JP2004337319A - 繰り上げ式の棒状物収納ケース - Google Patents
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Abstract
【課題】光を利用した多種多様な加飾が得られるようにして、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる繰り上げ式の棒状物収納ケースを提供する。
【解決手段】内周に螺旋溝7が形成された中空筒体状のケース本体2と、ケース本体内に設けられた光源装置11と、上端部がケース本体の上端部から突出されて当該ケース本体内に相対回転可能に設けられ、螺旋溝の形成部分に縦スリット9が形成されるとともに、光源装置の光を透過させる光透過部が形成された中空筒体状のカバー3と、カバー内に上下方向へ相対移動自在に設けられ、縦スリットを貫通して螺旋溝に係合する突起10が形成されるとともに、光源装置の光を透過させる光透過部が形成され、棒状物5を保持する保持体4と、カバーを覆ってケース本体の上端部に着脱可能に装着されるキャップ6とを備えた。
【選択図】 図3
【解決手段】内周に螺旋溝7が形成された中空筒体状のケース本体2と、ケース本体内に設けられた光源装置11と、上端部がケース本体の上端部から突出されて当該ケース本体内に相対回転可能に設けられ、螺旋溝の形成部分に縦スリット9が形成されるとともに、光源装置の光を透過させる光透過部が形成された中空筒体状のカバー3と、カバー内に上下方向へ相対移動自在に設けられ、縦スリットを貫通して螺旋溝に係合する突起10が形成されるとともに、光源装置の光を透過させる光透過部が形成され、棒状物5を保持する保持体4と、カバーを覆ってケース本体の上端部に着脱可能に装着されるキャップ6とを備えた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を利用した多種多様な加飾が得られるようにして、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる繰り上げ式の棒状物収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状物を収納する収納ケースとしては、例えば特許文献1に開示されているように、使用するときには棒状物である口紅を収納ケースから繰り上げ、収納するときには、収納ケース内に繰り下げるようにした繰り上げ式の棒状物収納ケースが知られている。そしてこのような棒状物収納ケースにあっては一般に、そのデザイン性を高めるために、従来からさまざまな方法によって加飾が施されている。例えば、塗装などにより着色したり、スパッタリングなどによって表面処理を行ったり、プレート材や転写シートを用いて平面的あるいは立体的に文字や模様などを施したり、模様などを付した上に透明・半透明の層を重ねたりするなどして、収納ケースの表面に装飾を施すようにしていた。
【0003】
なお、本願出願人は、関連する先行出願として、特願2002−221189号および特願2003−116289号を出願している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−182621号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術で得られる加飾はいずれも、既にありきたりなものであり、装飾を施すという技術面から見ると、限界があった。
【0006】
ここに本発明者は、上述したようなこれまでの加飾技術では考えられていなかった、光源からの光を利用することに着目し、光によって加飾を行うことによって、棒状物収納ケースに、今まで見たことのない美的装飾効果を与え得るとの知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、光を利用した多種多様な加飾が得られるようにして、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる繰り上げ式の棒状物収納ケースを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースは、内周に螺旋溝が形成された中空筒体状のケース本体と、該ケース本体内に設けられた光源装置と、上端部が上記ケース本体の上端部から突出されて当該ケース本体内に相対回転可能に設けられ、上記螺旋溝の形成部分に縦スリットが形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成された中空筒体状のカバーと、該カバー内に上下方向へ相対移動自在に設けられ、上記縦スリットを貫通して上記螺旋溝に係合する突起が形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成され、棒状物を保持する保持体と、上記カバーを覆って上記ケース本体の上端部に着脱可能に装着されるキャップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
ケース本体内に光源装置を設けるとともに、カバーおよび保持体に光透過部を形成するようにしていて、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、当該ケース本体に設けられたカバー、並びに当該カバーに設けられた保持体の光透過部を透過して、それらを照らし出すこととなり、これらカバーや保持体に、光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0010】
また、前記キャップには、前記カバーを透過した前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする。キャップにも光透過部を形成するようにしていて、これによりケース本体にキャップを装着してカバーを覆っていても、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、カバーや保持体の光透過部を介して、キャップの光透過部を照らし出すこととなり、キャップを装着している棒状物の不使用時であっても、光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0011】
また、前記ケース本体には、前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする。ケース本体にも光透過部を形成するようにしていて、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、そのままケース本体の表面を照らし出すこととなり、このようにしても光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0012】
さらに、前記光源装置は、光源と、該光源の発光をコントロールするコントローラと、これらコントローラおよび光源に電力を供給するバッテリとからなることを特徴とする。コントローラで光源の発光をコントロールするようにしていて、これにより視覚的に訴える、光による多種多様な演出効果が得られ、棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾を施すことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1は図1〜図3に示すように、中空円筒体状のケース本体2の内側に、中空円筒体状のカバー3が設けられるとともに、このカバー3の内側に、中空円筒体状の保持体4が設けられ、かつ、この保持体4に、口紅などの棒状物5が保持されることにより概略構成され、そして、ケース本体2の縮径された上端部2aには、カバー3の上部を覆って、キャップ6が着脱可能に装着されるようになっている。
【0014】
図示例にあっては、繰り上げ式の棒状物収納ケース1として、保持体4に、棒状物5として口紅が保持される口紅容器が例示されている。しかしながら、繰り上げ式の棒状物収納ケース1としては、このような口紅容器に限らず、いかなる棒状物5を収納するものであっても良いことはもちろんである。
【0015】
ケース本体2は上下端が開放されて形成され、その内周にはその軸方向である上下方向に、棒状物5の繰り上げ量に対応させて相当の長さにわたって螺旋溝7が形成される。そして、ケース本体2の開放された下端には、リング状の底板8が取り付け取り外し可能に螺着される。カバー3はこれも上下端が開放されて形成され、かつケース本体2より長く形成されて、このケース本体2の内側に相対回転可能に設けられる。そして、カバー3をケース本体2に取り付けた状態では、カバー3の上端部3aがケース本体2の上端部2aから外方へ突出される。また、カバー3がケース本体2に取り囲まれる部分には、螺旋溝7の形成部分に対応させて縦スリット9が形成される。
【0016】
保持体4は、上下方向中央部に仕切り部4aを有し、かつ上下端が開放されて形成され、カバー3の内側に上下方向へ相対移動可能に設けられる。そして、保持体4の下端部外側からは、縦スリット9を貫通して螺旋溝7に係合する突起10が一体に突設される。また、保持体4の仕切り部4a上に、棒状物5が保持される。キャップ6は、上端が閉止された中空円筒体状に形成される。このキャップ6は、ケース本体2の上端部2aに形成されたリブ2bに嵌合されて、ケース本体2に着脱可能に装着される。
【0017】
以上のように構成された本実施形態の繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、図2に示すように棒状物5を収納してキャップ6を装着した状態では、ケース本体2およびキャップ6がその外観を形成し、カバー3および保持体4はその内部に隠蔽される。他方、棒状物5を取り出す際には、キャップ6を取り外してケース本体2とカバー3とを相対回転、例えばケース本体2を右回転することにより、縦スリット9を貫通する保持体4の突起10が螺旋溝7に沿って移動する。すると、図1および図3に示したように保持体4が上方に繰り上げられ、棒状物5がカバー3の上端部3aから突出される。また、棒状物5を収納するときには、ケース本体2とカバー3とを反対方向に相対回転、例えばケース本体2を左回転することにより、突起10が螺旋溝7に沿って逆方向に移動されて保持体4は繰り下げられ、棒状物5がカバー3内に収納される。
【0018】
そして特に、本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、ケース本体2内に光源装置11が設けられるとともに、カバー3および保持体4には、光源装置11の光を透過させる光透過部が形成される。光源装置11は、ケース本体2内を上下移動する保持体4の仕切り部4a下に区画形成される空間部S内に、リング体8上に取り付けて設けられる。
【0019】
この光源装置11は、保持体4およびカバー3、ひいてはケース本体2に周囲を取り囲まれて配置されるRGB光源12と、このRGB光源12の各色の発光量をコントロールするコントローラを構成する電子部品が実装された電子基板13と、これら電子基板13およびこれを介してRGB光源12に電力を供給するボタン型電池などのバッテリ14と、バッテリ14から電子基板13などへの電力供給を断続するスイッチ15とが、これらを上下に積み重ねる配置で取り付けて構成され、リング体8の脱着で部品交換可能とされる。RGB光源12は電子基板13上に直接実装されている。またスイッチ15は、その操作用押しボタン15aがリング板8の孔部8aを介して、下方に露出される。
【0020】
RGB光源12としては、LEDや有機エレクトロルミネセンス(EL)素子など、従来知られている各種のものを採用することができる。コントローラを構成する電子部品には、RGB光源12の発光をコントロールするプログラミングが書き込まれたICチップ等の制御素子が含まれ、スイッチ15によってバッテリ14から電力が供給されることにより、プログラミングに従ってRGB光源12を発光させる。
【0021】
RGB光源12の発光のさせ方としては、例えば全体の発光量を増減させてゆっくりと明滅させながら、この明滅の間に、赤、緑および青の発光割合を順次変化させてさまざまな色合いで発光させたり、あるいは短い時間間隔で明滅させながらそのたびにさまざまな色に変えて発色させるなど、どのようなプログラミングを制御素子に格納してもよい。光源としては、RGB光源12に限らず、単色光の光源であってもよいことはもちろんである。
【0022】
他方、カバー3および保持体4に形成される光透過部については本実施形態にあっては、これらカバー3および保持体4それ自体が無色もしくは有色の、透明あるいは半透明の合成樹脂材で形成されて、全体が光透過部として機能するように構成されている。しかしながら、光透過部については、これらカバー3や保持体4の一部を、光透過性を呈する合成樹脂材やガラス材、クリスタル材などの透光性材料で形成し、残りの部分を遮光性の材料で形成するようにして、これらカバー3等に部分的に形成するようにしてもよい。この場合には例えばインサート成形、すなわちカバー3などを合成樹脂材で射出成形する際に、あらかじめ透光性材料を成形型内に取り付けておき、射出される遮光性の合成樹脂材と一体化するなどの方法で製造すればよい。
【0023】
次に、上記構成を備える本実施形態の繰り上げ式の棒状物収納ケース1の作用について説明する。キャップ6をケース本体2から取り外した状態でスイッチ15を入れると、バッテリ14からRGB光源12や電子基板13に電力が供給され、RGB光源12は、制御素子に書き込まれたプログラミングに従って、明滅などしながら多種多様な色合いや明るさで発光する。このRGB光源12の光は図2に示すように、当該RGB光源12を取り囲む保持体4やカバー3に照射され、これらを透過しつつこれらカバー3等を様々な態様で照らし出す。
【0024】
そして特に、保持体4を繰り上げて棒状物5をケース本体2から突出させると、図3に示すように棒状物5とともに保持体4の仕切り部4aが相当の高さ位置に上昇するので、棒状物5によって光が遮られることが少なくなって、RGB光源12の光は、ケース本体2の上端部2aから突出しているカバー3の上端部3aをより強い光で照らし出すことができる。そして他方、スイッチ15を切ると、RGB光源12は消灯される。
【0025】
このように以上説明した本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、ケース本体2内に光源装置11を設けるとともに、カバー3および保持体4を、透光性を呈するように形成していて、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、当該ケース本体2に設けられたカバー3、並びに当該カバー3に設けられた保持体4を透過して、それらを照らし出すこととなり、これらカバー3や保持体4に、光を利用した多種多様な加飾を施すことができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。
【0026】
また、コントローラでRGB光源12の発光をコントロールするようにしていて、これにより視覚的に訴える、光による多種多様な演出効果が得られ、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾を施すことができる。
【0027】
図4には、キャップ6の変形例が示されている。この変形例にあっては、キャップ6には、カバー3を透過したRGB光源12の光を透過させる光透過部16が形成されている。図示例にあっては、キャップ6の頂面に透光部材17が一体的に設けられている。この透光部材17としては、無色もしくは有色の、透明あるいは半透明の合成樹脂材やガラス材、クリスタル材を用いることができ、これをインサート成形によってキャップ6に組み込むようにすればよい。このような変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用・効果を奏することはもちろんである。
【0028】
特にこの変形例にあっては、ケース本体2にキャップ6を装着してカバー3等を覆っていても、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、カバー3や保持体4を介して、キャップ6の透光部材17を照らし出すこととなり、キャップ6を装着している棒状物5の不使用時であっても光を利用した多種多様な加飾を得ることができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。キャップ6は、その全体を透光性の材料で形成してもよいことはもちろんである。
【0029】
また、ケース本体2に、RGB光源12の光を透過させる光透過部を形成するようにしてもよい。このようにすれば、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、カバー3や保持体4、キャップ6のみならず、そのままケース本体2の表面も照らし出すこととなり、このようにしても光を利用した多種多様な加飾を得ることができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。このケース本体2についても、その全体を透光性の材料で形成してもよいことはもちろんである。
【0030】
【発明の効果】
以上要するに、本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースにあっては、光を利用した多種多様な加飾を得ることができ、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の繰り上げ式の棒状物収納ケースの側断面図である。
【図3】図1の繰り上げ式の棒状物収納ケースで、棒状物を繰り上げた状態を示す一部破断側面図である。
【図4】本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの変形例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 繰り上げ式の棒状物収納ケース 2 ケース本体
3 カバー 4 保持体
5 棒状物 6 キャップ
7 螺旋溝 9 縦スリット
10 突起 11 光源装置
12 RGB光源 13 電子基板
14 バッテリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を利用した多種多様な加飾が得られるようにして、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる繰り上げ式の棒状物収納ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状物を収納する収納ケースとしては、例えば特許文献1に開示されているように、使用するときには棒状物である口紅を収納ケースから繰り上げ、収納するときには、収納ケース内に繰り下げるようにした繰り上げ式の棒状物収納ケースが知られている。そしてこのような棒状物収納ケースにあっては一般に、そのデザイン性を高めるために、従来からさまざまな方法によって加飾が施されている。例えば、塗装などにより着色したり、スパッタリングなどによって表面処理を行ったり、プレート材や転写シートを用いて平面的あるいは立体的に文字や模様などを施したり、模様などを付した上に透明・半透明の層を重ねたりするなどして、収納ケースの表面に装飾を施すようにしていた。
【0003】
なお、本願出願人は、関連する先行出願として、特願2002−221189号および特願2003−116289号を出願している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−182621号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術で得られる加飾はいずれも、既にありきたりなものであり、装飾を施すという技術面から見ると、限界があった。
【0006】
ここに本発明者は、上述したようなこれまでの加飾技術では考えられていなかった、光源からの光を利用することに着目し、光によって加飾を行うことによって、棒状物収納ケースに、今まで見たことのない美的装飾効果を与え得るとの知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、光を利用した多種多様な加飾が得られるようにして、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる繰り上げ式の棒状物収納ケースを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースは、内周に螺旋溝が形成された中空筒体状のケース本体と、該ケース本体内に設けられた光源装置と、上端部が上記ケース本体の上端部から突出されて当該ケース本体内に相対回転可能に設けられ、上記螺旋溝の形成部分に縦スリットが形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成された中空筒体状のカバーと、該カバー内に上下方向へ相対移動自在に設けられ、上記縦スリットを貫通して上記螺旋溝に係合する突起が形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成され、棒状物を保持する保持体と、上記カバーを覆って上記ケース本体の上端部に着脱可能に装着されるキャップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
ケース本体内に光源装置を設けるとともに、カバーおよび保持体に光透過部を形成するようにしていて、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、当該ケース本体に設けられたカバー、並びに当該カバーに設けられた保持体の光透過部を透過して、それらを照らし出すこととなり、これらカバーや保持体に、光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0010】
また、前記キャップには、前記カバーを透過した前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする。キャップにも光透過部を形成するようにしていて、これによりケース本体にキャップを装着してカバーを覆っていても、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、カバーや保持体の光透過部を介して、キャップの光透過部を照らし出すこととなり、キャップを装着している棒状物の不使用時であっても、光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0011】
また、前記ケース本体には、前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする。ケース本体にも光透過部を形成するようにしていて、ケース本体内で発せられる光源装置の光は、そのままケース本体の表面を照らし出すこととなり、このようにしても光を利用した多種多様な加飾を得ることが可能となって、繰り上げ式の棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせ得る。
【0012】
さらに、前記光源装置は、光源と、該光源の発光をコントロールするコントローラと、これらコントローラおよび光源に電力を供給するバッテリとからなることを特徴とする。コントローラで光源の発光をコントロールするようにしていて、これにより視覚的に訴える、光による多種多様な演出効果が得られ、棒状物収納ケースに、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾を施すことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1は図1〜図3に示すように、中空円筒体状のケース本体2の内側に、中空円筒体状のカバー3が設けられるとともに、このカバー3の内側に、中空円筒体状の保持体4が設けられ、かつ、この保持体4に、口紅などの棒状物5が保持されることにより概略構成され、そして、ケース本体2の縮径された上端部2aには、カバー3の上部を覆って、キャップ6が着脱可能に装着されるようになっている。
【0014】
図示例にあっては、繰り上げ式の棒状物収納ケース1として、保持体4に、棒状物5として口紅が保持される口紅容器が例示されている。しかしながら、繰り上げ式の棒状物収納ケース1としては、このような口紅容器に限らず、いかなる棒状物5を収納するものであっても良いことはもちろんである。
【0015】
ケース本体2は上下端が開放されて形成され、その内周にはその軸方向である上下方向に、棒状物5の繰り上げ量に対応させて相当の長さにわたって螺旋溝7が形成される。そして、ケース本体2の開放された下端には、リング状の底板8が取り付け取り外し可能に螺着される。カバー3はこれも上下端が開放されて形成され、かつケース本体2より長く形成されて、このケース本体2の内側に相対回転可能に設けられる。そして、カバー3をケース本体2に取り付けた状態では、カバー3の上端部3aがケース本体2の上端部2aから外方へ突出される。また、カバー3がケース本体2に取り囲まれる部分には、螺旋溝7の形成部分に対応させて縦スリット9が形成される。
【0016】
保持体4は、上下方向中央部に仕切り部4aを有し、かつ上下端が開放されて形成され、カバー3の内側に上下方向へ相対移動可能に設けられる。そして、保持体4の下端部外側からは、縦スリット9を貫通して螺旋溝7に係合する突起10が一体に突設される。また、保持体4の仕切り部4a上に、棒状物5が保持される。キャップ6は、上端が閉止された中空円筒体状に形成される。このキャップ6は、ケース本体2の上端部2aに形成されたリブ2bに嵌合されて、ケース本体2に着脱可能に装着される。
【0017】
以上のように構成された本実施形態の繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、図2に示すように棒状物5を収納してキャップ6を装着した状態では、ケース本体2およびキャップ6がその外観を形成し、カバー3および保持体4はその内部に隠蔽される。他方、棒状物5を取り出す際には、キャップ6を取り外してケース本体2とカバー3とを相対回転、例えばケース本体2を右回転することにより、縦スリット9を貫通する保持体4の突起10が螺旋溝7に沿って移動する。すると、図1および図3に示したように保持体4が上方に繰り上げられ、棒状物5がカバー3の上端部3aから突出される。また、棒状物5を収納するときには、ケース本体2とカバー3とを反対方向に相対回転、例えばケース本体2を左回転することにより、突起10が螺旋溝7に沿って逆方向に移動されて保持体4は繰り下げられ、棒状物5がカバー3内に収納される。
【0018】
そして特に、本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、ケース本体2内に光源装置11が設けられるとともに、カバー3および保持体4には、光源装置11の光を透過させる光透過部が形成される。光源装置11は、ケース本体2内を上下移動する保持体4の仕切り部4a下に区画形成される空間部S内に、リング体8上に取り付けて設けられる。
【0019】
この光源装置11は、保持体4およびカバー3、ひいてはケース本体2に周囲を取り囲まれて配置されるRGB光源12と、このRGB光源12の各色の発光量をコントロールするコントローラを構成する電子部品が実装された電子基板13と、これら電子基板13およびこれを介してRGB光源12に電力を供給するボタン型電池などのバッテリ14と、バッテリ14から電子基板13などへの電力供給を断続するスイッチ15とが、これらを上下に積み重ねる配置で取り付けて構成され、リング体8の脱着で部品交換可能とされる。RGB光源12は電子基板13上に直接実装されている。またスイッチ15は、その操作用押しボタン15aがリング板8の孔部8aを介して、下方に露出される。
【0020】
RGB光源12としては、LEDや有機エレクトロルミネセンス(EL)素子など、従来知られている各種のものを採用することができる。コントローラを構成する電子部品には、RGB光源12の発光をコントロールするプログラミングが書き込まれたICチップ等の制御素子が含まれ、スイッチ15によってバッテリ14から電力が供給されることにより、プログラミングに従ってRGB光源12を発光させる。
【0021】
RGB光源12の発光のさせ方としては、例えば全体の発光量を増減させてゆっくりと明滅させながら、この明滅の間に、赤、緑および青の発光割合を順次変化させてさまざまな色合いで発光させたり、あるいは短い時間間隔で明滅させながらそのたびにさまざまな色に変えて発色させるなど、どのようなプログラミングを制御素子に格納してもよい。光源としては、RGB光源12に限らず、単色光の光源であってもよいことはもちろんである。
【0022】
他方、カバー3および保持体4に形成される光透過部については本実施形態にあっては、これらカバー3および保持体4それ自体が無色もしくは有色の、透明あるいは半透明の合成樹脂材で形成されて、全体が光透過部として機能するように構成されている。しかしながら、光透過部については、これらカバー3や保持体4の一部を、光透過性を呈する合成樹脂材やガラス材、クリスタル材などの透光性材料で形成し、残りの部分を遮光性の材料で形成するようにして、これらカバー3等に部分的に形成するようにしてもよい。この場合には例えばインサート成形、すなわちカバー3などを合成樹脂材で射出成形する際に、あらかじめ透光性材料を成形型内に取り付けておき、射出される遮光性の合成樹脂材と一体化するなどの方法で製造すればよい。
【0023】
次に、上記構成を備える本実施形態の繰り上げ式の棒状物収納ケース1の作用について説明する。キャップ6をケース本体2から取り外した状態でスイッチ15を入れると、バッテリ14からRGB光源12や電子基板13に電力が供給され、RGB光源12は、制御素子に書き込まれたプログラミングに従って、明滅などしながら多種多様な色合いや明るさで発光する。このRGB光源12の光は図2に示すように、当該RGB光源12を取り囲む保持体4やカバー3に照射され、これらを透過しつつこれらカバー3等を様々な態様で照らし出す。
【0024】
そして特に、保持体4を繰り上げて棒状物5をケース本体2から突出させると、図3に示すように棒状物5とともに保持体4の仕切り部4aが相当の高さ位置に上昇するので、棒状物5によって光が遮られることが少なくなって、RGB光源12の光は、ケース本体2の上端部2aから突出しているカバー3の上端部3aをより強い光で照らし出すことができる。そして他方、スイッチ15を切ると、RGB光源12は消灯される。
【0025】
このように以上説明した本実施形態にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケース1にあっては、ケース本体2内に光源装置11を設けるとともに、カバー3および保持体4を、透光性を呈するように形成していて、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、当該ケース本体2に設けられたカバー3、並びに当該カバー3に設けられた保持体4を透過して、それらを照らし出すこととなり、これらカバー3や保持体4に、光を利用した多種多様な加飾を施すことができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。
【0026】
また、コントローラでRGB光源12の発光をコントロールするようにしていて、これにより視覚的に訴える、光による多種多様な演出効果が得られ、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾を施すことができる。
【0027】
図4には、キャップ6の変形例が示されている。この変形例にあっては、キャップ6には、カバー3を透過したRGB光源12の光を透過させる光透過部16が形成されている。図示例にあっては、キャップ6の頂面に透光部材17が一体的に設けられている。この透光部材17としては、無色もしくは有色の、透明あるいは半透明の合成樹脂材やガラス材、クリスタル材を用いることができ、これをインサート成形によってキャップ6に組み込むようにすればよい。このような変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用・効果を奏することはもちろんである。
【0028】
特にこの変形例にあっては、ケース本体2にキャップ6を装着してカバー3等を覆っていても、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、カバー3や保持体4を介して、キャップ6の透光部材17を照らし出すこととなり、キャップ6を装着している棒状物5の不使用時であっても光を利用した多種多様な加飾を得ることができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。キャップ6は、その全体を透光性の材料で形成してもよいことはもちろんである。
【0029】
また、ケース本体2に、RGB光源12の光を透過させる光透過部を形成するようにしてもよい。このようにすれば、ケース本体2内で発せられるRGB光源12の光は、カバー3や保持体4、キャップ6のみならず、そのままケース本体2の表面も照らし出すこととなり、このようにしても光を利用した多種多様な加飾を得ることができて、繰り上げ式の棒状物収納ケース1に、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。このケース本体2についても、その全体を透光性の材料で形成してもよいことはもちろんである。
【0030】
【発明の効果】
以上要するに、本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースにあっては、光を利用した多種多様な加飾を得ることができ、特徴的で固有の雰囲気を醸し出させる美的もしくは斬新で新奇な装飾効果を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の繰り上げ式の棒状物収納ケースの側断面図である。
【図3】図1の繰り上げ式の棒状物収納ケースで、棒状物を繰り上げた状態を示す一部破断側面図である。
【図4】本発明にかかる繰り上げ式の棒状物収納ケースの変形例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 繰り上げ式の棒状物収納ケース 2 ケース本体
3 カバー 4 保持体
5 棒状物 6 キャップ
7 螺旋溝 9 縦スリット
10 突起 11 光源装置
12 RGB光源 13 電子基板
14 バッテリ
Claims (4)
- 内周に螺旋溝が形成された中空筒体状のケース本体と、該ケース本体内に設けられた光源装置と、上端部が上記ケース本体の上端部から突出されて当該ケース本体内に相対回転可能に設けられ、上記螺旋溝の形成部分に縦スリットが形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成された中空筒体状のカバーと、該カバー内に上下方向へ相対移動自在に設けられ、上記縦スリットを貫通して上記螺旋溝に係合する突起が形成されるとともに、上記光源装置の光を透過させる光透過部が形成され、棒状物を保持する保持体と、上記カバーを覆って上記ケース本体の上端部に着脱可能に装着されるキャップとを備えたことを特徴とする繰り上げ式の棒状物収納ケース。
- 前記キャップには、前記カバーを透過した前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の繰り上げ式の棒状物収納ケース。
- 前記ケース本体には、前記光源装置の光を透過させる光透過部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の繰り上げ式の棒状物収納ケース。
- 前記光源装置は、光源と、該光源の発光をコントロールするコントローラと、これらコントローラおよび光源に電力を供給するバッテリとからなることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の繰り上げ式の棒状物収納ケース。
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- 2003-05-14 JP JP2003136606A patent/JP2004337319A/ja active Pending
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