JP2004340299A - 緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力検出手段を備えた緩衝器においても、シリンダやシリンダを封止する部材の強度低下を招かず、省スペース、ローコストで、かつ、異常振動の防止を図ることである。
【解決手段】緩衝器の圧力検出手段が、シリンダ1外周に嵌合する弾性なリング状の基材10a,11aと、当該基材10a,11aの外周面上もしくは基材10a,11a中に絶縁状態下に基材10a,11aの円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部10b,11bとで構成される歪ゲージ10,11を備えてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】緩衝器の圧力検出手段が、シリンダ1外周に嵌合する弾性なリング状の基材10a,11aと、当該基材10a,11aの外周面上もしくは基材10a,11a中に絶縁状態下に基材10a,11aの円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部10b,11bとで構成される歪ゲージ10,11を備えてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、緩衝器に関し、特にシリンダ内の圧力検出手段を備えた緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシリンダ内の圧力検出手段を備えた緩衝器においては、シリンダ内の流体圧力を検出し、この検出された圧力に基づいて緩衝器の発生する減衰力を調節するものが知られており(たとえば、特許文献1参照)、また、圧力検出手段には圧力センサが使用されている。そして、この圧力センサは、たとえば、圧力を歪に変化するために検出器表面に歪ゲージを絶縁状態下に配設したダイヤフラムを使用したものが一般的であり(たとえば、特許文献2参照)、ダイヤフラムは略円筒状の金属製のケース内に納められ、このケースをシリンダやシリンダを封止する部材に穿設した孔に螺合等することによりシリンダに固定され、シリンダ内の流体圧をダイヤフラムで受けて、このときのダイヤフラムの歪により流耐圧を検出するとされている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−142627号公報(実施例欄,図1)
【0004】
【特許文献2】
特開平10−153509号公報(従来技術欄,図10,図11)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述のような緩衝器にあっては、シリンダ内の流体圧を検知でき、その検出結果を利用して緩衝器を制御可能となる点で非常に有用であるが、以下の弊害があると指摘される恐れがある。
【0006】
すなわち、従来の緩衝器によれば、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要があるので、シリンダやシリンダを封止する部材の強度が低下するとともに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要があるので構造が複雑となり、また、コストも増加してしまう。
【0007】
さらに、圧力センサの取付スペースが必要となるので、緩衝器が大型化してしまい、そしてさらに、圧力センサはある程度の重量があり、かつ、緩衝器の側方に取付けられるので、緩衝器の重量バランスが悪くなり緩衝器に加振による異常振動が発生してしまう場合もある。
【0008】
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、圧力検出手段を備えた緩衝器においても、シリンダやシリンダを封止する部材の強度低下を招かず、省スペース、ローコストで、かつ、異常振動の防止を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合されたことを特徴とする。
【0011】
上記第1および第2の課題解決手段によれば、圧力検出手段の歪ゲージは、リング状の基材を備えており、シリンダに嵌合させるだけで、シリンダ内の圧力を検出することができるので、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダやシリンダを封止する部材の強度を低下しない。さらに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0012】
さらに、リング状の歪ゲージをシリンダに嵌合するだけでよく、基材も圧よくセンサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダを取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0013】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダの局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダの一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0014】
また、この緩衝器では、シリンダに孔を穿設することなしにシリンダ内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0015】
本発明の第3の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、少なくとも上記歪ゲージで検出したシリンダ内圧力に基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合され、少なくとも上記歪ゲージで検出した第1室内圧力および第2室内圧力の両方または一方のに基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする。
【0017】
上記第3および第4の課題解決手段によれば、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0018】
また、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図2に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、特に本発明の緩衝器が車両の車体と車軸との間に介装される車両用の緩衝器に具現化されている。図1は、本発明の第1の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2(a)は、圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。図2(b)は、圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
【0020】
さて、緩衝器は、図1に示すように、作動流体が封入されたシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン2と、当該ピストン2がシリンダ1内に隔成する第1室R1および第2室R2と、シリンダ1に対しピストン2が移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構3と、第1室R1および第2室内R2の圧力を検出する歪ゲージ10,11を備えた一対の圧力検出手段と、当該歪ゲージ10,11に電気的に接続されたECU20と、ECU20に電気的に接続された車両の操舵角を検出する舵角センサ21と、同じくECU20に電気的に接続された車速センサ22およびアクチュエータ23とで構成されている。
【0021】
以下、各部について詳細に説明する。シリンダ1は、円筒状に形成されており、図1中上端にはピストンロッド4を摺動自在に軸支するロッドガイド5が設けられている。また、図1中下端には、ベースバルブ6のバルブボディ6aが嵌合されており、さらに、シリンダ1は円筒状の外筒7内に挿入されている。そして、外筒7の図1中上端はロッドガイド5で閉塞されるとともに、外筒7の下端はキャップ8で閉塞され、シリンダ1は上記ロッドガイド5およびバルブボディ6aにより外筒7に対し同心に位置決めされると同時に、ロッドガイド5およびキャップ8およびバルブボディ6aにより挟持されることで外筒7に固定されている。なお、外筒7を円筒状として説明したが、図1中下端が開口する有底筒状としてもよい。すなわち、外筒7内およびシリンダ1内はロッドガイド5およびキャップ8により密封状態に維持されている。そして、シリンダ内1には作動油等の作動流体が封入されており、外筒7とシリンダ1との間の隙間には、作動流体と気体が封入されている。
【0022】
ピストンロッド4は、円柱状に形成され、その軸心部には図1中下端から開口する中空孔4aと、中空孔4aに連通し、この中空孔4aと同軸に図1中上端から開口するコントロールロッド挿入孔4bが設けられるとともに、その外周には中空孔4aに連通する一対のポート4cが対称な位置に穿設されている。そして、ピストンロッド4は上記ロッドガイド5に摺動自在に挿入され、また、ピストンロッド4の図1中下端部外周にはピストン2が設けられている。このピストン2には、複数の流路(付示せず)が設けらており、各流路をそれぞれ開閉するリーフバルブ30,31が設けられている。また、図示はしないが、ピストン2の外周にはピストンリング(図示せず)が設けられており、このピストンリング(図示せず)を介してピストン2は摺動自在にシリンダ1内周に摺動自在に挿入されており、このピストン2によりシリンダ1内が第1室R1と第2室R2とに区画されている。したがって、中空孔4aは、第2室R2に連通し、また、ポート4cを介して第1室R1に連通しているので、第1室R1と第2室R2は、この中空孔4aおよびポート4cを介して連通している。
【0023】
また、本実施の形態においては、上述の外筒7とシリンダ1との間の隙間で補償室Rが形成されている。そして、シリンダ1の下端に嵌合するベースバルブ6は有底筒状に形成され、ベースバルブ6はバルブボディ6aと、リーフバルブ32と、チェックバルブ33とで構成されている。詳細に説明すると、ベースバルブ6のバルブボディ6aの下端には切欠6bが設けられ、補償室Rとベースバルブ6内とが連通しており、さらに、バルブボディ6aには、第2室R2とバルブボディ6内とを連通する複数の流路(付示せず)が設けられており、これら流路および切欠6bにより補償室Rと第2室R2が連通されている。そして、上記複数の流路のうちピストン2がシリンダ1に対し図1中下方に移動したとき、すなわち、緩衝器が圧縮工程時に、第2室R2から補償室Rへ向けて作動流体が通過する流路にはリーフバルブ32が設けられており、他方、複数の流路のうちピストン2がシリンダ1に対し図1中上方に移動したとき、すなわち、緩衝器が伸長工程時に、補償室Rから第2室R2へ向けて作動流体が通過する流路には第2室R2から補償室Rへ向う作動流体の流れを阻止するチェックバルブ33が設けられている。すなわち、緩衝器が圧縮工程時にのみ、リーフバルブ32が作用するようになっている。
【0024】
そして、ピストンロッド4の中空孔4aには、有底筒状のロータリバルブ9が挿入され、さらに、上記中空孔4a内であってロータリバルブ9より図1中下方には、ロータリバルブ9が中空孔4aから脱落することを防止する円筒状のストッパSがピストンロッド4aの中空孔4a内に螺合されている。
【0025】
ロータリバルブ9は、有底筒状に形成され、その図1中上端には、コントロールロッド12が接続されており、その側部にはロータリバルブ9内外を連通する一対のオリフィスポート9aが穿設されている。
【0026】
そして、このように形成されたロータリバルブ9は、上述したように、ピストンロッド4の中空孔4a内に挿入されるが、中空孔4aの内面とは僅かな隙間をもって挿入されるのでピストンロッド4に対して回動させることができる。ここで、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対し回動させると、オリフィスポート9aがポート4cと対向する位置では、第1室R1と第1室R2とを連通し、オリフィスポート9aがポート4cと対向しえない位置では、第1室R1と第1室R2との連通を遮断することが可能である。また、ロータリバルブ9を回動させることにより、オリフィスポート9aとポート4cとの重なり度合いを変化させ、これにより流路面積を変化させることが可能である。すなわち、上述のように構成された緩衝器が伸縮する際には、ピストンロッド4の中空孔4aおよびポート4cが第1室R1と第1室R2とを連通しているので緩衝器内の作動流体がロータリバルブ9内およびオリフィスポート9aを通過しようとするが、このとき、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対して回動させることにより流路面積を変化できるので、緩衝器の発生する減衰力を調整することが可能である。すなわち、この緩衝器においては、上記ロータリバルブ9で第1室R1と第1室R2との連通を遮断する場合には、各リーフバルブ30,31,32で減衰力を発生し、ロータリバルブ9で第1室R1と第1室R2とを連通する場合には、このロータリバルブ9によっても減衰力を発生することとなるが、第1室R1と第1室R2との連通を遮断した状態ではその流路面積が最小となるので高い減衰力を発生でき、第1室R1と第1室R2とを連通した状態ではその流路面積が増大するので低い減衰力を発生することとなる。
【0027】
ここで、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対して回動させるには、コントロールロッド12およびアクチュエータAが使用される。このコントロールロッド12は、ピストンロッド4のコントロールロッド挿入孔4b内に回動自在に挿通され、さらに、コントロールロッド12の図1中下端部は、上述のようにロータリバルブ9に接続されるとともに、コントロールロッド12の図1中上端は、ピストンロッド4の図1中上端に設けられたアクチュエータAに接続されている。このアクチュエータAは、ECU20に接続され、ECU20からの電力供給によりコントロールロッド12を回動させることが可能である。したがって、減衰力調整機構3は、本実施の形態においては、アクチュエータAとコントロールロッド12とロータリバルブ9とピストンロッド4のポート4cとで構成されていることとなる。なお、減衰力調整機構3は上述した構成以外にも、たとえば、流路面積を変化させることができるソレノイドバルブとしてもよく、アクチュエータを駆動することによって流路面積を変化させることが可能な慣用されている構成とするとしてもよい。
【0028】
さらに、ECU20は、車両の操舵角を検出する舵角センサ21および車両の速度を検出する車速センサ22およびシリンダ1内圧を検出する圧力検出手段の歪ゲージ10,11に接続されている。なお、舵角センサ21および車速センサ22については、公知のセンサを使用すればよい。
【0029】
そして、歪ゲージ10,11は、それぞれ弾性なリング状の基材10a,11aと、当該基材10a,11aの外周面上に絶縁状態下に基材10a,11aの円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部たる抵抗線10b,11bとで構成されている。なお、抵抗線10b,11bは、たとえば、図2(a),図2(b)に示すように、基材10a,11aの円周方向に沿って螺旋状もしくは格子状に配置すればよい。また、これら抵抗線10b,11bの両端は所定のブリッジ回路(図示せず)に接続され、基材10a,11aの円周方向の歪をその出力変化として取り出すことが可能に設定され、さらに、図示はしないが、歪ゲージ10,11の出力を増幅するためのコンデンサ等の電子部品を介して、ECU20に接続されている。すなわち、圧力検出手段は、上記歪ゲージ10,11とブリッジ回路と増幅回路により構成されている。なお、各歪ゲージ10,11の抵抗線10b,11bは、外筒7に穿設した孔7aを介して緩衝器の外方に設置されるECU20に接続されるが、孔7aにはしかるべきようにシールが施され、上述の歪ゲージ10,11に接続されるブリッジ回路、電子部品等は緩衝器の外方に設けるとすればよい。したがって、振動の影響を受けやすい電子部品等を車両の比較的振動の少ない部位に設置することができ、従来の圧力センサのように、電子部品等が一体となったものに比較して、電子部品等の損傷を防止することができる。このように構成した圧力検出手段の歪ゲージ10,11は、歪ゲージ10で第1室R1の内圧を測定し歪ゲージ11で第2室R2の内圧を測定できるように、それぞれシリンダ1の図1中上下端近傍の外周に勘合されている。この場合、シリンダ1の外周に強固に固定するために基材10a,11aの内径をシリンダ1の外径より若干小さく形成しておくことが望ましい。そして、ピストン2の移動に伴ってシリンダ1内の第1室R1および第2室R2の流体圧が変化すると、シリンダ1はその変化に伴って、円周方向に歪を生じるが、歪ゲージ10,11はシリンダ1に嵌合しているので、基材10a,11aにも円周方向の歪が生じ、その歪量に応じて抵抗線10b,11bの抵抗値が変化するので、この歪を圧力として検出することができる。
【0030】
なお、歪ゲージ10,11を抵抗線式のものとして説明したが、抵抗線をいわゆる拡散型や成膜型の半導体として、この半導体をシリンダ1が円周方向に歪むことにより基材10a,11aを介してシリンダ1内の圧力を検出できるように配置すれば、抵抗線に換えて半導体を使用してもよい。さらに、基材上にブリッジ回路を形成してもよい。
【0031】
ここで、圧力検出手段の歪ゲージ10,11は、リング状の基材10a,11aを備えており、シリンダ1に嵌合させるだけで、シリンダ1内の内圧を検出することができるので、シリンダ1内の流体圧を検出するためにシリンダ1やシリンダ1を封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダ1やシリンダ1を封止する部材の強度が低下しない。さらに、シリンダ1から作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0032】
さらに、リング状の歪ゲージ10,11をシリンダ1に嵌合するだけでよく、基材も圧力センサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダ1を取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0033】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダ1の局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダ1の一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0034】
また、この緩衝器では、シリンダ1に孔を穿設することなしにシリンダ1内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0035】
つづいて、上述のように構成された緩衝器の操作について説明する。例えば、車両が平坦路を直進走行をしているとき、すなわち、舵角センサ21からの検出信号がなく、シリンダ1内の第1室R1および第2室R2内の圧力変動が少ないときには、車体はローリングせず、緩衝器の発生する減衰力は低いほうが振動伝達率が低下し乗り心地をよくできるので、そのような状態の場合には、ECU20は、緩衝器の発生する減衰力を低くするべく、アクチュエータAに電流を供給して、コントロールロッド12を駆動して流路面積を最大にすべくロータリバルブ9のオリフィスポート9aをピストンロッド4のポート4cに対向させる。その結果、緩衝器の発生する減衰力は低く維持され乗り心地を向上する。
【0036】
上述の場合のECU20の具体的処理は、以下のようになる。先ず、舵角がゼロであることを、舵角センサ21からの信号の入力がないことをもって、ECU20は車両が平坦路を直進走行していることを認識し、さらに、歪ゲージ10,11が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力変動が少ないことをもって車両が平坦路を走行中であることを認識する。そして、上記状態で緩衝器が発生する減衰力を低く保つことで車両の乗り心地をよくすることを認識して、上述のように、緩衝器の発生する減衰力を低くするようにアクチュエータAに電流を供給する。また、上記の制御を舵角センサ21を用いずにすることもできる、すなわち、歪ゲージ10,11で検出する圧力変動が少ない事をもってして、車両は平坦路を直進中であることをECU20は認識することができるので、舵角センサ21および車速センサ22を使用することなしに緩衝器の減衰力調整が可能である。
【0037】
つぎに、車両がコーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体にローリングが発生すると、ECU20には舵角センサ21、車速センサ22、および各歪ゲージ10,11が検出した各信号が入力される。
【0038】
ECU20は、これら各検出した信号に基づいてアクチュエータAに電流を供給して、緩衝器が必要としている減衰力を発生するようにコントロールロッド12を駆動して、ロータリバルブ9を回動させる。この場合には、ECU20で算出した必要減衰力を確保するように流路面積を変化させ減衰力調整を行う。
【0039】
また、ECU20は、絶えず歪ゲージ10,11から送られてくるシリンダ1の第1室R1内および第2室R2内の圧力変動により、必要とされる減衰力を算出してアクチュエータAに電流を供給してロータリバルブ9で変化させる流路面積の調整を行う。
【0040】
また、上述の場合のECU20の具体的処理は、以下のようになる。先ず、操舵されたことを舵角センサ21からの信号の入力および歪ゲージ10,11が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力変動が大きいことをもって、車体がローリング状態となったことをECU20が認識し、さらに、車速センサ22が検出した車速および歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力値からローリングを抑制するのに必要な減衰力をECU20が算出する。そして、算出した必要とされる減衰力と、現在のロータリバルブ9の位置で緩衝器が発生するであろう減衰力とを比較して、算出した減衰力のほうが大きい場合には流路面積を増大させる方向にロータリバルブ9を回動させるべくアクチュエータAに電流を供給し、他方、算出した減衰力のほうが小さい場合には、反対に流路面積を減少させる方向にロータリバルブ9を回動させるべくアクチュエータAに電流を供給する。さらに、ECU20は、その後も歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段が検出する圧力値により必要減衰力を算出し、車体の姿勢変化に合わせて減衰力調整を行う。これに伴い、シリンダ1内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0041】
また、上記の制御を舵角センサ21および車速センサ22を用いずにすることもできる、すなわち、歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段で検出する圧力変動が大きいことをもってして、車体がローリング中であること、および、その向きをECU20は認識することができるので、舵角センサ21および車速センサ22を使用することなしに緩衝器の減衰力調整が可能である。
【0042】
なお、姿勢制御に必要な減衰力の算出方法については、この緩衝器が適用される車種に応じて適宜最適なものとなるように選択すればよい。
【0043】
したがって、本発明の緩衝器によれば、緩衝器の強度を低下させず、低コスト、省スペースとなるだけでなく、シリンダ内圧に基づく微細な制御にも適するのである。すなわち、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【0044】
なお、上述したところでは、緩衝器をいわゆる複筒型のものとして説明したが、単筒型としてもよいことは無論であるとともに、上記した緩衝器の減衰力調整の制御についても、一例であって、実際には緩衝器が適用される車両に適した制御が行えるような制御手法を選択すればよい。
【0045】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば、圧力検出手段の歪ゲージは、リング状の基材を備えており、シリンダに嵌合させるだけで、シリンダ内の圧力を検出することができるので、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダやシリンダを封止する部材の強度が低下しない。さらに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0046】
さらに、リング状の歪ゲージをシリンダに嵌合するだけでよく、基材も圧力センサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダを取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0047】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダの局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダの一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0048】
また、この緩衝器では、シリンダに孔を穿設することなしにシリンダ内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0049】
請求項3および請求項4の発明によれば、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0050】
また、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
【図2】(a)圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
(b)圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 減衰力調整機構
4 ピストンロッド
9 ロータリバルブ
10,11 歪ゲージ
10a,11a 基材
11b,12b 歪測定部たる抵抗線
12 コントロールロッド
20 ECU
A アクチュエータ
R1 第1室
R2 第2室
R 補償室
【発明の属する技術分野】
この発明は、緩衝器に関し、特にシリンダ内の圧力検出手段を備えた緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシリンダ内の圧力検出手段を備えた緩衝器においては、シリンダ内の流体圧力を検出し、この検出された圧力に基づいて緩衝器の発生する減衰力を調節するものが知られており(たとえば、特許文献1参照)、また、圧力検出手段には圧力センサが使用されている。そして、この圧力センサは、たとえば、圧力を歪に変化するために検出器表面に歪ゲージを絶縁状態下に配設したダイヤフラムを使用したものが一般的であり(たとえば、特許文献2参照)、ダイヤフラムは略円筒状の金属製のケース内に納められ、このケースをシリンダやシリンダを封止する部材に穿設した孔に螺合等することによりシリンダに固定され、シリンダ内の流体圧をダイヤフラムで受けて、このときのダイヤフラムの歪により流耐圧を検出するとされている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−142627号公報(実施例欄,図1)
【0004】
【特許文献2】
特開平10−153509号公報(従来技術欄,図10,図11)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上述のような緩衝器にあっては、シリンダ内の流体圧を検知でき、その検出結果を利用して緩衝器を制御可能となる点で非常に有用であるが、以下の弊害があると指摘される恐れがある。
【0006】
すなわち、従来の緩衝器によれば、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要があるので、シリンダやシリンダを封止する部材の強度が低下するとともに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要があるので構造が複雑となり、また、コストも増加してしまう。
【0007】
さらに、圧力センサの取付スペースが必要となるので、緩衝器が大型化してしまい、そしてさらに、圧力センサはある程度の重量があり、かつ、緩衝器の側方に取付けられるので、緩衝器の重量バランスが悪くなり緩衝器に加振による異常振動が発生してしまう場合もある。
【0008】
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、圧力検出手段を備えた緩衝器においても、シリンダやシリンダを封止する部材の強度低下を招かず、省スペース、ローコストで、かつ、異常振動の防止を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合されたことを特徴とする。
【0011】
上記第1および第2の課題解決手段によれば、圧力検出手段の歪ゲージは、リング状の基材を備えており、シリンダに嵌合させるだけで、シリンダ内の圧力を検出することができるので、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダやシリンダを封止する部材の強度を低下しない。さらに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0012】
さらに、リング状の歪ゲージをシリンダに嵌合するだけでよく、基材も圧よくセンサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダを取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0013】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダの局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダの一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0014】
また、この緩衝器では、シリンダに孔を穿設することなしにシリンダ内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0015】
本発明の第3の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、少なくとも上記歪ゲージで検出したシリンダ内圧力に基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の課題解決手段は、作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合され、少なくとも上記歪ゲージで検出した第1室内圧力および第2室内圧力の両方または一方のに基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする。
【0017】
上記第3および第4の課題解決手段によれば、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0018】
また、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図2に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、特に本発明の緩衝器が車両の車体と車軸との間に介装される車両用の緩衝器に具現化されている。図1は、本発明の第1の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2(a)は、圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。図2(b)は、圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
【0020】
さて、緩衝器は、図1に示すように、作動流体が封入されたシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン2と、当該ピストン2がシリンダ1内に隔成する第1室R1および第2室R2と、シリンダ1に対しピストン2が移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構3と、第1室R1および第2室内R2の圧力を検出する歪ゲージ10,11を備えた一対の圧力検出手段と、当該歪ゲージ10,11に電気的に接続されたECU20と、ECU20に電気的に接続された車両の操舵角を検出する舵角センサ21と、同じくECU20に電気的に接続された車速センサ22およびアクチュエータ23とで構成されている。
【0021】
以下、各部について詳細に説明する。シリンダ1は、円筒状に形成されており、図1中上端にはピストンロッド4を摺動自在に軸支するロッドガイド5が設けられている。また、図1中下端には、ベースバルブ6のバルブボディ6aが嵌合されており、さらに、シリンダ1は円筒状の外筒7内に挿入されている。そして、外筒7の図1中上端はロッドガイド5で閉塞されるとともに、外筒7の下端はキャップ8で閉塞され、シリンダ1は上記ロッドガイド5およびバルブボディ6aにより外筒7に対し同心に位置決めされると同時に、ロッドガイド5およびキャップ8およびバルブボディ6aにより挟持されることで外筒7に固定されている。なお、外筒7を円筒状として説明したが、図1中下端が開口する有底筒状としてもよい。すなわち、外筒7内およびシリンダ1内はロッドガイド5およびキャップ8により密封状態に維持されている。そして、シリンダ内1には作動油等の作動流体が封入されており、外筒7とシリンダ1との間の隙間には、作動流体と気体が封入されている。
【0022】
ピストンロッド4は、円柱状に形成され、その軸心部には図1中下端から開口する中空孔4aと、中空孔4aに連通し、この中空孔4aと同軸に図1中上端から開口するコントロールロッド挿入孔4bが設けられるとともに、その外周には中空孔4aに連通する一対のポート4cが対称な位置に穿設されている。そして、ピストンロッド4は上記ロッドガイド5に摺動自在に挿入され、また、ピストンロッド4の図1中下端部外周にはピストン2が設けられている。このピストン2には、複数の流路(付示せず)が設けらており、各流路をそれぞれ開閉するリーフバルブ30,31が設けられている。また、図示はしないが、ピストン2の外周にはピストンリング(図示せず)が設けられており、このピストンリング(図示せず)を介してピストン2は摺動自在にシリンダ1内周に摺動自在に挿入されており、このピストン2によりシリンダ1内が第1室R1と第2室R2とに区画されている。したがって、中空孔4aは、第2室R2に連通し、また、ポート4cを介して第1室R1に連通しているので、第1室R1と第2室R2は、この中空孔4aおよびポート4cを介して連通している。
【0023】
また、本実施の形態においては、上述の外筒7とシリンダ1との間の隙間で補償室Rが形成されている。そして、シリンダ1の下端に嵌合するベースバルブ6は有底筒状に形成され、ベースバルブ6はバルブボディ6aと、リーフバルブ32と、チェックバルブ33とで構成されている。詳細に説明すると、ベースバルブ6のバルブボディ6aの下端には切欠6bが設けられ、補償室Rとベースバルブ6内とが連通しており、さらに、バルブボディ6aには、第2室R2とバルブボディ6内とを連通する複数の流路(付示せず)が設けられており、これら流路および切欠6bにより補償室Rと第2室R2が連通されている。そして、上記複数の流路のうちピストン2がシリンダ1に対し図1中下方に移動したとき、すなわち、緩衝器が圧縮工程時に、第2室R2から補償室Rへ向けて作動流体が通過する流路にはリーフバルブ32が設けられており、他方、複数の流路のうちピストン2がシリンダ1に対し図1中上方に移動したとき、すなわち、緩衝器が伸長工程時に、補償室Rから第2室R2へ向けて作動流体が通過する流路には第2室R2から補償室Rへ向う作動流体の流れを阻止するチェックバルブ33が設けられている。すなわち、緩衝器が圧縮工程時にのみ、リーフバルブ32が作用するようになっている。
【0024】
そして、ピストンロッド4の中空孔4aには、有底筒状のロータリバルブ9が挿入され、さらに、上記中空孔4a内であってロータリバルブ9より図1中下方には、ロータリバルブ9が中空孔4aから脱落することを防止する円筒状のストッパSがピストンロッド4aの中空孔4a内に螺合されている。
【0025】
ロータリバルブ9は、有底筒状に形成され、その図1中上端には、コントロールロッド12が接続されており、その側部にはロータリバルブ9内外を連通する一対のオリフィスポート9aが穿設されている。
【0026】
そして、このように形成されたロータリバルブ9は、上述したように、ピストンロッド4の中空孔4a内に挿入されるが、中空孔4aの内面とは僅かな隙間をもって挿入されるのでピストンロッド4に対して回動させることができる。ここで、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対し回動させると、オリフィスポート9aがポート4cと対向する位置では、第1室R1と第1室R2とを連通し、オリフィスポート9aがポート4cと対向しえない位置では、第1室R1と第1室R2との連通を遮断することが可能である。また、ロータリバルブ9を回動させることにより、オリフィスポート9aとポート4cとの重なり度合いを変化させ、これにより流路面積を変化させることが可能である。すなわち、上述のように構成された緩衝器が伸縮する際には、ピストンロッド4の中空孔4aおよびポート4cが第1室R1と第1室R2とを連通しているので緩衝器内の作動流体がロータリバルブ9内およびオリフィスポート9aを通過しようとするが、このとき、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対して回動させることにより流路面積を変化できるので、緩衝器の発生する減衰力を調整することが可能である。すなわち、この緩衝器においては、上記ロータリバルブ9で第1室R1と第1室R2との連通を遮断する場合には、各リーフバルブ30,31,32で減衰力を発生し、ロータリバルブ9で第1室R1と第1室R2とを連通する場合には、このロータリバルブ9によっても減衰力を発生することとなるが、第1室R1と第1室R2との連通を遮断した状態ではその流路面積が最小となるので高い減衰力を発生でき、第1室R1と第1室R2とを連通した状態ではその流路面積が増大するので低い減衰力を発生することとなる。
【0027】
ここで、ロータリバルブ9をピストンロッド4に対して回動させるには、コントロールロッド12およびアクチュエータAが使用される。このコントロールロッド12は、ピストンロッド4のコントロールロッド挿入孔4b内に回動自在に挿通され、さらに、コントロールロッド12の図1中下端部は、上述のようにロータリバルブ9に接続されるとともに、コントロールロッド12の図1中上端は、ピストンロッド4の図1中上端に設けられたアクチュエータAに接続されている。このアクチュエータAは、ECU20に接続され、ECU20からの電力供給によりコントロールロッド12を回動させることが可能である。したがって、減衰力調整機構3は、本実施の形態においては、アクチュエータAとコントロールロッド12とロータリバルブ9とピストンロッド4のポート4cとで構成されていることとなる。なお、減衰力調整機構3は上述した構成以外にも、たとえば、流路面積を変化させることができるソレノイドバルブとしてもよく、アクチュエータを駆動することによって流路面積を変化させることが可能な慣用されている構成とするとしてもよい。
【0028】
さらに、ECU20は、車両の操舵角を検出する舵角センサ21および車両の速度を検出する車速センサ22およびシリンダ1内圧を検出する圧力検出手段の歪ゲージ10,11に接続されている。なお、舵角センサ21および車速センサ22については、公知のセンサを使用すればよい。
【0029】
そして、歪ゲージ10,11は、それぞれ弾性なリング状の基材10a,11aと、当該基材10a,11aの外周面上に絶縁状態下に基材10a,11aの円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部たる抵抗線10b,11bとで構成されている。なお、抵抗線10b,11bは、たとえば、図2(a),図2(b)に示すように、基材10a,11aの円周方向に沿って螺旋状もしくは格子状に配置すればよい。また、これら抵抗線10b,11bの両端は所定のブリッジ回路(図示せず)に接続され、基材10a,11aの円周方向の歪をその出力変化として取り出すことが可能に設定され、さらに、図示はしないが、歪ゲージ10,11の出力を増幅するためのコンデンサ等の電子部品を介して、ECU20に接続されている。すなわち、圧力検出手段は、上記歪ゲージ10,11とブリッジ回路と増幅回路により構成されている。なお、各歪ゲージ10,11の抵抗線10b,11bは、外筒7に穿設した孔7aを介して緩衝器の外方に設置されるECU20に接続されるが、孔7aにはしかるべきようにシールが施され、上述の歪ゲージ10,11に接続されるブリッジ回路、電子部品等は緩衝器の外方に設けるとすればよい。したがって、振動の影響を受けやすい電子部品等を車両の比較的振動の少ない部位に設置することができ、従来の圧力センサのように、電子部品等が一体となったものに比較して、電子部品等の損傷を防止することができる。このように構成した圧力検出手段の歪ゲージ10,11は、歪ゲージ10で第1室R1の内圧を測定し歪ゲージ11で第2室R2の内圧を測定できるように、それぞれシリンダ1の図1中上下端近傍の外周に勘合されている。この場合、シリンダ1の外周に強固に固定するために基材10a,11aの内径をシリンダ1の外径より若干小さく形成しておくことが望ましい。そして、ピストン2の移動に伴ってシリンダ1内の第1室R1および第2室R2の流体圧が変化すると、シリンダ1はその変化に伴って、円周方向に歪を生じるが、歪ゲージ10,11はシリンダ1に嵌合しているので、基材10a,11aにも円周方向の歪が生じ、その歪量に応じて抵抗線10b,11bの抵抗値が変化するので、この歪を圧力として検出することができる。
【0030】
なお、歪ゲージ10,11を抵抗線式のものとして説明したが、抵抗線をいわゆる拡散型や成膜型の半導体として、この半導体をシリンダ1が円周方向に歪むことにより基材10a,11aを介してシリンダ1内の圧力を検出できるように配置すれば、抵抗線に換えて半導体を使用してもよい。さらに、基材上にブリッジ回路を形成してもよい。
【0031】
ここで、圧力検出手段の歪ゲージ10,11は、リング状の基材10a,11aを備えており、シリンダ1に嵌合させるだけで、シリンダ1内の内圧を検出することができるので、シリンダ1内の流体圧を検出するためにシリンダ1やシリンダ1を封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダ1やシリンダ1を封止する部材の強度が低下しない。さらに、シリンダ1から作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0032】
さらに、リング状の歪ゲージ10,11をシリンダ1に嵌合するだけでよく、基材も圧力センサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダ1を取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0033】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダ1の局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダ1の一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0034】
また、この緩衝器では、シリンダ1に孔を穿設することなしにシリンダ1内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0035】
つづいて、上述のように構成された緩衝器の操作について説明する。例えば、車両が平坦路を直進走行をしているとき、すなわち、舵角センサ21からの検出信号がなく、シリンダ1内の第1室R1および第2室R2内の圧力変動が少ないときには、車体はローリングせず、緩衝器の発生する減衰力は低いほうが振動伝達率が低下し乗り心地をよくできるので、そのような状態の場合には、ECU20は、緩衝器の発生する減衰力を低くするべく、アクチュエータAに電流を供給して、コントロールロッド12を駆動して流路面積を最大にすべくロータリバルブ9のオリフィスポート9aをピストンロッド4のポート4cに対向させる。その結果、緩衝器の発生する減衰力は低く維持され乗り心地を向上する。
【0036】
上述の場合のECU20の具体的処理は、以下のようになる。先ず、舵角がゼロであることを、舵角センサ21からの信号の入力がないことをもって、ECU20は車両が平坦路を直進走行していることを認識し、さらに、歪ゲージ10,11が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力変動が少ないことをもって車両が平坦路を走行中であることを認識する。そして、上記状態で緩衝器が発生する減衰力を低く保つことで車両の乗り心地をよくすることを認識して、上述のように、緩衝器の発生する減衰力を低くするようにアクチュエータAに電流を供給する。また、上記の制御を舵角センサ21を用いずにすることもできる、すなわち、歪ゲージ10,11で検出する圧力変動が少ない事をもってして、車両は平坦路を直進中であることをECU20は認識することができるので、舵角センサ21および車速センサ22を使用することなしに緩衝器の減衰力調整が可能である。
【0037】
つぎに、車両がコーナリング時や車速が高速であって舵角が大きい時等のように車両が旋回走行に入って車体にローリングが発生すると、ECU20には舵角センサ21、車速センサ22、および各歪ゲージ10,11が検出した各信号が入力される。
【0038】
ECU20は、これら各検出した信号に基づいてアクチュエータAに電流を供給して、緩衝器が必要としている減衰力を発生するようにコントロールロッド12を駆動して、ロータリバルブ9を回動させる。この場合には、ECU20で算出した必要減衰力を確保するように流路面積を変化させ減衰力調整を行う。
【0039】
また、ECU20は、絶えず歪ゲージ10,11から送られてくるシリンダ1の第1室R1内および第2室R2内の圧力変動により、必要とされる減衰力を算出してアクチュエータAに電流を供給してロータリバルブ9で変化させる流路面積の調整を行う。
【0040】
また、上述の場合のECU20の具体的処理は、以下のようになる。先ず、操舵されたことを舵角センサ21からの信号の入力および歪ゲージ10,11が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力変動が大きいことをもって、車体がローリング状態となったことをECU20が認識し、さらに、車速センサ22が検出した車速および歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段が検出する第1室R1内および第2室R2内の圧力値からローリングを抑制するのに必要な減衰力をECU20が算出する。そして、算出した必要とされる減衰力と、現在のロータリバルブ9の位置で緩衝器が発生するであろう減衰力とを比較して、算出した減衰力のほうが大きい場合には流路面積を増大させる方向にロータリバルブ9を回動させるべくアクチュエータAに電流を供給し、他方、算出した減衰力のほうが小さい場合には、反対に流路面積を減少させる方向にロータリバルブ9を回動させるべくアクチュエータAに電流を供給する。さらに、ECU20は、その後も歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段が検出する圧力値により必要減衰力を算出し、車体の姿勢変化に合わせて減衰力調整を行う。これに伴い、シリンダ1内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0041】
また、上記の制御を舵角センサ21および車速センサ22を用いずにすることもできる、すなわち、歪ゲージ10,11を備えた圧力検出手段で検出する圧力変動が大きいことをもってして、車体がローリング中であること、および、その向きをECU20は認識することができるので、舵角センサ21および車速センサ22を使用することなしに緩衝器の減衰力調整が可能である。
【0042】
なお、姿勢制御に必要な減衰力の算出方法については、この緩衝器が適用される車種に応じて適宜最適なものとなるように選択すればよい。
【0043】
したがって、本発明の緩衝器によれば、緩衝器の強度を低下させず、低コスト、省スペースとなるだけでなく、シリンダ内圧に基づく微細な制御にも適するのである。すなわち、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【0044】
なお、上述したところでは、緩衝器をいわゆる複筒型のものとして説明したが、単筒型としてもよいことは無論であるとともに、上記した緩衝器の減衰力調整の制御についても、一例であって、実際には緩衝器が適用される車両に適した制御が行えるような制御手法を選択すればよい。
【0045】
【発明の効果】
各請求項の発明によれば、圧力検出手段の歪ゲージは、リング状の基材を備えており、シリンダに嵌合させるだけで、シリンダ内の圧力を検出することができるので、シリンダ内の流体圧を検出するためにシリンダやシリンダを封止する部材に圧力センサ用の孔を設ける必要もないから、シリンダやシリンダを封止する部材の強度が低下しない。さらに、シリンダから作動流体が漏れないようにシールする必要もないので構造が簡易となり、また、コストを減少させることができる。
【0046】
さらに、リング状の歪ゲージをシリンダに嵌合するだけでよく、基材も圧力センサに比較して軽量に製造でき、取付スペースも従来の圧力センサに比較して小さくて済むので、緩衝器が大型化してしまう弊害を防止でき、緩衝器のシリンダを取り囲むように取付けられるので重量バランスも均一となるから、緩衝器に加振による異常振動が発生することもない。
【0047】
そして、さらに、この圧力検出手段によれば、シリンダの局部のみの歪を圧力に変換するのではなく、シリンダの一部ではあるが円周全体の歪を測定し圧力に変換することができるので、精緻な圧力を検出することが可能となる。
【0048】
また、この緩衝器では、シリンダに孔を穿設することなしにシリンダ内の圧力を検出することができるので、既存の緩衝器に設計変更なくして圧力検出手段を設けることができる。したがって、わざわざ特別にシリンダ等に加工を加える必要がなくなるとともに、製品としての緩衝器のシリンダ内圧力を測定するには非常にコストがかかっていたが、本発明ではシリンダ等に加工を行う必要が無いので、簡易かつ低コストで製品としての緩衝器のシリンダ内の圧力を調べることが可能となる。
【0049】
請求項3および請求項4の発明によれば、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することにより緩衝器は車両の走行状態に適する減衰力を発生することが可能となり、これにより、車両におけるローリング等を抑制しつつ、車両の乗り心地の向上が図られる。
【0050】
また、シリンダ内の圧力に基づいて減衰力を調整することができるので、緩衝器の状態を把握してシリンダ内圧に基づく微細な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
【図2】(a)圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
(b)圧力検出手段の歪ゲージの一実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストン
3 減衰力調整機構
4 ピストンロッド
9 ロータリバルブ
10,11 歪ゲージ
10a,11a 基材
11b,12b 歪測定部たる抵抗線
12 コントロールロッド
20 ECU
A アクチュエータ
R1 第1室
R2 第2室
R 補償室
Claims (4)
- 作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなることを特徴とする緩衝器。
- 作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合されたことを特徴とする緩衝器。
- 作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、シリンダ内の圧力を検出する圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、少なくとも上記歪ゲージで検出したシリンダ内圧力に基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする緩衝器。
- 作動流体が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、当該ピストンがシリンダ内に隔成する第1室および第2室と、シリンダに対しピストンが移動するときに発生する減衰力を変化させる減衰力調整機構と、第1室および第2室内の圧力を検出する一対の圧力検出手段とを備えた緩衝器において、圧力検出手段が、シリンダ外周に嵌合する弾性なリング状の基材と、当該基材の外周面上もしくは基材中に絶縁状態下に基材の円周方向の歪によりインピーダンス変化を呈するように配置した歪測定部とで構成される歪ゲージを備えてなり、一対の歪ゲージの基材が、それぞれシリンダの第1室側の外周および第2室側の外周に嵌合され、少なくとも上記歪ゲージで検出した第1室内圧力および第2室内圧力の両方または一方のに基づいて発生減衰力を変化させることを特徴とする緩衝器。
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2003
- 2003-05-16 JP JP2003139020A patent/JP2004340299A/ja active Pending
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