JP2004340023A - 排気浄化装置及び内燃機関制御装置 - Google Patents

排気浄化装置及び内燃機関制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる排気浄化装置及び内燃機関制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の排気浄化装置100は、排気中のPMを捕集するセル隔壁111を有するセラミック構造体110b及び酸化触媒(Pt)を含むパティキュレートフィルタ110と、上流側排気圧P1を測定する第1排気圧センサ120と、下流側排気圧P2を測定する第2排気圧センサ130と、燃料供給装置140とを有している。そして、差圧ΔP=P1−P2を算出し、ΔPが予め設定した基準差圧ΔPsに達したと判定された場合には、燃料供給装置140から燃料を添加し、パティキュレートフィルタ110の再生処理を開始する。基準差圧ΔPsは、パティキュレートフィルタ110のPM堆積量が1g/mとなった場合に生じる差圧(10kPa)以下の値に設定されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気に含まれる微粒子状物質を捕集する排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関、特に、ディーゼルエンジンの排気に含まれる微粒子状物質(以下、PMとも言う)をパティキュレートフィルタで捕集することで、外部へ排出するPMの量を低減する排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。ところで、パティキュレートフィルタに対するPMの堆積量が多くなると、排気経路の抵抗が大きくなり、排気圧力損失が大きくなってしまう。これを防ぐため、いずれの排気浄化装置においても、堆積したPMを燃焼処理することで、パティキュレートフィルタの再生を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−11935号公報
【特許文献2】
特開平2002−303123号公報
【特許文献3】
特開平2002−242660号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パティキュレートフィルタに堆積するPMには、エンジンオイルの燃え残りであるアッシュ(主成分CaSO)が含まれている。このアッシュは、パティキュレートフィルタの再生処理を行っても燃焼処理できず、パティキュレートフィルタに残存してしまう。さらに、従来の排気浄化装置では、再生処理に伴う内燃機関の燃費の低下を防ぐために、再生処理の頻度をできるだけ小さくしていた。これらの事情から、従来の排気浄化装置では、再生処理を繰り返し行っていても、内燃機関の運転時間の経過と共にパティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量が累積し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失が徐々に大きくなっていた。従って、内燃機関の運転時間の経過と共に、排気を適正に行うことができなくなり、ひいては内燃機関の運転を適正に行うことができなくなる虞があった。
【0005】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる排気浄化装置及び内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の排気浄化装置は、内燃機関の排気経路に設けられ、排気中の微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置であって、該パティキュレートフィルタの該フィルタ部に堆積した微粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定機能と、推定された微粒子状物質の推定堆積量が、予め設定した堆積基準値に達したかどうかを判定する堆積量判定機能と、微粒子状物質の推定堆積量が該堆積基準値に達したと判定した場合に、該パティキュレートフィルタの再生処理を行う再生時期制御機能と、を有し、該堆積基準値が、該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定されていることを特徴とする排気浄化装置である。
【0007】
本発明の第2の排気浄化装置は、内燃機関の排気経路に設けられ、排気中の微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置であって、該パティキュレートフィルタより上流側の排気圧力である上流側排気圧と、下流側の排気圧力である下流側排気圧との差圧を測定する差圧測定機能と、測定された差圧が、予め設定した基準差圧に達したかどうかを判定する差圧判定機能と、上流側排気圧と下流側排気圧との差圧が該基準差圧に達したと判定した場合に、該パティキュレートフィルタの再生処理を行う再生時期制御機能と、を有し、該基準差圧は、微粒子状物質が該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定されていることを特徴とする排気浄化装置である。
【0008】
さらに、好ましくは、前記セラミック構造体は、セル隔壁によって区画された複数のセルを有するハニカム体であって、前記フィルタ部は、排気下流側が閉塞された流入側セルと、排気上流側が閉塞された流出側セルとを区画する該セル隔壁からなる上記いずれかの排気浄化装置とすると良い。
さらに、好ましくは、前記酸化触媒は貴金属である上記いずれかの排気浄化装置とすると良い。
【0009】
さらに、好ましくは、前記フィルタ部の表面及び/又は内部に、前記酸化触媒を担持した多孔質酸化物を含んでなる触媒層が形成されている上記いずれかの排気浄化装置とすると良い。
さらに、好ましくは、前記触媒層は、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種からなるNO吸蔵材を含む上記の排気浄化装置とすると良い。
【0010】
また、本発明の第1の内燃機関制御装置は、微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタが排気経路に設けられた内燃機関制御装置であって、該パティキュレートフィルタの該フィルタ部に堆積した微粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定機能と、推定された微粒子状物質の推定堆積量が、予め設定した堆積基準値に達したかどうかを判定する堆積量判定機能と、微粒子状物質の推定堆積量が該堆積基準値に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能と、を有し、該堆積基準値が、該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定されていることを特徴とする内燃機関制御装置である。
【0011】
本発明の第2の内燃機関制御装置は、微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタが排気経路に設けられた内燃機関制御装置であって、該パティキュレートフィルタより上流側の排気圧力である上流側排気圧と、下流側の排気圧力である下流側排気圧との差圧を測定する差圧測定機能と、測定された差圧が、予め設定した基準差圧に達したかどうかを判定する差圧判定機能と、上流側排気圧と下流側排気圧との差圧が該基準差圧に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能と、を有し、該基準差圧は、微粒子状物質が該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定されていることを特徴とする内燃機関制御装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタの再生処理を行うためのPMの推定堆積量の堆積基準値を、フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定している。すなわち、本発明の第1の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタに堆積するPMの堆積量が、フィルタ部の幾何表面積に対して1g/mを超えない範囲で、再生処理を繰り返し行うようにする。
【0013】
このようなタイミングで再生処理を繰り返し行うことで、アッシュの堆積量が累積しないばかりでなく、アッシュの堆積量を極めて微量にすることができる。これは、PMの堆積量が少ない段階でパティキュレートフィルタの再生処理を行うことで、多くのアッシュがパティキュレートフィルタを通過してしまうからであると考えられる。従って、本発明の第1の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる。
なお、PMの堆積量推定機能としては、例えば、パティキュレートフィルタの上流側排気圧と下流側排気圧との差圧からPMの堆積量を推定する機能が挙げられる。あるいは、内燃機関の運転時間、運転条件等からPMの堆積量を推定するようにしても良い。
【0014】
また、パティキュレートフィルタの再生処理方法としては、例えば、パティキュレートフィルタに捕集されたPMの堆積量が1g/mに達したと判定した場合に、排気経路のうちパティキュレートフィルタの上流側に燃料を添加し、燃焼させることで排気温度を上昇させる方法が挙げられる。このようにして、パティキュレートフィルタ内の温度を、酸化触媒存在下におけるPMの酸化反応(燃焼)温度にまで上昇させると、堆積しているPMが酸化(燃焼)するので、パティキュレートフィルタを再生することができる。
【0015】
また、パティキュレートフィルタ内の温度を上昇させる方法としては、上記手法に限らず、公知のいずれの手法を用いても良く、例えば、パティキュレートフィルタを電気ヒータ等で加熱しても良い。あるいは、エンジンにおいて、燃料の噴射時期を遅延(リタード)させたり、通常の燃料噴射の後にさらに燃料噴射(ポストインジェクション)を行って、排気温度を上昇させるようにしても良い。
また、酸化触媒としては、例えば、Pt,Rh,Pd等の貴金属が挙げられる。
【0016】
ところで、パティキュレートフィルタの再生処理では、PMを燃焼させるための熱エネルギを要するため、再生処理の頻度が高いほど内燃機関の燃費が低下する。従って、上記第1の排気浄化装置では、堆積基準値を、1g/mに近い値に設定することが好ましい。このように設定することで、パティキュレートフィルタの再生処理を必要最小限にとどめることができ、内燃機関の燃費を良好としつつ、排気圧力損失を抑制することが可能となる。
【0017】
なお、本発明の第1の排気浄化装置に用いるパティキュレートフィルタとしては、例えば、フィルタ部(セル隔壁)の平均細孔径が約30μm、気孔率が約60%であるパティキュレートフィルタを用いることができる。しかし、パティキュレートフィルタのフィルタ部(セル隔壁)の平均細孔径及び気孔率はこれらの値に限定されるものではなく、平均細孔径が15〜40μm、気孔率が40〜60%の範囲であるいずれのパティキュレートフィルタにも適用することができる。
【0018】
本発明の第2の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタの再生処理を行うための上流側排気圧と下流側排気圧との差圧の基準差圧を、パティキュレートフィルタに堆積した微粒子状物質がフィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定している。すなわち、本発明の第2の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタに堆積するPMの堆積量がフィルタ部の幾何表面積に対して1g/mを超えない範囲で、再生処理を繰り返し行うようにする。従って、本発明の第2の排気浄化装置でも、前述したように、パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる。
【0019】
なお、上記第2の排気浄化装置では、基準差圧を、パティキュレートフィルタに堆積したPMの堆積量が1g/mとなった場合に生じる第1差圧に近い値に設定することが好ましい。このように設定することで、パティキュレートフィルタの再生処理を必要最小限にとどめることができ、内燃機関の燃費を良好としつつ、排気圧力損失を抑制することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の第1及び第2の排気浄化装置では、酸化触媒として貴金属を用いることで、PMを効率良く酸化(燃焼)させることができる。なお、貴金属としては、特に、Pt,Rh,Pd等の白金族の貴金属を用いることが好ましい。これらの貴金属を用いることで、PMの酸化(燃焼)を促進させるだけでなく、NOの還元をも促進させることができる。
【0021】
さらに、本発明の第1及び第2の排気浄化装置では、セラミック構造体のフィルタ部の表面及び/又は内部に酸化触媒を担持した多孔質酸化物を含む触媒層を形成することにより、排気と酸化触媒の接触確率を大きくすることができる。このため、PMの酸化処理能力を向上させることができる。
なお、多孔質酸化物としては、γ−Al、CeO、ZrO、TiO等が挙げられる。
【0022】
さらに、本発明の第1及び第2の排気浄化装置では、貴金属を担持した多孔質酸化物に、NO吸蔵材をも担持することで、排気中のPMを処理するだけでなく、排気がリーン雰囲気時にNOをNOに酸化してNOXをNO吸蔵材に吸蔵させ、周期的にストイキ〜リッチ雰囲気とすることで、NO吸蔵材に吸蔵させたNOを放出させて還元浄化することができる。
さらには、NO吸蔵材に吸蔵させたNOを還元する過程で活性酸素を生成させることができ、生成した活性酸素によってPMの酸化を促進させることができる。従って、本発明の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタの再生処理能力も向上する。
【0023】
なお、NO吸蔵材は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素から選択される少なくとも1種である。アルカリ金属としては、例えば、Li,Na,K,Cs等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、Ba,Mg,Ca,Sr等が挙げられる。希土類元素としては、例えば、La,Sc,Y,Pr,Nd,Dy,Yb等が挙げられる。このうち、Ba,K,Liが、NO吸蔵材として最適である。
【0024】
また、パティキュレートフィルタのフィルタ部の表面及び/又は内部を多孔質酸化物(γ−Al等)で被覆し、この多孔質酸化物(γ−Al等)を担体として、酸化触媒(Pt等)及びNO吸蔵材(Ba等)を担持させるようにしても良い。
【0025】
また、本発明の第1の内燃機関制御装置では、微粒子状物質の推定堆積量が堆積基準値に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能を有している。このように、排気温度を上昇させることで、酸化触媒を活性化させ、パティキュレートフィルタに堆積しているPMを酸化(燃焼)処理し、パティキュレートフィルタを再生することができる。
【0026】
さらに、本発明の第1の内燃機関制御装置では、排気温度制御機能によって排気温度を上昇させるためのPMの堆積基準値を、フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定している。従って、パティキュレートフィルタに堆積するPMの堆積量が、フィルタ部の幾何表面積に対して1g/mを超えない範囲で、再生処理が繰り返し行われる。このようなタイミングで再生処理が繰り返し行われることで、アッシュの堆積量が累積しないばかりでなく、アッシュの堆積量を極めて微量にすることができる。従って、本発明の第1の内燃機関制御装置では、パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる。
【0027】
なお、排気温度制御機能としては、例えば、内燃機関において燃料の噴射時期を遅延(リタード)させたり、通常の燃料噴射の後にさらに燃料噴射(ポストインジェクション)を行って、排気温度を上昇させる制御機能が挙げられる。
【0028】
また、本発明の第2の内燃機関制御装置では、上流側排気圧と下流側排気圧との差圧が基準差圧に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能を有している。このように、排気温度を上昇させることで、酸化触媒を活性化させ、パティキュレートフィルタに堆積しているPMを酸化(燃焼)処理し、パティキュレートフィルタを再生することができる。
【0029】
さらに、本発明の第2の内燃機関制御装置では、排気温度制御機能によって排気温度を上昇させるための基準差圧を、微粒子状物質がフィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定している。従って、パティキュレートフィルタに堆積するPMの堆積量が、フィルタ部の幾何表面積に対して1g/mを超えない範囲で、再生処理が繰り返し行われる。このようなタイミングで再生処理が繰り返し行われることで、アッシュの堆積量が累積しないばかりでなく、アッシュの堆積量を極めて微量にすることができる。従って、本発明の第2の内燃機関制御装置でも、パティキュレートフィルタに堆積するアッシュの堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタでの排気圧力損失を抑制することができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
本発明の第1の実施例である排気浄化装置100について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施例1の排気浄化装置100の構成を示す。排気浄化装置100は、ディーゼルエンジン20の排気経路21に設けられており、パティキュレートフィルタ110、第1排気圧センサ120、第2排気圧センサ130、燃料供給装置140、及び制御装置(ECU)150を有している。
【0031】
図1に示すように、第1排気圧センサ120は、排気経路21のうちパティキュレートフィルタ110より上流側(図中左側)の位置に配置されており、パティキュレートフィルタ110の上流側の排気圧力である上流側排気圧P1を測定する。同様に、第2排気圧センサ130は、排気経路21のうちパティキュレートフィルタ110より下流側(図中右側)の位置に配置されており、パティキュレートフィルタ110の下流側の排気圧力である下流側排気圧P2を測定する。そして、第1排気圧センサ120及び第2排気圧センサ130は、制御装置(ECU)150に接続されており、この制御装置(ECU)150によって上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧ΔPが算出される。
【0032】
次に、図2(a)にパティキュレートフィルタ110の正面図、図2(b)にそのB−B断面図を示す。図2(a),(b)に示すように、パティキュレートフィルタ110は、多孔質材料(例えば、コージェライト)からなる円筒形状のセラミック構造体110bによって形成されている。その内部は、セル隔壁111によって格子状に区切られたハニカム構造をなし(図2(a)参照)、排気通路となる複数のセル112が設けられている(図2(b)参照)。セル112は、下流側の端部が閉塞された流入側セル112bと上流側の端部が閉塞された流出側セル112cとからなり、流入側セル112bと流出側セル112cとは、フィルタ部となるセル隔壁111を介して隣り合っている。
【0033】
従って、パティキュレートフィルタ110の上流側開口部113bから流入側セル112b内に導入された排気は、図2(b)で矢印で示すように、セル隔壁111を通過して隣接する流出側セル112cに流入し、下流側開口部113cから排出される。このため、排気がセル隔壁111を通過する際、排気中のPMをセル隔壁111で捕らえることができる。
なお、本実施例1のパティキュレートフィルタ110では、セル隔壁111の平均細孔径は約30μm、気孔率は約60%となっている。
【0034】
さらに、パティキュレートフィルタ110のセル隔壁111の表面及び内部は、多孔質酸化物によって被覆され、この多孔質酸化物に酸化触媒及びNO吸蔵材が担持されている。具体的には、セル隔壁111の表面及び内部に多孔質酸化物としてγ−Alが形成され、このγ−Alを担体として、酸化触媒としてPt、NO吸蔵材としてBaがそれぞれ担持された触媒が形成されている。
【0035】
このような構成のパティキュレートフィルタ110では、排気中に多量の酸素が存在している状態(リーン雰囲気)において、捕集されたPMの酸化(燃焼)が促進されると共に、排気中のNOがNO吸蔵材に吸蔵される。また、排気中の酸素濃度が低く還元成分(例えば、HC)が十分に存在している状態(リッチ雰囲気)では、吸蔵されたNOが放出されて、排気中の還元成分と反応し、Nに還元浄化される。さらに、パティキュレートフィルタ内の温度を酸化触媒(Pt)存在下におけるPMの酸化反応(燃焼)温度にまで上昇させることで、捕集したPMを酸化(燃焼)させ、パティキュレートフィルタを再生することができる。
【0036】
具体的には、ディーゼルエンジン20は、通常、混合気の空燃比が理論空燃比を上回る状態で燃焼するため、排気中に多量の酸素が存在している状態(リーン雰囲気)となっている。このため、通常の運転条件下では、PMの酸化(燃焼)が促進されると共に、排気中のNOがNO吸蔵材に吸蔵される。そして、排気経路21のうちディーゼルエンジン20とパティキュレートフィルタ110との間に設けられた燃料供給装置140(図1参照)から間欠的に燃料を排気中に添加し、リッチ雰囲気とすることで、吸蔵されたNOが還元浄化される。ところで、このようにNOが還元されるとき、活性酸素が生成される。この活性酸素は、酸化剤として極めて高い反応性を有しているため、NO吸蔵材(Ba)の表面及び近傍に堆積しているPMの酸化を促進することができる。
【0037】
次に、パティキュレートフィルタ110の再生処理制御のフローチャートを図3に示し、再生処理制御の流れ、再生処理方法について説明する。
まず、ステップS1において、第1排気圧センサ120によって上流側排気圧P1を測定し、第2排気圧センサ130によって下流側排気圧P2を測定する。次いで、ステップS2において、制御演算部(ECU)150によって、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧ΔP=P1−P2が算出される。なお、本実施例1の排気浄化装置100では、ステップS1及びステップS2が差圧測定機能に相当する。
【0038】
ところで、排気浄化装置100では、パティキュレートフィルタ110の再生処理を行うかどうかの判定値として、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧の基準差圧ΔPsが予め設定されている。そして、次のステップS3において、制御演算部(ECU)150によって、ΔPがΔPsに達したかどうかを判定する。ΔPがΔPsに達したと判定した場合には、ステップS4に進み、パティキュレートフィルタ110の再生処理の開始が指示される。反対に、ΔPがΔPsに達していないと判定した場合には、再びステップS1に戻る。なお、本実施例1の排気浄化装置100では、ステップS3が差圧判定機能に相当する。
【0039】
ここで、本実施例1の排気浄化装置100におけるパティキュレートフィルタ110の再生処理方法について、具体的に説明する。排気浄化装置100では、図1に示すように、排気経路21のうちディーゼルエンジン20とパティキュレートフィルタ110との間に燃料供給装置140が配置されている。そして、ステップS4で、パティキュレートフィルタ110の再生処理の開始が指示された場合、この燃料供給装置140から燃料(軽油)が添加され、この燃料を燃焼させることで排気温度を上昇させる。
【0040】
このようにして、パティキュレートフィルタ110内の温度が酸化触媒(Pt)存在下におけるPMの酸化反応(燃焼)温度にまで上昇させると、堆積しているPMが酸化(燃焼)するので、パティキュレートフィルタ110を再生することができる。このとき、NO吸蔵材(Ba)に吸蔵されているNOが還元され、活性酸素が生成されるため、PMの酸化(燃焼)が促進される。なお、本実施例1の排気浄化装置100では、ステップS4が再生時期制御機能に相当する。
【0041】
ところで、一般に、パティキュレートフィルタの上流側排気圧と下流側排気圧との差圧(圧損)と、パティキュレートフィルタのPM堆積量との間には相関関係が見られる。ここで、本実施例1の排気浄化装置100におけるパティキュレートフィルタ110のPM堆積量Cと、差圧ΔPとの関係を図4のグラフに示す。
なお、PM堆積量Cは、パティキュレートフィルタ110のセル隔壁111の表面を平滑面(幾何表面)とみなした場合の幾何表面1m当たりの堆積量(g)で表すことにする。なお、例えば、セル隔壁厚さ12mil(=0.30mm)、セル密度300セル/(inch)(=300セル/(25.4mm))のハニカム体1リットルを用いた場合、幾何表面積は約2mとなる。
【0042】
図4に示すように、パティキュレートフィルタ110では、例えば、PM堆積量Cが1g/mとなったときには、差圧ΔPは10kPaとなる。
このため、排気浄化装置100において、差圧ΔPが10kPaと算出されたときは、PM堆積量Cが1g/mになったと推定することができる。すなわち、排気浄化装置100では、上流側排気圧P1及び下流側排気圧P2を測定し、差圧ΔP=P1−P2を算出することで、PM堆積量Cを推定することができる。
【0043】
このような排気浄化装置100について、パティキュレートフィルタ110に堆積するアッシュの堆積量調査を実施した。具体的には、基準差圧ΔPsを8kPa,10kPa,12kPa,15kPa,20kPaの5種類に設定した排気浄化装置100をディーゼルエンジン20(2Lの直噴ディーゼルエンジン)の排気経路21にそれぞれ装着し、100時間(5000km相当)の運転操作を行った。その後、パティキュレートフィルタ110を分解し、アッシュ堆積量D(g/m)を測定した。具体的には、まず、パティキュレートフィルタ110の中心部分を約2g切り出し、粉砕して加熱溶解(溶解剤を加え、電気炉を用いて、1000℃の温度で1時間加熱溶解)する。次いで、高周波プラズマ発光分析装置(ICP)を用いて、この溶解物質100ml中のCa量を分析測定した。このCa量からCaSOの質量を算出し、CaSOをアッシュとみなしてアッシュ堆積量D(g/m)を算出した。アッシュ堆積量D(g/m)の測定結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004340023
【0045】
表1に示すように、基準差圧ΔPsを8kPaとして、再生処理を繰り返し行った場合には、アッシュ堆積量Dは0.05g/mであった。さらに、基準差圧ΔPsを10kPa,12kPa,15kPa,20kPaとした場合では、アッシュ堆積量Dはそれぞれ、0.1g/m,0.35g/m,0.55g/m,0.6g/mとなった。
【0046】
ここで、図4のグラフを利用して基準差圧ΔPsをPM堆積量Cに変換し、PM堆積量Cとアッシュ堆積量Dとの関係を図5のグラフに示す。
図5に示すように、排気浄化装置100では、パティキュレートフィルタ110に堆積するPM堆積量Cが1g/mを超えない範囲で、再生処理を繰り返し行うようにした場合(基準差圧ΔPsを10kPa以下に設定した場合)には、アッシュの堆積量Dを極めて微量にすることができることがわかる。一方、PM堆積量Cが1g/mを超えてから再生処理を繰り返し行うようにした場合(基準差圧ΔPsを10kPaより大きい値に設定した場合)には、アッシュの堆積量Dが急激に増加することがわかる。
【0047】
これは、PM堆積量Cが少ない段階でパティキュレートフィルタ110の再生処理を行うことで、多くのアッシュがパティキュレートフィルタ110を通過してしまうからであると考えられる。具体的には、図2のF部の拡大図を図6(a)に示すように、PM12の堆積量が少ない状態が維持されるために、多くのアッシュ11がセル隔壁111を構成する基材(コージェライト)111bの間隙を通過してしまうと考えられる。
【0048】
一方、PM推定堆積量が1g/mを超えてから再生処理を行うようにした場合には、アッシュがPM層(大量のPMが堆積して形成された層)にトラップされてしまい、パティキュレートフィルタを通過できなくなってしまうと考えられる。具体的には、図2のF部の拡大図を図6(b)に示すように、大量のPM12が堆積することでPM層12bが形成され、セル隔壁111を構成する基材(コージェライト)111bの間隙を閉塞してしまう。このため、アッシュ11がPM層12bにトラップされてしまい、パティキュレートフィルタ110を通過できなくなってしまうと考えられる。
【0049】
以上より、排気浄化装置100では、基準差圧ΔPsをPM堆積量Cが1g/mとなった場合に生じる第1差圧以下の値、具体的には10kPa以下の値に設定することで、パティキュレートフィルタ110に堆積するアッシュ堆積量Dを抑制し、パティキュレートフィルタ110での排気圧力損失を抑制することができる。
【0050】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例である排気浄化装置200について、図面を参照しつつ説明する。本実施例2の排気浄化装置200は、実施例1の排気浄化装置100と比較して、パティキュレートフィルタ110の再生処理を行うかどうかの判定対象が異なる。実施例1と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については、説明を省略または簡略化する。
【0051】
本実施例2の排気浄化装置200は、図1に示すように、実施例1の排気浄化装置100と同様のパティキュレートフィルタ110、第1排気圧センサ120、第2排気圧センサ130、及び燃料供給装置140と、実施例1の排気浄化装置100と異なる制御演算部(ECU)250とを有している。本実施例2の制御演算部(ECU)250は、実施例1の制御演算部(ECU)150と比較して、パティキュレートフィルタ110の再生処理制御プログラムが異なる。
【0052】
次に、本実施例2の排気浄化装置200における、パティキュレートフィルタ110の再生処理制御のフローチャートを図7に示し、再生処理制御の流れ、再生処理方法について説明する。
まず、実施例1の排気浄化装置100と同様に、ステップS1において、上流側排気圧P1及び下流側排気圧P2を測定し、ステップS2において、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧ΔP=P1−P2を算出する。
【0053】
次いで、ステップT3において、制御演算部(ECU)250によって、差圧ΔPをPM推定堆積量(パティキュレートフィルタ110に堆積したと推定されるPMの堆積量)Cpに変換する。具体的には、図4に示したパティキュレートフィルタ110の特性(PM堆積量Cと差圧ΔPとの関係)を基に作成した変換マップを利用して、差圧ΔPをPM推定堆積量Cpに変換する。なお、本実施例2の排気浄化装置200では、ステップS1〜T3が堆積量推定機能に相当する。
【0054】
ところで、排気浄化装置200では、パティキュレートフィルタ110の再生処理を行うかどうかの判定値として、PM堆積基準値Csが予め設定されている。そして、次のステップT4において、制御演算部(ECU)250によって、PM推定堆積量CpがPM堆積基準値Csに達したかどうかを判定する。その後は実施例1と同様に、CpがCsに達したと判定した場合には、ステップS4に進み、パティキュレートフィルタ110の再生処理の開始が指示される。反対に、CpがCsに達していないと判定した場合には、再びステップS1に戻る。なお、本実施例2の排気浄化装置200では、ステップT4が堆積量判定機能、ステップS4が再生時期制御機能に相当する。
【0055】
このような排気浄化装置200においても、パティキュレートフィルタ110に堆積するPM堆積量Cが1g/mを超えない範囲で、再生処理を繰り返し行うようにした場合には、アッシュの堆積量Dを極めて微量にすることができる(図5参照)。すなわち、PM堆積基準値Csを1g/m以下の値に設定することで、パティキュレートフィルタ110に堆積するアッシュ堆積量を抑制し、パティキュレートフィルタ110での排気圧力損失を抑制することができる。
【0056】
(実施例3)
次に、本発明の第3の実施例である内燃機関制御装置300について、図面を参照しつつ説明する。
図8に本実施例3の内燃機関制御装置300の構成を示す。排気浄化装置300は、実施例1,2と同様のパティキュレートフィルタ110、第1排気圧センサ120、及び第2排気圧センサ130を有し、さらに、ディーゼルエンジン360及び制御演算部(ECU)350を有している。
【0057】
本発明の内燃機関制御装置300でも、実施例1の排気浄化装置100と同様に、制御演算部(ECU)350によって、第1排気圧センサ120で測定した上流側排気圧P1と第2排気圧センサ130で測定した下流側排気圧P2との差圧ΔPが算出される。
また、内燃機関制御装置300では、制御演算部(ECU)350によって、ディーゼルエンジン360の燃焼状態が制御される。具体的には、ディーゼルエンジン360の燃料噴射バルブ361の燃料噴射時期を遅延(リタード)させたり、あるいは、通常の燃料噴射の後さらに燃料噴射(ポストインジェクション)が行われる(図8参照)。このように制御することで、排気経路21内の排気温度を上昇させることができ、実施例1,2と同様に、パティキュレートフィルタ110を再生処理することができる。
【0058】
ここで、内燃機関制御装置300の燃焼状態制御のフローチャートを図9に示し、ディーゼルエンジン360の燃焼状態制御の流れについて説明する。
まず、ステップS1において、実施例1と同様に、第1排気圧センサ120によって上流側排気圧P1を測定し、第2排気圧センサ130によって下流側排気圧P2を測定する。次いで、ステップS2において、制御演算部(ECU)350によって、実施例1と同様に、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧ΔP=P1−P2が算出される。なお、本実施例3の内燃機関制御装置300でも、ステップS1及びステップS2が差圧測定機能に相当する。
【0059】
ところで、内燃機関制御装置300でも、ディーゼルエンジン360の燃焼状態を変更するかどうかの判定値として、実施例1と同様に、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧の基準差圧ΔPsが予め設定されている。そして、次のステップS3において、制御演算部(ECU)350によって、ΔPがΔPsに達したかどうかを判定する。ΔPがΔPsに達したと判定した場合には、ステップU4に進み、ディーゼルエンジン360の燃焼状態が変更される。反対に、ΔPがΔPsに達していないと判定した場合には、再びステップS1に戻る。なお、本実施例3の内燃機関制御装置300では、ステップS3が差圧判定機能に相当する。
【0060】
ステップU4では、例えば、ディーゼルエンジン360の燃料噴射バルブ361の燃料噴射時期を遅延(リタード)させる。あるいは、通常の燃料噴射の後にさらに燃料噴射(ポストインジェクション)を行う。このようにすることで、排気経路21内の排気温度を上昇させることができ、実施例1,2と同様に、パティキュレートフィルタ110を再生処理することができる。なお、本実施例3の内燃機関制御装置300では、ステップU4が排気温度制御機能に相当する。
【0061】
さらに、このような内燃機関制御装置300においても、実施例1と同様に、基準差圧ΔPsをPM堆積量Cが1g/mとなった場合に生じる第1差圧以下の値、具体的には10kPa以下の値に設定することで、パティキュレートフィルタ110に堆積するアッシュ堆積量Dを抑制し、パティキュレートフィルタ110での排気圧力損失を抑制することができる。
【0062】
なお、本実施例3においても、例えば、別途設けた燃料供給装置340(図8参照)から間欠的に燃料を排気中に添加し、リッチ雰囲気とすることで、NO吸蔵材に吸蔵されていたNOを還元浄化できる。さらには、NOが還元されるときに生成される活性酸素によって、NO吸蔵材(Ba)の表面及び近傍に堆積しているPMの酸化を促進することもできる。
【0063】
(実施例4)
次に、本発明の第4の実施例である内燃機関制御装置400について、図面を参照しつつ説明する。本実施例4の排気浄化装置400は、実施例3の内燃機関制御装置300と比較して、ディーゼルエンジン360の燃焼状態を変更するかどうかの判定対象が異なる。具体的には、実施例2と同様の判定対象に変更したものである。
【0064】
本実施例4の内燃機関制御装置400は、図8に示すように、実施例3と同様のパティキュレートフィルタ110、第1排気圧センサ120、第2排気圧センサ130、及びディーゼルエンジン360と、実施例3と異なる制御演算部(ECU)450とを有している。本実施例4の制御演算部(ECU)450は、実施例3の制御演算部(ECU)350と比較して、ディーゼルエンジン360の燃焼状態制御プログラムが異なる。
【0065】
ここで、本実施例4の内燃機関制御装置400における燃焼状態制御のフローチャートを図10に示し、ディーゼルエンジン360の燃焼状態制御の流れについて説明する。
まず、実施例3と同様に、ステップS1において、上流側排気圧P1及び下流側排気圧P2を測定し、ステップS2において、上流側排気圧P1と下流側排気圧P2との差圧ΔP=P1−P2を算出する。
【0066】
次いで、ステップT3において、制御演算部(ECU)450によって、実施例2と同様にして、差圧ΔPをPM推定堆積量Cpに変換する。なお、本実施例4の内燃機関制御装置400では、ステップS1〜T3が堆積量推定機能に相当する。次いで、ステップT4において、制御演算部(ECU)450によって、実施例2と同様にして、PM推定堆積量CpがPM堆積基準値Csに達したかどうかを判定する。その後は、実施例3と同様に、CpがCsに達したと判定した場合には、ステップU4に進み、ディーゼルエンジン360の燃焼状態が変更される。反対に、CpがCsに達していないと判定した場合には、再びステップS1に戻る。なお、本実施例4の内燃機関制御装置400では、ステップT4が堆積量判定機能、ステップU4が排気温度制御機能に相当する。
【0067】
なお、本実施例4においても、例えば、別途設けた燃料供給装置340(図8参照)から間欠的に燃料を排気中に添加し、リッチ雰囲気とすることで、NO吸蔵材に吸蔵されていたNOを還元浄化することができる。さらには、NOが還元されるときに生成される活性酸素によって、NO吸蔵材(Ba)の表面及び近傍に堆積しているPMの酸化を促進することもできる。
【0068】
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の排気浄化装置100及び実施例2の排気浄化装置200を模式的に表した説明図である。
【図2】パティキュレートフィルタ110を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はそのB−B断面図である。
【図3】実施例1の排気浄化装置100における、パティキュレートフィルタ110の再生処理制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】PM堆積量Cと差圧ΔPとの関係を示すグラフである。
【図5】PM堆積量Cとアッシュ堆積量Dとの関係を示すグラフである。
【図6】図2のF部拡大図であり、(a)はアッシュ11がPM12にトラップされない状態、(b)はアッシュ11がPM層12bにトラップされた状態を示す説明図である。
【図7】実施例2の排気浄化装置200における、パティキュレートフィルタ110の再生処理制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例3の内燃機関制御装置300及び実施例4の内燃機関制御装置400を模式的に表した説明図である。
【図9】実施例3の内燃機関制御装置300における、ディーゼルエンジン360の燃焼状態制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施例4の内燃機関制御装置400における、ディーゼルエンジン360の燃焼状態制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100,200 排気浄化装置
110 パティキュレートフィルタ
110b セラミック構造体
111 セル隔壁(フィルタ部)
111b 基材(コージェライト)
112b 流入側セル
112c 流出側セル
120 第1排気圧センサ(差圧測定手段)
130 第2排気圧センサ(差圧測定手段)
140 燃料供給装置(再生処理手段)
300,400 内燃機関制御装置
11 アッシュ
12 PM
12b PM層

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気経路に設けられ、排気中の微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置であって、
    該パティキュレートフィルタの該フィルタ部に堆積した微粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定機能と、
    推定された微粒子状物質の推定堆積量が、予め設定した堆積基準値に達したかどうかを判定する堆積量判定機能と、
    微粒子状物質の推定堆積量が該堆積基準値に達したと判定した場合に、該パティキュレートフィルタの再生処理を行う再生時期制御機能と、
    を有し、
    該堆積基準値が、該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定されていること
    を特徴とする排気浄化装置。
  2. 内燃機関の排気経路に設けられ、排気中の微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置であって、
    該パティキュレートフィルタより上流側の排気圧力である上流側排気圧と、下流側の排気圧力である下流側排気圧との差圧を測定する差圧測定機能と、
    測定された差圧が、予め設定した基準差圧に達したかどうかを判定する差圧判定機能と、
    上流側排気圧と下流側排気圧との差圧が該基準差圧に達したと判定した場合に、該パティキュレートフィルタの再生処理を行う再生時期制御機能と、
    を有し、
    該基準差圧は、微粒子状物質が該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定されていること
    を特徴とする排気浄化装置。
  3. 前記セラミック構造体は、セル隔壁によって区画された複数のセルを有するハニカム体であって、
    前記フィルタ部は、排気下流側が閉塞された流入側セルと、排気上流側が閉塞された流出側セルとを区画する該セル隔壁からなる
    請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
  4. 前記酸化触媒は貴金属である
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
  5. 前記フィルタ部の表面及び/又は内部に、前記酸化触媒を担持した多孔質酸化物を含んでなる触媒層が形成されている
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排気浄化装置。
  6. 前記触媒層は、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種からなるNO吸蔵材を含む
    請求項5に記載の排気浄化装置。
  7. 微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタが排気経路に設けられた内燃機関制御装置であって、
    該パティキュレートフィルタの該フィルタ部に堆積した微粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定機能と、
    推定された微粒子状物質の推定堆積量が、予め設定した堆積基準値に達したかどうかを判定する堆積量判定機能と、
    微粒子状物質の推定堆積量が該堆積基準値に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能と、
    を有し、
    該堆積基準値が、該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m以下の値に設定されていること
    を特徴とする内燃機関制御装置。
  8. 微粒子状物質を捕集するフィルタ部を有するセラミック構造体及び酸化触媒を含むパティキュレートフィルタが排気経路に設けられた内燃機関制御装置であって、
    該パティキュレートフィルタより上流側の排気圧力である上流側排気圧と、下流側の排気圧力である下流側排気圧との差圧を測定する差圧測定機能と、
    測定された差圧が、予め設定した基準差圧に達したかどうかを判定する差圧判定機能と、
    上流側排気圧と下流側排気圧との差圧が該基準差圧に達したと判定した場合に、内燃機関の燃焼状態を変化させて排気温度を上昇させる排気温度制御機能と、
    を有し、
    該基準差圧は、微粒子状物質が該フィルタ部の幾何表面積に対して1g/m堆積した場合に生じる第1差圧以下の値に設定されていること
    を特徴とする内燃機関制御装置。
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