JP2004341085A - 感光体クリーニング機構、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

感光体クリーニング機構、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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雅人 柳田
Hiroyasu Nagashima
弘恭 長島
Naohiro Kumagai
直洋 熊谷
Toshio Koike
寿男 小池
Atsushi Sanpei
敦史 三瓶
Masanori Kawasumi
正則 川隅
Eisaku Murakami
栄作 村上
Takeshi Uchitani
武志 内谷
Masami Tomita
正実 冨田
Takashi Shintani
剛史 新谷
Tsutomu Yamagami
勉 山上
Takeshi Saito
健 斉藤
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Abstract

【課題】感光体表面に付着する物質を効率的に除去し、長期に渡って良好なクリーニング性能を維持できる感光体クリーニング機構を提供する。
【解決手段】芯金の外周に少なくとも弾性層を設けてなり、像担持体表面ををクリーニングする感光体クリーニング機構であって、この感光体クリーニング機構は、密度5〜15kg/m、引っ張り強度1.7±0.5kg/cm、伸び率20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える感光体クリーニング機構である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスに配設される感光体表面の汚れをクリーニングする感光体クリーニング機構、これを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を利用したカラー画像形成装置は広範に普及してきており、また、デジタル化された画像が容易に入手できることも関係して、プリントされる画像の更なる高精細化が要望されている。画像のより高い解像度や階調性が検討される中で、潜像を可視化するトナー側の改良としては、高精細画像を形成するために、球形化、小粒径化の検討がなされている。しかし、球形化、小粒径化されたトナーでは、いわるゆ付着力が大きくなり、流動性が低下する。このために、静電複写プロセスの中で、転写率が低下し、さらに、ブレード方式のクリーニングが困難になるという不具合がある。
このために、球形化、小粒径化されたトナーには、シリカ、チタニア等の外添剤を多量に添加して、これらの流動性の改善を図ることが多い。しかしながら、感光体表面のトナーから外添剤であるシリカが感光体側に移行し、この移行したシリカが核となってトナーの構成材料が付着して、感光体上に黒スジが形成されることがある。
【0003】
また、帯電装置で感光体を帯電させるときに、帯電装置による放電でオゾン、窒素酸化物等が生成される。このオゾンは、高濃度で画像形成装置内に滞留すると感光体表面が酸化され、感光体光感度の低下や帯電能力の劣化を生じさせ、形成画像が悪化する。窒素酸化物は、空気中の水分と反応して硝酸になり、さらに、金属等と反応して金属硝酸塩が生成される。また、放電領域中では、アンモニウムイオンも同時に形成されており、このアンモニウムイオンが窒素酸化物と反応し、化合物が生成される。これらの生成物は低湿環境下では高抵抗であるが、高湿環境下では空気中の水と反応し、感光体表面に硝酸または硝酸塩による薄い膜が形成されて低抵抗となり、画像が流れるような異常画像が発生する。
【0004】
したがって、感光体上の黒スジ、化合物等を除去するために、特許文献1では、電子写真感光体に形成された静電潜像を、研摩物質の含有するトナーで現像する電子写真画像形成方法が開示されている。これによって、繰り返し使用後まで高品位の画像を安定して得ることができる。しかしながら、トナーに添加するのでは、形成する画像の状態によって感光体上の研摩物質が不均一になり、研摩状態が不均一になるという問題点がある。
また、特許文献2では、トナー像の形成工程の前に微粒子を付着させる工程を設け、かつ、画像形成サイクルを繰り返す過程で感光体の劣化に応じて感光体表面の研摩、清浄化工程を設ける画像形成方法が開示されている。特許文献3では、感光体に当接した研摩手段を有し、感光体の感光体の研摩手段による研摩速度は0.5〜5μm/10プリントであるカラー画像形成装置が開示されている。しかし、研摩手段等では感光体まで研摩するために感光体の寿命が低下するという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−138687号公報
【特許文献2】
特開平10−222008号公報
【特許文献2】
特開平10−207168号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、感光体の研摩をできるだけ少なくして感光体の寿命の低下を抑制し、感光体上のトナー構成材料、紙粉等の付着物、放電による生成物をクリーニングする感光体クリーニング装置を提供する。
さらに、感光体上の付着物、放電による生成物をクリーニングして異常画像の発生を抑えて、かつ、感光体の研摩をできるだけ少なくして、長期にわたって安定した画像を提供することができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、このクリーニング機構は、弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える感光体クリーニング機構である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の感光体クリーニング機構において、 前記クリーニングローラが、メラミン樹脂の発泡体からなる感光体クリーニング機構である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の感光体クリーニング機構において、前記クリーニングローラは、感光体と連れ回りする感光体クリーニング機構である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の感光体クリーニング機構において、前記クリーニングローラは、揺動機構を備える感光体クリーニング機構である。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の感光体クリーニング機構において、前記クリーニングローラは、ワンウェイクラッチを有する駆動機構を備える感光体クリーニング機構である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、潜像を形成する感光体を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、前記プロセスカートリッジは、芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、該弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備えるプロセスカートリッジである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記クリーニングローラは、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニングローラであるプロセスカートリッジである。
【0009】
請求項8に記載の発明は、潜像を形成する感光体と、感光体を帯電させる帯電装置と、感光体上の静電潜像を可視化したトナー像を形成する現像装置と、感光体のトナー像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上のトナー像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、前記画像形成装置は、芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、該弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記クリーニングローラは、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニングローラである画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9のに記載の画像形成装置において、 前記トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.00〜1.40の範囲にある画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、形状係数SF−1で100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2で100〜180の範囲にある画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、請求項8ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである画像形成装置である。
請求項14に記載の発明は、電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、該トナーは、請求項8に記載のが像形成装置において使用されるトナーであり、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.00〜1.40の範囲にある画像形成装置である。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、前記トナーは、形状係数SF−1で100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2で100〜180の範囲にある画像形成装置である。
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の画像形成装置において、前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する画像形成装置である。
請求項17に記載の発明は、請求項14ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、前記トナーは、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである画像形成装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の感光体クリーニング機構を装着した画像形成装置の構成を示す概略図である。図2は、本発明の感光体クリーニング機構を装着した画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。
潜像担持体である感光体1の周囲は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置6、定着装置7、クリーニング装置8及び感光体クリーニング機構9が配置されている。
【0011】
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物を用いることができる。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物による感光体を用いることが好ましい。
帯電装置2は、芯金の外周に少なくとも弾性層を設けてなる帯電ローラ2aと帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ2aに高電圧を印加して、曲率を有する帯電ローラ2aと感光体1との間に所定の電圧を印加し、感光体1との間でコロナ放電を発生させて感光体1の表面を帯電させるものである。
【0012】
露光装置3は、読取装置20内のスキャナーで読み取ったデータ及び図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光3aをスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
現像装置4は、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体と、トナー供給室等を備える。感光体1と微小間隔をおいて配置された円筒状の現像剤担持体と、現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤規制部材とを有している。現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」と記す。)は、回転可能に支持された中空円筒状の現像スリーブと、現像スリーブの内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像スリーブの外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像スリーブは導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための電源が接続されている。現像スリーブと感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
【0013】
転写装置6は、転写バイアスローラ6a、転写ベルト6bとテンションローラ6cから構成されている。転写バイアスローラ6aは、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に、導電性又は半導電性の弾性層を設けて構成する。転写ベルト6bには、記録紙を感光体1に密着させるために、感光体1側に必要な圧力がかけられる。転写ベルト6bは、基材として耐熱性の材料を種々選択する事で効果が得られ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成とすることができる。又、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設けても良い。転写ベルト6bの内側には、転写ベルトを駆動及び張架するためにテンションローラ6cが設けられている。
定着装置7は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒータを有する定着ローラと、圧接される加圧ローラとを備えている。定着ローラは、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラの外周面には、温度検知手段が設けられ、定着ローラの表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータが制御されている。加圧ローラは、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラと同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けても良い。
【0014】
クリーニング装置8は、クリーニング手段としてクリーニングブレード8aを有する。また、クリーニングブレード8aに当接する荷重を付勢する加圧スプリング8b、クリーニングされたトナーを搬送する回収コイル8c、クリーニングされたトナーを回収するトナー回収羽根8d、クリーニングブレード8aを支持する支持部材8eを備えている。更に、図示されないトナー回収ボックスを備える。
クリーニングブレード8aは、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。クリーニングブレード8aは、主に転写工程後の感光体1上に残留するトナーを除去する。
【0015】
また、感光体クリーニング機構であるクリーニングローラ9は、少なくとも、円筒状の芯金9aと、この芯金の外周部に設ける弾性層9bとからなっている。芯金9aは、銅、アルミニウム、SUS等の金属、PP、PE等の樹脂を用いる。好ましくは、感光体に押圧されたときの変形を少なくするために、金属が好ましい。
弾性層9bは、密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の範囲を示す連続気泡構造を有する樹脂発泡体を用いる。密度が上記のように小さい値を示し、連続気泡構造である発泡体は、微細な気孔を有する網目状の形態を示し、発泡体の骨格部分で感光体表面のトナー等の付着物を削り取り、気孔内に保持することができる。また、引張強度、伸び率が上記の範囲にあることにより、樹脂発泡体は脆い性質を示し、感光体との接触面で受ける摩擦力により剥がれ落ちる。樹脂発泡体の気孔内に保持されたトナー等の付着物もこのとき一緒に剥がれ落ちるため、従来用いられてきた樹脂発泡体のように、付着物が発泡体の気孔内に溜め込まれることはなく、常にフレッシュな面でのクリーニングが可能になる。
【0016】
上記の物性値を示す樹脂発泡体の中でも、特にメラミン樹脂発泡体が好ましい。メラミン樹脂で形成された発泡体は、網目状の繊維が硬いため、感光体上の付着物を容易に削り取る、あるいは引っかけ剥ぎ取ることができる。このようにクリーニング性能に優れると共に、上記の脆い性質を示すことから、常にクリーニングローラ9のフレッシュな面が感光体1表面と接し、良好なクリーニング性能を維持することができる。
また、クリーニングローラ9は、回動自在に支持され、図2に示すように、感光体の矢印方向の回転に対し連れ回りする。このように、クリーニングローラ9を感光体の回転に従動させることにより、クリーニングローラ9には駆動装置が不要となり、構成を簡易にできる。また、クリーニングローラ9が上記の樹脂発泡体からなることから、帯電ローラ2a表面との接触に特に押圧力を必要としなくとも十分なクリーニング性能を得ることができる。このため、感光体表面の摩耗を抑えることもできる。
【0017】
更に、クリーニングローラ9は、感光体1の回転に伴って、長手方向に揺動する揺動機構を備えることが好ましい。この機構は、例えば、クリーニングローラ9の芯軸先端にベアリングを備え、揺動カム付きギヤのカム面に突き当たるようにし、帯電ローラの回転に伴い、揺動カム付きギヤが回転すると、カム面の凹凸に従ってクリーニングローラ9が長手方向に揺動する機構等を用いることができる。
このように、クリーニングローラ9を揺動させることで、感光体1表面のクリーニングを均一にすることができる。特に、紙粉は、記録紙の両端部から発生することが多いため、感光体1上に付着する位置が偏って付着することが多い。そこで、クリーニングローラ9を揺動させることで、このような付着物の偏りにも対応し、クリーニングを均一にする。
【0018】
また、図2に示す形態とは別の実施形態として、クリーニングローラ9の芯金9a端部にワンウェイクラッチを設ける構成としても良い。画像形成動作中、ワンウェイクラッチはロックされており、これによりクリーニングローラ9は停止して、感光体の回転によってその表面を摺察することでクリーニングする。一方、画像形成終了時、感光体1は僅かに逆回転を伴って停止する。このとき、ワンウェイクラッチにより、クリーニングローラ9が僅かに回転して停止する。
このような構成にすることで、クリーニングローラ9の樹脂発泡体部分が感光体1表面に過度に強く当たることがないため、感光体1表面の摩耗を抑えることができると共に、感光体1に対するクリーニングローラ9の当接位置を順次ずらしていくことができ、良好なクリーニングを行うことができる。
【0019】
以上説明してきた本発明の感光体クリーニング機構9は、感光体1とを少なくとも含み、更に、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置8から選択される任意の手段とを含んで一体に支持し、画像形成装置100本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジにも用いることができる。当該プロセスカートリッジに設けられた感光体1に感光体クリーニング機構9を配備することで、感光体1表面のクリーニングを良好に行い、帯電の均一性を維持する。また、プロセスカートリッジの寿命が到来するまで、感光体1の一様帯電性を損なうことはない。
【0020】
本発明の感光体クリーニング機構9を搭載する画像形成装置100は、図1の構成に限るものではなく、感光体1上のトナー像を一旦転写されて担持する中間転写体を備える構成や、多色画像を形成するために感光体を複数備える構成であってもよい。また、感光体がドラム状ではなく、ベルト状であっても良い。
【0021】
また、本発明に係る画像形成装置100において、現像装置4で使用するトナーは、体積平均粒径3〜8μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある小粒径で粒径分布も狭いトナーが好ましい。小粒径のトナーを用いることで、潜像に対して緻密にトナーを付着させることができる。また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。また、逆帯電トナーの量も減らせるため、帯電ローラクリーニング機構の長期維持に好適である。
【0022】
また、現像装置4で使用するトナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができる球形トナーであることが好ましい。図3は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)………式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)………式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーはSF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーである。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触合点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、球形トナーはクリーニングブレード8aと感光体1との間隙に入り込みやすいため、トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、画像上にトナーが散ってしまい画像品位が低下する。このために、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0023】
本発明の画像形成装置100に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0024】
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0025】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0026】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0027】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0028】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0029】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0030】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0031】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0032】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0033】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0034】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0035】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0036】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0037】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0038】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0039】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0040】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0041】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0042】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0043】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0044】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0045】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0046】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0047】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0048】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0049】
また、本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図4は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図4において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図4(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図4(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0050】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明では、所定の物性値を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える感光体クリーニング機構により、感光体表面のトナー等の付着物を効率的に除去することができる。また、この感光体クリーニング機構は、長期に渡って良好なクリーニング性能を維持することができる。更に、本発明では、感光体の安定した帯電性を維持することができるプロセスカートリッジ、ならびに画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体クリーニング機構を備えた画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の感光体クリーニング機構を備えた画像形成装置の感光体周囲の構成を示す概略図である。
【図3】形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図4】本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
2b クリーニングパッド
3 露光装置
3a レーザ光
4 現像装置
6 転写装置
6a 転写バイアスローラ
6b 転写ベルト
6c テンションローラ
7 定着装置
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード
8b 加圧スプリング
8c 回収コイル
8d トナー回収羽根
8e 支持部材
9 感光体クリーニング機構
9a 芯金
9b 弾性層
11 転写前露光
100 画像形成装置

Claims (17)

  1. 芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、
    このクリーニング機構は、弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える
    ことを特徴とする感光体クリーニング機構。
  2. 請求項1に記載の感光体クリーニング機構において、
    前記クリーニングローラが、メラミン樹脂の発泡体からなる
    ことを特徴とする感光体クリーニング機構。
  3. 請求項1又は2に記載の感光体クリーニング機構において、
    前記クリーニングローラは、感光体と連れ回りする
    ことを特徴とする感光体クリーニング機構。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の感光体クリーニング機構において、
    前記クリーニングローラは、揺動機構を備える
    ことを特徴とする感光体クリーニング機構。
  5. 請求項1又は2に記載の感光体クリーニング機構において、
    前記クリーニングローラは、ワンウェイクラッチを有する駆動機構を備える
    ことを特徴とする感光体クリーニング機構。
  6. 潜像を形成する感光体を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
    前記プロセスカートリッジは、
    芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、該弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項6に記載のプロセスカートリッジにおいて、
    前記クリーニングローラは、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニングローラである
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 潜像を形成する感光体と、
    感光体を帯電させる帯電装置と、
    感光体上の静電潜像を可視化したトナー像を形成する現像装置と、
    感光体のトナー像を記録部材に転写する転写装置と、
    記録部材上のトナー像を定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、
    芯金の外周部少なくとも弾性層を設けてなり、感光体表面に当接させる感光体クリーニング機構であって、該弾性層の密度が5〜15kg/m、引張強度が1.7±0.5kg/cm、伸び率が20〜40%の連続気泡構造を有する樹脂発泡体からなるクリーニングローラを備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記クリーニングローラは、請求項2ないし5のいずれかに記載のクリーニングローラである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8又は9のに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.00〜1.40の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、形状係数SF−1で100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2で100〜180の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
  14. 電子写真プロセスの現像工程に供されるトナーであって、該トナーは、請求項8に記載のが像形成装置において使用されるトナーであり、
    体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲にあり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)で定義される分散度が1.00〜1.40の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14に記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、形状係数SF−1で100〜180の範囲にあり、かつ 形状係数SF−2で100〜180の範囲にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項14又は15に記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項14ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーである
    ことを特徴とする画像形成装置。
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JP2007132999A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Ricoh Co Ltd クリーニング装置、プロセスカートリッジ及びクリーニング装置を備えた画像形成装置
JP2014063056A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ

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