JP2004338191A - 液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】強化材を含まない樹脂材料にてタンクホルダを成形した場合、面積の大きな端子板が配された背板部の剛性が不足する。
【解決手段】一対の側板部30aと、背板部30bと、背板部30bに形成されて複数の接点部を有する端子板43と、前板部30cと、底板部30dと、一対の側板部30aの対向方向に沿って配される第1および第2の仕切り板44,45とを具え、一対の側板部30a,背板部30b,前板部30c,底板部30dで囲まれた空間内に複数の液体タンクを取り外し可能に収容し、複数の接点部が外部の対応する接点部にそれぞれ押し当てられるタンクホルダ30であって、背板部30bから突出する第1の仕切り板44の突出開始位置が底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する接点部と同じか、それよりも高く設定され、かつ背板部30bを挟んで端子板43と重なるように配した。
【選択図】 図4
【解決手段】一対の側板部30aと、背板部30bと、背板部30bに形成されて複数の接点部を有する端子板43と、前板部30cと、底板部30dと、一対の側板部30aの対向方向に沿って配される第1および第2の仕切り板44,45とを具え、一対の側板部30a,背板部30b,前板部30c,底板部30dで囲まれた空間内に複数の液体タンクを取り外し可能に収容し、複数の接点部が外部の対応する接点部にそれぞれ押し当てられるタンクホルダ30であって、背板部30bから突出する第1の仕切り板44の突出開始位置が底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する接点部と同じか、それよりも高く設定され、かつ背板部30bを挟んで端子板43と重なるように配した。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置に関する。
【0002】
なお、本明細書において記述される「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、あるいはエッチングなどのようなプリント媒体の加工を行う場合も包含する。
【0003】
また「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙片のみならず、布帛,樹脂フィルム,金属板,ガラス,セラミックス,木材,皮革などの液体を受容可能なものであり、シート状物体以外の三次元立体、例えば球体や円筒体なども包含する。
【0004】
さらに「液体」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像,模様,パターンなどの形成,エッチングなどのプリント媒体の加工,あるいはインクの処理、例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化に供され得る液体を指し、プリントに関して用いられるあらゆる液体を包含する。
【0005】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、いわゆるノンインパクト方式のプリンタであり、様々な媒体に対する高速プリントが可能であって、しかもプリント時の騒音がほとんど生じないという特徴を有するため、ワードプロセッサやファクシミリあるいは複写機などにおける出力機器として広く用いられている。
【0006】
プリント媒体の搬送方向に対して交差する方向にインクジェットヘッドが走査移動するシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタにおいては、例えば特許文献1に示されるように、走査移動するキャリッジに対してインクジェットヘッドが取り外し可能に搭載される構成を採用したものが多い。
【0007】
このような従来のインクジェットヘッドの外観を図11に示し、その反対側からの外観を図12に示し、その断面構造を図13に示す。すなわち、ヘッドユニット100は、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクなどの液体を加熱し、その膜沸騰作用により液滴を吐出させる多数の吐出口が形成されたヘッド基板101と、このヘッド基板101の電気熱変換素子に駆動信号などを印加する電気配線基板102と、ヘッドユニット100に対して取り外し可能に搭載される複数(図示例では6個)の液体タンク103を整列状態で保持し、ヘッド基板101に各液体タンク103内に貯溜された液体をそれぞれ供給するための複数の液体供給通路104が形成されたタンクホルダ105と、このタンクホルダ105が液体タンク103を安定して保持できるようにタンクホルダ105に連結される枠状のタンクサポート106などを具えている。電気配線基板102の端子板107には、図13中、二点鎖線で示されるキャリッジのコネクタ108と電気的接続を行うための複数の端子109が整列状態で形成されている。キャリッジのコネクタ108に対して端子板107の端子109が確実に接触するように、タンクホルダ105には3カ所以上の位置決め基準面が設定され、これら位置決め基準面がキャリッジの対応箇所に対して接触し、端子板107がキャリッジのコネクタ108に押し当てられるようになっている。
【0008】
ヘッドユニット100の主要部を構成するタンクホルダ105の部分の外観を図14に示す。タンクホルダ105に形成された液体供給通路104の端部には、外部からの塵埃の侵入を防止するためのフィルタ110がそれぞれ装着され、各フィルタ110の周囲には、液体タンク103を搭載した場合に液体タンク103中の液体が外部に漏洩するのを防止するためのシールゴム111がそれぞれ装着される。隣接するフィルタ110およびシールゴム111の間には、仕切り板部112が形成され、これら仕切り板部112を介して個々の液体タンク103がタンクホルダ105に対して取り外し可能に装着されるようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−19123号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
走査移動するキャリッジに対して取り外し可能に搭載される図11〜図14に示す如き従来のヘッドユニット100においては、キャリッジに設けられたコネクタ108に対してヘッドユニット100側の電気配線基板102の端子109が形成された端子板107を押し当てる必要がある。このため、電気配線基板102の端子板107が配されたヘッドユニット100の背板部113の剛性が低いと、この背板部113が撓んで端子109全体をキャリッジのコネクタ108に対して均一に接触させることができなくなる可能性がある。特に、最近のインクジェットプリンタにおいては、液体タンク103の種類の増加や吐出口の数の増大に伴い、必然的に端子109の数が増大し、これに伴って端子109が配される端子板107の面積も増大する傾向にあり、キャリッジのコネクタ108と特に端子板107の中央部に位置する端子109との接触状態を良好に保つことが困難となりつつある。
【0011】
一方、インクジェットプリンタによって得られる画像の高解像度化への要求を満たすため、吐出口の小径化およびその高密度化が進められている。このように、吐出口を小径化した場合、必然的に吐出口およびこれに続く液体供給通路104が異物によって詰まりやすくなるため、この液体供給通路104を形成するタンクホルダ105を成形するための樹脂材料として、ガラスフィラーなどの強化材を混入したものを採用することが困難となる。繊維状の強化材を混入した樹脂材料にてタンクホルダ105を成形した場合、このタンクホルダ105に何らかの外力、例えばキャリッジの走査に伴う衝撃やヘッドユニット100の着脱に伴う衝撃などが負荷すると、タンクホルダ105を構成する樹脂材料から強化材の一部が欠落し、これが異物となって液体供給通路104や吐出口を目詰まりさせる可能性がある。
【0012】
強化材を含まない樹脂材料は、必然的にその剛性が低下する。例えば、ガラスフィラーを25%添加した樹脂材料に対し、これを全く含まない同じ樹脂材料は、その曲げ弾性率が約1/3も低下してしまう。このため、ガラスフィラーなどの強化材を含まない樹脂材料にて図11〜図14に示す如きタンクホルダ105を成形した場合、特に端子109が形成された端子板107が配されるタンクホルダ105の背板部113の剛性不足は、キャリッジのコネクタ108とヘッドユニット100の端子109との間の良好な電気的接触を実現する上で大きな障害となる。
【0013】
【発明の目的】
本発明の目的は、強化材を含まない樹脂材料にて形成しても、必要な剛性を確保することができる液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、
これら一対の側板部の間に位置する背板部と、
この背板部の外側面に形成されて複数の接点部を有する接触面部と、
この接触面部と反対側の前記背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、
この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、
前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部と
を具え、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容し、前記接触面部の前記複数の接点部が外部の対応する接点部にそれぞれ押し当てられる液体タンクホルダであって、
前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記接触面部の最上端に位置する前記接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記接触面部と重なるように配されていることを特徴とする液体タンクホルダにある。
【0015】
本発明においては、接触面部の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が接触面部の上端以上にあり、外部の接点部に接触面部の接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の接触面部の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0016】
本発明の第2の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体吐出ヘッドと
を具え、前記端子板の前記複数の電気接点部が外部の対応する電気接点部にそれぞれ押し当てられる液体吐出ヘッドユニットであって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする液体吐出ヘッドユニットにある。
【0017】
本発明においては、端子板の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が端子板の上端以上にあり、外部の電気接点部に液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0018】
本発明の第3の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体ヘッドと
を具えた液体吐出ヘッドユニットが取り外し可能に搭載されるユニット搭載部と、
このユニット搭載部に設けられて前記液体吐出ヘッドユニットの端子板に形成された電気接点部がそれぞれ押し当てられる電気接点部を有する端子板と
を具え、前記ユニット搭載部の前記端子板側から吐出エネルギー発生部に駆動信号を与えて所定の吐出口から液体を吐出させる画像形成装置であって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする画像形成装置にある。
【0019】
本発明においては、端子板の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が端子板の上端以上にあり、ユニット搭載部に液体吐出ヘッドユニットを搭載した場合、ユニット搭載部の端子板に液体吐出ヘッドユニットの端子板が押し付けられ、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態による液体タンクホルダにおいて、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として接触面部の最上端に位置する接点部よりも低く設定することが可能である。この場合には、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。同様に、本発明の第2の形態による液体吐出ヘッドユニットまたは第3の形態による画像形成装置において、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部よりも低く設定することが可能である。この場合には、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0021】
あるいは、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として第1の仕切り板部とほぼ同じ高さに設定することが可能である。この場合には、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性をより向上させることができる。
【0022】
第2の仕切り板部が背板部から前板部に亙って延在し、背板部側に向けて窪んだ斜面部を有することが好ましい。これにより、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0023】
第1の仕切り板部が背板部から前板部に亙って直線的に延在する斜面部を有するものであってよい。この場合、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を確実に向上させることができる。
【0024】
第1の仕切り板部の板厚を第2の仕切り板部の板厚よりも厚く設定することが可能である。この場合においても、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を確実に向上させることができる。
【0025】
第1の仕切り板部が複数存在し、これら第1の仕切り板部の間に第2の仕切り板部を介在させることが好ましい。これにより、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0026】
背板部を挟んで前記接触面部と重なるように第1および第2の仕切り板部を横切り、背板部と底板部とに跨がってこれらから突出する段部をさらに具えることができる。特に、この段部を一対の側板部に跨がって延在させることにより、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を著しく向上させることができる。
【0027】
【実施例】
本発明による画像形成装置をシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施例について、図1〜図10を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限らず、この明細書に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0028】
本実施例によるインクジェットプリンタの外観を図1に示し、その内部筺体の外観を図2に示す。すなわち、本実施例におけるインクジェットプリンタ10の外殻は、下部ケース11,上部ケース12,アクセスカバー13および排紙トレイ14を含む外装部材と、この外装部材内に収納される図2に示す如きシャシー15とで主要部が構成されている。シャシー15は、所定の剛性を有する複数の板金により構成されてインクジェットプリンタ10の骨格をなし、後述するプリント動作機構を保持するものである。
【0029】
下部ケース11はインクジェットプリンタ10の外殻の略下半部を構成し、上部ケース12はインクジェットプリンタ10の外殻の略上半部を構成している。これら下部および上部ケース11,12を組み合わせることにより、シャシー15を囲む収納空間が形成される中空体構造をなす。
【0030】
排紙トレイ14は、その基端部が下部ケース11に対して旋回自在に保持され、この排紙トレイ14の旋回動作によって下部ケース11の前面部に形成された開口部を開閉し得るようになっている。このため、プリント動作を実行させる際には、排紙トレイ14を前面側へ倒して開口部を開放することにより、ここから紙などのプリント媒体を排出可能とすると共に排出されたプリント媒体を順次積載し得るようになっている。排紙トレイ14には、2枚の補助トレイ14a,14bが収納され、必要に応じてこれら補助トレイ14a,14bを手前に引き出すことにより、プリント媒体の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0031】
アクセスカバー13は、その基端部が上部ケース12に対して旋回自在に保持され、インクジェットプリンタ10の上面部に形成された開口部を開閉し得るようになっている。このアクセスカバー13を開くことにより、インクジェットプリンタ10の内部に収納されたヘッドユニットやインクタンクなどの交換が可能である。
【0032】
上部ケース12の上面後部には、電源スイッチ16およびレジュームスイッチ17が押し下げ可能に設けられると共に、表示用LED18が配されており、電源スイッチ16を押し下げることにより、表示用LED18が点灯してプリント可能であることが表示される。表示用LED18は、その点滅の仕方や色を変化させることにより、インクジェットプリンタ10の使用に際して発生し得る種々のトラブル情報などを表示する機能を併せ持つ。インクジェットプリンタ10の使用に際して発生したトラブルなどが解決された場合、レジュームスイッチ17を押し下げることにより、プリント作業が再開できるようになっている。
【0033】
本実施例におけるインクジェットプリンタ10のプリント動作機構は、プリント媒体を1枚ずつインクジェットプリンタ10内へと自動的に給送する自動給送部19と、この自動給送部19から送出されるプリント媒体を所望のプリント位置へと導き、さらにこのプリント位置から排出部20へとプリント媒体を導く搬送部21と、プリント位置に搬送されたプリント媒体に所定のプリントを行うプリント部と、このプリント部などに対する回復処理を行う回復部22とを具えている。
【0034】
前記プリント部は、キャリッジ案内棒23に沿って移動可能に支持されたキャリッジ24と、このキャリッジ24をキャリッジ案内棒23に沿って走査移動させるキャリッジ駆動機構と、キャリッジ24に着脱可能に搭載されるヘッドユニットとを具えている。
【0035】
キャリッジ駆動機構は、シャシー15に取り付けられた正逆転可能なキャリッジ駆動モータ25と、キャリッジ案内棒23の一端側に配されてキャリッジ駆動モータ25により駆動される駆動歯車26と、この駆動歯車26とキャリッジ案内棒23の一端側にシャシー15に対して回転自在に取り付けられた遊動歯車27とに巻掛けられ、キャリッジ24に連結される歯付きベルト28とで主要部が構成されている。キャリッジ駆動モータ25を作動させることにより、歯付きベルト28を介しキャリッジ24がキャリッジ案内棒23に沿って走査移動するようになっている。
【0036】
ヘッドユニットの主要部を構成するタンクホルダの外観を図3に示し、その反対側から見た外観を図4に示し、本実施例におけるヘッドユニットの断面構造を図5に示し、そのプリントヘッドの外観を破断状態で図6に示す。すなわち、本実施例におけるヘッドユニット29は、走査移動するキャリッジ24に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用しており、インクを貯溜する図示しないインクタンク(図12参照)が搭載されるタンクホルダ30と、このタンクホルダ30がインクタンクを安定して保持できるようにタンクホルダ30に連結される枠状のタンクサポート31と、タンクホルダ30を介してインクタンクから供給されるインクをプリント情報に応じて所定の吐出口32から吐出させるプリントヘッド33とで主要部が構成されている。
【0037】
本実施例におけるインクジェットプリンタ10は、色の濃淡階調を表現可能な高画質のカラープリントを可能とするため、例えば黒色,淡シアン色,淡マゼンタ色,シアン色,マゼンタ色および黄色の各色独立のインクタンクが用意されており、それぞれがヘッドユニット29に対して交換可能に搭載される。
【0038】
本実施例におけるプリントヘッド33は、ヘッド基板34,支持板35,電気配線基板36などを具えている。ヘッド基板34には、個々の吐出口32からインクをそれぞれ吐出するための複数の電気熱変換体37と、各電気熱変換体37に電力を供給する図示しない電気配線とが成膜技術により形成されている。このヘッド基板34の表面側には、電気熱変換体37に対応した複数のインク路と複数の吐出口32とを形成する吐出口板38がフォトリソグラフィ技術によりヘッド基板34の表面に形成され、個々のインク路にインクを供給するためのインク通路39がヘッド基板34の裏面側に開口している。ヘッド基板34は、このヘッド基板34のインク通路39に連通するインク連通路40を形成した支持板35に接着固定されている。支持板35には電気配線基板36が接合され、ヘッド基板34の表面に形成された接続端子41が電気配線基板36に対して電気的に接続される。電気配線基板36は、ヘッド基板34にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、ヘッド基板34に対応する図示しない電気配線と、この電気配線の一端部に位置し、インクジェットプリンタ10側からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子42が形成された端子板43とを有する。
【0039】
インクタンクを着脱可能に保持するタンクホルダ30は、相隔てて対向する一対の側板部30aと、これら一対の側板部30aの間に位置する背板部30bと、この背板部30bの内側面に臨むように一対の側板部30aの間に位置する前板部30cと、この前板部30cと背板部30bと一対の側板部30aとの間に位置する底板部30dと、側板部30a,底板部30d,前板部30cにそれぞれ跨がり、一対の側板部30aの対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部44,45とを具えており、前述したプリントヘッド33の支持板35が底板部30dに取り付けられ、電気配線基板36の端子板43が背板部30bに固定される。第1および第2の仕切り板部44,45は、タンクホルダ30内に保持されるインクタンクの数に合わせて全部で5つ設けられており、本実施例では1つの第1の仕切り板部44を挟んで第2の仕切り板部45が2つずつ側板部30a側に配されており、第1の仕切り板部44とその両側に位置する2つの第2の仕切り板部45とが背板部30bを挟んで端子板43と重なった状態となっている。
【0040】
タンクホルダ30の底板部30dには、インクタンクからプリントヘッド33のインク連通路40に至るインク供給通路46が形成されている。インクタンクと係合するインク供給通路46のインクタンク側の端部には、フィルタ47が装着されており、外部からインク供給通路46内への塵埃の侵入を防止し得るようになっている。このフィルタ47を囲むように、インク供給通路46のインクタンクとの嵌合部分には、シールゴム48が装着され、この嵌合部分からのインクの漏洩や蒸発を防止し得るようになっている。
【0041】
このように、フィルタ47およびシールゴム48などが一体的に組み付けられたタンクホルダ30と、ヘッド基板34,支持板35,電気配線基板36などを有するプリントヘッド33とを接着剤などを介して結合することにより、ヘッドユニット29が構成される。
【0042】
ヘッドユニット29が取り外し可能に搭載するキャリッジ24には、ヘッドユニット29をキャリッジ24の所定の装着位置に保持するためのキャリッジカバー49と、ヘッドユニット29のタンクホルダ30と係合し、ヘッドユニット29を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバー50とが設けられている。さらに詳述すると、このヘッドセットレバー50は、キャリッジ24の上部に図示しないヘッドセットレバー軸に対し旋回可能に取り付けられ、ヘッドユニット29との係合部にはばね付勢される図示しないヘッドセット部材を有し、ばね力によってヘッドユニット29を押圧しつつキャリッジ24に固定する構成となっている。
【0043】
キャリッジ24には、ヘッドユニット29の端子板43が押し当てられるコンタクトFPC(Flexible Print Cable)51が図示しないゴムなどの弾性部材を介して取り付けられ、コンタクトFPC51に形成されたコンタクト部52とヘッドユニット29に設けられた端子板43の外部信号入力端子42とが電気的に接触し、インクジェットプリンタ10の固定側から、プリントのための各種情報の授受やヘッドユニット29への電力の供給などを行い得るようになっている。コンタクトFPC51のコンタクト部52とキャリッジ24との間に介装された図示しない弾性部材の弾性力と、図示しないヘッドセットレバーばねによる押圧力とによって、ヘッドユニット29の端子板43とキャリッジ24側のコンタクトFPC51とが確実に接触するように配慮している。
【0044】
コンタクトFPC51は、キャリッジ24の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続され、可撓性のテープ状FPC53を介してインクジェットプリンタ10の固定側に連結されている。
【0045】
本実施例におけるヘッドユニット29の第1の仕切り板部44は、背板部30から前板部30cに亙って直線的に延在する斜面部44aを有し、背板部30bを挟んで端子板43の中央部を図5中、上下方向に縦断した状態となっている。また、背板部30bから突出する第1の仕切り板部44の突出開始位置は、底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42と同じか、あるいはそれよりも高く(図示例では、端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42よりも高く)設定されている。つまり、底板部30dからの第1の仕切り板部44の最大高さH44は、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも高く設定されている。
【0046】
これに対し、背板部30bから突出する第2の仕切り板部45の突出開始位置は、底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42よりも低く設定されている。つまり、底板部30dからの第2の仕切り板部45の最大高さH45は、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも低く設定されている。本実施例における第2の仕切り板部45は、背板部30bから前板部30cに亙って延在し、背板部30b側、つまり背板部30bと底板部30dとの接合部分に向けて窪んだ一対の斜面部45a,45bを有する。背板部30bとこの背板部30b側の斜面部45aとのなす角は、背板部30bとこの背板部30b側の第1の仕切り板部44の斜面部44aとのなす角よりも小さく、本実施例では底板部30d側の斜面部45bは底板部30dとほぼ平行に設定されている。
【0047】
従って、キャリッジ24にヘッドユニット29を搭載した場合、キャリッジ24のコンタクトFPC51にヘッドユニット29の端子板43が押し付けられ、その反力による前板部30cとの対向方向に沿った背板部30bおよび端子板43の撓みを第1の仕切り板部44によって強力に阻止することができる。この結果、タンクホルダ30を強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、キャリッジ24のコンタクトFPC51のコンタクト部52に対してヘッドユニット29の端子板43の外部信号入力端子42を確実に接触させることができる。
【0048】
なお、第1の仕切り板部44の板厚を第2の仕切り板部45の板厚よりも厚く設定した場合には、上述した第1の仕切り板部44による効果をさらに高めることが可能である。
【0049】
上述した実施例では、タンクホルダ30の第2の仕切り板部45の最大高さH45を、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも低く設定したが、第1の仕切り板部44の最大高さH44とほぼ同じに設定することも可能である。
【0050】
このような本発明によるタンクホルダの他の実施例の外観を図7に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例における第2の仕切り板部45の最大高さH45は、第1の仕切り板部44の最大高さH44とほぼ同じに設定されており、これによって先の実施例よりも背板部30bの剛性をさらに高めることができる。本実施例においても、第2の仕切り板部45は、背板部30bから前板部30cに亙って延在し、背板部30b側に向けて窪んだ一対の斜面部45a,45bを有するため、タンクホルダ30を成形した場合の型抜きを比較的容易に行うことができる。
【0051】
上述した実施例では、第1の仕切り板部44をタンクホルダに1つだけ設けたが、これを複数設けることも可能である。
【0052】
このような本発明によるタンクホルダの別な実施例の外観を図8に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例のタンクホルダ30においては、背板部30bを挟んで端子板43と重なった状態となる3つの仕切り板部のうち、両側の2つを第1の仕切り板部44とし、中央を第2の仕切り板部45としており、これによってタンクホルダ30を成形した場合の型抜きの容易性を確保しつつ背板部30bの剛性をさらなる向上を企図することができる。つまり、型抜きの容易性を損なう第1の仕切り板部44が連続して配列しないように設定することにより、背板部30bの剛性の向上とタンクホルダ30の成形時の型抜き性の確保とを同時に満たすことができる。
【0053】
背板部30bの剛性をさらに高めるため、背板部30bと底板部30cとの境界部分に段部を形成することも有効である。
【0054】
このような本発明によるタンクホルダのさらに他の実施例の外観を図9に示し、そのヘッドユニットの断面構造を図10に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例におけるタンクホルダ30には、背板部30bを挟んで端子板43と重なるように第1および第2の仕切り板部44,45を横切り、背板部30bと底板部30dとに跨がってこれらから突出する中空(ボックス状)の構造を備えた段部54が形成されている。この段部54は、背板部30bから前板部30c側に突出する水平壁部54aと、底板部30dからほぼ垂直に突出する垂直壁部54bとを有し、一対の側板部30aに跨がって延在している。これにより、へッドユニットを画像形成装置に装着する際の電気接続時のコンタクト荷重に対するタンクホルダ及びへッドユニットの撓みを低減することで、前板部30cとの対向方向に沿った背板部30bの撓みに対する剛性を著しく向上させることができる。この段部54は、少なくとも端子板43の裏側部分に形成することが有効である。また、この段部54は、仕切り板部44、45により、複数の部分に分割される構造でもよく、さらに、コンタクト荷重が最も大きくなる電気接続部である端子板43の中央に近い位置にあるほど、この構造を形成する壁の屈曲している部分の肉厚が厚いほど、上述の剛性をさらに高めることができる。これにより、へッドホルダーを画像形成装置に装着する際の電気接続の信頼性を向上させることが可能となる。
【0055】
上述の各実施例に開示された好ましい他の形態としては、電気信号に応じて吐出口からインクを吐出するエネルギー発生手段を備えた記録素子基板と、該記録素子基板へ電気エネルギーを供給するための電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板とを保持固定するとともに複数のインクタンクを着脱自在に装着可能としつつ該インクタンクの装着位置と位置の間に仕切り壁が設けられた支持部材と、を備え、前記支持部材の背面に前記電気配線基板の電気接続部を配する液体吐出へッドにおいて、前記仕切り壁は、支持部材の背面、底面、正面に接続され、少なくとも長さ方向中央部の高さの違う二種類があり、高さの高い方の仕切り壁は、前記電気配線基板の前記接続部の裏面側に位置し、電気接続部の高さ以上の領域に渡って前記支持部材の背面に接続されていることを特徴とするものであってもよい。また、このような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0056】
さらに、上述の高い仕切り壁の上辺は、前記支持部材の背面側から、正面側にかけて直線的な傾斜を有していることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0057】
さらに、上述の高い仕切り壁は2つ以上あって、これら高い仕切り壁間に高さの低い仕切り壁が配設されていることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0058】
さらに、上述の二種類の仕切り壁は、前記支持部材の背面に接続される辺の高さが電気接続部の高さ以上であることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0059】
さらに、上述の高い仕切り壁は、低い仕切り壁よりも厚いことを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備える画像形成装置であってもよい。
【0060】
さらに、上述の支持部材の背面は、インクタンクを装着する側に突出したボックス状の構造が設けられていることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0061】
さらに、上述のボックス状の構造は、複数のインクタンクの装着方向に沿って延在していることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
なお、本発明にかかる画像形成装置の形態としては、コンピュータや光ディスク装置などの情報処理機器の出力端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺染装置、あるいはエッチング装置の形態を採るものなどであっても良く、プリント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や皮革,石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の第1の形態の液体タンクホルダによると、背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として接触面部の最上端に位置する接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで接触面部と重なるように配したので、外部の接点部に液体タンクホルダの接触面部の接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った接触面部の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、接触面部の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、外部の接点部に対して接触面部の接点部を確実に接触させることができる。
【0063】
本発明の第2の形態の液体吐出ヘッドユニットによると、液体タンクホルダの背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで端子板と重なるように配したので、外部の電気接点部に液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、端子板の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、外部の電気接点部に対して端子板の電気接点部を確実に接触させることができる。
【0064】
本発明の第3の形態の画像形成装置によると、液体タンクホルダの背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで端子板と重なるように配したので、ユニット搭載部に液体吐出ヘッドユニットを搭載した場合、ユニット搭載部の端子板に液体吐出ヘッドユニットの端子板が押し付けられ、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、端子板の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、ユニット搭載部の端子板に対して液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を確実に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置をシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施例の外観を表す立体図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタの内部筺体の外観を表す立体図である。
【図3】図1および図2に示したインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの一部を構成するタンクホルダの部分の外観を表す立体図である。
【図4】図3に示したタンクホルダの外観を図3に関して逆方向から見た立体図である。
【図5】図1および図2に示したインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの断面図である。
【図6】図5に示したヘッドユニットに組み付けられるインクジェットヘッドの素子基板の部分の外観を破断状態で表す立体図である。
【図7】本発明による液体タンクホルダの他の実施例の外観を表す立体図である。
【図8】本発明による液体タンクホルダの別な実施例の外観を表す立体図である。
【図9】本発明による液体タンクホルダのさらに別な実施例の外観を表す立体図である。
【図10】図9に示したタンクホルダを有するヘッドユニットの断面図である。
【図11】本発明の対象となったシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの外観を表す立体図である。
【図12】図11に示したヘッドユニットの外観を図11に関して逆方向から見た立体図である。
【図13】図11および図12に示したヘッドユニットの断面図である。
【図14】図11および図12に示したヘッドユニットのタンクホルダの部分の外観を表す立体図である。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ
11 下部ケース
12 上部ケース
13 アクセスカバー
14 排紙トレイ
14a,14b 補助トレイ
15 シャシー
16 電源スイッチ
17 レジュームスイッチ
18 表示用LED
19 自動給送部
20 排出部
21 搬送部
22 回復部
23 キャリッジ案内棒
24 キャリッジ
25 キャリッジ駆動モータ
26 駆動歯車
27 遊動歯車
28 歯付きベルト
29 ヘッドユニット
30 タンクホルダ
30a 側板部
30b 背板部
30c 前板部
30d 底板部
31 タンクサポート
32 吐出口
33 プリントヘッド
34 ヘッド基板
35 支持板
36 電気配線基板
37 電気熱変換体
38 吐出口板
39 インク通路
40 インク連通路
41 接続端子
42 外部信号入力端子
43 端子板
44 第1の仕切り板部
44a 斜面部
45 第2の仕切り板部
45a,45b 斜面部
46 インク供給通路
47 フィルタ
48 シールゴム
49 キャリッジカバー
50 ヘッドセットレバー
51 コンタクトFPC
52 コンタクト部
53 テープ状FPC
54 段部
54a 水平壁部
54b 垂直壁部
H42 底板部から端子板の最上端に位置する外部信号入力端子までの高さ
H44 底板部からの第1の仕切り板部の最大高さ
H45 底板部からの第2の仕切り板部の最大高さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置に関する。
【0002】
なお、本明細書において記述される「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、あるいはエッチングなどのようなプリント媒体の加工を行う場合も包含する。
【0003】
また「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙片のみならず、布帛,樹脂フィルム,金属板,ガラス,セラミックス,木材,皮革などの液体を受容可能なものであり、シート状物体以外の三次元立体、例えば球体や円筒体なども包含する。
【0004】
さらに「液体」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像,模様,パターンなどの形成,エッチングなどのプリント媒体の加工,あるいはインクの処理、例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化に供され得る液体を指し、プリントに関して用いられるあらゆる液体を包含する。
【0005】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、いわゆるノンインパクト方式のプリンタであり、様々な媒体に対する高速プリントが可能であって、しかもプリント時の騒音がほとんど生じないという特徴を有するため、ワードプロセッサやファクシミリあるいは複写機などにおける出力機器として広く用いられている。
【0006】
プリント媒体の搬送方向に対して交差する方向にインクジェットヘッドが走査移動するシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタにおいては、例えば特許文献1に示されるように、走査移動するキャリッジに対してインクジェットヘッドが取り外し可能に搭載される構成を採用したものが多い。
【0007】
このような従来のインクジェットヘッドの外観を図11に示し、その反対側からの外観を図12に示し、その断面構造を図13に示す。すなわち、ヘッドユニット100は、発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクなどの液体を加熱し、その膜沸騰作用により液滴を吐出させる多数の吐出口が形成されたヘッド基板101と、このヘッド基板101の電気熱変換素子に駆動信号などを印加する電気配線基板102と、ヘッドユニット100に対して取り外し可能に搭載される複数(図示例では6個)の液体タンク103を整列状態で保持し、ヘッド基板101に各液体タンク103内に貯溜された液体をそれぞれ供給するための複数の液体供給通路104が形成されたタンクホルダ105と、このタンクホルダ105が液体タンク103を安定して保持できるようにタンクホルダ105に連結される枠状のタンクサポート106などを具えている。電気配線基板102の端子板107には、図13中、二点鎖線で示されるキャリッジのコネクタ108と電気的接続を行うための複数の端子109が整列状態で形成されている。キャリッジのコネクタ108に対して端子板107の端子109が確実に接触するように、タンクホルダ105には3カ所以上の位置決め基準面が設定され、これら位置決め基準面がキャリッジの対応箇所に対して接触し、端子板107がキャリッジのコネクタ108に押し当てられるようになっている。
【0008】
ヘッドユニット100の主要部を構成するタンクホルダ105の部分の外観を図14に示す。タンクホルダ105に形成された液体供給通路104の端部には、外部からの塵埃の侵入を防止するためのフィルタ110がそれぞれ装着され、各フィルタ110の周囲には、液体タンク103を搭載した場合に液体タンク103中の液体が外部に漏洩するのを防止するためのシールゴム111がそれぞれ装着される。隣接するフィルタ110およびシールゴム111の間には、仕切り板部112が形成され、これら仕切り板部112を介して個々の液体タンク103がタンクホルダ105に対して取り外し可能に装着されるようになっている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−19123号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
走査移動するキャリッジに対して取り外し可能に搭載される図11〜図14に示す如き従来のヘッドユニット100においては、キャリッジに設けられたコネクタ108に対してヘッドユニット100側の電気配線基板102の端子109が形成された端子板107を押し当てる必要がある。このため、電気配線基板102の端子板107が配されたヘッドユニット100の背板部113の剛性が低いと、この背板部113が撓んで端子109全体をキャリッジのコネクタ108に対して均一に接触させることができなくなる可能性がある。特に、最近のインクジェットプリンタにおいては、液体タンク103の種類の増加や吐出口の数の増大に伴い、必然的に端子109の数が増大し、これに伴って端子109が配される端子板107の面積も増大する傾向にあり、キャリッジのコネクタ108と特に端子板107の中央部に位置する端子109との接触状態を良好に保つことが困難となりつつある。
【0011】
一方、インクジェットプリンタによって得られる画像の高解像度化への要求を満たすため、吐出口の小径化およびその高密度化が進められている。このように、吐出口を小径化した場合、必然的に吐出口およびこれに続く液体供給通路104が異物によって詰まりやすくなるため、この液体供給通路104を形成するタンクホルダ105を成形するための樹脂材料として、ガラスフィラーなどの強化材を混入したものを採用することが困難となる。繊維状の強化材を混入した樹脂材料にてタンクホルダ105を成形した場合、このタンクホルダ105に何らかの外力、例えばキャリッジの走査に伴う衝撃やヘッドユニット100の着脱に伴う衝撃などが負荷すると、タンクホルダ105を構成する樹脂材料から強化材の一部が欠落し、これが異物となって液体供給通路104や吐出口を目詰まりさせる可能性がある。
【0012】
強化材を含まない樹脂材料は、必然的にその剛性が低下する。例えば、ガラスフィラーを25%添加した樹脂材料に対し、これを全く含まない同じ樹脂材料は、その曲げ弾性率が約1/3も低下してしまう。このため、ガラスフィラーなどの強化材を含まない樹脂材料にて図11〜図14に示す如きタンクホルダ105を成形した場合、特に端子109が形成された端子板107が配されるタンクホルダ105の背板部113の剛性不足は、キャリッジのコネクタ108とヘッドユニット100の端子109との間の良好な電気的接触を実現する上で大きな障害となる。
【0013】
【発明の目的】
本発明の目的は、強化材を含まない樹脂材料にて形成しても、必要な剛性を確保することができる液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、
これら一対の側板部の間に位置する背板部と、
この背板部の外側面に形成されて複数の接点部を有する接触面部と、
この接触面部と反対側の前記背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、
この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、
前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部と
を具え、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容し、前記接触面部の前記複数の接点部が外部の対応する接点部にそれぞれ押し当てられる液体タンクホルダであって、
前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記接触面部の最上端に位置する前記接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記接触面部と重なるように配されていることを特徴とする液体タンクホルダにある。
【0015】
本発明においては、接触面部の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が接触面部の上端以上にあり、外部の接点部に接触面部の接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の接触面部の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0016】
本発明の第2の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体吐出ヘッドと
を具え、前記端子板の前記複数の電気接点部が外部の対応する電気接点部にそれぞれ押し当てられる液体吐出ヘッドユニットであって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする液体吐出ヘッドユニットにある。
【0017】
本発明においては、端子板の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が端子板の上端以上にあり、外部の電気接点部に液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0018】
本発明の第3の形態は、相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体ヘッドと
を具えた液体吐出ヘッドユニットが取り外し可能に搭載されるユニット搭載部と、
このユニット搭載部に設けられて前記液体吐出ヘッドユニットの端子板に形成された電気接点部がそれぞれ押し当てられる電気接点部を有する端子板と
を具え、前記ユニット搭載部の前記端子板側から吐出エネルギー発生部に駆動信号を与えて所定の吐出口から液体を吐出させる画像形成装置であって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする画像形成装置にある。
【0019】
本発明においては、端子板の真後ろに第1の仕切り板部が位置し、その上端位置が端子板の上端以上にあり、ユニット搭載部に液体吐出ヘッドユニットを搭載した場合、ユニット搭載部の端子板に液体吐出ヘッドユニットの端子板が押し付けられ、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みが第1の仕切り板部によって阻止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態による液体タンクホルダにおいて、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として接触面部の最上端に位置する接点部よりも低く設定することが可能である。この場合には、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。同様に、本発明の第2の形態による液体吐出ヘッドユニットまたは第3の形態による画像形成装置において、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部よりも低く設定することが可能である。この場合には、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0021】
あるいは、背板部から突出する第2の仕切り板部の突出開始位置を、底板部を基準として第1の仕切り板部とほぼ同じ高さに設定することが可能である。この場合には、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性をより向上させることができる。
【0022】
第2の仕切り板部が背板部から前板部に亙って延在し、背板部側に向けて窪んだ斜面部を有することが好ましい。これにより、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0023】
第1の仕切り板部が背板部から前板部に亙って直線的に延在する斜面部を有するものであってよい。この場合、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を確実に向上させることができる。
【0024】
第1の仕切り板部の板厚を第2の仕切り板部の板厚よりも厚く設定することが可能である。この場合においても、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を確実に向上させることができる。
【0025】
第1の仕切り板部が複数存在し、これら第1の仕切り板部の間に第2の仕切り板部を介在させることが好ましい。これにより、液体タンクホルダを成形する際の型抜きを容易に行うことができる。
【0026】
背板部を挟んで前記接触面部と重なるように第1および第2の仕切り板部を横切り、背板部と底板部とに跨がってこれらから突出する段部をさらに具えることができる。特に、この段部を一対の側板部に跨がって延在させることにより、前板部との対向方向に沿った背板部の撓みに対する剛性を著しく向上させることができる。
【0027】
【実施例】
本発明による画像形成装置をシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施例について、図1〜図10を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限らず、この明細書に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0028】
本実施例によるインクジェットプリンタの外観を図1に示し、その内部筺体の外観を図2に示す。すなわち、本実施例におけるインクジェットプリンタ10の外殻は、下部ケース11,上部ケース12,アクセスカバー13および排紙トレイ14を含む外装部材と、この外装部材内に収納される図2に示す如きシャシー15とで主要部が構成されている。シャシー15は、所定の剛性を有する複数の板金により構成されてインクジェットプリンタ10の骨格をなし、後述するプリント動作機構を保持するものである。
【0029】
下部ケース11はインクジェットプリンタ10の外殻の略下半部を構成し、上部ケース12はインクジェットプリンタ10の外殻の略上半部を構成している。これら下部および上部ケース11,12を組み合わせることにより、シャシー15を囲む収納空間が形成される中空体構造をなす。
【0030】
排紙トレイ14は、その基端部が下部ケース11に対して旋回自在に保持され、この排紙トレイ14の旋回動作によって下部ケース11の前面部に形成された開口部を開閉し得るようになっている。このため、プリント動作を実行させる際には、排紙トレイ14を前面側へ倒して開口部を開放することにより、ここから紙などのプリント媒体を排出可能とすると共に排出されたプリント媒体を順次積載し得るようになっている。排紙トレイ14には、2枚の補助トレイ14a,14bが収納され、必要に応じてこれら補助トレイ14a,14bを手前に引き出すことにより、プリント媒体の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0031】
アクセスカバー13は、その基端部が上部ケース12に対して旋回自在に保持され、インクジェットプリンタ10の上面部に形成された開口部を開閉し得るようになっている。このアクセスカバー13を開くことにより、インクジェットプリンタ10の内部に収納されたヘッドユニットやインクタンクなどの交換が可能である。
【0032】
上部ケース12の上面後部には、電源スイッチ16およびレジュームスイッチ17が押し下げ可能に設けられると共に、表示用LED18が配されており、電源スイッチ16を押し下げることにより、表示用LED18が点灯してプリント可能であることが表示される。表示用LED18は、その点滅の仕方や色を変化させることにより、インクジェットプリンタ10の使用に際して発生し得る種々のトラブル情報などを表示する機能を併せ持つ。インクジェットプリンタ10の使用に際して発生したトラブルなどが解決された場合、レジュームスイッチ17を押し下げることにより、プリント作業が再開できるようになっている。
【0033】
本実施例におけるインクジェットプリンタ10のプリント動作機構は、プリント媒体を1枚ずつインクジェットプリンタ10内へと自動的に給送する自動給送部19と、この自動給送部19から送出されるプリント媒体を所望のプリント位置へと導き、さらにこのプリント位置から排出部20へとプリント媒体を導く搬送部21と、プリント位置に搬送されたプリント媒体に所定のプリントを行うプリント部と、このプリント部などに対する回復処理を行う回復部22とを具えている。
【0034】
前記プリント部は、キャリッジ案内棒23に沿って移動可能に支持されたキャリッジ24と、このキャリッジ24をキャリッジ案内棒23に沿って走査移動させるキャリッジ駆動機構と、キャリッジ24に着脱可能に搭載されるヘッドユニットとを具えている。
【0035】
キャリッジ駆動機構は、シャシー15に取り付けられた正逆転可能なキャリッジ駆動モータ25と、キャリッジ案内棒23の一端側に配されてキャリッジ駆動モータ25により駆動される駆動歯車26と、この駆動歯車26とキャリッジ案内棒23の一端側にシャシー15に対して回転自在に取り付けられた遊動歯車27とに巻掛けられ、キャリッジ24に連結される歯付きベルト28とで主要部が構成されている。キャリッジ駆動モータ25を作動させることにより、歯付きベルト28を介しキャリッジ24がキャリッジ案内棒23に沿って走査移動するようになっている。
【0036】
ヘッドユニットの主要部を構成するタンクホルダの外観を図3に示し、その反対側から見た外観を図4に示し、本実施例におけるヘッドユニットの断面構造を図5に示し、そのプリントヘッドの外観を破断状態で図6に示す。すなわち、本実施例におけるヘッドユニット29は、走査移動するキャリッジ24に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用しており、インクを貯溜する図示しないインクタンク(図12参照)が搭載されるタンクホルダ30と、このタンクホルダ30がインクタンクを安定して保持できるようにタンクホルダ30に連結される枠状のタンクサポート31と、タンクホルダ30を介してインクタンクから供給されるインクをプリント情報に応じて所定の吐出口32から吐出させるプリントヘッド33とで主要部が構成されている。
【0037】
本実施例におけるインクジェットプリンタ10は、色の濃淡階調を表現可能な高画質のカラープリントを可能とするため、例えば黒色,淡シアン色,淡マゼンタ色,シアン色,マゼンタ色および黄色の各色独立のインクタンクが用意されており、それぞれがヘッドユニット29に対して交換可能に搭載される。
【0038】
本実施例におけるプリントヘッド33は、ヘッド基板34,支持板35,電気配線基板36などを具えている。ヘッド基板34には、個々の吐出口32からインクをそれぞれ吐出するための複数の電気熱変換体37と、各電気熱変換体37に電力を供給する図示しない電気配線とが成膜技術により形成されている。このヘッド基板34の表面側には、電気熱変換体37に対応した複数のインク路と複数の吐出口32とを形成する吐出口板38がフォトリソグラフィ技術によりヘッド基板34の表面に形成され、個々のインク路にインクを供給するためのインク通路39がヘッド基板34の裏面側に開口している。ヘッド基板34は、このヘッド基板34のインク通路39に連通するインク連通路40を形成した支持板35に接着固定されている。支持板35には電気配線基板36が接合され、ヘッド基板34の表面に形成された接続端子41が電気配線基板36に対して電気的に接続される。電気配線基板36は、ヘッド基板34にインクを吐出するための電気信号を印加するためのものであり、ヘッド基板34に対応する図示しない電気配線と、この電気配線の一端部に位置し、インクジェットプリンタ10側からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子42が形成された端子板43とを有する。
【0039】
インクタンクを着脱可能に保持するタンクホルダ30は、相隔てて対向する一対の側板部30aと、これら一対の側板部30aの間に位置する背板部30bと、この背板部30bの内側面に臨むように一対の側板部30aの間に位置する前板部30cと、この前板部30cと背板部30bと一対の側板部30aとの間に位置する底板部30dと、側板部30a,底板部30d,前板部30cにそれぞれ跨がり、一対の側板部30aの対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部44,45とを具えており、前述したプリントヘッド33の支持板35が底板部30dに取り付けられ、電気配線基板36の端子板43が背板部30bに固定される。第1および第2の仕切り板部44,45は、タンクホルダ30内に保持されるインクタンクの数に合わせて全部で5つ設けられており、本実施例では1つの第1の仕切り板部44を挟んで第2の仕切り板部45が2つずつ側板部30a側に配されており、第1の仕切り板部44とその両側に位置する2つの第2の仕切り板部45とが背板部30bを挟んで端子板43と重なった状態となっている。
【0040】
タンクホルダ30の底板部30dには、インクタンクからプリントヘッド33のインク連通路40に至るインク供給通路46が形成されている。インクタンクと係合するインク供給通路46のインクタンク側の端部には、フィルタ47が装着されており、外部からインク供給通路46内への塵埃の侵入を防止し得るようになっている。このフィルタ47を囲むように、インク供給通路46のインクタンクとの嵌合部分には、シールゴム48が装着され、この嵌合部分からのインクの漏洩や蒸発を防止し得るようになっている。
【0041】
このように、フィルタ47およびシールゴム48などが一体的に組み付けられたタンクホルダ30と、ヘッド基板34,支持板35,電気配線基板36などを有するプリントヘッド33とを接着剤などを介して結合することにより、ヘッドユニット29が構成される。
【0042】
ヘッドユニット29が取り外し可能に搭載するキャリッジ24には、ヘッドユニット29をキャリッジ24の所定の装着位置に保持するためのキャリッジカバー49と、ヘッドユニット29のタンクホルダ30と係合し、ヘッドユニット29を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバー50とが設けられている。さらに詳述すると、このヘッドセットレバー50は、キャリッジ24の上部に図示しないヘッドセットレバー軸に対し旋回可能に取り付けられ、ヘッドユニット29との係合部にはばね付勢される図示しないヘッドセット部材を有し、ばね力によってヘッドユニット29を押圧しつつキャリッジ24に固定する構成となっている。
【0043】
キャリッジ24には、ヘッドユニット29の端子板43が押し当てられるコンタクトFPC(Flexible Print Cable)51が図示しないゴムなどの弾性部材を介して取り付けられ、コンタクトFPC51に形成されたコンタクト部52とヘッドユニット29に設けられた端子板43の外部信号入力端子42とが電気的に接触し、インクジェットプリンタ10の固定側から、プリントのための各種情報の授受やヘッドユニット29への電力の供給などを行い得るようになっている。コンタクトFPC51のコンタクト部52とキャリッジ24との間に介装された図示しない弾性部材の弾性力と、図示しないヘッドセットレバーばねによる押圧力とによって、ヘッドユニット29の端子板43とキャリッジ24側のコンタクトFPC51とが確実に接触するように配慮している。
【0044】
コンタクトFPC51は、キャリッジ24の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続され、可撓性のテープ状FPC53を介してインクジェットプリンタ10の固定側に連結されている。
【0045】
本実施例におけるヘッドユニット29の第1の仕切り板部44は、背板部30から前板部30cに亙って直線的に延在する斜面部44aを有し、背板部30bを挟んで端子板43の中央部を図5中、上下方向に縦断した状態となっている。また、背板部30bから突出する第1の仕切り板部44の突出開始位置は、底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42と同じか、あるいはそれよりも高く(図示例では、端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42よりも高く)設定されている。つまり、底板部30dからの第1の仕切り板部44の最大高さH44は、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも高く設定されている。
【0046】
これに対し、背板部30bから突出する第2の仕切り板部45の突出開始位置は、底板部30dを基準として端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42よりも低く設定されている。つまり、底板部30dからの第2の仕切り板部45の最大高さH45は、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも低く設定されている。本実施例における第2の仕切り板部45は、背板部30bから前板部30cに亙って延在し、背板部30b側、つまり背板部30bと底板部30dとの接合部分に向けて窪んだ一対の斜面部45a,45bを有する。背板部30bとこの背板部30b側の斜面部45aとのなす角は、背板部30bとこの背板部30b側の第1の仕切り板部44の斜面部44aとのなす角よりも小さく、本実施例では底板部30d側の斜面部45bは底板部30dとほぼ平行に設定されている。
【0047】
従って、キャリッジ24にヘッドユニット29を搭載した場合、キャリッジ24のコンタクトFPC51にヘッドユニット29の端子板43が押し付けられ、その反力による前板部30cとの対向方向に沿った背板部30bおよび端子板43の撓みを第1の仕切り板部44によって強力に阻止することができる。この結果、タンクホルダ30を強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、キャリッジ24のコンタクトFPC51のコンタクト部52に対してヘッドユニット29の端子板43の外部信号入力端子42を確実に接触させることができる。
【0048】
なお、第1の仕切り板部44の板厚を第2の仕切り板部45の板厚よりも厚く設定した場合には、上述した第1の仕切り板部44による効果をさらに高めることが可能である。
【0049】
上述した実施例では、タンクホルダ30の第2の仕切り板部45の最大高さH45を、底板部30dから端子板43の最上端に位置する外部信号入力端子42までの高さH42よりも低く設定したが、第1の仕切り板部44の最大高さH44とほぼ同じに設定することも可能である。
【0050】
このような本発明によるタンクホルダの他の実施例の外観を図7に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例における第2の仕切り板部45の最大高さH45は、第1の仕切り板部44の最大高さH44とほぼ同じに設定されており、これによって先の実施例よりも背板部30bの剛性をさらに高めることができる。本実施例においても、第2の仕切り板部45は、背板部30bから前板部30cに亙って延在し、背板部30b側に向けて窪んだ一対の斜面部45a,45bを有するため、タンクホルダ30を成形した場合の型抜きを比較的容易に行うことができる。
【0051】
上述した実施例では、第1の仕切り板部44をタンクホルダに1つだけ設けたが、これを複数設けることも可能である。
【0052】
このような本発明によるタンクホルダの別な実施例の外観を図8に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例のタンクホルダ30においては、背板部30bを挟んで端子板43と重なった状態となる3つの仕切り板部のうち、両側の2つを第1の仕切り板部44とし、中央を第2の仕切り板部45としており、これによってタンクホルダ30を成形した場合の型抜きの容易性を確保しつつ背板部30bの剛性をさらなる向上を企図することができる。つまり、型抜きの容易性を損なう第1の仕切り板部44が連続して配列しないように設定することにより、背板部30bの剛性の向上とタンクホルダ30の成形時の型抜き性の確保とを同時に満たすことができる。
【0053】
背板部30bの剛性をさらに高めるため、背板部30bと底板部30cとの境界部分に段部を形成することも有効である。
【0054】
このような本発明によるタンクホルダのさらに他の実施例の外観を図9に示し、そのヘッドユニットの断面構造を図10に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例におけるタンクホルダ30には、背板部30bを挟んで端子板43と重なるように第1および第2の仕切り板部44,45を横切り、背板部30bと底板部30dとに跨がってこれらから突出する中空(ボックス状)の構造を備えた段部54が形成されている。この段部54は、背板部30bから前板部30c側に突出する水平壁部54aと、底板部30dからほぼ垂直に突出する垂直壁部54bとを有し、一対の側板部30aに跨がって延在している。これにより、へッドユニットを画像形成装置に装着する際の電気接続時のコンタクト荷重に対するタンクホルダ及びへッドユニットの撓みを低減することで、前板部30cとの対向方向に沿った背板部30bの撓みに対する剛性を著しく向上させることができる。この段部54は、少なくとも端子板43の裏側部分に形成することが有効である。また、この段部54は、仕切り板部44、45により、複数の部分に分割される構造でもよく、さらに、コンタクト荷重が最も大きくなる電気接続部である端子板43の中央に近い位置にあるほど、この構造を形成する壁の屈曲している部分の肉厚が厚いほど、上述の剛性をさらに高めることができる。これにより、へッドホルダーを画像形成装置に装着する際の電気接続の信頼性を向上させることが可能となる。
【0055】
上述の各実施例に開示された好ましい他の形態としては、電気信号に応じて吐出口からインクを吐出するエネルギー発生手段を備えた記録素子基板と、該記録素子基板へ電気エネルギーを供給するための電気配線基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板とを保持固定するとともに複数のインクタンクを着脱自在に装着可能としつつ該インクタンクの装着位置と位置の間に仕切り壁が設けられた支持部材と、を備え、前記支持部材の背面に前記電気配線基板の電気接続部を配する液体吐出へッドにおいて、前記仕切り壁は、支持部材の背面、底面、正面に接続され、少なくとも長さ方向中央部の高さの違う二種類があり、高さの高い方の仕切り壁は、前記電気配線基板の前記接続部の裏面側に位置し、電気接続部の高さ以上の領域に渡って前記支持部材の背面に接続されていることを特徴とするものであってもよい。また、このような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0056】
さらに、上述の高い仕切り壁の上辺は、前記支持部材の背面側から、正面側にかけて直線的な傾斜を有していることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0057】
さらに、上述の高い仕切り壁は2つ以上あって、これら高い仕切り壁間に高さの低い仕切り壁が配設されていることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0058】
さらに、上述の二種類の仕切り壁は、前記支持部材の背面に接続される辺の高さが電気接続部の高さ以上であることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0059】
さらに、上述の高い仕切り壁は、低い仕切り壁よりも厚いことを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備える画像形成装置であってもよい。
【0060】
さらに、上述の支持部材の背面は、インクタンクを装着する側に突出したボックス状の構造が設けられていることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
【0061】
さらに、上述のボックス状の構造は、複数のインクタンクの装着方向に沿って延在していることを特徴とする液体吐出へッドもしくはこのような液体吐出へッドを備えた画像形成装置であってもよい。
なお、本発明にかかる画像形成装置の形態としては、コンピュータや光ディスク装置などの情報処理機器の出力端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺染装置、あるいはエッチング装置の形態を採るものなどであっても良く、プリント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や皮革,石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の第1の形態の液体タンクホルダによると、背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として接触面部の最上端に位置する接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで接触面部と重なるように配したので、外部の接点部に液体タンクホルダの接触面部の接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った接触面部の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、接触面部の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、外部の接点部に対して接触面部の接点部を確実に接触させることができる。
【0063】
本発明の第2の形態の液体吐出ヘッドユニットによると、液体タンクホルダの背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで端子板と重なるように配したので、外部の電気接点部に液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を押し当てた場合、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、端子板の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、外部の電気接点部に対して端子板の電気接点部を確実に接触させることができる。
【0064】
本発明の第3の形態の画像形成装置によると、液体タンクホルダの背板部から突出する第1の仕切り板部の突出開始位置を底板部を基準として端子板の最上端に位置する電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定し、かつ背板部を挟んで端子板と重なるように配したので、ユニット搭載部に液体吐出ヘッドユニットを搭載した場合、ユニット搭載部の端子板に液体吐出ヘッドユニットの端子板が押し付けられ、その反力による前板部との対向方向に沿った背板部の端子板の撓みを第1の仕切り板部によって強力に阻止することができる。この結果、端子板の面積が大きな場合であっても、また液体タンクホルダを強化材を含まない樹脂材料にて成形した場合であっても、ユニット搭載部の端子板に対して液体吐出ヘッドユニットの端子板の電気接点部を確実に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置をシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施例の外観を表す立体図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリンタの内部筺体の外観を表す立体図である。
【図3】図1および図2に示したインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの一部を構成するタンクホルダの部分の外観を表す立体図である。
【図4】図3に示したタンクホルダの外観を図3に関して逆方向から見た立体図である。
【図5】図1および図2に示したインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの断面図である。
【図6】図5に示したヘッドユニットに組み付けられるインクジェットヘッドの素子基板の部分の外観を破断状態で表す立体図である。
【図7】本発明による液体タンクホルダの他の実施例の外観を表す立体図である。
【図8】本発明による液体タンクホルダの別な実施例の外観を表す立体図である。
【図9】本発明による液体タンクホルダのさらに別な実施例の外観を表す立体図である。
【図10】図9に示したタンクホルダを有するヘッドユニットの断面図である。
【図11】本発明の対象となったシリアルスキャンタイプのインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの外観を表す立体図である。
【図12】図11に示したヘッドユニットの外観を図11に関して逆方向から見た立体図である。
【図13】図11および図12に示したヘッドユニットの断面図である。
【図14】図11および図12に示したヘッドユニットのタンクホルダの部分の外観を表す立体図である。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ
11 下部ケース
12 上部ケース
13 アクセスカバー
14 排紙トレイ
14a,14b 補助トレイ
15 シャシー
16 電源スイッチ
17 レジュームスイッチ
18 表示用LED
19 自動給送部
20 排出部
21 搬送部
22 回復部
23 キャリッジ案内棒
24 キャリッジ
25 キャリッジ駆動モータ
26 駆動歯車
27 遊動歯車
28 歯付きベルト
29 ヘッドユニット
30 タンクホルダ
30a 側板部
30b 背板部
30c 前板部
30d 底板部
31 タンクサポート
32 吐出口
33 プリントヘッド
34 ヘッド基板
35 支持板
36 電気配線基板
37 電気熱変換体
38 吐出口板
39 インク通路
40 インク連通路
41 接続端子
42 外部信号入力端子
43 端子板
44 第1の仕切り板部
44a 斜面部
45 第2の仕切り板部
45a,45b 斜面部
46 インク供給通路
47 フィルタ
48 シールゴム
49 キャリッジカバー
50 ヘッドセットレバー
51 コンタクトFPC
52 コンタクト部
53 テープ状FPC
54 段部
54a 水平壁部
54b 垂直壁部
H42 底板部から端子板の最上端に位置する外部信号入力端子までの高さ
H44 底板部からの第1の仕切り板部の最大高さ
H45 底板部からの第2の仕切り板部の最大高さ
Claims (3)
- 相隔てて対向する一対の側板部と、
これら一対の側板部の間に位置する背板部と、
この背板部の外側面に形成されて複数の接点部を有する接触面部と、
この接触面部と反対側の前記背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、
この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、
前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部と
を具え、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容し、前記接触面部の前記複数の接点部が外部の対応する接点部にそれぞれ押し当てられる液体タンクホルダであって、
前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記接触面部の最上端に位置する前記接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記接触面部と重なるように配されていることを特徴とする液体タンクホルダ。 - 相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体吐出ヘッドと
を具え、前記端子板の前記複数の電気接点部が外部の対応する電気接点部にそれぞれ押し当てられる液体吐出ヘッドユニットであって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする液体吐出ヘッドユニット。 - 相隔てて対向する一対の側板部と、これら一対の側板部の間に位置する背板部と、この背板部の内側面に臨むように前記一対の側板部の間に位置する前板部と、この前板部と前記背板部と前記一対の側板部との間に位置する底板部と、前記側板部,底板部,前板部にそれぞれ跨がり、前記一対の側板部の対向方向に沿って所定間隔で配される第1および第2の仕切り板部とを有し、前記一対の側板部,背板部,前板部,底板部で囲まれた空間内に複数の液体タンクを前記第1および第2の仕切り板部にてそれぞれ仕切られた状態で取り外し可能に収容する液体タンクホルダと、
液体を吐出するための複数の吐出口と、これら吐出口から液体をそれぞれ吐出するための複数の吐出エネルギー発生部と、前記底板部に形成され、前記吐出口と前記液体タンクホルダに収容された液体タンクとに連通して前記液体タンク内に貯溜された液体を前記吐出口側に導くための液体供給通路と、背板部の外側面に設けられ、前記吐出エネルギー発生部を作動させるための複数の電気接点部を含む端子板とを有する液体ヘッドと
を具えた液体吐出ヘッドユニットが取り外し可能に搭載されるユニット搭載部と、
このユニット搭載部に設けられて前記液体吐出ヘッドユニットの端子板に形成された電気接点部がそれぞれ押し当てられる電気接点部を有する端子板と
を具え、前記ユニット搭載部の前記端子板側から吐出エネルギー発生部に駆動信号を与えて所定の吐出口から液体を吐出させる画像形成装置であって、
前記液体タンクホルダの前記背板部から突出する前記第1の仕切り板部の突出開始位置は、前記底板部を基準として前記端子板の最上端に位置する前記電気接点部と同じか、あるいはそれよりも高く設定され、前記背板部を挟んで前記端子板と重なるように配されていることを特徴とする画像形成装置。
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JP2003136548A JP2004338191A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 液体タンクホルダおよびこれを有する液体吐出ヘッドユニットならびに画像形成装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007331120A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Seiko Epson Corp | キャリッジ及び液体噴射装置 |
WO2009142625A1 (en) * | 2008-05-20 | 2009-11-26 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Seal and seal/boss assembly |
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2003
- 2003-05-14 JP JP2003136548A patent/JP2004338191A/ja active Pending
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