JP2004337219A - 消臭剤及び消臭具 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法で、安全性が高く、製造が容易であり、消臭速度が速く、より詳しくは、硫黄化合物や窒素化合物の各種の臭いを効率よく除去することができ、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭や、これらの臭いを吸着しやすい衣服等、特にスーツやコート等の洗濯しにくい衣服、カーテン等の消臭を可能とする消臭剤や消臭具、消臭方法を提供する。
【解決手段】2つのアシル基を末端に有する特定の化合物を含有する消臭剤であり、水及び/又はエタノール溶液としたものが好ましい。消臭具は、かかる消臭剤を収納した収納体や、かかる消臭剤を担持した担持体を備えたものである。
【解決手段】2つのアシル基を末端に有する特定の化合物を含有する消臭剤であり、水及び/又はエタノール溶液としたものが好ましい。消臭具は、かかる消臭剤を収納した収納体や、かかる消臭剤を担持した担持体を備えたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭等の主因であるメルカプタン等の硫黄化合物や、アミン等の窒素化合物等の臭気を効率よく消臭することができる消臭剤や、これを用いた消臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トイレや生ゴミの臭い、室内臭の主因である硫化水素などの酸性臭気とアンモニアなどのアルカリ性臭気等を効率よく、同時に消臭することができる消臭剤製品として、アルカリ剤を含有する消臭液と酸剤を含有する消臭液とをそれぞれ個別に収納し、かつ、これらを一体的な容器として成形してなるもの(例えば、特許文献1参照。)や、亜鉛化合物が抗菌作用及び消臭作用を有していることから、炭酸亜鉛粒子を水に分散させた消臭剤の分散安定性を図り、人体臭に対して優れた消臭作用等を有する消臭剤(例えば、特許文献2参照。)や、解離指数において特定の関係を有する二種の消臭性有機二塩基酸を用いた消臭剤(例えば、特許文献3参照。)や、次亜塩素酸塩又は次亜塩素酸等を用い、消臭速度を高速にした消臭剤(例えば、特許文献4参照。)が知られている。また、防菌・防臭型の消臭剤としてエタノール又は植物抽出物等を主成分としたものや、フマル酸ジメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチルによる腐敗性廃棄物の防菌・防臭方法(例えば、特許文献5参照。)や、1,4−ジフェニル−2−ブテン−1,4−ジオンを含有し、硫化水素又は有機硫化物に起因する臭気を除去する効果を有する消臭組成物(例えば、特許文献6参照。)等が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−102819号号公報
【特許文献2】
特開2003−52798号公報
【特許文献3】
特開2001−95907号公報
【特許文献4】
特開2001−333968号公報
【特許文献5】
特開平11−21202号公報
【特許文献6】
米国特許第3,972,996号明細書
【0004】
しかしながら、これらの消臭剤は特殊な容器が必要であったり、安全性の点で問題があったり、一種の成分のみの消臭効果しか得られない等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、安全性が高く、製造が容易であり、消臭速度が速く、簡便に消臭することができる消臭剤、より詳しくは、硫黄化合物や窒素化合物の各種の臭いを効率よく除去することができ、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭の消臭や、これらの臭いを吸着しやすい衣服等、特にスーツやコート等の洗濯しにくい衣服や、カーテン等の消臭を可能とする消臭剤や、これを用いた消臭方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題解決のため、鋭意研究の結果、1,2−ジアセチルエチレンが各種悪臭の消臭に有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(I)
【化2】
[式中、R1及びR2は独立して未置換若しくは置換基を有するC1〜C4のアルキル基を表す。]で示される化合物を含有することを特徴とする消臭剤(請求項1)や、水及び/又はエタノール溶液であることを特徴とする請求項1記載の消臭剤(請求項2)や、硫黄化合物及び窒素化合物のうち少なくとも一種の化合物を消臭することができることを特徴とする請求項2又は3記載の消臭剤(請求項3)に関する。
【0008】
また本発明は、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を収納した収納体を備えたことを特徴とする消臭具(請求項4)や、収納体が、容器、袋又はスプレー容器であることを特徴とする請求項4記載の消臭具(請求項5)や、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を担持した担持体を備えたことを特徴とする消臭具(請求項6)や、担持体が、繊維状体又は多孔質体であることを特徴とする請求項6記載の消臭方法(請求項7)や、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を用いることを特徴とする消臭方法(請求項8)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の消臭剤は、一般式(I)[式中、R1及びR2は独立して未置換若しくは置換基を有するC1〜C4のアルキル基を表す。]で示される化合物を含有するものであれば、特に限定されるものではなく、シス型であっても、トランス型であってもよい。一般式(I)におけるR1及びR2としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル、n−ブチル基を挙げることができ、R1及びR2の置換基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基等を挙げることができる。一般式(I)で表される化合物としては、例えば、2,5−ジオン−3−ヘキセン、2,5−ジオン−3−ヘプテン、2,5−ジオン−3−オクテン、2,5−ジオン−3−ノネン、2,5−ジオン−3−デセン、2,6−ジオン−3−ヘプテン、2,6−ジオン−3−オクテン、2,6−ジオン−3−ヘノネン、2,6−ジオン−3−デセン、2,5−ジオン−6−メチル−3−ヘプテン、2,5−ジオン−6,6−ジメチル−3−ヘキセン等を例示することができる。このうち特に、2,5−ジオン−3−ヘキセンを好ましい具体例として挙げることができる。かかる一般式(I)で表される化合物の含有量は特に限定されるものではなく、悪臭の程度により適宜選択することができるが、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは、0.05〜3.0重量%の範囲である。この範囲であれば充分な消臭効果を得ることができ、一般式(I)で表される化合物の過剰な消費を抑制することができる。
【0010】
本発明の消臭剤は錠剤、粉剤、粒剤等の固体状や、ゲル状、溶媒に溶解・分散した液状等であってもよい。液状の消臭剤とする場合、使用する溶媒としては一般式(I)で表される化合物を分散・溶解できる溶媒であればいずれのものも使用することができ、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールや、イソプロピルエーテル、塩化メチレン等の揮発性溶媒を使用することができる。このうち水や、エタノールは安全面でも好ましく、エタノールはそれ自体、蒸発して消臭効果を有し、一般式(I)で表される化合物の揮発を促進させ、取扱いも容易であることから好ましい。特に、水とエタノールの混合溶液が好ましく、エタノールの配合量としては、5〜99.5重量%、好ましくは、10〜50重量%とすることができる。この範囲であると1,2−ジアセチルエチレンの揮発を促進させ充分な消臭効果を得ることができる。また、衣類等に直接スプレーする消臭剤の場合は、繊維を痛めないように揮発、乾燥を容易にするため、エタノールの配合割合を更に多くすることもできる。
【0011】
かかる本発明の液状の消臭剤には低級アルコールや多価アルコール等の可溶化剤や、高温、低温における安定性のための公知の安定化剤や、必要に応じて界面活性剤等を含有させることができる。
【0012】
本発明の消臭剤には、必要に応じて香料を含有させることができ、消臭と同時に芳香を奏するものとすることもできる。かかる香料としては、ミント系香料として、1−カルボン、1−メントン、1−メントールや、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル等の天然精油を挙げることができ、柑橘系香料として、リモネン、シトラール、ジハイドロミセノールや、レモンオイル、オレンジオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイル、ベルガモットオイル、レモングラスオイル等の天然精油を挙げることができる。またハーブ系香料として、メチルサリシレート、チモール、1,8−シネオール、リナロール、シトネロール、ゲラニオール、テルピネオール、カンファーや、ユーカリプタスオイル、ゼラニウムオイル、シトロネラオイル等の天然精油を挙げることができ、ウッディー系香料として、a,b−ピネンや、ヒノキオイル、セダーオイル、パインオイル、ヒバオイル等の天然精油を挙げることができる。
【0013】
その他、本発明の消臭剤に含有させ得る香料としては、例えば、アルコール系香料として、シス−3−ヘキセノール、テトラヒドロリナロール、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、サビネンハイドレート、バクダノール、サンダロール等を挙げることができ、エーテル系香料として、ガラクソリド、ローズオキサイド、リナロールオキサイド、セドランバー、ジベンジルエーテル、アンブロキサン、ジフェニールオキサイド、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル等を挙げることができ、アルデヒド系香料として、シス−3−ヘキセナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ペリラアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオナール、リリアール、バニリン、トリプラール等を挙げることができ、ケトン系香料として、ヨノン、メチルヨノン、トナリド、ムスコン、シクロペンタデカノン、カシュメラン、ダマスコン、ダマセノン、シスジャスモン等を挙げることができ、エステル系香料として、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸ベンジル、酢酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ボルニル、酢酸メンチル、酢酸−p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸−o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル等を挙げることができ、炭化水素系香料として、ジフェニールメタン、ミルセン、サビネン等を挙げることができ、ラクトン系香料として、クマリン、γ−ウンデカラクトン、シクロペンタデカノリド、γ−ノナラクトン等を挙げることができる。
【0014】
上記香料のうち、1−カルボン、ゲラニオール、シトラール、チモール、1,8−シネオール、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、レモングラス、ヒバオイル等抗菌作用を有する香料は、例えば、生ゴミや、衣服等の繊維製品の消臭に使用する場合、生ゴミや、衣服に付着した皮脂・汗成分等に細菌の繁殖を抑制することができ、これらの細菌等の繁殖による悪臭の発生も抑制することができるため、本発明の消臭剤に含有させる香料として好ましい。これらの香料は1種を使用してもよいが、2種以上を混合した調合香料は相乗効果を有するため好ましい。かかる香料の消臭剤中の含有量は必要に応じて適宜選択することができ、例えば、数重量%〜40重量%等とすることができる。
【0015】
本発明の消臭剤は硫黄化合物及び窒素化合物のうち少なくとも一種の化合物を消臭することができる。かかる硫黄化合物としては、硫化水素等の無機化合物や、メルカプタン等の有機化合物を挙げることができ、窒素化合物としては、アンモニア等の無機化合物や、アミン等の有機化合物を挙げることができる。硫黄化合物や窒素化合物は、トイレ臭、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、自動車内臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭等の主因となる化合物であり、本発明の消臭剤によりこれらの悪臭を短時間のうちに効率よく消臭することができる。
【0016】
本発明の消臭剤には、その他、任意成分として、一般式(I)で表される化合物と反応性のない、例えば、防腐・防黴剤、殺菌剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、紫外製吸収剤等を含有させることができる。また、本発明の消臭剤に、一般式(I)で表される化合物と反応性のない他の消臭剤や脱臭剤を含有させることもできる。
【0017】
本発明の消臭具としては、上記本発明の消臭剤を収納した収納体や、上記本発明の消臭剤を担持した担持体を備えたものであれば、特に限定されるものではない。本発明の消臭具に適用される収納体としては、容器、袋又はスプレー容器等を挙げることができる。かかる容器としては、錠剤等の固形剤又は液状の消臭剤を収納可能であって、一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過させ得る容器であればいずれのものであってもよく、例えば、通気孔を設けた蓋を有するものや、開口部を一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過させ得る布、不織布、有孔フィルムで被覆したものや、又は、薬液中に吸い上げ芯を挿入し、毛細管現象により吸い上げて揮散させるものであってもよい。
【0018】
また、上記収納体に適用される袋としては、固形剤の本発明の消臭剤を収納可能であって、一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過可能であればよく、形状、大きさを問わずいずれのものであってもよい。かかる袋の材質としては、天然繊維製の布や不織布、有孔フィルム等いずれのものであってもよい。このような容器や袋を備えた消臭具は、台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等被消臭物の内部や、生ゴミの収納容器の周囲に付置したり、容器や袋に係止手段や、接着剤等の固定手段を設け、被消臭物に付着させて使用することができる。
【0019】
また、本発明の消臭剤の収納体として適用されるスプレー容器としては、内部に収納した液状の消臭剤を噴霧できる容器であれば、いずれのタイプのものも適用することができ、公知のトリガータイプや、ディスペンサータイプ等のもの等いずれのものも適用することができる。このようなスプレー容器を備えた消臭具は、液状の消臭剤を台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等の空間に噴霧し、空気中の臭いを消臭したり、生ゴミ、人体、ペット等臭いの発生源や、衣服、カーテン、壁、床等に液状の消臭剤を霧状にして直接付着させ消臭効果を得るように使用することができる。
【0020】
本発明の消臭具に適用される担持体としては、繊維状体又は多孔質体等を挙げることができる。かかる繊維状体としては、液状の本発明の消臭剤を担持できる布、不織布又は天然繊維や合成繊維の繊維塊等を挙げることができ、多孔質体としては、液状の本発明の消臭剤を担持することができる多孔質セラッミック、合成樹脂製スポンジ等を挙げることができる。これら繊維状体や多孔質体の担持体を備えた消臭具は、繊維状体や多孔質体に液状の消臭剤を吸収させ、台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等被消臭物の内部や、生ゴミの収納容器の周囲に付置したり、これらに係止手段や、接着剤等の固定手段を設け、被消臭物に付着させて消臭効果を奏させて使用することができる。
【0021】
本発明の消臭方法は、上記本発明の消臭剤を用いる方法であれば、特に制限されるものではなく、上記消臭具を用いて消臭する他、液状の消臭剤を被消臭物に塗布したり、また、液状の消臭剤に被消臭物を浸漬させる方法等を挙げることができる。塗布する方法としては、液状の消臭剤をコーター、コーティングナイフ、ブラシ等により、被消臭物、例えば、壁紙、カーテン等に塗布することができる。また、浸漬させる方法としては、液状の消臭剤に被消臭物、例えば、流しで使用する三角コーナ等のゴミ収納容器や、衣服、カーテン等を浸漬させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
参考例1:シス−1,2−ジアセチルエチレンの調製
500mL−4ツ口フラスコに、温度計と滴下ロートを設置し、エタノール300mLに2,5−ジメチルフラン(分子量;96.13)9.61g(0.1mol)を混合し、仕込んだ。マグネチックスターラーで攪拌しながら、それに水150mLに溶解したモノペルオキシフタル酸マグネシウム6水和物(分子量;494.3)24.7g(0.05mol)を室温で30分間で滴下後、そのまま2時間攪拌した。それに重炭酸ナトリウム飽和溶液150mL添加し、塩化メチレン100mLで3回抽出後、水100mLで2回水洗した。無水硫酸マグネシウムで抽出液を乾燥後濃縮し、粗生成物4.29gを得た。これをカラムクロマトグラフ法(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、1.8gの目的物を得た。
【0023】
参考例2:トランス−1,2−ジアセチルエチレンの調製
参考例1において、重炭酸ナトリウムを添加する操作前にジムロート還流冷却器を付け、3時間78℃で還流した。その他は参考例1と同様の操作を行ない、粗生成物5.05gを得たが、トランス体への異性化が完全でなかったので、それにクロロホルム40mLを入れ、ピリジン3.0gを添加し、3日間室温で放置したところ、トランス体と思われる化合物の割合が増加した。水で反応液を3回洗浄し、乾燥後、クロロホルムを留去した。これをカラムクロマトグラフ法(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、2.06gの目的物を得た。
【0024】
実施例:消臭試験
参考例1、2で調製した1,2−ジアセチルエチレンとエタノール及び水の混合溶液を表1に示す割合で混合し、サンプルを調製した。悪臭ガス発生源として、エチルメルカプタン1.9gのメタノール100mL溶液と、イソプロピルアミン1.8gのメタノール100mL溶液を調製した。
3L−テドラーバッグに調製したサンプル1.0gを入れた内径60mmのシャーレを入れ、空気を抜いた後、注射筒により3Lの空気を入れ、その後、上記悪臭ガス発生源の溶液を40μLずつ注入した。悪臭ガスの濃度の経時変化をガス検知管で測定した。測定値から悪臭ガスの残存率を算出した。結果を表1に示す。表中、数値の単位は重量部である。
【0025】
【表1】
【0026】
比較例
TEGO Sorb CONC50(商品名:ゴールドシュミット社製)、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸モノエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−ジブチル、マレイン酸ジアリル、マレイン酸モノエチルを用い、これらとエマルゲン705(商品名:花王株式会社製)0.5mLとエタノール97.5mLとを混合し、溶液を調製し、実施例と同様に消臭試験を行ない、悪臭ガスの経時に伴う残存率を算出した。結果を表2に示す。表中、数値の単位は重量部である。
【0027】
【表2】
【0028】
上記の結果からも、1,2−ジアセチルエチレンは6時間後メルカプタン及びアミンをほとんど消臭できることがわかった。比較例においては、アミンかメルカプタンのいずれも消臭しないか、一方をよく消臭するが、他方を余り消臭しなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の消臭剤やこれを用いた消臭具によれば、安全性が高く、製造が容易であり、消臭速度が速く、簡便に消臭効果を得ることができ、より詳しくは、硫黄化合物や窒素化合物の各種の臭いを効率よく除去することができ、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、自動車内臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭の消臭や、これらの臭いを吸着しやすい衣服等、特にスーツやコート等の洗濯がしにくい衣服や、カーテン等の消臭を効率よく行なうことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭等の主因であるメルカプタン等の硫黄化合物や、アミン等の窒素化合物等の臭気を効率よく消臭することができる消臭剤や、これを用いた消臭方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トイレや生ゴミの臭い、室内臭の主因である硫化水素などの酸性臭気とアンモニアなどのアルカリ性臭気等を効率よく、同時に消臭することができる消臭剤製品として、アルカリ剤を含有する消臭液と酸剤を含有する消臭液とをそれぞれ個別に収納し、かつ、これらを一体的な容器として成形してなるもの(例えば、特許文献1参照。)や、亜鉛化合物が抗菌作用及び消臭作用を有していることから、炭酸亜鉛粒子を水に分散させた消臭剤の分散安定性を図り、人体臭に対して優れた消臭作用等を有する消臭剤(例えば、特許文献2参照。)や、解離指数において特定の関係を有する二種の消臭性有機二塩基酸を用いた消臭剤(例えば、特許文献3参照。)や、次亜塩素酸塩又は次亜塩素酸等を用い、消臭速度を高速にした消臭剤(例えば、特許文献4参照。)が知られている。また、防菌・防臭型の消臭剤としてエタノール又は植物抽出物等を主成分としたものや、フマル酸ジメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチルによる腐敗性廃棄物の防菌・防臭方法(例えば、特許文献5参照。)や、1,4−ジフェニル−2−ブテン−1,4−ジオンを含有し、硫化水素又は有機硫化物に起因する臭気を除去する効果を有する消臭組成物(例えば、特許文献6参照。)等が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−102819号号公報
【特許文献2】
特開2003−52798号公報
【特許文献3】
特開2001−95907号公報
【特許文献4】
特開2001−333968号公報
【特許文献5】
特開平11−21202号公報
【特許文献6】
米国特許第3,972,996号明細書
【0004】
しかしながら、これらの消臭剤は特殊な容器が必要であったり、安全性の点で問題があったり、一種の成分のみの消臭効果しか得られない等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、安全性が高く、製造が容易であり、消臭速度が速く、簡便に消臭することができる消臭剤、より詳しくは、硫黄化合物や窒素化合物の各種の臭いを効率よく除去することができ、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭の消臭や、これらの臭いを吸着しやすい衣服等、特にスーツやコート等の洗濯しにくい衣服や、カーテン等の消臭を可能とする消臭剤や、これを用いた消臭方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題解決のため、鋭意研究の結果、1,2−ジアセチルエチレンが各種悪臭の消臭に有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、一般式(I)
【化2】
[式中、R1及びR2は独立して未置換若しくは置換基を有するC1〜C4のアルキル基を表す。]で示される化合物を含有することを特徴とする消臭剤(請求項1)や、水及び/又はエタノール溶液であることを特徴とする請求項1記載の消臭剤(請求項2)や、硫黄化合物及び窒素化合物のうち少なくとも一種の化合物を消臭することができることを特徴とする請求項2又は3記載の消臭剤(請求項3)に関する。
【0008】
また本発明は、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を収納した収納体を備えたことを特徴とする消臭具(請求項4)や、収納体が、容器、袋又はスプレー容器であることを特徴とする請求項4記載の消臭具(請求項5)や、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を担持した担持体を備えたことを特徴とする消臭具(請求項6)や、担持体が、繊維状体又は多孔質体であることを特徴とする請求項6記載の消臭方法(請求項7)や、請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を用いることを特徴とする消臭方法(請求項8)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の消臭剤は、一般式(I)[式中、R1及びR2は独立して未置換若しくは置換基を有するC1〜C4のアルキル基を表す。]で示される化合物を含有するものであれば、特に限定されるものではなく、シス型であっても、トランス型であってもよい。一般式(I)におけるR1及びR2としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル、n−ブチル基を挙げることができ、R1及びR2の置換基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基等を挙げることができる。一般式(I)で表される化合物としては、例えば、2,5−ジオン−3−ヘキセン、2,5−ジオン−3−ヘプテン、2,5−ジオン−3−オクテン、2,5−ジオン−3−ノネン、2,5−ジオン−3−デセン、2,6−ジオン−3−ヘプテン、2,6−ジオン−3−オクテン、2,6−ジオン−3−ヘノネン、2,6−ジオン−3−デセン、2,5−ジオン−6−メチル−3−ヘプテン、2,5−ジオン−6,6−ジメチル−3−ヘキセン等を例示することができる。このうち特に、2,5−ジオン−3−ヘキセンを好ましい具体例として挙げることができる。かかる一般式(I)で表される化合物の含有量は特に限定されるものではなく、悪臭の程度により適宜選択することができるが、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは、0.05〜3.0重量%の範囲である。この範囲であれば充分な消臭効果を得ることができ、一般式(I)で表される化合物の過剰な消費を抑制することができる。
【0010】
本発明の消臭剤は錠剤、粉剤、粒剤等の固体状や、ゲル状、溶媒に溶解・分散した液状等であってもよい。液状の消臭剤とする場合、使用する溶媒としては一般式(I)で表される化合物を分散・溶解できる溶媒であればいずれのものも使用することができ、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールや、イソプロピルエーテル、塩化メチレン等の揮発性溶媒を使用することができる。このうち水や、エタノールは安全面でも好ましく、エタノールはそれ自体、蒸発して消臭効果を有し、一般式(I)で表される化合物の揮発を促進させ、取扱いも容易であることから好ましい。特に、水とエタノールの混合溶液が好ましく、エタノールの配合量としては、5〜99.5重量%、好ましくは、10〜50重量%とすることができる。この範囲であると1,2−ジアセチルエチレンの揮発を促進させ充分な消臭効果を得ることができる。また、衣類等に直接スプレーする消臭剤の場合は、繊維を痛めないように揮発、乾燥を容易にするため、エタノールの配合割合を更に多くすることもできる。
【0011】
かかる本発明の液状の消臭剤には低級アルコールや多価アルコール等の可溶化剤や、高温、低温における安定性のための公知の安定化剤や、必要に応じて界面活性剤等を含有させることができる。
【0012】
本発明の消臭剤には、必要に応じて香料を含有させることができ、消臭と同時に芳香を奏するものとすることもできる。かかる香料としては、ミント系香料として、1−カルボン、1−メントン、1−メントールや、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル等の天然精油を挙げることができ、柑橘系香料として、リモネン、シトラール、ジハイドロミセノールや、レモンオイル、オレンジオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイル、ベルガモットオイル、レモングラスオイル等の天然精油を挙げることができる。またハーブ系香料として、メチルサリシレート、チモール、1,8−シネオール、リナロール、シトネロール、ゲラニオール、テルピネオール、カンファーや、ユーカリプタスオイル、ゼラニウムオイル、シトロネラオイル等の天然精油を挙げることができ、ウッディー系香料として、a,b−ピネンや、ヒノキオイル、セダーオイル、パインオイル、ヒバオイル等の天然精油を挙げることができる。
【0013】
その他、本発明の消臭剤に含有させ得る香料としては、例えば、アルコール系香料として、シス−3−ヘキセノール、テトラヒドロリナロール、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、サビネンハイドレート、バクダノール、サンダロール等を挙げることができ、エーテル系香料として、ガラクソリド、ローズオキサイド、リナロールオキサイド、セドランバー、ジベンジルエーテル、アンブロキサン、ジフェニールオキサイド、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル等を挙げることができ、アルデヒド系香料として、シス−3−ヘキセナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ペリラアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオナール、リリアール、バニリン、トリプラール等を挙げることができ、ケトン系香料として、ヨノン、メチルヨノン、トナリド、ムスコン、シクロペンタデカノン、カシュメラン、ダマスコン、ダマセノン、シスジャスモン等を挙げることができ、エステル系香料として、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸ベンジル、酢酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ボルニル、酢酸メンチル、酢酸−p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸−o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル等を挙げることができ、炭化水素系香料として、ジフェニールメタン、ミルセン、サビネン等を挙げることができ、ラクトン系香料として、クマリン、γ−ウンデカラクトン、シクロペンタデカノリド、γ−ノナラクトン等を挙げることができる。
【0014】
上記香料のうち、1−カルボン、ゲラニオール、シトラール、チモール、1,8−シネオール、ペパーミントオイル、スペアミントオイル、レモングラス、ヒバオイル等抗菌作用を有する香料は、例えば、生ゴミや、衣服等の繊維製品の消臭に使用する場合、生ゴミや、衣服に付着した皮脂・汗成分等に細菌の繁殖を抑制することができ、これらの細菌等の繁殖による悪臭の発生も抑制することができるため、本発明の消臭剤に含有させる香料として好ましい。これらの香料は1種を使用してもよいが、2種以上を混合した調合香料は相乗効果を有するため好ましい。かかる香料の消臭剤中の含有量は必要に応じて適宜選択することができ、例えば、数重量%〜40重量%等とすることができる。
【0015】
本発明の消臭剤は硫黄化合物及び窒素化合物のうち少なくとも一種の化合物を消臭することができる。かかる硫黄化合物としては、硫化水素等の無機化合物や、メルカプタン等の有機化合物を挙げることができ、窒素化合物としては、アンモニア等の無機化合物や、アミン等の有機化合物を挙げることができる。硫黄化合物や窒素化合物は、トイレ臭、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、自動車内臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭等の主因となる化合物であり、本発明の消臭剤によりこれらの悪臭を短時間のうちに効率よく消臭することができる。
【0016】
本発明の消臭剤には、その他、任意成分として、一般式(I)で表される化合物と反応性のない、例えば、防腐・防黴剤、殺菌剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、紫外製吸収剤等を含有させることができる。また、本発明の消臭剤に、一般式(I)で表される化合物と反応性のない他の消臭剤や脱臭剤を含有させることもできる。
【0017】
本発明の消臭具としては、上記本発明の消臭剤を収納した収納体や、上記本発明の消臭剤を担持した担持体を備えたものであれば、特に限定されるものではない。本発明の消臭具に適用される収納体としては、容器、袋又はスプレー容器等を挙げることができる。かかる容器としては、錠剤等の固形剤又は液状の消臭剤を収納可能であって、一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過させ得る容器であればいずれのものであってもよく、例えば、通気孔を設けた蓋を有するものや、開口部を一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過させ得る布、不織布、有孔フィルムで被覆したものや、又は、薬液中に吸い上げ芯を挿入し、毛細管現象により吸い上げて揮散させるものであってもよい。
【0018】
また、上記収納体に適用される袋としては、固形剤の本発明の消臭剤を収納可能であって、一般式(I)で表される化合物の蒸気を透過可能であればよく、形状、大きさを問わずいずれのものであってもよい。かかる袋の材質としては、天然繊維製の布や不織布、有孔フィルム等いずれのものであってもよい。このような容器や袋を備えた消臭具は、台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等被消臭物の内部や、生ゴミの収納容器の周囲に付置したり、容器や袋に係止手段や、接着剤等の固定手段を設け、被消臭物に付着させて使用することができる。
【0019】
また、本発明の消臭剤の収納体として適用されるスプレー容器としては、内部に収納した液状の消臭剤を噴霧できる容器であれば、いずれのタイプのものも適用することができ、公知のトリガータイプや、ディスペンサータイプ等のもの等いずれのものも適用することができる。このようなスプレー容器を備えた消臭具は、液状の消臭剤を台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等の空間に噴霧し、空気中の臭いを消臭したり、生ゴミ、人体、ペット等臭いの発生源や、衣服、カーテン、壁、床等に液状の消臭剤を霧状にして直接付着させ消臭効果を得るように使用することができる。
【0020】
本発明の消臭具に適用される担持体としては、繊維状体又は多孔質体等を挙げることができる。かかる繊維状体としては、液状の本発明の消臭剤を担持できる布、不織布又は天然繊維や合成繊維の繊維塊等を挙げることができ、多孔質体としては、液状の本発明の消臭剤を担持することができる多孔質セラッミック、合成樹脂製スポンジ等を挙げることができる。これら繊維状体や多孔質体の担持体を備えた消臭具は、繊維状体や多孔質体に液状の消臭剤を吸収させ、台所、冷蔵庫、部屋、トイレ、自動車等被消臭物の内部や、生ゴミの収納容器の周囲に付置したり、これらに係止手段や、接着剤等の固定手段を設け、被消臭物に付着させて消臭効果を奏させて使用することができる。
【0021】
本発明の消臭方法は、上記本発明の消臭剤を用いる方法であれば、特に制限されるものではなく、上記消臭具を用いて消臭する他、液状の消臭剤を被消臭物に塗布したり、また、液状の消臭剤に被消臭物を浸漬させる方法等を挙げることができる。塗布する方法としては、液状の消臭剤をコーター、コーティングナイフ、ブラシ等により、被消臭物、例えば、壁紙、カーテン等に塗布することができる。また、浸漬させる方法としては、液状の消臭剤に被消臭物、例えば、流しで使用する三角コーナ等のゴミ収納容器や、衣服、カーテン等を浸漬させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
参考例1:シス−1,2−ジアセチルエチレンの調製
500mL−4ツ口フラスコに、温度計と滴下ロートを設置し、エタノール300mLに2,5−ジメチルフラン(分子量;96.13)9.61g(0.1mol)を混合し、仕込んだ。マグネチックスターラーで攪拌しながら、それに水150mLに溶解したモノペルオキシフタル酸マグネシウム6水和物(分子量;494.3)24.7g(0.05mol)を室温で30分間で滴下後、そのまま2時間攪拌した。それに重炭酸ナトリウム飽和溶液150mL添加し、塩化メチレン100mLで3回抽出後、水100mLで2回水洗した。無水硫酸マグネシウムで抽出液を乾燥後濃縮し、粗生成物4.29gを得た。これをカラムクロマトグラフ法(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、1.8gの目的物を得た。
【0023】
参考例2:トランス−1,2−ジアセチルエチレンの調製
参考例1において、重炭酸ナトリウムを添加する操作前にジムロート還流冷却器を付け、3時間78℃で還流した。その他は参考例1と同様の操作を行ない、粗生成物5.05gを得たが、トランス体への異性化が完全でなかったので、それにクロロホルム40mLを入れ、ピリジン3.0gを添加し、3日間室温で放置したところ、トランス体と思われる化合物の割合が増加した。水で反応液を3回洗浄し、乾燥後、クロロホルムを留去した。これをカラムクロマトグラフ法(移動相;n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、2.06gの目的物を得た。
【0024】
実施例:消臭試験
参考例1、2で調製した1,2−ジアセチルエチレンとエタノール及び水の混合溶液を表1に示す割合で混合し、サンプルを調製した。悪臭ガス発生源として、エチルメルカプタン1.9gのメタノール100mL溶液と、イソプロピルアミン1.8gのメタノール100mL溶液を調製した。
3L−テドラーバッグに調製したサンプル1.0gを入れた内径60mmのシャーレを入れ、空気を抜いた後、注射筒により3Lの空気を入れ、その後、上記悪臭ガス発生源の溶液を40μLずつ注入した。悪臭ガスの濃度の経時変化をガス検知管で測定した。測定値から悪臭ガスの残存率を算出した。結果を表1に示す。表中、数値の単位は重量部である。
【0025】
【表1】
【0026】
比較例
TEGO Sorb CONC50(商品名:ゴールドシュミット社製)、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸モノエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−ジブチル、マレイン酸ジアリル、マレイン酸モノエチルを用い、これらとエマルゲン705(商品名:花王株式会社製)0.5mLとエタノール97.5mLとを混合し、溶液を調製し、実施例と同様に消臭試験を行ない、悪臭ガスの経時に伴う残存率を算出した。結果を表2に示す。表中、数値の単位は重量部である。
【0027】
【表2】
【0028】
上記の結果からも、1,2−ジアセチルエチレンは6時間後メルカプタン及びアミンをほとんど消臭できることがわかった。比較例においては、アミンかメルカプタンのいずれも消臭しないか、一方をよく消臭するが、他方を余り消臭しなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の消臭剤やこれを用いた消臭具によれば、安全性が高く、製造が容易であり、消臭速度が速く、簡便に消臭効果を得ることができ、より詳しくは、硫黄化合物や窒素化合物の各種の臭いを効率よく除去することができ、生ゴミ臭、台所臭、冷蔵庫内臭、室内臭、トイレ臭、自動車内臭、人体臭、ペット臭、ペットの糞尿臭の消臭や、これらの臭いを吸着しやすい衣服等、特にスーツやコート等の洗濯がしにくい衣服や、カーテン等の消臭を効率よく行なうことができる。
Claims (8)
- 水及び/又はエタノール溶液であることを特徴とする請求項1記載の消臭剤。
- 硫黄化合物及び窒素化合物のうち少なくとも一種の化合物を消臭することができることを特徴とする請求項2又は3記載の消臭剤。
- 請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を収納した収納体を備えたことを特徴とする消臭具。
- 収納体が、容器、袋又はスプレー容器であることを特徴とする請求項4記載の消臭具。
- 請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を担持した担持体を備えたことを特徴とする消臭具。
- 担持体が、繊維状体又は多孔質体であることを特徴とする請求項6記載の消臭方法。
- 請求項1〜3のいずれか記載の消臭剤を用いることを特徴とする消臭方法。
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JP2007231132A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Dainippon Ink & Chem Inc | 有機硫黄組成物、その製造方法及び有機硫黄化合物からの硫化水素の除去方法 |
JP2007289221A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Kao Corp | 消臭剤組成物 |
US10898602B2 (en) * | 2019-01-29 | 2021-01-26 | James Allen Kodak | Alcohol vapor deodorization system |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134404A patent/JP2004337219A/ja active Pending
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