JP2004341349A - アクティブマトリックス型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】突き抜け電圧或はリーク電流を抑制することができ、良好な表示を実現することができるアクティブマトリックス型表示装置を提供する。
【解決手段】駆動トランジスタのゲート電極に、一方の電極が接続される容量の他方の電極を、突き抜け電圧をキャンセルするように、突き抜け電圧吸収用の走査線に接続した構成とするものである。
【選択図】 図2
【解決手段】駆動トランジスタのゲート電極に、一方の電極が接続される容量の他方の電極を、突き抜け電圧をキャンセルするように、突き抜け電圧吸収用の走査線に接続した構成とするものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば有機エレクトロ・ルミネセンス(Electro Luminescence 以下ELと記す)を用いたアクティブマトリックス型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置では、その画素部に自己発光素子である有機発光素子が用られており、固体薄膜の積層構造で構成され、かつ液晶表示装置のようにバックライトやフロントライトのような光源を必要としない。このために液晶表示装置に比べて、有機EL表示装置は全体パネルを薄型・軽量化することができ、また耐衝撃性が良好な表示装置の実現が可能となる。
【0003】
上記の有機発光素子は、画素回路の駆動トランジスタにより駆動されるもので、駆動トランジスタのゲート電極には、映像信号に対応したゲート電圧が与えられる。これにより、駆動トランジスタからは、映像信号に対応した安定した電流が対応する発光素子に供給され、映像信号に応じた輝度で該発光素子が発光することになる。
【0004】
駆動トランジスタに対するゲート電圧は、電圧信号方式或は電流信号方式により与えられる。発光素子の画素回路に関する技術として、電圧信号(或は電圧書込み)方式を示した米国特許6,229,506 B1(文献1),電流信号(或は電流書込み)方式を示した米国特許6,373,454 B1(文献2)がある。
【0005】
【特許文献1】
米国特許6,229,506 B1号明細書
【0006】
【特許文献2】
米国特許6,373,454 B1号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記画素回路においては、駆動トランジスタのゲート電極にゲート電圧を与えるために、複数のスイッチトランジスタが設けられている。これらのスイッチトランジスタがオンオフ制御されることにより、前記ゲート電圧が、例えば、1フレーム毎に設定される。このような画素回路において、スイッチトランジスタのオンオフ動作のために、駆動トランジスタのゲート電位が変動し、表示素子へ供給される電流量までも変動してしまう恐れがある。このような影響を及ぼす一因として画素回路を構成するスイッチトランジスタの“突き抜け電圧”が挙げられる。上記のゲート電圧の値が変動すると、駆動トランジスタの出力電流量が変動し、表示素子を映像信号に応じた輝度で動作さえることができなくなるといった問題があった。
【0008】
そこでこの発明は突き抜け電圧の影響による駆動トランジスタのゲート電位変動を補償し、良好な表示を実現することができるアクティブマトリックス型表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するために、画素部において、電源ラインにソース電極が接続された駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が突き抜け電圧吸収用の走査線に接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、信号線からの信号を供給するための画素スイッチと、前記駆動トランジスタのドレイン電極からの出力が供給される発光素子と、前記画素スイッチのゲート電極に接続され、前記信号の供給期間を指定する走査信号が与えられる走査線とを基本的に備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態として有機EL表示装置を例に取り、図面を参照して説明する。
【0011】
図1はこの発明に係る有機EL表示装置の概略図である。
【0012】
有機EL表示装置は、支持基板上に形成され、表示部となる画素配列領域と、表示部を駆動するための走査線駆動回路および信号線駆動回路と、支持基板とは別のプリント回路基板上に形成され、これら駆動回路を駆動するコントローラを備えて構成される。
【0013】
画素配列領域110は、ガラス等の光透過性絶縁基板でなる支持基板上に形成されている。画素配列領域110内には、画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)がマトリックス状に配列されている。
【0014】
支持基板上の画素配列領域110の外側領域には、走査線駆動回路111と、信号線駆動回路112が構成されている。走査線駆動回路111は、マトリックス状に配列された画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)を行毎に走査し、各画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)のデータ受入れ状態、及びデータ保持状態を設定する。信号線駆動回路112は、各画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)が信号受入れ状態となったときに、信号線Data1、Data2、…から書込み信号を出力する。
【0015】
コントローラ113は、信号線駆動回路112及び走査線駆動回路11の動作を得るためのデータ信号、各種(信号取込、信号出力など)タイミング信号、及びクロック信号を出力する。
【0016】
図2には、図1に示した画素配列領域110内の画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、Px(1,3)を取り出して示している。この図は、本発明の特徴部を表すもので、前の行の走査線の電位波形利用し、次の行の画素部で生じる突き抜け電圧を補償するものである。
【0017】
201は電源ラインであり、電源電圧Vddが与えられる。まず、画素部Px(1,1)について説明すると、電源ライン201に、駆動トランジスタ212のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ212のゲート電極と走査線Y0sc1との間には、容量214が接続されている。駆動トランジスタ212のゲート電極間と信号線(Data1)との間には画素スイッチ217が接続されている。また駆動トランジスタ212のドレイン電極は、自己発光素子、例えば有機発光素子(OLED1)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED1)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ212のゲートに接続された容量214は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ217は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。画素スイッチ207のゲート電極は、走査線Y1sc1に接続され、オンオフ制御される。
【0018】
次に画素部Px(1,2)の構成を説明する。電源ライン201に、駆動トランジスタ222のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ222のゲート電極と前段の画素部Px(1,n)を駆動する走査線Y1sc1との間には、容量224が接続されている。駆動トランジスタ222のゲート電極間と信号線(Data1)との間には画素スイッチ227が接続されている。また駆動トランジスタ222のドレイン電極は、自己発光素子、例えば有機発光素子(OLED2)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED2)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ222のゲートに接続された容量224は、駆動電圧を保持することができ、画素スイッチ227は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。画素スイッチ227のゲート電極は、走査線Y2sc1に接続されている。
【0019】
上記の説明からわかるように、この発明の回路では、nライン目の画素部の駆動トランジスタにゲート電圧を与える容量の一方の電極が、1行前(n−1ライン)の画素部の走査線(このような走査線を突き抜け電圧補償用の走査線と言うことができる)に接続された構成である。したがって、図に示されるように更に次に行の画素部Px(1,3)の容量234は、この行の駆動トランジスタ232のゲート電極と、前の行の走査線Y2sc1との間に接続されている。
【0020】
画素部Px(1,1)からPx(1,3)を代表して説明したが、他の画素部の構成も同様な構成である。しかし、信号線は、画素部が位置する列に応じて対応する信号線に接続される。
【0021】
図3は、上記画素部Px(1,2)を中心にした動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0022】
今、容量214に対するデータ書込みが終了し、次の行の容量224に対するデータ書込みが開始されたとする(時点t1)。このときは、走査線Y2sc1上の走査信号は、画素スイッチ227をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量224に書き込むための映像信号が出力され、この映像信号は、画素スイッチ227を介して容量224に供給される。次に時点t2で、走査線Y2sc1上の走査信号が、画素スイッチ227をオフするためにハイレベルとなり、容量224には、電位が保持される。この時、画素スイッチ227のオフ動作のために駆動トランジスタ222のゲート電極に突き抜けによる電位変動が発生する。しかし、容量224が前の行の走査線Y1sc1に接続され、しかもこの走査線Y1sc1に対して、突き抜け電位を吸収(或はキャンセル)し得るだけの電位(画素スイッチ217のオフを維持する方向の充分な電位)が与えられ、かつ、Y2sc1がオフとなった後に、補償電位分Y1sc1が電位変動している。
【0023】
よって、突き抜けによる電位変動が補償され、容量224には、映像信号に応じた所望の電位が保持され、これが駆動トランジスタ222の動作電圧として与えられる。駆動トランジスタ222は、容量224の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED2)を駆動する。
【0024】
次の行のデータ書込みになった時は(時点2)、走査線Y3sc1上の走査信号は、画素スイッチ237をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量234に書き込むための映像信号が出力され、この映像信号は、画素スイッチ237を介して容量234に供給される。次に時点t3で、走査線Y3sc1上の走査信号が、画素スイッチ237をオフするためにハイレベルとなり、容量234には、電位が保持される。
【0025】
この場合も、本回路では、容量234が前の行の走査線Y2sc1に接続され、しかもこの走査線Y2sc1に対して、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(画素スイッチ227のオフを維持する方向の充分な電位)が与えられ、かつ、Y3sc1がオフとなった後に、補償電位分Y2sc1が電位変動している。よって、突き抜けによる電位変動が抑制され、容量224には映像信号に応じた電位が保持される。
【0026】
即ちこの発明は、画素部Px(1,2)を代表すると、画素部において、駆動トランジスタ222と、駆動トランジスタ222のゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が、突き抜け電圧変動をキャンセルする補償用の走査線Y1sc1に接続された容量224を有するところに特徴がある。そして自段の画素スイッチの走査信号がオフする際、予め前段の走査線の電位を補償電位分オフ方向に設定しておく。そして、自段の画素スイッチの走査信号がオフした後に、前段の走査信号を、オフ状態を維持した状態で補償電位分オン方向に変位させることにより自段の突き抜けによる電位変動を補償する。
【0027】
このため突き抜け電圧吸収用の走査線(Y0sc1、Y1sc1,Y2sc1,…)に対しては、画素スイッチがオフする時点を含む1水平期間以上2水平期間以下は、補償電圧(つまり突き抜け電圧をキャンセル或は吸収する電圧)が与えられるのである。
【0028】
この発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、突き抜け電圧をキャンセルするために前の行の走査線の電位を利用したが、専用の補償用配線を設けてもよい。
【0029】
図4にはこの発明の他の実施の形態を示している。図2に示した回路構成と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。L1〜L4は専用線であり、この専用線にそれぞれ対応する容量の電極が接続されている。
【0030】
図5には、図4の回路の動作を説明するためのタイミングチャートを示している。即ち、走査線Y1sc1の走査信号が、画素スイッチ217をオンからオフにするときには(時点t1)、予め専用線L1には、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(補償電位)が与えられている。そして、走査線Y1sc1の走査信号がオフとなった後、専用線L1の電位を補償電位分変動させることによって、容量214では突き抜け電圧の変動分が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ212に与えられる。次に、走査線Y2sc1の走査信号が、画素スイッチ227をオンからオフにするときにも(時点t2)、専用線L2の電位が補償電位分高くなるように予め設定されており、画素スイッチ227がオフした後に補償電位分変動させる。よって、容量224では突き抜け電圧分の電位変動が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ222に与えられる。
【0031】
この発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態は、画素部の駆動回路が、電圧信号方式(電圧書込みタイプ)であったが、電流信号方式であってもよい。
【0032】
図6にはこの発明の他の実施の形態を示している。画素部Px(1,1)において、電源ライン201には、電源電圧Vddが与えられる。電源ライン201に、駆動トランジスタ312のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ312のゲート電極と走査線Y0sc1との間には、容量314が接続されている。駆動トランジスタ312のゲート・ドレイン電極間には、スイッチトランジスタ315が接続されている。さらに駆動トランジスタ312のドレイン電極と信号線(Data1)との間には画素スイッチ317が接続されている。また駆動トランジスタ312のドレイン電極は、スイッチトランジスタ313を介して有機発光素子(OLED1)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED1)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ312のゲートに接続された容量314は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ317は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。
【0033】
先のスイッチトランジスタ315及び画素スイッチ317のゲート電極には、第1の走査線Y1sc1が接続され、スイッチトランジスタ313のゲート電極には走査線Y1sc2が接続されている。第1、第2の走査線Y1sc1〜Y1sc2には、先の走査線駆動回路111からの走査信号が与えられる。
【0034】
次に画素部Px(1,2)の構成を説明する。電源ライン201に、駆動トランジスタ322のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ322のゲート電極と走査線Y1sc1との間には、容量324が接続されている。駆動トランジスタ322のゲート・ドレイン電極間には、スイッチトランジスタ325が接続されている。さらに駆動トランジスタ322のドレイン電極と信号線(Data1)との間には画素スイッチ327が接続されている。また駆動トランジスタ322のドレイン電極は、スイッチトランジスタ323を介して有機発光素子(OLED2)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED2)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ322のゲートに接続された容量324は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ327は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。先のスイッチトランジスタ325及び画素スイッチ327のゲート電極には、第1の走査線Y2sc1が接続され、スイッチトランジスタ323のゲート電極には走査線Y2sc2が接続されている。第1、第2の走査線Y2sc1〜Y2sc2には、先の走査線駆動回路111からの走査信号が与えられる。
【0035】
上記の説明からわかるように、この発明の回路では、nライン目の画素部の駆動トランジスタに動作電圧を与える容量の一方の電極が、1行前(n−1ライン)の画素スイッチの走査線に接続された構成である。したがって、図に示されるように更に次に行の画素部Px(1,3)の容量334は、この行の駆動トランジスタ332のゲート電極と、前の行の走査線Y2sc1との間に接続されている。
【0036】
画素部Px(1,1)からPx(1,3)を代表して説明したが、他の画素部の構成も同様な構成である。しかし、信号線は、画素部が位置する列に応じて対応する信号線が接続される。
【0037】
図7は、上記した回路の動作を説明するために示したタイミングチャートである。
【0038】
今、容量314に対するデータ書込みが終了し、次の行の容量324に対するデータ書込みが開始されたとする(時点t1)。このときは、走査線Y2sc1上の走査信号は、スイッチ325、327をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量324に書き込むための映像信号D2が出力され、この映像信号D2は、スイッチ327、325を介して容量324に供給される。次に時点t2で、走査線Y2sc1上の走査信号が、スイッチ327、325をオフするためにハイレベルとなる。このスイッチ325のオフに先立ち、予め、走査線Y1sc1上の走査信号は突き抜け電位を補償し得るだけの電位(補償電位)が与えらている。そして、走査線Y2sc1上の走査信号がオフとなった後、走査線Y1sc1上の走査信号は先の補償電位分変動させることによって、容量324では突き抜け電圧による変動分が補償され映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ322に与えられる。駆動トランジスタ322は、容量324の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED2)を駆動する。
【0039】
次の行のデータ書込みになった時は(時点2)、走査線Y3sc1上の走査信号は、スイッチ335、337をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量334に書き込むための映像信号D3が出力され、この映像信号D3は、スイッチ337、335を介して容量334に供給される。次に時点t3で、走査線Y3sc1上の走査信号が、スイッチ337、335をオフするためにハイレベルとなる。このスイッチ335のオフに先立ち、予め、走査線Y2sc1上の走査信号は突き抜け電位を補償し得るだけの電位(補償電位)が与えらている。そして、走査線Y3sc1上の走査信号がオフとなった後、走査線Y2sc1上の走査信号は先の補償電位分変動させることによって、容量334では突き抜け電圧による変動分が補償され映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ332に与えられる。駆動トランジスタ332は、容量334の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED3)を駆動する。
【0040】
さらにこの発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、突き抜け電圧をキャンセルするために前の行の走査線の電位を利用したが専用のキャンセル線を設けてもよい。
【0041】
図8にはこの発明の他の実施の形態を示している。図6に示した回路構成と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。L1〜L3は専用線であり、この専用線にそれぞれ対応する容量の電極が接続されている。
【0042】
例えば、走査線Y1sc1の走査信号が、スイッチ315,317をオンからオフにするときには、予め専用線L1には、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(補償電位)が与えられ。そして、走査線Y1sc1の走査信号がオフとなった後、専用線L1の電位を補償電位分変動させることによって、容量314では突き抜け電圧の変動分が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ312に与えられる。次に、走査線Y2sc1の走査信号が、スイッチ、325、327をオンからオフにするときにも、専用線L2の電位が補償電位分高くなるように予め設定されており、スイッチ325、327がオフした後に補償電位分変動させる。よって、容量324では突き抜け電圧分の電位変動が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ322に与えられる。
【0043】
上記のように、この発明は図2、図6の実施の形態では、前の行の走査線を有効に活用している。これに対して図4、図8の実施の形態では専用の線を設けたが、その電位を正確に設定できるという利点がある。
【0044】
尚、上述の実施形態においては、補償電位を突き抜けによる電位変動を吸収できる程度に十分な電位としたが、少なくとも突き抜けによる電位変動の一部を補償することができれば、本発明の効果を奏することができる。
【0045】
この発明の考え方は上記のように、電流信号方式、電圧信号方式のいずれのタイプでも適用できる。また半導体素子としては、アモルファスシリコンによる半導体素子、ポリシリコンよる半導体素子のいずれでもよいことは勿論である。
【0046】
なお、この明細書に記載される発明では、トランジスタのタイプは種々採用することができるので、ソース・ドレイン(或はドレイン・ソース)は第1の端子(電極)・第2の端子(電極)と称し、ゲートは制御端子(制御電極)と称してもよい。
【0047】
上記したようにアレイ基板の画素配列領域では、複数の走査線と複数の信号線とが交差して形成され、複数の走査線と複数の信号線との交差部近傍にそれぞれ画素部が形成され、画素配列領域の外の領域に、前記複数の走査線に接続されて前記複数の画素部に対して行方向へ順次駆動信号を与える走査線駆動回路が形成されている。そして、画素部の回路構成が、電源ラインにソース電極が接続された駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が突き抜け電圧吸収用の走査線に接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、対応信号線からの信号を供給するための画素スイッチと、駆動トランジスタのドレイン電極からの出力が供給される発光素子と、画素スイッチのゲート電極に接続され、前記信号の供給期間を指定する走査信号が与えらえる走査線とを備えるものである。
【0048】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成用を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成を要素を適宜組み合せてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、突き抜け電圧による悪影響を低減し、良好な表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクティブマトリックス型表示装置の素子アレイ基板の概略構成を示す説明図。
【図2】図1の走査線駆動回路内の画素部の回路を取り出して示す回路図。
【図3】図2の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図4】この発明の画素部の回路の他の例を示す回路図。
【図5】図4の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図6】この発明の画素部の回路の更に他の例を示す回路図。
【図7】図6の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図8】この発明の画素部の回路の更にまた他の例を示す回路図。
【符号の説明】
110…画素配列領域、111…走査線駆動回路、112…信号線駆動回路、201…電源ライン、212…駆動トランジスタ、213、215…スイッチトランジスタ、214…容量、217…画素スイッチ、OLED1…有機発光素子。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば有機エレクトロ・ルミネセンス(Electro Luminescence 以下ELと記す)を用いたアクティブマトリックス型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置では、その画素部に自己発光素子である有機発光素子が用られており、固体薄膜の積層構造で構成され、かつ液晶表示装置のようにバックライトやフロントライトのような光源を必要としない。このために液晶表示装置に比べて、有機EL表示装置は全体パネルを薄型・軽量化することができ、また耐衝撃性が良好な表示装置の実現が可能となる。
【0003】
上記の有機発光素子は、画素回路の駆動トランジスタにより駆動されるもので、駆動トランジスタのゲート電極には、映像信号に対応したゲート電圧が与えられる。これにより、駆動トランジスタからは、映像信号に対応した安定した電流が対応する発光素子に供給され、映像信号に応じた輝度で該発光素子が発光することになる。
【0004】
駆動トランジスタに対するゲート電圧は、電圧信号方式或は電流信号方式により与えられる。発光素子の画素回路に関する技術として、電圧信号(或は電圧書込み)方式を示した米国特許6,229,506 B1(文献1),電流信号(或は電流書込み)方式を示した米国特許6,373,454 B1(文献2)がある。
【0005】
【特許文献1】
米国特許6,229,506 B1号明細書
【0006】
【特許文献2】
米国特許6,373,454 B1号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記画素回路においては、駆動トランジスタのゲート電極にゲート電圧を与えるために、複数のスイッチトランジスタが設けられている。これらのスイッチトランジスタがオンオフ制御されることにより、前記ゲート電圧が、例えば、1フレーム毎に設定される。このような画素回路において、スイッチトランジスタのオンオフ動作のために、駆動トランジスタのゲート電位が変動し、表示素子へ供給される電流量までも変動してしまう恐れがある。このような影響を及ぼす一因として画素回路を構成するスイッチトランジスタの“突き抜け電圧”が挙げられる。上記のゲート電圧の値が変動すると、駆動トランジスタの出力電流量が変動し、表示素子を映像信号に応じた輝度で動作さえることができなくなるといった問題があった。
【0008】
そこでこの発明は突き抜け電圧の影響による駆動トランジスタのゲート電位変動を補償し、良好な表示を実現することができるアクティブマトリックス型表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するために、画素部において、電源ラインにソース電極が接続された駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が突き抜け電圧吸収用の走査線に接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、信号線からの信号を供給するための画素スイッチと、前記駆動トランジスタのドレイン電極からの出力が供給される発光素子と、前記画素スイッチのゲート電極に接続され、前記信号の供給期間を指定する走査信号が与えられる走査線とを基本的に備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態として有機EL表示装置を例に取り、図面を参照して説明する。
【0011】
図1はこの発明に係る有機EL表示装置の概略図である。
【0012】
有機EL表示装置は、支持基板上に形成され、表示部となる画素配列領域と、表示部を駆動するための走査線駆動回路および信号線駆動回路と、支持基板とは別のプリント回路基板上に形成され、これら駆動回路を駆動するコントローラを備えて構成される。
【0013】
画素配列領域110は、ガラス等の光透過性絶縁基板でなる支持基板上に形成されている。画素配列領域110内には、画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)がマトリックス状に配列されている。
【0014】
支持基板上の画素配列領域110の外側領域には、走査線駆動回路111と、信号線駆動回路112が構成されている。走査線駆動回路111は、マトリックス状に配列された画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)を行毎に走査し、各画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)のデータ受入れ状態、及びデータ保持状態を設定する。信号線駆動回路112は、各画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、……、Px(n,m)が信号受入れ状態となったときに、信号線Data1、Data2、…から書込み信号を出力する。
【0015】
コントローラ113は、信号線駆動回路112及び走査線駆動回路11の動作を得るためのデータ信号、各種(信号取込、信号出力など)タイミング信号、及びクロック信号を出力する。
【0016】
図2には、図1に示した画素配列領域110内の画素部Px(1,1)、Px(2,1)…、Px(1,2)、Px(1,3)を取り出して示している。この図は、本発明の特徴部を表すもので、前の行の走査線の電位波形利用し、次の行の画素部で生じる突き抜け電圧を補償するものである。
【0017】
201は電源ラインであり、電源電圧Vddが与えられる。まず、画素部Px(1,1)について説明すると、電源ライン201に、駆動トランジスタ212のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ212のゲート電極と走査線Y0sc1との間には、容量214が接続されている。駆動トランジスタ212のゲート電極間と信号線(Data1)との間には画素スイッチ217が接続されている。また駆動トランジスタ212のドレイン電極は、自己発光素子、例えば有機発光素子(OLED1)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED1)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ212のゲートに接続された容量214は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ217は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。画素スイッチ207のゲート電極は、走査線Y1sc1に接続され、オンオフ制御される。
【0018】
次に画素部Px(1,2)の構成を説明する。電源ライン201に、駆動トランジスタ222のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ222のゲート電極と前段の画素部Px(1,n)を駆動する走査線Y1sc1との間には、容量224が接続されている。駆動トランジスタ222のゲート電極間と信号線(Data1)との間には画素スイッチ227が接続されている。また駆動トランジスタ222のドレイン電極は、自己発光素子、例えば有機発光素子(OLED2)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED2)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ222のゲートに接続された容量224は、駆動電圧を保持することができ、画素スイッチ227は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。画素スイッチ227のゲート電極は、走査線Y2sc1に接続されている。
【0019】
上記の説明からわかるように、この発明の回路では、nライン目の画素部の駆動トランジスタにゲート電圧を与える容量の一方の電極が、1行前(n−1ライン)の画素部の走査線(このような走査線を突き抜け電圧補償用の走査線と言うことができる)に接続された構成である。したがって、図に示されるように更に次に行の画素部Px(1,3)の容量234は、この行の駆動トランジスタ232のゲート電極と、前の行の走査線Y2sc1との間に接続されている。
【0020】
画素部Px(1,1)からPx(1,3)を代表して説明したが、他の画素部の構成も同様な構成である。しかし、信号線は、画素部が位置する列に応じて対応する信号線に接続される。
【0021】
図3は、上記画素部Px(1,2)を中心にした動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0022】
今、容量214に対するデータ書込みが終了し、次の行の容量224に対するデータ書込みが開始されたとする(時点t1)。このときは、走査線Y2sc1上の走査信号は、画素スイッチ227をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量224に書き込むための映像信号が出力され、この映像信号は、画素スイッチ227を介して容量224に供給される。次に時点t2で、走査線Y2sc1上の走査信号が、画素スイッチ227をオフするためにハイレベルとなり、容量224には、電位が保持される。この時、画素スイッチ227のオフ動作のために駆動トランジスタ222のゲート電極に突き抜けによる電位変動が発生する。しかし、容量224が前の行の走査線Y1sc1に接続され、しかもこの走査線Y1sc1に対して、突き抜け電位を吸収(或はキャンセル)し得るだけの電位(画素スイッチ217のオフを維持する方向の充分な電位)が与えられ、かつ、Y2sc1がオフとなった後に、補償電位分Y1sc1が電位変動している。
【0023】
よって、突き抜けによる電位変動が補償され、容量224には、映像信号に応じた所望の電位が保持され、これが駆動トランジスタ222の動作電圧として与えられる。駆動トランジスタ222は、容量224の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED2)を駆動する。
【0024】
次の行のデータ書込みになった時は(時点2)、走査線Y3sc1上の走査信号は、画素スイッチ237をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量234に書き込むための映像信号が出力され、この映像信号は、画素スイッチ237を介して容量234に供給される。次に時点t3で、走査線Y3sc1上の走査信号が、画素スイッチ237をオフするためにハイレベルとなり、容量234には、電位が保持される。
【0025】
この場合も、本回路では、容量234が前の行の走査線Y2sc1に接続され、しかもこの走査線Y2sc1に対して、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(画素スイッチ227のオフを維持する方向の充分な電位)が与えられ、かつ、Y3sc1がオフとなった後に、補償電位分Y2sc1が電位変動している。よって、突き抜けによる電位変動が抑制され、容量224には映像信号に応じた電位が保持される。
【0026】
即ちこの発明は、画素部Px(1,2)を代表すると、画素部において、駆動トランジスタ222と、駆動トランジスタ222のゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が、突き抜け電圧変動をキャンセルする補償用の走査線Y1sc1に接続された容量224を有するところに特徴がある。そして自段の画素スイッチの走査信号がオフする際、予め前段の走査線の電位を補償電位分オフ方向に設定しておく。そして、自段の画素スイッチの走査信号がオフした後に、前段の走査信号を、オフ状態を維持した状態で補償電位分オン方向に変位させることにより自段の突き抜けによる電位変動を補償する。
【0027】
このため突き抜け電圧吸収用の走査線(Y0sc1、Y1sc1,Y2sc1,…)に対しては、画素スイッチがオフする時点を含む1水平期間以上2水平期間以下は、補償電圧(つまり突き抜け電圧をキャンセル或は吸収する電圧)が与えられるのである。
【0028】
この発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、突き抜け電圧をキャンセルするために前の行の走査線の電位を利用したが、専用の補償用配線を設けてもよい。
【0029】
図4にはこの発明の他の実施の形態を示している。図2に示した回路構成と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。L1〜L4は専用線であり、この専用線にそれぞれ対応する容量の電極が接続されている。
【0030】
図5には、図4の回路の動作を説明するためのタイミングチャートを示している。即ち、走査線Y1sc1の走査信号が、画素スイッチ217をオンからオフにするときには(時点t1)、予め専用線L1には、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(補償電位)が与えられている。そして、走査線Y1sc1の走査信号がオフとなった後、専用線L1の電位を補償電位分変動させることによって、容量214では突き抜け電圧の変動分が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ212に与えられる。次に、走査線Y2sc1の走査信号が、画素スイッチ227をオンからオフにするときにも(時点t2)、専用線L2の電位が補償電位分高くなるように予め設定されており、画素スイッチ227がオフした後に補償電位分変動させる。よって、容量224では突き抜け電圧分の電位変動が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ222に与えられる。
【0031】
この発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態は、画素部の駆動回路が、電圧信号方式(電圧書込みタイプ)であったが、電流信号方式であってもよい。
【0032】
図6にはこの発明の他の実施の形態を示している。画素部Px(1,1)において、電源ライン201には、電源電圧Vddが与えられる。電源ライン201に、駆動トランジスタ312のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ312のゲート電極と走査線Y0sc1との間には、容量314が接続されている。駆動トランジスタ312のゲート・ドレイン電極間には、スイッチトランジスタ315が接続されている。さらに駆動トランジスタ312のドレイン電極と信号線(Data1)との間には画素スイッチ317が接続されている。また駆動トランジスタ312のドレイン電極は、スイッチトランジスタ313を介して有機発光素子(OLED1)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED1)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ312のゲートに接続された容量314は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ317は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。
【0033】
先のスイッチトランジスタ315及び画素スイッチ317のゲート電極には、第1の走査線Y1sc1が接続され、スイッチトランジスタ313のゲート電極には走査線Y1sc2が接続されている。第1、第2の走査線Y1sc1〜Y1sc2には、先の走査線駆動回路111からの走査信号が与えられる。
【0034】
次に画素部Px(1,2)の構成を説明する。電源ライン201に、駆動トランジスタ322のソース電極が接続されている。駆動トランジスタ322のゲート電極と走査線Y1sc1との間には、容量324が接続されている。駆動トランジスタ322のゲート・ドレイン電極間には、スイッチトランジスタ325が接続されている。さらに駆動トランジスタ322のドレイン電極と信号線(Data1)との間には画素スイッチ327が接続されている。また駆動トランジスタ322のドレイン電極は、スイッチトランジスタ323を介して有機発光素子(OLED2)のアノード電極に接続され、この有機発光素子(OLED2)のカソード電極は低電源ライン(或はアースライン)に接続される。駆動トランジスタ322のゲートに接続された容量324は、駆動電圧を保持することができる。画素スイッチ327は信号供給用として利用される。信号線(Data1)は、先の信号線駆動回路112により駆動される。先のスイッチトランジスタ325及び画素スイッチ327のゲート電極には、第1の走査線Y2sc1が接続され、スイッチトランジスタ323のゲート電極には走査線Y2sc2が接続されている。第1、第2の走査線Y2sc1〜Y2sc2には、先の走査線駆動回路111からの走査信号が与えられる。
【0035】
上記の説明からわかるように、この発明の回路では、nライン目の画素部の駆動トランジスタに動作電圧を与える容量の一方の電極が、1行前(n−1ライン)の画素スイッチの走査線に接続された構成である。したがって、図に示されるように更に次に行の画素部Px(1,3)の容量334は、この行の駆動トランジスタ332のゲート電極と、前の行の走査線Y2sc1との間に接続されている。
【0036】
画素部Px(1,1)からPx(1,3)を代表して説明したが、他の画素部の構成も同様な構成である。しかし、信号線は、画素部が位置する列に応じて対応する信号線が接続される。
【0037】
図7は、上記した回路の動作を説明するために示したタイミングチャートである。
【0038】
今、容量314に対するデータ書込みが終了し、次の行の容量324に対するデータ書込みが開始されたとする(時点t1)。このときは、走査線Y2sc1上の走査信号は、スイッチ325、327をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量324に書き込むための映像信号D2が出力され、この映像信号D2は、スイッチ327、325を介して容量324に供給される。次に時点t2で、走査線Y2sc1上の走査信号が、スイッチ327、325をオフするためにハイレベルとなる。このスイッチ325のオフに先立ち、予め、走査線Y1sc1上の走査信号は突き抜け電位を補償し得るだけの電位(補償電位)が与えらている。そして、走査線Y2sc1上の走査信号がオフとなった後、走査線Y1sc1上の走査信号は先の補償電位分変動させることによって、容量324では突き抜け電圧による変動分が補償され映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ322に与えられる。駆動トランジスタ322は、容量324の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED2)を駆動する。
【0039】
次の行のデータ書込みになった時は(時点2)、走査線Y3sc1上の走査信号は、スイッチ335、337をオンするために、ハイレベルからローレベルに変化する。また信号線(Data1)からは、容量334に書き込むための映像信号D3が出力され、この映像信号D3は、スイッチ337、335を介して容量334に供給される。次に時点t3で、走査線Y3sc1上の走査信号が、スイッチ337、335をオフするためにハイレベルとなる。このスイッチ335のオフに先立ち、予め、走査線Y2sc1上の走査信号は突き抜け電位を補償し得るだけの電位(補償電位)が与えらている。そして、走査線Y3sc1上の走査信号がオフとなった後、走査線Y2sc1上の走査信号は先の補償電位分変動させることによって、容量334では突き抜け電圧による変動分が補償され映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ332に与えられる。駆動トランジスタ332は、容量334の電位に応じた駆動電流を出力し、有機発光素子(OLED3)を駆動する。
【0040】
さらにこの発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、突き抜け電圧をキャンセルするために前の行の走査線の電位を利用したが専用のキャンセル線を設けてもよい。
【0041】
図8にはこの発明の他の実施の形態を示している。図6に示した回路構成と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。L1〜L3は専用線であり、この専用線にそれぞれ対応する容量の電極が接続されている。
【0042】
例えば、走査線Y1sc1の走査信号が、スイッチ315,317をオンからオフにするときには、予め専用線L1には、突き抜け電位を吸収し得るだけの電位(補償電位)が与えられ。そして、走査線Y1sc1の走査信号がオフとなった後、専用線L1の電位を補償電位分変動させることによって、容量314では突き抜け電圧の変動分が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ312に与えられる。次に、走査線Y2sc1の走査信号が、スイッチ、325、327をオンからオフにするときにも、専用線L2の電位が補償電位分高くなるように予め設定されており、スイッチ325、327がオフした後に補償電位分変動させる。よって、容量324では突き抜け電圧分の電位変動が補償され、映像信号に応じた動作電位が保持され、これが駆動トランジスタ322に与えられる。
【0043】
上記のように、この発明は図2、図6の実施の形態では、前の行の走査線を有効に活用している。これに対して図4、図8の実施の形態では専用の線を設けたが、その電位を正確に設定できるという利点がある。
【0044】
尚、上述の実施形態においては、補償電位を突き抜けによる電位変動を吸収できる程度に十分な電位としたが、少なくとも突き抜けによる電位変動の一部を補償することができれば、本発明の効果を奏することができる。
【0045】
この発明の考え方は上記のように、電流信号方式、電圧信号方式のいずれのタイプでも適用できる。また半導体素子としては、アモルファスシリコンによる半導体素子、ポリシリコンよる半導体素子のいずれでもよいことは勿論である。
【0046】
なお、この明細書に記載される発明では、トランジスタのタイプは種々採用することができるので、ソース・ドレイン(或はドレイン・ソース)は第1の端子(電極)・第2の端子(電極)と称し、ゲートは制御端子(制御電極)と称してもよい。
【0047】
上記したようにアレイ基板の画素配列領域では、複数の走査線と複数の信号線とが交差して形成され、複数の走査線と複数の信号線との交差部近傍にそれぞれ画素部が形成され、画素配列領域の外の領域に、前記複数の走査線に接続されて前記複数の画素部に対して行方向へ順次駆動信号を与える走査線駆動回路が形成されている。そして、画素部の回路構成が、電源ラインにソース電極が接続された駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、一方の電極が接続され、他方の電極が突き抜け電圧吸収用の走査線に接続された容量と、前記駆動トランジスタのゲート電極に対して、対応信号線からの信号を供給するための画素スイッチと、駆動トランジスタのドレイン電極からの出力が供給される発光素子と、画素スイッチのゲート電極に接続され、前記信号の供給期間を指定する走査信号が与えらえる走査線とを備えるものである。
【0048】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成用を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成を要素を適宜組み合せてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、突き抜け電圧による悪影響を低減し、良好な表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクティブマトリックス型表示装置の素子アレイ基板の概略構成を示す説明図。
【図2】図1の走査線駆動回路内の画素部の回路を取り出して示す回路図。
【図3】図2の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図4】この発明の画素部の回路の他の例を示す回路図。
【図5】図4の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図6】この発明の画素部の回路の更に他の例を示す回路図。
【図7】図6の回路の動作を説明するために示したタイミングチャート。
【図8】この発明の画素部の回路の更にまた他の例を示す回路図。
【符号の説明】
110…画素配列領域、111…走査線駆動回路、112…信号線駆動回路、201…電源ライン、212…駆動トランジスタ、213、215…スイッチトランジスタ、214…容量、217…画素スイッチ、OLED1…有機発光素子。
Claims (7)
- マトリクス状に配置した画素部において、一対の電源間に接続された表示素子と、
ソースが前記一対の電源の一方に接続され、ドレインが前記表示素子に接続された駆動トランジスタと、
一端子が前記駆動トランジスタのゲートに接続され、他端子に映像信号が供給されるスイッチと、
一端子が前記駆動トランジスタの前記ゲートに接続され、他端子が走査信号を供給する走査線に接続した容量と、を含み、
前記走査信号は、前記スイッチのオフ時に維持される第1電圧レベルと、前記スイッチのオフ後に設定される第2電圧レベルとを含み、前記第2電圧レベルから前記第1電圧レベルへの電位変動により前記スイッチのオフ時の突き抜け電圧の少なくとも一部を補償することを特徴とするアクティブマトリックス型表示装置。 - 前記走査線は、上記画素部が位置する行の前の行のスイッチのオンオフ制御を行なう信号を与えるための配線であることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
- 前記走査線は、前記スイッチのオンオフ制御を行なう信号を与えるための配線とは独立して専用に設けられたことを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
- 前記スイッチの前記他端子は、映像信号を供給する信号線に接続することを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
- 前記スイッチの前記他端子は、第2スイッチを介して映像信号を供給する信号船に接続すると共に、前記駆動トランジスタのドレインと接続することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
- 前記走査信号は、前記画素部に映像信号を書き込む1水平期間以上、前記第1電圧レベルに維持されることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
- 前記画素配列領域は支持基板上に形成されており、この支持基板上には、更に、前記画素配列領域の外側領域に、走査線駆動回路および信号線駆動回路とが形成されており、前記走査線駆動回路から前記画素部に向かって、前記走査信号を出力する前記走査線が形成されており、前記信号線駆動回路から前記画素部に向かって映像信号を出力する信号線が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリックス型表示装置。
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