JP2004337040A - 植木用容器、及びこれの製作用素材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製作用素材は、セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えて成り、使用時において水を加えることにより造形用のスラリー状混合物ができるようにしている。植木用容器は、セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えたものに、水を加えてできた造形用のスラリー状混合物を、植栽用凹部を有する形状に形成し、乾燥させた後にセメントのアルカリ成分を除去して成るものとしている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、植木用容器(鉢、プランター、植栽用凹部を有するボード等)、及びこれの製作用素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉢等を自分で作る方法としては、既に古紙とセメントとを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記方法は、古紙を水に浸した後ミキサー等でかき混ぜて溶かし、この溶かしたものにセメントを混ぜ合わせたスラリー状のものを、スプーン等の利器ですくいとり、鉢の形状に構築するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−68435号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の製作用素材を利用した方法で植木用容器を製作する場合、古紙をミキサー等で溶かすのに家庭用のミキサーではごく少量しかできないと共に手間がかかり、手でちぎると指先や手首にかなり負担がかかる上、水分を含んだ古紙とセメントを混ぜ合わせるのにかなりの体力が必要である。
【0006】
また、上記の製作用素材を使用して製作された植木用容器では、十分な保水性・通気性・排水性を有したものとならず、植栽する植物が好む成育条件に近づけることが困難である。
【0007】
そこで、この発明では、力の弱い高齢者や障害を有する者でも容易に植木用容器を製作できる植木用容器の製作用素材を提供することを課題とする。
【0008】
また、保水性・通気性・排水性が、植栽する植物が好む成育条件に容易にできる植木用容器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
(請求項1記載の発明)
この発明の植木用容器の製作用素材は、セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えて成り、使用時において水を加えることにより造形用のスラリー状混合物ができるようにしている。(請求項2記載の発明)
この発明の植木用容器の製作用素材は、上記請求項1記載の発明に関し、着色料を加えて成るものとしている。
(請求項3記載の発明)
この発明の植木用容器の製作用素材は、上記請求項2記載の発明に関し、セメント、ヤシガラ繊維及び着色料をジッパー付きのバック内に収容させてあり、前記バック内に水を入れて手で揉むだけでほぼ均等に攪拌混合された造形用のスラリー状混合物ができるようにしている。
(請求項4記載の発明)
この発明の植木用容器は、セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えたものに、水を加えてできた造形用のスラリー状混合物を、植栽用凹部を有する形状に形成し、乾燥させた後にセメントのアルカリ成分を除去して成るものとしている。
(請求項5記載の発明)
この発明の植木用容器は、上記請求項4記載の発明に関し、着色料を加えてある。
【0010】
なお、これらの発明の植木用容器の製作用素材や、植木用容器の機能は、以下の発明実施の形態の欄において説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態における植木用容器の製作用素材や、植木用容器等を図面を用いながら詳細に説明する。
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態である植木用容器の製作用素材の製造方法を示す図であり、図2は前記製作用素材に水を加える工程を示す図、図3は植木用容器の製造方法を示す断面図、図4は植木用容器の斜視図であり、図5は前記植木用容器の植栽した状態を示す斜視図である。
(植木用容器の製作用素材を構成するものについて)
この実施形態の植木用容器の製作用素材は、図1に示すように、ポルトランドセメント1、ヤシガラ繊維2、及び着色料3から成るものとしており、各素材が偏らないように混ぜ合わせて透明のジッパー90付きのフリーザーバック9内に収容させ、完成品としている。
【0012】
ポルトランドセメント1は、最も一般的なセメントであり、水と混ぜると固まり、セメントコンクリートの材料等として用いられるものである。
【0013】
ヤシガラ繊維2は、ブロック状に高圧縮されたヤシガラ繊維を水で戻し、水気を絞ったものを広げて乾燥させたものが好ましいが、ブロック状に高圧縮されたヤシガラ繊維を水で戻したものを強く手で絞ったものでも使用できる(この場合、強く手で絞ったヤシガラ繊維全体の重量の40%程度が水の重量となるので、水の重量に相当する分だけヤシガラ繊維分を増加する必要がある)。なお、ヤシガラ繊維は、通気性、保水性、吸水性に優れており、窒素(N)、リン酸(P2 O5 )、有機炭素(C)等を含んでいると共に土壌酸度が中性であり、植物にとって好適である。
【0014】
着色料3としては、セメントに色が着きやすい着色料、例えば松煙墨、ベンガラ、紀州墨等の天然着色料を用いることができ、使用量は好みに応じて調整される。
【0015】
ところで、植木用容器の製作用素材としては、上記のように着色料を追加したり、その他、炭、トルマリン、パーライト、セラッミク、ハイドロボール等を追加することもできるが、ポルトランドセメント1と乾燥ヤシガラ繊維2の割合(重量)が最も重要であり、植物の種類に応じて以下の表1に示す配合割合とすることが好ましい。
【表1】
(植木用容器を製作する方法について)
上記製作用素材を使用して植木用容器を製作する場合、以下の手順で行う。
▲1▼.上記の植物の種類に適合すべく配合されたポルトランドセメント1、ヤシガラ繊維2、及び着色料3が収容されている透明のジッパー90付きのフリーザーバック9内に水を少しづつ加えながらフリーザーバッグ9を手で揉んで混練し、スラリー状混合物を作る。水を加える際、スラリー状混合物の硬さを十分に注意する。
▲2▼.次に上記スラリー状混合物を用いて図4に示すような、植栽用凹部50を有する擬岩5(植木用容器)の製作について説明する。
【0016】
図3に示すように、まず、容器80の内周面にビニ−ル81を添うように配置させ、ビニール81を介して容器80の内周面に沿ってクラフト紙等を捩じったもの82を段積みしていく。前記段積み作業に伴いスラリー状混合物83で擬岩5の水抜き孔を有する底面を形成し、更に段積みされたクラフト紙等にスラリー状混合物83を押しつけながら擬岩5の側面を形成していく。擬岩5の底面及び側面の形成が完了したら、その状態を維持しながら約1日乾燥させ、半乾きの状態の半完成物をビニール81ごと容器80から抜きとり、擬岩5の形成に使用したビニール81及びクラフト紙82を取り除き、1日〜2日乾燥させる。続いてセメントのアルカリ成分を除去するため水をかけながら1週間ほど放置すると、擬岩5は完成する。
▲3▼.図3に擬岩5の植栽用凹部50に植物6を植えた状態を示す。この図3に示すように、本物の岩からできた鉢に植物が植えられたものと見違えるほどの植木用容器が完成した。
(植木用容器の製作用素材、及び植木用容器の優れた効果について)
▲1▼.古紙を使用した製作用素材では、手間がかかり、ちぎるのに指先や手首にかなり負担がかかる上、水分を含んだ古紙とセメントを混ぜ合わせるのにかなりの体力が必要である。これに対して、ヤシガラ繊維を使用した場合、このような問題は全く生じない。
▲2▼.ポルトランドセメント100重量%に対してヤシガラ15重量%を加えて得た製作用素材(以下、本発明素材aという)と、ポルトランドセメント100重量%に対して古紙15重量%を加えて得た製作用素材(以下、従来素材bという)とを使用した場合の比較
「排水性の比較」
比較実験
先ず本発明素材a、従来素材bを、それぞれ400g使用して器A、器Bを作り、乾燥後、水に浸し完全に水を吸い込ませる。次に、水を吸い込ませた器A、器Bに150ccの水を入れる。
実験結果
15分経過後
器Aは、全体から水が排出し、底の方から水が流れだす。
【0017】
器Bは、底の方が濡れている程度。
【0018】
2時間後
器Aは、入れた水が全て無くなる。
【0019】
器Bは、まだ90%ほど水が残っている。(18時間後水がなくなる)
「保水性の比較」
比較試験
器A、器Bに水を含ませた状態で、器A、器Bを乾かした場合の器が乾く時間を比較した。
実験結果
器Aは、器Bの2倍以上の時間を要した。
「総合判断」
上記実験より、器Aは器Bより、通気性、排水性、保水性の全てにおいて優れていることがわかる。
【0020】
また、ポルトランドセメント100重量%に対してヤシガラの重量%を変えることにより、保水性・通気性・排水性が、植栽する植物が好む成育条件に容易にできる植木用容器が提供できることが明らかである。要するに、ヤシガラ繊維の重量%が大きくなると通気性、排水性、保水性が高くなり、ヤシガラ繊維の重量%が大きくなると通気性、排水性、保水性が低くなる。
▲3▼.ヤシガラ繊維には、必要な窒素(N)、リン酸(P2 O5 )、有機炭素(C)等が含まれているので、植物の生育における良い条件となる。
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、植木用容器の製作用素材は、透明のジッパー90付きのフバック9に収容され、バック9に水を入れてを揉むことにより、造形用のスラリー状混合物をつくったが、これに限定されることなく、フリーザーバックを使用しない方法で造形用のスラリー状混合物をつくってもよい。
【0021】
上記実施形態では、セメントとしてポルトランドセメントを使用したが、これに限定されることなく混合セメント、その他のセメントでもよい。
【0022】
【発明の効果】
(請求項1〜3記載の発明)
発明の実施形態の欄に記載した内容から、力の弱い高齢者や障害を有する者でも容易に植木用容器を製作できる植木用容器の製作用素材を提供できた。
(請求項4、5記載の発明)
発明の実施形態の欄に記載した内容から、保水性・通気性・排水性が、植栽する植物が好む成育条件に容易にできる植木用容器を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の植木用容器の製作用素材を製造する方法を示した図。
【図2】前記植木用容器の製作用素材に水を加える状態を示す図。
【図3】図3は植木用容器の製造方法を示す断面図。
【図4】前記製作用素材から製作された擬岩(植木用容器)の斜視図。
【図5】前記擬岩の植栽用凹部に植物を植えた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 ポルトランドセメント
2 ヤシガラ繊維
3 着色料
4 水
5 擬岩(植木用容器)
50 植栽用凹部
6 植物
Claims (5)
- セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えて成り、使用時において水を加えることにより造形用のスラリー状混合物ができるようにしたことを特徴とする植木用容器の製作用素材。
- 着色料を加えて成ることを特徴とする請求項1記載の植木用容器の製作用素材。
- セメント、ヤシガラ繊維及び着色料をジッパー付きのバック内に収容させてあり、前記バック内に水を入れて手で揉むだけでほぼ均等に攪拌混合された造形用のスラリー状混合物ができるようにしたことを特徴とする請求項2記載の植木用容器の製作用素材。
- セメント100重量%に対して、少なくともヤシガラ繊維5〜18重量%(乾燥時の重量)を加えたものに、水を加えてできた造形用のスラリー状混合物を、植栽用凹部を有する形状に形成し、乾燥させた後にセメントのアルカリ成分を除去して成ることを特徴とする植木用容器。
- 着色料を加えてあることを特徴とする請求項4記載の植木用容器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003135655A JP2004337040A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 植木用容器、及びこれの製作用素材 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2003135655A Ceased JP2004337040A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 植木用容器、及びこれの製作用素材 |
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-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003135655A patent/JP2004337040A/ja not_active Ceased
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