JP2004342383A - 有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子 Download PDF

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Hironori Tsujimura
裕紀 辻村
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Abstract

【課題】従来の有機ELディスプレイ素子では、発光層を薄くすると発光層からキャリアが溢れ出し、溢れ出たキャリアは再結合に寄与しないため、逆に発光効率が劣化する。また、輝度を高めるためには、陰極の界面での光の反射による光の干渉を利用して反射光と発光した光の位相を合わせるよう光学膜厚を設定し、さらに、陽極の界面での光の反射をも考慮する必要がある。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、ブロック層のイオン化ポテンシャルが発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機ELエレクトロルミネセンス(以後、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する)ディスプレイ素子に係り、特に輝度を高めた有機ELディスプレイ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ素子は、例えばガラスからなる基板上に光透過性の電極(陽極)を形成し、陰極である電子注入電極と陽極である正孔注入電極の間に一層又は複数層の有機化合物層(有機EL層)が挟まれた構造で構成されている。
【0003】
図1は、従来の有機ELディスプレイ素子の構成を示した図である。図1において、70は従来の有機ELディスプレイ素子、110はAlからなる陰極、114は電子輸送層、118は発光層、120は正孔輸送層、124はITOからなる陽極、126はガラス基板である。
【0004】
図1において、従来の有機ELディスプレイ素子70は、電子注入電極であるAl陰極110と、正孔注入電極であるITO陽極124から、電子輸送層114と正孔輸送層120をそれぞれ介して電子と正孔とを発光層118の発光中心で再結合させて有機分子を励起状態にし、この有機分子が励起状態から基底状態に戻るときに蛍光を発光することを利用するものである。
【0005】
このような有機ELディスプレイ素子において、輝度の向上が望まれている。理論的には発光層118を薄くすると輝度は向上するが、実際には発光層118を薄くすると逆に発光効率が劣化することとなった。
【0006】
一方、より輝度の高い有機ELディスプレイ素子を得るために陰極からの反射光を有効に利用することが考えられている。例えば、膜厚輝度減衰特性の2次極大値を生ずる膜厚を含みかつその振幅がその収束輝度値を超える輝度を生ずる範囲内の膜厚を有することで高輝度化を図るものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0007】
また、陰極を鏡面反射膜で作成し、当該鏡面からの光の反射と発光した光との干渉によって輝度を高めるために有機多層膜の光学膜厚を
nd=(2N−1)λ/4
とした有機ELディスプレイ素子がある(例えば、特許文献3及び特許文献4参照。)。ただし、nは屈折率、dは鏡面から発光層の界面までの膜厚、λは発光の中心波長、Nは正の整数である。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−328294号公報
【特許文献2】
特開平4−328295号公報
【特許文献3】
特開2000−323277号公報
【特許文献4】
特開2002−289358号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
発明者は、従来の有機ELディスプレイ素子では、発光層を薄くすると発光効率が劣化するのは、薄くした発光層からキャリアが溢れ出し、溢れ出たキャリアは再結合に寄与しないため、逆に発光効率が劣化すると推測した。そのため、発明者らは、発光層を薄くしつつ、キャリアを閉じ込めて発光効率を向上させることを案出した。
【0010】
また、発明者は発光層の発光領域が広がりを持ち、陰極界面からの光の反射に対しては、発光層の界面ではなく、発光層の発光領域の中心から陰極の界面までの光学膜厚が所定の厚さのときに輝度が高まることを見出した。
【0011】
さらに、陰極の界面での光の反射による光の干渉を利用して反射光と発光した光の位相を合わせるよう光学膜厚を設定して輝度を高めるに留まらず、近年の素子製造技術の進展により、陽極の界面が粗面でなくなるにつれて陽極の界面での光の反射による影響をも考慮した有機ELディスプレイ素子が望まれていた。
【0012】
【課題を解するための手段】
前述の目的を達成するために、本願第一の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0013】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0014】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0015】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0016】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該正孔輸送層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0017】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該正孔輸送層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0018】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層からの正孔をブロックできる程度に該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0019】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層からの正孔をブロックできる程度に該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0020】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該正孔輸送層の電子親和力が該発光層からの電子をブロックできる程度に該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0021】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該正孔輸送層の電子親和力が該発光層からの電子をブロックできる程度に該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0022】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、該陰極の該発光層の側の界面から該発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0023】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、該陽極の該基板の側の界面から該発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/2(λは該発光層で発光する光の中心波長)の整数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0024】
本願他の発明は、陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、該陽極の該基板の側の界面から該陰極の該発光層の側の界面までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0025】
本願他の発明は、前記陰極の前記発光層の側の界面から前記発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/4(λは前記発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しいことを特徴とする前記記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0026】
本願他の発明は、前記陽極の前記基板の側の界面から前記発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/2(λは前記発光層で発光する光の中心波長)の整数倍に略等しいことを特徴とする前記記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0027】
本願他の発明は、前記陽極の前記基板の側の界面から前記陰極の前記発光層の側の界面までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しいことを特徴とする前記記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0028】
本願他の発明は、前記光学膜厚が発光層で発光する光の中心波長に応じて異なることを特徴とする前記記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子である。
【0029】
本願において、発光層の発光領域とは、発光層の中で実際に発光している領域をいう。また、光学膜厚とは、媒体中を光が進行する場合に、同じ時間に真空中を光が進行する距離(厚さ)をいい、λは発光層で発光する光の中心波長であって、真空中での波長をいう。
【0030】
【発明の実施の形態】
図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態を説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子の構成例を示している。図2において、10は有機ELディスプレイ素子、110は陰極としてのAl陰極、112は電子注入層、114は電子輸送層、116はブロック層、118は発光層、120は正孔輸送層、122は正孔注入層、124は陽極としてのITO陽極、126は基板としてのガラス基板である。
【0031】
本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子は、例えばガラスで構成され基板として機能するガラス基板126上に透明電極からなる陽極として機能するITO陽極124と、ITO陽極124上に、正孔輸送層124、発光層118及び電子輸送層114とを含んで形成された有機多層膜128と、有機多層膜上に金属からなる陰極として機能するAl陰極110とを備え、さらにブロック層116を含む場合もある。
【0032】
なお、電子注入層112は、Al陰極110から電子を注入する層である。電子輸送層114はAl陰極110から電子注入層114を経て電子を輸送する層であり、電子を注入させ易くする機能を有する。電子輸送層114の材料としては、一般には、Al陰極110より注入された電子を発光層118に伝達する機能を有していればよく、その材料は公知の物質から選択することができる。
【0033】
また、電子注入層112は、電子輸送層114に含めて考えてもよいので、電子輸送層114に言及する場合には、これら電子注入層112について特に言及しなくても電子注入層112を備えていない有機ELディスプレイ素子に限定して述べることを意味するわけではない。
【0034】
なお、正孔注入層122は、ITO陽極124から正孔を注入する層である。正孔輸送層120は、ITO陽極124から正孔を注入させやすくする機能を有する。正孔輸送層120の材料としては、公知の光伝導材料の正孔注入材料として用いられているもの、あるいは有機EL装置の正孔注入層に使用されている公知のもののなから選択して用いることができる。正孔輸送層の材料は、正孔の注入容易性あるいは電子の障壁性のいずれかの機能を有するものであり、有機物あるいは無機物のいずれでもよい。
【0035】
また、正孔注入層122は、正孔輸送層120に含めて考えてもよいので、正孔輸送層120に言及する場合には、正孔注入層122について特に言及しなくても正孔注入層122を備えていない有機ELディスプレイ素子に限定して述べることを意味するわけではない。
【0036】
発光層118は、発光材料として有機発光材料を用いることができる。有機発光材料を用いることにより例えば半導体材料は無機材料を用いた場合に比べて材料の選択の幅が広がり、種々の波長の光を発光することが可能となる。
【0037】
陰極としては、Alに限らず、仕事関数の小さい、電子注入の容易な電子注入性金属、合金電気伝導性化合物およびこれらの混合物を用いることができる。例えば、Li、Mg、Au、Ag又はこれらの合金である。
【0038】
陽極としては、仕事関数の大きい金属、合金電気伝導性化合物またはこれらの混合物を用いることができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、CuI(沃化銅)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、SnO(酸化スズ)、In(酸化インジウム)、ZnO(酸化亜鉛)等の酸化物、AuやNi等の金属がある。
【0039】
一般に、有機EL層での正孔と電子の移動性は各材料のLowest Unoccupied Molecular Orbital(以下、「LUMO」という。)のポテンシャル準位に依存し、正孔の移動性はHighest Occupied Molecular Orbital(以下、「HOMO」という)のポテンシャル準位に依存する。このことは、電子輸送層及び正孔輸送層のキャリアは、各材料の固有のポテンシャル準位の上限と下限とに応じて移動することを意味する。電極を含む全体として考えると、電子は各材料の電子親和力(eV)に応じて移動性が決まり、正孔は各材料のイオン化ポテンシャル(eV)に応じて移動性が決まることになる。
【0040】
陰極から電子輸送層への電子の注入に関しては陰極の電子親和力と電子輸送層のLUMOとの間にポテンシャルの障壁があるが、陰極および陽極との間に所定値の電圧を印加することにより電子がポテンシャルを乗り越えて電子が移動することができる。
【0041】
また、陽極から正孔輸送層への正孔の注入に関しては、陽極のイオン化ポテンシャルと正孔輸送層の材料のHOMOとの間にポテンシャルの障壁があるが、陽極および陰極との間に電圧を印加することにより正孔がそのポテンシャルの障壁を乗り越えて移動することができる。
【0042】
図3は、本発明の有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位の例を示す図である。図3において、514は電子輸送層のHOMO、518はブロック層のHOMO、520は発光層のHOMO、522は正孔輸送層のHOMO、524は陽極のHOMO、526は真空中の準位である。真空中の準位526とそれぞれのHOMOの準位の差がイオン化ポテンシャル534となる。
【0043】
図3に示すように、陽極のHOMO524よりも正孔輸送層のHOMO522のイオン化ポテンシャルが大きいので、陽極に所定のエネルギーを与えることによって正孔が正孔輸送層に注入され、正孔輸送層のHOMO522に転移する。そして、発光層のHOMO520は正孔輸送層のHOMO522よりもイオン化ポテンシャルが小さいため、正孔は発光層へと注入される。
【0044】
発光層では電子と正孔がそれぞれ注入され、電子と正孔の再結合に伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際にEL発光する。ここで、発光層を薄くすると発光効率は向上するため、発光層を出来るだけ薄くすることが望ましい。しかし、発光層をあまり薄くすると正孔が電子輸送層に溢れ出てしまい、発光効率は減少する。そこで、発光層と電子輸送層の間に、イオン化ポテンシャルが発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいブロック層を配置する。ブロック層のイオン化ポテンシャルは、発光層からの正孔が電子輸送層に流出するのをブロックできる程度に発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいことが好ましい。
【0045】
このブロック層は例えば、BCP(バソクプロイン)等で構成することができる。このようなブロック層を配置することにより、正孔輸送層から発光層に供給された正孔が、発光層から電子輸送層に溢れ出ることを防止することができる。ここで、BCPは、下記の式で示される。
【化1】
Figure 2004342383
【0046】
また、このときの電子輸送層の材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよいため、一般的には、その材料は公知の物質から選択することができる。一般的には、Alq3(アルミキノリノール錯体)が用いられる。さらに、CBP(4,4’−di(N−carbazole) biphenyl)を用いることができる。CBPは隣光材料をドーパントとして用いたときのホスト材料として用いられることがある。CBPは、下記の式で表される。
【化2】
Figure 2004342383
【0047】
従って、ブロック層のイオン化ポテンシャルを発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きくすることによって、正孔輸送層から発光層に注入された正孔が電子輸送層に溢れ出ることを防止することができた。これによって、発光層を薄くして発光効率を向上させることができた。
【0048】
図4は、本発明の有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位の例を示す図である。図4において、513は陰極のLUMO、515は電子輸送層のLUMO、519はブロック層のLUMO、521は発光層のLUMO、523は正孔輸送層のLUMO、526は真空中の準位である。真空中の準位526とそれぞれのLUMOの準位の差が電子親和力535となる。
【0049】
図4に示すように、陰極のLUMO513よりも電子輸送層のLUMO515の電子親和力が小さいので、陰極に所定のエネルギーを与えることによって電子が電子輸送層に注入され、電子輸送層のLUMO515に転移し、さらには、電子輸送層と発光層との間に設けられたブロック層の準位を超えるエネルギーを供給することでブロック層に注入され、ブロック層のLUMO519に転移する。発光層のLUMO521はブロック層のLUMO519よりも電子親和力が大きいため、電子は発光層へと容易に注入される。
【0050】
発光層では電子と正孔がそれぞれ注入され、電子と正孔の再結合に伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際にEL発光する。発光層が薄いと電子は正孔輸送層に溢れ出ることになる。そこで、電子親和力が発光層の電子親和力よりも小さい正孔輸送層とする。正孔輸送層の電子親和力は、発光層からの電子が正孔輸送層に流出するのをブロックできる程度に発光層の電子親和力よりも小さいことが好ましい。
【0051】
正孔輸送層の電子親和力を発光層の電子親和力よりも小さくすることによって、発光層に注入された電子が正孔輸送層に溢れ出ることを防止することができた。これによって、発光層を薄くして発光効率を向上させることができた。
【0052】
図5は、本発明の有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位の例を示す図である。図5において、513は陰極のLUMO、514は電子輸送層のHOMO、515は電子輸送層のLUMO、518はブロック層のHOMO、519はブロック層のLUMO、520は発光層のHOMO、521は発光層のLUMO、522は正孔輸送層のHOMO、523は正孔輸送層のLUMO、524は陽極のHOMO、526は真空中の準位である。真空中の準位526とそれぞれのHOMOの準位の差がイオン化ポテンシャル534となり、真空中の準位526とそれぞれのLUMOの準位の差が電子親和力535となる。
【0053】
図5に示すように、陽極のHOMO524よりも正孔輸送層のHOMO522のイオン化ポテンシャルが大きいので、陽極に所定のエネルギーを与えることによって正孔が正孔輸送層に注入され、正孔輸送層のHOMO522に転移する。そして、発光層のHOMO520は正孔輸送層のHOMO522よりもイオン化ポテンシャルが小さいため、正孔は発光層へと注入される。
【0054】
また、陰極のLUMO513よりも電子輸送層のLUMO515の電子親和力が小さいので、陰極に所定のエネルギーを与えることによって電子が電子輸送層に注入され、電子輸送層のLUMO515に転移し、さらには、電子輸送層と発光層との間に設けられたブロック層の準位を超えるエネルギーを供給することでブロック層に注入され、ブロック層のLUMO519に転移する。発光層のLUMO521はブロック層のLUMO519よりも電子親和力が大きいため、電子は発光層へと容易に注入される。
【0055】
発光層では電子と正孔がそれぞれ注入され、電子と正孔の再結合に伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際にEL発光する。ここで、発光層を薄くすると発光効率は向上するため、発光層を出来るだけ薄くすることが望ましい。しかし、発光層をあまり薄くすると正孔が電子輸送層に、電子は正孔輸送層に溢れ出てしまい、発光効率は減少する。そこで、発光層と電子輸送層の間に、イオン化ポテンシャルが発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいブロック層を配置する。ブロック層のイオン化ポテンシャルは、発光層からの正孔が電子輸送層に流出するのをブロックできる程度に発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいことが好ましい。さらに、電子親和力が発光層の電子親和力よりも小さい正孔輸送層とする。正孔輸送層の電子親和力は、発光層からの電子が正孔輸送層に流出するのをブロックできる程度に発光層の電子親和力よりも小さいことが好ましい。
【0056】
ブロック層のイオン化ポテンシャルを発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きくすることによって、正孔輸送層から発光層に注入された正孔が電子輸送層に溢れ出ることを防止することができた。また、正孔輸送層の電子親和力を発光層の電子親和力よりも小さくすることによって、発光層に注入された電子が正孔輸送層に溢れ出ることを防止することができた。これによって、発光層を薄くして発光効率を向上させることができた。
【0057】
光学膜厚を光の干渉により光が強め合うように設計することを考える。有機ELディスプレイ素子は、電子輸送層114、正孔輸送層120に代表される有機多層膜の光学膜厚が発光層で発光する光の波長と同程度のオーダの厚さのため、内部で光の干渉が起こり、有機多層膜の光学膜厚によって輝度が大きく変化してしまう。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子を例に発光時の光の干渉状態を示した図である。図6において、110は陰極としてのAl陰極、114は電子輸送層、118は発光層、120は正孔輸送層、124は陽極としてのITO陽極、126は基板としてのガラス基板である。図6には、発光層118の発光領域の中心から電子輸送層114を経由したAl陰極110の発光層の側の界面までの光学膜厚がL1で示されている。また、発光点は黒丸で示されている。実際には、発光領域は、正孔輸送層120に近い発光層118にあると考えられる。
【0059】
図6によれば、発光層118の発光領域の中心から図面上下方向に発光した光が進行する。この光は図面上方に向かった場合にはAl陰極110と電子輸送層114との界面が鏡面として機能する。ここで、発光が発光層118の発光領域の中心だけで起こっている理想的な場合を考える。Al陰極110の発光層の側の界面での反射に当たっては光学的に疎な物質である電子輸送層から光学的に密なAl金属からなるAl陰極110に対しての反射であるから、反射に際して位相が反転する。そうすると、光の干渉により光が強め合うためには、図で示した有機多層膜の光学膜厚L1が、L1=(2m−1)λ/4(ただし、mは正の整数、λは発光層で発光する光の中心波長)を満たすことが必要であり、この条件を満たせば光の強度は高まることになる。
【0060】
図7は、本発明に係る有機ELディスプレイ素子の有機多層膜の光学膜厚L1と輝度との関係を示した図である。図7の(1)で示した曲線から明らかなように、輝度は光学膜厚L1とともに正弦波的に変化する。光学膜厚が最適な値をとるときに輝度はピークになり、光学膜厚が反射波と位相がずれるに従って輝度は下がり、直接波と反射波との位相が完全に逆になっている場合には輝度は最も下がる曲線を描く。
【0061】
つまり、陰極の発光層の側の界面から発光層の発光領域の中心までの光学膜厚L1をλ/4の奇数倍に略等しくすると、発光層から陽極に向かう光の強度を高めることができる。
【0062】
図8は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子を例に発光時の光の干渉状態を示した図である。図8において、110は陰極としてのAl陰極、114は電子輸送層、118は発光層、120は正孔輸送層、124は陽極としてのITO陽極、126は基板としてのガラス基板である。図8には、発光層118の発光領域の中心から正孔輸送層120を経由したITO陽極24のガラス基板126の側の界面までの光学膜厚がL2で示されている。また、発光点は黒丸で示されている。
【0063】
図8によれば発光層118の発光領域の中心から図面上下方向に発光した光が進行する。この光は図面下に向かった場合にはITO陽極24とガラス基板126との界面が鏡面として機能する。ここで、発光が発光層118の発光領域の中心だけで起こっている理想的な場合を考える。反射に当たってはITO陽極124の屈折率が約1.9であり、ガラス基板126の屈折率が約1.5であることを考えると反射に際して位相がずれることはない。そうすると、光の干渉により光が強め合うためには、図で示した光学膜厚L2が、L1=(2m−1)λ/2(ただし、mは正の整数、λは発光層で発光する光の中心波長)を満たすことが必要であり、この条件を満たせば光の強度は高まることになる。
【0064】
図9は、本発明に係る有機ELディスプレイ素子の有機多層膜の光学膜厚L2と輝度との関係を示した図である。図9の(1)に示した曲線から明らかなように、輝度は光学膜厚L2とともに正弦波的に変化する。光学膜厚が最適な値をとるときに輝度はピークになり、光学膜厚が反射波と位相がずれるに従って輝度は下がり、直接波と反射波との位相が完全に逆になっている場合には輝度は最も下がる曲線を描く。
【0065】
つまり、陽極の基板側の界面から発光層の発光領域の中心までの光学膜厚L2をλ/2の整数倍に略等しくすると、発光層から陰極に向かう光の強度を高めることができる。
【0066】
図10は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子を例に発光時の光の干渉状態を示した図である。図10において、110は陰極としてのAl陰極、114は電子輸送層、118は発光層、120は正孔輸送層、124は陽極としてのITO陽極、126は基板としてのガラス基板である。図10には、発光層118の発光領域の中心から電子輸送層114を経由したAl陰極110の発光層の側の界面までの光学膜厚がL1、発光層118の発光領域の中心から正孔輸送層120を経由したITO陽極24のガラス基板126の側の界面までの光学膜厚がL2で示されている。また、発光点は黒丸で示されている。
【0067】
図10によれば発光層118の発光領域の中心から図面上下方向に発光した光が進行する。この光は図面上方に向かった場合にはAl陰極110と電子輸送層114との界面が鏡面として機能する。この光が図面下に向かった場合にはITO陽極24とガラス基板126との界面が鏡面として機能する。ここで、発光が発光層118の発光領域の中心だけで起こっている理想的な場合を考える。Al陰極の界面での反射に当たっては光学的に疎な物質である電子輸送層から光学的に密なAl金属からなるAl陰極110に対しての反射であるから反射に際して位相が反転する。ITO陽極124とガラス基板126との界面での反射に当たってはITO陽極124の屈折率が約1.9であり、ガラス基板126の屈折率が約1.5であることを考えると反射に際して位相がずれることはない。そうすると、光の干渉により光が強め合うためには、図で示した有機多層膜の光学膜厚L1+L2が、L1+L2=(2m−1)λ/4(ただし、mは正の整数、λは発光層で発光する光の中心波長)を満たすことが必要であり、この条件を満たせば光の強度は高まることになる。
【0068】
本発明に係る有機ELディスプレイ素子の有機多層膜の光学膜厚L1+L2と輝度との関係も図7と同様になる。つまり、陰極の発光層の側の界面から陽極の基板側の界面までの光学膜厚L1+L2をλ/4の奇数倍に略等しくすると、発光層から陽極又は陰極に向かう光の強度を高めることができる。
【0069】
カラー表示の有機ELディスプレイ素子の場合では、各発光層で発光する光の中心波長に合わせて光学膜厚L1やL2を変えることになる。例えば、光学膜厚L1を変えるには、発光層、電子輸送層、電子注入層、ブロック層の膜厚を調整して前述した条件を満たすように設定する。また、膜厚を調整する層を設けて前述した条件を満たすように設定してもよい。光学膜厚L2を変えるには、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の膜厚を調整して前述した条件を満たすように設定する。また、膜厚を調整する層を設けて前述した条件を満たすように設定してもよい。さらに、光学膜厚L1+L2を変えるには、発光層、電子輸送層、電子注入層、ブロック層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の膜厚を調整して前述した条件を満たすように設定する。また、膜厚を調整する層を設けて前述した条件を満たすように設定してもよい。
【0070】
ところで、図7の(1)又は図9の(1)は、発光層の発光領域の中心だけで発光する理想的な場合であって、実際は、発光領域が広がりを持っているため、理想的な値から外れてくる。すなわち、各発光点から光が進行する発光領域内の距離が上記した条件式の光学膜厚に算入されるため、位相のずれが生じ、干渉による輝度は図9の(2)又は図10の(2)で示した曲線となる。
【0071】
発光領域の厚さが増すにつれ、有機ELディスプレイ素子の輝度はピーク性の小さいなだらかな曲線になっていく。以上より、発光領域が広がるとそれだけピーク強度は小さくなることになる。図9の(2)又は図10の(2)から、高い輝度を得るには、発光領域を薄くする必要があることが分かる。
【0072】
発光層を薄くして発光領域を薄くすることを考える。発光層を薄くするとピーク性は大きくなるが、発光層を薄くし過ぎると、電子又は正孔が発光層から溢れ出して、逆に発光効率が減少する。そのためには、前述したような正孔や電子が発光層から溢れ出すことを防止する手段を施した上で、光学膜厚L1、L2、L1+L2の厚さを最適なものとすると、干渉を利用して輝度を高める方法が一層有効になる。
【0073】
例えば、発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャルのブロック層や、発光層の電子親和力よりも小さい電子親和力のブロック層を発光層と電子輸送層との間に設けることによって、正孔を薄い発光層に閉じ込めて、図9の(2)の曲線から(1)への曲線に、又は図10の(2)の曲線から(1)の曲線のようにピーク性を大きくすることができる。
【0074】
また、発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいイオン化ポテンシャルの正孔輸送層や、発光層の電子親和力よりも小さい電子親和力の正孔輸送層とすることによって、電子を薄い発光層に閉じ込めて、図9の(2)の曲線から(1)への曲線に、又は図10の(2)の曲線から(1)の曲線のようにピーク性を大きくすることができる。
【0075】
従って、干渉を利用して有機ELディスプレイ素子の輝度を高めるためには、発光層を薄くすることが有効であった。
【0076】
【発明の効果】
正孔や電子を発光層に閉じ込めることによって、有機ELディスプレイ素子の発光効率を向上させることができる。また、干渉を利用して有機ELディスプレイ素子の輝度を高めることができる。さらに、干渉を利用する際には、正孔や電子を薄くした発光層に閉じ込めることで有機ELディスプレイ素子の発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の有機ELディスプレイ素子の構成を示した図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子の構成を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子のポテンシャル準位を示した図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子の発光時の干渉を説明する図である。
【図7】本発明に係る有機ELディスプレイ素子の輝度と光学膜厚との関係を示した図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子の発光時の干渉を説明する図である。
【図9】本発明に係る有機ELディスプレイ素子の輝度と光学膜厚との関係を示した図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子の発光時の干渉を説明する図である。
【符号の説明】
10:有機ELディスプレイ素子
70:従来の有機ELディスプレイ素子
110:陰極としてのAl陰極
112:電子注入層
114:電子輸送層
116:ブロック層
118:発光層
120:正孔輸送層
122:正孔注入層
124:陽極としてのITO陽極
126:は基板としてのガラス基板
513:陰極のLUMO
514:電子輸送層のHOMO
515:電子輸送層のLUMO
518:ブロック層のHOMO
519:ブロック層のLUMO
520:発光層のHOMO
521:発光層のLUMO
522:正孔輸送層のHOMO
523:正孔輸送層のLUMO
524:陽極のHOMO
526:真空中の準位
534:真空中の準位とそれぞれのHOMOの準位の差
535:真空中の準位とそれぞれのLUMOの準位の差

Claims (17)

  1. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  2. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  3. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  4. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  5. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該正孔輸送層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  6. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該正孔輸送層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  7. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層からの正孔をブロックできる程度に該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  8. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該ブロック層のイオン化ポテンシャルが該発光層からの正孔をブロックできる程度に該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該ブロック層の電子親和力が該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  9. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該正孔輸送層の電子親和力が該発光層からの電子をブロックできる程度に該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  10. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層とブロック層と電子輸送層とを含み、
    該正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが該発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きく、かつ該正孔輸送層の電子親和力が該発光層からの電子をブロックできる程度に該発光層の電子親和力よりも小さい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  11. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、
    該陰極の該発光層の側の界面から該発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  12. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、
    該陽極の該基板の側の界面から該発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/2(λは該発光層で発光する光の中心波長)の整数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  13. 陰極と基板上の陽極とで挟まれた有機エレクトロルミネセンス層が、陽極側から順に少なくとも正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを含み、
    該陽極の該基板の側の界面から該陰極の該発光層の側の界面までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しい有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  14. 前記陰極の前記発光層の側の界面から前記発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/4(λは前記発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しいことを特徴とする請求項1から10に記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  15. 前記陽極の前記基板の側の界面から前記発光層の発光領域の中心までの光学膜厚が、λ/2(λは前記発光層で発光する光の中心波長)の整数倍に略等しいことを特徴とする請求項1から10に記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  16. 前記陽極の前記基板の側の界面から前記陰極の前記発光層の側の界面までの光学膜厚が、λ/4(λは該発光層で発光する光の中心波長)の奇数倍に略等しいことを特徴とする請求項1から10に記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  17. 前記光学膜厚が発光層で発光する光の中心波長に応じて異なることを特徴とする請求項11から16に記載のいずれかの有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
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