JP2004341463A - 光学ステージ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の光学ステージは複雑な機構で作製の手間がかかる上に、光学系の中では調整が難しいものであった。そのため、簡単で作製しやすい機構で、且つ、調整が容易な光学ステージが望まれていた。
【解決手段】光学ステージの部品に中空の曲管を配置した。その中に複数の球状及び棒状の部品を配置して、調整ネジをねじ込む力を伝搬させ、調整が容易な位置から光学ステージの位置を調整することを可能にした。この発明を可能とした理由として従来、作製が難しかった中空の曲管を光造形法により簡単に作成できたことが挙げられる。
【選択図】 図1
【解決手段】光学ステージの部品に中空の曲管を配置した。その中に複数の球状及び棒状の部品を配置して、調整ネジをねじ込む力を伝搬させ、調整が容易な位置から光学ステージの位置を調整することを可能にした。この発明を可能とした理由として従来、作製が難しかった中空の曲管を光造形法により簡単に作成できたことが挙げられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品の位置を調整する機械部品の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光情報伝達、物質の分光スペクトル測定、レーザーセンシング、レーザープロセシング、レーザーマニピュレーション等のあらゆる光を利用した実験及び装置開発において、光を集光するレンズ、光の進行方向を変える鏡、さらには、光の強度、光の波長、偏光方向を制御する光学素子の位置を精密に調整する必要がある。そのため、それぞれの光学部品には縦、横、高さ、もしくは角度方向を精密に制御する光学ステージが配置されている。しかしながら、近年の光を利用しようとする高度な試みの中で、光学系は複雑さを増し、光学部品の点数は増え、実験に広いスペースを要し、その光学部品の調整の困難さが増している。特に、光学部品の位置を調整する調整ネジが光学部品と光学部品の間にある場合、光学部品の間に手を入れて調節するため、他の光学部品に手が当たりその部品の位置を変えてしまう危険性がある。そのため、光学系を設計する段階でそのスペースを考慮する必要があり、光学系のスペースを広げる要因となっていた。このように調整ネジが光学部品の間に配置される理由は、安価で汎用的な光学ステージが、ネジにより光学部品を押すことにより光学部品の位置を調整する構造をとるため、稼動部の進行方向と同一方向に調整ネジが配置されるためである。(例えば、非特許文献1参照。)。つまり、安価で単純な機構により調整ネジの配置の方向を任意に変えることができれば、光学部品の間に手を入れることなく、光学系を調整することが可能となる。
【0003】
従来の技術、例えば、内部に歯車を用いると、光学ステージの構造が複雑となり、光学ステージの作製時における部品作製の難易度と組み立ての手間が増した。(例えば、非特許文献2参照。)。その他にも、三角柱の斜面同士をスライドさせることによって、横方向の力を縦方向に変換する光学ステージは、複雑な構造の部品から成り立っている。(例えば、非特許文献3、図4。)。そのため、簡単な機械構造で調整ネジの配置の方向を変えて、光学系の調節を容易にすることが望まれていた。
【0004】
【非特許文献1】
「レーザー用光学基本機器 レーザー用光学システム製品 総合カタログ7−A」、シグマ光機株式会社、F−62,63ページ
【非特許文献2】
「総合カタログNo.31」、中央精機株式会社、A−354,355ページ
【非特許文献3】
「レーザー用光学基本機器 レーザー用光学システム製品 総合カタログ7−A」、シグマ光機株式会社、F−94,95ページ
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情を鑑みたものであり、簡単な機械構造で調整ネジの配置の方向を任意に変えることにより、調整が容易である光学ステージを提供することを目的としている。ここで、調整部品は、ネジに限らず、ギア、カムも含まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の課題解決手段は上記目的を達成するために光学ステージの部品に中空の曲管を配置し、その中に複数の球状又は棒状の部品、バネ、チューブを配置して力を伝搬し、光学ステージに配置された光学部品の位置を調整するネジ、ギア、カムを任意に配置したことである。
【0007】
また、本発明における第2の課題解決手段は中空の曲管を光造形法により作製したことである。
【0008】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、調整ネジ、調整ギア、調整カムを部品にねじ込むことにより、球状部品と円筒状部品が押し出され、光学素子ホルダーと光学素子が固定されている部品を調整することができる。つまり、この手段を用いることにより、光学系のスペースを狭め、従来の光学ステージを用いるよりも密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
球状部品、円筒状部品の代わりにバネやチューブ状部品を用いることによっても同様の効果を得ることができる。
【0009】
また、第2の課題解決手段による作用は、中空の曲管の作製における困難さを軽減することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の詳細について説明する。
【0011】
図1と図2に本発明の光学ステージの断面図と立体図を示す。部品2が固定されたステージの台であり、その中には図10に示されるような中空の曲管があり、そこに調整ネジ3、球状部品4、円筒状部品5が配置されている。部品7は稼動できるようになっており、調整ネジ3を部品2にねじ込むことにより、球状部品4と円筒状部品5が図1の左側の方向に移動し、部品7に力が伝えられる。部品7上に光学素子ホルダー1と光学素子8が固定されており、調整ネジ3をねじ込むと、部品7は図1の左側の方向に移動し、光学素子8も図1の左側の方向に移動する。また、バネ6はちぢみバネであり、その両端が部品2と部品7に固定されている。調整ネジ3を引き抜くと球状部品4と円筒状部品5が図1の右側の方向に移動し、部品7もバネ6により図1の右側の方向に移動する。つまり、調整ネジ3を引き抜くことにより、光学素子8は図1の右側の方向に移動する。
【0012】
従来の光学ステージの典型例を図3、図4に示す。図3では、部品9が固定されており、調整ネジ3の力が稼動部品10に直接的に伝えられることにより、それに固定された光学素子8の位置が調整される。つまり、調整ネジ3がねじ込まれると、光学素子8は図3の左方向に移動し、調整ネジ3が引き抜かれると、その両端が部品9と部品10により固定されたちぢみバネ6により右方向に移動する。この構造では、素子が稼動するのと同一の方向に調整ネジが配置される。図4では、部品13が固定されており、調整ネジ3の力が三角形状稼動部品12に直接的に伝えられることにより、それに接する部品11の三角形部分を動かし、光学素子8の位置が調整される。つまり、調整ネジ3がねじ込まれると、光学素子8は鉛直上方に移動し、調整ネジ3が引き抜かれると、光学素子8は鉛直下方に移動する。本発明では、調整ネジから円筒状部品への力の伝搬は、中空の曲管に配置された球状部品を通して行われるため、中空の曲管の形状により、調整するネジを任意に配置することができる。また、力の伝搬方向を変えるために内部に歯車を用いた光学ステージがある。しかし、本発明では歯車の構造を用いないため、力の伝搬方向をどの方向に変える場合でも同様の構造で対応でき、さらに、歯車を用いた場合よりも構造を簡略化することが可能となった。
【0013】
光学素子ホルダー1には、レンズ、鏡、もしくは光の強度、光の波長、偏光方向、進行方向を制御する光学素子等を固定することができる。
【0014】
図5に本発明で可能となる光学系の一例を示す。ここではy軸正の向きから入射された光線19が、レンズ14を通過し、鏡15と鏡16によって曲げられて、さらにレンズ17を通過してy軸負の向きに出射される。本発明の光学ステージを用いた場合、ドライバー18を光学系の上部から差し込み、レンズ(14,17)と鏡(15,16)に配置された調整ネジを調整することで、それぞれの位置を調整することができる。一方、図3に示す従来法による光学ステージを用いた場合、例えば、レンズ17、鏡16の調整をする場合、調整ネジがそれぞれレンズ14、鏡15の間となるので、レンズ17とレンズ14の間あるいは鏡16と鏡15の間に十分なスペースをとらないとレンズ17、鏡16の調整ができない。本発明では、レンズ17とレンズ14の間、あるいは鏡16と鏡15の間に調整用のスペースを必要としないので、従来法では困難であった密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
【0015】
本実施例では図5で示すx方向に調整できる光学ステージの例と、その調整についての例を示したが、y方向についても同様の本発明による光学ステージの機構をとることができる。また、斜め方向への調整が必要である場合でも、固定される部品2にあける中空の曲管の形状を調整することにより、光学系上部からの調整が実現するので、本発明と従来法の光学ステージの機構を組み合わせることにより、xyzの全方向への光学素子の調整を光学系上部から行うことができる。
【0016】
本発明では、部品の中に中空の曲管を配置する必要があるが、本実施例は光造形法により、この構造を実現した。光造形の仕組みを図6、図7に示す。光重合性高分子22を充填した浴槽23にレーザー装置19から出射されるレーザー光21を上部から入射し、レーザー照射位置で光重合を誘起し、光重合性高分子22を固化させる。光重合性高分子22の固化はその液面で起こるため、ガルバノミラー20によりレーザー光21の入射方向を制御し、液面を任意の形状に固化させることができる。液面を必要な形状に固化し、浴槽23を図6の下方向に徐々に移動させ、固化した光重合性高分子22を積層させていくことにより、部品2を成形する。つまり、図8、図9、図10に示すように、光重合性高分子22を順次固化させていくことにより、図1で示した部品2を造形することができた。本発明の実施例では、光造形法により中空の曲管を有する部品、円筒状の部品、稼動部品、および光学素子ホルダーを作製し、金属のボールベアリングを球状の部品として使用することにより、光学素子の位置を光学系上部からxy方向に調整できる光学ステージを作製することに成功した。
【0017】
図11、図12では中空の曲管内に球状部品4、円筒状部品5の代わりにバネ状部品25、チューブ状部品26を配置した。これらの部品でも光学ステージを調整することが可能である。
【0018】
本発明では、中空の曲管を有する部品を作製するために光重合性高分子を用いたが、金属および高分子材料の張り合わせによっても中空の曲管を有する部品を作製することが可能であり、中空の曲管を有する構造はその製作材料を光重合性高分子に限定するものではない。また、円筒状の部品、稼動部品についても同様に、金属および高分子材料の張り合わせにより作製することができる。
【0019】
【発明の効果】
上述したように本発明の光学ステージは、内部に歯車を用いない簡単な構造で、光学系上部からxyz方向に調整することができる。この発明により、従来法では困難であった密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状部品と円筒状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【図2】同光学ステージの立体図
【図3】従来のx軸光学ステージの断面図
【図4】従来のz軸光学ステージの断面図
【図5】本発明を用いた光学ステージの光学系実施図例
【図6】光造形法による中空の曲管作製前半の図例
【図7】光造形法による中空の曲管作製後半の図例
【図8】固化した光重合性高分子の積層の前半の図例
【図9】固化した光重合性高分子の積層の中盤の図例
【図10】固化した光重合性高分子の積層の後半の図例
【図11】バネ状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【図12】チューブ状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【符号の説明】
1 光学素子ホルダー
2 中空の曲管を持った部品
3 調整ネジ
4 球状部品
5 円筒状部品
6 ちぢみバネ
7 部品
8 光学素子
9 固定された従来型のx軸光学ステージの部品
10 移動する従来型のx軸光学ステージの部品
11 移動する従来型のz軸光学ステージの部品
12 調整ネジに接した三角形状の部品
13 固定された従来型のz軸光学ステージの部品
14 レンズ
15 鏡
16 鏡
17 レンズ
18 調整ネジを回すドライバー
19 光線
20 レーザー装置
21 ガルバノミラー
22 レーザー光
23 光重合性高分子
24 光重合性高分子の浴槽
25 バネ状部品
26 チューブ状部品
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品の位置を調整する機械部品の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光情報伝達、物質の分光スペクトル測定、レーザーセンシング、レーザープロセシング、レーザーマニピュレーション等のあらゆる光を利用した実験及び装置開発において、光を集光するレンズ、光の進行方向を変える鏡、さらには、光の強度、光の波長、偏光方向を制御する光学素子の位置を精密に調整する必要がある。そのため、それぞれの光学部品には縦、横、高さ、もしくは角度方向を精密に制御する光学ステージが配置されている。しかしながら、近年の光を利用しようとする高度な試みの中で、光学系は複雑さを増し、光学部品の点数は増え、実験に広いスペースを要し、その光学部品の調整の困難さが増している。特に、光学部品の位置を調整する調整ネジが光学部品と光学部品の間にある場合、光学部品の間に手を入れて調節するため、他の光学部品に手が当たりその部品の位置を変えてしまう危険性がある。そのため、光学系を設計する段階でそのスペースを考慮する必要があり、光学系のスペースを広げる要因となっていた。このように調整ネジが光学部品の間に配置される理由は、安価で汎用的な光学ステージが、ネジにより光学部品を押すことにより光学部品の位置を調整する構造をとるため、稼動部の進行方向と同一方向に調整ネジが配置されるためである。(例えば、非特許文献1参照。)。つまり、安価で単純な機構により調整ネジの配置の方向を任意に変えることができれば、光学部品の間に手を入れることなく、光学系を調整することが可能となる。
【0003】
従来の技術、例えば、内部に歯車を用いると、光学ステージの構造が複雑となり、光学ステージの作製時における部品作製の難易度と組み立ての手間が増した。(例えば、非特許文献2参照。)。その他にも、三角柱の斜面同士をスライドさせることによって、横方向の力を縦方向に変換する光学ステージは、複雑な構造の部品から成り立っている。(例えば、非特許文献3、図4。)。そのため、簡単な機械構造で調整ネジの配置の方向を変えて、光学系の調節を容易にすることが望まれていた。
【0004】
【非特許文献1】
「レーザー用光学基本機器 レーザー用光学システム製品 総合カタログ7−A」、シグマ光機株式会社、F−62,63ページ
【非特許文献2】
「総合カタログNo.31」、中央精機株式会社、A−354,355ページ
【非特許文献3】
「レーザー用光学基本機器 レーザー用光学システム製品 総合カタログ7−A」、シグマ光機株式会社、F−94,95ページ
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、以上の事情を鑑みたものであり、簡単な機械構造で調整ネジの配置の方向を任意に変えることにより、調整が容易である光学ステージを提供することを目的としている。ここで、調整部品は、ネジに限らず、ギア、カムも含まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の課題解決手段は上記目的を達成するために光学ステージの部品に中空の曲管を配置し、その中に複数の球状又は棒状の部品、バネ、チューブを配置して力を伝搬し、光学ステージに配置された光学部品の位置を調整するネジ、ギア、カムを任意に配置したことである。
【0007】
また、本発明における第2の課題解決手段は中空の曲管を光造形法により作製したことである。
【0008】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、調整ネジ、調整ギア、調整カムを部品にねじ込むことにより、球状部品と円筒状部品が押し出され、光学素子ホルダーと光学素子が固定されている部品を調整することができる。つまり、この手段を用いることにより、光学系のスペースを狭め、従来の光学ステージを用いるよりも密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
球状部品、円筒状部品の代わりにバネやチューブ状部品を用いることによっても同様の効果を得ることができる。
【0009】
また、第2の課題解決手段による作用は、中空の曲管の作製における困難さを軽減することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の詳細について説明する。
【0011】
図1と図2に本発明の光学ステージの断面図と立体図を示す。部品2が固定されたステージの台であり、その中には図10に示されるような中空の曲管があり、そこに調整ネジ3、球状部品4、円筒状部品5が配置されている。部品7は稼動できるようになっており、調整ネジ3を部品2にねじ込むことにより、球状部品4と円筒状部品5が図1の左側の方向に移動し、部品7に力が伝えられる。部品7上に光学素子ホルダー1と光学素子8が固定されており、調整ネジ3をねじ込むと、部品7は図1の左側の方向に移動し、光学素子8も図1の左側の方向に移動する。また、バネ6はちぢみバネであり、その両端が部品2と部品7に固定されている。調整ネジ3を引き抜くと球状部品4と円筒状部品5が図1の右側の方向に移動し、部品7もバネ6により図1の右側の方向に移動する。つまり、調整ネジ3を引き抜くことにより、光学素子8は図1の右側の方向に移動する。
【0012】
従来の光学ステージの典型例を図3、図4に示す。図3では、部品9が固定されており、調整ネジ3の力が稼動部品10に直接的に伝えられることにより、それに固定された光学素子8の位置が調整される。つまり、調整ネジ3がねじ込まれると、光学素子8は図3の左方向に移動し、調整ネジ3が引き抜かれると、その両端が部品9と部品10により固定されたちぢみバネ6により右方向に移動する。この構造では、素子が稼動するのと同一の方向に調整ネジが配置される。図4では、部品13が固定されており、調整ネジ3の力が三角形状稼動部品12に直接的に伝えられることにより、それに接する部品11の三角形部分を動かし、光学素子8の位置が調整される。つまり、調整ネジ3がねじ込まれると、光学素子8は鉛直上方に移動し、調整ネジ3が引き抜かれると、光学素子8は鉛直下方に移動する。本発明では、調整ネジから円筒状部品への力の伝搬は、中空の曲管に配置された球状部品を通して行われるため、中空の曲管の形状により、調整するネジを任意に配置することができる。また、力の伝搬方向を変えるために内部に歯車を用いた光学ステージがある。しかし、本発明では歯車の構造を用いないため、力の伝搬方向をどの方向に変える場合でも同様の構造で対応でき、さらに、歯車を用いた場合よりも構造を簡略化することが可能となった。
【0013】
光学素子ホルダー1には、レンズ、鏡、もしくは光の強度、光の波長、偏光方向、進行方向を制御する光学素子等を固定することができる。
【0014】
図5に本発明で可能となる光学系の一例を示す。ここではy軸正の向きから入射された光線19が、レンズ14を通過し、鏡15と鏡16によって曲げられて、さらにレンズ17を通過してy軸負の向きに出射される。本発明の光学ステージを用いた場合、ドライバー18を光学系の上部から差し込み、レンズ(14,17)と鏡(15,16)に配置された調整ネジを調整することで、それぞれの位置を調整することができる。一方、図3に示す従来法による光学ステージを用いた場合、例えば、レンズ17、鏡16の調整をする場合、調整ネジがそれぞれレンズ14、鏡15の間となるので、レンズ17とレンズ14の間あるいは鏡16と鏡15の間に十分なスペースをとらないとレンズ17、鏡16の調整ができない。本発明では、レンズ17とレンズ14の間、あるいは鏡16と鏡15の間に調整用のスペースを必要としないので、従来法では困難であった密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
【0015】
本実施例では図5で示すx方向に調整できる光学ステージの例と、その調整についての例を示したが、y方向についても同様の本発明による光学ステージの機構をとることができる。また、斜め方向への調整が必要である場合でも、固定される部品2にあける中空の曲管の形状を調整することにより、光学系上部からの調整が実現するので、本発明と従来法の光学ステージの機構を組み合わせることにより、xyzの全方向への光学素子の調整を光学系上部から行うことができる。
【0016】
本発明では、部品の中に中空の曲管を配置する必要があるが、本実施例は光造形法により、この構造を実現した。光造形の仕組みを図6、図7に示す。光重合性高分子22を充填した浴槽23にレーザー装置19から出射されるレーザー光21を上部から入射し、レーザー照射位置で光重合を誘起し、光重合性高分子22を固化させる。光重合性高分子22の固化はその液面で起こるため、ガルバノミラー20によりレーザー光21の入射方向を制御し、液面を任意の形状に固化させることができる。液面を必要な形状に固化し、浴槽23を図6の下方向に徐々に移動させ、固化した光重合性高分子22を積層させていくことにより、部品2を成形する。つまり、図8、図9、図10に示すように、光重合性高分子22を順次固化させていくことにより、図1で示した部品2を造形することができた。本発明の実施例では、光造形法により中空の曲管を有する部品、円筒状の部品、稼動部品、および光学素子ホルダーを作製し、金属のボールベアリングを球状の部品として使用することにより、光学素子の位置を光学系上部からxy方向に調整できる光学ステージを作製することに成功した。
【0017】
図11、図12では中空の曲管内に球状部品4、円筒状部品5の代わりにバネ状部品25、チューブ状部品26を配置した。これらの部品でも光学ステージを調整することが可能である。
【0018】
本発明では、中空の曲管を有する部品を作製するために光重合性高分子を用いたが、金属および高分子材料の張り合わせによっても中空の曲管を有する部品を作製することが可能であり、中空の曲管を有する構造はその製作材料を光重合性高分子に限定するものではない。また、円筒状の部品、稼動部品についても同様に、金属および高分子材料の張り合わせにより作製することができる。
【0019】
【発明の効果】
上述したように本発明の光学ステージは、内部に歯車を用いない簡単な構造で、光学系上部からxyz方向に調整することができる。この発明により、従来法では困難であった密に詰まった光学系を設計することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】球状部品と円筒状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【図2】同光学ステージの立体図
【図3】従来のx軸光学ステージの断面図
【図4】従来のz軸光学ステージの断面図
【図5】本発明を用いた光学ステージの光学系実施図例
【図6】光造形法による中空の曲管作製前半の図例
【図7】光造形法による中空の曲管作製後半の図例
【図8】固化した光重合性高分子の積層の前半の図例
【図9】固化した光重合性高分子の積層の中盤の図例
【図10】固化した光重合性高分子の積層の後半の図例
【図11】バネ状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【図12】チューブ状部品を用いた本発明の実施形態を示す光学ステージの断面図
【符号の説明】
1 光学素子ホルダー
2 中空の曲管を持った部品
3 調整ネジ
4 球状部品
5 円筒状部品
6 ちぢみバネ
7 部品
8 光学素子
9 固定された従来型のx軸光学ステージの部品
10 移動する従来型のx軸光学ステージの部品
11 移動する従来型のz軸光学ステージの部品
12 調整ネジに接した三角形状の部品
13 固定された従来型のz軸光学ステージの部品
14 レンズ
15 鏡
16 鏡
17 レンズ
18 調整ネジを回すドライバー
19 光線
20 レーザー装置
21 ガルバノミラー
22 レーザー光
23 光重合性高分子
24 光重合性高分子の浴槽
25 バネ状部品
26 チューブ状部品
Claims (12)
- 光学ステージの部品に中空の曲管を配置し、その中に複数の球状又は棒状の部品を配置して力を伝搬し、光学ステージの稼動部品に伝えることにより、光学ステージに配置された光学部品の位置を調整するネジ、ギア、カム機構を任意に配置できる光学ステージ。
- 縦方向に配置された光学部品の位置を調整するネジ、ギア、カム機構により、請求項1記載の力の伝搬機構により横方向に光学部品を移動させられることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1及び2記載の光学部品が、レンズ、鏡、もしくは光の強度、光の波長、偏光方向、進行方向を制御する光学素子であることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の中空の曲管が配置されている部品が、高分子材料により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の中空の曲管が配置されている部品が、金属により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の球状又は棒状の部品が、高分子材料により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の球状又は棒状の部品が、金属により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の力を伝搬する部品がバネ材料により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の力を伝搬する部品がチューブ材料により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の稼動部品が、高分子材料により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項1記載の稼動部品が、金属により作製されていることを特徴とする光学ステージ。
- 請求項4及び請求項6及び請求項10記載の高分子材料が、光重合性樹脂であることを特徴とする光学ステージ。
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JP2003175553A JP2004341463A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 光学ステージ |
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JP (1) | JP2004341463A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317368A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-11-24 | Kyokko Denki Kk | Memsを用いたファブリペロー型波長可変フィルタ |
JP2008544712A (ja) * | 2005-06-27 | 2008-12-04 | ヴェーデクス・アクティーセルスカプ | 補聴器用長細可変形部材の成形方法およびツール |
JP2021530650A (ja) * | 2018-07-13 | 2021-11-11 | ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション | ボールベアリングによって駆動される角運動伝達 |
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2003
- 2003-05-16 JP JP2003175553A patent/JP2004341463A/ja active Pending
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