JP2004337748A - 金属回収・分離剤、それを用いた金属の回収・分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に金属を分離、回収する方法、およびそれに用いられる分離剤、および分離方法を提供する。また、不純物が存在する水溶液から、目的とする金属成分のみを、他の不純物とを明確に分離できる方法、およびそれに用いられる分離剤を提供する。
【解決手段】金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体が、表面にグラフトされている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
【選択図】なし
【解決手段】金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体が、表面にグラフトされている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の分離・回収方法、およびそれに用いられる金属回収・分離剤に関する。更に詳しくは、本発明は、水溶液中に存在する金属の分離・回収方法、およびそれに用いられる金属回収・分離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場等から排出される廃水中に含まれる有害金属は、有機物と異なり微生物による生分解ができないため、何らかの方法で回収処理する必要がある。また、有用希少金属、例えばウラニウム、ゲルマニウム等は、これらを含む鉱石を一端粉砕後、溶解してイオン化し、他金属から選択的に分離回収することにより精製することが行われている。
【0003】
水溶液中に存在する金属の分離・回収方法から分離するための様々な方法が存在する。例えば、イオン交換膜を用いて金属を回収する方法が知られている。しかし、イオン交換膜は高価であり、廃水処理には採用されていない。また、漏洩事故等の一時的な要求に対応することができない。
【0004】
また別の方法として、ピロジリン酸硫黄化合物の液体重金属捕集剤に代表されるキレート剤を用いて金属イオンを回収する方法が実施されている。しかし、この方法で用いられる化合物は酸性領域では硫化水素を発生させるため、その使用には限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記欠点を解消した新規の金属分離・回収方法を提供するもので、その第一の目的は、簡便に金属を分離、回収する方法、およびそれに用いられる分離剤、および分離方法を提供することを目的とする。本発明の第二の目的は、不純物が存在する水溶液から、目的とする金属成分のみを、他の不純物とを明確に分離できる方法、およびそれに用いられる分離剤を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、金属成分の回収効率が優れている分離剤、および分離方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体が、表面にグラフトされている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤である。
【0007】
金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物は、ビニルイミダゾールであることが好ましい。
【0008】
磁性材料は、酸化鉄であることが好ましい。
【0009】
微粒子の粒径は、10〜1000nmであることが好ましい。
【0010】
本発明は、また、回収すべき金属イオンを含む水溶液に、金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体により、表面が修飾されている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤を混合し、撹拌・混合後、磁石を用いて微粒子を回収することからなる金属の回収・分離方法である。
【0011】
金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物は、ビニルイミダゾールであることが好ましい。
【0012】
磁性材料は、酸化鉄であることが好ましい。
【0013】
微粒子の粒径は、10〜1000nmであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における金属回収・分離剤および金属の分離・回収方法の実施の態様につき説明する。
【0015】
本発明の分離・回収剤は原料として、磁性材料の微粒子を用いる。本発明における磁性材料とは、鉄、チタン、ニッケル、コバルト、カドミニウム、クロム、ジルコニウム等の遷移金属の酸化物で、磁石で磁性を有することのできる化合物をいう。これらの中では、酸化鉄が安価で品質が安定しており、均質な微粒子が得やすいため、最も好ましい。また、磁性微粒子とは、これらの組成からなる微粒子をいうが、特にその形状を規定するものではない。
【0016】
本発発明における微粒子の粒径は、5〜10000nm、好ましくは10〜1000nm、特に15〜300nmの範囲にあると表面積が大きく吸着性能が高いため好ましい。
【0017】
このような磁性微粒子は、例えば米国アルファーエイザー社より得ることができる。
【0018】
本発明で金属とキレートを生成しえるリガンドを有するビニル化合物とは、分子内に水酸基、カルボン酸基、チオール基、アミン基、窒素ヘテロ環、シッフ塩、ケトン基、エステル基、アミド基、アミノポリカルボン酸基およびリン酸基等を挙げることができる。
【0019】
分子内に水酸基、カルボン酸基、チオール基を有するビニル化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルチオール等を挙げることができる。
【0020】
分子内にアミン基、窒素ヘテロ環、シッフ塩を有するビニル化合物としては、例えばビニルピリジン、ビニルピリジン、ビニルアニリン、ビニルチオ尿素、アクリルアマイド、あるいは下記式(1)に記載された化合物等を挙げることができる。
【0021】
【化1】
【0022】
分子内にケトン基、エステル基、アミド基、アミノポリカルボン酸基及びリン酸基を有するビニル化合物としては、例えば、下記(2)式、(3)式あるいは(4)式のビニル化合物等を挙げることができる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
上記金属イオンとのリガンドを有するビニル化合物は重合させた重合体として、磁性微粒子にグラフトされる。
【0027】
リガンドを有するビニル化合物から重合体を製造する方法としては、公知の各種の方法を採用することができる。例えば、エタノール等のアルコール溶媒中にビニル化合物を入れ、アゾイソブチリロニトリル等の重合触媒を添加し、高温下で撹拌することにより重合する方法を採用することができる。
【0028】
本発明で磁性微粒子に修飾するためのビニル化合物の重合体の重合度は、2〜100、好ましくは5〜50、特に好ましくは10〜30の範囲であることが、磁性微粒子の粒径とのバランス上好ましい。
【0029】
上記ビニル化合物の重合体を磁性微粒子に修飾する方法としては、様々な方法が考えられる。例えば、金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物との共重合体を得た後、磁性微粒子の表面を修飾する方法、あるいは金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有し、テロゲンとなり得るものおよびリガンドを有するビニル化合物を用い、テロメリゼーションにより重合体を得た後、磁性微粒子表面を修飾する方法などがあげられるが、これに限るものではない。
【0030】
金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物との共重合体は下記一般式(1)で表すことができる。
【0031】
【化5】一般式(1)
【0032】
一般式(1)において、X1は水素またはメチル基、X2は金属とキレートを形成しえるリガンドを含む基、X3は水素またはメチル基、X4は金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有する基である。また、Y1は開始剤の一次ラジカルあるいは連鎖移動ラジカルなどラジカル重合の開始反応に関与する基であり、Y2は水素もしくはラジカル反応の終点をなす基である。また、aはリガンドを有するビニル化合物の重合体の平均重合度、bは金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物の重合体の平均重合度である。平均重合度は2〜100の範囲が良く、5〜50が好ましく、10〜30が特に好ましい。
【0033】
金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物としては、トリメトキシビニルシラン、エトキシジメトキシビニルシラン、ジエトキシメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、等のビニル基を有するシラン系化合物や(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、等のメタクリル基を有するシラン系化合物、などがある。
【0034】
一般式(1)において、金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物とからなる共重合体はブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいが、ラジカル重合しやすい点からランダム共重合体であることが好ましい。
【0035】
金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有し、テロゲンとなり得るものおよびリガンドを有するビニル化合物を用い、テロメリゼーションにより得る重合体は下記一般式(2)で表すことができる。
【0036】
【化6】一般式(2)
【0037】
一般式(2)において、X1は水素またはメチル基、X2は金属とキレートを形成しえるリガンドを含む基、X3は水素またはメチル基、X4は金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有する基である。また、Z1は水酸基と反応しえる末端基を有しテロゲンとなるものであり、Z2は水素もしくは反応の終点をなす基である。また、cはリガンドを有するビニル化合物の重合体の平均重合度である。平均重合度は2〜100の範囲が良く、5〜50が好ましく、10〜30が特に好ましい。
【0038】
一般式(2)において、リガンドを有するビニル化合物は2種類以上を用いても構わない。その場合、共重合体はブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいが、ラジカル重合しやすい点からランダム共重合体であることが好ましい。
【0039】
重合体で磁性微粒子を修飾する方法としては、まず一般式(1)あるいは一般式(2)で表すことのできる重合体を合成しておき、磁性微粒子を分散させた溶媒中に加え、撹拌することにより、磁性微粒子の表面を修飾する方法を挙げることができる。
【0040】
また、別の方法としては、例えば、まず磁性微粒子を金属酸化物と反応しえる末端を有しテロゲンとなり得る化合物が配合された溶媒中に浸漬して、磁性粒子の表面にこの化合物を被覆する。次ぎに該化合物で被覆された磁性微粒子を、リガンドを有するビニル化合物の重合体を含む媒体に入れ、アゾイソブチリロニトリル等のラジカル開始剤を添加し、高温下で撹拌ですることにより磁性微粒子の表面を重合体で修飾する方法を挙げることができる。
【0041】
本発明の分離・回収剤を用いて廃水から回収可能な金属としては、上記リガンドを有する化合物と好ましくはキレートを生成しうる金属、例えばクロム、ニッケル、ホウ素、カドミウム、バリウム、水銀、鉛、コバルト、マンガン、銅等、また、希少金属として回収可能な金属としては、金、銀、白金、ガリウム、ゲルマニウム、プルトニウム、ウラニウム、ストロンチウム等を挙げることができる。
【0042】
リガントを有するビニル化合物のポリマーとしてポリビニルイミダゾールを用いた場合、このポリマーは銅、亜鉛、カドミニウム、銀、水銀と特異的に配位することが知られている。
【0043】
次ぎに、上記分離・回収剤を用いた本発明の分離・回収方法につき説明する。本発明の方法では、まず、分離回収したい金属イオンを含む溶液に本発明の分離剤を配合し、撹拌する。この場合の溶媒は、水、有機溶媒などいかなる溶媒であっても構わない。この操作により、本発明の分離剤の表面に回収を目的とする金属が吸着され、キレートを形成する。
【0044】
磁性微粒子を用いてバッチ式で金属成分を分離・回収する場合、微粒子は遠心分離操作により固液分離を行ってもよい。別の方法としては、磁性を有する金属板で撹拌することにより金属板に磁性微粒子を吸着させる方法を採用することができる。また他の方法としては、磁性を有する金属製漏斗に必要であれば、ろ紙を敷いて、水溶液をろ過する方法で分離することもできる。吸着分離処理の前に不純物、例えば活性汚泥を構成する菌体等を除去することが好ましい。
【0045】
本発明の分離方法を鉱石から希少金属を分離抽出する方法に応用した場合、磁性微粒子に吸着した金属成分のみ磁力により分離することができる。分離した成分が必要な成分であれば、分離した金属成分を回収すればよい。分離した成分が不必要な成分であれば、残った金属成分を回収すればよい。また、鉱石破砕と微粒子への吸着を同時に行なうことも可能となる。かかる分離・回収方法は従来の磁性微粒子を使用した方法と比べて破砕鉱石片を遠心分離して除去する工程が必要なく、分離・回収操作時間も短縮できる。
【0046】
溶媒としては、水、有機溶媒などの溶媒を使用することができる。例えば、シラン系化合物を介して重合体を修飾した磁性微粒子の場合、アルコールやトルエンなどの有機溶媒を用いることができる。また、pHが3〜10の範囲の水溶液を用いることができる。これは、pH3以下あるいはpH10以上では、ポリマーと磁性微粒子の結合部位が加水分解されやすくなるためである。
【0047】
【発明の効果】
以上のべた本発明の分離・回収剤を用いた本発明の金属の回収・分離方法によれば、分離剤を水溶液に混ぜ、撹拌し、回収操作をするのみであるので、工程が簡単で、簡便に金属を分離、回収することができる。また、キレート剤の金属親和性の特異性を利用して、不純物が存在する水溶液から、目的とする金属成分のみ回収することができる。更に本発明の分離・回収剤は磁性材料を用いているため、その磁性を利用して金属成分の回収効率が優れている分離剤、および分離方法を提供することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を例示することによって、本発明の効果をより一層説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
【0049】
【実施例1】
1−ビニルイミダゾール30mmolと、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)1.5mmolと、開始剤としてアゾシソブチリロニトリル(AIBN)0.33mmolとを蒸留したメタノール30mlに溶解した。溶液を沸点で48時間窒素雰囲気下で反応させた。得られた反応液にジエチルエーテルを添加し、析出した白色物をガラスフィルターを用いて回収した後、真空乾燥した。なお、1H―NMRにより測定した重合度nは18であった。
【0050】
磁性微粒子として、米国アルファーエイザー社の平均粒径が28nmのγ−Fe2O3の微粒子を用いた。この微粒子のBET法で測定した比表面積は、40m2であった。この磁性微粒子をトルエン/メタノール(80:20)溶液に分散させ、この分散液に上記方法で得た重合体を加え、沸点で2日間撹拌し、重合体を磁性微粒子の表面にグラフト化させた。次ぎに反応物を有機溶媒で数回洗浄した後、真空乾燥した。
【0051】
上記シラン化合物付加ポリビニルイミダゾールを磁性微粒子にグラフトしたグラフト化磁性微粒子の、FTS6000スペクトロメーター(バイオラッドラボラトリ−ズ社)による拡散反射赤外フーリエ変換スペクトロスコピー(DRIFTS)で測定した赤外分析結果を図1に示す。グラフト化磁性微粒子では、重合体に由来すると考えられる1496cm−1、1416cm−1、1227cm−1に吸収が見られる。これらの吸収スペクトルは未処理の磁性微粒子には見られないことから、重合体は磁性微粒子にグラフト化されていることを示している。
【0052】
さらにこのポリビニルイミダゾールをグラフト化した磁性微粒子の元素分析をCHN CORDER MT−6分析器(ヤナコ分析機器Inc.)を用いて測定した結果、重合体のグラフト量は、5重量%であった。また、イミダゾール基の表面被覆度は0.44mmol/gであった。透過型電子顕微鏡(TEM)写真(図2)から、磁性微粒子は凝集せずよく分散していることが分かる。
【0053】
《得られた製品の評価1》
グラフト化磁性微粒子は、水、メタノール、エタノール、クロロホルム、およびトルエンに界面活性剤なしで簡単に分散した。また、pHを変えた水溶液での安定性を調べた結果、pH3.5〜10で安定であった。pH3.5以下あるいはpH10以上では、1時間以上水に浸すことによりポリマーの脱離が進行した。
【0054】
【実施例2】
《金属回収性能》
銅は、CuSO45H2O、ニッケルは、NiCl2H2O、コバルトはCoCl26H2Oを脱イオン水に溶解することにより調製した。実施例1の方法で得たグラフト化磁性微粒子を超音波振動器を用いて10mlの金属イオン分散液に分散させた。1時間放置後、懸濁液を遠心分離器により25000rpmで30分間遠心分離し、上澄み液を原子吸光分析により金属濃度を測定することによりグラフト化磁性微粒子による金属イオンの吸着量を求めた。図3に本発明のグラフト化磁性微粒子の銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオンに対する吸着能を示す。金属種により、吸着量が異なり、pH5.3での吸着量は、銅イオン>ニッケルイオン>コバルトイオンであることが判る。また、銅イオンの飽和吸着量を算出した結果、0.11mmol/gであった。銅イオンはイミダゾール基と4配位の錯体を形成しやすいことが知られているが、前述のとおりイミダゾール基による磁性微粒子の表面被覆度は0.44mmol/gであることから、本発明で得られた重合体グラフト化磁性微粒子は、極めて高い効率で銅イオンを捕捉しているといえる。
【0055】
【実施例3】
《金属回収選択性》
10ppmの銅イオンと10ppmのコバルトイオンを含む水溶液中からの金属イオン水溶液を調製した後、水酸化ナトリウム水溶液および塩酸水溶液を用いて金属イオン水溶液のpHを調製した。この水溶液に実施例2と同様に磁性微粒子を分散させ、金属イオンの吸着量を調査した。その結果、図4に示すように、pH3〜7の範囲で、銅イオンを選択的に吸着することが判った。いずれのpHにおいても選択性は90%以上であった。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体(ポリビニルイミダゾール)、未処理の磁性微粒子、重合体グラフト化磁性微粒子の拡散反射赤外吸収スペクトルを示した図
【図2】未処理の磁性微粒子、重合体グラフト化磁性微粒子の透過型電子顕微鏡写真を示した図
【図3】重合体グラフト化磁性微粒子による金属イオンの吸着量を示した図
【図4】重合体グラフト化磁性微粒子による銅イオン・コバルトイオン混合水溶液からの金属イオンの吸着選択性を示した図
【発明の属する技術分野】
本発明は金属の分離・回収方法、およびそれに用いられる金属回収・分離剤に関する。更に詳しくは、本発明は、水溶液中に存在する金属の分離・回収方法、およびそれに用いられる金属回収・分離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
工場等から排出される廃水中に含まれる有害金属は、有機物と異なり微生物による生分解ができないため、何らかの方法で回収処理する必要がある。また、有用希少金属、例えばウラニウム、ゲルマニウム等は、これらを含む鉱石を一端粉砕後、溶解してイオン化し、他金属から選択的に分離回収することにより精製することが行われている。
【0003】
水溶液中に存在する金属の分離・回収方法から分離するための様々な方法が存在する。例えば、イオン交換膜を用いて金属を回収する方法が知られている。しかし、イオン交換膜は高価であり、廃水処理には採用されていない。また、漏洩事故等の一時的な要求に対応することができない。
【0004】
また別の方法として、ピロジリン酸硫黄化合物の液体重金属捕集剤に代表されるキレート剤を用いて金属イオンを回収する方法が実施されている。しかし、この方法で用いられる化合物は酸性領域では硫化水素を発生させるため、その使用には限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記欠点を解消した新規の金属分離・回収方法を提供するもので、その第一の目的は、簡便に金属を分離、回収する方法、およびそれに用いられる分離剤、および分離方法を提供することを目的とする。本発明の第二の目的は、不純物が存在する水溶液から、目的とする金属成分のみを、他の不純物とを明確に分離できる方法、およびそれに用いられる分離剤を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、金属成分の回収効率が優れている分離剤、および分離方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体が、表面にグラフトされている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤である。
【0007】
金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物は、ビニルイミダゾールであることが好ましい。
【0008】
磁性材料は、酸化鉄であることが好ましい。
【0009】
微粒子の粒径は、10〜1000nmであることが好ましい。
【0010】
本発明は、また、回収すべき金属イオンを含む水溶液に、金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体により、表面が修飾されている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤を混合し、撹拌・混合後、磁石を用いて微粒子を回収することからなる金属の回収・分離方法である。
【0011】
金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物は、ビニルイミダゾールであることが好ましい。
【0012】
磁性材料は、酸化鉄であることが好ましい。
【0013】
微粒子の粒径は、10〜1000nmであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明における金属回収・分離剤および金属の分離・回収方法の実施の態様につき説明する。
【0015】
本発明の分離・回収剤は原料として、磁性材料の微粒子を用いる。本発明における磁性材料とは、鉄、チタン、ニッケル、コバルト、カドミニウム、クロム、ジルコニウム等の遷移金属の酸化物で、磁石で磁性を有することのできる化合物をいう。これらの中では、酸化鉄が安価で品質が安定しており、均質な微粒子が得やすいため、最も好ましい。また、磁性微粒子とは、これらの組成からなる微粒子をいうが、特にその形状を規定するものではない。
【0016】
本発発明における微粒子の粒径は、5〜10000nm、好ましくは10〜1000nm、特に15〜300nmの範囲にあると表面積が大きく吸着性能が高いため好ましい。
【0017】
このような磁性微粒子は、例えば米国アルファーエイザー社より得ることができる。
【0018】
本発明で金属とキレートを生成しえるリガンドを有するビニル化合物とは、分子内に水酸基、カルボン酸基、チオール基、アミン基、窒素ヘテロ環、シッフ塩、ケトン基、エステル基、アミド基、アミノポリカルボン酸基およびリン酸基等を挙げることができる。
【0019】
分子内に水酸基、カルボン酸基、チオール基を有するビニル化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルチオール等を挙げることができる。
【0020】
分子内にアミン基、窒素ヘテロ環、シッフ塩を有するビニル化合物としては、例えばビニルピリジン、ビニルピリジン、ビニルアニリン、ビニルチオ尿素、アクリルアマイド、あるいは下記式(1)に記載された化合物等を挙げることができる。
【0021】
【化1】
【0022】
分子内にケトン基、エステル基、アミド基、アミノポリカルボン酸基及びリン酸基を有するビニル化合物としては、例えば、下記(2)式、(3)式あるいは(4)式のビニル化合物等を挙げることができる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
上記金属イオンとのリガンドを有するビニル化合物は重合させた重合体として、磁性微粒子にグラフトされる。
【0027】
リガンドを有するビニル化合物から重合体を製造する方法としては、公知の各種の方法を採用することができる。例えば、エタノール等のアルコール溶媒中にビニル化合物を入れ、アゾイソブチリロニトリル等の重合触媒を添加し、高温下で撹拌することにより重合する方法を採用することができる。
【0028】
本発明で磁性微粒子に修飾するためのビニル化合物の重合体の重合度は、2〜100、好ましくは5〜50、特に好ましくは10〜30の範囲であることが、磁性微粒子の粒径とのバランス上好ましい。
【0029】
上記ビニル化合物の重合体を磁性微粒子に修飾する方法としては、様々な方法が考えられる。例えば、金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物との共重合体を得た後、磁性微粒子の表面を修飾する方法、あるいは金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有し、テロゲンとなり得るものおよびリガンドを有するビニル化合物を用い、テロメリゼーションにより重合体を得た後、磁性微粒子表面を修飾する方法などがあげられるが、これに限るものではない。
【0030】
金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物との共重合体は下記一般式(1)で表すことができる。
【0031】
【化5】一般式(1)
【0032】
一般式(1)において、X1は水素またはメチル基、X2は金属とキレートを形成しえるリガンドを含む基、X3は水素またはメチル基、X4は金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有する基である。また、Y1は開始剤の一次ラジカルあるいは連鎖移動ラジカルなどラジカル重合の開始反応に関与する基であり、Y2は水素もしくはラジカル反応の終点をなす基である。また、aはリガンドを有するビニル化合物の重合体の平均重合度、bは金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物の重合体の平均重合度である。平均重合度は2〜100の範囲が良く、5〜50が好ましく、10〜30が特に好ましい。
【0033】
金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物としては、トリメトキシビニルシラン、エトキシジメトキシビニルシラン、ジエトキシメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、等のビニル基を有するシラン系化合物や(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、等のメタクリル基を有するシラン系化合物、などがある。
【0034】
一般式(1)において、金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有するビニル化合物とリガンドを有するビニル化合物とからなる共重合体はブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいが、ラジカル重合しやすい点からランダム共重合体であることが好ましい。
【0035】
金属酸化物である磁性微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有し、テロゲンとなり得るものおよびリガンドを有するビニル化合物を用い、テロメリゼーションにより得る重合体は下記一般式(2)で表すことができる。
【0036】
【化6】一般式(2)
【0037】
一般式(2)において、X1は水素またはメチル基、X2は金属とキレートを形成しえるリガンドを含む基、X3は水素またはメチル基、X4は金属酸化物微粒子表面の水酸基と反応しえる官能基を有する基である。また、Z1は水酸基と反応しえる末端基を有しテロゲンとなるものであり、Z2は水素もしくは反応の終点をなす基である。また、cはリガンドを有するビニル化合物の重合体の平均重合度である。平均重合度は2〜100の範囲が良く、5〜50が好ましく、10〜30が特に好ましい。
【0038】
一般式(2)において、リガンドを有するビニル化合物は2種類以上を用いても構わない。その場合、共重合体はブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよいが、ラジカル重合しやすい点からランダム共重合体であることが好ましい。
【0039】
重合体で磁性微粒子を修飾する方法としては、まず一般式(1)あるいは一般式(2)で表すことのできる重合体を合成しておき、磁性微粒子を分散させた溶媒中に加え、撹拌することにより、磁性微粒子の表面を修飾する方法を挙げることができる。
【0040】
また、別の方法としては、例えば、まず磁性微粒子を金属酸化物と反応しえる末端を有しテロゲンとなり得る化合物が配合された溶媒中に浸漬して、磁性粒子の表面にこの化合物を被覆する。次ぎに該化合物で被覆された磁性微粒子を、リガンドを有するビニル化合物の重合体を含む媒体に入れ、アゾイソブチリロニトリル等のラジカル開始剤を添加し、高温下で撹拌ですることにより磁性微粒子の表面を重合体で修飾する方法を挙げることができる。
【0041】
本発明の分離・回収剤を用いて廃水から回収可能な金属としては、上記リガンドを有する化合物と好ましくはキレートを生成しうる金属、例えばクロム、ニッケル、ホウ素、カドミウム、バリウム、水銀、鉛、コバルト、マンガン、銅等、また、希少金属として回収可能な金属としては、金、銀、白金、ガリウム、ゲルマニウム、プルトニウム、ウラニウム、ストロンチウム等を挙げることができる。
【0042】
リガントを有するビニル化合物のポリマーとしてポリビニルイミダゾールを用いた場合、このポリマーは銅、亜鉛、カドミニウム、銀、水銀と特異的に配位することが知られている。
【0043】
次ぎに、上記分離・回収剤を用いた本発明の分離・回収方法につき説明する。本発明の方法では、まず、分離回収したい金属イオンを含む溶液に本発明の分離剤を配合し、撹拌する。この場合の溶媒は、水、有機溶媒などいかなる溶媒であっても構わない。この操作により、本発明の分離剤の表面に回収を目的とする金属が吸着され、キレートを形成する。
【0044】
磁性微粒子を用いてバッチ式で金属成分を分離・回収する場合、微粒子は遠心分離操作により固液分離を行ってもよい。別の方法としては、磁性を有する金属板で撹拌することにより金属板に磁性微粒子を吸着させる方法を採用することができる。また他の方法としては、磁性を有する金属製漏斗に必要であれば、ろ紙を敷いて、水溶液をろ過する方法で分離することもできる。吸着分離処理の前に不純物、例えば活性汚泥を構成する菌体等を除去することが好ましい。
【0045】
本発明の分離方法を鉱石から希少金属を分離抽出する方法に応用した場合、磁性微粒子に吸着した金属成分のみ磁力により分離することができる。分離した成分が必要な成分であれば、分離した金属成分を回収すればよい。分離した成分が不必要な成分であれば、残った金属成分を回収すればよい。また、鉱石破砕と微粒子への吸着を同時に行なうことも可能となる。かかる分離・回収方法は従来の磁性微粒子を使用した方法と比べて破砕鉱石片を遠心分離して除去する工程が必要なく、分離・回収操作時間も短縮できる。
【0046】
溶媒としては、水、有機溶媒などの溶媒を使用することができる。例えば、シラン系化合物を介して重合体を修飾した磁性微粒子の場合、アルコールやトルエンなどの有機溶媒を用いることができる。また、pHが3〜10の範囲の水溶液を用いることができる。これは、pH3以下あるいはpH10以上では、ポリマーと磁性微粒子の結合部位が加水分解されやすくなるためである。
【0047】
【発明の効果】
以上のべた本発明の分離・回収剤を用いた本発明の金属の回収・分離方法によれば、分離剤を水溶液に混ぜ、撹拌し、回収操作をするのみであるので、工程が簡単で、簡便に金属を分離、回収することができる。また、キレート剤の金属親和性の特異性を利用して、不純物が存在する水溶液から、目的とする金属成分のみ回収することができる。更に本発明の分離・回収剤は磁性材料を用いているため、その磁性を利用して金属成分の回収効率が優れている分離剤、および分離方法を提供することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を例示することによって、本発明の効果をより一層説明するが、本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではない。
【0049】
【実施例1】
1−ビニルイミダゾール30mmolと、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)1.5mmolと、開始剤としてアゾシソブチリロニトリル(AIBN)0.33mmolとを蒸留したメタノール30mlに溶解した。溶液を沸点で48時間窒素雰囲気下で反応させた。得られた反応液にジエチルエーテルを添加し、析出した白色物をガラスフィルターを用いて回収した後、真空乾燥した。なお、1H―NMRにより測定した重合度nは18であった。
【0050】
磁性微粒子として、米国アルファーエイザー社の平均粒径が28nmのγ−Fe2O3の微粒子を用いた。この微粒子のBET法で測定した比表面積は、40m2であった。この磁性微粒子をトルエン/メタノール(80:20)溶液に分散させ、この分散液に上記方法で得た重合体を加え、沸点で2日間撹拌し、重合体を磁性微粒子の表面にグラフト化させた。次ぎに反応物を有機溶媒で数回洗浄した後、真空乾燥した。
【0051】
上記シラン化合物付加ポリビニルイミダゾールを磁性微粒子にグラフトしたグラフト化磁性微粒子の、FTS6000スペクトロメーター(バイオラッドラボラトリ−ズ社)による拡散反射赤外フーリエ変換スペクトロスコピー(DRIFTS)で測定した赤外分析結果を図1に示す。グラフト化磁性微粒子では、重合体に由来すると考えられる1496cm−1、1416cm−1、1227cm−1に吸収が見られる。これらの吸収スペクトルは未処理の磁性微粒子には見られないことから、重合体は磁性微粒子にグラフト化されていることを示している。
【0052】
さらにこのポリビニルイミダゾールをグラフト化した磁性微粒子の元素分析をCHN CORDER MT−6分析器(ヤナコ分析機器Inc.)を用いて測定した結果、重合体のグラフト量は、5重量%であった。また、イミダゾール基の表面被覆度は0.44mmol/gであった。透過型電子顕微鏡(TEM)写真(図2)から、磁性微粒子は凝集せずよく分散していることが分かる。
【0053】
《得られた製品の評価1》
グラフト化磁性微粒子は、水、メタノール、エタノール、クロロホルム、およびトルエンに界面活性剤なしで簡単に分散した。また、pHを変えた水溶液での安定性を調べた結果、pH3.5〜10で安定であった。pH3.5以下あるいはpH10以上では、1時間以上水に浸すことによりポリマーの脱離が進行した。
【0054】
【実施例2】
《金属回収性能》
銅は、CuSO45H2O、ニッケルは、NiCl2H2O、コバルトはCoCl26H2Oを脱イオン水に溶解することにより調製した。実施例1の方法で得たグラフト化磁性微粒子を超音波振動器を用いて10mlの金属イオン分散液に分散させた。1時間放置後、懸濁液を遠心分離器により25000rpmで30分間遠心分離し、上澄み液を原子吸光分析により金属濃度を測定することによりグラフト化磁性微粒子による金属イオンの吸着量を求めた。図3に本発明のグラフト化磁性微粒子の銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオンに対する吸着能を示す。金属種により、吸着量が異なり、pH5.3での吸着量は、銅イオン>ニッケルイオン>コバルトイオンであることが判る。また、銅イオンの飽和吸着量を算出した結果、0.11mmol/gであった。銅イオンはイミダゾール基と4配位の錯体を形成しやすいことが知られているが、前述のとおりイミダゾール基による磁性微粒子の表面被覆度は0.44mmol/gであることから、本発明で得られた重合体グラフト化磁性微粒子は、極めて高い効率で銅イオンを捕捉しているといえる。
【0055】
【実施例3】
《金属回収選択性》
10ppmの銅イオンと10ppmのコバルトイオンを含む水溶液中からの金属イオン水溶液を調製した後、水酸化ナトリウム水溶液および塩酸水溶液を用いて金属イオン水溶液のpHを調製した。この水溶液に実施例2と同様に磁性微粒子を分散させ、金属イオンの吸着量を調査した。その結果、図4に示すように、pH3〜7の範囲で、銅イオンを選択的に吸着することが判った。いずれのpHにおいても選択性は90%以上であった。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体(ポリビニルイミダゾール)、未処理の磁性微粒子、重合体グラフト化磁性微粒子の拡散反射赤外吸収スペクトルを示した図
【図2】未処理の磁性微粒子、重合体グラフト化磁性微粒子の透過型電子顕微鏡写真を示した図
【図3】重合体グラフト化磁性微粒子による金属イオンの吸着量を示した図
【図4】重合体グラフト化磁性微粒子による銅イオン・コバルトイオン混合水溶液からの金属イオンの吸着選択性を示した図
Claims (8)
- 金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体により、表面が修飾されている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
- 金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物が、ビニルイミダゾールであることを特徴とする請求項1記載の磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
- 磁性材料が、酸化鉄であることを特徴とする請求項1〜2記載の磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
- 微粒子の平均粒径が、5〜10000nmであることを特徴とする請求項1〜3記載の磁性微粒子からなる金属回収・分離剤。
- 回収すべき金属イオンを含む水溶液に、金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物の重合体により、表面が修飾されている磁性微粒子からなる金属回収・分離剤を混合し、撹拌・混合後、磁石を用いて微粒子を回収することからなる金属の回収・分離方法。
- 金属とキレートを生成しうるリガンドを有するビニル化合物が、ビニルイミダゾールであることを特徴とする請求項5記載の磁性微粒子からなる金属の回収・分離方法。
- 磁性材料が、酸化鉄であることを特徴とする請求項5〜6記載の磁性微粒子からなる金属の回収・分離方法。
- 微粒子の粒径が、5〜10000nmであることを特徴とする請求項5〜7記載の磁性微粒子からなる金属の回収・分離方法。
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