JP2004342392A - 発光ダイオード照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明装置本体が薄形で、しかも、発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、照明器具本体の支持アームの取付部から下方への突出長を小さくできる発光ダイオード照明装置を提供する。
【解決手段】発光ダイオード照明装置は、発光ダイオードを光源とする発光部10を備えた概ね平板状の照明装置本体FBと、少なくとも一つの支持部61、支持部61の基端部から横方向へ延在する横桁部62および照明装置本体FBのほぼ中央で横桁部62を固定部に取り付ける取付部63を備え、照明装置本体FBをその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部61の先端部に枢支するとともに、照明装置本体FBの偏心側の部分が横桁部62を通過して回動可能な支持アームSAとを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】発光ダイオード照明装置は、発光ダイオードを光源とする発光部10を備えた概ね平板状の照明装置本体FBと、少なくとも一つの支持部61、支持部61の基端部から横方向へ延在する横桁部62および照明装置本体FBのほぼ中央で横桁部62を固定部に取り付ける取付部63を備え、照明装置本体FBをその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部61の先端部に枢支するとともに、照明装置本体FBの偏心側の部分が横桁部62を通過して回動可能な支持アームSAとを具備している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えた照明装置に関し、特にスタジオ用として好適な発光ダイオード照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスタジオ用の照明器具、例えばフラッドライトは、光源としてハロゲン電球や放電ランプなどを使用している。そして、その照明器具本体を鉛直面内における俯仰角を可調整にするために、二又状の支持アームに照明器具本体の左右両側面において、上下方向のほぼ中央部を回動自在に支持している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、器具配線部を、照明器具本体をその上部で天井側へ吊持するときに、照明器具本体の支持部より下方に位置する部分から外部へ導出し、かつ、吊持部側へ折り返している。これにより、器具配線部が光源による高熱で損傷しないように配慮している。
【0004】
一方、近時発光ダイオードが開発されて、従来から使用されている光源である白熱電球や放電ランプに代替されつつある。これに伴って照明装置が小形化、軽量化される傾向にある。スタジオ照明用の照明器具においても、発光ダイオードを光源とするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のスタジオ照明器具においては、レンズを一体成形してなる砲弾形の発光ダイオードを多数配列している。
【0005】
これに対して、発光ダイオードチップといわれる発光ダイオード素子を共通する基板に多数配列して実装し、各発光ダイオード素子から放射される発光を全体として所望の配光特性になるように発光ダイオード素子の前方に共通のレンズ体を配設している照明器具が知られている(例えば、特許文献3参照)。そして、レンズ体は、円盤状の主部を備え、その前面の各発光ダイオード素子と対向する部位にフレネルレンズからなるレンズ部が多数形成されている。
【0006】
ところで、発光ダイオードを光源とする発光ダイオード照明装置の場合、従来のハロゲン電球や放電ランプを光源として用いる照明装置に採用されているような大形で奥行きのある反射鏡や集光レンズを用いる必要がないとともに、光源が分散されているため、従来のような高温にならないので、従来のハロゲン電球や放電ランプにおけるような火傷、火災、光源の短寿命などによる照明演出への支障をきたす虞がないし、また光源体積が小さいので、投光装置を小形、軽量化しやすいため、取扱いが容易になる、などの利点がある。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−17802号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3045075号公報
【特許文献3】
特開2002−304903号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のスタジオ用の照明器具は、照明器具本体の発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、以下の理由により照明器具本体の取付部から発光面に対するが離間距離が大きくなるという問題がある。すなわち、例えば特許文献1に示すように、光源に白熱電球などを用いている場合、照明器具本体の支持アームへの枢着部から後方に延在する部分の奥行きサイズが反射鏡などのために大きくなってしまう。
【0008】
また、特許文献2に示すように、光源が発光ダイオードであっても、照明器具本体の支持アームへの枢着部が発光ダイオードの発光部より前方に位置している場合には、照明器具本体の奥行きサイズが大きくなってしまうという問題もある。
【0009】
したがって、天井面が低いなど天井側に余裕がないとき、従来のスタジオ照明用の照明器具では、照明器具本体の位置が低くなりすぎてしまう。
【0010】
また、照明器具本体の下部から導出されている器具配線部と取付部とが離れているために、配線長が大きくなるとともに、配線による回転モーメントが作用して照明器具本体の位置がずれ生じやすいとともに、器具配線部が邪魔して取付角度の調整をスムーズに行いにくいという問題もある。
【0011】
さらに、発光ダイオード素子の前方に配置されるレンズ体の外面に凹凸部が形成されていると、塵埃が付着して光量が減少したり、配光特性が乱れたりしやすいという問題がある。
【0012】
本発明は、照明装置本体が薄形で、しかも、発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、照明器具本体の支持アームの取付部から下方への突出長を小さくできる発光ダイオード照明装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、加えて照明装置本体の支持アームに対する取付角度調整が容易で、かつ、確実に固定しやすい発光ダイオード照明装置を提供することを他の目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、発光面に塵埃が付着しにくい発光ダイオード照明装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の発光ダイオード照明装置は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えた照明装置本体が概ね平板状をなしていて、支持アームが少なくとも一つの支持部、支持部の基端部から横方向へ延在する横桁部および照明装置本体のほぼ中央で横桁部を固定部に取り付ける取付部を備え、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部の先端部に枢支するとともに、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能であることを特徴としている。
【0016】
本発明の特徴的な構成要素について以下説明する。
【0017】
<照明装置本体について> 照明装置本体は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えているとともに形状が概ね平板状をなしている。本発明において、「平板状」とは、薄形であることを意味し、発光面を正面としたとき、奥行きサイズが正面の高さサイズ以下、好ましくは0.5以下、より好適には0.1〜0.4である。また、「概ね」とは、全体として観察したときに平板状に近いといえるものであればよく、湾曲したり、非連続部を有していてもよいことを意味する。
【0018】
発光部は、発光ダイオードを光源として構成されている。また、発光部は、所望の光量を得るために、一般的には複数の発光ダイオードを用いることができる。しかし、本発明においては、発光ダイオードの数は特段限定されない。
【0019】
発光ダイオードは、その発光色が要求される色度に応じて適宜選定することができる。発光ダイオード照明装置において、一般的には白色光を用いるように構成されるので、発光ダイオードの発光によって白色光が発生されるように構成する。しかし、所望によりいわゆる有色光で照明されるように構成されることを許容する。発光ダイオード単体で所要の発光色が得られないとき、または所望により、複数色の発光を加色混光して所望の発光色を得るように構成することができる。例えば、白色光を得るには、RGB3色の発光を行う3種類の発光ダイオードを用いて、これらを同時にまたは時分割的に点灯するように構成すればよい。なお、後者の場合、時分割点灯であっても、人の眼の残像効果により白色光として感じることができる。また、RGB3色に加えて補助的に他の発光色の発光ダイオードを加えて色度を所望に補正することができる。あるいは、単体で白色光を発光する発光ダイオードを用いることもできる。
【0020】
また、複数種の発光色の発光ダイオードを備えている場合に、発光色ごとに選択的に点灯することにより、多色の発光を切り換え可能に発生するように構成することもできる。
【0021】
さらに、発光ダイオードは、レンズ形、表面実装形、集積形など多様な形態のものを用いることができる。なお、本発明において、「レンズ形」とは、プラスチックスレンズの内部に発光ダイオードチップを内蔵し、背面からリードワイヤが延在する構成である。「表面実装形」とは、延在するリードワイヤに代えて表面実装用の端子が背面およびまたは側面に形成されている。「集積形」とは、複数の発光ダイオード素子(LEDチップ)が単一の基板に配列されて発光ダイオードモジュールを構成している。そうして、複数の発光ダイオードモジュールを面状に配列して発光面を形成することができる。
【0022】
次に、照明装置本体の支持位置について説明する。後述する支持アームにより照明装置本体を枢支する位置は、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置であればよいが、好ましくは上下いずれかから高さサイズの0.1〜0.4倍、最適には約1/3倍の位置である。
【0023】
<支持アームについて> 支持アームは、支持部、横桁部および取付部を備えている。支持部は、その先端部において、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部に枢支する。また、支持部は、少なくとも一つが配設されている。支持部が1つの場合、照明装置本体を片持ちで支持する。支持部が2つの場合、照明装置本体をその両側から支持する。横桁部は、照明装置本体が支持部に枢支されることにより形成される回動軸とほぼ平行に延在して支持部と一体に接続する。また、横桁部および支持部は、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能であるような大きさおよび形状に設定される。取付部は、照明装置本体を支持アームを介して固定部に取り付ける手段であって、照明装置本体の上記回動軸と直交する中心軸に沿って支持アームを固定部に取り付けるように構成されている。また、取付部は、好ましくは水平面内において、照明装置本体を回動可能に取り付けるものとする。
【0024】
次に、照明装置本体のその他の構成について説明する。
【0025】
1 (配光制御手段について) 発光ダイオードの発光を発光ダイオード照明装置としての所望の配光特性に変換するために、配光制御手段を配設することができる。配光制御手段としては、レンズ、プリズムまたは反射手段を単独で、または任意の複数を所望に応じて組み合わせて用いることができる。
【0026】
2 (放熱手段につい) 発光ダイオードから発生する熱を速やかに移動させることにより、発光ダイオードの温度上昇を抑制して、発光ダイオードを所望の光量および色度で発光させることができるので、放熱手段を用いると効果的である。放熱手段としては、放熱フィン、ヒートパイプ、冷却ファン、水などの冷媒による冷却システムなどの一種または複数種を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】
放熱手段の中でも放熱フィンは、可動部がなく、しかも、格別の動力を要さないので、比較的安価であり、経済的な手段である。また、本発明においては、照明装置本体が概ね平板状をなしているので、放熱フィンを照明装置本体の背面に配設することができる。
【0028】
3 (発光ダイオード駆動回路について) 発光ダイオード駆動回路を照明装置本体に配設することができる。発光ダイオード駆動回路は、どのような構成のものでもよいが、例えば高周波インバータを用いて発光ダイオードをパルス電灯するように構成することにより、発光ダイオードを高効率で点灯するとともに、発光ダイオードを小形、軽量化することができる。
【0029】
また、発光ダイオード駆動回路を照明装置本体の偏心側に配設することにより、照明装置本体の回転バランスをとりやすくなる。加えて、後述する器具配線部を偏心部側に配設する場合には、電源との接続が容易になる。なお、本発明において、「偏心部側」とは、照明装置本体の枢支部が側面の中心部より上下いずれかの縁辺に接近している側を意味する。
【0030】
4 (器具配線部について) 器具配線部は、外部の電源から照明装置本体に電源を供給するための配線部分であり、照明装置本体の所望の位置から導出することができる。しかし、上述のように器具配線部を偏心部側に配設することにより、格別の利点がある。
【0031】
5 (調光手段について) 調光手段は、発光ダイオードを調光点灯させるための手段であり、発光ダイオード駆動回路に調光回路を付設したり、別体として配設したりすることができる
6 (カラーフィルタおよび光拡散フィルタについて) カラーフィルタは、照明の色温度を所望に変換する手段であり、光拡散フィルタは、発光ダイオードの発光を拡散させる手段であり、これらを発光ダイオード照明装置の発光部の前面に着脱可能に装着することができる。
【0032】
7 (バーンドアについて) バーンドアは、発光ダイオード照明装置の配光をより一層正確に、かつ、強制的に規制する手段であり、発光部の周囲に開閉自在に配設することができる。
【0033】
<本発明の作用について> 本発明においては、上記の構成を具備していることにより、以下の作用を奏する。その結果、以下に掲げる効果を有する。
【0034】
すなわち、照明装置本体を床面に対してほぼ平行にして直下を照明する場合、照明装置本体が概ね平面状をなしていて、支持アームの支持部および横桁部が照明装置本体の偏心側が内側を通過可能に枢支されていることにより、照明装置本体を床面に対してほぼ平行にして直下を照明する場合、照明装置本体を高い位置に保持することができる。このため、天井が低い場所でも照明装置の下に十分な余裕を確保することができる。
【0035】
また、発光部が発光ダイオードを光源として構成されているので、照明装置本体を軽量化できるとともに、平板状への薄形化が容易になる。加えて支持アームの支持部に対して、照明装置本体を偏心して支持部に取り付けても、回転バランスの大幅に崩れるようなことがなく、任意所望の回転角度で容易に、しかも、確実に固定することができる。
【0036】
なお、本発明の発光ダイオード照明装置は、スタジオ用の照明装置、特にフラッドライトとして好適であるが、その他の用途における各種照明装置に適用することができる。
【0037】
請求項2の発明の発光ダイオード照明装置は、請求項1記載の発光ダイオード照明装置において、照明装置本体の偏心部側から支持アームの取付部側へ導出された器具配線部を具備していることを特徴としている。
【0038】
器具配線部は、好ましくは照明装置本体の背面側から導出される。しかし、要すれば、照明装置本体の端面、側面または前面から導出することができる。
【0039】
そうして、本発明においては、上記の構成を具備していることにより、器具配線部が照明装置本体の回動を阻害することが少なくなるので、照明装置の本体の回動操作が容易で、しかも、確実になる。
【0040】
請求項3の発明の発光ダイオード照明装置は、請求項1または2記載の発光ダイオード照明装置において、照明装置本体は、その発光部が、多数の発光ダイオードを実装した基板および複数の発光ダイオードに向かって突出した多数の配光制御部を内面に有し、かつ、外面がほぼ平坦面をなして外部に露出している配光制御板を備えていることを特徴としている。
【0041】
発光ダイオードは、発光ダイオードチップの状態で後述する基板に実装したものが最適であるが、要すればレンズ形のように透明性の合成樹脂でモールドした発光ダイオードなどであってもよい。また、発光ダイオードは、後述する配光制御板との位置合わせの容易性のために、基板に整列状態で実装されているのが望ましい。
【0042】
基板は、発光ダイオードを支持する機能を有していればよく、配線機能を備えていることは必ずしも必須ではない。例えば、板状の基板は、発光ダイオードの支持のみを行い、基板とは別に導線またはフレキシブル配線基板を用いて所要の配線を行うように構成することができる。この場合の一実施の形態として、発光ダイオードの挿入孔を有し、発光ダイオードを当該挿入孔に挿入して支持するようにした整列板を板状の基板として備えることも許容される。しかし、板状の基板として配線基板を用いることにより、発光ダイオードの支持と配線とを同時に行うことができるので、構造が簡単になるとともに、薄形化および軽量化を図るのに都合がよい。
【0043】
上記に加えて、配線基板が熱伝導性の優れた導電性物質、例えばアルミニウムまたは熱伝導性の優れた絶縁性物質、例えば窒化アルミニウムのような熱伝導性セラミックスなどを基体とする構成を備えていることにより、発光ダイオードの放熱が容易になる。また、導電性物質を基体とする配線基板の背面に放熱フィンなどの放熱手段を付加することにより、発光ダイオードの放熱を頗る良好にすることができる。
【0044】
ところで、発光ダイオードおよびこれを実装する基板は、適当なサイズの発光ダイオードモジュールとして用意し、所要の発光面積を得るために、所要数の発光ダイオードモジュールを配列して、所望の発光面積を有する発光部を形成することができる。
【0045】
配光制御板は、複数の発光ダイオードに対向する大きさを有し、内面すなわち複数の発光ダイオードに対向する面に複数の配光制御部を有するとともに、外面がほぼ平坦面をなしていて、かつ、照明装置本体の外面に露出している。なお、本発明において、「平坦面」とは、完全な平坦面だけでなく、なだらかな面になっていて、塵埃が付着しにくくなっていれば、多少の凹凸、例えば成形による引けなどがあってもよい。
【0046】
また、配光制御板は、上記発光ダイオードモジュールと同一の面積および輪郭形状を有しているのが好ましいが、要すれば発光ダイオードモジュールより大きいか、反対に小さい面積を有するモジュールに形成することができる。しかし、配光制御板は、発光部全体を覆う単一のものであってもよい。
【0047】
さらに、配光制御板は、それが発光ダイオードの前方に配設された状態で、その配光制御部と発光ダイオードとが1対1の関係に嵌合するように構成することができる。これにより、両者の位置を光学的に所定の関係に決めるのが容易になる。また、配光制御板を発光ダイオードモジュールと同一サイズに形成するとともに、両者を所定の位置において一体的に固定するための固定手段を配光制御板に配設することができる。
【0048】
そうして、本発明においては、配光制御板を発光ダイオードの前面に配設しているので、照明装置として所要の配光特性を配光制御板により付与することができる。これに加えて、配光制御板の外面が平坦面になっているので、配光制御板が外部に露出していても、塵埃が配光制御板に付着しにくい。
【0049】
また、配光制御板を外部に露出していても、塵埃が配光制御板に付着しにくいので、配光制御板の外側に保護透明板を配設する必要がない。このため、発光ダイオード照明装置の構造が簡単になり、しかも、発光ダイオード照明装置が軽量で、かつ、安価になる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0051】
図1ないし図7は、本発明の発光ダイオード照明装置における一実施の形態としてのスタジオ用のフラッドライトを示し、図1は正面図、図2は背面図、図3は平面図、図4は左側面図、図5は左側面断面図、図6は照明装置本体の異なる複数の姿勢制御状態を説明する右側面断面図、図7は発光部における配光制御を説明する発光部の要部拡大断面図である。
【0052】
本実施の形態における発光ダイオード照明装置は、照明装置本体FB、支持アームSAおよび器具配線部FWを具備している。
【0053】
<照明装置本体FB> 照明装置本体FBは、発光部10、ハウジング20、放熱フィン30、発光ダイオード駆動回路40、枢支部50A、50Bおよび電源スイッチSWを備えて構成されている
(発光部10) 発光部10は、図7に示すように、発光ダイオードモジュール11および配光制御板12を組み合わせてなる発光モジュール1の複数組を配列することにより構成されていて、後述するハウジング20のアルミニウム基板22にビス(図示しない。)による背面側からの共締めで装着されている。発光ダイオードモジュール11は、図5および図7に示すように、それぞれ配線基板11aおよび多数の発光ダイオード素子すなわちLEDチップ11bからなる。多数のLEDチップ11bは、例えばその8×8=64個が配線基板11aの上に所要に接続されて表面実装によりマトリックス状に整列配置されている。そして、本実施の形態においては、8個の発光ダイオードモジュール11が縦2段、横4列に整列して平面状に配置されている。
【0054】
複数の配光制御板12は、それぞれ発光ダイオードモジュール11に1対1の関係に対向して配設されている。また、配光制御板12は、LEDチップ11bに1対1の関係に対向する多数の配光制御部2が内面側に突出して形成され、外面がほぼ平坦面をなしている。そして、配光制御部2は、図7に示すように、突起部2aおよび凹部2bからなる。突起部2aは、各斜面が放物面形状に湾曲した切頭四角錐形状をなしている。凹部2bは、突起部3aの四角形をなす切頭頂部と相似の四角形をなしている。また、配光制御板12と発光ダイオードモジュール11が所定の位置に配置された状態において、LEDチップ11bの少なくとも一部が凹部2b内に嵌合するように関係付けられている。
【0055】
上記の構造を有する発光ダイオードモジュール11および配光制御板12は、1対1の関係に重ねられて、発光モジュール1を構成する。そして、発光モジュール1は、ハウジング20のアルミニウム基板22の背面からビス13を配光制御板12にねじ込むことによって、アルミニウム基板22に共締めにより固定されている。
【0056】
そうして、発光部10において、LEDチップ11bから放射された光は、光軸方向に対して散乱の少ない一部が配光制御板12の凹部2bの内面に直接入射して、配光制御板12の外面からそのまま出射する。しかし、光軸に対して散乱方向に出射した光は、凹部2bの側面から突起部2a内に入射し、さらに進行して方物面形状をなす斜面において全反射して、配光制御板12の外面から外部へ集光されて出射する。その結果、照明装置本体FBとして所要の配光特性が付与される。
【0057】
(ハウジング20) ハウジング20は、主として額縁状の枠部21およびアルミニウム基板22からなる。
【0058】
額縁状の枠部21は、前面に発光部10が露出する開口21aを形成し、背面に後述する放熱フィン30が露出する開口21bを形成している。開口21aは、発光部10の全体が露出するように大きい。開口21bは、上下2段に形成されている。また、枠部21の背面側の額縁部21cには、スリット状の開口が多数形成されていて、内部に収納される後述する発光ダイオード駆動回路40などの放熱を容易にしている。
【0059】
さらに、枠部21における前面側の額縁部21dの図1において、上縁、下縁および右縁の部分、換言すれば左縁を除いて、ガイドレール部21eが前方へ突出して一体に形成されている。このガイドレール部21eは、発光部10の前面に拡散フィルタや色フィルタを装着する場合に、それらのスライド溝として作用する。なお、枠部21の左縁部分を取り外した状態で、アルミニウム基板22、発光モジュール1を左側からスライドさせて枠部21に組み付けることができる。
【0060】
アルミニウム基板22は、額縁状の枠部21の窓部を前後2室に仕切るように枠部21にビス止めにより装着されている。そして、アルミニウム基板22の前方に形成される第1の室は、発光部10が装着された際に、発光部10の前面が前面側の額縁状の枠部21dとほぼ面一になるように浅くなっている。また、アルミニウム基板22の後方に形成される第2の室は、後述する放熱フィン30および発光ダイオード駆動回路40を収納できるように深くなっている。
【0061】
(放熱フィン30) 放熱フィン30は、図5に示すように、アルミニウム基板22に導熱的にビス(図示しない。)によりアルミニウム基板22側から固定されて、フィンの一部が額縁状の枠部21の背面側に形成された開口21bから外部へ突出している。
【0062】
したがって、放熱フィン30は、アルミニウム基板22、発光ダイオードモジュール11の配線基板1を介してLEDチップ2すなわち発光ダイオード素子と熱導関係に接続していて、発光ダイオード素子の発光に伴って発生する熱を外部へ放散させるように作用する。
【0063】
(発光ダイオード駆動回路40) 発光ダイオード駆動回路40は、発光ダイオードモジュール11を駆動して発光ダイオードを点灯させる回路であり、図5に示すように、発光ダイオードモジュール11を発光部10における上下2段のそれぞれ4個に分けて駆動するように2分割されている。そして、枠部21の背面側に位置する額縁部21cの内部に収納されている。
【0064】
(枢支部50A、50B) 枢支部50A、50Bは、照明装置本体FBを支持アームSAに回動可能に支持させるための部分であり、照明装置本体FBの両側面の図1において、上端から約1/3の位置に形成されている。そして、図1において、左側の枢支部50Aは、ナット部51およびボルト部52からなる。右側の枢支部50Bは、ナット部53、フリクション係合部54および調節摘み55からなる。
【0065】
左側の枢支部50Aは、そのナット部51が額縁状の枠部21の左側において、その枢支位置に溶接などにより固着されている。そして、ボルト部52がナット部51にねじ込まれる。なお、後述する支持アームSAは、ボルト部52の首部に回動自在に係合する。
【0066】
右側の枢支部50Bは、そのナット部53が額縁状の枠部21の右側において、その枢支位置に溶接などにより固着されている。フリクション係合部54は、一対のフリクションディスク54a、54bからなる。一方のフリクションディスク54aは、ナット部53に予め回転不能に一体化されている。他方のフリクションディスク54bは、後述する支持アームSAに一体的に取り付けられている。調節摘み55は、ねじ部を備えていて、後述する支持アームSAを回動自在に支持し、かつ、他方のフリクションディスク54bが一方のフリクションディスク54aに当接するようにして、そのねじ部をナット部53にねじ込んでいる。
【0067】
そうして、照明装置本体FUは、図1において、枢支部50A、50Bから上の部分を便宜上偏心部側、下の部分を非偏心部側という。
【0068】
<支持アームSA> 支持アームSAは、一対の支持部61、61、横桁部62および取付部63を備え、全体として逆U字状をなしている。
【0069】
一対の支持部61、61は、支持アームSAのU字状の両脚部である。図1において、左側の支持部61には、枢支部50Aのボルト部52に挿通される透孔が先端部に形成されている。また、右側の支持部61には、枢支部50Bの調節摘み55のねじ部が挿通する透孔が先端部に形成されているとともに、他方のフリクションディスク54bが上記透孔と同軸に固着されている。
【0070】
横桁部62は、一対の支持部61、61の基端部間を橋絡するように帯金を湾曲して支持部61、61と一体に形成されている。
【0071】
取付部63は、照明装置本体FBをバトンなどの固定部(図示しない。)に取り付ける手段であり、横桁部62の中央部に配設されている。また、取付部63は、軸部63aおよび一対の舌辺63bからなる。軸部63aは、図4に示すように、下部にボルト部が形成されていて、支持アームSAの横桁部62に形成した透孔に上からボルト部を挿通してナット63cにより固着している。そして、バトンなどに対して水平面内で回動を許容するように照明装置本体FBを取り付ける場合に用いられる。これに対して、一対の舌辺63bは、透孔が形成されていて、しかも、支持アームSAの横桁部62の両側から約45°の方向へ延在していて、軸部63aと一緒に横桁部62に固着されていて、照明装置本体FBの落下防止用ワイヤを掛け止める際に用いる。
【0072】
<器具配線部FW> 器具配線部FWは、照明装置本体FBに駆動電力を供給するための電源ケーブルなどを主体として構成され、図2および図4に示すように、照明装置本体FBの上部背面部すなわち偏心部側から導出され、支持アームSAの取付部63の側へ延在して、電源に接続する。また、器具配線部FWは、先端にコネクタ(図示しない。)が装着されている。
【0073】
<電源スイッチSW> 電源スイッチSWは、照明装置本体FBの背面に配設され、かつ、器具配線部FWと発光ダイオード駆動回路40との間に接続されている。
【0074】
<発光ダイオード照明装置の動作> 本実施の形態における発光ダイオード照明装置は、支持アームSAに対して照明装置本体FBを、その枢支部50A、50Bを中心として回動させることにより、照明装置本体FBの姿勢を縁直面内において、所望に変更することができる。
【0075】
すなわち、図6に示すように、支持アームSAに対して照明装置本体FBを矢印方向に回動させて、実線の位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を水平方向から照明することができる。また、1点鎖線で示すように回動して、照明装置本体FBの発光部10が下向き位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を上方から直下に向けて照明することができる。さらに、2点鎖線で示すように回動して、照明装置本体FBが偏心側を下にして斜め下向き位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を斜め上方から斜め下方に向けて照明することができる。
【0076】
上記後者の2つの照明態様のいずれにおいても、照明装置本体FBが支持アームの取付部から下方へ垂下する部分が僅かになるので、天井側の懐に余裕がない場合であっても、発光ダイオード照明装置が邪魔にならない。
【0077】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、発光ダイオードを光源とする概ね平板状の照明装置本体と、少なくとも一つの支持部、支持部の基端部から横方向へ延在する横桁部および照明装置本体のほぼ中央で横桁部を固定部に取り付ける取付部を備え、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部の先端部に枢支するとともに、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能な支持アームとを具備していることにより、照明装置本体が薄形で、しかも、発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、照明器具本体の支持アームの取付部から下方への突出長が小さくなる発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【0078】
請求項2の発明によれば、加えて照明装置本体の偏心部側から支持アームの取付部側へ導出された器具配線部を具備していることにより、照明装置本体の支持アームに対する取付角度調整が容易で、かつ、確実に固定しやすい発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【0079】
請求項3の発明によれば、加えて照明装置本体は、その発光部が、多数の発光ダイオードを実装した基板および各発光ダイオードに向かって突出した多数の配光制御部を内面に有し、かつ、外面がほぼ平坦面をなして外部に露出している配光制御板を備えていることにより、構造が簡単で、しかも、発光面に塵埃が付着しにくい発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光ダイオード照明装置における一実施の形態としてのスタジオ用のフラッドライトを示す正面図
【図2】同じく背面図
【図3】同じく平面図
【図4】同じく左側面図
【図5】同じく左側面断面図
【図6】同じく照明装置本体の異なる複数の姿勢制御状態を説明する右側面断面図
【図7】同じく発光部における配光制御を説明する発光部の要部拡大断面図
【符号の説明】
1…発光モジュール、10…発光部、20…ハウジング、21…枠部、50A…枢支部、50B…枢支部、55…調節摘み、61…支持部、62…横桁部、63…取付部、FB…照明装置本体、FW…器具配線部、SA…支持アーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えた照明装置に関し、特にスタジオ用として好適な発光ダイオード照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスタジオ用の照明器具、例えばフラッドライトは、光源としてハロゲン電球や放電ランプなどを使用している。そして、その照明器具本体を鉛直面内における俯仰角を可調整にするために、二又状の支持アームに照明器具本体の左右両側面において、上下方向のほぼ中央部を回動自在に支持している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、器具配線部を、照明器具本体をその上部で天井側へ吊持するときに、照明器具本体の支持部より下方に位置する部分から外部へ導出し、かつ、吊持部側へ折り返している。これにより、器具配線部が光源による高熱で損傷しないように配慮している。
【0004】
一方、近時発光ダイオードが開発されて、従来から使用されている光源である白熱電球や放電ランプに代替されつつある。これに伴って照明装置が小形化、軽量化される傾向にある。スタジオ照明用の照明器具においても、発光ダイオードを光源とするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のスタジオ照明器具においては、レンズを一体成形してなる砲弾形の発光ダイオードを多数配列している。
【0005】
これに対して、発光ダイオードチップといわれる発光ダイオード素子を共通する基板に多数配列して実装し、各発光ダイオード素子から放射される発光を全体として所望の配光特性になるように発光ダイオード素子の前方に共通のレンズ体を配設している照明器具が知られている(例えば、特許文献3参照)。そして、レンズ体は、円盤状の主部を備え、その前面の各発光ダイオード素子と対向する部位にフレネルレンズからなるレンズ部が多数形成されている。
【0006】
ところで、発光ダイオードを光源とする発光ダイオード照明装置の場合、従来のハロゲン電球や放電ランプを光源として用いる照明装置に採用されているような大形で奥行きのある反射鏡や集光レンズを用いる必要がないとともに、光源が分散されているため、従来のような高温にならないので、従来のハロゲン電球や放電ランプにおけるような火傷、火災、光源の短寿命などによる照明演出への支障をきたす虞がないし、また光源体積が小さいので、投光装置を小形、軽量化しやすいため、取扱いが容易になる、などの利点がある。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−17802号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3045075号公報
【特許文献3】
特開2002−304903号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のスタジオ用の照明器具は、照明器具本体の発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、以下の理由により照明器具本体の取付部から発光面に対するが離間距離が大きくなるという問題がある。すなわち、例えば特許文献1に示すように、光源に白熱電球などを用いている場合、照明器具本体の支持アームへの枢着部から後方に延在する部分の奥行きサイズが反射鏡などのために大きくなってしまう。
【0008】
また、特許文献2に示すように、光源が発光ダイオードであっても、照明器具本体の支持アームへの枢着部が発光ダイオードの発光部より前方に位置している場合には、照明器具本体の奥行きサイズが大きくなってしまうという問題もある。
【0009】
したがって、天井面が低いなど天井側に余裕がないとき、従来のスタジオ照明用の照明器具では、照明器具本体の位置が低くなりすぎてしまう。
【0010】
また、照明器具本体の下部から導出されている器具配線部と取付部とが離れているために、配線長が大きくなるとともに、配線による回転モーメントが作用して照明器具本体の位置がずれ生じやすいとともに、器具配線部が邪魔して取付角度の調整をスムーズに行いにくいという問題もある。
【0011】
さらに、発光ダイオード素子の前方に配置されるレンズ体の外面に凹凸部が形成されていると、塵埃が付着して光量が減少したり、配光特性が乱れたりしやすいという問題がある。
【0012】
本発明は、照明装置本体が薄形で、しかも、発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、照明器具本体の支持アームの取付部から下方への突出長を小さくできる発光ダイオード照明装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、加えて照明装置本体の支持アームに対する取付角度調整が容易で、かつ、確実に固定しやすい発光ダイオード照明装置を提供することを他の目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、発光面に塵埃が付着しにくい発光ダイオード照明装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の発光ダイオード照明装置は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えた照明装置本体が概ね平板状をなしていて、支持アームが少なくとも一つの支持部、支持部の基端部から横方向へ延在する横桁部および照明装置本体のほぼ中央で横桁部を固定部に取り付ける取付部を備え、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部の先端部に枢支するとともに、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能であることを特徴としている。
【0016】
本発明の特徴的な構成要素について以下説明する。
【0017】
<照明装置本体について> 照明装置本体は、発光ダイオードを光源とする発光部を備えているとともに形状が概ね平板状をなしている。本発明において、「平板状」とは、薄形であることを意味し、発光面を正面としたとき、奥行きサイズが正面の高さサイズ以下、好ましくは0.5以下、より好適には0.1〜0.4である。また、「概ね」とは、全体として観察したときに平板状に近いといえるものであればよく、湾曲したり、非連続部を有していてもよいことを意味する。
【0018】
発光部は、発光ダイオードを光源として構成されている。また、発光部は、所望の光量を得るために、一般的には複数の発光ダイオードを用いることができる。しかし、本発明においては、発光ダイオードの数は特段限定されない。
【0019】
発光ダイオードは、その発光色が要求される色度に応じて適宜選定することができる。発光ダイオード照明装置において、一般的には白色光を用いるように構成されるので、発光ダイオードの発光によって白色光が発生されるように構成する。しかし、所望によりいわゆる有色光で照明されるように構成されることを許容する。発光ダイオード単体で所要の発光色が得られないとき、または所望により、複数色の発光を加色混光して所望の発光色を得るように構成することができる。例えば、白色光を得るには、RGB3色の発光を行う3種類の発光ダイオードを用いて、これらを同時にまたは時分割的に点灯するように構成すればよい。なお、後者の場合、時分割点灯であっても、人の眼の残像効果により白色光として感じることができる。また、RGB3色に加えて補助的に他の発光色の発光ダイオードを加えて色度を所望に補正することができる。あるいは、単体で白色光を発光する発光ダイオードを用いることもできる。
【0020】
また、複数種の発光色の発光ダイオードを備えている場合に、発光色ごとに選択的に点灯することにより、多色の発光を切り換え可能に発生するように構成することもできる。
【0021】
さらに、発光ダイオードは、レンズ形、表面実装形、集積形など多様な形態のものを用いることができる。なお、本発明において、「レンズ形」とは、プラスチックスレンズの内部に発光ダイオードチップを内蔵し、背面からリードワイヤが延在する構成である。「表面実装形」とは、延在するリードワイヤに代えて表面実装用の端子が背面およびまたは側面に形成されている。「集積形」とは、複数の発光ダイオード素子(LEDチップ)が単一の基板に配列されて発光ダイオードモジュールを構成している。そうして、複数の発光ダイオードモジュールを面状に配列して発光面を形成することができる。
【0022】
次に、照明装置本体の支持位置について説明する。後述する支持アームにより照明装置本体を枢支する位置は、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置であればよいが、好ましくは上下いずれかから高さサイズの0.1〜0.4倍、最適には約1/3倍の位置である。
【0023】
<支持アームについて> 支持アームは、支持部、横桁部および取付部を備えている。支持部は、その先端部において、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部に枢支する。また、支持部は、少なくとも一つが配設されている。支持部が1つの場合、照明装置本体を片持ちで支持する。支持部が2つの場合、照明装置本体をその両側から支持する。横桁部は、照明装置本体が支持部に枢支されることにより形成される回動軸とほぼ平行に延在して支持部と一体に接続する。また、横桁部および支持部は、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能であるような大きさおよび形状に設定される。取付部は、照明装置本体を支持アームを介して固定部に取り付ける手段であって、照明装置本体の上記回動軸と直交する中心軸に沿って支持アームを固定部に取り付けるように構成されている。また、取付部は、好ましくは水平面内において、照明装置本体を回動可能に取り付けるものとする。
【0024】
次に、照明装置本体のその他の構成について説明する。
【0025】
1 (配光制御手段について) 発光ダイオードの発光を発光ダイオード照明装置としての所望の配光特性に変換するために、配光制御手段を配設することができる。配光制御手段としては、レンズ、プリズムまたは反射手段を単独で、または任意の複数を所望に応じて組み合わせて用いることができる。
【0026】
2 (放熱手段につい) 発光ダイオードから発生する熱を速やかに移動させることにより、発光ダイオードの温度上昇を抑制して、発光ダイオードを所望の光量および色度で発光させることができるので、放熱手段を用いると効果的である。放熱手段としては、放熱フィン、ヒートパイプ、冷却ファン、水などの冷媒による冷却システムなどの一種または複数種を適宜組み合わせて用いることができる。
【0027】
放熱手段の中でも放熱フィンは、可動部がなく、しかも、格別の動力を要さないので、比較的安価であり、経済的な手段である。また、本発明においては、照明装置本体が概ね平板状をなしているので、放熱フィンを照明装置本体の背面に配設することができる。
【0028】
3 (発光ダイオード駆動回路について) 発光ダイオード駆動回路を照明装置本体に配設することができる。発光ダイオード駆動回路は、どのような構成のものでもよいが、例えば高周波インバータを用いて発光ダイオードをパルス電灯するように構成することにより、発光ダイオードを高効率で点灯するとともに、発光ダイオードを小形、軽量化することができる。
【0029】
また、発光ダイオード駆動回路を照明装置本体の偏心側に配設することにより、照明装置本体の回転バランスをとりやすくなる。加えて、後述する器具配線部を偏心部側に配設する場合には、電源との接続が容易になる。なお、本発明において、「偏心部側」とは、照明装置本体の枢支部が側面の中心部より上下いずれかの縁辺に接近している側を意味する。
【0030】
4 (器具配線部について) 器具配線部は、外部の電源から照明装置本体に電源を供給するための配線部分であり、照明装置本体の所望の位置から導出することができる。しかし、上述のように器具配線部を偏心部側に配設することにより、格別の利点がある。
【0031】
5 (調光手段について) 調光手段は、発光ダイオードを調光点灯させるための手段であり、発光ダイオード駆動回路に調光回路を付設したり、別体として配設したりすることができる
6 (カラーフィルタおよび光拡散フィルタについて) カラーフィルタは、照明の色温度を所望に変換する手段であり、光拡散フィルタは、発光ダイオードの発光を拡散させる手段であり、これらを発光ダイオード照明装置の発光部の前面に着脱可能に装着することができる。
【0032】
7 (バーンドアについて) バーンドアは、発光ダイオード照明装置の配光をより一層正確に、かつ、強制的に規制する手段であり、発光部の周囲に開閉自在に配設することができる。
【0033】
<本発明の作用について> 本発明においては、上記の構成を具備していることにより、以下の作用を奏する。その結果、以下に掲げる効果を有する。
【0034】
すなわち、照明装置本体を床面に対してほぼ平行にして直下を照明する場合、照明装置本体が概ね平面状をなしていて、支持アームの支持部および横桁部が照明装置本体の偏心側が内側を通過可能に枢支されていることにより、照明装置本体を床面に対してほぼ平行にして直下を照明する場合、照明装置本体を高い位置に保持することができる。このため、天井が低い場所でも照明装置の下に十分な余裕を確保することができる。
【0035】
また、発光部が発光ダイオードを光源として構成されているので、照明装置本体を軽量化できるとともに、平板状への薄形化が容易になる。加えて支持アームの支持部に対して、照明装置本体を偏心して支持部に取り付けても、回転バランスの大幅に崩れるようなことがなく、任意所望の回転角度で容易に、しかも、確実に固定することができる。
【0036】
なお、本発明の発光ダイオード照明装置は、スタジオ用の照明装置、特にフラッドライトとして好適であるが、その他の用途における各種照明装置に適用することができる。
【0037】
請求項2の発明の発光ダイオード照明装置は、請求項1記載の発光ダイオード照明装置において、照明装置本体の偏心部側から支持アームの取付部側へ導出された器具配線部を具備していることを特徴としている。
【0038】
器具配線部は、好ましくは照明装置本体の背面側から導出される。しかし、要すれば、照明装置本体の端面、側面または前面から導出することができる。
【0039】
そうして、本発明においては、上記の構成を具備していることにより、器具配線部が照明装置本体の回動を阻害することが少なくなるので、照明装置の本体の回動操作が容易で、しかも、確実になる。
【0040】
請求項3の発明の発光ダイオード照明装置は、請求項1または2記載の発光ダイオード照明装置において、照明装置本体は、その発光部が、多数の発光ダイオードを実装した基板および複数の発光ダイオードに向かって突出した多数の配光制御部を内面に有し、かつ、外面がほぼ平坦面をなして外部に露出している配光制御板を備えていることを特徴としている。
【0041】
発光ダイオードは、発光ダイオードチップの状態で後述する基板に実装したものが最適であるが、要すればレンズ形のように透明性の合成樹脂でモールドした発光ダイオードなどであってもよい。また、発光ダイオードは、後述する配光制御板との位置合わせの容易性のために、基板に整列状態で実装されているのが望ましい。
【0042】
基板は、発光ダイオードを支持する機能を有していればよく、配線機能を備えていることは必ずしも必須ではない。例えば、板状の基板は、発光ダイオードの支持のみを行い、基板とは別に導線またはフレキシブル配線基板を用いて所要の配線を行うように構成することができる。この場合の一実施の形態として、発光ダイオードの挿入孔を有し、発光ダイオードを当該挿入孔に挿入して支持するようにした整列板を板状の基板として備えることも許容される。しかし、板状の基板として配線基板を用いることにより、発光ダイオードの支持と配線とを同時に行うことができるので、構造が簡単になるとともに、薄形化および軽量化を図るのに都合がよい。
【0043】
上記に加えて、配線基板が熱伝導性の優れた導電性物質、例えばアルミニウムまたは熱伝導性の優れた絶縁性物質、例えば窒化アルミニウムのような熱伝導性セラミックスなどを基体とする構成を備えていることにより、発光ダイオードの放熱が容易になる。また、導電性物質を基体とする配線基板の背面に放熱フィンなどの放熱手段を付加することにより、発光ダイオードの放熱を頗る良好にすることができる。
【0044】
ところで、発光ダイオードおよびこれを実装する基板は、適当なサイズの発光ダイオードモジュールとして用意し、所要の発光面積を得るために、所要数の発光ダイオードモジュールを配列して、所望の発光面積を有する発光部を形成することができる。
【0045】
配光制御板は、複数の発光ダイオードに対向する大きさを有し、内面すなわち複数の発光ダイオードに対向する面に複数の配光制御部を有するとともに、外面がほぼ平坦面をなしていて、かつ、照明装置本体の外面に露出している。なお、本発明において、「平坦面」とは、完全な平坦面だけでなく、なだらかな面になっていて、塵埃が付着しにくくなっていれば、多少の凹凸、例えば成形による引けなどがあってもよい。
【0046】
また、配光制御板は、上記発光ダイオードモジュールと同一の面積および輪郭形状を有しているのが好ましいが、要すれば発光ダイオードモジュールより大きいか、反対に小さい面積を有するモジュールに形成することができる。しかし、配光制御板は、発光部全体を覆う単一のものであってもよい。
【0047】
さらに、配光制御板は、それが発光ダイオードの前方に配設された状態で、その配光制御部と発光ダイオードとが1対1の関係に嵌合するように構成することができる。これにより、両者の位置を光学的に所定の関係に決めるのが容易になる。また、配光制御板を発光ダイオードモジュールと同一サイズに形成するとともに、両者を所定の位置において一体的に固定するための固定手段を配光制御板に配設することができる。
【0048】
そうして、本発明においては、配光制御板を発光ダイオードの前面に配設しているので、照明装置として所要の配光特性を配光制御板により付与することができる。これに加えて、配光制御板の外面が平坦面になっているので、配光制御板が外部に露出していても、塵埃が配光制御板に付着しにくい。
【0049】
また、配光制御板を外部に露出していても、塵埃が配光制御板に付着しにくいので、配光制御板の外側に保護透明板を配設する必要がない。このため、発光ダイオード照明装置の構造が簡単になり、しかも、発光ダイオード照明装置が軽量で、かつ、安価になる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0051】
図1ないし図7は、本発明の発光ダイオード照明装置における一実施の形態としてのスタジオ用のフラッドライトを示し、図1は正面図、図2は背面図、図3は平面図、図4は左側面図、図5は左側面断面図、図6は照明装置本体の異なる複数の姿勢制御状態を説明する右側面断面図、図7は発光部における配光制御を説明する発光部の要部拡大断面図である。
【0052】
本実施の形態における発光ダイオード照明装置は、照明装置本体FB、支持アームSAおよび器具配線部FWを具備している。
【0053】
<照明装置本体FB> 照明装置本体FBは、発光部10、ハウジング20、放熱フィン30、発光ダイオード駆動回路40、枢支部50A、50Bおよび電源スイッチSWを備えて構成されている
(発光部10) 発光部10は、図7に示すように、発光ダイオードモジュール11および配光制御板12を組み合わせてなる発光モジュール1の複数組を配列することにより構成されていて、後述するハウジング20のアルミニウム基板22にビス(図示しない。)による背面側からの共締めで装着されている。発光ダイオードモジュール11は、図5および図7に示すように、それぞれ配線基板11aおよび多数の発光ダイオード素子すなわちLEDチップ11bからなる。多数のLEDチップ11bは、例えばその8×8=64個が配線基板11aの上に所要に接続されて表面実装によりマトリックス状に整列配置されている。そして、本実施の形態においては、8個の発光ダイオードモジュール11が縦2段、横4列に整列して平面状に配置されている。
【0054】
複数の配光制御板12は、それぞれ発光ダイオードモジュール11に1対1の関係に対向して配設されている。また、配光制御板12は、LEDチップ11bに1対1の関係に対向する多数の配光制御部2が内面側に突出して形成され、外面がほぼ平坦面をなしている。そして、配光制御部2は、図7に示すように、突起部2aおよび凹部2bからなる。突起部2aは、各斜面が放物面形状に湾曲した切頭四角錐形状をなしている。凹部2bは、突起部3aの四角形をなす切頭頂部と相似の四角形をなしている。また、配光制御板12と発光ダイオードモジュール11が所定の位置に配置された状態において、LEDチップ11bの少なくとも一部が凹部2b内に嵌合するように関係付けられている。
【0055】
上記の構造を有する発光ダイオードモジュール11および配光制御板12は、1対1の関係に重ねられて、発光モジュール1を構成する。そして、発光モジュール1は、ハウジング20のアルミニウム基板22の背面からビス13を配光制御板12にねじ込むことによって、アルミニウム基板22に共締めにより固定されている。
【0056】
そうして、発光部10において、LEDチップ11bから放射された光は、光軸方向に対して散乱の少ない一部が配光制御板12の凹部2bの内面に直接入射して、配光制御板12の外面からそのまま出射する。しかし、光軸に対して散乱方向に出射した光は、凹部2bの側面から突起部2a内に入射し、さらに進行して方物面形状をなす斜面において全反射して、配光制御板12の外面から外部へ集光されて出射する。その結果、照明装置本体FBとして所要の配光特性が付与される。
【0057】
(ハウジング20) ハウジング20は、主として額縁状の枠部21およびアルミニウム基板22からなる。
【0058】
額縁状の枠部21は、前面に発光部10が露出する開口21aを形成し、背面に後述する放熱フィン30が露出する開口21bを形成している。開口21aは、発光部10の全体が露出するように大きい。開口21bは、上下2段に形成されている。また、枠部21の背面側の額縁部21cには、スリット状の開口が多数形成されていて、内部に収納される後述する発光ダイオード駆動回路40などの放熱を容易にしている。
【0059】
さらに、枠部21における前面側の額縁部21dの図1において、上縁、下縁および右縁の部分、換言すれば左縁を除いて、ガイドレール部21eが前方へ突出して一体に形成されている。このガイドレール部21eは、発光部10の前面に拡散フィルタや色フィルタを装着する場合に、それらのスライド溝として作用する。なお、枠部21の左縁部分を取り外した状態で、アルミニウム基板22、発光モジュール1を左側からスライドさせて枠部21に組み付けることができる。
【0060】
アルミニウム基板22は、額縁状の枠部21の窓部を前後2室に仕切るように枠部21にビス止めにより装着されている。そして、アルミニウム基板22の前方に形成される第1の室は、発光部10が装着された際に、発光部10の前面が前面側の額縁状の枠部21dとほぼ面一になるように浅くなっている。また、アルミニウム基板22の後方に形成される第2の室は、後述する放熱フィン30および発光ダイオード駆動回路40を収納できるように深くなっている。
【0061】
(放熱フィン30) 放熱フィン30は、図5に示すように、アルミニウム基板22に導熱的にビス(図示しない。)によりアルミニウム基板22側から固定されて、フィンの一部が額縁状の枠部21の背面側に形成された開口21bから外部へ突出している。
【0062】
したがって、放熱フィン30は、アルミニウム基板22、発光ダイオードモジュール11の配線基板1を介してLEDチップ2すなわち発光ダイオード素子と熱導関係に接続していて、発光ダイオード素子の発光に伴って発生する熱を外部へ放散させるように作用する。
【0063】
(発光ダイオード駆動回路40) 発光ダイオード駆動回路40は、発光ダイオードモジュール11を駆動して発光ダイオードを点灯させる回路であり、図5に示すように、発光ダイオードモジュール11を発光部10における上下2段のそれぞれ4個に分けて駆動するように2分割されている。そして、枠部21の背面側に位置する額縁部21cの内部に収納されている。
【0064】
(枢支部50A、50B) 枢支部50A、50Bは、照明装置本体FBを支持アームSAに回動可能に支持させるための部分であり、照明装置本体FBの両側面の図1において、上端から約1/3の位置に形成されている。そして、図1において、左側の枢支部50Aは、ナット部51およびボルト部52からなる。右側の枢支部50Bは、ナット部53、フリクション係合部54および調節摘み55からなる。
【0065】
左側の枢支部50Aは、そのナット部51が額縁状の枠部21の左側において、その枢支位置に溶接などにより固着されている。そして、ボルト部52がナット部51にねじ込まれる。なお、後述する支持アームSAは、ボルト部52の首部に回動自在に係合する。
【0066】
右側の枢支部50Bは、そのナット部53が額縁状の枠部21の右側において、その枢支位置に溶接などにより固着されている。フリクション係合部54は、一対のフリクションディスク54a、54bからなる。一方のフリクションディスク54aは、ナット部53に予め回転不能に一体化されている。他方のフリクションディスク54bは、後述する支持アームSAに一体的に取り付けられている。調節摘み55は、ねじ部を備えていて、後述する支持アームSAを回動自在に支持し、かつ、他方のフリクションディスク54bが一方のフリクションディスク54aに当接するようにして、そのねじ部をナット部53にねじ込んでいる。
【0067】
そうして、照明装置本体FUは、図1において、枢支部50A、50Bから上の部分を便宜上偏心部側、下の部分を非偏心部側という。
【0068】
<支持アームSA> 支持アームSAは、一対の支持部61、61、横桁部62および取付部63を備え、全体として逆U字状をなしている。
【0069】
一対の支持部61、61は、支持アームSAのU字状の両脚部である。図1において、左側の支持部61には、枢支部50Aのボルト部52に挿通される透孔が先端部に形成されている。また、右側の支持部61には、枢支部50Bの調節摘み55のねじ部が挿通する透孔が先端部に形成されているとともに、他方のフリクションディスク54bが上記透孔と同軸に固着されている。
【0070】
横桁部62は、一対の支持部61、61の基端部間を橋絡するように帯金を湾曲して支持部61、61と一体に形成されている。
【0071】
取付部63は、照明装置本体FBをバトンなどの固定部(図示しない。)に取り付ける手段であり、横桁部62の中央部に配設されている。また、取付部63は、軸部63aおよび一対の舌辺63bからなる。軸部63aは、図4に示すように、下部にボルト部が形成されていて、支持アームSAの横桁部62に形成した透孔に上からボルト部を挿通してナット63cにより固着している。そして、バトンなどに対して水平面内で回動を許容するように照明装置本体FBを取り付ける場合に用いられる。これに対して、一対の舌辺63bは、透孔が形成されていて、しかも、支持アームSAの横桁部62の両側から約45°の方向へ延在していて、軸部63aと一緒に横桁部62に固着されていて、照明装置本体FBの落下防止用ワイヤを掛け止める際に用いる。
【0072】
<器具配線部FW> 器具配線部FWは、照明装置本体FBに駆動電力を供給するための電源ケーブルなどを主体として構成され、図2および図4に示すように、照明装置本体FBの上部背面部すなわち偏心部側から導出され、支持アームSAの取付部63の側へ延在して、電源に接続する。また、器具配線部FWは、先端にコネクタ(図示しない。)が装着されている。
【0073】
<電源スイッチSW> 電源スイッチSWは、照明装置本体FBの背面に配設され、かつ、器具配線部FWと発光ダイオード駆動回路40との間に接続されている。
【0074】
<発光ダイオード照明装置の動作> 本実施の形態における発光ダイオード照明装置は、支持アームSAに対して照明装置本体FBを、その枢支部50A、50Bを中心として回動させることにより、照明装置本体FBの姿勢を縁直面内において、所望に変更することができる。
【0075】
すなわち、図6に示すように、支持アームSAに対して照明装置本体FBを矢印方向に回動させて、実線の位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を水平方向から照明することができる。また、1点鎖線で示すように回動して、照明装置本体FBの発光部10が下向き位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を上方から直下に向けて照明することができる。さらに、2点鎖線で示すように回動して、照明装置本体FBが偏心側を下にして斜め下向き位置にあるときには、照明装置本体FBにより被照明空間を斜め上方から斜め下方に向けて照明することができる。
【0076】
上記後者の2つの照明態様のいずれにおいても、照明装置本体FBが支持アームの取付部から下方へ垂下する部分が僅かになるので、天井側の懐に余裕がない場合であっても、発光ダイオード照明装置が邪魔にならない。
【0077】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、発光ダイオードを光源とする概ね平板状の照明装置本体と、少なくとも一つの支持部、支持部の基端部から横方向へ延在する横桁部および照明装置本体のほぼ中央で横桁部を固定部に取り付ける取付部を備え、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部の先端部に枢支するとともに、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能な支持アームとを具備していることにより、照明装置本体が薄形で、しかも、発光面を床面に対して平行に位置させて天井側から直下を照明する場合、照明器具本体の支持アームの取付部から下方への突出長が小さくなる発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【0078】
請求項2の発明によれば、加えて照明装置本体の偏心部側から支持アームの取付部側へ導出された器具配線部を具備していることにより、照明装置本体の支持アームに対する取付角度調整が容易で、かつ、確実に固定しやすい発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【0079】
請求項3の発明によれば、加えて照明装置本体は、その発光部が、多数の発光ダイオードを実装した基板および各発光ダイオードに向かって突出した多数の配光制御部を内面に有し、かつ、外面がほぼ平坦面をなして外部に露出している配光制御板を備えていることにより、構造が簡単で、しかも、発光面に塵埃が付着しにくい発光ダイオード照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光ダイオード照明装置における一実施の形態としてのスタジオ用のフラッドライトを示す正面図
【図2】同じく背面図
【図3】同じく平面図
【図4】同じく左側面図
【図5】同じく左側面断面図
【図6】同じく照明装置本体の異なる複数の姿勢制御状態を説明する右側面断面図
【図7】同じく発光部における配光制御を説明する発光部の要部拡大断面図
【符号の説明】
1…発光モジュール、10…発光部、20…ハウジング、21…枠部、50A…枢支部、50B…枢支部、55…調節摘み、61…支持部、62…横桁部、63…取付部、FB…照明装置本体、FW…器具配線部、SA…支持アーム
Claims (3)
- 発光ダイオードを光源とする発光部を備えた概ね平板状の照明装置本体と;
少なくとも一つの支持部、支持部の基端部から横方向へ延在する横桁部および照明装置本体のほぼ中央で横桁部を固定部に取り付ける取付部を備え、照明装置本体をその側面の中央部から上下いずれかの方向へ偏心した位置で鉛直面内を回動可能に支持部の先端部に枢支するとともに、照明装置本体の偏心側の部分が横桁部を通過して回動可能な支持アームと;
を具備していることを特徴とする発光ダイオード照明装置。 - 照明装置本体の偏心部側から支持アームの取付部側へ導出された器具配線部を具備していることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオード照明装置。
- 照明装置本体は、その発光部が、多数の発光ダイオードを実装した基板および各発光ダイオードに向かって突出した多数の配光制御部を内面に有し、かつ、外面がほぼ平坦面をなして外部に露出している配光制御板を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の発光ダイオード照明装置。
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