JP2004341788A - 地球温暖化対策支援サービス - Google Patents
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Abstract
【課題】温室効果ガスの総排出量やその排出量削減のための配慮行動の実状を効率よく正確に集計し、地方自治体の地球温暖化対策を効率的に推進する。
【解決手段】
インターネットを介した入出力機能と自動集計機能を用いることにより、データ処理の効率化・正確化を図るとともに、データ入力担当者との直接の質問・回答機能により大幅に事務局部門の付加を軽減する。また、活動量と温室効果ガス排出量の換算係数を適宜更新することにより担当者による更新漏れを防ぐ。さらに、集約したデータを元にきめ細かいコンサルティングを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】
インターネットを介した入出力機能と自動集計機能を用いることにより、データ処理の効率化・正確化を図るとともに、データ入力担当者との直接の質問・回答機能により大幅に事務局部門の付加を軽減する。また、活動量と温室効果ガス排出量の換算係数を適宜更新することにより担当者による更新漏れを防ぐ。さらに、集約したデータを元にきめ細かいコンサルティングを行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、インターネットを介した情報処理システムを利用して、地方自治体が「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいた各種業務を行う際の支援サービスを行うビジネスモデルに関する。
【0002】
【従来の技術】
地方自治体が、その事務及び事業の遂行に伴って排出される温室効果ガスの総排出量を算定する方法は、各自治体に置かれた事務局部門において調査すべき事務・事業を決定し、対象となる部門に調査票を配布・回収した上、記載された活動量を種別ごとに集計し、種別ごとに設定された排出係数に基づいて温室効果ガスの排出量に換算し、さらにその排出量を地球温暖化係数に基づいて二酸化炭素を1とする換算値に換算する、という手作業によるものであった。
【0003】
従来の方法では、これらの作業を担当する事務局部門の作業量が膨大になるだけでなく、元々の活動量の一部が記録されていなかったり、調査票の紛失や転記ミスなどによるデータの欠落や誤差、排出係数や地球温暖化係数の改訂の反映漏れなどにより発生する計算ミスを防ぐのは困難であった。
【0004】
また、調査対象となる各部門の担当者は、必ずしも地球温暖化問題に明るいとは限らず、各種の疑問・質問が頻発するし、各部門の本来の業務との関係から、事務局部門の都合に合わせて調査票の記入や質問が行えるとは限らない。これも事務局部門の作業を煩雑にする一因であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、地球温暖化対策の実行に際し、これらの計算ミスを極力排除し、事務局部門の負担を軽減するとともに、結果的に各地方自治体の負荷を軽減することにより社会に貢献することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
まず、調査票の配布・回収の手間を省き、紛失や転記ミスを排除するため、インターネットを利用して各被調査部門から直接データを入力できる機能を導入する。被調査部門における活動量の記録の一部に欠落がある場合は、別の部門も含めた同種の活動量より自動的に補間する。
【0007】
排出係数や地球温暖化係数が改訂された場合、運用担当者が一括してサーバ上の係数を改訂するため、各利用者(自治体担当者)が意識する必要はない。
【0008】
被調査部門の担当者は、インターネットを介して過去の質問・回答例を閲覧することにより、入力方法や運用に関する知識を得ることができる。また、質問・回答例にない疑問については、インターネットを介して直接運用担当者に質問することができる。
【0009】
【実施例】
(1) 全体構成
図1は、本発明による実施例の全体構成図である。本実施例は、地球温暖化対策支援サービスを提供する運用担当者、サービスを受ける地方自治体の事務局担当者、同自治体の被調査部門担当者の3種類の担当者と、その三者をインターネットで結んで支援する情報システムで構成されている。
【0010】
三者のそれぞれの業務の概要は、図1のそれぞれの矩形内に記述されている。これらのゴシック体で記述されているものが、情報システムを利用して行う業務である。
【0011】
(a):運用担当者の業務
運用担当者は、主に本情報システムで使用する排出係数、地球温暖化係数、活動種別、排出係数と活動種別の相関、配慮行動の種別、契約自治体の基本情報、契約自治体の事務局担当者情報などのマスター系のデータを登録し、管理する。また、同システムを介して被調査部門担当者からの質問に答え、この質問・回答を元にシステム上の質問・回答集を改訂する。
【0012】
同システムを介さない業務としては、各自治体の温暖化対策を推進するための実行計画策定や、実施方法に関するコンサルティングがある。
【0013】
(b):事務局担当者の業務
事務局担当者は、運用担当者が登録した各種マスターのデータを自自治体用にコピーし、必要があれば自自治体独自の値にカスタマイズする。また、調査対象とする部門の基本情報、その部門の担当者情報などのマスター系データを登録し、管理する。
【0014】
また、各被調査部門の活動量や配慮行動データの登録状況を監視し、年度ごとのデータ入力完了が確認されれば繰越処理を行うとともに、集計表やグラフの出力を行う。
【0015】
同システムを介さない業務としては、全体的な作業計画の策定や推進、前記集計表やグラフを利用した報告書類の作成など、本来の事務局業務がある。
【0016】
(c):被調査部門担当者の業務
被調査部門担当者は、調査対象となる自部門の施設・設備などのマスター系データを登録し、管理する。また、これらの施設・設備を使用した活動量を入力・訂正する。さらに、温室効果ガスの排出抑制のために自部門で実施している配慮行動の実情を入力・訂正する。
【0017】
(2) 地球温暖化対策支援システム
地球温暖化対策支援システムは、WWWサーバとデータベースサーバを利用して動くプログラム群で、大別して運用担当者、事務局担当者、被調査部門担当者の三者それぞれに向けた機能から構成される。
【0018】
図2は、これら3種類の機能のそれぞれの詳細機能と、データベースの各テーブルとの関係を表す相関表である。
【0019】
(a):運用担当者向け機能
運用担当者向けの機能は、主にマスター系のデータを登録し、管理するときに使用する機能である。また、同システムを介した質問・回答機能で使用する質問・回答集を改訂する機能を含む。
【0020】
[イ] 運用管理者情報管理機能
運用管理者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0021】
[ロ] ユーザ管理機能
事務局担当者、及び部門担当者のユーザ情報を登録・改廃する。ただし、パスワードは初期値のみ登録でき、変更はできない。
【0022】
[ハ] 契約者管理機能
契約者(地方自治体)に関する情報を登録・改廃する。
【0023】
[ニ] 課金情報管理機能
契約者の利用状況に応じ、課金情報を出力する。
【0024】
[ホ] 排出活動要素管理機能
環境省の指針等に従った、活動ごとの温室効果ガス排出係数を登録・改廃する。このとき、燃料の発熱量に対して排出係数が定められているものについては、燃料消費量に換算したものを登録する。
【0025】
[ヘ] 施設・設備種別管理機能
自動車の走行を例に取ると、燃料消費に伴う二酸化炭素、メタンの排出と、走行距離に応じた一酸化二窒素の排出に関する係数が定められている。このような、排出係数と実際の活動の種別との相関を登録・改廃する。
【0026】
[ト] 活動・排出単位管理機能
排出係数に定義されている活動量の単位と、排出量の単位の関連、及び、それぞれの集計期間(年次・月次等)の関連を登録・改廃する。
【0027】
[チ] 配慮行動要素管理機能
温室効果ガスの排出を抑制するための配慮行動について、その代表的なものを登録・改廃する。
【0028】
[リ] 二酸化炭素換算表管理機能
対象とする温室効果ガスについて、その温室効果を二酸化炭素を1とした重量比で表した地球温暖化係数を登録・改廃する。
【0029】
[ヌ] Q&Aタイプ管理機能
質問・回答集をタイプ分け表示する際の基準となるタイプを登録・改廃する。
【0030】
[ル] Q&A原稿管理機能
質問・回答例を関係する画面とQ&Aタイプに関連付けて登録・改廃する。
【0031】
(b):事務局担当者向け機能
事務局担当者向け機能は、運用担当者が登録した各種マスターのデータを参考に自自治体独自の値にカスタマイズしたり、調査対象とする部門やその部門の担当者情報などのマスター系データを登録し、管理するときに使用する機能である。
【0032】
[イ] 事務局担当者情報管理機能
事務局担当者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0033】
[ロ] 部門管理機能
調査対象とする部門に関する情報を登録・改廃する。
【0034】
[ハ] 部門担当者管理機能
部門担当者のユーザ情報を登録・改廃する。ただし、パスワードは初期値のみ登録でき、変更はできない。
【0035】
[ニ] 排出活動要素管理機能
運用管理者が登録・改廃した排出活動種別初期値マスタを参照し、自自治体の実情に合わせた内容に改訂し、排出活動種別マスタを登録・改廃する。ただし、自治体独自の特殊な設備などがない場合は、排出活動種別初期値マスタをコピーするのみでよい。
【0036】
[ホ] 配慮行動要素管理機能
運用管理者が登録・改廃した配慮行動種別初期値マスタを参照し、自自治体の実情に合わせた内容に改訂し、配慮行動種別マスタを登録・改廃する。通常は、自治体独自の施設・設備・行事などに関する配慮行動を追加する。
【0037】
[ヘ] 図表閲覧機能
図表には、温室効果ガスの排出量に関するものと、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動に関するものがある。
【0038】
図3は、温室効果ガス排出量に関する図表類を作成する機能のフローチャートである。この中で、部門・設備別月次活動量一覧表出力のための編集時に、欠測値自動補間システムが利用される。
【0039】
図4は、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動に関する図表類を作成する機能のフローチャートである。
【0040】
[ト] 年度繰り越し機能
被調査部門でのデータ入力状況をチェックし、当該年度分のデータ入力の完了が確認できれば、本機能を利用して年度繰越を行う。年度繰越を行うと、被調査部門では旧年度のデータを変更することはできなくなり、経年図表の過去の年次データとして計上される。
【0041】
(c):被調査部門担当者向け機能
被調査部門担当者向け機能は、施設・設備などのマスタ系データを登録・管理したり、これらの施設・設備を使用した活動量や温室効果ガスの排出抑制のための配慮行動の実情を入力・訂正するときに使用する機能である。
【0042】
[イ] 部門担当者情報管理機能
部門担当者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0043】
[ロ] 施設・設備管理機能
運用管理者が登録・改廃した設備種別初期値マスタを参照し、自部門で管轄する施設・設備について該当する設備種別に関連付けて設備マスタを登録・改廃する。
【0044】
[ハ] 活動量登録機能
自部門で登録した施設・設備について、当該年度分の活動量を登録する。
【0045】
[ニ] 配慮行動登録機能
事務局担当者が登録した配慮行動種別に基づき、自部門の当該年度の実施状況を登録する。
【0046】
[ホ] 図表閲覧機能
事務局担当者向け機能の「図表閲覧機能」に同じ。
【0047】
(3) 欠測値自動補間システム
自動車の走行などの排出活動量は、走行距離、燃料消費量、燃料費の要素があるが、すべてのデータが報告されるとは限らない。そこで、設備タイプごとに報告されている活動量から欠損値を補間する必要がある。
【0048】
図5は、排出活動量のデータを、計測項目(走行距離、燃料消費量等)と設備(1号車、2号車等)を行と列とする、m行n列の行列として表したものである。
【0049】
同じく自動車の走行を例に取れば、同じ性能の自動車に関する活動量行列の各行の列要素間の比は等しいと考えられる。また、各列の行要素間の比も同様に等しい。
【0050】
このため、任意のp行q列の要素が欠測していた場合、行方向及び列方向双方ともに最小二乗法による直線の方程式から補間することができる。
【0051】
図6は、行方向及び列方向から求めた値を平均し、できるだけばらつきの影響を排除した補間値を求める計算式である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば各請求項に対応して次のような効果がある。
【0053】
(1) 請求項1では、地球温暖化対策のために各地方自治体に課せられた業務のうち、温室効果ガス総排出量とその削減のための配慮行動の状況を調査するにあたり、インターネットを介して入力する機能を備えているため、被調査部門が現場で入力することが可能となる。このため、事務局部門で転記・入力する必要がなく、これらのデータの欠落や誤入力を防ぐことができる。
【0054】
(2) 同じく請求項1では、入力された情報を自動的に集計して必要な換算処理を行い、被調査部門あるいは事務局部門で図表が閲覧できる機能を有している。これにより、事務局の集計作業予定に合わせて一斉に入力作業を行う必要がなく、被調査部門の都合に合わせた調査を行うことができる。
【0055】
(3) 請求項2では、セットとなった調査項目のうち、過去の資料の不備などによる欠測値をある程度自動的に補間することができる。これにより、温室効果ガス総排出量の算出精度を向上させることができる。
【0056】
(4) 請求項3では、請求項1のシステムを利用して、事務局部門や被調査部門の担当者が持つ疑問や質問に直接答えるサービスを有している。このため、事務局部門の担当者に過度の作業負担を強いることなく、非熟練者にも業務を遂行することができる。
【0057】
(5) 同じく請求項3では、収集・集計したデータに基づく温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画策定や、計画の実行に関するコンサルティングのサービスを有している。入力された全データは運用管理者が管理しているため、より実状に基づいたきめ細かいコンサルティングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る関係者の担当業務を表した、全体構成図である。
【図2】地球温暖化対策支援システムの各機能と使用するデータベースの各テーブルの相関を表した表である。
【図3】地球温暖化対策支援システムの図表閲覧機能のうち、温室効果ガス排出量集計に関する流れ図である。
【図4】地球温暖化対策支援システムの図表閲覧機能のうち、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動実績集計に関する流れ図である。
【図5】欠測値自動補間システムが対象とする温室効果ガス排出量に係る活動量データ構造を示す図である。
【図6】欠測値自動補間システムで使用する計算式である。
【発明が属する技術分野】
本発明は、インターネットを介した情報処理システムを利用して、地方自治体が「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づいた各種業務を行う際の支援サービスを行うビジネスモデルに関する。
【0002】
【従来の技術】
地方自治体が、その事務及び事業の遂行に伴って排出される温室効果ガスの総排出量を算定する方法は、各自治体に置かれた事務局部門において調査すべき事務・事業を決定し、対象となる部門に調査票を配布・回収した上、記載された活動量を種別ごとに集計し、種別ごとに設定された排出係数に基づいて温室効果ガスの排出量に換算し、さらにその排出量を地球温暖化係数に基づいて二酸化炭素を1とする換算値に換算する、という手作業によるものであった。
【0003】
従来の方法では、これらの作業を担当する事務局部門の作業量が膨大になるだけでなく、元々の活動量の一部が記録されていなかったり、調査票の紛失や転記ミスなどによるデータの欠落や誤差、排出係数や地球温暖化係数の改訂の反映漏れなどにより発生する計算ミスを防ぐのは困難であった。
【0004】
また、調査対象となる各部門の担当者は、必ずしも地球温暖化問題に明るいとは限らず、各種の疑問・質問が頻発するし、各部門の本来の業務との関係から、事務局部門の都合に合わせて調査票の記入や質問が行えるとは限らない。これも事務局部門の作業を煩雑にする一因であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、地球温暖化対策の実行に際し、これらの計算ミスを極力排除し、事務局部門の負担を軽減するとともに、結果的に各地方自治体の負荷を軽減することにより社会に貢献することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
まず、調査票の配布・回収の手間を省き、紛失や転記ミスを排除するため、インターネットを利用して各被調査部門から直接データを入力できる機能を導入する。被調査部門における活動量の記録の一部に欠落がある場合は、別の部門も含めた同種の活動量より自動的に補間する。
【0007】
排出係数や地球温暖化係数が改訂された場合、運用担当者が一括してサーバ上の係数を改訂するため、各利用者(自治体担当者)が意識する必要はない。
【0008】
被調査部門の担当者は、インターネットを介して過去の質問・回答例を閲覧することにより、入力方法や運用に関する知識を得ることができる。また、質問・回答例にない疑問については、インターネットを介して直接運用担当者に質問することができる。
【0009】
【実施例】
(1) 全体構成
図1は、本発明による実施例の全体構成図である。本実施例は、地球温暖化対策支援サービスを提供する運用担当者、サービスを受ける地方自治体の事務局担当者、同自治体の被調査部門担当者の3種類の担当者と、その三者をインターネットで結んで支援する情報システムで構成されている。
【0010】
三者のそれぞれの業務の概要は、図1のそれぞれの矩形内に記述されている。これらのゴシック体で記述されているものが、情報システムを利用して行う業務である。
【0011】
(a):運用担当者の業務
運用担当者は、主に本情報システムで使用する排出係数、地球温暖化係数、活動種別、排出係数と活動種別の相関、配慮行動の種別、契約自治体の基本情報、契約自治体の事務局担当者情報などのマスター系のデータを登録し、管理する。また、同システムを介して被調査部門担当者からの質問に答え、この質問・回答を元にシステム上の質問・回答集を改訂する。
【0012】
同システムを介さない業務としては、各自治体の温暖化対策を推進するための実行計画策定や、実施方法に関するコンサルティングがある。
【0013】
(b):事務局担当者の業務
事務局担当者は、運用担当者が登録した各種マスターのデータを自自治体用にコピーし、必要があれば自自治体独自の値にカスタマイズする。また、調査対象とする部門の基本情報、その部門の担当者情報などのマスター系データを登録し、管理する。
【0014】
また、各被調査部門の活動量や配慮行動データの登録状況を監視し、年度ごとのデータ入力完了が確認されれば繰越処理を行うとともに、集計表やグラフの出力を行う。
【0015】
同システムを介さない業務としては、全体的な作業計画の策定や推進、前記集計表やグラフを利用した報告書類の作成など、本来の事務局業務がある。
【0016】
(c):被調査部門担当者の業務
被調査部門担当者は、調査対象となる自部門の施設・設備などのマスター系データを登録し、管理する。また、これらの施設・設備を使用した活動量を入力・訂正する。さらに、温室効果ガスの排出抑制のために自部門で実施している配慮行動の実情を入力・訂正する。
【0017】
(2) 地球温暖化対策支援システム
地球温暖化対策支援システムは、WWWサーバとデータベースサーバを利用して動くプログラム群で、大別して運用担当者、事務局担当者、被調査部門担当者の三者それぞれに向けた機能から構成される。
【0018】
図2は、これら3種類の機能のそれぞれの詳細機能と、データベースの各テーブルとの関係を表す相関表である。
【0019】
(a):運用担当者向け機能
運用担当者向けの機能は、主にマスター系のデータを登録し、管理するときに使用する機能である。また、同システムを介した質問・回答機能で使用する質問・回答集を改訂する機能を含む。
【0020】
[イ] 運用管理者情報管理機能
運用管理者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0021】
[ロ] ユーザ管理機能
事務局担当者、及び部門担当者のユーザ情報を登録・改廃する。ただし、パスワードは初期値のみ登録でき、変更はできない。
【0022】
[ハ] 契約者管理機能
契約者(地方自治体)に関する情報を登録・改廃する。
【0023】
[ニ] 課金情報管理機能
契約者の利用状況に応じ、課金情報を出力する。
【0024】
[ホ] 排出活動要素管理機能
環境省の指針等に従った、活動ごとの温室効果ガス排出係数を登録・改廃する。このとき、燃料の発熱量に対して排出係数が定められているものについては、燃料消費量に換算したものを登録する。
【0025】
[ヘ] 施設・設備種別管理機能
自動車の走行を例に取ると、燃料消費に伴う二酸化炭素、メタンの排出と、走行距離に応じた一酸化二窒素の排出に関する係数が定められている。このような、排出係数と実際の活動の種別との相関を登録・改廃する。
【0026】
[ト] 活動・排出単位管理機能
排出係数に定義されている活動量の単位と、排出量の単位の関連、及び、それぞれの集計期間(年次・月次等)の関連を登録・改廃する。
【0027】
[チ] 配慮行動要素管理機能
温室効果ガスの排出を抑制するための配慮行動について、その代表的なものを登録・改廃する。
【0028】
[リ] 二酸化炭素換算表管理機能
対象とする温室効果ガスについて、その温室効果を二酸化炭素を1とした重量比で表した地球温暖化係数を登録・改廃する。
【0029】
[ヌ] Q&Aタイプ管理機能
質問・回答集をタイプ分け表示する際の基準となるタイプを登録・改廃する。
【0030】
[ル] Q&A原稿管理機能
質問・回答例を関係する画面とQ&Aタイプに関連付けて登録・改廃する。
【0031】
(b):事務局担当者向け機能
事務局担当者向け機能は、運用担当者が登録した各種マスターのデータを参考に自自治体独自の値にカスタマイズしたり、調査対象とする部門やその部門の担当者情報などのマスター系データを登録し、管理するときに使用する機能である。
【0032】
[イ] 事務局担当者情報管理機能
事務局担当者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0033】
[ロ] 部門管理機能
調査対象とする部門に関する情報を登録・改廃する。
【0034】
[ハ] 部門担当者管理機能
部門担当者のユーザ情報を登録・改廃する。ただし、パスワードは初期値のみ登録でき、変更はできない。
【0035】
[ニ] 排出活動要素管理機能
運用管理者が登録・改廃した排出活動種別初期値マスタを参照し、自自治体の実情に合わせた内容に改訂し、排出活動種別マスタを登録・改廃する。ただし、自治体独自の特殊な設備などがない場合は、排出活動種別初期値マスタをコピーするのみでよい。
【0036】
[ホ] 配慮行動要素管理機能
運用管理者が登録・改廃した配慮行動種別初期値マスタを参照し、自自治体の実情に合わせた内容に改訂し、配慮行動種別マスタを登録・改廃する。通常は、自治体独自の施設・設備・行事などに関する配慮行動を追加する。
【0037】
[ヘ] 図表閲覧機能
図表には、温室効果ガスの排出量に関するものと、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動に関するものがある。
【0038】
図3は、温室効果ガス排出量に関する図表類を作成する機能のフローチャートである。この中で、部門・設備別月次活動量一覧表出力のための編集時に、欠測値自動補間システムが利用される。
【0039】
図4は、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動に関する図表類を作成する機能のフローチャートである。
【0040】
[ト] 年度繰り越し機能
被調査部門でのデータ入力状況をチェックし、当該年度分のデータ入力の完了が確認できれば、本機能を利用して年度繰越を行う。年度繰越を行うと、被調査部門では旧年度のデータを変更することはできなくなり、経年図表の過去の年次データとして計上される。
【0041】
(c):被調査部門担当者向け機能
被調査部門担当者向け機能は、施設・設備などのマスタ系データを登録・管理したり、これらの施設・設備を使用した活動量や温室効果ガスの排出抑制のための配慮行動の実情を入力・訂正するときに使用する機能である。
【0042】
[イ] 部門担当者情報管理機能
部門担当者自身のパスワード、メールアドレスなどを修正し、ユーザマスタを更新する。
【0043】
[ロ] 施設・設備管理機能
運用管理者が登録・改廃した設備種別初期値マスタを参照し、自部門で管轄する施設・設備について該当する設備種別に関連付けて設備マスタを登録・改廃する。
【0044】
[ハ] 活動量登録機能
自部門で登録した施設・設備について、当該年度分の活動量を登録する。
【0045】
[ニ] 配慮行動登録機能
事務局担当者が登録した配慮行動種別に基づき、自部門の当該年度の実施状況を登録する。
【0046】
[ホ] 図表閲覧機能
事務局担当者向け機能の「図表閲覧機能」に同じ。
【0047】
(3) 欠測値自動補間システム
自動車の走行などの排出活動量は、走行距離、燃料消費量、燃料費の要素があるが、すべてのデータが報告されるとは限らない。そこで、設備タイプごとに報告されている活動量から欠損値を補間する必要がある。
【0048】
図5は、排出活動量のデータを、計測項目(走行距離、燃料消費量等)と設備(1号車、2号車等)を行と列とする、m行n列の行列として表したものである。
【0049】
同じく自動車の走行を例に取れば、同じ性能の自動車に関する活動量行列の各行の列要素間の比は等しいと考えられる。また、各列の行要素間の比も同様に等しい。
【0050】
このため、任意のp行q列の要素が欠測していた場合、行方向及び列方向双方ともに最小二乗法による直線の方程式から補間することができる。
【0051】
図6は、行方向及び列方向から求めた値を平均し、できるだけばらつきの影響を排除した補間値を求める計算式である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば各請求項に対応して次のような効果がある。
【0053】
(1) 請求項1では、地球温暖化対策のために各地方自治体に課せられた業務のうち、温室効果ガス総排出量とその削減のための配慮行動の状況を調査するにあたり、インターネットを介して入力する機能を備えているため、被調査部門が現場で入力することが可能となる。このため、事務局部門で転記・入力する必要がなく、これらのデータの欠落や誤入力を防ぐことができる。
【0054】
(2) 同じく請求項1では、入力された情報を自動的に集計して必要な換算処理を行い、被調査部門あるいは事務局部門で図表が閲覧できる機能を有している。これにより、事務局の集計作業予定に合わせて一斉に入力作業を行う必要がなく、被調査部門の都合に合わせた調査を行うことができる。
【0055】
(3) 請求項2では、セットとなった調査項目のうち、過去の資料の不備などによる欠測値をある程度自動的に補間することができる。これにより、温室効果ガス総排出量の算出精度を向上させることができる。
【0056】
(4) 請求項3では、請求項1のシステムを利用して、事務局部門や被調査部門の担当者が持つ疑問や質問に直接答えるサービスを有している。このため、事務局部門の担当者に過度の作業負担を強いることなく、非熟練者にも業務を遂行することができる。
【0057】
(5) 同じく請求項3では、収集・集計したデータに基づく温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画策定や、計画の実行に関するコンサルティングのサービスを有している。入力された全データは運用管理者が管理しているため、より実状に基づいたきめ細かいコンサルティングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る関係者の担当業務を表した、全体構成図である。
【図2】地球温暖化対策支援システムの各機能と使用するデータベースの各テーブルの相関を表した表である。
【図3】地球温暖化対策支援システムの図表閲覧機能のうち、温室効果ガス排出量集計に関する流れ図である。
【図4】地球温暖化対策支援システムの図表閲覧機能のうち、温室効果ガス排出量削減のための配慮行動実績集計に関する流れ図である。
【図5】欠測値自動補間システムが対象とする温室効果ガス排出量に係る活動量データ構造を示す図である。
【図6】欠測値自動補間システムで使用する計算式である。
Claims (3)
- 地方自治体の各現場で、インターネットを介して温室効果ガス排出の原因となる活動量や温室効果ガス排出量削減のための配慮行動実施状況を入力する機能と、その活動量を一括して集計し、温室効果ガスの排出係数を用いて排出量に換算する機能、配慮行動の実施状況を集計して定性的傾向を求める機能、及び自治体ごとに設けられた事務局部門や活動量を入力した各部門にインターネットを介して集計・換算結果を報告する機能などからなる地球温暖化対策支援システム。
- 前記地球温暖化対策支援システムのデータ入力に際し、セットで入力されるべきデータの一部が欠損している場合に、同種のデータから欠測値を自動的に補間する計算式とその計算式を使用した欠測値自動補間システム。
- 前記地球温暖化対策支援システム、及び欠測値自動補間システムの機能を利用し、データを入力する担当者の疑問・質問に直接対応してシステムの各機能を滞りなく提供するとともに、導入初年度の温室効果ガス総排出量と排出量抑制のための配慮行動の傾向から温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を策定したり、この効果を上げるためにこの計画の実施状況を年度ごとに追跡して調整する業務を支援するコンサルティングを行う地球温暖化対策支援サービス。
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