JP2004341016A - 光像記録材料、その記録方法およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、感度に優れ、耐収縮性及びコントラストが良好な光像記録材料、その記録方法およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする光像記録材料。
【選択図】 なし
【解決手段】(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする光像記録材料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の光像記録材料、その記録方法及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、新規のホログラフィ記録媒体、その記録方法及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記憶装置及びその方法の開発者は、記憶容量を増やすことを追求し続けている。この開発の一部として、ページ方式のメモリシステム、特にホログラフィーシステムが、従来のメモリ装置に代わるものとして提案されてきた。ページ方式システムは、データの二次元のページ全体の記憶と読み出しに関する。
特に、記録光は、データのページを表す暗い透明な領域の二次元配列を通過し、ホログラフィーシステムは、ページのホログラフィー表現を、記憶媒体にインプリントされた変化する屈折率および/または吸収のパターンとして三次元で記憶する。ホログラフィーシステムは、D.Psaltis等の「ホログラフィーメモリ」(Scientific American、1995年11月)で総じて説明されている。ホログラフィー記憶の1つの方法は、位相相関マルチプレックスホログラフィーであり、米国特許第5,719,691号で説明されている。位相相関マルチプレックスホログラフィーでは、参照光ビームは位相マスクを通過し、そしてデータを表す配列を通過した信号ビームと記録媒体の中で交差して、媒体の中にホログラムを形成する。位相マスクと参照ビームの関係が、データの連続するページごとに調整されることにより、参照ビームの位相を変調し、かつ媒体における重複領域にデータを記憶することを可能にする。後にこのデータは、データ記憶の間に用いられるのと同じ位相変調で参照ビームを元の記憶位置に通すことによって再構築される。
【0003】
ホログラフィー記憶システムの機能は、記憶媒体によって部分的に制限される。研究目的の記憶媒体としては、鉄がドープされたニオブ酸リチウムを長年用いられてきた。しかし、ニオブ酸リチウムは高価で、感度が低く、記憶された情報の読み出しの間にノイズが生じる傾向がある。
【0004】
従って、その代わりになるものが、特に感光性ポリマーフィルムの分野で求められてきた。例えば、W.K.Smothers等の「ホログラフィーための光ポリマー」(SPIE OE/レーザー会議、1212−03、カリフォルニア州ロサンゼルス市、1990年)に記載されている。ここで記載されている材料は、露出光に対して実質的に不活性なマトリックス有機ポリマーの中に、液体モノマー材料および光重合開始剤(光に露出された時にモノマーの重合を促進する)の光像形成システムを含むものでる。情報をその材料に書き込んでいる間、記録光を、データを表す配列の中を通すことによって、モノマーは露出領域で重合する。その結果、モノマーの濃度が低くなるので、材料の暗い露出していない領域のモノマーは、露出領域に拡散する。重合およびその結果により生じる濃度勾配は、屈折率の変化をもたらし、データを含むホログラムを形成する。しかしながら、光像形成システムを含む事前成形マトリックス材料の溶着は溶剤の使用を必要とするので、溶剤の適切な気化を可能にするために、材料の厚さは、例えば、わずか約150μmに制限される。さらに、重合によって引き起こされる4〜10%の材料収縮は、データ検索の信頼性に有害な影響を与える。
【0005】
特開平11−352303号公報には、ポリマーホログラフィー媒体に関するものである。媒体は、モノマー、オリゴマーのマトリックス前駆物質と光活性モノマーを混合し、その混合物を硬化することによって形成されるものであり、(a)マトリックスがモノマー、オリゴマーから形成され、かつ(b)モノマーの少なくとも一部は反応しないままとすることにより、ホログラフィー記録に利用できるようにする。これらの材料の溶着においては、溶剤は不要なので(混合物が液体であるので)、例えば、1mm以上に厚くすることが可能である。
【0006】
ガラスマトリックスの中にモノマーを含む光像形成システムを提供する試みもなされてきた。例えば、ガラス状のハイブリッド無機有機三次元マトリックスを含み、その中に、1つ以上の光活性有機モノマーを備える光像形成システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。媒体は、ハイブリッド無機有機マトリックスの前駆物質を提供し、マトリックス前駆物質を光像形成システムと混合し、かつマトリックス前駆物質を硬化させて、もとの位置でマトリックスを形成することによって製造される。ガラスマトリックスは、重合体マトリックスを含む媒体とは対照的に、望ましい構造上の完全性を提供し、かつホログラフィー記憶システムに有用な比較的厚い(例えば、1mmを超える)光像記録材料の形成を可能にする。
【0007】
上記は、いずれも光記録材料がラジカル重合系の材料で、特に重合に伴う材料の収縮が問題とされ、この課題に対し、カチオン重合性の光記録材料を用いる方法が提案がされている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この方法では、ラジカル重合系のメリットである光記録に必要な記録エネルギーが少なくて済む等メリットが失われる問題がある。
【0008】
この様に、近年、ホログラフィー記憶システムで使用するのに適した光像記録材料の開発は進歩してきたが、更なる改良が求められている。特に、化学的および構造的に優れ、複雑な化学処理なしで比較的厚い(例えば、1mmを超える)層を形成することができ、比較的低い光記録エネルギーで記録が可能で、かつ光記録にともなう材料の収縮等の問題が起こらない媒体が望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−344917号公報 (特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特表2001−523842号公報 (特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は感度に優れ、耐収縮性及びコントラストが良好な光像記録材料、その記録方法およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0013】
1.(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする光像記録材料。
【0014】
2.オキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を含有することを特徴とする前記1項に記載の光像記録材料。
【0015】
3.分子中に1個以上の水酸基を有する化合物を含有することを特徴とする前記1または2項に記載の光像記録材料。
【0016】
4.カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合、不飽和エステル−メルカプタン段階重合、ビニル−シリコンヒドリド段階重合、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合及びイソシアネート−アミン段階重合から選ばれる少なくとも1つの重合反応によりマトリックスが形成されることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の光像記録材料。
【0017】
5.無機または有機のマトリックス前駆物質を硬化させてマトリックスを形成することを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の光像記録材料。
【0018】
6.前記マトリックス前駆物質が、前記一般式〔I〕で表される少なくとも1つの化合物から誘導されるものであることを特徴とする前記5項に記載の光像記録材料。
【0019】
7.前記一般式〔I〕におけるMが、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1つの金属元素であることを特徴とする前記6項に記載の光像記録材料。
【0020】
8.前記1〜7項のいずれか1項に記載の光像記録材料に記録する方法であって、該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行うことを特徴とする光像記録材料の記録方法。
【0021】
9.前記1〜7項のいずれか1項に記載の光像記録材料を製造する方法であって、マトリックス形成物質を混合する工程、該マトリックス形成物質を硬化してマトリックスを形成させる工程、及び該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行う工程とを有することを特徴とする光像記録材料の製造方法。
【0022】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討を進めた結果、光像記録材料に用いる組成物として、特定の構造を有する環状エーテルからなる組成物を、また、マトリックス形成物質として、溶着前はモノマー、オリゴマーの組成物をマトリックス前駆体として用い、溶着後に硬化させることにより、マトリックスを形成させる組成物を光像記録材料に用いることにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明に至った次第である。
【0023】
すなわち、本発明の第1発明は、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する組成物、第2発明はオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を更に含有する第1発明の組成物、第3発明は分子中に1個以上の水酸基を有する化合物をさらに含有する第1発明の組成物、第4発明は前記光像記録材料を用い、カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合、不飽和エステル−メルカプタン段階重合、ビニル−シリコンヒドリド段階重合、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合およびイソシアネート−アミン段階重合から選択される重合反応によりマトリックスが形成される発明で、第5の発明は無機有機マトリックス前駆物質を硬化させてマトリックスが形成される発明である。
【0024】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の光像記録材料では、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする。
【0025】
はじめに、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物について説明する。
【0026】
本発明の分子中に1個以上のテトラヒドロフランを有する化合物としては、具体的には下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0027】
【化1】
【0028】
上記一般式(1)において、Rは同じでも異なっていてもよく、かつ、一般式:−(CH2)nX、但し、式中、nは0〜10であり、Xは、−H、−NO2、−CN、−Cl、−F、−O−アルキル、−OH、−I、−ONO2、−N(NO2)−アルキル、−C≡CH、−Br、−CH=CH−(Hまたはアルキル)、−O−CO−(Hまたはアルキル)、−CO2−(Hまたはアルキル)、−N(Hまたはアルキル)2、−O−(CH2)1−5−O−(CH2)0−8−CH3およびN3から選ばれる。
【0029】
又、下記一般式(2)で示される2,3−ジヒドロフラン誘導体も挙げられる。
【0030】
【化2】
【0031】
上記一般式(2)において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ水素原子または低級アルキル基を表す。
【0032】
具体例としては、下記の化合物等である。
【0033】
【化3】
【0034】
本発明に使用される分子中に1個以上のオキセパンを有する化合物としては、トリオキセパン、シス−6−スルファニルアミド−1,3−ジオキセパン−5−オール、トランス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン−5−オール、シス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン、5,6−エポキシ−1,3−ジオキセパン、2−メチレン−1,3−ジオキセパン、6,6−ジアルキル−1,4−ジオキセパン−2−オンパン、1,3−ジオキセパン、7−置換−1,4−ジオキセパン−5−オン、2−メチレン−1,3−ジオキセパン、6−アシルアミノ−5−クロロ−1,3−ジオキセパン等である。
【0035】
本発明に使用される分子中に1個以上の単環アセタールを有する化合物としては、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,6−トリオキサンオクタン、4H、7H−1,3−ジオキセピン、1,3,6,9−テトラオキサシクロウンデカン、1,3,6,9,12−ペンタオキサシクロテトラデカン、1,3,6,9,12,15−ヘキサオキサシクロヘプタデカン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキセパン等である。
【0036】
本発明に使用される分子中に1個以上の双環アセタールを有する化合物としては、2,6−ジオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,7−ジオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン等である。
【0037】
本発明に使用される分子中に1個以上のラクトンを有する化合物としては、β−プロピオラクトンおよびそのアルキル置換体、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、乳酸の環状ジエステルであるラクチド、2−オキサビシクロ[2,1,1]ヘキサン−3−オン、6,8−ジオキサビシクロ[3,2,1]オクタン−7−オン、2−オキサビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン、2,6−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン、2,5−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン等である。
【0038】
本発明に使用される分子中に1個以上の環状オルトエステルを有する化合物としては、2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン等である。
【0039】
本発明に使用される分子中に1個以上の環状カーボナートを有する化合物としては、トリメチレンカルボナート、ネオペンタンジオールカルボナート、エチレンカルボナート、ビフェニル−2,2′−カルボナート、スピロオルトカルボナート等である。
【0040】
次いで、光カチオン重合開始剤について説明する。
本発明の光像記録材料で使用する光カチオン重合開始剤としては、種々のものを用いることができ、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
【0041】
本発明に好適な化合物としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられ、典型的な光カチオン重合開始剤を、下記一般式〔II〕〜〔V〕に示す。
【0042】
【化4】
【0043】
上記一般式〔II〕〜〔V〕において、R12は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R13は水素原子、ヒドロキシアルキル基、またはヒドロキシアルコキシ基であり、好ましくはヒドロキシエトキシ基である。Mは金属原子、好ましくはアンチモンであり、Xは、ハロゲン原子、好ましくはフッ素であり、kは、金属の価数であり、例えば、アンチモンの場合は5である。上記光カチオン重合開始剤は、オキセタン化合物に対して0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0044】
また、後述するオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を含有させる場合は、このオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物の合計量に対して、0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。カチオン重合開始剤が0.1質量%に満たない場合は、硬化性が十分なものでなくなり、一方、20質量%を越える場合は、光透過性が不良となり、均一な硬化ができなかったり、塗膜表面の平滑性が失われることがある。
【0045】
本発明の第2発明では、第1発明の組成物に、更にエポキシ基を有する化合物を含有する組成物である。エポキシ化合物を本発明に係る組成物中に含有させることにより、組成物の硬化速度をさらに改善することができる。
【0046】
本発明に使用される分子中に1個以上のオキシラン基を有する化合物としては、オキシラン基を有する化合物のモノマー及びそのオリゴマーのいずれも使用できる。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下エポキシドとは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。本発明におけるオリゴマーとしては、低分子量の化合物が好ましく、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ましい。
【0047】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0048】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0049】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0050】
更に、これらの化合物の他に、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルおよびフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0051】
本発明で使用する分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物は、種々のものが使用できる。1個のオキセタン環を有する化合物としては、具体的には下記で示される化合物等が挙げられる。
【0052】
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(3)で示される化合物が挙げられる。
【0053】
【化5】
【0054】
一般式(3)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0055】
次に、2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(4)で示される化合物等が挙げられる。
【0056】
【化6】
【0057】
一般式(4)において、R1は、上記一般式(3)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0058】
また、R3としては、下記一般式(5)、(6)及び(7)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
【0059】
【化7】
【0060】
一般式(5)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
【0061】
【化8】
【0062】
一般式(6)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又はC(CH3)2を表す。
【0063】
【化9】
【0064】
一般式(7)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(8)で示される基から選択される基も挙げることができる。
【0065】
【化10】
【0066】
一般式(8)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0067】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0068】
【化11】
【0069】
例示化合物1は、前記一般式(4)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(4)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(7)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0070】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(9)で示される化合物がある。下記一般式(9)において、R1は、前記一般式(3)のR1と同義である。
【0071】
【化12】
【0072】
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(10)で示される化合物が挙げられる。
【0073】
【化13】
【0074】
一般式(10)において、R1は、前記一般式(3)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0075】
【化14】
【0076】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0077】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0078】
【化15】
【0079】
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(11)で示される化合物が挙げられる。
【0080】
【化16】
【0081】
一般式(11)において、R8は前記一般式(8)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0082】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0083】
【化17】
【0084】
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0085】
【化18】
【0086】
本発明に使用されるビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0087】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0088】
イソプロペニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、下記一般式で表される化合物が用いられる。
【0089】
CH2=CR1OR2
上式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数4ないし18個を有する、場合により分岐していてもよい、炭化水素基を表す。
【0090】
具体的には、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル、及びこれらに相当するイソプロペニルエーテル単量体等を挙げることができる。
【0091】
分子中に1個以上の水酸基を有する化合物としては、特に制限はないが、例えば脂肪族多価アルコールは、そのヒドロキシ基の内、1〜6個が第1ヒドロキシ基となったものであり、具体的にはネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールノナン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール及びマンニトール等の多価アルコールが挙げられる。
【0092】
本発明に係る組成物には、上記成分の他、100質量部の硬化性成分に対して、100質量部までの量で、例えば、無機充填剤、染料、粘度調節剤、処理剤、有機溶剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。
【0093】
無機充填材の例としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化マグネシウム及び酸化マンガン等の金属/非金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄及び水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウム等の塩類、二酸化ケイ素等のケイ素化合物、カオリン、ベントナイト、クレー及びタルク等の天然顔料、天然ゼオライト、大谷石、天然雲母及びアイオナイト等の鉱物類、人工雲母及び合成ゼオライト等の合成無機物、並びにアルミニウム、鉄及び亜鉛等の各種金属等が挙げられる。
【0094】
本発明に係る組成物には、光カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤の他に、光増感剤を加えて、記録に用いる光源の波長に合致させることもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、公知のものが用いられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、エオシン、ローズベンガル、エリスロシンおよびメチレンブルーが等ある。
【0095】
本発明においてマトリックスポリマーを形成する重合反応の例としては、カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合(マイケル付加による)、不飽和エステル−メルカプタン段階重合(マイケル付加による)、ビニル−シリコンヒドリド段階重合(ヒドロシリル化)、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合(ウレタン形成)およびイソシアネート−アミン段階重合(ウレア形成)がある。
【0096】
上記の反応は、適当な触媒により可能になり、又は促進される。例えば、カチオンエポキシ重合は、BF3を主成分にした触媒を用いて室温で速く起こり、他のカチオン重合はプロトン存在下で進行し、エポキシ−メルカプタン反応とマイケル付加はアミンなどの塩基により促進され、ヒドロシリル化は白金などの遷移金属触媒の存在下で速く進行し、ウレタンとウレア形成はスズ触媒が用いられるとき速く進行する。光発生の間光活性モノマーの重合を防止する手段がとられれば、光発生触媒をマトリックス形成に用いることも可能である。
【0097】
別のマトリックス形成は、典型的にはアルコキシドゾルゲル化学の公知の機構によって起こる。例えば、C.J.Brinker等の、「ゾルゲル科学−ゾルゲル加工の物理と化学」(Academic Press、1990年)を参照。標準的なアルコキシドゾルゲル化学に従って、三官能オリゴマー前駆物質の硬化はさらなる縮合を含み、これによって前駆物質は三次元網を形成する。最終的な硬化マトリックスの土台に付された有機部分は、媒体の特性(例えば、可撓性、衝撃抵抗性、熱衝撃抵抗性、屈折率、密度、摩耗抵抗性)に影響を与える。望ましい特性を提供するために、有機部分(例えばメチルとフェニルの両方)の組み合わせを用いることが可能である。例えばメチルは、マトリックス前駆物質と光像形成システムとの相容性を高め、かつ穏かな硬化状態の使用を可能にする。また、フェニル基は、硬化の速度が下がるものの、この相容性を提供する。フェニルのサイズが大きいため、フェニル基は、自由体積を増やし、かつメチル部分だけを有するマトリックスと比べてマトリックスの網密度を下げる。低い網密度は、データの書き込みの間の光活性有機モノマーの拡散を促進し、マトリックスにいくらかの可撓性を与える。(マトリックス前駆物質が三官能有機アルコキシシランの加水分解および縮合から誘導される場合、マトリックスの土台にジメチルシリル基を含めることによって拡散も強化される。これはまた熱衝撃抵抗性を向上させるが、マトリックスの縮合速度を下げる。)
縮合反応で取り除かれる有機部分は、典型的にはマトリックスの形成速度に影響を与える。例えば、より大きいアルコキシ基の反応時間が遅くなるという公知の傾向に従い、メトキシ基が付された前駆物質は、典型的には、より大きいエトキシ基が付された前駆物質よりも速く反応する。
【0098】
選択可能なこととして、マトリックス前駆物質は、光像形成システムとの混合の前に早期硬化される、すなわちオリゴマーマトリックス前駆物質の場合にはさらに縮合される。マトリックス前駆物質の縮合を促進するために早期硬化が用いられる場合、マトリックス前駆物質/光像形成システムの混合物のより穏かな最終硬化が一般的には要求されるが、これは最終硬化が実質的に縮合されたオリゴマーで行われるからである。より穏かな硬化が有利であるのは、光活性モノマーの熱誘導早期重合などの光像形成システムへの損害が概して低減されるという点である。早期硬化は、早期硬化前駆物質における光像形成システムの実質的な拡散を可能にする程度に行われるが、早期硬化の条件は、特定のハイブリッドマトリックス前駆物質に応じて変化する。さらに、早期硬化の後で前駆物質を薄めるために、アセトンなどの有機溶剤を加えることが可能である。典型的には、早期硬化は、100〜200℃の範囲の温度で1時間未満行われる。制御サンプルは、早期硬化の受容可能な条件についての情報を容易に提供する。
【0099】
本発明においては、マトリックス前駆体が、前記一般式〔I〕で表される化合物からの誘導体であることが好ましく、更に、一般式〔I〕において、Mで表される3価以上の原子価を有する金属元素として、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1つの金属元素であることが好ましい。
【0100】
本発明において、マトリックス前駆物質の少なくとも一部は、三次元マトリックス構造を形成するために三官能(n=1)である必要がある。オリゴマー前駆物質、特にシロキサンオリゴマーを用いることが有効ある。
【0101】
マトリックス形成はアルコキシドゾルゲル化学の公知の機構によって起こる。
例えば、C.J.Brinker等の、「Sol−Gel Science: Physics & Chemistry of Sol−Gel Processing(ゾルゲル科学−ゾルゲル加工の物理と化学)」(AcademicPress、1990年)が参照できる。標準的なアルコキシドゾルゲル化学に従って、三官能オリゴマー前駆物質の硬化はさらなる縮合を起こし、これによって前駆物質は三次元網を形成する。最終的な硬化マトリックスの土台に付された有機部分は、媒体の特性(例えば、可撓性、衝撃抵抗性、熱衝撃抵抗性、屈折率、密度、摩耗抵抗性)に影響を与える。望ましい特性を提供するために、有機部分(例えば、メチルとフェニルの両方)の組み合わせを用いることが有効である。例えば、メチルは、ハイブリッドマトリックス前駆物質と光像形成システムとの相容性を高め、かつ穏かに硬化状態を形成できる。またフェニル基は、硬化の速度が下がるものの、相容性に優れる。フェニルのサイズが大きいため、フェニル基は、自由体積を増やし、かつメチル部分だけを有するマトリックスと比べてマトリックスの網密度を下げる。低い網密度は、データの書き込みの間の光活性有機モノマーの拡散を促進し、マトリックスに可撓性を付与する。マトリックス前駆物質が三官能有機アルコキシシランの加水分解および縮合から誘導される場合、マトリックスの土台にジメチルシリル基を含めることによって拡散も強化される。これはまた熱衝撃抵抗性を向上させるが、マトリックスの縮合速度を下げる。
【0102】
縮合反応で取り除かれる有機部分は、マトリックスの形成速度に影響を与える。例えば、より大きいアルコキシ基の反応時間が遅くなるという公知の傾向に従い、メトキシ基が付された前駆物質は、より大きいエトキシ基が付された前駆物質よりも速く反応する。
【0103】
好ましい具体的化合物としては、トリエトキシシラン、その加水分解および縮合から誘導される有機シロキサンオリゴマー、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、およびメチルトリエトキシシランとフェニルトリエトキシシランの両方の混合物等である。また、望ましい物理的特性を付与するために、ジアルコキシシランなどのいくつかの二官能有機アルコキシシランを含むことができる。
【0104】
マトリックス前駆物質(早期硬化されているか否かにかかわらず)と光像形成システムを混合する前に、前駆物質の粘性は典型的には溶剤の追加によって約1000mPa・s以下に調整されて、混合を促す。熱の適用、または溶剤の使用によって、粘性を調整することが可能である。本発明に適した溶剤には、最大4個の炭素原子を有するアルカノール、および最大4個の炭素原子を有するケトンが含まれる。ここで、アルカノールとケトンは、約80℃未満の温度でマトリックス前駆物質材料/光像形成システムの混合物から気化することができる。アセトンは、特に多様なマトリックス前駆物質材料、特にシロキサン・ベースの土台を有する前駆物質材料について有用である。溶剤が用いられる場合、溶剤は典型的には最初にマトリックス前駆物質と混合されて、前駆物質の粘性を減らし、続いて光像形成システムは溶媒和された前駆物質と混合される。溶剤は、マトリックス前駆物質が早期硬化されている場合に特に有用であるが、それは早期硬化がマトリックス前記物質の粘性を高めるからである。混合する時に、マトリックス前駆物質および光像形成システムは、溶媒和されたマトリックス前駆物質において光像形成システムの溶液を効果的に形成する。溶剤の塊は真空下でゆっくりと熱することによって取り除かれ、さらにこれによりマトリックス縮合が促される。このプロセスは、望ましい質量が得られたときに停止される。
【0105】
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線及び電子線等が挙げられる。紫外線、可視光線により硬化させる場合に使用できる光源としては、様々なものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯、レーザー又はLED等が挙げられる。電子線により硬化させる場合には、種々の照射装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型又は共振変圧器型等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。本発明では、例えばGaN系紫外線レーザー(400〜415nm)、Ar+(458、488、514nm)およびHe−Cdレーザー(442nm)の青線および緑線、周波数2倍YAGレーザー(532nm)、He−Ne(633nm)およびKr+レーザー(647および676nm)等を使用することが好ましい。
【0106】
次いで、本発明の記録方法に係るホログラフィシステムの基本構成について説明する。
【0107】
図1は、ホログラフィシステムの基本構成を示す概略図である。
ホログラフィシステム10には、変調装置12、光像記録材料14およびセンサー16がある。変調装置12は、データを2次元で光学的に表現できれば、いかなる装置でもよい。変調装置12は、典型的には、変調器上でデータをコード化するエンコードユニットに取り付けられた空間光変調器である。コード化に基づき、変調装置12は、変調装置12を通過する信号ビーム20の一部を選択的に通過させたり、遮断したりする。このようにして、信号ビーム20はデータ画像でコード化される。画像は、光像記録材料14の上または中のある場所で、コード化された信号ビーム20と参照ビーム22を干渉させることにより記憶される。この干渉は、干渉パターン(すなわちホログラム)を生じ、光像記録材料14内に変化する屈折率のパターンとして保存される。一つの場所に一つ以上のホログラフィ画像を記憶させたり、用いられる参照ビームにより参照ビーム22の角度、波長または位相を変化させることにより、複数のホログラムを重なった状態で記憶させることも可能である。信号ビーム20は、典型的には、光像記録材料14内で参照ビーム22と交差する前にレンズ30を通過する。この交差の前に参照ビーム22がレンズ32を通過することが可能である。データが光像記録材料14内に記憶されると、参照ビーム22を光像記録材料14の同じ場所で、データ記憶の際と同じ角度、波長または位相で交差させることによりデータを検索することが可能である。再構成されたデータはレンズ34を通り、センサー16で検出される。センサー16は、例えば、電荷結合素子や能動画素センサーである。センサー16は、データを復調するユニットに取り付けられているのが典型的である。
【0108】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0109】
《光像記録材料の作製》
〔光像記録材料1の作製:本発明〕
下記の各組成物からなる調製液1を、厚さが約500μmで直径25mmのテフロン(R)スペーサーで四方を囲んだスライドガラス上に注入し、次いで別のスライドガラスをその上に載せて、室温で約24時間放置して、光像記録材料1を作製した。
【0110】
(調製液1)
〈光記録材〉
*1)イルガキュア784:ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム
【0111】
【化19】
【0112】
〔光像記録材料2の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記のオキセパン化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料2を作製した。
【0113】
オキセパン化合物:シス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン
〔光像記録材料3の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の単環アセタール化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料3を作製した。
【0114】
単環アセタール化合物:1,3,6,9−テトラオキサシクロウンデカン
〔光像記録材料4の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の双環アセタール化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料4を作製した。
【0115】
双環アセタール化合物:2,6−ジオキサビシクロ[2,2]ヘプタン
〔光像記録材料5の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記のラクトン化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料5を作製した。
【0116】
ラクトン化合物:2,5−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン
〔光像記録材料6の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の環状オルトエステル化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料6を作製した。
【0117】
環状オルトエステル化合物:1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン
〔光像記録材料7の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の環状カーボナイト化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料7を作製した。
【0118】
環状カーボナイト化合物:スピロオルトカルボナート
〔光像記録材料8の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液2を用いた以外は同様にして、光像記録材料8を作製した。
【0119】
(調製液2)
〈光記録材〉
〔光像記録材料9の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液3を用いた以外は同様にして、光像記録材料9を作製した。
【0120】
(調製液3)
〈光記録材〉
〔光像記録材料10の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液4を用いた以外は同様にして、光像記録材料10を作製した。
【0121】
(調製液4)
〈光記録材〉
〔光像記録材料11の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液5を用いた以外は同様にして、光像記録材料11を作製した。
【0122】
(調製液5)
〈光記録材〉
*2)イルガキュア369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
〔光像記録材料12の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液6を用いた以外は同様にして、光像記録材料12を作製した。
【0123】
(調製液6)
〈光記録材〉
〔光像記録材料13の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液7を用いた以外は同様にして、光像記録材料13を作製した。
【0124】
(調製液7)
〈光記録材〉
〔光像記録材料14の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液8を用いた以外は同様にして、光像記録材料14を作製した。
【0125】
(調製液8)
〈光記録材〉
〔光像記録材料15の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液9を用いた以外は同様にして、光像記録材料15を作製した。
【0126】
(調製液9)
〈光記録材〉
《光像記録材料の画像形成及び評価》
以上のようにして作製した光像記録材料1〜15について、米国特許第5,719,691号に記載の手順に従って、一連の多重ホログラムを書き込み、下記の方法に従って、感度(記録エネルギー)、収縮耐性及び屈折率のコントラストについて測定、評価を行い、得られた結果を表1に示す。
【0127】
(感度の測定)
作製したホログラムの各光像記録材料に、Nd:YAGレーザー(532nm)を備えた図1で示すホログラム作製装置にてデジタルパターンを表示し、0.5〜20mJ/cm2のエネルギーで、このデジタルパターン化されたホログラムを露光し、ホログラムを得た。Nd:YAGレーザー(532nm)を参照光に用いて、発生した再生光をCCDで読み取り、良好なデジタルパターンが再生できた最小露光量を感度として測定した。
【0128】
(収縮耐性の評価)
収縮耐性は、下記の方法により測定した収縮率で表示した。
【0129】
図2は、収縮率を測定する測定装置の原理を示す概略図である。すなわち、ホログラム3を照明する白色照明光源の発光点を01、観察者の視点を02とする。測定装置では、発光点01に白色照明光源4、視点02に分光器5が設置されている。分光器5はパソコン6に接続され、分光波長の輝度分布を測定するホログラム3の上面には、一部のみ光が透過するようなピンホール8が孔設されている移動ピンホール板7が設置されている。移動ピンホール板7は、図示していないXYステージに取り付けられて任意の位置に移動できる構成である。
【0130】
すなわち、移動ピンホール板7が点P(I,J)にある場合、ピンホール8の中心から白色照明光源4との角度をθc、分光器5との角度をθiとする。ホログラム3の点P(I,J)の領域は、θcの角度から照明光9で照明させ、θiの方向に再生光11が出射する。再生光11は分光器5で分光され、輝度がピークとなる波長がP(I,J)での再生波長λcである。この関係を用いて、移動ピンホール板7を移動しながら、ホログラム3の各位置でのθc、θi、λcを測定する。
【0131】
また、点P(I,J)でのホログラムの収縮率をM(I,J)とすると、ホログラムの収縮率M(I,J)は、記録前の光像記録材料の平均屈折率をnr、現像処理後のホログラムの平均屈折率をncとすれば、下式で表すことができる。
【0132】
M(I,J)=−nc/nr・λr/λc・(cosθc−cosθi)/(cosθo−cosθr)
(屈折率のコントラストの評価)
屈折率のコントラストは、下記の方法に従って測定した回折効率より求めた。回折効率の測定は、日本分光工業(株)製のART25C型分光光度計を用い、幅3mmのスリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心にした半径20cmの円周上に設置した。幅0.3mmの単色光を、試料に対し45度の角度で入射し、試料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効率とし、得られたホログラムの回折効率から屈折率のコントラスト(Δn)を求めた。
【0133】
【表1】
【0134】
表1より明らかなように、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する本発明の光像記録材料は、比較例に対して、感度に優れ、収縮率が低く、かつ屈折率のコントラストに優れていることが分かる。
【0135】
【発明の効果】
本発明により、感度に優れ、耐収縮性及びコントラストが良好な光像記録材料、その記録方法およびその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることのできるホログラフィシステムの基本構成を示す概略図である。
【図2】収縮率の測定に用いる測定装置の原理を示す概略図である。
【符号の説明】
01 白色照明光源の発光点
02 観察者の視点
3 ホログラム
4 白色照明光源
5 分光器
6 パソコン
7 移動ピンホール板
8 ピンホール
9 照明光
10 ホログラフィシステム
11 再生光
12 変調装置
14 光像記録材料
16 センサー
20 信号ビーム
22 参照ビーム
30、32、34 レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の光像記録材料、その記録方法及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、新規のホログラフィ記録媒体、その記録方法及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記憶装置及びその方法の開発者は、記憶容量を増やすことを追求し続けている。この開発の一部として、ページ方式のメモリシステム、特にホログラフィーシステムが、従来のメモリ装置に代わるものとして提案されてきた。ページ方式システムは、データの二次元のページ全体の記憶と読み出しに関する。
特に、記録光は、データのページを表す暗い透明な領域の二次元配列を通過し、ホログラフィーシステムは、ページのホログラフィー表現を、記憶媒体にインプリントされた変化する屈折率および/または吸収のパターンとして三次元で記憶する。ホログラフィーシステムは、D.Psaltis等の「ホログラフィーメモリ」(Scientific American、1995年11月)で総じて説明されている。ホログラフィー記憶の1つの方法は、位相相関マルチプレックスホログラフィーであり、米国特許第5,719,691号で説明されている。位相相関マルチプレックスホログラフィーでは、参照光ビームは位相マスクを通過し、そしてデータを表す配列を通過した信号ビームと記録媒体の中で交差して、媒体の中にホログラムを形成する。位相マスクと参照ビームの関係が、データの連続するページごとに調整されることにより、参照ビームの位相を変調し、かつ媒体における重複領域にデータを記憶することを可能にする。後にこのデータは、データ記憶の間に用いられるのと同じ位相変調で参照ビームを元の記憶位置に通すことによって再構築される。
【0003】
ホログラフィー記憶システムの機能は、記憶媒体によって部分的に制限される。研究目的の記憶媒体としては、鉄がドープされたニオブ酸リチウムを長年用いられてきた。しかし、ニオブ酸リチウムは高価で、感度が低く、記憶された情報の読み出しの間にノイズが生じる傾向がある。
【0004】
従って、その代わりになるものが、特に感光性ポリマーフィルムの分野で求められてきた。例えば、W.K.Smothers等の「ホログラフィーための光ポリマー」(SPIE OE/レーザー会議、1212−03、カリフォルニア州ロサンゼルス市、1990年)に記載されている。ここで記載されている材料は、露出光に対して実質的に不活性なマトリックス有機ポリマーの中に、液体モノマー材料および光重合開始剤(光に露出された時にモノマーの重合を促進する)の光像形成システムを含むものでる。情報をその材料に書き込んでいる間、記録光を、データを表す配列の中を通すことによって、モノマーは露出領域で重合する。その結果、モノマーの濃度が低くなるので、材料の暗い露出していない領域のモノマーは、露出領域に拡散する。重合およびその結果により生じる濃度勾配は、屈折率の変化をもたらし、データを含むホログラムを形成する。しかしながら、光像形成システムを含む事前成形マトリックス材料の溶着は溶剤の使用を必要とするので、溶剤の適切な気化を可能にするために、材料の厚さは、例えば、わずか約150μmに制限される。さらに、重合によって引き起こされる4〜10%の材料収縮は、データ検索の信頼性に有害な影響を与える。
【0005】
特開平11−352303号公報には、ポリマーホログラフィー媒体に関するものである。媒体は、モノマー、オリゴマーのマトリックス前駆物質と光活性モノマーを混合し、その混合物を硬化することによって形成されるものであり、(a)マトリックスがモノマー、オリゴマーから形成され、かつ(b)モノマーの少なくとも一部は反応しないままとすることにより、ホログラフィー記録に利用できるようにする。これらの材料の溶着においては、溶剤は不要なので(混合物が液体であるので)、例えば、1mm以上に厚くすることが可能である。
【0006】
ガラスマトリックスの中にモノマーを含む光像形成システムを提供する試みもなされてきた。例えば、ガラス状のハイブリッド無機有機三次元マトリックスを含み、その中に、1つ以上の光活性有機モノマーを備える光像形成システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。媒体は、ハイブリッド無機有機マトリックスの前駆物質を提供し、マトリックス前駆物質を光像形成システムと混合し、かつマトリックス前駆物質を硬化させて、もとの位置でマトリックスを形成することによって製造される。ガラスマトリックスは、重合体マトリックスを含む媒体とは対照的に、望ましい構造上の完全性を提供し、かつホログラフィー記憶システムに有用な比較的厚い(例えば、1mmを超える)光像記録材料の形成を可能にする。
【0007】
上記は、いずれも光記録材料がラジカル重合系の材料で、特に重合に伴う材料の収縮が問題とされ、この課題に対し、カチオン重合性の光記録材料を用いる方法が提案がされている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この方法では、ラジカル重合系のメリットである光記録に必要な記録エネルギーが少なくて済む等メリットが失われる問題がある。
【0008】
この様に、近年、ホログラフィー記憶システムで使用するのに適した光像記録材料の開発は進歩してきたが、更なる改良が求められている。特に、化学的および構造的に優れ、複雑な化学処理なしで比較的厚い(例えば、1mmを超える)層を形成することができ、比較的低い光記録エネルギーで記録が可能で、かつ光記録にともなう材料の収縮等の問題が起こらない媒体が望まれている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−344917号公報 (特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特表2001−523842号公報 (特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は感度に優れ、耐収縮性及びコントラストが良好な光像記録材料、その記録方法およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0013】
1.(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする光像記録材料。
【0014】
2.オキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を含有することを特徴とする前記1項に記載の光像記録材料。
【0015】
3.分子中に1個以上の水酸基を有する化合物を含有することを特徴とする前記1または2項に記載の光像記録材料。
【0016】
4.カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合、不飽和エステル−メルカプタン段階重合、ビニル−シリコンヒドリド段階重合、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合及びイソシアネート−アミン段階重合から選ばれる少なくとも1つの重合反応によりマトリックスが形成されることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の光像記録材料。
【0017】
5.無機または有機のマトリックス前駆物質を硬化させてマトリックスを形成することを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の光像記録材料。
【0018】
6.前記マトリックス前駆物質が、前記一般式〔I〕で表される少なくとも1つの化合物から誘導されるものであることを特徴とする前記5項に記載の光像記録材料。
【0019】
7.前記一般式〔I〕におけるMが、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1つの金属元素であることを特徴とする前記6項に記載の光像記録材料。
【0020】
8.前記1〜7項のいずれか1項に記載の光像記録材料に記録する方法であって、該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行うことを特徴とする光像記録材料の記録方法。
【0021】
9.前記1〜7項のいずれか1項に記載の光像記録材料を製造する方法であって、マトリックス形成物質を混合する工程、該マトリックス形成物質を硬化してマトリックスを形成させる工程、及び該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行う工程とを有することを特徴とする光像記録材料の製造方法。
【0022】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討を進めた結果、光像記録材料に用いる組成物として、特定の構造を有する環状エーテルからなる組成物を、また、マトリックス形成物質として、溶着前はモノマー、オリゴマーの組成物をマトリックス前駆体として用い、溶着後に硬化させることにより、マトリックスを形成させる組成物を光像記録材料に用いることにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明に至った次第である。
【0023】
すなわち、本発明の第1発明は、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する組成物、第2発明はオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を更に含有する第1発明の組成物、第3発明は分子中に1個以上の水酸基を有する化合物をさらに含有する第1発明の組成物、第4発明は前記光像記録材料を用い、カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合、不飽和エステル−メルカプタン段階重合、ビニル−シリコンヒドリド段階重合、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合およびイソシアネート−アミン段階重合から選択される重合反応によりマトリックスが形成される発明で、第5の発明は無機有機マトリックス前駆物質を硬化させてマトリックスが形成される発明である。
【0024】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の光像記録材料では、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする。
【0025】
はじめに、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物について説明する。
【0026】
本発明の分子中に1個以上のテトラヒドロフランを有する化合物としては、具体的には下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0027】
【化1】
【0028】
上記一般式(1)において、Rは同じでも異なっていてもよく、かつ、一般式:−(CH2)nX、但し、式中、nは0〜10であり、Xは、−H、−NO2、−CN、−Cl、−F、−O−アルキル、−OH、−I、−ONO2、−N(NO2)−アルキル、−C≡CH、−Br、−CH=CH−(Hまたはアルキル)、−O−CO−(Hまたはアルキル)、−CO2−(Hまたはアルキル)、−N(Hまたはアルキル)2、−O−(CH2)1−5−O−(CH2)0−8−CH3およびN3から選ばれる。
【0029】
又、下記一般式(2)で示される2,3−ジヒドロフラン誘導体も挙げられる。
【0030】
【化2】
【0031】
上記一般式(2)において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ水素原子または低級アルキル基を表す。
【0032】
具体例としては、下記の化合物等である。
【0033】
【化3】
【0034】
本発明に使用される分子中に1個以上のオキセパンを有する化合物としては、トリオキセパン、シス−6−スルファニルアミド−1,3−ジオキセパン−5−オール、トランス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン−5−オール、シス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン、5,6−エポキシ−1,3−ジオキセパン、2−メチレン−1,3−ジオキセパン、6,6−ジアルキル−1,4−ジオキセパン−2−オンパン、1,3−ジオキセパン、7−置換−1,4−ジオキセパン−5−オン、2−メチレン−1,3−ジオキセパン、6−アシルアミノ−5−クロロ−1,3−ジオキセパン等である。
【0035】
本発明に使用される分子中に1個以上の単環アセタールを有する化合物としては、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3,6−トリオキサンオクタン、4H、7H−1,3−ジオキセピン、1,3,6,9−テトラオキサシクロウンデカン、1,3,6,9,12−ペンタオキサシクロテトラデカン、1,3,6,9,12,15−ヘキサオキサシクロヘプタデカン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキセパン等である。
【0036】
本発明に使用される分子中に1個以上の双環アセタールを有する化合物としては、2,6−ジオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,7−ジオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン等である。
【0037】
本発明に使用される分子中に1個以上のラクトンを有する化合物としては、β−プロピオラクトンおよびそのアルキル置換体、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、乳酸の環状ジエステルであるラクチド、2−オキサビシクロ[2,1,1]ヘキサン−3−オン、6,8−ジオキサビシクロ[3,2,1]オクタン−7−オン、2−オキサビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン、2,6−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン、2,5−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン等である。
【0038】
本発明に使用される分子中に1個以上の環状オルトエステルを有する化合物としては、2,6,7−トリオキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン等である。
【0039】
本発明に使用される分子中に1個以上の環状カーボナートを有する化合物としては、トリメチレンカルボナート、ネオペンタンジオールカルボナート、エチレンカルボナート、ビフェニル−2,2′−カルボナート、スピロオルトカルボナート等である。
【0040】
次いで、光カチオン重合開始剤について説明する。
本発明の光像記録材料で使用する光カチオン重合開始剤としては、種々のものを用いることができ、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
【0041】
本発明に好適な化合物としては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が挙げられ、典型的な光カチオン重合開始剤を、下記一般式〔II〕〜〔V〕に示す。
【0042】
【化4】
【0043】
上記一般式〔II〕〜〔V〕において、R12は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアルコキシ基であり、R13は水素原子、ヒドロキシアルキル基、またはヒドロキシアルコキシ基であり、好ましくはヒドロキシエトキシ基である。Mは金属原子、好ましくはアンチモンであり、Xは、ハロゲン原子、好ましくはフッ素であり、kは、金属の価数であり、例えば、アンチモンの場合は5である。上記光カチオン重合開始剤は、オキセタン化合物に対して0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0044】
また、後述するオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を含有させる場合は、このオキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物の合計量に対して、0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。カチオン重合開始剤が0.1質量%に満たない場合は、硬化性が十分なものでなくなり、一方、20質量%を越える場合は、光透過性が不良となり、均一な硬化ができなかったり、塗膜表面の平滑性が失われることがある。
【0045】
本発明の第2発明では、第1発明の組成物に、更にエポキシ基を有する化合物を含有する組成物である。エポキシ化合物を本発明に係る組成物中に含有させることにより、組成物の硬化速度をさらに改善することができる。
【0046】
本発明に使用される分子中に1個以上のオキシラン基を有する化合物としては、オキシラン基を有する化合物のモノマー及びそのオリゴマーのいずれも使用できる。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下エポキシドとは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。本発明におけるオリゴマーとしては、低分子量の化合物が好ましく、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ましい。
【0047】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0048】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0049】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0050】
更に、これらの化合物の他に、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルおよびフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0051】
本発明で使用する分子中に1個以上のオキセタン基を有する化合物は、種々のものが使用できる。1個のオキセタン環を有する化合物としては、具体的には下記で示される化合物等が挙げられる。
【0052】
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(3)で示される化合物が挙げられる。
【0053】
【化5】
【0054】
一般式(3)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0055】
次に、2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(4)で示される化合物等が挙げられる。
【0056】
【化6】
【0057】
一般式(4)において、R1は、上記一般式(3)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0058】
また、R3としては、下記一般式(5)、(6)及び(7)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
【0059】
【化7】
【0060】
一般式(5)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
【0061】
【化8】
【0062】
一般式(6)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又はC(CH3)2を表す。
【0063】
【化9】
【0064】
一般式(7)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(8)で示される基から選択される基も挙げることができる。
【0065】
【化10】
【0066】
一般式(8)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
【0067】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0068】
【化11】
【0069】
例示化合物1は、前記一般式(4)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(4)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(7)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0070】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(9)で示される化合物がある。下記一般式(9)において、R1は、前記一般式(3)のR1と同義である。
【0071】
【化12】
【0072】
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(10)で示される化合物が挙げられる。
【0073】
【化13】
【0074】
一般式(10)において、R1は、前記一般式(3)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【0075】
【化14】
【0076】
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
【0077】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
【0078】
【化15】
【0079】
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(11)で示される化合物が挙げられる。
【0080】
【化16】
【0081】
一般式(11)において、R8は前記一般式(8)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0082】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【0083】
【化17】
【0084】
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
【0085】
【化18】
【0086】
本発明に使用されるビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0087】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0088】
イソプロペニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、下記一般式で表される化合物が用いられる。
【0089】
CH2=CR1OR2
上式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は炭素数4ないし18個を有する、場合により分岐していてもよい、炭化水素基を表す。
【0090】
具体的には、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、トリデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、オレイルビニルエーテル、及びこれらに相当するイソプロペニルエーテル単量体等を挙げることができる。
【0091】
分子中に1個以上の水酸基を有する化合物としては、特に制限はないが、例えば脂肪族多価アルコールは、そのヒドロキシ基の内、1〜6個が第1ヒドロキシ基となったものであり、具体的にはネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールノナン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール、あるいはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール及びマンニトール等の多価アルコールが挙げられる。
【0092】
本発明に係る組成物には、上記成分の他、100質量部の硬化性成分に対して、100質量部までの量で、例えば、無機充填剤、染料、粘度調節剤、処理剤、有機溶剤及び紫外線遮断剤のような不活性成分を配合することができる。
【0093】
無機充填材の例としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化マグネシウム及び酸化マンガン等の金属/非金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄及び水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウム等の塩類、二酸化ケイ素等のケイ素化合物、カオリン、ベントナイト、クレー及びタルク等の天然顔料、天然ゼオライト、大谷石、天然雲母及びアイオナイト等の鉱物類、人工雲母及び合成ゼオライト等の合成無機物、並びにアルミニウム、鉄及び亜鉛等の各種金属等が挙げられる。
【0094】
本発明に係る組成物には、光カチオン重合開始剤、光ラジカル重合開始剤の他に、光増感剤を加えて、記録に用いる光源の波長に合致させることもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、公知のものが用いられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、エオシン、ローズベンガル、エリスロシンおよびメチレンブルーが等ある。
【0095】
本発明においてマトリックスポリマーを形成する重合反応の例としては、カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合(マイケル付加による)、不飽和エステル−メルカプタン段階重合(マイケル付加による)、ビニル−シリコンヒドリド段階重合(ヒドロシリル化)、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合(ウレタン形成)およびイソシアネート−アミン段階重合(ウレア形成)がある。
【0096】
上記の反応は、適当な触媒により可能になり、又は促進される。例えば、カチオンエポキシ重合は、BF3を主成分にした触媒を用いて室温で速く起こり、他のカチオン重合はプロトン存在下で進行し、エポキシ−メルカプタン反応とマイケル付加はアミンなどの塩基により促進され、ヒドロシリル化は白金などの遷移金属触媒の存在下で速く進行し、ウレタンとウレア形成はスズ触媒が用いられるとき速く進行する。光発生の間光活性モノマーの重合を防止する手段がとられれば、光発生触媒をマトリックス形成に用いることも可能である。
【0097】
別のマトリックス形成は、典型的にはアルコキシドゾルゲル化学の公知の機構によって起こる。例えば、C.J.Brinker等の、「ゾルゲル科学−ゾルゲル加工の物理と化学」(Academic Press、1990年)を参照。標準的なアルコキシドゾルゲル化学に従って、三官能オリゴマー前駆物質の硬化はさらなる縮合を含み、これによって前駆物質は三次元網を形成する。最終的な硬化マトリックスの土台に付された有機部分は、媒体の特性(例えば、可撓性、衝撃抵抗性、熱衝撃抵抗性、屈折率、密度、摩耗抵抗性)に影響を与える。望ましい特性を提供するために、有機部分(例えばメチルとフェニルの両方)の組み合わせを用いることが可能である。例えばメチルは、マトリックス前駆物質と光像形成システムとの相容性を高め、かつ穏かな硬化状態の使用を可能にする。また、フェニル基は、硬化の速度が下がるものの、この相容性を提供する。フェニルのサイズが大きいため、フェニル基は、自由体積を増やし、かつメチル部分だけを有するマトリックスと比べてマトリックスの網密度を下げる。低い網密度は、データの書き込みの間の光活性有機モノマーの拡散を促進し、マトリックスにいくらかの可撓性を与える。(マトリックス前駆物質が三官能有機アルコキシシランの加水分解および縮合から誘導される場合、マトリックスの土台にジメチルシリル基を含めることによって拡散も強化される。これはまた熱衝撃抵抗性を向上させるが、マトリックスの縮合速度を下げる。)
縮合反応で取り除かれる有機部分は、典型的にはマトリックスの形成速度に影響を与える。例えば、より大きいアルコキシ基の反応時間が遅くなるという公知の傾向に従い、メトキシ基が付された前駆物質は、典型的には、より大きいエトキシ基が付された前駆物質よりも速く反応する。
【0098】
選択可能なこととして、マトリックス前駆物質は、光像形成システムとの混合の前に早期硬化される、すなわちオリゴマーマトリックス前駆物質の場合にはさらに縮合される。マトリックス前駆物質の縮合を促進するために早期硬化が用いられる場合、マトリックス前駆物質/光像形成システムの混合物のより穏かな最終硬化が一般的には要求されるが、これは最終硬化が実質的に縮合されたオリゴマーで行われるからである。より穏かな硬化が有利であるのは、光活性モノマーの熱誘導早期重合などの光像形成システムへの損害が概して低減されるという点である。早期硬化は、早期硬化前駆物質における光像形成システムの実質的な拡散を可能にする程度に行われるが、早期硬化の条件は、特定のハイブリッドマトリックス前駆物質に応じて変化する。さらに、早期硬化の後で前駆物質を薄めるために、アセトンなどの有機溶剤を加えることが可能である。典型的には、早期硬化は、100〜200℃の範囲の温度で1時間未満行われる。制御サンプルは、早期硬化の受容可能な条件についての情報を容易に提供する。
【0099】
本発明においては、マトリックス前駆体が、前記一般式〔I〕で表される化合物からの誘導体であることが好ましく、更に、一般式〔I〕において、Mで表される3価以上の原子価を有する金属元素として、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1つの金属元素であることが好ましい。
【0100】
本発明において、マトリックス前駆物質の少なくとも一部は、三次元マトリックス構造を形成するために三官能(n=1)である必要がある。オリゴマー前駆物質、特にシロキサンオリゴマーを用いることが有効ある。
【0101】
マトリックス形成はアルコキシドゾルゲル化学の公知の機構によって起こる。
例えば、C.J.Brinker等の、「Sol−Gel Science: Physics & Chemistry of Sol−Gel Processing(ゾルゲル科学−ゾルゲル加工の物理と化学)」(AcademicPress、1990年)が参照できる。標準的なアルコキシドゾルゲル化学に従って、三官能オリゴマー前駆物質の硬化はさらなる縮合を起こし、これによって前駆物質は三次元網を形成する。最終的な硬化マトリックスの土台に付された有機部分は、媒体の特性(例えば、可撓性、衝撃抵抗性、熱衝撃抵抗性、屈折率、密度、摩耗抵抗性)に影響を与える。望ましい特性を提供するために、有機部分(例えば、メチルとフェニルの両方)の組み合わせを用いることが有効である。例えば、メチルは、ハイブリッドマトリックス前駆物質と光像形成システムとの相容性を高め、かつ穏かに硬化状態を形成できる。またフェニル基は、硬化の速度が下がるものの、相容性に優れる。フェニルのサイズが大きいため、フェニル基は、自由体積を増やし、かつメチル部分だけを有するマトリックスと比べてマトリックスの網密度を下げる。低い網密度は、データの書き込みの間の光活性有機モノマーの拡散を促進し、マトリックスに可撓性を付与する。マトリックス前駆物質が三官能有機アルコキシシランの加水分解および縮合から誘導される場合、マトリックスの土台にジメチルシリル基を含めることによって拡散も強化される。これはまた熱衝撃抵抗性を向上させるが、マトリックスの縮合速度を下げる。
【0102】
縮合反応で取り除かれる有機部分は、マトリックスの形成速度に影響を与える。例えば、より大きいアルコキシ基の反応時間が遅くなるという公知の傾向に従い、メトキシ基が付された前駆物質は、より大きいエトキシ基が付された前駆物質よりも速く反応する。
【0103】
好ましい具体的化合物としては、トリエトキシシラン、その加水分解および縮合から誘導される有機シロキサンオリゴマー、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、およびメチルトリエトキシシランとフェニルトリエトキシシランの両方の混合物等である。また、望ましい物理的特性を付与するために、ジアルコキシシランなどのいくつかの二官能有機アルコキシシランを含むことができる。
【0104】
マトリックス前駆物質(早期硬化されているか否かにかかわらず)と光像形成システムを混合する前に、前駆物質の粘性は典型的には溶剤の追加によって約1000mPa・s以下に調整されて、混合を促す。熱の適用、または溶剤の使用によって、粘性を調整することが可能である。本発明に適した溶剤には、最大4個の炭素原子を有するアルカノール、および最大4個の炭素原子を有するケトンが含まれる。ここで、アルカノールとケトンは、約80℃未満の温度でマトリックス前駆物質材料/光像形成システムの混合物から気化することができる。アセトンは、特に多様なマトリックス前駆物質材料、特にシロキサン・ベースの土台を有する前駆物質材料について有用である。溶剤が用いられる場合、溶剤は典型的には最初にマトリックス前駆物質と混合されて、前駆物質の粘性を減らし、続いて光像形成システムは溶媒和された前駆物質と混合される。溶剤は、マトリックス前駆物質が早期硬化されている場合に特に有用であるが、それは早期硬化がマトリックス前記物質の粘性を高めるからである。混合する時に、マトリックス前駆物質および光像形成システムは、溶媒和されたマトリックス前駆物質において光像形成システムの溶液を効果的に形成する。溶剤の塊は真空下でゆっくりと熱することによって取り除かれ、さらにこれによりマトリックス縮合が促される。このプロセスは、望ましい質量が得られたときに停止される。
【0105】
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、X線及び電子線等が挙げられる。紫外線、可視光線により硬化させる場合に使用できる光源としては、様々なものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯、レーザー又はLED等が挙げられる。電子線により硬化させる場合には、種々の照射装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型又は共振変圧器型等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。本発明では、例えばGaN系紫外線レーザー(400〜415nm)、Ar+(458、488、514nm)およびHe−Cdレーザー(442nm)の青線および緑線、周波数2倍YAGレーザー(532nm)、He−Ne(633nm)およびKr+レーザー(647および676nm)等を使用することが好ましい。
【0106】
次いで、本発明の記録方法に係るホログラフィシステムの基本構成について説明する。
【0107】
図1は、ホログラフィシステムの基本構成を示す概略図である。
ホログラフィシステム10には、変調装置12、光像記録材料14およびセンサー16がある。変調装置12は、データを2次元で光学的に表現できれば、いかなる装置でもよい。変調装置12は、典型的には、変調器上でデータをコード化するエンコードユニットに取り付けられた空間光変調器である。コード化に基づき、変調装置12は、変調装置12を通過する信号ビーム20の一部を選択的に通過させたり、遮断したりする。このようにして、信号ビーム20はデータ画像でコード化される。画像は、光像記録材料14の上または中のある場所で、コード化された信号ビーム20と参照ビーム22を干渉させることにより記憶される。この干渉は、干渉パターン(すなわちホログラム)を生じ、光像記録材料14内に変化する屈折率のパターンとして保存される。一つの場所に一つ以上のホログラフィ画像を記憶させたり、用いられる参照ビームにより参照ビーム22の角度、波長または位相を変化させることにより、複数のホログラムを重なった状態で記憶させることも可能である。信号ビーム20は、典型的には、光像記録材料14内で参照ビーム22と交差する前にレンズ30を通過する。この交差の前に参照ビーム22がレンズ32を通過することが可能である。データが光像記録材料14内に記憶されると、参照ビーム22を光像記録材料14の同じ場所で、データ記憶の際と同じ角度、波長または位相で交差させることによりデータを検索することが可能である。再構成されたデータはレンズ34を通り、センサー16で検出される。センサー16は、例えば、電荷結合素子や能動画素センサーである。センサー16は、データを復調するユニットに取り付けられているのが典型的である。
【0108】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0109】
《光像記録材料の作製》
〔光像記録材料1の作製:本発明〕
下記の各組成物からなる調製液1を、厚さが約500μmで直径25mmのテフロン(R)スペーサーで四方を囲んだスライドガラス上に注入し、次いで別のスライドガラスをその上に載せて、室温で約24時間放置して、光像記録材料1を作製した。
【0110】
(調製液1)
〈光記録材〉
*1)イルガキュア784:ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム
【0111】
【化19】
【0112】
〔光像記録材料2の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記のオキセパン化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料2を作製した。
【0113】
オキセパン化合物:シス−6−(4−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド)−1,3−ジオキセパン
〔光像記録材料3の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の単環アセタール化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料3を作製した。
【0114】
単環アセタール化合物:1,3,6,9−テトラオキサシクロウンデカン
〔光像記録材料4の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の双環アセタール化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料4を作製した。
【0115】
双環アセタール化合物:2,6−ジオキサビシクロ[2,2]ヘプタン
〔光像記録材料5の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記のラクトン化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料5を作製した。
【0116】
ラクトン化合物:2,5−ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−オン
〔光像記録材料6の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の環状オルトエステル化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料6を作製した。
【0117】
環状オルトエステル化合物:1,4,6−トリオキサスピロ[4,4]ノナン
〔光像記録材料7の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、テトラヒドロフラン化合物に代えて、下記の環状カーボナイト化合物を同量用いた以外は同様にして、光像記録材料7を作製した。
【0118】
環状カーボナイト化合物:スピロオルトカルボナート
〔光像記録材料8の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液2を用いた以外は同様にして、光像記録材料8を作製した。
【0119】
(調製液2)
〈光記録材〉
〔光像記録材料9の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液3を用いた以外は同様にして、光像記録材料9を作製した。
【0120】
(調製液3)
〈光記録材〉
〔光像記録材料10の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液4を用いた以外は同様にして、光像記録材料10を作製した。
【0121】
(調製液4)
〈光記録材〉
〔光像記録材料11の作製:本発明〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液5を用いた以外は同様にして、光像記録材料11を作製した。
【0122】
(調製液5)
〈光記録材〉
*2)イルガキュア369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
〔光像記録材料12の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液6を用いた以外は同様にして、光像記録材料12を作製した。
【0123】
(調製液6)
〈光記録材〉
〔光像記録材料13の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液7を用いた以外は同様にして、光像記録材料13を作製した。
【0124】
(調製液7)
〈光記録材〉
〔光像記録材料14の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液8を用いた以外は同様にして、光像記録材料14を作製した。
【0125】
(調製液8)
〈光記録材〉
〔光像記録材料15の作製:比較例〕
上記光像記録材料1の作製において、調製液1に代えて下記の各組成物からなる調製液9を用いた以外は同様にして、光像記録材料15を作製した。
【0126】
(調製液9)
〈光記録材〉
《光像記録材料の画像形成及び評価》
以上のようにして作製した光像記録材料1〜15について、米国特許第5,719,691号に記載の手順に従って、一連の多重ホログラムを書き込み、下記の方法に従って、感度(記録エネルギー)、収縮耐性及び屈折率のコントラストについて測定、評価を行い、得られた結果を表1に示す。
【0127】
(感度の測定)
作製したホログラムの各光像記録材料に、Nd:YAGレーザー(532nm)を備えた図1で示すホログラム作製装置にてデジタルパターンを表示し、0.5〜20mJ/cm2のエネルギーで、このデジタルパターン化されたホログラムを露光し、ホログラムを得た。Nd:YAGレーザー(532nm)を参照光に用いて、発生した再生光をCCDで読み取り、良好なデジタルパターンが再生できた最小露光量を感度として測定した。
【0128】
(収縮耐性の評価)
収縮耐性は、下記の方法により測定した収縮率で表示した。
【0129】
図2は、収縮率を測定する測定装置の原理を示す概略図である。すなわち、ホログラム3を照明する白色照明光源の発光点を01、観察者の視点を02とする。測定装置では、発光点01に白色照明光源4、視点02に分光器5が設置されている。分光器5はパソコン6に接続され、分光波長の輝度分布を測定するホログラム3の上面には、一部のみ光が透過するようなピンホール8が孔設されている移動ピンホール板7が設置されている。移動ピンホール板7は、図示していないXYステージに取り付けられて任意の位置に移動できる構成である。
【0130】
すなわち、移動ピンホール板7が点P(I,J)にある場合、ピンホール8の中心から白色照明光源4との角度をθc、分光器5との角度をθiとする。ホログラム3の点P(I,J)の領域は、θcの角度から照明光9で照明させ、θiの方向に再生光11が出射する。再生光11は分光器5で分光され、輝度がピークとなる波長がP(I,J)での再生波長λcである。この関係を用いて、移動ピンホール板7を移動しながら、ホログラム3の各位置でのθc、θi、λcを測定する。
【0131】
また、点P(I,J)でのホログラムの収縮率をM(I,J)とすると、ホログラムの収縮率M(I,J)は、記録前の光像記録材料の平均屈折率をnr、現像処理後のホログラムの平均屈折率をncとすれば、下式で表すことができる。
【0132】
M(I,J)=−nc/nr・λr/λc・(cosθc−cosθi)/(cosθo−cosθr)
(屈折率のコントラストの評価)
屈折率のコントラストは、下記の方法に従って測定した回折効率より求めた。回折効率の測定は、日本分光工業(株)製のART25C型分光光度計を用い、幅3mmのスリットを有したフォトマルチメータを、試料を中心にした半径20cmの円周上に設置した。幅0.3mmの単色光を、試料に対し45度の角度で入射し、試料からの回折光を検出した。正反射光以外で最も大きな値と、試料を置かず直接入射光を受光したときの値との比を回折効率とし、得られたホログラムの回折効率から屈折率のコントラスト(Δn)を求めた。
【0133】
【表1】
【0134】
表1より明らかなように、(1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有する本発明の光像記録材料は、比較例に対して、感度に優れ、収縮率が低く、かつ屈折率のコントラストに優れていることが分かる。
【0135】
【発明の効果】
本発明により、感度に優れ、耐収縮性及びコントラストが良好な光像記録材料、その記録方法およびその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることのできるホログラフィシステムの基本構成を示す概略図である。
【図2】収縮率の測定に用いる測定装置の原理を示す概略図である。
【符号の説明】
01 白色照明光源の発光点
02 観察者の視点
3 ホログラム
4 白色照明光源
5 分光器
6 パソコン
7 移動ピンホール板
8 ピンホール
9 照明光
10 ホログラフィシステム
11 再生光
12 変調装置
14 光像記録材料
16 センサー
20 信号ビーム
22 参照ビーム
30、32、34 レンズ
Claims (9)
- (1)テトラヒドロフラン、(2)オキセパン、(3)単環アセタール、(4)双環アセタール、(5)ラクトン、(6)環状オルトエステル及び(7)環状カーボナートから選ばれた基を分子中に1個以上有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有することを特徴とする光像記録材料。
- オキシラン基、オキセタン基、ビニルエーテル基及びイソプロペニルエーテル基から選ばれた少なくとも一つの基を分子中に1個以上有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光像記録材料。
- 分子中に1個以上の水酸基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光像記録材料。
- カチオンエポキシ重合、カチオンビニルエーテル重合、カチオンアルケニルエーテル重合、カチオンアレンエーテル重合、カチオンケテンアセタール重合、エポキシ−アミン段階重合、エポキシ−メルカプタン段階重合、不飽和エステル−アミン段階重合、不飽和エステル−メルカプタン段階重合、ビニル−シリコンヒドリド段階重合、イソシアネート−ヒドロキシル段階重合及びイソシアネート−アミン段階重合から選ばれる少なくとも1つの重合反応によりマトリックスが形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光像記録材料。
- 無機または有機のマトリックス前駆物質を硬化させてマトリックスを形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光像記録材料。
- 前記マトリックス前駆物質が、下記一般式〔I〕で表される少なくとも1つの化合物から誘導されるものであることを特徴とする請求項5に記載の光像記録材料。
一般式〔I〕
RnM(OR′)4−n
〔式中、Mは3価以上の原子価を有する金属元素であり、Rはアルキルまたはアリルを表し、R′は4個以下の炭素原子を有する低アルキルであり、nは1または2である。〕 - 前記一般式〔I〕におけるMが、シリコン、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、バナジウム及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1つの金属元素であることを特徴とする請求項6に記載の光像記録材料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光像記録材料に記録する方法であって、該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行うことを特徴とする光像記録材料の記録方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光像記録材料を製造する方法であって、マトリックス形成物質を混合する工程、該マトリックス形成物質を硬化してマトリックスを形成させる工程、及び該光像記録材料に活性光線を照射してホログラフィ記録を行う工程とを有することを特徴とする光像記録材料の製造方法。
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2003
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