
【図8】洗浄装置の構成の一例を示す模式的説明図である。
【図9】バスケットの一例を示す図面で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図10】従来のウエーハの洗浄方法の一例を示すフローチャートである。
【図11】研磨装置の一例を示す側面的説明図である。
【符号の説明】
10:バスケット、12:側壁、14:スロット、18:開口部、20:洗浄装置、21:第1の薬液処理槽、22:第1のリンス槽、23:第2の薬液処理槽、24:第3のリンス槽、25:第4のリンス槽、26:ハンドル、30:研磨定盤、33:ウエーハ保持盤、34:研磨剤供給管、35:上部荷重、37:回転軸、38:回転シャフト、39:研磨剤溶液、50:水中オリフラ部揃え機、52:基台、53:アクチュエータ、54,55,56,57:クランプ部材、54a,56a:段部、58:モータ、59:タイミングベルト、60:ローラ、61:上下動装置、62:昇降機構、63:移動ベース、A:研磨装置、d:スロット幅、K1,K2:キズ、OF:オリフラ部、P:研磨布、W:ウエーハ。
Claims (4)
- オリフラ部が形成された複数のウエーハをスロットが複数形成されたバスケットに入れ、薬液が満たされた洗浄槽に浸漬し洗浄する方法において、ウエーハのオリフラ部の位置を上向きから時計回り方向に所定角度α=45度〜315度回転させた状態で揃えて洗浄することを特徴とするウエーハの洗浄方法。
- 前記バスケットは、複数の工程で共通して使用されることを特徴とする請求項1記載のウエーハの洗浄方法。
- 前記ウエーハのオリフラ部の位置を水中で調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のウエーハの洗浄方法。
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