JP2004340564A - 燃焼器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室(24)が環状内側壁(28)と外側壁(26)とによって境界づけられ、燃焼器壁(25)の内側面が多数の熱遮蔽要素(38)で形成されたライニングで内張りされ、熱遮蔽要素又は各熱遮蔽要素が燃焼器壁と共に、冷却材(K)が供給される内部空間(40)を形成するガスタービン(1)の燃焼器(4)を、非常に単純な構造で、高い設備効率を有し、燃焼器の内側壁が非常に迅速且つ簡単に分解できるよう改良する。
【解決手段】各内部空間内に、多数の冷却材分配器(42)を配置し、冷却材供給管(44)をそれら冷却材分配器を経て大部分の冷却材流出開口(46)に接続し、燃焼器内側壁を水平接合部(31)で突き合わせた多数の壁要素(30)で形成し、燃焼器内側壁の互いに突き合わされた壁要素を、水平接合部(31)で、内側壁面に対して斜めに延びる多数のボルト継手(32)により互いに結合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室が一方では環状外側壁、他方ではその中に配置された環状内側壁によって各々境界づけられ、燃焼器壁の内側面が多数の熱遮蔽要素で形成されたライニングで内張りされ、熱遮蔽要素又は各熱遮蔽要素が燃焼器壁と共に、冷却材が供給される内部空間を形成するガスタービンの燃焼器に関する。本発明はまた、そのような燃焼器を備えたガスタービンに関する。
燃焼器はガスタービンの部品である。ガスタービンは多くの分野で発電機又は作業機械を駆動するために採用されている。その場合、燃料の含有エネルギはタービン軸の回転運動を発生するために利用される。そのため、燃料は多数のバーナによってそれに後置接続された燃焼器内で燃焼され、その際、空気圧縮機で圧縮された空気が導入される。燃料の燃焼により、高温高圧の作動媒体が発生する。この作動媒体は、燃焼器に後置接続されたタービン装置を通して導かれ、そこで仕事をしながら膨張する。
その場合、各バーナに別個の燃焼器が付属し、それら燃焼器から流出する作動媒体は、タービン装置の前又はタービン装置内で合流する。或いは燃焼器は所謂環状燃焼器構造にすることもでき、その場合、大部分のバーナ、特に全バーナが、通常は環状の共通燃焼器に開口する。作動媒体の流れ方向で燃焼器に続くタービン装置は、通常タービン軸を有している。この軸に多数の動翼が取り付けられ、これらの動翼は輪状動翼列を形成する。またタービン装置は多数の静翼を有し、これら静翼も同様に輪状に配置され、タービンの内部車室に取り付けられ、静翼列を形成する。動翼は、タービン装置を貫流する作動媒体の衝撃伝達に伴いタービン軸を駆動するために使われ、これに対し静翼は、作動媒体の流れ方向に見て連続する2つの動翼列間で、作動媒体の流れを案内するために使われる。
タービン軸の回転運動は、通常燃焼器に前置接続した空気圧縮機を駆動するために利用されるので、タービン軸は、タービン装置を越えて延びている。従ってタービン軸は、タービンに前置接続された環状燃焼器の範囲で、環状燃焼室によりトーラス状に包囲されている。該燃焼室は、一方では環状外側壁、他方ではその内部に配置された環状内側壁により境界づけられている。そのために、燃焼器の内側壁は、通常タービン軸の側で互いにボルト結合された2つ又はそれ以上の個別部分から成っている。
かかるガスタービンの設計時、獲得可能な出力に加えて、通常、特に高い効率が設計目標とされる。効率の増大は、熱力学的理由から、基本的に作動媒体が燃焼器から出てタービン装置に流入する際の出口温度の上昇により達成させられる。従ってそのようなガスタービンに対し、約1200〜1500℃の温度が求められ、かつ達成されている。
しかし、そのような高温の作動媒体の場合、媒体に曝される構成要素および部品が大きな熱的負荷を受ける。それにも係わらず、その構成要素の高い信頼性のもとでの非常に長い寿命を保証するため、通常関連する構成要素、特に燃焼器を、特に耐熱材料で形成し、冷却する必要がある。構成要素の寿命を制限する材料の熱応力発生を回避するため、通常その構成要素をできるだけ一様に冷却するよう努めている。
この目的に応じ、燃焼器壁の内側面を熱遮蔽要素で内張りしている。この要素には、特に耐火性被膜が設けられ、本来の燃焼器壁を経て冷却される。そのために、「衝突冷却」とも呼ばれる冷却法が採用される。衝突冷却の際、冷却材、通常は冷却空気が、燃焼器壁にある多数の孔を経て熱遮蔽要素に導かれ、そこで、冷却材は熱遮蔽要素の燃焼器壁側の外側面にほぼ垂直に衝突される。その冷却過程で加熱された冷却材は、続いて燃焼器壁が熱遮蔽要素と共に形成する内部空間から排出される。
しかし、かかる冷却系の製造には、熱遮蔽要素の一様な冷却を実現すべく、燃焼器壁に非常に小さな断面開口の多数の孔を設けねばならず、そのため非常に長い時間と経費を費やすので、非常に費用がかかる。特に冷却空気孔はその断面積に比べて非常に長く、燃焼器壁の壁板は強度上の理由から十分大きな厚みを有さねばならないので、その冷却空気孔の加工に必要な工具に、非常に厳しい要求が課せられる。更に、多数の冷却空気孔は、全部を合わせると非常に大きな表面積となり、冷却材の導入時に摩擦および渦流が生ずる。このため、冷却材回路内で大きな冷却材圧力損失が生じ、燃焼器の効率を低下させる。
更に、環状燃焼器の上述した構造は、点検作業に関して幾つかの欠点を示す。熱的および機械的に大きく負荷されることから、通常定期的に実施される点検・修理作業の際、例えば熱遮蔽要素のような燃焼器の部品、採用された冷却系並びに特に後置接続されたタービン装置の部品も、修理から交換せねばならない。燃焼器の構造には、点検作業の際にタービン軸に燃焼器の側から接近できない欠点がある。即ち環状燃焼器の範囲にあるタービン軸の点検作業又は燃焼器にすぐに続く第1静翼および第1動翼の修理のために、一般にタービン装置の全ての静翼および動翼を取り外さねばならない。タービンの全静翼と全動翼を分解した後で初めて、タービン軸側にあるボルトを緩めて燃焼器の内側壁を除去し、タービン軸に接近できる。従ってその組立作業は非常に手間と時間がかかる。ガスタービンの組立費に加えて、ガスタービンの非常に長い運転休止に伴い運転休止費用が生じ、このためガスタービンの点検修理作業の総費用が非常に高くなる。
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の燃焼器を、非常に単純な構造で、特に高い設備効率を有し、燃焼器の内側壁が非常に迅速且つ簡単に分解できるよう改良することにある。
更に、上述した燃焼器を備えたガスタービンを提供することにある。
燃焼器についての課題は、本発明に基づき、熱遮蔽要素に付属する各内部空間内に多数の冷却材分配器が配置され、燃焼器内側壁が、内側壁の支持構造物に固定された多数の壁要素で形成され、その支持構造物が、水平接合部で突き合わされた複数の部分部材で形成され、これらの部分部材が、接合部の範囲で、内側壁面に対し斜めに延びる多数のボルト継手を経て互いに結合されることにより解決される。
本発明は、特に高い設備効率のため、熱遮蔽要素への冷却材の確実で且つ特に広い面積にわたる供給を保証せねばならないという考えから出発する。従来利用されていた多数の冷却材孔を、極めて単純な方式で置換することで、その優先課題を徹底して維持する場合も、設備費と、特に製造費を安価にできる。その際、一方で冷却作用を変えずに高く維持し、他方で冷却材の供給を単純にすべく、冷却材流の個々の部分流への分割を、冷却すべき熱遮蔽要素の出来るだけ近くで初めて行う。即ち特に冷却材流の終端の直近で行う。この機能は冷却材分配器が果たす。本発明は、点検作業に関し、燃焼器内側壁における種々の壁要素相互の固定装置に燃焼室の側から接近し、燃焼器内側壁を燃焼室の側から分解するという考えから出発する。同時にまた、水平接合部で互いに突き合わされた燃焼器内側壁の支持構造物要素を、その接合部における垂直方向の力によって相互に結合する固定装置により互いに結合する。その両機能は、内側壁面に対し斜めに延びるボルト継手で満足させられる。この継手は、燃焼室の側からの接近性に加えて、水平接合部で互いに突き合わされた2つの支持構造物要素を結合するために十分大きな垂直分力を有している。
ボルト継手で相互に結合した支持構造物要素の内側壁面に対し斜めに延びるボルト継手により生ずる水平分力を補償するため、各ボルト継手に調整ばねを付属させるとよい。該ばねは、水平接合部で相互にボルト結合された壁要素が、ボルト継手の水平分力により相対移動するのを防止する。このため調整ばねは、好適には水平接合部に沿って延び、互いに突き合わされた支持構造物要素にある溝内にぴったりはめ込まれ、その結果支持構造物要素は相対移動できず、特に水平接合部において、ボルト継手の締付け固定のために必要なボルト継手の垂直分力しか生じない。
各冷却材供給管は、冷却材分配器を介し、多数の冷却材流出開口に接続するとよい。これに伴い、冷却材分配器の直前に存在する熱遮蔽要素が、衝突冷却により冷却される。
冷却材分配器の利用時に衝突冷却作用を高めるため、冷却材分配器の流出開口を、冷却材分配器の全冷却材流出開口の総断面積が、冷却材供給管の断面積より小さくなるよう寸法付けるとよい。冷却材流れ方向における断面積の縮小によりノズル効果が生じ、流出開口での冷却材の流出速度が増し、熱遮蔽要素での衝突冷却作用を改善できる利点がある。
冷却過程後の加熱された冷却材は、熱遮蔽要素と燃焼器壁の間の内部空間から、燃焼器壁にある孔を経て、冷却材排出系に排出するとよい。この加熱済み冷却空気は、冷却材分配器の形状と、冷却材分配器相互の十分な間隔を保証する冷却材分配器の適切な配置とによって、冷却材分配器間の中間空間を経て、燃焼器壁に存在する孔の開口に流入する。燃焼器壁の一様な冷却を保証すべく、帰還孔を、冷却材分配器の数に対し一定の比率で、燃焼器の全長にわたり特に一様に分布して設け、もって冷却材を全ての帰還孔から略同じ帰還温度で、一様に排出させる。
内側壁の面を覆う熱遮蔽要素を、その壁上に存在する冷却材分配器、帰還孔並びに接合部のボルト継手に関し位置決めするため、熱遮蔽要素を、キー継手を介して燃焼器内側壁に取り付けるとよい。その場合、熱遮蔽要素の縁を2度折り返して曲げ、その結果そこにアンカーを形成している。該アンカーは、燃焼器壁にあり溝を形成する凹所に引っ掛かり、これにより固定される。燃焼器壁にある凹所を、互いに隣接する熱遮蔽要素に対し1つの凹所に統合すると目的に適う。これにより、互いに隣接する熱遮蔽要素を、折り返し曲げにより生ずるそれらの端面で互いに突き合わせ、かくして、熱遮蔽要素は、燃焼器および燃焼器内を流れる作動媒体に対する漏れ止め装置となる。
上述した燃焼器は、好適にはガスタービンの構成部品である。
本発明による利点は、特に冷却材分配器の利用に伴い、安価な製造費で、熱遮蔽要素に冷却材を十分に供給可能な点にある。又燃焼器の冷却時の冷却材圧力損失が小さく、この結果、燃焼器の設備効率が増大する。冷却空気分配器が燃焼器壁にほんの僅かな供給孔しか必要としないので、冷却材圧力損失も低下する。多数の冷却材分配器の利用は、僅かな冷却材圧力損失下に一様な冷却を保証する。これは、冷却材分配器を介しての冷却材供給時に、冷却材が熱遮蔽要素に衝突する直前で初めて、大きな冷却材供給管から多数の小さな冷却材流出開口に分岐するからである。かくして、冷却材が比較的小さな開口断面を短距離しか貫流しないようにし、冷却材の圧力損失を制限できる。
燃焼器壁の接合部のボルト継手により、燃焼器壁を非常に単純且つ迅速に組み立てられる。特に燃焼器の内側壁を除去できる故、点検・修理作業のためタービン軸に、そして燃焼器に続くタービン装置の動翼と静翼に、各々迅速に近づくことができる。従ってタービン装置に広範囲にわたり存在する動翼と静翼の手間のかかる取り外しは、燃焼器の内部室から接近できる故に不要となり、点検作業を非常に単純且つ短時間に実施できる。
キー継手による熱遮蔽要素の取付けで、燃焼器の内部室を密封した状態で、同時に熱遮蔽要素の下側に存在する冷却系と接合部のボルト継手とに対する十分な空間が生ずる。
上述の燃焼器は、好適にはガスタービンの部品である。
以下図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1のガスタービン1は、燃焼空気用の圧縮機2、燃焼器4および圧縮機2と発電機又は作業機械(図示せず)とを駆動するためのタービン6を備える。そのためタービン6と圧縮機2は、タービンロータとも呼ばれる共通のタービン軸8上に配置されている。この軸8は、その中心軸線9を中心に回転可能に支持され、発電機や作業機械が結合されている。環状燃焼器の形に形成された燃焼器4は、液体又は気体燃料を燃焼するための多数のバーナ10を備える。
タービン6は、タービン軸8に取り付けられた多数の動翼12を有する。これら動翼12はタービン軸8に輪状に配置され、この結果多数の動翼列を形成している。またタービン6は多数の静翼14を含む。これら静翼14も、同様に輪状に配置されて静翼列を形成し、タービン6の内部車室16に取り付けられている。動翼12は、タービン6を貫流する作動媒体Mの衝撃伝達により、タービン軸8を駆動する。これに対して静翼14は、作動媒体Mの流れ方向に連続する2つの動翼列間で、作動媒体Mの流れを案内するために使われる。互いに連続して位置する一対の静翼輪又は静翼列14と、動翼輪又は動翼列12とは、タービン段とも呼ばれる。
各静翼14は翼脚とも呼ばれる翼台座18を有し、該台座は静翼14をタービン6の内部車室16に固定すべく壁要素として配置されている。翼台座18は、タービン6を貫流する作動媒体Mに対する高温ガス通路の外側境界部を形成し、熱的に大きく負荷される部品である。各動翼12も同様に、翼脚とも呼ばれる翼台座20を経てタービン軸8に取り付けられている。
互いに隣接する2つの静翼列の、互いに間隔を隔てて配置された静翼14の翼台座18間に各々案内輪21が配置され、タービン6の内部車室16に固定されている。各案内輪21の内側面も同様に、タービン6を貫流する高温の作動媒体Mに曝され、これに対向して位置する動翼12の外側端22から半径方向に隙間により間隔を隔てられている。隣接する静翼列間に配置された案内輪21は、特に車室内壁又は他の車室組込み物を、タービン6を貫流する高温作動媒体Mによる熱的過負荷から保護する覆い要素として使われる。
この実施例では、燃焼器4は所謂環状燃焼器として形成されている。この環状燃焼器に多数のバーナ10が、タービン軸8の周囲に円周方向に分布して配置され、共通の燃焼室に開口している。そのため燃焼器4はその全体形状が、タービン軸8の周りに位置づけられた環状構造物として形成されている。
図2は、燃焼器4の形状を一層明瞭にすべく断面図で示す。燃焼器4はタービン軸8の周りにトーラス状に続いている。図から明らかな如く、燃焼器4は始まり部分、即ち流入部分を有し、そこにバーナ10の出口が開口している。燃焼器4の開口断面は、そこから作動媒体Mの流れ方向に狭まる。その際、その空間範囲に生ずる作動媒体Mの流れ分布が考慮されている。燃焼器4の出口側の断面形状は、作動媒体Mが流れ方向に続く第1動翼列に特に大きな衝撃エネルギを伝達すべく燃焼器4から流出するよう湾曲している。
図3から明らかな如く、燃焼器4の燃焼室24は燃焼器壁25で境界付けられている。この燃焼器壁25は、一方では環状燃焼器外側壁26、他方ではその中に配置された環状燃焼器内側壁28により形成されている。燃焼器4は、例えば点検作業のため、燃焼器内側壁28で包囲されたタービン軸8および燃焼器4の直後のタービン6の動翼12と静翼14に近づけるよう、燃焼器内側壁28が特に簡単に取り外し可能に設計されている。そのため、燃焼器内側壁28は、2つの壁要素30から成っている。これら壁要素30は、水平に延びる接合部31を形成し、燃焼器内側壁28の形に結合されている。
燃焼器4は、特に燃焼器内側壁28の壁要素30が燃焼室24の側から分解できるように設計されている。そのため、図4に断面図で示す如く、壁要素30は、それにより形成された水平接合部31で、燃焼器内側壁28の内側面に対し斜めに延びるボルト継手32で結合されている。各ボルト継手32は、燃焼器内側壁28で形成され、表面に対し斜めに導かれるボルト33を含む。これらのボルト33は、壁要素30に設けたねじ孔34と共働する。
壁要素30が燃焼器内側壁28に対して斜めに延びるボルト33のために生ずる水平分力で相対移動しないようにするため、ボルト継手32に調整ばね35を付属させている。このばね35は、壁要素30の水平接合部31に沿って各ボルト継手32の近くを延び、燃焼器内側壁28の壁要素30にある溝にぴったりはめ込まれている。
高い効率を得るため、燃焼器4は、約1200〜1500℃の高い作動媒体Mの温度得るべく設計されている。材料にとって不利なこの運転パラメータにおいても非常に長い運転期間を可能にするため、図5に示すように、燃焼器壁25は、作動媒体M側の面に、熱遮蔽要素38で形成したライニングを備えている。この各要素38は、作動媒体M側の面に、特に耐火防護膜を有する。燃焼器4の内部が高温なので、熱遮蔽要素38のための冷却系を有している。この冷却系は衝突冷却方式を基礎とし、冷却空気Kを冷却材として、被冷却部品における多数の個所に十分な高圧で吹き付ける。
冷却系は平形構造とされ、熱遮蔽要素38に冷却空気を平面的に確実に供給しかつ僅かな冷却材圧力損失を得るよう設計される。そのため熱遮蔽要素38は、外側から冷却空気Kで冷却される。空気Kは、各熱遮蔽要素38と燃焼器壁25とで形成された内部空間40内に配置された多数の冷却材分配器42により、各熱遮蔽要素38の表面に導かれる。
熱遮蔽要素38の冷却法を一層明瞭にすべく、燃焼器壁25を図5に断面図で示す。この図から明らかなように、一様な冷却を保証すべく、各熱遮蔽要素38の全面にわたり、多数の冷却材分配器42を分布させている。冷却材Kは冷却材供給管44を経て各冷却材分配器42に流入する。冷却材Kは、冷却材分配器42により、多数の冷却材流出開口46を経て熱遮蔽要素38の表面に導かれ、この結果熱遮蔽要素38が冷却材Kで衝突冷却により冷却される。各冷却材分配器42に対し各1つの冷却材供給管44しか必要ないので、冷却材供給管44に対する孔は、燃焼器4の製造時に、簡単に短時間で設けられる。
更に図5から明らかな如く、冷却材分配器42の冷却材流出開口46は、全部で、冷却材分配器42の冷却材供給管44の開口断面積よりも小さな断面積を有する。このため冷却材Kが冷却材分配器42を貫流する際に絞り効果が生じ、冷却材流出開口46で冷却材Kの流出速度が高まる。この結果、熱遮蔽要素38での衝突冷却作用が強化される。
図5に燃焼器壁25を概略的に示すように、熱遮蔽要素38を冷却系および接合部のボルト継手に対し空間を節約して、燃焼器壁25に取り付けている。そのため、キー継手を利用している。この場合、熱遮蔽要素38の縁を折り返して曲げ、そこにアンカーを形成している。該アンカーが、燃焼器壁25にあり溝を形成する凹所に引っ掛かり、これによって固定される。同様に図5から明らかなように、互いに隣接する熱遮蔽要素38は、熱遮蔽要素38が相互に接触し、かくして、燃焼器4の燃焼室24を密封すべく、統合された溝に取り付けている。
ガスタービンの断面図。 燃焼器の断面図。 環状燃焼器の側面図。 燃焼器内側壁の壁要素におけるボルト継手の断面図。 燃焼器内側壁の一部断面図。
符号の説明
1 ガスタービン、2 圧縮機、4 燃焼器、6 タービン、8 タービン軸、9 中心軸線、10 バーナ、12 動翼、14 静翼、16 内部車室、18、20 翼台座、21 案内輪、22 動翼の外側端、24 燃焼室、25 燃焼器壁、26 燃焼器外側壁、28 燃焼器内側壁、30 壁要素、31 水平接合部、32 ボルト継手、33 ボルト、34 ねじ孔、35 調整ばね、38 熱遮蔽要素、40 内部空間、42 冷却材分配器、44 冷却材供給管、46 冷却材流出開口、M 作動媒体、K 冷却材

Claims (7)

  1. 燃焼室(24)が環状内側壁(28)と外側壁(26)とで境界づけられ、その燃焼器壁(25)の内側面が多数の熱遮蔽要素(38)で形成されたライニングで内張りされ、該熱遮蔽要素又は各熱遮蔽要素(38)が燃焼器壁(25)と共に、冷却材(K)が供給される内部空間(40)を形成するガスタービン(1)の燃焼器(4)において、
    各内部空間(40)内に多数の冷却材分配器(42)が配置され、燃焼器内側壁(28)が水平接合部(31)で突き合わされた多数の壁要素(30)で形成され、これら壁要素(30)が、接合部(31)の範囲で、内側壁面に対して斜めに延びる多数のボルト継手(32)を介して互いに結合されたことを特徴とする燃焼器。
  2. 各ボルト継手(32)に調整ばね(34)が付属することを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
  3. 冷却材供給管(44)が、冷却材分配器(42)を介して、大部分の冷却材流出開口(46)に接続されたことを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
  4. 冷却材流出開口(46)が、冷却材分配器(42)の全冷却材流出開口(46)の総断面積が、その冷却材供給管(44)の断面積より小さいように、寸法づけられたことを特徴とする請求項1から3の1つに記載の燃焼器。
  5. 内部空間(40)又は各内部空間(40)が、多数の孔を介して、冷却材排出系に接続されたことを特徴とする請求項1から4の1つに記載の燃焼器。
  6. 熱遮蔽要素(38)が、キー継手を介して、燃焼器内側壁(28)から燃焼器外側壁(26)に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の燃焼器。
  7. 請求項1から5の1つに記載の燃焼器(4)を備えることを特徴とするガスタービン。

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