JP2004338770A - ジッパー付袋、その製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジッパー付袋のジッパーサイドに生じがちな漏れ通路をなくして漏れを防止したジッパー付袋及びその製造技術を提供する。
【解決手段】袋１Ａ内に取り付けるジッパー４Ａとして、雄側部材４ａ及び雌側部材４ｂの互いに向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くしてプレシール部１１としたものを用い、そのジッパー４Ａを製袋前の軟包装材２に取り付け、その軟包装材を用いて製袋を行う。このようにジッパーの端部を薄くしておくことで、軟包装材の外側から熱板を押し当てて軟包装材をジッパーのシール用フランジにシールした際にジッパーサイドを隙間のないように密封でき、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路を遮断することができる。
【選択図】 図２
【解決手段】袋１Ａ内に取り付けるジッパー４Ａとして、雄側部材４ａ及び雌側部材４ｂの互いに向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くしてプレシール部１１としたものを用い、そのジッパー４Ａを製袋前の軟包装材２に取り付け、その軟包装材を用いて製袋を行う。このようにジッパーの端部を薄くしておくことで、軟包装材の外側から熱板を押し当てて軟包装材をジッパーのシール用フランジにシールした際にジッパーサイドを隙間のないように密封でき、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路を遮断することができる。
【選択図】 図２
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟包装材で構成され、開口部にプラスチック製のジッパーを取り付けたジッパー付袋及びその製造方法並びに装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、プラスチックフィルム等の軟包装材で構成され、開口部にプラスチック製のジッパーを取り付けた構成の平ピローパウチ、ガセットピローパウチ等のジッパー付袋が使用されている。このようなピロー形態のジッパー付袋の製造方法として、縦型ピロー包装機を用いる方法が知られている。この方法では、縦型ピロー包装機に供給する前の連続した帯状の軟包装材の所定位置に、雄側部材と雌側部材を互いに係合させた状態のジッパーを取り付け、そのジッパー付軟包装材を縦型ピロー包装機に送り、ジッパーを内側にして筒状に成形し、重ね合わせた両側縁のシール（背貼り）及び底部シールを行い（ガセットタイプの場合には更にサイド部分の折り込みを行い）、その筒状の軟包装材内に内容物を充填し且つその軟包装材を１個の袋の長さ分だけ下方に送り、その後、頂部シールと後続の袋のための底部シールを行い、同時にジッパーの雄側部材と雌側部材のそれぞれのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着し、次いで出来上がった袋を切り離すという動作を行っている。
【０００３】
図１３（ａ）、（ｂ）はこの方法によって作ったガセット形態のジッパー付袋１を概略的に示す斜視図及び正面図、図１４（ａ）はジッパー付袋１のジッパーを取り付けた領域で且つサイド領域を示す概略平面図、図１４（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）はそれぞれ、図１４（ａ）のＢ−Ｂ概略断面図、Ｃ−Ｃ概略断面図、Ｄ−Ｄ概略断面図である。このガセット袋１は、全体が軟包装材２で形成されており、上端の開口部を頂部シール３で閉じ、その少し下にジッパー４を取り付け、下端を底部シール５で閉じた構成となっている。ここで、ジッパー４は、図１４（ｄ）から良く分かるように、雄側部材４ａと雌側部材４ｂとからなり、雄側部材４ａは突起状の嵌合部分４ａａとその片側に設けられたシール用フランジ４ａｂを備え、雌側部材４ｂは嵌合部分４ａａを嵌合させる溝を形成した嵌合部分４ｂａとその両側に設けられたシール用フランジ４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ｂｃを備えている。そして、このジッパー４は、製袋前の軟包装材２に対して仮止め用フランジ４ｂｃを溶着することによって軟包装材２に取り付けられており、製袋工程内で、筒状に成形した軟包装材の外側から、図１３、図１４にハッチングで示す領域６に熱板を押し当て、加圧、加熱することにより雄側部材４ａ及び雌側部材４ｂのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂをそれぞれ、それに向かい合った軟包装材２に溶着している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種のジッパー付袋１は、ジッパー４の端部の外側に軟包装材２の折り返し部分があり、その部分（ジッパーサイドという）を確実にシールすることができないため、ジッパーサイドに隙間が残り、この部分からの漏れを防止できないという問題があった。すなわち、図１４（ｃ）に示すように、ジッパー４は嵌合部分４ａａ、４ｂａの嵌合によって開口を閉じているが、嵌合部分４ａａ、４ｂａの端部の外側はシールしていないため、大きい隙間７ａが残っている。この隙間７ａを遮断するため、ジッパー４のシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを軟包装材２にシールする際に、熱板を、袋のシール用フランジを配した領域のみならず、袋の全幅に渡る領域６に押し付け、ジッパーサイドの密封を図っているが、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ自体が或る程度の厚さ（例えば、両シール用フランジを重ねた状態で約０．８ｍｍ程度）を持っているので、ジッパー端部より外側では軟包装材２に大きい圧力を加えることができず、このため密封シールが不完全となり、図１４（ｂ）に示すように、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの外側のジッパーサイドにも隙間７ｂが残ってしまう。このため、ジッパー付袋１のジッパーサイドには、図１４（ａ）に矢印８で示す漏れ通路が生じている。また、図１４（ｂ）において、この隙間７ｂを潰すように密封シールを施すことができたとしても、向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの間は接着されていないので、この部分には微小な隙間７ｃが生じており、ジッパーサイドには図１４（ａ）に矢印９で示す漏れ通路も形成されている。このように従来のジッパー付袋１ではこれらの漏れ通路８、９が存在するため、漏れを防止できなかった。なお、ジッパー付袋１は、開口部先端に頂部シール３を形成しているため、袋を開封するまではジッパーサイドに漏れがあっても、袋の外に内容物が漏れ出すということはないが、内容物がジッパー４と頂部シール３の間に漏れ出し、見栄えを悪くすると言った問題となる。また、ジッパー付袋の形態として、袋の両側縁のコーナー部を袋の全長に渡ってシールして形成したコーナーフレーム付のものも知られているが、この袋においても、図１３、図１４に示した袋と同様に、ジッパーサイドに漏れ通路が生じ、漏れを防止できなかった。
【０００５】
この問題を解決するには、製袋後に別工程で、ジッパーのシール用フランジ及び嵌合部分の端部を含むジッパーサイドを再度熱板或いは超音波ホーンによってシールして隙間７ａ、７ｂを潰すことが考えられる。しかしながら、別工程で再度シールすることは工数が増えるためコスト高となる。しかも、軟包装材製の袋１は外形が不安定であるため、製袋後では所望位置をシールすることが困難であるとか、ジッパーの嵌合部分はかなりの厚さがあるためシールが困難であるといった問題も生じる。
【０００６】
また、図１４に示すジッパー４は、雄側部材と雌側部材の一方には仮止め用フランジを設けているが、他方には設けておらず、フランジが３枚のもの（３フランジタイプ又は３フラップタイプという）であり、嵌合部分の両側が互いに非対称となっている。このような非対称なジッパー４では、これを、帯状の軟包装材に取り付けるために軟包装材の所定位置に送る際に、そのジッパーの送りが不安定になり、取付不良を生じることがあった。これを防止するには、雄側部材と雌側部材の両方に仮止め用フランジを設けたもの（４フランジタイプ又は４フラップタイプという）を用いればよいと考えられるが、４フランジタイプのジッパーを用いたところ、ジッパーを仮止めした軟包装材が製袋工程を通過する際に、軟包装材に溶着していない側の仮止め用フランジの端部がめくれてしまい、製品品質が悪くなることが多いという問題のあることが判明した。
【０００７】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、４フランジタイプのジッパーを良好に組み込んだ、且つ製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行わなくても、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路をなくして、漏れを防止したジッパー付袋を提供することを課題とする。また、本発明はそのジッパー付袋の製造方法並びに装置を提供することも課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のジッパー付袋は上記課題を解決するため、ジッパーとして、雄側部材及び雌側部材のそれぞれが、嵌合部分の両側にシール用フランジと仮止め用フランジを備えた４フランジタイプのものを用い、そのジッパーの雄側部材及び雌側部材の互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しておき、そのジッパーを軟包装材製の袋に組み込んだものである。このように、ジッパーの向かい合ったシール用フランジの両端部分の厚さを他の領域よりも薄くしておくことにより、袋を構成する軟包装材をシール用フランジの両端部分に溶着した時に同時にその外側のジッパーサイドの軟包装材を互いに溶着して隙間のないように密封でき、しかも、向かい合ったシール用フランジの両端部分は互いに溶着しているので、この部分にも隙間は生じておらず、このためジッパーサイドの漏れ通路を遮断することができる。かくして、ジッパーサイドに漏れのないジッパー付袋を提供できる。また、向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しておいたことにより、製袋時に仮止め用フランジの端部がめくれて、袋の品質を悪くするということもない。
【０００９】
ここで、前記ジッパーの雄側部材と雌側部材の仮止め用フランジは、両方とも袋内面に溶着しておくことが好ましい。このように、仮止め用フランジも袋内面に溶着しておくと、雄側部材及び雌側部材のいずれにおいても、嵌合部分の両側のフランジが袋内面に固定されることとなるため、嵌合部分の袋内面への固定が確実となり、嵌合部分の開閉が容易となるといった利点が得られる。また、仮止め用フランジと袋内面との間に隙間がないので、その部分に袋の内容物が入り込んで見栄えを悪くするということがない。
【００１０】
本発明のジッパー付袋の製造方法は、互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材であって、互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを、長手方向に間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に、前記ジッパーの一方の仮止め用フランジを用いて取り付け、そのジッパー付軟包装材を、間欠的に走行させながら、前記ジッパーを内側にして筒状に成形し、袋の底部となる位置をシールし、内容物を充填し、袋の頂部となる位置をシールすると共に前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着し、その後、形成された袋の切り離しを行うことを特徴とする。このように、製袋前の軟包装材に取り付けるジッパーを４フランジタイプとしたことで、軟包装材上の所定位置に送り込んで取り付ける作業を安定して行うことができ、ジッパーの取付不良を防止できる。また、４フランジタイプのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しているので、そのジッパーを取り付けた軟包装材を製袋工程に送り、筒状に成形する際に、軟包装材に固定していない側の仮止め用フランジの端部がめくれるということがなく、良好に製袋できる。更に、ジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くした構造としたことにより、軟包装材を筒状に成形した後、ジッパーのシール用フランジに袋内面を溶着することで、ジッパーサイドの漏れ通路を遮断することができる。かくして、この方法により、ジッパーサイドの漏れ通路を遮断したジッパー付袋を安定して製造できる。
【００１１】
ここで、前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着する際若しくはその前後に、前記ジッパーの仮止め用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着することが好ましい。この溶着工程を設けることにより、ジッパーのシール用フランジ及び仮止め用フランジの両方を袋内面に溶着した形態のジッパー付袋を製造できる。
【００１２】
前記ジッパーを軟包装材に取り付けるに当たっては、雄側部材の仮止め用フランジを軟包装材に溶着して取り付けることが好ましい。ジッパーを取り付けた軟包装材を筒状に成形する工程内において、軟包装材は、ジッパーを取り付けた側の面が外側に凸状となるように湾曲する時期があり、その際に、雌側部材を軟包装材に固定していた場合には雌側部材の嵌合部分が開く方向に変形して、雄側部材と雌側部材との嵌合が部分的に外れる場合があるが、雄側部材を軟包装材に固定しておくことにより、このような嵌合の外れを防止できる。
【００１３】
また、ジッパーのシール用フランジへの軟包装材の溶着を、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から熱板で加熱、加圧することによって行い、その際、前記ジッパーのシール用フランジの、互いにシールし且つ薄肉化した両端部分における溶着条件と、その他の領域における溶着条件を可変とすることが好ましい。この構成とすることで、ジッパーサイドの密封を確実に行うことができ、漏れを一層確実に防止したジッパー付袋を製造できる。
【００１４】
本発明のジッパー付袋の製造装置は、互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材を有する、連続したジッパーを繰り出すジッパー供給装置と、該ジッパー供給装置からジッパーを間欠的に引き出し、所定長さに切断して、所定位置を間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に供給し該軟包装材に一方の仮止め用フランジを用いて取り付けるジッパー取付装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くするよう加圧するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着する仮止め用フランジ溶着装置と、前記ジッパーを取り付けた軟包装材を筒状に成形すると共に筒状に成形した軟包装材内に内容物を充填する製袋充填装置と、筒状に成形した軟包装材を長手方向に離れた２個所で横方向にシールして底部シール及び頂部シールを形成するシール装置と、軟包装材を前記底部シールと頂部シールの間で切断する切断装置と、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記シール用フランジに軟包装材を溶着するジッパーシール装置を備えていることを特徴とする。この構成により、連続したジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジの所定部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの所定部分を互いに溶着し、その部分が端部となるようにジッパーを所定長さに切断し、そのジッパーを帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて製袋、底部シール、充填、頂部シール、ジッパーの袋内面への溶着、及び出来上がった袋の切り離しを行うことができ、ジッパーサイドに漏れをないジッパー付袋を製造できる。
【００１５】
ここで、前記した装置には、更に、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記仮止め用フランジに軟包装材を溶着する補助シール装置を備えておくことが好ましい。この補助シール装置を設けておくと、両方の仮止め用フランジに軟包装材を溶着することができ、ジッパーのシール用フランジ及び仮止め用フランジの両方を袋内面に溶着した形態のジッパー付袋を製造できる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
本発明のジッパー付袋の形態は、軟包装材で形成され、袋の開口部にジッパーを備えたものであれば任意であり、代表的なものとして、平ピローパウチ、ガセットパウチ等を挙げることができ、特に、ガセットパウチは、袋の端部に折り目が二重に存在しており、ジッパーサイドのシールが一層困難であるので、本発明適用の効果が大きい。また、ガセットパウチの形態としては、センターシール付（ピロータイプ）、センターシールなしのいずれでもよいし、また、コーナーフレーム付、コーナーフレームなしのいずれでもよい。
【００１７】
以下、コーナーフレーム付で且つセンターシールなしのガセットパウチ形態のジッパー付袋を例にとって本発明の実施の形態を詳細に説明する。図１（ａ）は本発明の一実施の形態に係るジッパー付袋の概略斜視図、（ｂ）はその概略正面図、図２（ａ）はそのジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ、（ａ）のＥ−Ｅ概略断面図、Ｆ−Ｆ概略断面図、図３（ａ）はそのジッパー付袋に取り付ける前のジッパーの概略平面図、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）はそれぞれ、（ａ）のＧ−Ｇ概略断面図、Ｈ−Ｈ概略断面図、Ｉ−Ｉ概略断面図であり、図１３、図１４に示す従来例と同一部品には同一符号を付している。図１〜図３において、この実施の形態に係るジッパー付袋１Ａは、コーナーフレーム付のガセットパウチであり、全体が軟包装材２で形成されており、両サイドのコーナー部分にコーナーフレーム１０を形成し、下端に底部シール５を形成し、上端の開口部に頂部シール３を形成し、その少し下にジッパー４Ａを取り付けた構成となっている。
【００１８】
ジッパー４Ａは４フランジタイプのものであり、図３（ａ）、（ｂ）に示すように、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂとからなる。雄側部材４Ａａは突起状の嵌合部分４ａａとその両側のシール用フランジ４ａｂ及び仮止め用フランジ４ａｃを備え、雌側部材４Ａｂは嵌合部分４ａａを嵌合させる溝を形成した嵌合部分４ｂａとその両側のシール用フランジ４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ｂｃを備えている。そして、このジッパー４Ａは、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂのそれぞれのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを、向かい合う軟包装材２の領域６に溶着して取り付けられており、更に、仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃもそれに向かい合う軟包装材２の領域６Ａに溶着されている。
【００１９】
ここで、ジッパー４Ａの雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂはそれぞれ、従来と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂で一体構造に作られたものでもよいが、好ましくは、図３（ｅ）に示すように、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂをそれぞれ嵌合部分４ａａ、４ｂａと一体の基部６１ａ、６１ｂと、その背面に配置したシール部６２ａ、６２ｂを有する積層構造とし、それぞれに好ましい材料を用いる。好ましい材料としては、基部６１ａ、６１ｂを、密度９００〜９４０ｋｇ／ｍ３ 、メルトフローレート０．５〜１５ｇ／１０分のポリエチレン系重合体（Ａ）を主成分とした樹脂組成物とし、シール部６２ａ、６２ｂを、密度８５０〜９２０ｋｇ／ｍ３ 、メルトフローレート０．５〜１５ｇ／１０分のエチレン・αオレフィン共重合体（Ｂ）を含有する樹脂組成物とし、更に、樹脂（Ａ）及び（Ｂ）の密度が、（Ａ）≧（Ｂ）の条件を満たし、且つ、基部層には前記ポリエチレン系重合体（Ａ）の融解ピーク温度より５°Ｃ以上高い融解ピーク温度を有する添加剤（Ｃ）を含むものを挙げることができる。これらの材料を用いることで、嵌合部分の強度、耐熱性を高め、且つ軟包装材２への低温溶着性を高めることができ、低温シール性に優れ、また、良好な再開閉機能、嵌合強度及び耐熱性を有するジッパー４Ａを得ることができる。また、ジッパー４Ａをその両側に配した軟包装材の外側から熱板ではさみ付けて、軟包装材を溶着する際に、向かい合った基部６１ａ、６１ｂが溶着しにくいという利点も得られる。なお、向かい合った基部６１ａ、６１ｂの溶着を一層確実に防止するため、基部６１ａ、６１ｂの向かい合った面には、その全長に沿って延びるように凸状隆起部６４を、基部幅１ｃｍ当たり１０本以上、形成しておくことが好ましい。
【００２０】
ジッパー付袋１Ａに取り付けているジッパー４Ａは上記したように雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂを備え、その雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂの嵌合部分を互いに嵌合させたものであるが、更に、それを軟包装材２に取り付ける前に、図３（ａ）、（ｃ）、（ｄ）に示すように、雄側部材４Ａａ及び雌側部材４Ａｂの互いに向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの両端部分のハッチングで示す領域１１、並びに向かい合った仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃの両端部分のハッチングで示す領域１２を互いに溶着すると共にその厚さｔ１ を他の領域の厚さｔ０ よりも薄くしている。以下、この領域１１、１２をプレシール部と称する。シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに形成するプレシール部１１は、図面ではシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの全幅に形成しているが、必ずしも全幅に形成する必要はなく、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに軟包装材２をシールする領域６（図２参照）よりも広い幅としておけばよい。ただし、このプレシール部１１は、嵌合部分４ａａ、４ｂａに接する位置まで形成し、嵌合部分４ａａ、４ｂａに隣接した位置に隙間が生じないようにすることが好ましい。プレシール部１１のジッパー長手方向のサイズは、２〜１５ｍｍ程度に選定すればよく、好ましくは３〜６ｍｍ程度とする。プレシール部１１における各シール用フランジの厚さｔ１ は小さいほど、ジッパーサイドの密封を確実とできる利点が得られるが、押しつぶしに時間がかかるといった欠点を生じる。そこで、厚さｔ１ は、他の領域の厚さ（元の厚さ）ｔ０ の１／３〜２／３程度に選定すればよく、１／２程度に選定するのが好ましい。プレシール部１２は、製袋工程において、軟包装材に貼り付けていない側の仮止め用フランジの端部がめくれるのを防止するためのものであり、製袋工程で他方の仮止め用フランジから剥がれない程度に溶着していればよく、またその大きさもプレシール部１１と同様に選定すればよい。また、プレシール部１２では必ずしも仮止め用フランジを押しつぶして薄くする必要はないが、この実施の形態ではシール用フランジにプレシール部１１を形成する際同時に同じ超音波ホーンを用いて形成するので、プレシール部１１と同様にフランジ厚さを薄くしている。
【００２１】
図３に示す構成のジッパー４Ａを用いてジッパー付袋１Ａを形成したことで、図２（ｂ）に示すように、ジッパー付袋１Ａのジッパーサイドでは、薄くしたプレシール部１１が軟包装材２の折り返し部分のすぐ内側に位置している。このため、この部分に両側から熱板を押し当てて軟包装材２をプレシール部１１に溶着した際、プレシール部１１よりも外側の軟包装材２も十分に加熱し、溶融してジッパーサイドの隙間を埋めることができる。このためジッパーサイドを隙間が無いようにシールできる。かくして、このジッパー付袋１Ａでは、ジッパーサイドにほとんど隙間がなく、しかもジッパー４Ａの端部はプレシール部１１によって、向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂが互いにシールされているので、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ間にも隙間がなく、図２（ａ）に矢印８、９で示すような従来のジッパー付袋に見られた漏れ通路が生じることはほとんどなく、良好に漏れを防止できる。また、図２（ｂ）に示すように、ジッパー４Ａの雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂは、嵌合部分４ａａ、４ｂａの両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジのすべてが軟包装材２に溶着されているため、軟包装材２への固定が確実であり、嵌合部分４ａａ、４ｂａの開閉を安定して行うことができ、また、軟包装材２と仮止め用フランジの間に隙間がないので、その間に内容物が入って見栄えを悪くするといったこともない。
【００２２】
次に、このジッパー付袋１Ａの製造方法及び製造装置の一例を説明する。図４はジッパー付袋１Ａの製造装置の１例を示す概略斜視図であり、符号２０はジッパー付袋の製造装置全体を示す。２２は連続したジッパー４Ｂを繰り出すジッパー供給装置、２４は、そのジッパー供給装置２２からジッパー４Ｂを所定長さずつ間欠的に引き出し、所定位置を切断して所定長さのジッパー４Ａとし、そのジッパー４Ａを、所定位置を間欠的に走行する帯状の軟包装材２の所定位置に供給しそのジッパー４Ａの一方の仮止め用フランジ４ａｃ（図６参照）を軟包装材２に溶着することでジッパー４Ａを軟包装材２に取り付けるジッパー取付装置、２６はジッパー供給装置２２から引き出されたジッパー４Ａの走行経路に設けられたフランジ溶着兼薄肉化装置である。
【００２３】
ジッパー供給装置２２から引き出されるジッパー４Ｂは、図３（ｂ）に示す断面形状を有する長尺のものであり、フランジ溶着兼薄肉化装置２６は、このジッパー４Ｂの互いに向かい合ったシール用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くするよう加圧するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、そのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着する仮止め用フランジ溶着装置とを兼ねたものである。このフランジ溶着兼薄肉化装置２６は、図５に示すように、ジッパー４Ｂを受けるアンビル２７と、ジッパー４Ｂのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃを加圧して溶着するための超音波ホーン２８等を備えている。アンビル２７には、ジッパー４Ｂの嵌合部分４ａａ、４ｂａに対応する位置に嵌合部分の厚さより若干浅い窪み２７ａを備えている。これにより、超音波ホーン２７でジッパー４Ｂをアンビル２７に押し付け、超音波振動を加えることにより、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを嵌合部分に至るまで溶着し且つ押しつぶして薄くすることができ、また同時に仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃも互いに溶着し且つ押しつぶすことができる。ここで、超音波ホーン２７による加圧領域のジッパー長手方向の寸法は、図３に示すジッパー４Ａの両端に形成しているプレシール部１１、１２のジッパー長手方向の寸法の２倍としており、フランジ溶着兼薄肉化装置２６によって形成した溶着領域の中央を切断して切り離すことにより、切り離された両側のジッパーのそれぞれの端部に、所定長さのプレシール部１１、１２を形成できる。図４において、フランジ溶着兼薄肉化装置２６は、それによって形成したシール領域の中央が、ジッパー取付装置２４によって切断される位置となるように配置されており、これにより、ジッパー取付装置２４によって所定長さに切断したジッパー４Ａの両端にプレシール部１１、１２が形成されることとなる。なお、フランジ溶着兼薄肉化装置２６としては、図示の実施形態のように超音波ホーン２７を用いたものに限らず、熱板を用いたヒートシール装置を用いても良いが、超音波ホーン２７を用いる方が敏速に溶着及び押しつぶしを行うことができるので好ましい。また、この実施の形態では、フランジ溶着兼薄肉化装置２６が、シール用フランジを溶着、薄肉化するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、仮止め用フランジを溶着する仮止め用フランジ溶着装置とを兼ねているが、このように単一のフランジ溶着兼薄肉化装置２６を用いる代わりに、シール用フランジ溶着・薄肉化装置と仮止め用フランジ溶着装置とを別個の装置とし、ジッパー４Ｂの走行経路の異なる位置に配置してもよい。
【００２４】
図４において、前記したように、ジッパー４Ｂを所定長さに切断して形成されたジッパー４Ａはジッパー取付装置２４によって軟包装材２に取り付けられる。この際、図６に示すように、ジッパー４Ａは、雄側部材４Ａａが軟包装材２に面する状態で且つ仮止め用フランジ４ａｃが軟包装材２の走行方向に関して前側となるように供給されており、その仮止め用フランジ４ａｃを軟包装材２に溶着することで取り付けられる。このように、雄側部材４Ａａを軟包装材２に取り付けたことにより、次の利点が得られる。すなわち、ジッパー４Ａを取り付けた軟包装材２はその後、製袋工程で袋状に成形されるが、その成形途中に、ジッパー４Ａを取り付けた側が凸状となるように変形する位置があり、その際に、もし、雌側部材４Ａｂを軟包装材２に取り付けていると、雌側の嵌合部分４ｂａが開く方向に変形して嵌合が外れることがある。これに対して、この実施の形態のように、雄側部材４Ａａを軟包装材２に取り付けておくと、軟包装材２のジッパー４Ａを取り付けた側が凸状となるように変形しても、雌側の嵌合部分４ｂａは閉じる方向に変形しようとするのみであるので、嵌合が外れることがない。
【００２５】
ところで、図６に示すように４フランジタイプのジッパー４Ａを用いた場合、二つの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃのうち、一方の仮止め用フランジ４ａｃのみを軟包装材２に固定し、他方の仮止め用フランジ４ｂｃはフリーの状態となっている。もし、仮止め用フランジ４ｂｃの全長がフリーの状態となっていると、ジッパー４Ａが軟包装材２と共に製袋工程を通過する際、図７に示すように、仮止め用フランジ４ｂｃの端部がめくれることが多い。しかしながら、この実施形態で用いているジッパー４Ａは、二つの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃは両端で互いに溶着されているので、軟包装材に溶着されない側の仮止め用フランジ４ｂｃでも、その両端は軟包装材２に固定された状態となっており、これにより、端部にめくれを生じることがない。
【００２６】
図４において、３０は、ジッパー４Ａを取り付けた軟包装材２を筒状に成形して背貼りを行うと共に筒状に成形した軟包装材内に内容物を充填する製袋充填装置、３２はその下方に配置され、筒状に成形した軟包装材２を長手方向に離れた２個所で横方向にシールして底部シールと頂部シールを形成するシール装置、３４は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧してシール用フランジに軟包装材を溶着する第一ジッパーシール装置、３５は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧して仮止め用フランジに軟包装材を溶着する第二ジッパーシール装置である。製袋充填装置３０は、角型フォーマー３０ａ、フレーム折り込みローラー３０ｂ、フレームシール３０ｃ、フィルム送りベルト３０ｄ、スリッター３０ｅ、底部折り込み具３０ｆ等を備えている。なお、図４には示していないが、前記シール装置３２によって形成した底部シールと頂部シールの間を切断する切断装置も設けられている。これらの部品のうち、第一ジッパーシール装置３４及び第二ジッパーシール装置３５を除いた他の部品は、従来の角型フォーマー付縦型ピロー包装機に設けられているものと同様であるので詳細な説明は省略する。
【００２７】
図８（ａ）、（ｂ）はシール装置３２、第一ジッパーシール装置３４及び第二ジッパーシール装置３５における熱板の配置を概略的に示すものである。図８において軟包装材２は筒状に成形され、所定位置に送られて停止し、且つその中に内容物３６を充填された状態にあるものとする。シール装置３２は、軟包装材２の、内容物３６を充填した部分で形成する袋の頂部をシールする熱板（トップシールバーという）３８と、その上に続く次の袋の底部をシールするための熱板（ボトムシールバーという）３９を備えている。また、切断装置は、ボトムシールバー３９とトップシールバー３８との間に配置されたカッター４０を備えている。
【００２８】
第一ジッパーシール装置３４は、所定位置に停止している軟包装材２に取り付けているジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂにその外側の軟包装材２をシールすることができる位置に配置されている。図９はこの第一ジッパーシール装置３４を、図８の矢印Ｊ−Ｊ方向に見た概略平面図、図１０はその第一ジッパーシール装置３４のジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図である。なお、軟包装材２は図９、図１０に示す位置ではガセット形態（両端に折り返し部が２個ずつ形成された形態）になっているが、説明を簡略化するため、平ピローの形態で示している。
【００２９】
図８〜図１０において、第一ジッパーシール装置３４は、ジッパー４Ａの両端に形成しているプレシール部１１（図３参照）を除くほぼ中間部分に軟包装材２をシールする第一シール装置４２と、プレシール部１１に軟包装材２をシールする第二シール装置４３を有している。第一シール装置４２は、ジッパー４Ａの両端のプレシール部１１を除いたほぼ中間部分をはさむ関係で配置された一対の熱板（ジッパー固定用バーという）４５Ａ、４５Ｂと、一方のジッパー固定用バー４５Ａを保持した支持台４６と、他方のジッパー固定用バー４５Ｂを移動可能な形態で保持した支持台４７と、そのジッパー固定用バー４５Ｂを前方に押し出すよう作用するコイルバネ４８と、支持台４６、４７を互いに接近する方向及び離れる方向に移動させる駆動装置等を備えている。第二シール装置４３は、ジッパー４Ａの端部のプレシール部１１をはさむ関係で配置された一対の熱板（密封シール用バーという）５０Ａ、５０Ｂと、一方の密封シール用バー５０Ａを他方の密封シール用バー５０Ｂに対して押し付けるエアシリンダ５１と、他方の密封シール用バー５０Ｂを保持台４６に固定する取付具５３等を備えている。エアシリンダ５１は支持台４６に保持され、一緒に移動するようになっている。密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂは、軟包装材２をジッパー４Ａのプレシール部１１に貼り付けるのみならず、その外側のジッパーサイドの密封シールを行うためのものであり、軟包装材２の折り返した端部よりも更に外側に延びる長さとしている。また、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂは図８（ｂ）に示すように直線状に配列されている。ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂとは図１０に拡大して示すように、両者間に０．３〜０．６ｍｍ程度の微小な隙間５５が生じるように配置している。これは、熱膨張によるトラブルなどを回避するためである。この隙間５５はあまり大きくなると、この隙間５５において軟包装材２のジッパー４Ａに対するシール不良を生じる恐れがあるが、上記した範囲内であれば、隙間５５の両側からの伝熱や、溶融樹脂の流れ込み等によって良好にシールを行うことができる。
【００３０】
第一ジッパーシール装置３４によるシール動作は次のように行われる。すなわち、軟包装材２が所定位置（図８に示す位置）に停止している間に、支持台４６、４７が互いに接近する方向に移動して、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂで軟包装材２を外面からはさみ付け、軟包装材２をその内側に位置するジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに溶着する。同時にエアシリンダ５１が作動して密封シール用バー５０Ａを押し出し、図１０に示すようにジッパー４Ａのプレシール部１１の外側の軟包装材２を両側から、密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂではさみ付け、軟包装材２をプレシール部１１にシールすると共にジッパーサイドの軟包装材２の内側に隙間が生じないように密封シールする。この際、プレシール部１１は薄いので、密封シールを良好に行うことができ、ジッパーサイドに隙間が残らないようにすることができる。その後、エアシリンダ５１が密封シール用バー５０Ａを後退させ、且つ支持台４６、４７が後退する。以上により１回のシール動作が終了する。ここで、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂ及び密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂの温度、加圧力、加圧時間、作動タイミング等の溶着条件は、それぞれ良好な溶着を行うことができる所望のように設定しておく。これにより、ジッパー４Ａの軟包装材２に対する溶着並びにジッパーサイドの密封シールをそれぞれ良好に行うことができる。
【００３１】
なお、本発明に用いる第一ジッパーシール装置３４は、この実施の形態に示す構造に限らず、種々変更可能である。例えば、図９の実施の形態では、両側の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａを共通のエアシリンダ５１で移動させる構成としているが、この構成に代えて、両側の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａにそれぞれ、別個のエアシリンダを連結して移動させる構成としてもよい。この構成とすると、各密封シール用バー５０Ａ、５０Ａを独立して移動させることができ、例え、一方の密封シール用バー５０Ａがプレシール部１１から外れた薄肉化していない領域を踏んでしまった場合でも、他方の密封シール用バー５０Ａは、その影響を受けず、良好な密封シールを行うことができる。
【００３２】
また、図９、図１０に示す実施の形態では、軟包装材２の両側に配置されるシールバーをそれぞれ、中央領域のジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと、その両端領域の密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂとに分離し、それぞれについてシール条件を設定しうるように構成しているが、軟包装材２の片側に配置されるシールバー或いは両側のシールバーとして、一体化したシールバーを用いることも可能である。図１１は、その場合の実施の形態に係る第一ジッパーシール装置３４Ａを示すものである。この実施の形態では、受け側のシールバーとして、筒状に成形した軟包装材２の全幅をシール可能な長さのジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃを用い、反対側のシールバーとして、中央領域のジッパー固定用バー４５Ａとその両端領域の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａに分離したものを用いており、ジッパー固定用バー４５Ａとジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃで第一シール装置４２を構成し、密封シール用バー５０Ａとジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃで第二シール装置４３を構成している。そして、密封シール用バー５０Ａ、５０Ａにはそれぞれエアシリンダ５１Ａ、５１Ｂを連結している。
【００３３】
この実施の形態では、図１２に示すように、ジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃとジッパー固定用バー４５Ａ及び密封シール用バー５０Ａで、軟包装材２をはさみ付けることにより、ジッパー４Ａの軟包装材２内面への固定及びジッパーサイドの密封シールを行うことができる。ここで、ジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃは、軟包装材２に面する面を全長に渡って一平面としているので、図１２に示すようにシールした状態において、軟包装材２には、密封シール用バー５０Ａに面する側にしか段差が生じない。このため、段差の発生箇所を少なくできる。軟包装材２に段差を与えることは軟包装材にストレスを与えることとなり、極端な場合にはこの部分にピンホールを発生することがあるので、段差を少なくすることで、ピンホール発生を防止できる。また、密封シール用バー５０Ａの角部５０ａは、シール不良を生じない範囲で、極力大きい半径に丸めることが好ましく、それによって軟包装材にかかるストレスを一層削減してピンホールの発生を防止できる。なお、この実施の形態においても、ジッパー固定用バー４５Ａと密封シール用バー５０Ａとの間隔ｄは０．３〜０．６ｍｍ程度に選定すればよい。更に、図１１の実施の形態では、ジッパー固定用バー４５Ａと密封シール用バー５０Ａを分離した構造としているが、これに代えて、一体型のシールバーを用いることも可能である。例えば、シールバーとして、筒状に成形した軟包装材２の全幅をシール可能な長さで、且つジッパー４Ａのプレシール部１１及びその外側に対応する領域を、中間部分に対応する領域よりも少し高くなるように段差を付けたものを用いることで、ジッパー４Ａの軟包装材２に対するシール並びにジッパーサイドの密封シールを行うことができる。
【００３４】
図４、図８において、第二ジッパーシール装置３５は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧して仮止め用フランジに軟包装材を溶着するものであり、第一ジッパーシール装置３４と同様な構造のものである。すなわち、第二ジッパーシール装置３５も第一ジッパーシール装置３４の熱板４５Ａ、４５Ｂ及び５０Ａ、５０Ｂと同様な熱板７１Ａ、７１Ｂ及び７２Ａ、７２Ｂを備えており、それらの熱板を第一ジッパーシール装置３４に設けている支持台４６、４７やエアシリンダ５１を用いて保持及び駆動する構成としている。これにより、第二ジッパーシール装置３５でも、第一ジッパーシール装置３４と同様にしてジッパーの仮止め用フランジに軟包装材２を溶着でき、且つジッパーサイドの密封シールを行うことができる。なお、第二ジッパーシール装置３５では、必ずしもジッパーサイドの確実な密封シールを行わなくてもよいので、熱板を、袋の中央部分用とサイド部分用に分割する必要はなく、一体構造とした熱板を用いても良い。
【００３５】
次に、図４に示すガセット付袋の製造装置２０による袋製造動作を説明する。ジッパー供給装置２２から連続したジッパー４Ｂがジッパー取付装置２４によって所定長さずつ間欠的に引き出され、その途中でフランジ溶着兼薄肉化装置２６によってジッパー４Ｂの向かい合ったシール用フランジ及び仮止め用フランジの所定領域が互いにシールされると共に薄肉化される。そして、ジッパー取付装置２４は引き出したジッパー４Ｂを所定長さに切断して、両端にプレシール部１１、１２を備えたジッパー４Ａ（図３参照）とし、それを雄側部材４Ａａの仮止め用フランジ４ａｃ（図６参照）を用いて、間欠的に走行している帯状の軟包装材２に溶着して取り付ける。
【００３６】
ジッパー４Ａを取り付けられた軟包装材２は、製袋充填装置３０によって、ジッパー４Ａを内側にして角型の筒状に成形され、フレームシール３０ｃによる４辺ヒートシールにより４つの角部にコーナーフレーム１０（図１参照）が形成され、貼り合わせ部の側縁がスリッター３０ｅでスリットされ、スクラップ７４として除去される。また、筒状に成形された軟包装材２は、シール装置３２によって袋の底部となる位置がシールされる（なお、この時、同時にその下に形成されている袋の頂部シールが形成されるが、これについては後述する）。次に、筒状に成形した軟包装材２内に内容物が充填され且つその軟包装材２が１個の袋の長さ分だけ下方に送られて停止する。この時の状態が図８に示す状態である。図８に示す位置に軟包装材２が停止した後、シール装置３２のトップシールバー３８及びボトムシールバー３９が同時に軟包装材２を挟み付けてシールし、内容物３６を充填した袋の上端に頂部シール３（図１参照）を形成すると共に、その上に続く次の袋の底部に底部シールを形成する。シール装置３２によるシール動作と並行して、第一ジッパーシール装置３４、第二ジッパーシール装置３５が作動し、上述した手順でジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂにその外側の軟包装材２をシールすると共にジッパーサイドの密封シールを行い、且つジッパー４Ａの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃにその外側の軟包装材２をシールすると共にジッパーサイドの密封シールを行う。その後、切断装置のカッター４０が作動し、底部シールと頂部シールの間で軟包装材２を切断し、出来上がった袋１Ａを切り離す。以上の動作を繰り返すことで、図１、図２に示すジッパー付袋１が次々と製造される。
【００３７】
以上に説明したように、このガセット付袋１Ａの製造装置では、連続したジッパー４Ｂの供給経路にフランジ溶着兼薄肉化装置２６を設け、且つ第一ジッパーシール装置３４として、図８、図９に示すものを用い、更に第二ジッパーシール装置３５を設けた以外は、従来の縦型ピロー包装機と同様の装置を用い、従来と同様に、軟包装材の筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール、ジッパーの袋内面へのシール及び切断の一連の動作を行うことによって、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路のないジッパー付袋を製造できる。かくして、製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行う必要がなく、低コストで漏れのないジッパー付袋を製造できる。
【００３８】
なお、以上の製袋動作では、間欠的に走行する軟包装材２に対してジッパー４Ａを仮止め用フランジ４ａｃを用いて取り付けた際、仮止め用フランジ４ａｃが軟包装材２の走行方向に関して前側となるようにしているが、これに限らず、仮止め用フランジ４ａｃが後側となるようにしてもよい。
【００３９】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のジッパー付袋は、ジッパーサイドの密封シールが確実で隙間がほとんどなく、しかも向かい合ったシール用フランジの端部領域が互いにシールされているので、この領域を通過する漏れもなく、このため、漏れが生じて見栄えを悪くするとか衛生上の問題が生じるといったことがないという効果を有している。
【００４０】
本発明のジッパー付袋の製造方法は、４フランジタイプのジッパーであって、互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを、帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて、筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール及びジッパーの軟包装材（袋内面）へのシールを行った後、出来上がった袋を切断して切り離すという一連の動作を行う構成としたことにより、ジッパーの軟包装材への供給並びに取付を安定して行うことができ、製袋時に仮止め用フランジの端部にめくれが生じてトラブルを起こすということもなく、しかもジッパーサイドに生じがちな漏れ通路のないジッパー付袋を製造でき、このため、製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行う必要がなく、低コストで、漏れのないジッパー付袋を製造できるという効果を有している。
【００４１】
また、本発明のジッパー付袋の製造装置によれば、連続した４フランジタイプのジッパーから、所定長さで且つ互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くし且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを作り、そのジッパーを帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて、筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール及びジッパーの軟包装材（袋内面）へのシールを行った後、出来上がった袋を切断して切り離すという一連の動作を行うことができ、これによってジッパーサイドに漏れのないジッパー付袋を生産性よく低コストで製造できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）は本発明の一実施の形態に係るジッパー付袋の概略斜視図
（ｂ）はその概略正面図
【図２】（ａ）は図１のジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図
（ｂ）は（ａ）のＥ−Ｅ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＦ−Ｆ概略断面図
【図３】（ａ）は図１に示すジッパー付袋に取り付ける前のジッパーの概略平面図
（ｂ）は（ａ）のＧ−Ｇ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＨ−Ｈ概略断面図
（ｄ）は（ａ）のＩ−Ｉ概略断面図
（ｅ）はジッパーの他の例を示す概略断面図
【図４】ジッパー付袋１Ａの製造装置の１例を示す概略斜視図
【図５】図４に示す装置に設けているフランジ溶着兼薄肉化装置の概略断面図
【図６】軟包装材にジッパー４Ａを取り付けた状態を示す概略断面図
【図７】（ａ）、（ｂ）は、４フランジタイプのジッパーを軟包装材に取り付けて製袋した時に仮止め用フランジに生じがちなめくれを示すジッパーの概略端面図及び平面図
【図８】（ａ）、（ｂ）は図４に示す装置におけるシール装置３２及び第一及び第二ジッパーシール装置３４、３５の熱板の軟包装材２に対する配置を示す概略断面図及び概略正面図
【図９】図８に示す第一ジッパーシール装置３４を矢印Ｊ−Ｊ方向に見た概略平面図
【図１０】図９に示す第一ジッパーシール装置３４のジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図
【図１１】第一ジッパーシール装置の変形例を示す、図９と同様な概略平面図
【図１２】図１１に示す第一ジッパーシール装置３４Ａのジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図
【図１３】（ａ）は従来のジッパー付袋の概略斜視図
（ｂ）はその概略正面図
【図１４】（ａ）は図１３のジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図
（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＣ−Ｃ概略断面図
（ｄ）は（ａ）のＤ−Ｄ概略断面図
【符号の説明】
１、１Ａ ジッパー付袋
２ 軟包装材
３ 頂部シール
４、４Ａ、４Ｂ ジッパー
４Ａａ 雄側部材
４ａａ 嵌合部分
４ａｂ シール用フランジ
４ａｃ 仮止め用フランジ
４Ａｂ 雌側部材
４ｂａ 嵌合部分
４ｂｂ シール用フランジ
４ｂｃ 仮止め用フランジ
６ ジッパー及びジッパーサイドのシール領域
１１、１２ プレシール部
２０ ジッパー付袋の製造装置
２２ ジッパー供給装置
２４ ジッパー取付装置
２６ フランジ溶着兼薄肉化装置
３０ 製袋充填装置
３２ シール装置
３４ 第一ジッパーシール装置
３５ 第二ジッパーシール装置
３８ 熱板（トップシールバー）
３９ 熱板（ボトムシールバー）
４０ カッター
４２ 第一シール装置
４３ 第二シール装置
４５Ａ、４５Ｂ 熱板（ジッパー固定用バー）
５０Ａ、５０Ｂ 熱板（密封シール用バー）
５１、５１Ａ、５１Ｂ エアシリンダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟包装材で構成され、開口部にプラスチック製のジッパーを取り付けたジッパー付袋及びその製造方法並びに装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、プラスチックフィルム等の軟包装材で構成され、開口部にプラスチック製のジッパーを取り付けた構成の平ピローパウチ、ガセットピローパウチ等のジッパー付袋が使用されている。このようなピロー形態のジッパー付袋の製造方法として、縦型ピロー包装機を用いる方法が知られている。この方法では、縦型ピロー包装機に供給する前の連続した帯状の軟包装材の所定位置に、雄側部材と雌側部材を互いに係合させた状態のジッパーを取り付け、そのジッパー付軟包装材を縦型ピロー包装機に送り、ジッパーを内側にして筒状に成形し、重ね合わせた両側縁のシール（背貼り）及び底部シールを行い（ガセットタイプの場合には更にサイド部分の折り込みを行い）、その筒状の軟包装材内に内容物を充填し且つその軟包装材を１個の袋の長さ分だけ下方に送り、その後、頂部シールと後続の袋のための底部シールを行い、同時にジッパーの雄側部材と雌側部材のそれぞれのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着し、次いで出来上がった袋を切り離すという動作を行っている。
【０００３】
図１３（ａ）、（ｂ）はこの方法によって作ったガセット形態のジッパー付袋１を概略的に示す斜視図及び正面図、図１４（ａ）はジッパー付袋１のジッパーを取り付けた領域で且つサイド領域を示す概略平面図、図１４（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）はそれぞれ、図１４（ａ）のＢ−Ｂ概略断面図、Ｃ−Ｃ概略断面図、Ｄ−Ｄ概略断面図である。このガセット袋１は、全体が軟包装材２で形成されており、上端の開口部を頂部シール３で閉じ、その少し下にジッパー４を取り付け、下端を底部シール５で閉じた構成となっている。ここで、ジッパー４は、図１４（ｄ）から良く分かるように、雄側部材４ａと雌側部材４ｂとからなり、雄側部材４ａは突起状の嵌合部分４ａａとその片側に設けられたシール用フランジ４ａｂを備え、雌側部材４ｂは嵌合部分４ａａを嵌合させる溝を形成した嵌合部分４ｂａとその両側に設けられたシール用フランジ４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ｂｃを備えている。そして、このジッパー４は、製袋前の軟包装材２に対して仮止め用フランジ４ｂｃを溶着することによって軟包装材２に取り付けられており、製袋工程内で、筒状に成形した軟包装材の外側から、図１３、図１４にハッチングで示す領域６に熱板を押し当て、加圧、加熱することにより雄側部材４ａ及び雌側部材４ｂのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂをそれぞれ、それに向かい合った軟包装材２に溶着している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種のジッパー付袋１は、ジッパー４の端部の外側に軟包装材２の折り返し部分があり、その部分（ジッパーサイドという）を確実にシールすることができないため、ジッパーサイドに隙間が残り、この部分からの漏れを防止できないという問題があった。すなわち、図１４（ｃ）に示すように、ジッパー４は嵌合部分４ａａ、４ｂａの嵌合によって開口を閉じているが、嵌合部分４ａａ、４ｂａの端部の外側はシールしていないため、大きい隙間７ａが残っている。この隙間７ａを遮断するため、ジッパー４のシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを軟包装材２にシールする際に、熱板を、袋のシール用フランジを配した領域のみならず、袋の全幅に渡る領域６に押し付け、ジッパーサイドの密封を図っているが、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ自体が或る程度の厚さ（例えば、両シール用フランジを重ねた状態で約０．８ｍｍ程度）を持っているので、ジッパー端部より外側では軟包装材２に大きい圧力を加えることができず、このため密封シールが不完全となり、図１４（ｂ）に示すように、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの外側のジッパーサイドにも隙間７ｂが残ってしまう。このため、ジッパー付袋１のジッパーサイドには、図１４（ａ）に矢印８で示す漏れ通路が生じている。また、図１４（ｂ）において、この隙間７ｂを潰すように密封シールを施すことができたとしても、向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの間は接着されていないので、この部分には微小な隙間７ｃが生じており、ジッパーサイドには図１４（ａ）に矢印９で示す漏れ通路も形成されている。このように従来のジッパー付袋１ではこれらの漏れ通路８、９が存在するため、漏れを防止できなかった。なお、ジッパー付袋１は、開口部先端に頂部シール３を形成しているため、袋を開封するまではジッパーサイドに漏れがあっても、袋の外に内容物が漏れ出すということはないが、内容物がジッパー４と頂部シール３の間に漏れ出し、見栄えを悪くすると言った問題となる。また、ジッパー付袋の形態として、袋の両側縁のコーナー部を袋の全長に渡ってシールして形成したコーナーフレーム付のものも知られているが、この袋においても、図１３、図１４に示した袋と同様に、ジッパーサイドに漏れ通路が生じ、漏れを防止できなかった。
【０００５】
この問題を解決するには、製袋後に別工程で、ジッパーのシール用フランジ及び嵌合部分の端部を含むジッパーサイドを再度熱板或いは超音波ホーンによってシールして隙間７ａ、７ｂを潰すことが考えられる。しかしながら、別工程で再度シールすることは工数が増えるためコスト高となる。しかも、軟包装材製の袋１は外形が不安定であるため、製袋後では所望位置をシールすることが困難であるとか、ジッパーの嵌合部分はかなりの厚さがあるためシールが困難であるといった問題も生じる。
【０００６】
また、図１４に示すジッパー４は、雄側部材と雌側部材の一方には仮止め用フランジを設けているが、他方には設けておらず、フランジが３枚のもの（３フランジタイプ又は３フラップタイプという）であり、嵌合部分の両側が互いに非対称となっている。このような非対称なジッパー４では、これを、帯状の軟包装材に取り付けるために軟包装材の所定位置に送る際に、そのジッパーの送りが不安定になり、取付不良を生じることがあった。これを防止するには、雄側部材と雌側部材の両方に仮止め用フランジを設けたもの（４フランジタイプ又は４フラップタイプという）を用いればよいと考えられるが、４フランジタイプのジッパーを用いたところ、ジッパーを仮止めした軟包装材が製袋工程を通過する際に、軟包装材に溶着していない側の仮止め用フランジの端部がめくれてしまい、製品品質が悪くなることが多いという問題のあることが判明した。
【０００７】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、４フランジタイプのジッパーを良好に組み込んだ、且つ製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行わなくても、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路をなくして、漏れを防止したジッパー付袋を提供することを課題とする。また、本発明はそのジッパー付袋の製造方法並びに装置を提供することも課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明のジッパー付袋は上記課題を解決するため、ジッパーとして、雄側部材及び雌側部材のそれぞれが、嵌合部分の両側にシール用フランジと仮止め用フランジを備えた４フランジタイプのものを用い、そのジッパーの雄側部材及び雌側部材の互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しておき、そのジッパーを軟包装材製の袋に組み込んだものである。このように、ジッパーの向かい合ったシール用フランジの両端部分の厚さを他の領域よりも薄くしておくことにより、袋を構成する軟包装材をシール用フランジの両端部分に溶着した時に同時にその外側のジッパーサイドの軟包装材を互いに溶着して隙間のないように密封でき、しかも、向かい合ったシール用フランジの両端部分は互いに溶着しているので、この部分にも隙間は生じておらず、このためジッパーサイドの漏れ通路を遮断することができる。かくして、ジッパーサイドに漏れのないジッパー付袋を提供できる。また、向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しておいたことにより、製袋時に仮止め用フランジの端部がめくれて、袋の品質を悪くするということもない。
【０００９】
ここで、前記ジッパーの雄側部材と雌側部材の仮止め用フランジは、両方とも袋内面に溶着しておくことが好ましい。このように、仮止め用フランジも袋内面に溶着しておくと、雄側部材及び雌側部材のいずれにおいても、嵌合部分の両側のフランジが袋内面に固定されることとなるため、嵌合部分の袋内面への固定が確実となり、嵌合部分の開閉が容易となるといった利点が得られる。また、仮止め用フランジと袋内面との間に隙間がないので、その部分に袋の内容物が入り込んで見栄えを悪くするということがない。
【００１０】
本発明のジッパー付袋の製造方法は、互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材であって、互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを、長手方向に間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に、前記ジッパーの一方の仮止め用フランジを用いて取り付け、そのジッパー付軟包装材を、間欠的に走行させながら、前記ジッパーを内側にして筒状に成形し、袋の底部となる位置をシールし、内容物を充填し、袋の頂部となる位置をシールすると共に前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着し、その後、形成された袋の切り離しを行うことを特徴とする。このように、製袋前の軟包装材に取り付けるジッパーを４フランジタイプとしたことで、軟包装材上の所定位置に送り込んで取り付ける作業を安定して行うことができ、ジッパーの取付不良を防止できる。また、４フランジタイプのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着しているので、そのジッパーを取り付けた軟包装材を製袋工程に送り、筒状に成形する際に、軟包装材に固定していない側の仮止め用フランジの端部がめくれるということがなく、良好に製袋できる。更に、ジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くした構造としたことにより、軟包装材を筒状に成形した後、ジッパーのシール用フランジに袋内面を溶着することで、ジッパーサイドの漏れ通路を遮断することができる。かくして、この方法により、ジッパーサイドの漏れ通路を遮断したジッパー付袋を安定して製造できる。
【００１１】
ここで、前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着する際若しくはその前後に、前記ジッパーの仮止め用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着することが好ましい。この溶着工程を設けることにより、ジッパーのシール用フランジ及び仮止め用フランジの両方を袋内面に溶着した形態のジッパー付袋を製造できる。
【００１２】
前記ジッパーを軟包装材に取り付けるに当たっては、雄側部材の仮止め用フランジを軟包装材に溶着して取り付けることが好ましい。ジッパーを取り付けた軟包装材を筒状に成形する工程内において、軟包装材は、ジッパーを取り付けた側の面が外側に凸状となるように湾曲する時期があり、その際に、雌側部材を軟包装材に固定していた場合には雌側部材の嵌合部分が開く方向に変形して、雄側部材と雌側部材との嵌合が部分的に外れる場合があるが、雄側部材を軟包装材に固定しておくことにより、このような嵌合の外れを防止できる。
【００１３】
また、ジッパーのシール用フランジへの軟包装材の溶着を、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から熱板で加熱、加圧することによって行い、その際、前記ジッパーのシール用フランジの、互いにシールし且つ薄肉化した両端部分における溶着条件と、その他の領域における溶着条件を可変とすることが好ましい。この構成とすることで、ジッパーサイドの密封を確実に行うことができ、漏れを一層確実に防止したジッパー付袋を製造できる。
【００１４】
本発明のジッパー付袋の製造装置は、互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材を有する、連続したジッパーを繰り出すジッパー供給装置と、該ジッパー供給装置からジッパーを間欠的に引き出し、所定長さに切断して、所定位置を間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に供給し該軟包装材に一方の仮止め用フランジを用いて取り付けるジッパー取付装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くするよう加圧するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着する仮止め用フランジ溶着装置と、前記ジッパーを取り付けた軟包装材を筒状に成形すると共に筒状に成形した軟包装材内に内容物を充填する製袋充填装置と、筒状に成形した軟包装材を長手方向に離れた２個所で横方向にシールして底部シール及び頂部シールを形成するシール装置と、軟包装材を前記底部シールと頂部シールの間で切断する切断装置と、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記シール用フランジに軟包装材を溶着するジッパーシール装置を備えていることを特徴とする。この構成により、連続したジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジの所定部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの所定部分を互いに溶着し、その部分が端部となるようにジッパーを所定長さに切断し、そのジッパーを帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて製袋、底部シール、充填、頂部シール、ジッパーの袋内面への溶着、及び出来上がった袋の切り離しを行うことができ、ジッパーサイドに漏れをないジッパー付袋を製造できる。
【００１５】
ここで、前記した装置には、更に、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記仮止め用フランジに軟包装材を溶着する補助シール装置を備えておくことが好ましい。この補助シール装置を設けておくと、両方の仮止め用フランジに軟包装材を溶着することができ、ジッパーのシール用フランジ及び仮止め用フランジの両方を袋内面に溶着した形態のジッパー付袋を製造できる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
本発明のジッパー付袋の形態は、軟包装材で形成され、袋の開口部にジッパーを備えたものであれば任意であり、代表的なものとして、平ピローパウチ、ガセットパウチ等を挙げることができ、特に、ガセットパウチは、袋の端部に折り目が二重に存在しており、ジッパーサイドのシールが一層困難であるので、本発明適用の効果が大きい。また、ガセットパウチの形態としては、センターシール付（ピロータイプ）、センターシールなしのいずれでもよいし、また、コーナーフレーム付、コーナーフレームなしのいずれでもよい。
【００１７】
以下、コーナーフレーム付で且つセンターシールなしのガセットパウチ形態のジッパー付袋を例にとって本発明の実施の形態を詳細に説明する。図１（ａ）は本発明の一実施の形態に係るジッパー付袋の概略斜視図、（ｂ）はその概略正面図、図２（ａ）はそのジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ、（ａ）のＥ−Ｅ概略断面図、Ｆ−Ｆ概略断面図、図３（ａ）はそのジッパー付袋に取り付ける前のジッパーの概略平面図、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）はそれぞれ、（ａ）のＧ−Ｇ概略断面図、Ｈ−Ｈ概略断面図、Ｉ−Ｉ概略断面図であり、図１３、図１４に示す従来例と同一部品には同一符号を付している。図１〜図３において、この実施の形態に係るジッパー付袋１Ａは、コーナーフレーム付のガセットパウチであり、全体が軟包装材２で形成されており、両サイドのコーナー部分にコーナーフレーム１０を形成し、下端に底部シール５を形成し、上端の開口部に頂部シール３を形成し、その少し下にジッパー４Ａを取り付けた構成となっている。
【００１８】
ジッパー４Ａは４フランジタイプのものであり、図３（ａ）、（ｂ）に示すように、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂとからなる。雄側部材４Ａａは突起状の嵌合部分４ａａとその両側のシール用フランジ４ａｂ及び仮止め用フランジ４ａｃを備え、雌側部材４Ａｂは嵌合部分４ａａを嵌合させる溝を形成した嵌合部分４ｂａとその両側のシール用フランジ４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ｂｃを備えている。そして、このジッパー４Ａは、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂのそれぞれのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを、向かい合う軟包装材２の領域６に溶着して取り付けられており、更に、仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃもそれに向かい合う軟包装材２の領域６Ａに溶着されている。
【００１９】
ここで、ジッパー４Ａの雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂはそれぞれ、従来と同様に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂で一体構造に作られたものでもよいが、好ましくは、図３（ｅ）に示すように、雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂをそれぞれ嵌合部分４ａａ、４ｂａと一体の基部６１ａ、６１ｂと、その背面に配置したシール部６２ａ、６２ｂを有する積層構造とし、それぞれに好ましい材料を用いる。好ましい材料としては、基部６１ａ、６１ｂを、密度９００〜９４０ｋｇ／ｍ３ 、メルトフローレート０．５〜１５ｇ／１０分のポリエチレン系重合体（Ａ）を主成分とした樹脂組成物とし、シール部６２ａ、６２ｂを、密度８５０〜９２０ｋｇ／ｍ３ 、メルトフローレート０．５〜１５ｇ／１０分のエチレン・αオレフィン共重合体（Ｂ）を含有する樹脂組成物とし、更に、樹脂（Ａ）及び（Ｂ）の密度が、（Ａ）≧（Ｂ）の条件を満たし、且つ、基部層には前記ポリエチレン系重合体（Ａ）の融解ピーク温度より５°Ｃ以上高い融解ピーク温度を有する添加剤（Ｃ）を含むものを挙げることができる。これらの材料を用いることで、嵌合部分の強度、耐熱性を高め、且つ軟包装材２への低温溶着性を高めることができ、低温シール性に優れ、また、良好な再開閉機能、嵌合強度及び耐熱性を有するジッパー４Ａを得ることができる。また、ジッパー４Ａをその両側に配した軟包装材の外側から熱板ではさみ付けて、軟包装材を溶着する際に、向かい合った基部６１ａ、６１ｂが溶着しにくいという利点も得られる。なお、向かい合った基部６１ａ、６１ｂの溶着を一層確実に防止するため、基部６１ａ、６１ｂの向かい合った面には、その全長に沿って延びるように凸状隆起部６４を、基部幅１ｃｍ当たり１０本以上、形成しておくことが好ましい。
【００２０】
ジッパー付袋１Ａに取り付けているジッパー４Ａは上記したように雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂを備え、その雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂの嵌合部分を互いに嵌合させたものであるが、更に、それを軟包装材２に取り付ける前に、図３（ａ）、（ｃ）、（ｄ）に示すように、雄側部材４Ａａ及び雌側部材４Ａｂの互いに向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの両端部分のハッチングで示す領域１１、並びに向かい合った仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃの両端部分のハッチングで示す領域１２を互いに溶着すると共にその厚さｔ１ を他の領域の厚さｔ０ よりも薄くしている。以下、この領域１１、１２をプレシール部と称する。シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに形成するプレシール部１１は、図面ではシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂの全幅に形成しているが、必ずしも全幅に形成する必要はなく、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに軟包装材２をシールする領域６（図２参照）よりも広い幅としておけばよい。ただし、このプレシール部１１は、嵌合部分４ａａ、４ｂａに接する位置まで形成し、嵌合部分４ａａ、４ｂａに隣接した位置に隙間が生じないようにすることが好ましい。プレシール部１１のジッパー長手方向のサイズは、２〜１５ｍｍ程度に選定すればよく、好ましくは３〜６ｍｍ程度とする。プレシール部１１における各シール用フランジの厚さｔ１ は小さいほど、ジッパーサイドの密封を確実とできる利点が得られるが、押しつぶしに時間がかかるといった欠点を生じる。そこで、厚さｔ１ は、他の領域の厚さ（元の厚さ）ｔ０ の１／３〜２／３程度に選定すればよく、１／２程度に選定するのが好ましい。プレシール部１２は、製袋工程において、軟包装材に貼り付けていない側の仮止め用フランジの端部がめくれるのを防止するためのものであり、製袋工程で他方の仮止め用フランジから剥がれない程度に溶着していればよく、またその大きさもプレシール部１１と同様に選定すればよい。また、プレシール部１２では必ずしも仮止め用フランジを押しつぶして薄くする必要はないが、この実施の形態ではシール用フランジにプレシール部１１を形成する際同時に同じ超音波ホーンを用いて形成するので、プレシール部１１と同様にフランジ厚さを薄くしている。
【００２１】
図３に示す構成のジッパー４Ａを用いてジッパー付袋１Ａを形成したことで、図２（ｂ）に示すように、ジッパー付袋１Ａのジッパーサイドでは、薄くしたプレシール部１１が軟包装材２の折り返し部分のすぐ内側に位置している。このため、この部分に両側から熱板を押し当てて軟包装材２をプレシール部１１に溶着した際、プレシール部１１よりも外側の軟包装材２も十分に加熱し、溶融してジッパーサイドの隙間を埋めることができる。このためジッパーサイドを隙間が無いようにシールできる。かくして、このジッパー付袋１Ａでは、ジッパーサイドにほとんど隙間がなく、しかもジッパー４Ａの端部はプレシール部１１によって、向かい合ったシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂが互いにシールされているので、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ間にも隙間がなく、図２（ａ）に矢印８、９で示すような従来のジッパー付袋に見られた漏れ通路が生じることはほとんどなく、良好に漏れを防止できる。また、図２（ｂ）に示すように、ジッパー４Ａの雄側部材４Ａａと雌側部材４Ａｂは、嵌合部分４ａａ、４ｂａの両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジのすべてが軟包装材２に溶着されているため、軟包装材２への固定が確実であり、嵌合部分４ａａ、４ｂａの開閉を安定して行うことができ、また、軟包装材２と仮止め用フランジの間に隙間がないので、その間に内容物が入って見栄えを悪くするといったこともない。
【００２２】
次に、このジッパー付袋１Ａの製造方法及び製造装置の一例を説明する。図４はジッパー付袋１Ａの製造装置の１例を示す概略斜視図であり、符号２０はジッパー付袋の製造装置全体を示す。２２は連続したジッパー４Ｂを繰り出すジッパー供給装置、２４は、そのジッパー供給装置２２からジッパー４Ｂを所定長さずつ間欠的に引き出し、所定位置を切断して所定長さのジッパー４Ａとし、そのジッパー４Ａを、所定位置を間欠的に走行する帯状の軟包装材２の所定位置に供給しそのジッパー４Ａの一方の仮止め用フランジ４ａｃ（図６参照）を軟包装材２に溶着することでジッパー４Ａを軟包装材２に取り付けるジッパー取付装置、２６はジッパー供給装置２２から引き出されたジッパー４Ａの走行経路に設けられたフランジ溶着兼薄肉化装置である。
【００２３】
ジッパー供給装置２２から引き出されるジッパー４Ｂは、図３（ｂ）に示す断面形状を有する長尺のものであり、フランジ溶着兼薄肉化装置２６は、このジッパー４Ｂの互いに向かい合ったシール用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くするよう加圧するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、そのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着する仮止め用フランジ溶着装置とを兼ねたものである。このフランジ溶着兼薄肉化装置２６は、図５に示すように、ジッパー４Ｂを受けるアンビル２７と、ジッパー４Ｂのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂ及び仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃを加圧して溶着するための超音波ホーン２８等を備えている。アンビル２７には、ジッパー４Ｂの嵌合部分４ａａ、４ｂａに対応する位置に嵌合部分の厚さより若干浅い窪み２７ａを備えている。これにより、超音波ホーン２７でジッパー４Ｂをアンビル２７に押し付け、超音波振動を加えることにより、シール用フランジ４ａｂ、４ｂｂを嵌合部分に至るまで溶着し且つ押しつぶして薄くすることができ、また同時に仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃも互いに溶着し且つ押しつぶすことができる。ここで、超音波ホーン２７による加圧領域のジッパー長手方向の寸法は、図３に示すジッパー４Ａの両端に形成しているプレシール部１１、１２のジッパー長手方向の寸法の２倍としており、フランジ溶着兼薄肉化装置２６によって形成した溶着領域の中央を切断して切り離すことにより、切り離された両側のジッパーのそれぞれの端部に、所定長さのプレシール部１１、１２を形成できる。図４において、フランジ溶着兼薄肉化装置２６は、それによって形成したシール領域の中央が、ジッパー取付装置２４によって切断される位置となるように配置されており、これにより、ジッパー取付装置２４によって所定長さに切断したジッパー４Ａの両端にプレシール部１１、１２が形成されることとなる。なお、フランジ溶着兼薄肉化装置２６としては、図示の実施形態のように超音波ホーン２７を用いたものに限らず、熱板を用いたヒートシール装置を用いても良いが、超音波ホーン２７を用いる方が敏速に溶着及び押しつぶしを行うことができるので好ましい。また、この実施の形態では、フランジ溶着兼薄肉化装置２６が、シール用フランジを溶着、薄肉化するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、仮止め用フランジを溶着する仮止め用フランジ溶着装置とを兼ねているが、このように単一のフランジ溶着兼薄肉化装置２６を用いる代わりに、シール用フランジ溶着・薄肉化装置と仮止め用フランジ溶着装置とを別個の装置とし、ジッパー４Ｂの走行経路の異なる位置に配置してもよい。
【００２４】
図４において、前記したように、ジッパー４Ｂを所定長さに切断して形成されたジッパー４Ａはジッパー取付装置２４によって軟包装材２に取り付けられる。この際、図６に示すように、ジッパー４Ａは、雄側部材４Ａａが軟包装材２に面する状態で且つ仮止め用フランジ４ａｃが軟包装材２の走行方向に関して前側となるように供給されており、その仮止め用フランジ４ａｃを軟包装材２に溶着することで取り付けられる。このように、雄側部材４Ａａを軟包装材２に取り付けたことにより、次の利点が得られる。すなわち、ジッパー４Ａを取り付けた軟包装材２はその後、製袋工程で袋状に成形されるが、その成形途中に、ジッパー４Ａを取り付けた側が凸状となるように変形する位置があり、その際に、もし、雌側部材４Ａｂを軟包装材２に取り付けていると、雌側の嵌合部分４ｂａが開く方向に変形して嵌合が外れることがある。これに対して、この実施の形態のように、雄側部材４Ａａを軟包装材２に取り付けておくと、軟包装材２のジッパー４Ａを取り付けた側が凸状となるように変形しても、雌側の嵌合部分４ｂａは閉じる方向に変形しようとするのみであるので、嵌合が外れることがない。
【００２５】
ところで、図６に示すように４フランジタイプのジッパー４Ａを用いた場合、二つの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃのうち、一方の仮止め用フランジ４ａｃのみを軟包装材２に固定し、他方の仮止め用フランジ４ｂｃはフリーの状態となっている。もし、仮止め用フランジ４ｂｃの全長がフリーの状態となっていると、ジッパー４Ａが軟包装材２と共に製袋工程を通過する際、図７に示すように、仮止め用フランジ４ｂｃの端部がめくれることが多い。しかしながら、この実施形態で用いているジッパー４Ａは、二つの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃは両端で互いに溶着されているので、軟包装材に溶着されない側の仮止め用フランジ４ｂｃでも、その両端は軟包装材２に固定された状態となっており、これにより、端部にめくれを生じることがない。
【００２６】
図４において、３０は、ジッパー４Ａを取り付けた軟包装材２を筒状に成形して背貼りを行うと共に筒状に成形した軟包装材内に内容物を充填する製袋充填装置、３２はその下方に配置され、筒状に成形した軟包装材２を長手方向に離れた２個所で横方向にシールして底部シールと頂部シールを形成するシール装置、３４は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧してシール用フランジに軟包装材を溶着する第一ジッパーシール装置、３５は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧して仮止め用フランジに軟包装材を溶着する第二ジッパーシール装置である。製袋充填装置３０は、角型フォーマー３０ａ、フレーム折り込みローラー３０ｂ、フレームシール３０ｃ、フィルム送りベルト３０ｄ、スリッター３０ｅ、底部折り込み具３０ｆ等を備えている。なお、図４には示していないが、前記シール装置３２によって形成した底部シールと頂部シールの間を切断する切断装置も設けられている。これらの部品のうち、第一ジッパーシール装置３４及び第二ジッパーシール装置３５を除いた他の部品は、従来の角型フォーマー付縦型ピロー包装機に設けられているものと同様であるので詳細な説明は省略する。
【００２７】
図８（ａ）、（ｂ）はシール装置３２、第一ジッパーシール装置３４及び第二ジッパーシール装置３５における熱板の配置を概略的に示すものである。図８において軟包装材２は筒状に成形され、所定位置に送られて停止し、且つその中に内容物３６を充填された状態にあるものとする。シール装置３２は、軟包装材２の、内容物３６を充填した部分で形成する袋の頂部をシールする熱板（トップシールバーという）３８と、その上に続く次の袋の底部をシールするための熱板（ボトムシールバーという）３９を備えている。また、切断装置は、ボトムシールバー３９とトップシールバー３８との間に配置されたカッター４０を備えている。
【００２８】
第一ジッパーシール装置３４は、所定位置に停止している軟包装材２に取り付けているジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂにその外側の軟包装材２をシールすることができる位置に配置されている。図９はこの第一ジッパーシール装置３４を、図８の矢印Ｊ−Ｊ方向に見た概略平面図、図１０はその第一ジッパーシール装置３４のジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図である。なお、軟包装材２は図９、図１０に示す位置ではガセット形態（両端に折り返し部が２個ずつ形成された形態）になっているが、説明を簡略化するため、平ピローの形態で示している。
【００２９】
図８〜図１０において、第一ジッパーシール装置３４は、ジッパー４Ａの両端に形成しているプレシール部１１（図３参照）を除くほぼ中間部分に軟包装材２をシールする第一シール装置４２と、プレシール部１１に軟包装材２をシールする第二シール装置４３を有している。第一シール装置４２は、ジッパー４Ａの両端のプレシール部１１を除いたほぼ中間部分をはさむ関係で配置された一対の熱板（ジッパー固定用バーという）４５Ａ、４５Ｂと、一方のジッパー固定用バー４５Ａを保持した支持台４６と、他方のジッパー固定用バー４５Ｂを移動可能な形態で保持した支持台４７と、そのジッパー固定用バー４５Ｂを前方に押し出すよう作用するコイルバネ４８と、支持台４６、４７を互いに接近する方向及び離れる方向に移動させる駆動装置等を備えている。第二シール装置４３は、ジッパー４Ａの端部のプレシール部１１をはさむ関係で配置された一対の熱板（密封シール用バーという）５０Ａ、５０Ｂと、一方の密封シール用バー５０Ａを他方の密封シール用バー５０Ｂに対して押し付けるエアシリンダ５１と、他方の密封シール用バー５０Ｂを保持台４６に固定する取付具５３等を備えている。エアシリンダ５１は支持台４６に保持され、一緒に移動するようになっている。密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂは、軟包装材２をジッパー４Ａのプレシール部１１に貼り付けるのみならず、その外側のジッパーサイドの密封シールを行うためのものであり、軟包装材２の折り返した端部よりも更に外側に延びる長さとしている。また、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂは図８（ｂ）に示すように直線状に配列されている。ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂとは図１０に拡大して示すように、両者間に０．３〜０．６ｍｍ程度の微小な隙間５５が生じるように配置している。これは、熱膨張によるトラブルなどを回避するためである。この隙間５５はあまり大きくなると、この隙間５５において軟包装材２のジッパー４Ａに対するシール不良を生じる恐れがあるが、上記した範囲内であれば、隙間５５の両側からの伝熱や、溶融樹脂の流れ込み等によって良好にシールを行うことができる。
【００３０】
第一ジッパーシール装置３４によるシール動作は次のように行われる。すなわち、軟包装材２が所定位置（図８に示す位置）に停止している間に、支持台４６、４７が互いに接近する方向に移動して、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂで軟包装材２を外面からはさみ付け、軟包装材２をその内側に位置するジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂに溶着する。同時にエアシリンダ５１が作動して密封シール用バー５０Ａを押し出し、図１０に示すようにジッパー４Ａのプレシール部１１の外側の軟包装材２を両側から、密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂではさみ付け、軟包装材２をプレシール部１１にシールすると共にジッパーサイドの軟包装材２の内側に隙間が生じないように密封シールする。この際、プレシール部１１は薄いので、密封シールを良好に行うことができ、ジッパーサイドに隙間が残らないようにすることができる。その後、エアシリンダ５１が密封シール用バー５０Ａを後退させ、且つ支持台４６、４７が後退する。以上により１回のシール動作が終了する。ここで、ジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂ及び密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂの温度、加圧力、加圧時間、作動タイミング等の溶着条件は、それぞれ良好な溶着を行うことができる所望のように設定しておく。これにより、ジッパー４Ａの軟包装材２に対する溶着並びにジッパーサイドの密封シールをそれぞれ良好に行うことができる。
【００３１】
なお、本発明に用いる第一ジッパーシール装置３４は、この実施の形態に示す構造に限らず、種々変更可能である。例えば、図９の実施の形態では、両側の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａを共通のエアシリンダ５１で移動させる構成としているが、この構成に代えて、両側の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａにそれぞれ、別個のエアシリンダを連結して移動させる構成としてもよい。この構成とすると、各密封シール用バー５０Ａ、５０Ａを独立して移動させることができ、例え、一方の密封シール用バー５０Ａがプレシール部１１から外れた薄肉化していない領域を踏んでしまった場合でも、他方の密封シール用バー５０Ａは、その影響を受けず、良好な密封シールを行うことができる。
【００３２】
また、図９、図１０に示す実施の形態では、軟包装材２の両側に配置されるシールバーをそれぞれ、中央領域のジッパー固定用バー４５Ａ、４５Ｂと、その両端領域の密封シール用バー５０Ａ、５０Ｂとに分離し、それぞれについてシール条件を設定しうるように構成しているが、軟包装材２の片側に配置されるシールバー或いは両側のシールバーとして、一体化したシールバーを用いることも可能である。図１１は、その場合の実施の形態に係る第一ジッパーシール装置３４Ａを示すものである。この実施の形態では、受け側のシールバーとして、筒状に成形した軟包装材２の全幅をシール可能な長さのジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃを用い、反対側のシールバーとして、中央領域のジッパー固定用バー４５Ａとその両端領域の密封シール用バー５０Ａ、５０Ａに分離したものを用いており、ジッパー固定用バー４５Ａとジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃで第一シール装置４２を構成し、密封シール用バー５０Ａとジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃで第二シール装置４３を構成している。そして、密封シール用バー５０Ａ、５０Ａにはそれぞれエアシリンダ５１Ａ、５１Ｂを連結している。
【００３３】
この実施の形態では、図１２に示すように、ジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃとジッパー固定用バー４５Ａ及び密封シール用バー５０Ａで、軟包装材２をはさみ付けることにより、ジッパー４Ａの軟包装材２内面への固定及びジッパーサイドの密封シールを行うことができる。ここで、ジッパー固定用兼密封シール用バー４５Ｃは、軟包装材２に面する面を全長に渡って一平面としているので、図１２に示すようにシールした状態において、軟包装材２には、密封シール用バー５０Ａに面する側にしか段差が生じない。このため、段差の発生箇所を少なくできる。軟包装材２に段差を与えることは軟包装材にストレスを与えることとなり、極端な場合にはこの部分にピンホールを発生することがあるので、段差を少なくすることで、ピンホール発生を防止できる。また、密封シール用バー５０Ａの角部５０ａは、シール不良を生じない範囲で、極力大きい半径に丸めることが好ましく、それによって軟包装材にかかるストレスを一層削減してピンホールの発生を防止できる。なお、この実施の形態においても、ジッパー固定用バー４５Ａと密封シール用バー５０Ａとの間隔ｄは０．３〜０．６ｍｍ程度に選定すればよい。更に、図１１の実施の形態では、ジッパー固定用バー４５Ａと密封シール用バー５０Ａを分離した構造としているが、これに代えて、一体型のシールバーを用いることも可能である。例えば、シールバーとして、筒状に成形した軟包装材２の全幅をシール可能な長さで、且つジッパー４Ａのプレシール部１１及びその外側に対応する領域を、中間部分に対応する領域よりも少し高くなるように段差を付けたものを用いることで、ジッパー４Ａの軟包装材２に対するシール並びにジッパーサイドの密封シールを行うことができる。
【００３４】
図４、図８において、第二ジッパーシール装置３５は、筒状に成形した軟包装材２の、ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材２の外側から加熱、加圧して仮止め用フランジに軟包装材を溶着するものであり、第一ジッパーシール装置３４と同様な構造のものである。すなわち、第二ジッパーシール装置３５も第一ジッパーシール装置３４の熱板４５Ａ、４５Ｂ及び５０Ａ、５０Ｂと同様な熱板７１Ａ、７１Ｂ及び７２Ａ、７２Ｂを備えており、それらの熱板を第一ジッパーシール装置３４に設けている支持台４６、４７やエアシリンダ５１を用いて保持及び駆動する構成としている。これにより、第二ジッパーシール装置３５でも、第一ジッパーシール装置３４と同様にしてジッパーの仮止め用フランジに軟包装材２を溶着でき、且つジッパーサイドの密封シールを行うことができる。なお、第二ジッパーシール装置３５では、必ずしもジッパーサイドの確実な密封シールを行わなくてもよいので、熱板を、袋の中央部分用とサイド部分用に分割する必要はなく、一体構造とした熱板を用いても良い。
【００３５】
次に、図４に示すガセット付袋の製造装置２０による袋製造動作を説明する。ジッパー供給装置２２から連続したジッパー４Ｂがジッパー取付装置２４によって所定長さずつ間欠的に引き出され、その途中でフランジ溶着兼薄肉化装置２６によってジッパー４Ｂの向かい合ったシール用フランジ及び仮止め用フランジの所定領域が互いにシールされると共に薄肉化される。そして、ジッパー取付装置２４は引き出したジッパー４Ｂを所定長さに切断して、両端にプレシール部１１、１２を備えたジッパー４Ａ（図３参照）とし、それを雄側部材４Ａａの仮止め用フランジ４ａｃ（図６参照）を用いて、間欠的に走行している帯状の軟包装材２に溶着して取り付ける。
【００３６】
ジッパー４Ａを取り付けられた軟包装材２は、製袋充填装置３０によって、ジッパー４Ａを内側にして角型の筒状に成形され、フレームシール３０ｃによる４辺ヒートシールにより４つの角部にコーナーフレーム１０（図１参照）が形成され、貼り合わせ部の側縁がスリッター３０ｅでスリットされ、スクラップ７４として除去される。また、筒状に成形された軟包装材２は、シール装置３２によって袋の底部となる位置がシールされる（なお、この時、同時にその下に形成されている袋の頂部シールが形成されるが、これについては後述する）。次に、筒状に成形した軟包装材２内に内容物が充填され且つその軟包装材２が１個の袋の長さ分だけ下方に送られて停止する。この時の状態が図８に示す状態である。図８に示す位置に軟包装材２が停止した後、シール装置３２のトップシールバー３８及びボトムシールバー３９が同時に軟包装材２を挟み付けてシールし、内容物３６を充填した袋の上端に頂部シール３（図１参照）を形成すると共に、その上に続く次の袋の底部に底部シールを形成する。シール装置３２によるシール動作と並行して、第一ジッパーシール装置３４、第二ジッパーシール装置３５が作動し、上述した手順でジッパー４Ａのシール用フランジ４ａｂ、４ｂｂにその外側の軟包装材２をシールすると共にジッパーサイドの密封シールを行い、且つジッパー４Ａの仮止め用フランジ４ａｃ、４ｂｃにその外側の軟包装材２をシールすると共にジッパーサイドの密封シールを行う。その後、切断装置のカッター４０が作動し、底部シールと頂部シールの間で軟包装材２を切断し、出来上がった袋１Ａを切り離す。以上の動作を繰り返すことで、図１、図２に示すジッパー付袋１が次々と製造される。
【００３７】
以上に説明したように、このガセット付袋１Ａの製造装置では、連続したジッパー４Ｂの供給経路にフランジ溶着兼薄肉化装置２６を設け、且つ第一ジッパーシール装置３４として、図８、図９に示すものを用い、更に第二ジッパーシール装置３５を設けた以外は、従来の縦型ピロー包装機と同様の装置を用い、従来と同様に、軟包装材の筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール、ジッパーの袋内面へのシール及び切断の一連の動作を行うことによって、ジッパーサイドに生じがちな漏れ通路のないジッパー付袋を製造できる。かくして、製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行う必要がなく、低コストで漏れのないジッパー付袋を製造できる。
【００３８】
なお、以上の製袋動作では、間欠的に走行する軟包装材２に対してジッパー４Ａを仮止め用フランジ４ａｃを用いて取り付けた際、仮止め用フランジ４ａｃが軟包装材２の走行方向に関して前側となるようにしているが、これに限らず、仮止め用フランジ４ａｃが後側となるようにしてもよい。
【００３９】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のジッパー付袋は、ジッパーサイドの密封シールが確実で隙間がほとんどなく、しかも向かい合ったシール用フランジの端部領域が互いにシールされているので、この領域を通過する漏れもなく、このため、漏れが生じて見栄えを悪くするとか衛生上の問題が生じるといったことがないという効果を有している。
【００４０】
本発明のジッパー付袋の製造方法は、４フランジタイプのジッパーであって、互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを、帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて、筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール及びジッパーの軟包装材（袋内面）へのシールを行った後、出来上がった袋を切断して切り離すという一連の動作を行う構成としたことにより、ジッパーの軟包装材への供給並びに取付を安定して行うことができ、製袋時に仮止め用フランジの端部にめくれが生じてトラブルを起こすということもなく、しかもジッパーサイドに生じがちな漏れ通路のないジッパー付袋を製造でき、このため、製袋後に別工程でジッパーサイドのシールを行う必要がなく、低コストで、漏れのないジッパー付袋を製造できるという効果を有している。
【００４１】
また、本発明のジッパー付袋の製造装置によれば、連続した４フランジタイプのジッパーから、所定長さで且つ互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いにシールすると共にその厚さを他の領域よりも薄くし且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを作り、そのジッパーを帯状の軟包装材に取り付け、そのジッパー付軟包装材を用いて、筒状への成形、底部シール、内容物充填、頂部シール及びジッパーの軟包装材（袋内面）へのシールを行った後、出来上がった袋を切断して切り離すという一連の動作を行うことができ、これによってジッパーサイドに漏れのないジッパー付袋を生産性よく低コストで製造できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）は本発明の一実施の形態に係るジッパー付袋の概略斜視図
（ｂ）はその概略正面図
【図２】（ａ）は図１のジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図
（ｂ）は（ａ）のＥ−Ｅ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＦ−Ｆ概略断面図
【図３】（ａ）は図１に示すジッパー付袋に取り付ける前のジッパーの概略平面図
（ｂ）は（ａ）のＧ−Ｇ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＨ−Ｈ概略断面図
（ｄ）は（ａ）のＩ−Ｉ概略断面図
（ｅ）はジッパーの他の例を示す概略断面図
【図４】ジッパー付袋１Ａの製造装置の１例を示す概略斜視図
【図５】図４に示す装置に設けているフランジ溶着兼薄肉化装置の概略断面図
【図６】軟包装材にジッパー４Ａを取り付けた状態を示す概略断面図
【図７】（ａ）、（ｂ）は、４フランジタイプのジッパーを軟包装材に取り付けて製袋した時に仮止め用フランジに生じがちなめくれを示すジッパーの概略端面図及び平面図
【図８】（ａ）、（ｂ）は図４に示す装置におけるシール装置３２及び第一及び第二ジッパーシール装置３４、３５の熱板の軟包装材２に対する配置を示す概略断面図及び概略正面図
【図９】図８に示す第一ジッパーシール装置３４を矢印Ｊ−Ｊ方向に見た概略平面図
【図１０】図９に示す第一ジッパーシール装置３４のジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図
【図１１】第一ジッパーシール装置の変形例を示す、図９と同様な概略平面図
【図１２】図１１に示す第一ジッパーシール装置３４Ａのジッパー端部近傍領域を、シール時の状態で示す概略断面図
【図１３】（ａ）は従来のジッパー付袋の概略斜視図
（ｂ）はその概略正面図
【図１４】（ａ）は図１３のジッパー付袋のジッパーを取り付けた領域で且つ袋のサイド領域の概略正面図
（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ概略断面図
（ｃ）は（ａ）のＣ−Ｃ概略断面図
（ｄ）は（ａ）のＤ−Ｄ概略断面図
【符号の説明】
１、１Ａ ジッパー付袋
２ 軟包装材
３ 頂部シール
４、４Ａ、４Ｂ ジッパー
４Ａａ 雄側部材
４ａａ 嵌合部分
４ａｂ シール用フランジ
４ａｃ 仮止め用フランジ
４Ａｂ 雌側部材
４ｂａ 嵌合部分
４ｂｂ シール用フランジ
４ｂｃ 仮止め用フランジ
６ ジッパー及びジッパーサイドのシール領域
１１、１２ プレシール部
２０ ジッパー付袋の製造装置
２２ ジッパー供給装置
２４ ジッパー取付装置
２６ フランジ溶着兼薄肉化装置
３０ 製袋充填装置
３２ シール装置
３４ 第一ジッパーシール装置
３５ 第二ジッパーシール装置
３８ 熱板（トップシールバー）
３９ 熱板（ボトムシールバー）
４０ カッター
４２ 第一シール装置
４３ 第二シール装置
４５Ａ、４５Ｂ 熱板（ジッパー固定用バー）
５０Ａ、５０Ｂ 熱板（密封シール用バー）
５１、５１Ａ、５１Ｂ エアシリンダ
Claims (8)
- 軟包装材で構成され、開口部にプラスチック製のジッパーを取り付けたジッパー付袋において、前記ジッパーが、互いに嵌合する嵌合部分を備えた雄側部材と雌側部材を備えており、該雄側部材と雌側部材とはそれぞれ、前記嵌合部分の片側の互いに向かい合う位置にシール用フランジを、反対側に仮止め用フランジを備え、少なくとも前記シール用フランジを袋内面に溶着して取り付けられており、更に、前記雄側部材と雌側部材の互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くしており、且つ前記雄側部材と雌側部材の互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着していることを特徴とするジッパー付袋。
- 前記ジッパーの雄側部材と雌側部材の仮止め用フランジを袋内面に溶着していることを特徴とする請求項１記載のジッパー付袋。
- 互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材であって、互いに向かい合ったシール用フランジの両端部分を互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くし、且つ互いに向かい合った仮止め用フランジの両端部分を互いに溶着した構造のジッパーを、長手方向に間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に、前記ジッパーの一方の仮止め用フランジを用いて取り付け、そのジッパー付軟包装材を、間欠的に走行させながら、前記ジッパーを内側にして筒状に成形し、袋の底部となる位置をシールし、内容物を充填し、袋の頂部となる位置をシールすると共に前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着し、その後、形成された袋の切り離しを行うことを特徴とするジッパー付袋の製造方法。
- 前記ジッパーのシール用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着する際若しくはその前後に、前記ジッパーの仮止め用フランジにその外側に位置する軟包装材を溶着することを特徴とする請求項３記載のジッパー付袋の製造方法。
- 前記ジッパーを間欠的に走行する帯状の軟包装材に取り付けるに当たって、雄側部材の仮止め用フランジを前記軟包装材に溶着することを特徴とする請求項３又は４記載のジッパー付袋の製造方法。
- 前記ジッパーのシール用フランジへの軟包装材の溶着を、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から熱板で加熱、加圧することによって行い、その際、前記ジッパーのシール用フランジの、互いにシールし且つ薄肉化した両端部分における溶着条件と、その他の領域における溶着条件を可変としたことを特徴とする請求項３、４又は５記載のジッパー付袋の製造方法。
- 互いに嵌合した嵌合部分とその両側のシール用フランジ及び仮止め用フランジを備えた雄側部材及び雌側部材を有する、連続したジッパーを繰り出すジッパー供給装置と、該ジッパー供給装置からジッパーを間欠的に引き出し、所定長さに切断して、所定位置を間欠的に走行する帯状の軟包装材の所定位置に供給し該軟包装材に一方の仮止め用フランジを用いて取り付けるジッパー取付装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合ったシール用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着すると共にその厚さを他の領域よりも薄くするよう加圧するシール用フランジ溶着・薄肉化装置と、前記ジッパー供給装置から繰り出されるジッパーの走行経路に設けられ、そのジッパーの互いに向かい合った仮止め用フランジを、該ジッパーを所定長さに切断した時の端部となる領域で互いに溶着する仮止め用フランジ溶着装置と、前記ジッパーを取り付けた軟包装材を筒状に成形すると共に筒状に成形した軟包装材内に内容物を充填する製袋充填装置と、筒状に成形した軟包装材を長手方向に離れた２個所で横方向にシールして底部シール及び頂部シールを形成するシール装置と、軟包装材を前記底部シールと頂部シールの間で切断する切断装置と、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーのシール用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記シール用フランジに軟包装材を溶着するジッパーシール装置を備えていることを特徴とするジッパー付袋の製造装置。
- 更に、筒状に成形した軟包装材の、前記ジッパーの仮止め用フランジが位置する領域の全幅を、軟包装材の外側から加熱、加圧して前記仮止め用フランジに軟包装材を溶着する補助シール装置を備えていることを特徴とする請求項７記載のジッパー付袋の製造装置。
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|---|---|---|---|---|
| JP2009511312A (ja) * | 2005-10-18 | 2009-03-19 | イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド | ブロック形の底部と枕形の頂部を有する袋 |
| KR20180001035U (ko) * | 2016-10-06 | 2018-04-16 | 주식회사 엘지생활건강 | 휴대용 케이스 |
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2003
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