JP2004342441A - 電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブと各用途 - Google Patents

電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブと各用途 Download PDF

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Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Masahito Kobayashi
将人 小林
Kenji Tsuchiya
賢治 土屋
Noboru Baba
馬場  昇
Takashi Sato
隆 佐藤
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Abstract

【課題】本発明の目的は、製造容易で、環境に対する影響が小さく、裁断電流値の小さい低サージ型の電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブと真空遮断器を提供することにある。
【解決手段】本発明は、高導電性金属と、金属窒化物からなる耐火性成分とを有する電気接点にある。高導電性金属として、Ag又はCuあるいはそれらを主とした合金、金属窒化物は、Mg、AlN、TiN、ZrN、CrN、CrN、NbN、BN及びSiの1種または2種以上の混合物を用いることができ、良好な通電性能を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブと真空遮断器並びに路肩設置変圧器用負荷開閉器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−171746号公報
真空遮断器に設置される真空バルブ内の電極に求められる要件の一つに、裁断電流値が小さいことが挙げられる。これは、真空バルブを誘導性回路に用いて電流を遮断すると、異常サージ電圧が発生して負荷機器の絶縁破壊などを引き起こす恐れがあるためで、異常サージ電圧を抑制するために裁断電流値を小さくする必要がある。
【0003】
裁断電流値の小さい低サージ型の電極としては、例えばCo−Ag−Se系電極やCo−Ag−Te系電極などが挙げられる(特許文献1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のこれらの低サージ型電極は、有毒な低融点金属であるSeやTeを用いていることから、環境に対する影響が危惧されると共に、製造もやや困難である。したがって、環境にやさしく、製造容易な真空遮断器用低サージ型電極の開発が望まれる。
【0005】
本発明の目的は、製造容易で、環境に対する影響が小さく、裁断電流値の小さい低サージ型の電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブと真空遮断器並びに路肩設置変圧器用負荷開閉器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高導電性金属と、金属窒化物からなる耐火性成分とを有する電気接点にある。本発明は、耐火性成分として金属窒化物が電流遮断時のアーク熱によるその分解に伴う窒素ガスにより裁断電流値を小さくすることができることを見出しなされたものである。又、高導電性金属として、Ag又はCuあるいはそれらを主とした合金を用いることができ、良好な通電性能を確保することができる。さらに、本発明は、活性金属を含むことができ、この活性金属によって金属窒化物の分解に伴うガス性の窒素を再び結合して真空バルブ内の真空を維持すると共に遮断後の耐電圧性能を確保できるものである。特に金属窒化物の基となる金属と同一成分の活性金属を含み、複数の金属窒化物に対して複数の同一金属を含むのが好ましい。これにより、電流遮断時に窒化物が分解して発生する窒素を確実に吸着して、遮断後の耐電圧性能を確保することができる。
【0007】
耐火性成分は、5〜25重量%が好ましい。耐火性成分が5重量%に満たないと耐電圧性能や耐溶着性能が不足し、25重量%を超えると導電率が低下するとともに含有窒素量が多すぎて遮断性能が低下する。
【0008】
耐火性成分をなす金属窒化物は、Mg、AlN、TiN、ZrN、CrN、CrN、NbN、BN及びSiの1種または2種以上の混合物であることが望ましく、よりAlN、TiN、ZrN、CrN、NbN及びBNが前述の特性の点から望ましい。これらの金属窒化物を用いることで、製造容易で環境にやさしい低サージ型電極を得ることができる。
【0009】
活性金属は、金属窒化物の分解に伴うガス性の窒素を結合する窒素ガスとの親和性の高い金属が好ましく、特に金属窒化物の基となる金属と同一の金属であることが望ましい。金属窒化物がTiNの場合は活性金属はTi、窒化物がMgの場合は活性金属はMg、窒化物がAlNの場合は活性金属はAlとする組み合わせが好ましい。一方、活性金属が金属窒化物を構成する金属と異なると、電流遮断を繰り返す際に、窒化物の分解による裁断電流値を低下させる効果と、遮断後の窒素吸着による耐電圧性能確保の効果とのバランスがやや悪く、所望の性能が得られにくい。活性金属は、耐火性成分100重量部に対して2〜50重量部が好ましい。耐火性成分100重量部に対して、活性金属が2重量部より少ないと、電流遮断時に窒化物の分解により発生する窒素を確実に吸着することが困難となり、遮断後の耐電圧性能が低下する。活性金属が50重量部以上になると、窒化物の分解による裁断電流値を小さくする効果が低下するとともに、製造過程での加熱において、活性金属と高導電性金属のマトリックスとの間で反応や拡散固溶が生じ、化合物を生成したり、導電性、融点を低下させたりするなど、不具合を生じる恐れがある。
【0010】
本発明の電気接点は、高導電性金属粉末と、耐火性成分からなる粉末とを有し、又、これに活性金属粉末を加えた混合粉末を、加圧成形した後、高導電性金属の融点以下で加熱焼結するものである。なお、真空バルブ用電極の電気接点には、円盤状で、その円中心に中心孔と、発生したアークを移動させるための曲線形状を持つスパイラル型のスリット溝とが設けられ、羽根型に分離された形状を有するのが好ましい。このスリット溝は、スリット溝を形成して羽根型を形作ることのできる金型に、電気接点を構成する原料粉末を充填して加圧成形することで、簡単に短時間で得ることができる。中心孔は電流遮断時に発生するアークを電極としての中心に発生させないようにするために設けられるものである。また、加圧成形により得られた羽根型の成形体を、構成成分である高導電性金属の融点以下の温度で焼結することにより、前述のスリット溝を持つ羽根型の形状を保ったままで電気接点を得ることができる。これにより、焼結後の機械加工による溝切りが不要となり、加工時間が大幅に短縮できる。
【0011】
耐火性成分からなる粉末及び活性金属からなる粉末の粒径は20μm以下が好ましく、より耐火性成分からなる粉末を3〜15μm及び活性金属からなる粉末を耐火性成分からなる粉末より小さい0.5〜5μmとすることが好ましい。又、高導電性金属からなる粉末の粒径は60μm以下が好ましく、大部分が耐火性成分からなる粉末より大きいものが好ましい。このような粒径の原料粉末を用いることで、電気接点表面が均一な微細組織となり、ばらつきの少ない安定した遮断性能、耐電圧、耐溶着性および低サージ性能が得られるとともに、成形体の収縮率が大きくなり、緻密で健全な電気接点が得られる。原料粉末の流動性が悪く、型充填が困難な場合には、適当なバインダーを添加し、スプレードライ法などにより造粒して顆粒状にしてもよい。
【0012】
加圧成形時の圧力は、120〜500MPaとし、相対密度を65〜75%とすることが好ましい。成形圧力がこれより小さいと成形密度が小さくなり成形体が崩れやすく、これより大きいと成形体と金型が凝着しやすくなり、金型寿命が低下するとともに、生産性が低下する。
【0013】
加熱焼結は、10−2Pa以下の高真空中で、高導電性金属の融点より20〜40℃低い温度での加熱、焼結後の相対密度が92%以上になるように加圧成形における圧力及び焼結における加熱時間を調整することにより行うのが好ましい。
【0014】
本発明の真空バルブ用電極は、円盤状電気接点と、該電気接点のアーク発生面の反対面に一体に接合された補強部材と、該補強部材に接合された電極棒とを有し、前記電気接点が前述に記載の電気接点よりなることを特徴とする。
【0015】
前記円盤状電気接点と補強部材とは、アーク発生面の中心に中心孔を有し、前記電極棒が前記中心孔に挿入され前記補強部材に接合され、前記電極棒のアーク発生側の面が前記アーク発生面より低く形成されていること、前記電極棒は、前記補強部材に接合される部分の直径が外部に接続される部分の直径より細い細径部を有することが好ましい。
【0016】
本発明に係る真空バルブは、真空容器内に一対の固定側電極及び可動側電極とを備え、固定側電極及び可動側電極の少なくとも一方に、前述の本発明の電極を用いたものである。
【0017】
又、本発明に係る真空遮断器は、前述の真空バルブと、真空バルブ内の固定側電極及び可動側電極の各々に真空バルブ外に接続された導体端子と、可動側電極を駆動する開閉手段とを備えたものである。
【0018】
本発明は、外側真空容器と、該真空容器内に設けられた固定側電極及び可動側電極を備えた複数の真空バルブと、該複数の真空バルブ同士を電気的に接続するフレキシブル導体と、前記固定側電極を前記外側真空容器に絶縁して固定する絶縁筒と、前記可動側電極を前記外側真空容器に可動可能に固定するベロースとを備えたことを特徴とする路肩設置変圧器用負荷開閉器にあり、前記真空バルブが前述した真空バルブによって構成するのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は、本実施例で作製した電極の構造を示す平面図及び断面図である。(a)が電極の電気接点側の平面図、(b)がそのA−A切断断面図である。高導電性金属がCu、耐火性成分がTiN、活性金属がTiからなる電気接点を有する電極を作製した。図1に示すように、電極は、平板の円盤状の電気接点1、アークの発生を防止する中心孔50、アークに駆動力を与えて停滞させないようにするための電気接点1を貫通したスパイラル溝2、補強板3、電極棒4、ろう材5を有する。電気接点1は、対向する互いの接触面を円の外周側が中心部よりも薄肉とした傾斜した形状とすること、スパイラル溝2が無いものとすることができる。
【0020】
電気接点1の作製方法は次の通りである。用いた原料粉末の平均粒径は、耐火性成分のTiNが約10μm、活性金属のTi、Si及びCrが約2μm、高導電性金属のCuが60μm以下である。組成は、TiNを2〜35重量%、Tiを0.04〜3.25重量%の範囲で段階的に変え、残部をCuとし、13種の電気接点を作製した。又、一般的な真空バルブ用電極材である40重量%Cr−Cu及び従来の低サージ型電極材の一つであるCo−43重量%(Ag−10重量%Te)の電気接点を作製した。
【0021】
本発明に係る電気接点は、まず、TiN、Ti及びCuの各粉末を、所望の組成となるように混合した。次にこの混合粉末を、スパイラル溝2及び中心孔50を形成でき、所望の電気接点形状を形作ることのできる金型に充填し、油圧プレスにより250MPaの圧力で加圧成形した。成形体の相対密度はいずれも約70%であった。これを6.7×10−3Pa以下の真空中で1050℃×2時間加熱する焼結を行い、平板の円盤状の電気接点1を作製した。得られた電気接点1の相対密度は、いずれも92〜97%であった。又、一般的な真空バルブ用電極材である40重量%Cr−Cu及び従来の低サージ型電極材は各元素の金属粉末の混合粉末を用いて同様に製作した。尚、スパイラル溝2は3本又は4本有し、いずれも中心孔50には接せず、外周部に突き抜けた貫通溝であり、対称に形成されている。
【0022】
電極の作製方法は次の通りである。電極棒4に無酸素銅及び補強板3にオーステナイトステンレス鋼のSUS304を用い、あらかじめ機械加工により作製しておき、前述の電気接点1に形成した中心孔50及び補強板3に設けられ中心孔50の径より大きい径の中心孔内に電極棒4の凸部を挿入し、BAg−8のろう材5を介して嵌め合わせ、また図1に示すように電気接点1と補強板3との間、補強板3と電極棒4との間にろう材5を載置し、これを8.2×10−4Pa以下の真空中で980℃×8分間加熱の一回のろう付けによって図1に示す真空バルブ用電極を作製した。この電極は定格電圧7.2kV、定格電流600A、定格遮断電流20kA用の真空バルブに用いられる電極である。なお、電気接点1の強度が十分であれば、補強板3を省くことができる。又、図1に示すように、電極棒4は、補強板3との接合部近傍の径は外部端子に接続される部分の径より小さい細径部を有している。アーク発生面の角部は平坦になっているが、円弧にするのが良い。
【0023】
電気接点1の耐火性成分として、TiNと同様に、Mg、AlN、ZrN、CrN、CrN、NbN、BN及びSiでの少なくとも1種の金属窒化物を用いることができ、そのときの活性金属はそれぞれの窒化物を構成する金属を用いるのが好ましく、その場合にも、前述と同様に電極を作製することができる。また、電気接点1の高導電性金属がAgの場合にも、同様に電極を作製することができる。
【0024】
本実施例においては、真空バルブ用電極は仮の真空バルブに組み込んでアークを発生させるコンデショニング処理を行い、互いに接触する面を平滑にすることにより焼結されたままで使用できるものである。
【0025】
(実施例2)
図2は、本実施例に係わる真空バルブの構造を示す断面図である。図2に示すように、それぞれ固定側電気接点1a、可動側電気接点1b、同様に補強板3a、3b、同様に固定側電極棒4a、可動側電極棒4bで、これらをもってそれぞれ固定側電極6a、可動側電極6bを構成する。可動側電極6bは、遮断時の金属蒸気等の飛散を防ぐSUS304の可動側シールド8を介して可動側ホルダー12にろう付け接合される。これらは、固定側端板9a、可動側端板9b、及び絶縁筒13によって高真空にろう付け封止され、固定側電極6a及び可動側ホルダー12のネジ部をもって外部導体と接続される。絶縁筒13の内面には、遮断時の金属蒸気等の飛散を防ぐSUS304の環状シールド7が設けられ、また、可動側端板9bと可動側ホルダー12の間には摺動部分を支えるためのガイド11が設けられる。キャップ状の可動側シールド8と可動側端板9bの間には金属べローズ10が気密に接合され、真空バルブ内を真空に保ったまま可動側ホルダー12を上下させ、固定側電極6aと可動側電極6bを開閉させることが出来る。
【0026】
本実施例においては、実施例1で作製した電気接点1a、1bを有する図1に示す電極6a、6bを用いて、図2に示す構造の定格電圧7.2kV、定格電流600A、定格遮断電流20kAの仕様の真空バルブを作製した。
【0027】
(実施例3)
図3は、本実施例に係わる真空バルブとその操作機構を示す真空遮断器の構成図である。本実施例では、真空バルブとして実施例2で作製した真空バルブを搭載させた。
【0028】
真空遮断器は、操作機構部を前面に配置し、背面に真空バルブ14を支持する3相一括型の3組のエポキシ樹脂製の筒15を配置した構造である。真空バルブ14は、絶縁操作ロッド16を介して、操作機構によって開閉される。
【0029】
遮断器が閉路状態の場合、電流は上部端子17、電気接点1、集電子18、下部端子19を流れる。電極間の接触力は、絶縁操作ロッド16に装着された接触バネ20によって保たれている。電極間の接触力および短絡電流による電磁力は、支えレバー21およびプロップ22で保持されている。投入コイル30を励磁すると開路状態からプランジャ23がノッキングロッド24を介してローラ25を押し上げ、主レバー26を回して電極間を閉じたあと、支えレバー21で保持している。
【0030】
遮断器が引き外し自由状態では、引き外しコイル27が励磁され、引き外しレバー28がプロップ22の係合を外し、主レバー26が回って電極間が開かれる。遮断器が開路状態では、電極間が開かれたあと、リセットバネ29によってリンクが復帰し、同時にプロップ22が係合する。この状態で投入コイル30を励磁すると閉路状態になる。31は排気筒である。
【0031】
(実施例4)
本実施例では、実施例1で得た本発明に係る金属窒化物と活性金属とを有する電気接点No.1〜12、一般的な真空バルブ用電極材である40重量%Cr−Cu電気接点No.14、及び従来の低サージ型電極材の一つであるCo−43重量%(Ag−10重量%Te)電気接点No.15を用いて実施例1によって作製した電極を、実施例2で示した定格電圧7.2kV、定格電流600A、定格遮断電流20kAの真空バルブに搭載し、実施例3で示した真空遮断器に組み込んで遮断試験を行い、裁断電流値の測定を行なった。
【0032】
表1は、その遮断試験結果を示すものである。なお、遮断性能及び耐電圧性能については、No.1の電気接点の場合を1として表した。一般的な真空バルブ用電極材である40重量%Cr−Cu電気接点No.14では裁断電流値が2.5〜5.0Aであり、また低サージ型電極材の一つであるCo−43重量%(Ag−10重量%Te)電気接点No.15では1.5〜2.5Aである。これに対し、本発明に係る電気接点No.1〜7では、いずれも低サージ型電極材であるCo−43重量%(Ag−10重量%Te)電気接点No.15より若干裁断電流値が大きいものの、一部で同等又はそれ以下の裁断電流値を示した。また、40重量%Cr−Cu電気接点No.14に比べて裁断電流値が小さい傾向が見られた。
【0033】
【表1】
Figure 2004342441
【0034】
なお、本発明にかかわる電気接点は、Teなどの有毒な低融点金属を使用しないため環境にやさしく、製造も容易である。また、本発明で、活性金属の含有量が多いNo.2、3及び耐火性成分の多いNo.4〜7は、遮断性能がやや低下しているものの、実用上、支障のない範囲である。
【0035】
又、耐火性成分の量を100とした場合、活性金属が重量比で2より少ないNo.8は、電流遮断時に窒化物の分解により発生する窒素を確実に吸着しにくく、そのため遮断後の耐電圧性能がやや低下している。耐火性成分100に対し、活性金属が重量比で50以上のNo.9は、窒化物の分解による裁断電流値を小さくする効果が低下するとともに、CuにTiが固溶し、通電性能の低下により遮断性能がやや低下する。耐火性成分が2重量%のNo.10は耐電圧性能が不足し、又、35重量%のNo.11は耐火性成分による含有窒素量が多すぎて遮断性能が低下する。
【0036】
活性金属として、耐火性成分を構成する金属のTiと異なる金属であるSiを有するNo.12及びCrを有するNo.13は、窒化物の分解による裁断電流値を低下させる効果や、遮断後の窒素吸着による耐電圧性能確保の効果がやや劣り、所望の性能が得られにくい。
【0037】
又、本実施例においては、従来の環境に対する影響が大きい成分を有していないため環境に対して極めて影響が少なく、又、そのような成分がないので製造が容易である。
【0038】
以上のように、本発明の電気接点を有する電極は、一般的な真空バルブ用電極材に比べて裁断電流値が小さく、従来の低サージ型電極と同等の低サージ性能を有することが証明された。なお、高導電性金属がAgの場合や、耐火性成分がMg、ZrN、CrN、CrN、NbN及びBNの場合にも同様の効果が得られる。
【0039】
(実施例5)
図4は、実施例1によって得た電極を実施例2の真空バルブに搭載した路肩設置変圧器用の真空負荷開閉器である。本負荷開閉器は、主回路開閉部に相当する真空バルブ14が、真空封止された外側真空容器32内に複数対収納されたものである。外側真空容器32は、全てSUS304のステンレス鋼による上部板材33と下部板材34及び側部板材35を備え、各板材の周囲(縁)が互いに溶接によって接合されていると共に、設備本体と共に設置されている。
【0040】
上部板材33には、上部貫通孔36が形成されており、各上部貫通孔36の縁には環状の絶縁性の上部ベース37が各上部貫通孔36を覆うように固定されている。そして、各上部ベース37の中央に形成された円形空間部には、円柱状の可動側電極棒4bが往復動(上下動)自在に挿入されている。各上部貫通孔36は上部ベース37と可動側電極棒4bによって閉塞されている。
【0041】
可動側電極棒4bの軸方向端部(上部側)は、外側真空容器32の外部に設置される操作器(電磁操作器)に連結されるようになっている。また、上部板材33の下部側には、各上部貫通孔36の縁に沿って外側ベローズ38が往復動(上下動)自在に配置されており、各外側ベローズ38は、軸方向の一端側が上部板材33の下部側に固定され、軸方向の他端側が各可動側電極棒4bの外周面に装着されている。すなわち、外側真空容器32を密閉構造とするために、各上部貫通孔36の縁には各可動側電極棒4bの軸方向に沿って外側ベローズ38が配置されている。また、上部板材33には排気管(図示省略)が連結され、この排気管を介して外側真空容器32内が真空排気されるようになっている。
【0042】
一方、下部板材34には下部貫通孔39が形成されており、各下部貫通孔39の縁には絶縁性ブッシング40が各下部貫通孔39を覆うように下部板材34に固定されている。各絶縁性ブッシング40の底部には、環状の絶縁性の下部ベース41が固定されている。そして、各下部ベース41の中央の円形空間部には、円柱状の固定側電極棒4aが挿入されている。すなわち、下部板材34に形成された下部貫通孔39は、それぞれ絶縁性ブッシング40、下部ベース41及び固定側電極棒4aによって閉塞されている。そして、固定側電極棒4aの軸方向の一端側(下部側)は、外側真空容器32の外部に配置されたケーブル(配電線)に連結されるようになっている。いずれの絶縁材もアルミナ、ジルコニア等の焼結体が用いられる。
【0043】
外側真空容器32の内部には、負荷開閉器の主回路開閉部に相当する真空バルブ14が収納されており、各可動側電極棒4bは、2つの湾曲部を有するフレキシブル導体42を介して互いに連結されている。このフレキシブル導体42は、軸方向において2つの湾曲部を有する導電性板材としての銅板とステンレス板を交互に複数枚積層して構成されている。フレキシブル導体42には貫通孔43が形成されており、各貫通孔43に各可動側電極棒4bを挿入して互いに連結される。
【0044】
以上のように、実施例1で製作した電極を実施例2に用いて作製した真空バルブは、路肩設置変圧器用の負荷開閉器に適用可能であり、実施例4と同様に、裁断電流値が小さく、従来の低サージ型電極と同等の低サージ性能を有する効果が得られるものである。又、環境に対して極めて影響が少なく、製造も容易である。更に真空絶縁スイッチギアなどの各種真空開閉装置にも適用できる。
【0045】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、裁断電流値が小さく、低サージ性能に優れた電気接点とその製造方法及びそれを用いた真空バルブ及び真空遮断器を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空バルブ用電極の構造を示す平面図及び断面図。
【図2】本発明に係わる真空バルブの構造を示す断面図。
【図3】本発明に係わる真空遮断器の構造を示す断面図。
【図4】本発明に係わる路肩設置変圧器用負荷開閉器の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…電気接点、1a…固定側電気接点、1b…可動側電気接点、2…スパイラル溝、3、3a、3b…補強板、4、4a、4b…電極棒、5…ろう材、6a…固定側電極、6b…可動側電極、7…シールド、8…可動側シールド、9a…固定側端板、9b…可動側端板、10…ベローズ、11…ガイド、12…可動側ホルダー、13…絶縁筒、14…真空バルブ、15…エポキシ筒、16…絶縁操作ロッド、17…上部端子、18…集電子、19…下部端子、20…接触バネ、21…支えレバー、22…プロップ、23…プランジャ、24…ノッキングロッド、25…ローラ、26…主レバー、27…引き外しコイル、28…引き外しレバー、29…リセットバネ、30…投入コイル、31…排気筒、32…外側真空容器、33…上部板材、34…下部板材、35…側部板材、36…上部貫通孔、37…上部ベース、38…外側ベローズ、39…下部貫通孔、40…絶縁性ブッシング、41…下部ベース、42…フレキシブル導体、43…フレキシブル導体貫通孔、50・・・中心孔。

Claims (18)

  1. 高導電性金属と、金属窒化物からなる耐火性成分とを有することを特徴とする電気接点。
  2. 請求項1において、活性金属を有することを特徴とする電気接点。
  3. 請求項1において、前記耐火性成分が5〜25重量%であることを特徴とする電気接点。
  4. 請求項1において、前記耐火性成分が、Mg、AlN、TiN、ZrN、CrN、CrN、NbN、BN及びSiの1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする電気接点。
  5. 請求項2において、前記活性金属は、窒化物を形成する金属であることを特徴とする電気接点。
  6. 請求項2において、前記活性金属は、前記耐火性成分を形成する金属と同じ金属であることを特徴とする電気接点。
  7. 請求項2において、前記活性金属は、前記耐火性成分100重量部に対して2〜50重量部有することを特徴とする電気接点。
  8. 請求項1において、円盤状を有し、該円盤状の円中心に形成された中心孔と、該中心孔に対して非接触で円中心部から円外周部に連なって形成された複数本の貫通溝とを有することを特徴とする電気接点。
  9. 高導電性金属粉末と、金属窒化物からなる耐火性成分粉末とを有する混合粉末を、加圧成形した後、前記高導電性金属の融点以下で加熱焼結することを特徴とする電気接点の製造方法。
  10. 請求項9において、前記混合粉末は活性金属粉末を含むことを特徴とする電気接点の製造方法。
  11. 請求項9において、前記耐火性成分粉末及び前記活性金属粉末の粒径が20μm以下、前記高導電性金属粉末の粒径が60μm以下であることを特徴とする電気接点の製造方法。
  12. 請求項9において、前記加圧成形による相対密度を65〜75%及び前記焼結後の相対密度が92%以上になるように前記加圧成形における圧力及び前記焼結における加熱温度と加熱時間を調整することを特徴とする電気接点の製造方法。
  13. 円盤状電気接点と、該電気接点のアーク発生面の反対面に一体に接合された補強部材と、該補強部材に接合された電極棒とを有し、前記電気接点が請求項1に記載の電気接点よりなることを特徴とする真空バルブ用電極。
  14. 請求項13において、前記円盤状電気接点と補強部材とは、アーク発生面の中心に中心孔を有し、前記電極棒が前記中心孔に挿入され前記補強部材に接合され、前記電極棒のアーク発生側の面が前記アーク発生面より低く形成されていることを特徴とする真空バルブ用電極。
  15. 請求項13において、前記電極棒は、前記補強部材に接合される部分の直径が外部に接続される部分の直径より細い細径部を有することを特徴とする真空バルブ用電極。
  16. 真空容器内に固定側電極及び可動側電極とを備え、前記固定側電極及び可動側電極の少なくとも一方が請求項13に記載の電極からなることを特徴とする真空バルブ。
  17. 真空容器内に固定側電極及び可動側電極とを備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極及び可動側電極の各々と前記真空バルブ外の各種電気機器とを接続する導体端子と、前記可動側電極を駆動する開閉手段とを備え、前記真空バルブが請求項16に記載の真空バルブからなることを特徴とする真空遮断器。
  18. 外側真空容器と、該真空容器内に設けられた固定側電極及び可動側電極備えた複数の真空バルブと、該複数の真空バルブ同士を電気的に接続するフレキシブル導体と、前記固定側電極を前記外側真空容器に絶縁して固定する絶縁筒と、前記可動側電極を前記外側真空容器に可動可能に固定するベロースとを備えたことを特徴とする路肩設置変圧器用負荷開閉器。
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