JP2004342228A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】「電気的濡れ現象」を利用した屈折作用可変光学要素を用いて、光情報記録媒体への記録再生を行う光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光情報記録媒体に記録再生を行う光ピックアップ装置は、光束を出射する光源LDと、光束を集光させる対物光学素子OBLを有し、絶縁体から成り光束が通過する開口を備えた外殻部材CHに、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体LQ1及び、第1流動体と実質的に同密度で親和性を有せず、第1屈折率と異なる第2屈折率で絶縁性を有する第2流動体LQ2が、開口を介して光束が通過するように密閉充填され、第1流動体に接触する電極P1と、外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加して、外殻部材の第2流動体に対する濡れ性を変化させ、第2流動体の外殻部材内における充填形状を変化させる電圧印加手段を備えた、電気的に光学性能変化が可能な光学要素が、光源と対物光学素子との間に配置される。
【選択図】 図1
【解決手段】光情報記録媒体に記録再生を行う光ピックアップ装置は、光束を出射する光源LDと、光束を集光させる対物光学素子OBLを有し、絶縁体から成り光束が通過する開口を備えた外殻部材CHに、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体LQ1及び、第1流動体と実質的に同密度で親和性を有せず、第1屈折率と異なる第2屈折率で絶縁性を有する第2流動体LQ2が、開口を介して光束が通過するように密閉充填され、第1流動体に接触する電極P1と、外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加して、外殻部材の第2流動体に対する濡れ性を変化させ、第2流動体の外殻部材内における充填形状を変化させる電圧印加手段を備えた、電気的に光学性能変化が可能な光学要素が、光源と対物光学素子との間に配置される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDプレイヤー、CD−ROM/CD−R/CD−RWドライブ、DVDプレイヤー、DVD−ROM/DVD−R/DVD−RW/DVD−RAM、青色レーザーを利用した光ディスク、MO(光磁気ディスク)、MDなどに用いられる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から現在にかけて、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク、あるいはディジタル・バーサタイル・ディスク)などの光情報記録媒体(光ディスク、あるいはメディアともいう)に対して情報の再生・記録を行うための光ピックアップ装置(光ヘッド、光ヘッド装置などともいわれる)が開発・製造され、一般に普及している。
【0003】
また最近では、青色レーザー等を光源として利用した、より高密度・大容量の情報記録を可能とする光情報記録媒体の規格についても研究開発が行われている。
【0004】
そしてこのような光ピックアップ装置は、光源(主にレーザーダイオードが用いられる)から出射された光束を、ビーム整形プリズム、コリメータ、ビームスプリッタ、対物光学素子等の光学素子からなる光学系を介して光ディスクの情報記録面に集光させてスポットを形成し、記録面上の情報記録孔(ピットともいう)からの反射光を、再度光学系を介して今度はセンサー上に集光させ、電気信号に変換することにより情報を再生する。この際、情報記録孔の形状によって反射光の光束も変化するため、これを利用して、「0」「1」の情報を区別する。なお、光ディスクの情報記録面の上には保護基板(プラスティック製の保護層。カバーガラスともいう)が設けられている。
【0005】
またCD−R、CD−RW等の記録型メディアに情報の記録を行う場合、記録面上にレーザー光束によるスポットを形成し、記録面上の記録材に熱化学変化を生ぜしめる。これによってたとえばCD−Rの場合は熱拡散性色素が不可逆変化することにより、情報記録孔と同様の形状が形成される。CD−RWの場合は相変化型材料を用いているため、熱化学変化によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆変化するので、情報の書き換えが可能である。
【0006】
そしてCD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、対物レンズのNAが0.45前後であり、用いられる光源の波長は785nm前後である。また記録用としては、0.50程度のものが用いられることが多い。なお、CD規格の光ディスクの保護基板厚さは1.2mmである。
【0007】
光情報記録媒体として従来からCDが広く普及しているが、近年は、DVDが急速に普及しつつある。これはCDに比べて保護基板厚を薄くし、さらに情報記録孔を小さくすることにより、情報記録量を多くしたもので、CDが約600〜700MB(メガバイト)程度であるのに対し、片面あるいは一層で約4.7GB(ギガバイト)という大容量の記録容量を有し、映画等の動画像を記録した頒布媒体として用いられることが多い。
【0008】
またDVD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、原理的にはCD用のそれと同じであるが、前述のように情報記録孔が小さくなっていること等から、対物レンズのNAが0.60前後であり、用いられる光源の波長は655nm前後のものが用いられている。また記録用としては、0.65程度のものが用いられることが多い。なお、DVD規格の光ディスクの保護基板厚さは0.6mmである。
【0009】
またDVD規格の光ディスクについても記録型のものが既に実用化されており、DVD−RAM、DVD−RW/R、DVD+RW/Rなどの各規格がある。これらに関する技術的原理もまた、CD規格の場合と同じである。
【0010】
そして上述の通り、さらに高密度・高容量の光ディスクが提案されつつある。これは、主に光源として波長が405nm前後の、いわゆる青紫光のレーザー光源を用いるものである。このように、市場には多種多様の光ディスクが存在するが、スポット径の大きさや保護基板厚などが異なることから、光ピックアップ装置の対物レンズの仕様は、互換用対物レンズを除き、光ディスクの種類に応じて変更することで、種々の条件に合わせて収差補正しているという実情がある。
【0011】
ところで、「電気的濡れ現象」を利用することにより、電気的でありながら、モーター等の駆動手段を用いずに、光学的機能を切り替え可能な光学要素が提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】
特表2001−519539
【特許文献2】
特表2002−540464
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び2は、上述の「電気的濡れ現象」を利用した光学要素に関し、特に流動体の形状を変形させることによって屈折度合いを変化させたり、光軸中心を保持する技術を開示している。
【0013】
しかるに、光ピックアップ装置の光学系には、様々な外乱の影響を排除して、良好な集光スポットを形成する性能が要求されるが、上記の文献には、光ピックアップ装置に用いる光学要素として要求される光学特性や、補正方法、補正対象については何ら開示がない。そこで本発明者は、検討の結果、次のような課題を見出した。
(1)このような「電気的濡れ現象」を利用した、屈折作用可変光学要素は、屈折作用を変化させることはできるが、非電圧印加状態で形成される屈折面の有する収差を考慮する必要がある。
(2)この屈折作用可変光学要素は、製造上の個体差が大きく、キャリブレーションが必要である。
(3)光ピックアップ装置の光学系に用いる光学要素としては、光軸ズレの問題がもっとも重要であるが、それを動的に補正する必要がある。
【0014】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、電気的濡れ現象を利用した光学要素を用いて、光情報記録媒体に対して適切な情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の情報記録面に対して光束を集光させることによって、情報の再生および/または記録を行う光ピックアップ装置において、
前記光束を出射する光源と、前記光情報記録媒体の情報記録面に光束を集光させる対物光学素子とを有し、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填され、前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素(例えば屈折可変光学要素)が、前記光源と前記対物光学素子との間に配置されたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の光ピックアップ装置によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、前記対物光学素子の焦点距離や収差特性等を最適化し、より適切な情報の記録及び/又は再生を行うことができる。
【0017】
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記封止部材が、非球面光学面を有することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記非球面は、前記第1流動体及び前記第2流動体を光束が通過することによって生じる収差を解消する光学面とされていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施の形態を詳細に説明するが、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
本実施の形態では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザー光源を用いた「高密度な光ディスク」を光情報記録媒体としている。保護基板厚は0.6mmである。
【0021】
図1は、本実施の形態に関わる光ピックアップ装置を示す概略図である。レーザーダイオードLDは、光源であり、波長λが405nmの青紫色レーザーが用いられるが、波長が390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用することができる。
【0022】
ビームスプリッタBSは、レーザーダイオードLDからの光束を入射して対物光学素子OBL側へと透過させるが、光ディスク(光情報記録媒体)Dからの反射光(戻り光)について、センサーレンズSLを経て受光センサーPDに集光させる機能を有する。
【0023】
レーザーダイオードLDから出射された光束は、コリメータCOLに入射し、これによって無限平行光にコリメートされたのち、屈折作用可変光学要素VREを介して対物レンズOBLに入射する。そして光ディスクDの保護基板を介して情報記録面上に集光スポットを形成する。ついで情報記録面上で反射したのち、同じ経路をたどって、1/4波長板Qによって偏光方向を変えられ、ビームスプリッタBSによって進路を曲げられ、センサーレンズSLを経てセンサーPDに集光する。このセンサーPDによって光電変換され、電気的な信号となる。
【0024】
なお対物光学素子OBLは、この図では単一のレンズであるが、必要に応じて複数の光学素子から構成されるようにしてもよい。また材質はプラスティック樹脂でもよいし、ガラスでも良い。さらに必要に応じて、回折面を設けることもできる。また絞りAPによって、光束径が定められるようになっている。
【0025】
そして、アクチュエーターACによって、フォーカシングが行われる。なお、光情報記録媒体の保護基板厚、さらにピットの大きさにより、対物光学素子OBLに要求される開口数も異なる。ここでは、「高密度な光ディスク」の開口数は0.65としている。
【0026】
次に、屈折作用可変光学要素VREについて説明する。CHは外殻部材であり、絶縁体によって形成されている。またP1で示す電極部材が外殻部材CHの内部に配設されている。つまり多数の電極部材P1が、光軸方向及び周方向に、所定の間隙を介して多数配列されていることになる。これにより、複雑な流体形状制御が可能となる。一方、P2は、外殻CHの密閉充填部に突出して設けられ、第1流動体LQ1に接触する電極である。尚、電極P2は絶縁性があり且つ流体密封性がある部材を介して外殻部材CHに取り付けられている。
【0027】
LQ1は第1流動体であり、導電性を有し、また第1屈折率を有する。ここでは食塩水を用いている。LQ2は絶縁性を有する第2流動体であり、第1屈折率よりも大きい第2屈折率を有する。ここでは油を用いており、そのため第1流動体とは親和性がきわめて低く、混合せずに2層状態が保たれる。ここでは、第2流動体LQ2が凸レンズ形状をとり、第1流動体LQ1が凹レンズ形状をとる。これら2つの流動体LQ1,LQ2は、外殻部材CHの中に密閉充填されており、開口HOを介して光学像が通過可能になっている。
【0028】
PLT1は、外殻部材CHの開口HO側(下側)を封止する第1封止部材を構成するプラスティック平板であり、PL2は、外殻部材CHの開口HOの反対側(上側)を封止する第2封止部材であり、これまたプラスティック平板であるが、例えば非球面からなる光学機能面を有していても良い。
【0029】
なおここでは、屈折率可変光学要素2を独立した光学要素とした例を開示しているが、他の光学要素と一体化してもかまわない。
【0030】
Vとして模式的に示す電圧印加手段は、電極P1、電極P2に接続されており、必要に応じて電圧を印加し、電界を生じさせる。これによって「電気的濡れ現象」が生じ、第2流動体LQ2の形状が変化し、屈折作用が変化する。
【0031】
なお、この例では電極部材P1が多数配置され、必要に応じて様々な電界を生じさせ、もって電気的濡れ現象の多様な制御を行うことができる。しかしこの例に限らず、目的に応じて、電極の配置位置・数をより限定的なものとしても、もちろんかまわない。さらにまた、電界形成によって濡れ作用を変化させているが、たとえばインクジェットの一方式である、バブルジェット方式のように、熱を発生させて気泡を生じさせて、これによって容積を変化させ、もって第2流動体LQ2の形状を変形させて屈折率変化を起こす方法も採用できる。
【0032】
さて、各流動体LQ1,LQ2によって形成されている屈折面は、単体で無収差ではなく、様々な収差を内在した状態にある。そこで上述のとおり、第1封止部材PLT1および/または第2封止部材PLT2を非球面光学機能面とすることにより、この問題を解決することができる。
【0033】
このため、電圧を印加していない状態でも、無収差で光学要素として用いることができ、また非球面形状をさらに工夫することにより、電圧を印加している状態、していない状態にかかわらず、流動体の屈折面によって生じる収差を補正する光学面とすることも可能である。
【0034】
なお外殻部材CHの開口HOの形状は、真円状でなくともよい。後述の通り、補正する対象がAS(非点収差)であるなど、非軸対象の補正を行う場合は、それを生じさせやすい開口形状としておくことが好ましい。かかる場合、楕円形状や、矩形形状とすることができる。
【0035】
また模式的に示す記憶手段Mは、電圧印加手段Vに印加する電圧値と、それに基づいて流動体LQ2が形成する屈折面の屈折作用との対応関係を示すLUTを記憶している。これは予め設計・実験して得られた値を記録したROM部と、個々の個体差を解消するためのキャリブレーションを行って補正値を記憶したRAM部分とからなっている。
【0036】
そして同様に模式的に示す制御手段CTRは、図示しない情報記録再生装置本体側CPU(不図示)からの指示にもとづいて、所望の屈折面を形成するべく、屈折作用にもとづいて記憶手段から電圧値を読み出し、電圧印加手段Vに指示する。
【0037】
また記憶手段Mは、他の外乱(例えば温度変化)を補正するために、検出された外乱(例えば温度センサーTSで検出する温度変化)に対して、屈折作用を変化させて補正を行うためのLUTを記憶していても良い。
【0038】
以下に、この電気的濡れ現象を利用した、屈折作用可変光学要素VREを用いた制御の例について説明する。
(1)焦点距離調節を行う例
電圧を印加しない状態と電圧を印加した状態とで、焦点距離が変化するようにする。
【0039】
(2)ピント調整を行う例
電圧を印加することによって、屈折作用を変化させ、ピント調整を行う。これにより、場合によってはアクチュエーターを省いて低コスト化することができる。
【0040】
(3)収差補正を行う場合
電圧印加を工夫することにより、屈折面を非球面とする。これによって、色収差のみならず、像面歪曲や、コマ収差などの様々な収差を補正する。さらに、温度センサーTSを設けておき、温度差によって屈折率変化が生じ、これによって発生する球面収差を補正することも可能である。このような温度センサーTSは、光源の近傍だけでなく、装置中の様々な箇所に設けることが可能である。さらにまた、異なった規格の光ディスクに対して情報の再生および/または記録を行う場合、基板厚の差によって生じる球面収差を解消する必要があるが、それを補正することもできる。とくに、品質の低い光ディスクに対して、基板厚の製造誤差があるような場合にも対応可能になる。
【0041】
(4)シフト調整を行う場合
光学系中の光軸がずれている場合、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸をシフトさせ、各光学要素の光軸を一致させる。同様の考え方で偏心補正も可能である。
【0042】
(5)チルト調整を行う場合
上記の場合と同様に、光軸が互いに傾いている場合にも補正の必要がある。そこで、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸を傾けて、所望の軸角度となるように調整する。
【0043】
(6)アス(非点収差)補正を行う場合
光軸(Z軸)に対して、ある直角な方向(X方向)と、それにさらに直交する方向(Y方向)とで光線が収差を有する場合、それらを補正するために、電圧印加を工夫することにより、X方向とY方向の曲率をことならしめ、非点収差を補正する。上述の通り、この場合は開口部HOの形状を真円状にしないほうが好ましい。
【0044】
(7)回折面を形成する場合
図2に、この例の模式図を示す。電圧印加手段Vから、高周波の電圧を印加することにより、概略サインカーブ状に波打った面を形成させ、擬似的な回折面を形成する。印加する電圧と周波数とをコントロールすることにより、回折面の深さD・ピッチPを制御する。また、周波数重畳により、非球面と回折面との組合せを自由にコントロール可能である。これによって、色収差・球面収差などを自由に補正することが可能になる。
【0045】
次に、流動体について説明する。充填する流動体は、光学要素素材として分散が小さいことが好ましいことから、アッベ数が比較的小さいことが望まれる。さらに流動体については、特許文献1,2の従来技術にあるとおりのものを採用することができるが、次のような工夫を加えることもできる。
(1)流動体に微粉末を分散させて、屈折率を調整する。たとえば、流動体として水や油を用いても、屈折率が補正する機能との関係でマッチしていないことがある。そこで、透過率を下げない程度に微粉末を分散させることにより、屈折率を調整する。
(2)流動体に着色することにより、濃度可変のNDフィルタとする。これは第1流動体、第2流動体のどちらでもよく、また両方に着色してもよい。
(3)特に凹レンズ形状となる第1流動体に着色することにより、意図的に周辺光量を低下させ、アポタイゼーションフィルタと同様の機能もたせる。
(4)流動体に、IRカット機能を有するものを採用する。これにより、封止板やその他の光学素子として、IRカット機能を有するものを組み込む必要がなくなり、小型化に寄与できる。
(5)流動体に、液晶成分を用いることにより、電圧印加によって、形状を変形させるだけでなく、偏光状態も変化させて、偏光補正を行う。
【0046】
なお、本発明では、青色レーザーを用いた光ピックアップ装置について説明してきたが、CD、DVD、あるいは「高密度な光ディスク」の互換ピックアップ装置に適用できることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
上記の通り、光ピックアップ装置の光学系に、電気的に屈折作用を切り替え可能な光学用要素を組み合わせることにより、多用途で、様々な補正や調整が可能な光ピックアップ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施の形態に関わる光ピックアップ装置を示す概略図である。
【図2】屈折作用可変光学要素の変形例にかかる一部断面図である。
【符号の説明】
LD レーザーダイオード
COL コリメータ
BS ビームスプリッタ
VRE 屈折作用可変光学要素
Q 1/4波長板
AP 絞り
OBL 対物光学素子
D 光ディスク
PD センサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDプレイヤー、CD−ROM/CD−R/CD−RWドライブ、DVDプレイヤー、DVD−ROM/DVD−R/DVD−RW/DVD−RAM、青色レーザーを利用した光ディスク、MO(光磁気ディスク)、MDなどに用いられる光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から現在にかけて、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク、あるいはディジタル・バーサタイル・ディスク)などの光情報記録媒体(光ディスク、あるいはメディアともいう)に対して情報の再生・記録を行うための光ピックアップ装置(光ヘッド、光ヘッド装置などともいわれる)が開発・製造され、一般に普及している。
【0003】
また最近では、青色レーザー等を光源として利用した、より高密度・大容量の情報記録を可能とする光情報記録媒体の規格についても研究開発が行われている。
【0004】
そしてこのような光ピックアップ装置は、光源(主にレーザーダイオードが用いられる)から出射された光束を、ビーム整形プリズム、コリメータ、ビームスプリッタ、対物光学素子等の光学素子からなる光学系を介して光ディスクの情報記録面に集光させてスポットを形成し、記録面上の情報記録孔(ピットともいう)からの反射光を、再度光学系を介して今度はセンサー上に集光させ、電気信号に変換することにより情報を再生する。この際、情報記録孔の形状によって反射光の光束も変化するため、これを利用して、「0」「1」の情報を区別する。なお、光ディスクの情報記録面の上には保護基板(プラスティック製の保護層。カバーガラスともいう)が設けられている。
【0005】
またCD−R、CD−RW等の記録型メディアに情報の記録を行う場合、記録面上にレーザー光束によるスポットを形成し、記録面上の記録材に熱化学変化を生ぜしめる。これによってたとえばCD−Rの場合は熱拡散性色素が不可逆変化することにより、情報記録孔と同様の形状が形成される。CD−RWの場合は相変化型材料を用いているため、熱化学変化によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆変化するので、情報の書き換えが可能である。
【0006】
そしてCD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、対物レンズのNAが0.45前後であり、用いられる光源の波長は785nm前後である。また記録用としては、0.50程度のものが用いられることが多い。なお、CD規格の光ディスクの保護基板厚さは1.2mmである。
【0007】
光情報記録媒体として従来からCDが広く普及しているが、近年は、DVDが急速に普及しつつある。これはCDに比べて保護基板厚を薄くし、さらに情報記録孔を小さくすることにより、情報記録量を多くしたもので、CDが約600〜700MB(メガバイト)程度であるのに対し、片面あるいは一層で約4.7GB(ギガバイト)という大容量の記録容量を有し、映画等の動画像を記録した頒布媒体として用いられることが多い。
【0008】
またDVD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、原理的にはCD用のそれと同じであるが、前述のように情報記録孔が小さくなっていること等から、対物レンズのNAが0.60前後であり、用いられる光源の波長は655nm前後のものが用いられている。また記録用としては、0.65程度のものが用いられることが多い。なお、DVD規格の光ディスクの保護基板厚さは0.6mmである。
【0009】
またDVD規格の光ディスクについても記録型のものが既に実用化されており、DVD−RAM、DVD−RW/R、DVD+RW/Rなどの各規格がある。これらに関する技術的原理もまた、CD規格の場合と同じである。
【0010】
そして上述の通り、さらに高密度・高容量の光ディスクが提案されつつある。これは、主に光源として波長が405nm前後の、いわゆる青紫光のレーザー光源を用いるものである。このように、市場には多種多様の光ディスクが存在するが、スポット径の大きさや保護基板厚などが異なることから、光ピックアップ装置の対物レンズの仕様は、互換用対物レンズを除き、光ディスクの種類に応じて変更することで、種々の条件に合わせて収差補正しているという実情がある。
【0011】
ところで、「電気的濡れ現象」を利用することにより、電気的でありながら、モーター等の駆動手段を用いずに、光学的機能を切り替え可能な光学要素が提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】
特表2001−519539
【特許文献2】
特表2002−540464
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び2は、上述の「電気的濡れ現象」を利用した光学要素に関し、特に流動体の形状を変形させることによって屈折度合いを変化させたり、光軸中心を保持する技術を開示している。
【0013】
しかるに、光ピックアップ装置の光学系には、様々な外乱の影響を排除して、良好な集光スポットを形成する性能が要求されるが、上記の文献には、光ピックアップ装置に用いる光学要素として要求される光学特性や、補正方法、補正対象については何ら開示がない。そこで本発明者は、検討の結果、次のような課題を見出した。
(1)このような「電気的濡れ現象」を利用した、屈折作用可変光学要素は、屈折作用を変化させることはできるが、非電圧印加状態で形成される屈折面の有する収差を考慮する必要がある。
(2)この屈折作用可変光学要素は、製造上の個体差が大きく、キャリブレーションが必要である。
(3)光ピックアップ装置の光学系に用いる光学要素としては、光軸ズレの問題がもっとも重要であるが、それを動的に補正する必要がある。
【0014】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、電気的濡れ現象を利用した光学要素を用いて、光情報記録媒体に対して適切な情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の情報記録面に対して光束を集光させることによって、情報の再生および/または記録を行う光ピックアップ装置において、
前記光束を出射する光源と、前記光情報記録媒体の情報記録面に光束を集光させる対物光学素子とを有し、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填され、前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素(例えば屈折可変光学要素)が、前記光源と前記対物光学素子との間に配置されたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の光ピックアップ装置によれば、前記電圧印加手段により前記第2流動体の充填形状を変化させることで、前記対物光学素子の焦点距離や収差特性等を最適化し、より適切な情報の記録及び/又は再生を行うことができる。
【0017】
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記封止部材が、非球面光学面を有することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記非球面は、前記第1流動体及び前記第2流動体を光束が通過することによって生じる収差を解消する光学面とされていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明にかかる実施の形態を詳細に説明するが、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
本実施の形態では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザー光源を用いた「高密度な光ディスク」を光情報記録媒体としている。保護基板厚は0.6mmである。
【0021】
図1は、本実施の形態に関わる光ピックアップ装置を示す概略図である。レーザーダイオードLDは、光源であり、波長λが405nmの青紫色レーザーが用いられるが、波長が390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用することができる。
【0022】
ビームスプリッタBSは、レーザーダイオードLDからの光束を入射して対物光学素子OBL側へと透過させるが、光ディスク(光情報記録媒体)Dからの反射光(戻り光)について、センサーレンズSLを経て受光センサーPDに集光させる機能を有する。
【0023】
レーザーダイオードLDから出射された光束は、コリメータCOLに入射し、これによって無限平行光にコリメートされたのち、屈折作用可変光学要素VREを介して対物レンズOBLに入射する。そして光ディスクDの保護基板を介して情報記録面上に集光スポットを形成する。ついで情報記録面上で反射したのち、同じ経路をたどって、1/4波長板Qによって偏光方向を変えられ、ビームスプリッタBSによって進路を曲げられ、センサーレンズSLを経てセンサーPDに集光する。このセンサーPDによって光電変換され、電気的な信号となる。
【0024】
なお対物光学素子OBLは、この図では単一のレンズであるが、必要に応じて複数の光学素子から構成されるようにしてもよい。また材質はプラスティック樹脂でもよいし、ガラスでも良い。さらに必要に応じて、回折面を設けることもできる。また絞りAPによって、光束径が定められるようになっている。
【0025】
そして、アクチュエーターACによって、フォーカシングが行われる。なお、光情報記録媒体の保護基板厚、さらにピットの大きさにより、対物光学素子OBLに要求される開口数も異なる。ここでは、「高密度な光ディスク」の開口数は0.65としている。
【0026】
次に、屈折作用可変光学要素VREについて説明する。CHは外殻部材であり、絶縁体によって形成されている。またP1で示す電極部材が外殻部材CHの内部に配設されている。つまり多数の電極部材P1が、光軸方向及び周方向に、所定の間隙を介して多数配列されていることになる。これにより、複雑な流体形状制御が可能となる。一方、P2は、外殻CHの密閉充填部に突出して設けられ、第1流動体LQ1に接触する電極である。尚、電極P2は絶縁性があり且つ流体密封性がある部材を介して外殻部材CHに取り付けられている。
【0027】
LQ1は第1流動体であり、導電性を有し、また第1屈折率を有する。ここでは食塩水を用いている。LQ2は絶縁性を有する第2流動体であり、第1屈折率よりも大きい第2屈折率を有する。ここでは油を用いており、そのため第1流動体とは親和性がきわめて低く、混合せずに2層状態が保たれる。ここでは、第2流動体LQ2が凸レンズ形状をとり、第1流動体LQ1が凹レンズ形状をとる。これら2つの流動体LQ1,LQ2は、外殻部材CHの中に密閉充填されており、開口HOを介して光学像が通過可能になっている。
【0028】
PLT1は、外殻部材CHの開口HO側(下側)を封止する第1封止部材を構成するプラスティック平板であり、PL2は、外殻部材CHの開口HOの反対側(上側)を封止する第2封止部材であり、これまたプラスティック平板であるが、例えば非球面からなる光学機能面を有していても良い。
【0029】
なおここでは、屈折率可変光学要素2を独立した光学要素とした例を開示しているが、他の光学要素と一体化してもかまわない。
【0030】
Vとして模式的に示す電圧印加手段は、電極P1、電極P2に接続されており、必要に応じて電圧を印加し、電界を生じさせる。これによって「電気的濡れ現象」が生じ、第2流動体LQ2の形状が変化し、屈折作用が変化する。
【0031】
なお、この例では電極部材P1が多数配置され、必要に応じて様々な電界を生じさせ、もって電気的濡れ現象の多様な制御を行うことができる。しかしこの例に限らず、目的に応じて、電極の配置位置・数をより限定的なものとしても、もちろんかまわない。さらにまた、電界形成によって濡れ作用を変化させているが、たとえばインクジェットの一方式である、バブルジェット方式のように、熱を発生させて気泡を生じさせて、これによって容積を変化させ、もって第2流動体LQ2の形状を変形させて屈折率変化を起こす方法も採用できる。
【0032】
さて、各流動体LQ1,LQ2によって形成されている屈折面は、単体で無収差ではなく、様々な収差を内在した状態にある。そこで上述のとおり、第1封止部材PLT1および/または第2封止部材PLT2を非球面光学機能面とすることにより、この問題を解決することができる。
【0033】
このため、電圧を印加していない状態でも、無収差で光学要素として用いることができ、また非球面形状をさらに工夫することにより、電圧を印加している状態、していない状態にかかわらず、流動体の屈折面によって生じる収差を補正する光学面とすることも可能である。
【0034】
なお外殻部材CHの開口HOの形状は、真円状でなくともよい。後述の通り、補正する対象がAS(非点収差)であるなど、非軸対象の補正を行う場合は、それを生じさせやすい開口形状としておくことが好ましい。かかる場合、楕円形状や、矩形形状とすることができる。
【0035】
また模式的に示す記憶手段Mは、電圧印加手段Vに印加する電圧値と、それに基づいて流動体LQ2が形成する屈折面の屈折作用との対応関係を示すLUTを記憶している。これは予め設計・実験して得られた値を記録したROM部と、個々の個体差を解消するためのキャリブレーションを行って補正値を記憶したRAM部分とからなっている。
【0036】
そして同様に模式的に示す制御手段CTRは、図示しない情報記録再生装置本体側CPU(不図示)からの指示にもとづいて、所望の屈折面を形成するべく、屈折作用にもとづいて記憶手段から電圧値を読み出し、電圧印加手段Vに指示する。
【0037】
また記憶手段Mは、他の外乱(例えば温度変化)を補正するために、検出された外乱(例えば温度センサーTSで検出する温度変化)に対して、屈折作用を変化させて補正を行うためのLUTを記憶していても良い。
【0038】
以下に、この電気的濡れ現象を利用した、屈折作用可変光学要素VREを用いた制御の例について説明する。
(1)焦点距離調節を行う例
電圧を印加しない状態と電圧を印加した状態とで、焦点距離が変化するようにする。
【0039】
(2)ピント調整を行う例
電圧を印加することによって、屈折作用を変化させ、ピント調整を行う。これにより、場合によってはアクチュエーターを省いて低コスト化することができる。
【0040】
(3)収差補正を行う場合
電圧印加を工夫することにより、屈折面を非球面とする。これによって、色収差のみならず、像面歪曲や、コマ収差などの様々な収差を補正する。さらに、温度センサーTSを設けておき、温度差によって屈折率変化が生じ、これによって発生する球面収差を補正することも可能である。このような温度センサーTSは、光源の近傍だけでなく、装置中の様々な箇所に設けることが可能である。さらにまた、異なった規格の光ディスクに対して情報の再生および/または記録を行う場合、基板厚の差によって生じる球面収差を解消する必要があるが、それを補正することもできる。とくに、品質の低い光ディスクに対して、基板厚の製造誤差があるような場合にも対応可能になる。
【0041】
(4)シフト調整を行う場合
光学系中の光軸がずれている場合、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸をシフトさせ、各光学要素の光軸を一致させる。同様の考え方で偏心補正も可能である。
【0042】
(5)チルト調整を行う場合
上記の場合と同様に、光軸が互いに傾いている場合にも補正の必要がある。そこで、電圧印加の程度を工夫することにより、流動体の光軸を傾けて、所望の軸角度となるように調整する。
【0043】
(6)アス(非点収差)補正を行う場合
光軸(Z軸)に対して、ある直角な方向(X方向)と、それにさらに直交する方向(Y方向)とで光線が収差を有する場合、それらを補正するために、電圧印加を工夫することにより、X方向とY方向の曲率をことならしめ、非点収差を補正する。上述の通り、この場合は開口部HOの形状を真円状にしないほうが好ましい。
【0044】
(7)回折面を形成する場合
図2に、この例の模式図を示す。電圧印加手段Vから、高周波の電圧を印加することにより、概略サインカーブ状に波打った面を形成させ、擬似的な回折面を形成する。印加する電圧と周波数とをコントロールすることにより、回折面の深さD・ピッチPを制御する。また、周波数重畳により、非球面と回折面との組合せを自由にコントロール可能である。これによって、色収差・球面収差などを自由に補正することが可能になる。
【0045】
次に、流動体について説明する。充填する流動体は、光学要素素材として分散が小さいことが好ましいことから、アッベ数が比較的小さいことが望まれる。さらに流動体については、特許文献1,2の従来技術にあるとおりのものを採用することができるが、次のような工夫を加えることもできる。
(1)流動体に微粉末を分散させて、屈折率を調整する。たとえば、流動体として水や油を用いても、屈折率が補正する機能との関係でマッチしていないことがある。そこで、透過率を下げない程度に微粉末を分散させることにより、屈折率を調整する。
(2)流動体に着色することにより、濃度可変のNDフィルタとする。これは第1流動体、第2流動体のどちらでもよく、また両方に着色してもよい。
(3)特に凹レンズ形状となる第1流動体に着色することにより、意図的に周辺光量を低下させ、アポタイゼーションフィルタと同様の機能もたせる。
(4)流動体に、IRカット機能を有するものを採用する。これにより、封止板やその他の光学素子として、IRカット機能を有するものを組み込む必要がなくなり、小型化に寄与できる。
(5)流動体に、液晶成分を用いることにより、電圧印加によって、形状を変形させるだけでなく、偏光状態も変化させて、偏光補正を行う。
【0046】
なお、本発明では、青色レーザーを用いた光ピックアップ装置について説明してきたが、CD、DVD、あるいは「高密度な光ディスク」の互換ピックアップ装置に適用できることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
上記の通り、光ピックアップ装置の光学系に、電気的に屈折作用を切り替え可能な光学用要素を組み合わせることにより、多用途で、様々な補正や調整が可能な光ピックアップ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施の形態に関わる光ピックアップ装置を示す概略図である。
【図2】屈折作用可変光学要素の変形例にかかる一部断面図である。
【符号の説明】
LD レーザーダイオード
COL コリメータ
BS ビームスプリッタ
VRE 屈折作用可変光学要素
Q 1/4波長板
AP 絞り
OBL 対物光学素子
D 光ディスク
PD センサー
Claims (3)
- 光情報記録媒体の情報記録面に対して光束を集光させることによって、情報の再生および/または記録を行う光ピックアップ装置において、
前記光束を出射する光源と、前記光情報記録媒体の情報記録面に光束を集光させる対物光学素子とを有し、
絶縁体から構成され、光束が通過する開口を備えた外殻部材に、第1屈折率を有し導電性を有する第1流動体及び、該第1流動体と親和性を有せず、前記第1流動体と実質的に同密度であり、前記第1屈折率と異なる第2屈折率を有し、かつ絶縁性を有する第2流動体が、前記開口を介して光束が通過するように密閉充填され、前記第1流動体に接触する電極と、前記外殻部材に設けられた電極との間に電圧を印加することにより、前記外殻部材の前記第2流動体に対する濡れ性を変化させることによって、前記第2流動体の前記外殻部材内における充填形状を変化せしめる電圧印加手段を備えた電気的に光学性能を変化させることが可能な光学要素が、前記光源と前記対物光学素子との間に配置されたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記封止部材が、非球面光学面を有することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記非球面は、前記第1流動体及び前記第2流動体を光束が通過することによって生じる収差を解消する光学面とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ピックアップ装置。
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