JP2004336935A - 3相交流―直流電力変換装置 - Google Patents
3相交流―直流電力変換装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】3相交流入力端子1r、1s、1tの各線間に第1のスイッチ手段Q1と1次巻線N1aと第2のスイッチ手段Q2とから成る第1の直列回路、第3のスイッチ手段Q3と第2の1次巻線N1bと第4のスイッチ手段Q4とから成る第2の直列回路、第5のスイッチ手段Q4と第3の1次巻線N1cと第6のスイッチ手段Q6とから成る第3の直列回路とを接続する。トランス2の2次巻線N2に全波整流回路を接続する。共通のクランプ用コンデンサCzに対して並列に定電圧用ツエナーダイオードZDを接続する。第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6とクランプ用コンデンサCzとの間をダイオードで接続する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング回路とトランスとを有して3相交流電力を直流電力に変換する3相交流−直流電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−233155号公報
【特許文献2】特開2002−354816号公報
【非特許文献1】平成13年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集 Vol.3、 1427−1432頁の論文
バッテリ−充電器等に使用するための絶縁型3相交流入力整流器を構成する場合に商用周波数側に絶縁トランスを設け、トランスの2次側に整流回路及び電圧調整用のPWMスイッチング回路を設けると、トランスが大きくなる。この問題を解決するために、3相交流電源にPWM整流器即ち交流−直流コンバータを接続し、このコンバータの出力端子間に直流リンクコンデンサを接続し、直流リンクコンデンサの出力段に高周波絶縁トランスを有する高周波インバータを接続し、インバータの出力段に整流平滑回路を設けることがある。この場合には、トランスとして高周波トランスを使用するので、トランスの小型化を図ることができる。
しかし、コンバータ、直流リンクコンデンサ、インバータ、トランス、整流平滑回路が必要になるので、トランス以外の部品点数が多くなり、回路が複雑になる。
【0003】
この問題を解決するために、前記特許文献1、前記特許文献2及び前記非特許文献1に、3相交流の各線間に接続された第1、第2及び第3の1次巻線に対して電磁結合された共通の2次巻線を設け、この2次巻線に共通の整流平滑回路を接続した構成の1段変換型3相PWM交流−直流電力変換装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1等の電力変換装置において、半導体スイッチをタ−ンオフする時に回路の寄生インダクタンス及びトランスの漏れインダクタンスの影響により、該半導体スイッチに対してスイッチングサ−ジが重畳する。スイッチングサ−ジのエネルギはタ−ンオフ電流の大きさに依存し、タ−ンオフ電流が大きい時に大きくなる。このサ−ジエネルギに伴って発生するサ−ジ電圧が半導体スイッチの耐圧を超えると、半導体スイッチを破壊することがある。このため、サ−ジエネルギを吸収するスナバ回路を半導体スイッチ保護のために設ける。
従来の典型的なスナバ回路は、半導体スイッチに抵抗を介して並列に接続されたスナバコンデンサから成る。この種のスナバ回路では、サ−ジエネルギはスナバコンデンサで吸収され、半導体スイッチがオンしている時にスナバ抵抗で消費される。
しかし、上記の典型的なスナバ回路では、サ−ジエネルギだけでなく、通常のスイッチングに伴う半導体スイッチの端子電圧変化に対しても損失を発生する。
即ち、サ−ジ電圧の大きさに関係なくスナバコンデンサの電荷は零まで抵抗を介して放電し、特にサ−ジ電圧の小さい軽負荷時においてもスナバ抵抗の損失の比率が大きくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、小型化が可能で有ると共に、スナバ回路の損失を小さくすることができる3相交流―直流電力変換装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明を実施形態を示す図面の符号を参照して説明する。但し、特許請求の範囲及びここでの本願発明の説明における参照符号は、本発明の理解を助けるためのものであって、本発明を限定するものではない。
本願の請求項1の発明は、3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第4のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第6のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
クランプ用コンデンサ(Cz)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)に並列に接続された定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)と前記第1の1次巻線(N1a)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Da)と、
前記第2のスイッチ手段(Q2)と前記第1の1次巻線(N1a)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Db)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)と前記第2の1次巻線(N1b)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dc)と、
前記第4のスイッチ手段(Q4)と前記第2の1次巻線(N1b)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dd)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)と前記第3の1次巻線(N1c)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(De)と、
前記第6のスイッチ手段(Q6)と前記第3の1次巻線(N1c)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Df)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端と前記第1、第2及び第3の交流入力端子(1r、1s、1t)との間にそれぞれ接続された第7、第8及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dr、Ds、Dt)と
が設けられていることを特徴とする3相交流―直流電力変換装置に係わるものである。
【0007】
なお、請求項2に示すように、請求項1の発明と同一の主回路部分を有する3相交流―直流電力変換装置において、
定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)に対して第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D11)を介して並列に接続された第1のクランプ用コンデンサ(C11)と、
前記第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D11)と前記第1のクランプ用コンデンサ(C11)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D12)と、
前記第2のスイッチ手段(Q2)に対して第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D13)を介して並列に接続された第2のクランプ用コンデンサ(C12)と、
前記第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D13)と前記第2のクランプ用コンデンサ(C12)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D14)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)に対して第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D15)を介して並列に接続された第3のクランプ用コンデンサ(C13)と、前記第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D15)と前記第3のクランプ用コンデンサ(C13)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D16)と、
前記第4のスイッチ手段(Q4)に対して第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D17)を介して並列に接続された第4のクランプ用コンデンサ(C14)と、
前記第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D17)と前記第4のクランプ用コンデンサ(C14)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第8のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D18)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)に対して第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D19)を介して並列に接続された第5のクランプ用コンデンサ(C15)と、
前記第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D19)と前記第5のクランプ用コンデンサ(C15)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第10のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D20)と、
前記第6のスイッチ手段(Q6)に対して第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D21)を介して並列に接続された第6のクランプ用コンデンサ(C16)と、
前記第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D21)と前記第6のクランプ用コンデンサ(C16)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第12のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D22)と、
前記定電圧回路の他端と前記第1、第2及び第3の交流入力端子(1r、1s、1t)との間に接続された第13、第14及び第15のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dr、Ds、Dt)と
を設けることができる。
また、請求項3に示すように、3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)は互いに直列接続され、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)は互いに直列接続され、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)は互いに直列接続され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
クランプ用コンデンサ(Cz)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)に並列に接続された定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の一端に接続された第1の交流端子と前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の一端に接続された第2の交流端子と前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の一端に接続された第3の交流端子と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端に接続された第1の直流端子と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端に接続された第2の直流端子とを有する三相ブリッジ型整流回路(100)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D31)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D32)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D33)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D34)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D35)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D36)と
を設けることができる。
また、請求項4に示すように、請求項3の発明と同一の主回路部分を有する3相交流―直流電力変換装置において、
定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の一端に接続された第1の交流端子と前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の一端に接続された第2の交流端子と前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の一端に接続された第3の交流端子と前記定電圧回路の一端に接続された第1の直流端子と前記定電圧回路の他端に接続された第2の直流端子とを有する三相ブリッジ型整流回路(100)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)に対して第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D41)を介して並列に接続された第1のクランプ用コンデンサ(C41)と、
前記第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D41)と前記第1のクランプ用コンデンサ(C41)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D42)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路に対して第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D43)を介して並列に接続された第2のクランプ用コンデンサ(C42)と、
前記第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D43)と前記第2のクランプ用コンデンサ(C42)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D44)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)に対して第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D45)を介して並列に接続された第3のクランプ用コンデンサ(C43)と、
前記第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D45)と前記第3のクランプ用コンデンサ(C41)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D46)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路に対して第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D47)を介して並列に接続された第4のクランプ用コンデンサ(C44)と、
前記第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D47)と前記第4のクランプ用コンデンサ(C44)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第8のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D48)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)に対して第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D49)を介して並列に接続された第5のクランプ用コンデンサ(C45)と、
前記第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D49)と前記第5のクランプ用コンデンサ(C45)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第10のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D50)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q46)の直列回路に対して第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D51)を介して並列に接続された第6のクランプ用コンデンサ(C46)と、
前記第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D51)と前記第6のクランプ用コンデンサ(C46)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第12のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D52)と
を設けることができる。
また、請求項5に示すように、前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御し、前記第3及び第4のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御し、前記第5及び第6のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御するものであることが望ましい。
【0008】
【発明の効果】
各請求項の発明は次の効果を有する。
(1)クランプ用コンデンサはクランプ回路形成用ダイオ−ドを介して第1〜第6のスイッチ手段に対して並列に接続されるので、スナバコンデンサとして機能し、サ−ジ電圧を吸収する。スナバ機能を有するクランプ用コンデンサには、定電圧回路が並列に接続されている。従って、サ−ジ電圧が定電圧回路の電圧よりも低い時には、クランプ用コンデンサにエネルギが流れ込まず、サ−ジ電圧が定電圧回路の電圧よりも高い時にのみサ−ジエネルギがクランプ用コンデンサに流れ込む。これにより、クランプ用コンデンサ等のクランプ回路の損失を低減することができる。
(2) 定電圧回路が第1〜第6のスイッチ手段に対して共通に設けられているので、スナバ回路の小型化を図ることができる。
(3) トランスの2次側の回路が3相共通に設けられているので、3相交流−直流電力変換装置の小型化を図ることができる。
【0009】
【第1の実施形態】
次に、図1〜図5を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1に示す第1の実施形態の3相交流−直流電力変換装置は、1段変換型3相PWM整流装置と呼ぶことができるものであって、第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tと、第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCa、Cb、Ccと、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6と、トランス2と、共通の磁気コア2aと、共通の整流平滑回路3と、対の直流出力端子4a、4bと、共通の制御回路5と、第1、第2及び第3入力電圧検出回路6、7、8と、出力電圧検出回路9と、電流検出器10と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6の駆動回路11、12、13、14、15、16と、共通のクランプ用コンデンサCzと、共通の定電圧回路としてのツエナ−ダイオ−ドZD及び放電用抵抗Rzと、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDa、Db、Dc、Dd、De、Df、Dr、Ds、Dtとから成る。なお、制御回路5と第1、第2及び第3入力電圧検出回路6、7、8と出力電圧検出回路9と電流検出器10と第1、第2、第3、第4、第5及び第6の駆動回路11、12、13、14、15、16とは第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の制御手段を構成している。
【0010】
第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tは商用周波数(50Hz又は60Hz)の3相正弦波交流のR相、S相、T相電圧即ち第1、第2及び第3相電圧を入力させるものであり、3相交流電源Eに接続されている。
【0011】
第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCa、Cb、Ccは高周波成分を除去するための交流コンデンサである。第1のフィルタ用コンデンサCaは第1及び第2の交流入力端子1r、1s間に接続されている。第2のフィルタ用コンデンサCbは第2及び第3の交流入力端子1s、1t間に接続されている。第3のフィルタ用コンデンサCcは第3及び第1の交流入力端子1t、1r間に接続されている。
第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCa、Cb、Ccの電圧は第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tの線間電圧に追従して変化する。また、第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tが接続されている電源ラインに直列にフィルタ用リアクトルを接続することができる。
【0012】
トランス2は第1、第2、第3の1次巻線N1a、N1b、N1cと共通の2次巻線N2と共通の磁気コア2aとから成る。トランス2の第1、第2及び第3の巻線N1a、N1b、N1cは同一又は実質的に同一の巻数に設定されている。トランス2の共通の2次巻線N2は、共通の磁気コア2aを介して第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cにそれぞれ電磁結合され且つ第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cから絶縁分離されている。この2次巻線N2はセンタタップ20によって同一巻数の第1及び第2の部分N2a、N2bに分割されている。なお、2次巻線N2に接続する整流回路を4個のダイオ−ドをブリッジ接続した全波整流回路に変形することができる。この場合には、2次巻線N2をセンタタップ20で分割することが不要になる。
【0013】
第1のスイッチ手段Q1と第1の1次巻線N1aと第2のスイッチ手段Q2との直列回路は第1のフィルタ用コンデンサCaと同様に第1及び第2の交流入力端子1r、1s間に接続されている。第3のスイッチ手段Q3と第2の1次巻線N1bと第4のスイッチ手段Q4との直列回路は第2のフィルタ用コンデンサCbと同様に第2及び第3の交流入力端子1s、1t間に接続されている。第5のスイッチ手段Q5と第3の1次巻線N1cと第6のスイッチ手段Q6との直列回路は第3のフィルタ用コンデンサCcと同様に第3及び第1の交流入力端子1t、1r間に接続されている。
【0014】
第1のスイッチ手段Q1はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第1のスイッチS1とこの第1のスイッチS1に逆方向並列に接続された第1のダイオードD1とから成る。第1のスイッチS1の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第1の交流入力端子1rに接続されている。第1のスイッチS1の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第1の1次巻線N1aの一端に接続されている。第1のダイオードD1は第1の1次巻線N1aに第1の交流入力端子から第2の交流入力端子に向う第1の方向の電流を流すことができる方向性を有して第1のスイッチS1に並列に接続されている。この第1のダイオードD1は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等から成る第1のスイッチS1のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第1のスイッチS1をオン・オフ制御するための第1の駆動回路11は第1のスイッチS1の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第1の駆動回路11はライン25の第1の制御信号Vgaに応答して第1のスイッチS1をオン・オフ制御する。
【0015】
第2のスイッチ手段Q2はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第2のスイッチS2とこの第2のスイッチS2に逆方向並列に接続された第2のダイオードD2とから成る。第2のスイッチS2の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第2の交流入力端子1sに接続されている。第2のスイッチS2の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第1の1次巻線N1aの他端に接続されている。第2のダイオードD2は第1の1次巻線N1aに第2の交流入力端子から第1の交流入力端子1rに向う第2の方向の電流を流すことができる方向性を有して第2のスイッチS2に並列に接続されている。この第2のダイオードD2は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT等から成る第2のスイッチS2のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第2のスイッチS2をオン・オフ制御するための第2の駆動回路12は第2のスイッチS2の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第2の駆動回路12はライン25の第1の制御信号Vgaに応答して第2のスイッチS2をオン・オフ制御する。
【0016】
第3のスイッチ手段Q3はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第3のスイッチS3とこの第3のスイッチS3に逆方向並列に接続された第3のダイオードD3とから成る。第3のスイッチS3の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第2の交流入力端子1sに接続されている。第3のスイッチS3の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第2の1次巻線N1bの一端に接続されている。第3のダイオードD3は第2の1次巻線N1bに第2の交流入力端子lsから第3の交流入力端子ltに向う第1の方向の電流を流すことができる方向性を有して第3のスイッチS3に並列に接続されている。この第3のダイオードD3は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT等から成る第3のスイッチS3のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第3のスイッチS3をオン・オフ制御するための第3の駆動回路13は第3のスイッチS3の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第3の駆動回路13はライン26の第2の制御信号Vgbに応答して第3のスイッチS3をオン・オフ制御する。
【0017】
第4のスイッチ手段Q4はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第4のスイッチS4とこの第4のスイッチS4に逆方向並列に接続された第4のダイオードD4とから成る。第4のスイッチS4の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第3の交流入力端子1tに接続されている。第4のスイッチS4の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第2の1次巻線N1bの他端に接続されている。第4のダイオードD4は第2の1次巻線N1bに第3の交流入力端子1tから第2の交流入力端子1sに向う第2の方向の電流を流すことができる方向性を有して第4のスイッチS4に並列に接続されている。この第4のダイオードD4は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT等から成る第4のスイッチS4のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第4のスイッチS4をオン・オフ制御するための第4の駆動回路14は第4のスイッチS4の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第4の駆動回路14はライン26の第2の制御信号Vgbに応答して第4のスイッチS4をオン・オフ制御する。
【0018】
第5のスイッチ手段Q5はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第5のスイッチS5とこの第5のスイッチS5に逆方向並列に接続された第5のダイオードD5とから成る。第5のスイッチS5の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第3の交流入力端子1tに接続されている。第5のスイッチS5の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第3の1次巻線N1cの一端に接続されている。第5のダイオードD5は第3の1次巻線N1cに第3の交流入力端子1tから第1の交流入力端子1rに向う第1の方向の電流を流すことができる方向性を有して第5のスイッチS5に並列に接続されている。この第5のダイオードD5は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT等から成る第5のスイッチS5のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第5のスイッチS5をオン・オフ制御するための第5の駆動回路15は第5のスイッチS5の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第5の駆動回路15はライン27の第3の制御信号Vgcに応答して第5のスイッチS5をオン・オフ制御する。
【0019】
第6のスイッチ手段Q6はIGBTで示されている制御可能な半導体スイッチから成る第6のスイッチS6とこの第6のスイッチS6に逆方向並列に接続された第6のダイオードD6とから成る。第6のスイッチS6の第1の主端子(ソース又はエミッタ)は第1の交流入力端子1rに接続されている。第6のスイッチS6の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)は第3の1次巻線N1cの他端に接続されている。第6のダイオードD6は第3の1次巻線N1cに第1の交流入力端子1rから第3の交流入力端子1tに向う第2の方向の電流を第3の1次巻線N1cに流すことができる方向性を有して第6のスイッチS6に並列に接続されている。この第6のダイオードD6は個別ダイオードであってもよいし、FET、トランジスタ、IGBT等から成る第6のスイッチS6のボディダイオード又は寄生ダイオードと呼ばれる内蔵ダイオードであってもよい。第6のスイッチS6をオン・オフ制御するための第6の駆動回路16は第6のスイッチS6の第1の主端子と制御端子との間に接続されている。第6の駆動回路16はライン27の第3の制御信号Vgcに応答して第6のスイッチS6をオン・オフ制御する。
【0020】
第1、第3及び第5のスイッチ手段Q1、Q3、Q5は第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cの第2の方向の電流を制御するスイッチとして機能し、第2、第4及び第6のスイッチ手段Q2、Q4、Q6は第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cの第1の方向の電流を制御するスイッチとして機能する。従って、第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2の組み合わせによって第1の双方向スイッチ回路が構成され、第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4の組み合わせによって第2の双方向スイッチ回路が構成され、第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6の組み合わせによって第3の双方向スイッチ回路が構成されている。第1、第2及び第3の双方向スイッチ回路を1箇所にまとめて配置しないで負荷としての第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cの両側に分割して配置すると、後述の説明から明らかになるように、スイッチ手段Q1〜Q6の各スイッチS1、S2、S3、S4、S5、S6のソースが電源ラインL3、L6、L6、L9、L9、L3に接続されるので、ソース電位が安定化し、各スイッチS1 ̄S6のゲート・ソース間の制御が安定化する。
第1〜第6のスイッチS1〜S6の制御回路5及び第1〜第6の駆動回路11〜16の詳細は追って説明する。
【0021】
共通の整流平滑回路3は、ダイオードから成る第1および第2の整流素子21、22と、平滑用リアクトル23と、平滑用コンデンサ24とから成る。第1の整流素子21は2次巻線N2の一端とコンデンサ24の一方の端子との間にリアクトル23を介して接続されている。第2の整流素子22は2次巻線N2の他端とコンデンサ24の一方の端子との間にリアクトル23を介して接続されている。2次巻線N2のセンタタップ20はコンデンサ24の他端に接続されている。従って、整流平滑回路3は両波整流回路に構成されている。コンデンサ24に接続された第1及び第2の直流出力端子4a、4bは負荷4に直流電力を供給するものである。
【0022】
第1の入力電圧検出回路6は第1及び第2の交流入力端子1r、1sに接続され、R相とS相との間の線間電圧Vrsを示す信号をライン6aに送出する。第2の入力電圧検出回路7は第2及び第3の交流入力端子1s、1tに接続され、S相とT相との間の線間電圧Vstを示す信号をライン7aに送出する。第3の入力電圧検出回路8は第3及び第1の交流入力端子1t、1rに接続され、T相とR相との間の線間電圧Vtrを示す信号をライン8aに送出する。出力電圧検出回路9は第1及び第2の直流出力端子4a、4bに接続され、出力端子4a、4b間の直流出力電圧Voを示す検出信号をライン9aに送出する。なお、説明を簡単にするために、各電圧検出回路6、7、8、9の入力電圧と出力電圧とは同一の記号のVrs、Vst、Vtr、Voで示すことにする。
【0023】
変流器から成る電流検出器10は平滑用リアクトル23に直列に接続され、ライン10aにリアクトル電流Ioを示す信号を送出する。なお、ここでは、説明を簡単にするための電流検出器10の入力と出力との両方を同一の記号のIoで示すことにする。
【0024】
ライン6a、7a、8a、9a、10aが接続されている制御回路5は、これ等から与えられる検出信号に基づいて第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチS1〜S6を制御するための第1、第2及び第3の制御信号Vga、Vgb、Vgcを形成し、これをライン25、26、27によって第1〜第6のスイッチS1〜S6の駆動回路11〜16に送る。
【0025】
図2は図1の第1〜第6のスイッチS1〜S6とこのための第1〜第6の駆動回路11〜16とを詳しく示すものである。第1の駆動回路11は発光ダイオードLD1とこれに光結合されたホトダイオ−ドPD1と増幅器A1とNPNトランジスタNT1とPNPトランジスタPT1とから成る。なお、第1のスイッチS1を駆動するために必要な駆動電源回路も厳密には第1のスイッチS1の駆動回路であるが、本実施形態では駆動電源回路が第1〜第6のスイッチS1〜S6の駆動回路で共用されているので、図2の第1〜第6の駆動回路11〜16に含められていない。従って、正確には図1において、第1〜第6の駆動回路11〜16の駆動電源が省略されている。なお、第1〜第6の駆動回路11〜16に独立の駆動電源を設けることができるので、この場合には、図1の第1〜第6の駆動回路11〜16が駆動電源をそれぞれ含むと考えることができる。
【0026】
第1の駆動回路11の発光ダイオードLD1は第1の制御信号ライン25とグランドとの間に接続されており、ライン25の第1の制御信号Vgaがオン指令を示す高レベルの時に発光する。フォトダイオードPD1の電流は発光ダイオードLD1の発光に応答して流れ、ここに接続された増幅器A1から高レベル出力が発生する。制御信号Vgaがオフ指令の低レベルの時には発光ダイオードLD1は非発光であり増幅器A1の出力はオフ指令の低レベルに保たれる。増幅器A1の対の電源端子は第1及び第2の電源ラインL1、L2に接続されている。
増幅器A1の出力端子はNPNトランジスタNT1及びPNPトランジスタPT1のベースにそれぞれ接続されている。NPNトランジスタNT1のコレクタは第1の電源ラインL1に接続され、このエミッタはゲートラインG1によって第1のスイッチS1の制御端子としてのゲートに接続されている。PNPトランジスタPT1のエミッタはゲートラインG1によって第1のスイッチS1のゲートに接続され、このコレクタは第2の電源ラインL2に接続されている。第1及び第2の電源ラインL1、L2の間の電位を与える第3の電源ラインL3が第1のスイッチS1の第1の主端子としてのソースに接続されている。第1のスイッチS1はNチャネル絶縁ゲート型バイポ−ラトランジスタ(IGBT)から成るので、ゲートラインG1と第3の電源ラインL3との間の電圧、即ちゲ−トとソースとの間の電圧が、IGBT固有のしきい値よりも高い時に、第1のスイッチS1がオン制御され、逆にゲート・ソ−ス間電圧が上記IGBTのしきい値よりも低い時に第1のスイッチS1がオフ制御される。増幅器A1の出力がオン指令を示す高レベルの時にはNPNトランジスタNT1がオン、PNPトランジスタPT1がオフになる。この結果、ゲートラインG1の電位は第1の電源ラインL1の電位とほぼ等しくなり、且つ第3の電源ラインL3の電位よりも高くなり、第1のスイッチS1はオン制御される。逆に、増幅器A1の出力がオフ指令を示す低レベルの時には、NPNトランジスタNT1がオフ、PNPトランジスタPT1がオンになり、ゲートラインG1の電位は第2の電源ラインL2の電位にほぼ等しくなり且つ第3の電源ラインL3の電位よりも低くなり、第1のスイッチS1はオフ制御される。
第3の電源ラインL3の電位を第1及び第2の電源ラインL1、L2の間の電位にするために、第1及び第2の電源ラインL1、L2間に抵抗R1と定電圧ダイオードZD1との直列回路が接続され、抵抗R1と定電圧ダイオードZD1との相互接続点に第3の電源ラインL3が接続されている。また、第1及び第2の電源ラインL1、L2は第1の電源E1に接続されている。
【0027】
第2の駆動回路12は、発光ダイオードLD2とホトダイオードPD2と増幅器A2とNPNトランジスタNT2とPNPトランジスタPT2とから成り、第1の駆動回路11と同一に形成されている。従って、第2の駆動回路12において第1の駆動回路11と実質的に同一のものには同一の参照符号を付し、添字の2によって第1の駆動回路11の添字1のものと区別し、これらの説明を省略する。また、第3〜第6の駆動回路13〜16も第1の駆動回路11と同一に形成されているので、これ等の出力段のNPNトランジスタNT3、NT4、NT5,NT6及びPNPトランジスタPT3、PT4、PT5、PT6のみを示し、この他の部分の図示及びその説明を省略する。なお、第3〜第6の駆動回路13〜16のNPNトランジスタNT3、NT4、NT5,NT6及びPNPトランジスタPT3、PT4、PT5、PT6は第1の駆動回路11のNPNトランジスタNT1及びPNPトランジスタPT1に対応するものである。
【0028】
第2の駆動回路12の発光ダイオードLD2は第1の制御信号Vgaのライン25に接続されている。従って、第2の駆動回路12の出力段のNPNトランジスタNT2及びPNPトランジスタPT2は、第1の駆動回路11のNPNトランジスタNT1及びPNPトランジスタPT1と同様にオン・オフ動作する。第2の駆動回路12のNPNトランジスタNT2のコレクタは第4の電源ラインL4に接続され、PNPトランジスタPT2のコレクタは第5の電源ラインL5に接続され、2つのトランジスタNT2、PT2のエミッタは共にゲートラインG2によって第2のスイッチS2のゲートの接続されている。また、第2のスイッチS2のソ−スが第6の電源ラインL6に接続されている。
【0029】
この実施形態では、電源回路を構成するために、第1〜第3の電源ラインL1、L2、L3の他に、第4、第5、第6、第7、第8及び第9の電源ラインL4、L5、L6、L7、L8、L9が設けられている。第2の電源E2に接続された第4及び第5の電源ラインL4、L5間に抵抗R2と定電圧ダイオードZD2との直列回路が接続され、抵抗R2と定電圧ダイオードZD2の相互接続点に第6の電源ラインL6が接続されている。
【0030】
第3の電源E3に接続された第7及び第8の電源ラインL7、L8間に抵抗R3と定電圧ダイオードZD3との直列回路が接続され、抵抗R3と定電圧ダイオードZD3の相互接続点に第9の電源ラインL9が接続されている。
【0031】
第3の駆動回路13のNPNトランジスタNT3のコレクタは第4の電源ラインL4に接続され、PNPトランジスタPT3のコレクタは第5の電源ラインL5に接続されている。第3の駆動回路13の2つのトランジスタNT3、PT3のエミッタはゲートラインG3によって第3のスイッチS3のゲートに接続されている。第3のスイッチS3のソ−スは第6の電源ラインL6に接続されている。第4の駆動回路14の2つのトランジスタNT4、PT4のエミッタはゲートラインG4によって第4のスイッチS4のゲートに接続されている。第4及び第5の駆動回路14、15のNPNトランジスタNT4、NT5のコレクタは第7の電源ラインL7にそれぞれ接続され、PNPトランジスタPT4、PT5のコレクタは第8の電源ラインL8に接続されている。第5の駆動回路15の2つのトランジスタNT5、PT5のエミッタはゲートラインG5によって第5のスイッチS5のゲートに接続されている。第6の駆動回路16の2つのトランジスタNT6、PT6のエミッタはゲートラインG6によって第6のスイッチS6のゲートに接続されている。第6の駆動回路16のNPNトランジスタNT6のコレクタは第1の電源ラインL1に接続され、PNPトランジスタPT6のコレクタは第2の電源ラインL2に接続されている。
【0032】
第4及び第5のスイッチS4、S5の第1の主端子としてのソースは第9の電源ラインL9に接続されている。第6のスイッチS6のソースは第3の電源ラインL3に接続されている。
【0033】
図3は図1の制御回路5を詳しく示す。この制御回路5は、
(1) 出力電圧Vo を一定に制御する機能、
(2) 第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチS1〜S6を選択的に制御する機能を有する。
【0034】
定電圧制御を実行するために基準電圧発生器40と電圧変動検出用減算器41と電流振幅指令演算器42とが設けられている。減算器41は基準電圧発生器40の基準電圧Vo1からライン9aの直流出力電圧Vo を減算する。減算器41の出力に基づいて電流振幅指令演算器42は出力電圧Vo を一定にするための電流振幅指令値Io1を発生する。電流振幅指令演算器42は、比例積分回路と増幅器とから成る。なお、電流振幅指令値Io1を出力電圧制御指令値と呼ぶこともできる。この実施形態では、直流出力電圧を交流側の電流制御によって達成しているので、Io1が電流振幅指令値と呼ばれている。
【0035】
共通の電流振幅指令値Io1によって第1〜第6のスイッチS1〜S6を制御するために、第1、第2及び第3の乗算器43、44、45が設けられている。第1、第2及び第3の乗算器43、44、45は、ライン6a、7a、8aから供給される図5(A)に示す正弦波から成る第1、第2及び第3の線間電圧Vrs、Vst、Vtrに電流振幅指令値Io1を乗算して図5(B)に示す第1、第2及び第3の電流指令値Irs、Ist、Itrを出力する。この電流指令値Irs、Ist、Itrは、出力電圧Vo を目標値にするための目標電流指令値に相当する3相交流信号である。なお、図5の角度0°〜360°は、第1相即ちR相の相電圧を基準にして示されている。
【0036】
電流検出信号Io のライン10aに接続された係数乗算器46は、電流Io をトランスの1次側の電流に換算するために係数n2 /n1 (巻数比)を電流Io に乗算して1次換算出力電流Io ′を求めるものである。なお、n1 は1次巻線N1a、N1b、N1cのそれぞれの巻数、n2 は2次巻線N2 の第1及び第2の部分N2a、N2bのそれぞれの巻数を示す。
【0037】
第1、第2及び第3の除算器47、48、49は第1、第2及び第3の乗算器43、44、45から得られた第1、第2及び第3の電流指令値Irs、Ist、Itrを係数乗算器46の出力Io ′で割り算して通流率信号とも呼ぶことができる次式で示す第1、第2及び第3の通電率指令信号Drs、Dst、Dtrを求めるものである。
Drs=Irs/Io ′=Irs/(Io×n2 /n1 )
Dst=Ist/Io ′=Ist/(Io×n2 /n1 )
Dtr=Itr/Io ′=Itr/(Io×n2 /n1 ) ・・・ (1)
【0038】
第1、第2及び第3の除算器47、48、49に接続された第1、第2及び第3の絶対値回路50、51、52は上記(1)式で求めた第1、第2及び第3の通電率指令値Drs、Dst、Dtrの絶対値を出力する。ここでは説明を簡略化するために絶対値回路50、51、52の入力と出力とが同一記号で示されている。
【0039】
絶対値回路50,51,52に接続されたタイミング信号演算器53は、第1、第2及び第3の通電率指令信号Drs、Dst、Dtrに基づいて第1〜第6のスィッチS1〜S6のオン・オフ動作のタイミングを決定するための第1、第2、第3、第4、第5及び第6のタイミング信号Ga1、Ga2、Gb1、Gb2、、Gc1、Gc2を演算する回路である。このタイミング信号演算器53は第1、第2、第3、第4、第5及び第6のライン53a、53a′、53b、53b′、53c、53c′によって図5(D)の第1、第2、第3、第4、第5及び第6のタイミング信号Ga1、Ga2、Gb1、Gb2、、Gc1、Gc2を出力する。第1のタイミング信号Ga1は、第1及び第2のスイッチS1、S2 のオンのタイミングを決定するために使用され、この実施形態では図5(D)の零レベルの値を有する。第2のタイミング信号Ga2は第1及び第2のスイッチS1、S2のオフのタイミングを決定するために使用される。第3のタイミング信号Gb1は第3及び第4のスイッチS3、S4のオンのタイミングを決定するために使用される。第4のタイミング信号Gb2は第3及び第4のスイッチS3、S4 のオフのタイミングを決定するために使用される。第5のタイミング信号Gc1は第5及び第6のスイッチS5、S6のオンのタイミングを決定するために使用される。第6のタイミング信号Gc2は第5及び第6のスイッチS5、S6のオフのタイミングを決定するために使用される。
【0040】
図3の第1〜第6のタイミング信号Ga1〜Gc2とタイミング信号演算器53に入力する第1、第2及び第3の導通率指令値Drs、Dst、Dtrとの関係は次の(2)式に示す通りである。
Ga1=0
Ga2=Drs
Gc1=Ga2=Drs
Gc2=Gc1+Dtr=Drs+Dtr
Gb1=Gc2=Drs+Dtr
Gb2=Gb1+Dst=Drs+Dtr+Dst ・・・ (2)
【0041】
比較波又はキャリア発生器としての鋸波発生器54は、PWMパルスを形成するための鋸波Vt を図5(D)に示すように入力交流電圧Vrs 、Vst 、Vtr の周波数の複数倍の高い周波数(例えば20〜150kHz )で発生する。鋸波Vt の最低値は零に設定され、最大値は第1、第2、第3、第4、第5及び第6のタイミング信号Ga1、Ga2、Gb1、Gb2、Gc1、Gc2よりも大きく設定されている。なお、鋸波発生器54を三角波発生器とすることもできる。また、鋸波Vtを立下り傾斜鋸波とすることができる。
【0042】
ライン53a、53a′、53b、53b′、53c、53c′によってタイミング信号演算器53に接続され且つライン54aによって鋸波発生器54に接続された図3の制御信号形成回路55は、図4に示すように第1、第2、第3、第4、第5及び第6の比較器81、82、83、84、85、86と、論理回路87とから成る。第1の比較器81の正入力端子が第1のタイミング信号Ga1のライン53aに接続され、第2〜第6の比較器82〜86の負入力端子が第2〜第6のタイミング信号Ga2〜Gc2のライン53a′〜53c′にそれぞれ接続され、第1の比較器81の負入力端子及び第2〜第6の比較器82〜86の正入力端子が鋸波発生器54の出力ライン54aに接続されている。第1の比較器81は鋸波Vt が零になった時にパルスを発生し、第2〜第6の比較器82〜86は鋸波Vt がそれぞれのタイミング信号Ga2〜Gc2よりも高くなると高レベル出力を発生する。
【0043】
論理回路87は第1〜第6のトリガ回路88〜93と第1、第2及び第3のRSフリップフロップ94、95、96とから成る。第1のRSフリップフロップ94は第1の比較器81の出力が高レベルに転換したことに応答してセットされ、第2の比較器82の出力が高レベルに転換したことに応答してリセットされ、図5(E)に示す第1の制御信号Vgaを形成して第1及び第2のスイッチS1、S2に送る。
第2のRSフリップフロップ95は第3の比較器83の出力が高レベルに転換したことに応答してセットされ、第4の比較器84の出力が高レベルに転換したことに応答してリセットされ、図5(G)に示す第2の制御信号Vgbを形成して第3及び第4のスイッチS3、S4 に送る。
第3のRSフリップフロップ96は第5の比較器85の出力が高レベルに転換したことに応答してセットされ、第6の比較器86の出力が高レベルに転換したことに応答してリセットされ、図5(F)に示す第3の制御信号Vgcを形成して第5及び第6のスイッチS5、S6 に送る。
【0044】
ライン25、26、27の第1、第2及び第3の制御信号Vga、Vgb、Vgcは、図1の第1〜第6の駆動回路11〜16を介して第1〜第6のスイッチS1〜S6の制御端子に送られる。第1〜第6のスイッチS1〜S6は第1、第2及び第3の制御信号Vga、Vgb、Vgcが論理の1(高レベル)の時にオン制御される。
【0045】
第1〜第6のスイッチS1〜S6が図5(E)(G)(F)に示す第1、第2及び第3の制御信号Vga、Vgb、Vgcでオン・オフ制御されると、これ等のオン期間に第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cに各線間電圧Vrs、Vst、Vtrが印加され、トランスの2次巻線N2 に電圧が誘起され、交流の正の半波期間には第1の整流素子21がオンになり、負の半波期間には第2の整流素子22がオンになり、2次巻線N2 の電圧がリアクトル23とコンデンサ24で平滑されて負荷4に供給される。
第1〜第6のスイッチS1〜S6は、交流線間電圧Vrs、Vst、Vtrの正の半波の期間と負の半波の期間とのいずれにおいても高周波でオン・オフされ、トランスの2次側に全波整流平滑回路3が接続されているので、第1及び第2の整流素子21、22の出力段に3相全波整流波形と同様にリップルの小さい出力を得ることができ、コンデンサ24の出力電圧Vo のリップルも小さくなる。
【0046】
直流出力電圧Vo が例えば目標値Vo1よりも高くなると、出力電圧制御用減算器41の出力が低くなり、電流振幅指令値Io1が低下し、この結果としてタイミング信号Ga1〜Gc2 も低下し、PWMパルスの幅が狭くなり、第1〜第6のスイッチS1〜S6のオン期間に2次側に供給される電力が低下し、直流出力端子4a、4bの電圧Vo が目標値に戻される。出力電圧Vo が目標値Vo1よりも低くなった時には、上記の高くなった時と逆の動作になる。
【0047】
この実施形態では、2次巻線N2 の出力電流Io の検出に基づいて制御信号Vga、Vgb、Vgcのパルス幅を制御している。この出力電流Io による制御は、式(1)に従って実行されるので、制御信号Vga、Vgb、Vgcのパルス幅は出力電流Io に比例的に変化する。従って、制御信号Vga、Vgb、Vgcのパルス幅を出力電流Io に対応するように変えることができる。
【0048】
第1、第2及び第3の電流指令値Irs、Ist、Itrは、第1、第2及び第3の線間電圧Vrs、Vst、Vtrに基づいて作成された正弦波であり、第1〜第6のタイミング信号Ga1〜Gc2 も3相交流に基づく周期性を有して変化する。従って、第1、第2及び第3の交流入力端子Ir 、Is 、It における力率が良くなる。
【0049】
【スナバ回路】
本実施形態に従うスナバ回路は、3相共通のクランプ用コンデンサCzと、3相共通の定電圧回路としてのツェナ−ダイオ−ドZD及び放電用抵抗Rzと、それぞれを補助ダイオ−ドと呼ぶこともできる第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDa、Db、Dc、Dd、De、Df、Dr、Ds、Dtとから成る。
【0050】
クランプ用コンデンサCzはスナバコンデンサとも呼びことができるものであり、保護すべき範囲のサ−ジ電圧に耐えることができるものである。クランプ用コンデンサCzに対して放電用抵抗Rzを介して並列に接続された定電圧素子としてのツェナ−ダイオードZDの降伏電圧は、第1〜第6のスイッチS1〜S6をサ−ジ電圧から保護することができる電圧範囲の任意の値に設定されている。
放電用抵抗Rzはクランプ用コンデンサCzの放電エネルギを消費するものである。ツエナーダイオードZD又は定電圧回路が内部抵抗を含む時には、放電用抵抗Rzを省くことができる。
【0051】
第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドDaは、第1のスイッチ手段Q1と第1の1次巻線N1aとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端(上端)との間に接続されている。
第2のクランプ回路形成用ダイオ−ドDbは、第2のスイッチ手段Q2と第1の1次巻線N1aとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第3のクランプ回路形成用ダイオ−ドDcは、第3のスイッチ手段Q3と第2の1次巻線N1bとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第4のクランプ回路形成用ダイオ−ドDdは、第4のスイッチ手段Q4と第2の1次巻線N1bとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第5のクランプ回路形成用ダイオ−ドDeは、第5のスイッチ手段Q5と第3の1次巻線N1cとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドDfは、第6のスイッチ手段Q6と第3の1次巻線N1cとの接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第7、第8及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDr、Ds、Dtは、クランプ用コンデンサCzの他端(下端)と第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tとの間にそれぞれ接続されている。
即ち、第7のクランプ回路形成用ダイオ−ドDrの一端(アノ−ド)はクランプ用コンデンサCzの他端に接続され、その他端(カソ−ド)は第1の交流入力端子1rと第1及び第6のスイッチS1、S6の第1の主端子(ソース又はエミッタ)に接続されている。
第8のクランプ回路形成用ダイオードDsの一端(アノ−ド)はクランプ用コンデンサCzの他端に接続され、その他端(カソ−ド)は第2の交流入力端子1sと第2及び第3のスイッチS2、S3の第1の主端子(ソース又はエミッタ)に接続されている。
第9のクランプ回路形成用ダイオードDtの一端(アノ−ド)はクランプ用コンデンサCzの他端に接続され、その他端(カソ−ド)は第3の交流入力端子1tと第4及び第5のスイッチS4、S5の第1の主端子(ソース又はエミッタ)に接続されている。
第1、第2、第3、第4、第5、及び第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドDa、Db、Dc、Dd、De、Dfは、第1〜第6のスイッチS1〜S6の第2の主端子(ドレイン又はコレクタ)からクランプ用コンデンサCzの一端に向かって電流を流すことができる方向性を有する。第7、第8及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDr、Ds、Dtはクランプ用コンデンサCzの他端から第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1t側に向って電流を流すことができる方向性を有する。
【0052】
クランプ用コンデンサCzは、電力変換装置の起動後に低電圧ダイオードとしてのツェナーダイオードZDで決定された所定定電圧に充電される。この状態において、第1のスイッチ手段Q1の両端子間電圧がサ−ジ電圧によってクランプ用コンデンサCzの電圧よりも高くなると、第1及び第7のクランプ回路形成用ダイオードDa、Drが順方向バイアス状態となって導通し、サ−ジ電圧を吸収するための電流がクランプ用コンデンサCzに流れ込み、第1のスイッチ手段Q1の主端子間電圧はクランプ用コンデンサCzの端子電圧と同一又はほぼ同一の値に制限される。
第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の主端子間電圧がクランプ用コンデンサCzの端子電圧よりも高くなった時にも、第2〜第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDb〜Dtが選択的に導通してサ−ジ電圧が第1のスイッチ手段Q1の場合と同様に抑制される。
第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6の主端子間電圧がクランプ用コンデンサCzの端子電圧よりも低い期間には、第1〜第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドDa〜Dtが非導通に保たれ、クランプ用コンデンサCzを含むスナバ回路に電流が流れず、電力損失も生じない。
【0053】
本実施形態は次の利点を有する。
(1) クランプ用コンデンサCzに並列にツェナ−ダイオ−ドZDと放電用抵抗Rzとの直列回路から成る定電圧回路を接続したので、クランプ用コンデンサCzの端子電圧よりも第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6の主端子間電圧が高くならない期間には、クランプ用コンデンサCzに電流が流れ込まず、また、クランプ用コンデンサCzの放電回路も実質的に形成されない。従って、スナバ回路における電力損失を低減することができる。
(2) クランプ用コンデンサCz及び定電圧用のツェナ−ダイオ−ドZD及び放電用抵抗Rzが3相で共用されているので、スナバ回路の小型化、低コスト化を図ることができる。
(3) 従来の典型的な絶縁型の3相交流−直流変換装置では絶縁分離用トランスの1次側にコンバータ回路とインバータ回路とを設け、2段構成としなければならず、必然的に大型になった。これに対して、本実施形態の装置は、トランス2の1次側に第1〜第6のスイッチS1〜S6を含む第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6を設け、これをオン・オフ制御するように構成されているので、スイッチング素子が少なくなり、従来装置よりも大幅に小型化且つ低コスト化を図ることができる。
(4) トランス2の1次側の変換段数が1段となるので、従来の2段の構成に比べて損失が低減し、変換効率を向上させることができる。
(5) 図1の回路では、トランス2の1次側が1段であるので、従来のコンバータとインバータとの間に設けた直流リンクコンデンサに相当するものが不要になり、小型化及び低コスト化を図ることができる。
(6) 第1及び第2のスイッチS1、S2の組と、第3及び第4の組と、第5及び第6の組とは時間をずらしてオン制御されるので、トランス2の2次側の回路の電力容量を抑えることができる。また、リップルの少ない出力電圧Vo を得ることができる。
(7) 第1相、第2相及び第3相の双方向スイッチ回路が第1、第2及び第3の1次巻線N1a、N1b、N1cを中心にして一方の側に配置された第1、第3及び第5のスイッチ手段Q1、Q3、Q5と他方の側に配置された第2、第4及び第6のスイッチ手段Q2、Q4、Q6との組み合せで構成されているので、第1〜第6のスイッチS1〜S6の制御の安定化を図ることができる。即ち、各電源ラインL3、L6、L9に各スイッチS1〜S6の第1の主端子としてのソースが接続されているので、ソースの電位が電源ラインL3、L6、L9の電位になり、スイッチのオン・オフによって1次巻線N1a、N1b、N1cの電圧が急変してもソース・ゲート間電圧の変化がさほど発生せず、スイッチS1〜S6の安定的制御が可能になる。要するに、ドレインが電源ライン側になる場合に比べて、図1のソースが電源ライン側になる方がゲート・ソース間の制御が安定化する。
【0054】
【第2の実施形態】
次に、図6に示す本発明に従う第2の実施形態の3相交流−直流電力変換装置を説明する。但し、図6及び後述の図7〜図8において図1と実質的に同一の部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。なお、図6〜図8では、第1〜第6のスイッチS1〜S6の制御手段の図示が省略されているが、図1における制御手段と実質的に同一のものが使用される。
【0055】
図6の3相交流−直流電力変換装置の主回路は図1と同一である。図6のスナバ回路は、ツェナ−ダイオ−ドZDと放電用抵抗Rzとから成る定電圧回路と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6に対して第1、第2、第3、第4、第5及び第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドD11、D13、D15、D17、D19、D21を介して並列に接続された第1、第2、第3、第4、第5及び第6のクランプ用コンデンサC11、C12、C13、C14、C15、C16と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドD11、D13、D15、D17、D19、D21と第1、第2、第3、第4、第5及び第6のクランプ用コンデンサC11、C12、C13、C14、C15、C16とのそれぞれの接続点と定電圧回路の一端即ち抵抗Rzの上端との間にそれぞれ接続された第7、第8、第9、第10、第11及び第12のクランプ回路形成用ダイオ−ドD12、D14、D16、D18、D20、D22と、定電圧回路の他端即ちツェナ−ダイオ−ドZDのカソ−ドと前記第1、第2及び第3の交流入力端子1r、1s、1tとの間に接続された第13、第14及び第15のクランプ回路形成用ダイオ−ドDr、DS、Dtとから成る。
【0056】
第1〜第6のスイッチS1〜S6は、図1の制御回路5、電圧検出回路6〜9、電流検出器10、及び駆動回路11〜16から成る制御手段と同一の制御手段によってオン・オフ制御される。起動後の定常状態では、スナバ機能を有する第1〜第6のクランプ用コンデンサC11〜C16がツェナ−ダイオ−ドZDで決定された所定の定電圧に充電される。例えば、第1のスイッチS1の端子電圧とほぼ同一の第1のクランプ用コンデンサC11の端子電圧がツェナ−ダイオ−ドZDで決定された定電圧よりも高くなると、第1のクランプ用コンデンサC11、クランプ回路形成用ダイオ−ドD12、放電用抵抗Rz、ツェナ−ダイオ−ドZD、及びクランプ回路形成用ダイオ−ドDrから成る経路に放電電流が流れ、クランプ用コンデンサC11は所定の定電圧になる。
【0057】
第1のスイッチS1のタ−ンオフ時等において第1のスイッチS1に所定の定電圧よりも大きいサ−ジ電圧が印加されると、これに並列に接続された第1のクランプ用コンデンサC11によってサ−ジ電圧が吸収される。従って、第1のスイッチS1の主端子間電圧は、第1のクランプ用コンデンサC11の電圧にクランプされる。第1のスイッチS1の主端子間電圧がツェナ−ダイオ−ドZDで決る定電圧よりも低い時には、第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD11が逆バイアス状態であって非導通であるので、損失が発生しない。
第2〜第6のクランプ用コンデンサC12〜C16によるクランプ動作も第1のクランプ用コンデンサC11による上述のクランプ動作と同様に生じる。
【0058】
図6の第2の実施形態は、第1〜第6のスイッチS1〜S6に対して第1〜第6のクランプ用コンデンサC11〜C16が個別に設けられている点を除いて図1の第1の実施形態と同一である。従って、第1の実施形態におけるクランプ用コンデンサCzの共用による小型化の効果は第2の実施形態によって得ることができないが、この他は第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態では、第1〜第6のスイッチS1〜S6に対して第1〜第6のクランプ用コンデンサC11〜C16を個別に設けることによって、第1〜第6のスイッチS1〜S6に第1〜第6のクランプ用コンデンサC11〜C16を図1の共通のクランプ用コンデンサCzの場合よりも接近して配置することができ、第1の実施形態よりも電圧クランプ効果を良好に得ることができる。
【0059】
【第3の実施形態】
図7の第3の実施形態の3相交流−直流電力変換装置は、第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6の配置及び第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6とクランプ用コンデンサCzとの間の接続関係を変形した他は図1の実施形態と同一に形成したものである。
【0060】
図7では、第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2が第1の1次巻線N1aを介さずに直列に接続され、第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4が第2の1次巻線N1bを介さずに直列に接続され、第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6が第3の1次巻線N1cを介さずに直列に接続されている。また、第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6の第1〜第6の交流入力端子1r〜1t及びクランプ用コンデンサCzに対する接続の向きが図1と逆になっている。即ち、第1及び第2のスイッチS1、S2の第1の主端子(ソ−ス又はエミッタ)が互いに接続され、第3及び第4のスイッチS3、S4の第1の主端子(ソ−ス又はエミッタ)が互いに接続され、第5及び第6のスイッチS5、S6の第1の主端子(ソ−ス又はエミッタ)が互いに接続されている。また、図7の第1〜第6のダイオ−ドD1〜D6の向きは図1と逆である。
スナバ回路を除いた主回路部分の構成は、第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6と第1〜第3の1次巻線N1a〜N1cとの接続関係を除いて図1と同一である。
【0061】
図7のスナバ回路は、クランプ用コンデンサCzと、クランプ用コンデンサCzに並列に接続されたツェナ−ダイオ−ドZDと放電用抵抗Rzとから成る定電圧回路と、6個のダイオ−ドDr1、Dr2、DS1、Ds2、Dt1、Dt2から成る3相ブリッジ型整流回路100と、第1〜第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドD31〜D36とから成る。
3相ブリッジ型整流回路100は、第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2の直列回路の一端と第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4の直列回路の一端と第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6の直列回路の一端とに接続された第1、第2及び第3の交流端子と、クランプ用コンデンサCzの一端に接続された第1の直流端子と、クランプ用コンデンサCzの他端に接続されとた第2の直流端子とを有する。
第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD31は第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2の相互接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第2のクランプ回路形成用ダイオ−ドD32は第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2の直列回路の他端とクランプ用コンデンサCzの他端との間に接続されている。
第3のクランプ回路形成用ダイオ−ドD33は、第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4の相互接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第4のクランプ回路形成用ダイオ−ドD34は、第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4の直列回路の他端とクランプ用コンデンサCzの他端との間に接続されている。
第5のクランプ回路形成用ダイオ−ドD35は、第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6の相互接続点とクランプ用コンデンサCzの一端との間に接続されている。
第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドD36は、第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6の直列回路の他端とクランプ用コンデンサCzの他端との間に接続されている。
【0062】
図7の第1〜第6のスイッチS1〜S6のオン・オフ動作は図1と同一である。クランプ用コンデンサCzによるサ−ジ吸収動作も図1と実質的に同一である。
第1のスイッチS1の主端子間に印加されたサ−ジ電圧は、ブリッジ型整流回路100のダイオ−ドDr1、クランプ用コンデンサCz、及び第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD31の経路に流れる電流によってクランプ用コンデンサCzに吸収される。第2のスイッチS2の主端子間に印加されたサ−ジ電圧は、第2のクランプ回路形成用ダイオ−ドD32、クランプ用コンデンサCz、及び第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD31の経路に流れる電流によってクランプ用コンデンサCzに吸収される。
第3〜第6のスイッチS3〜S6のサ−ジ電圧も第1及び第2のスイッチS1、S2の場合と同様にクランプ用コンデンサCzで吸収される。
【0063】
図7の第3の実施形態は、第1〜第6のスイッチS1〜S6とクランプ用コンデンサCzとの間の経路において図1と相違するが、その他は図1と同一であるので、第1の実施形態と実質的に同一の効果を得ることができる。
【0064】
【第4の実施形態】
図8の第4の実施形態の電力変換装置は、図7の共通のクランプ用コンデンサCzの代りに、第1〜第6のスイッチS1〜S6に対して個別に第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46を設け、この他は図7と実質的に同一に形成したものである。従って、図8において図7と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図8のスナバ回路は、第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46と、放電用抵抗Rzとツェナ−ダイオ−ドZDとから成る定電圧回路と、ブリッジ型整流回路100と、第1〜第12のクランプ回路形成用ダイオ−ドD41〜D52とから成る。
【0066】
第1のクランプ用コンデンサC41は、第1のスイッチ手段Q1に第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD41を介して並列に接続されている。
第2のクランプ回路形成用ダイオ−ドD42は、第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD41と第1のクランプ用コンデンサC41との接続点と定電圧回路の一端即ちツェナ−ダイオ−ドZDのアノ−ドとの間に接続されている。
第2のクランプ用コンデンサC42は、第1及び第2のスイッチ手段Q1、Q2の直列回路に対して第3のクランプ回路形成用ダイオ−ドD43を介して並列に接続されている。
第4のクランプ形成回路用ダイオ−ドD44は、第3のクランプ回路形成用ダイオ−ドD43と第2のクランプ用コンデンサC42との接続点と定電圧回路の他端即ち放電用抵抗Rzの上端との間に接続されている。
第3のクランプ用コンデンサC43は、第3のスイッチ手段Q3に第5のクランプ回路形成用ダイオ−ドD45を介して並列に接続されている。
第6のクランプ回路形成用ダイオ−ドD46は、第5のクランプ回路形成用ダイオ−ドD45と第3のクランプ用コンデンサC43との接続点と定電圧回路の一端即ちツェナ−ダイオ−ドZDのアノ−ドとの間に接続されている。
第4のクランプ回路形成用ダイオ−ドD44は、第3及び第4のスイッチ手段Q3、Q4の直列回路に対して第7のクランプ回路形成用ダイオ−ドD47を介して並列に接続されている。
第8のクランプ回路形成用ダイオ−ドD48は、第7のクランプ回路形成用ダイオ−ドD47と第4のクランプ用コンデンサC44との接続点と定電圧回路の他端即ち放電用抵抗R4の上端との間に接続されている。
第5のクランプ用コンデンサC45は、第5のスイッチ手段Q5に第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドD49を介して並列に接続されている。
第10のクランプ回路形成用ダイオ−ドD50は、第9のクランプ回路形成用ダイオ−ドD49と第5のクランプ用コンデンサC45との接続点と定電圧回路の一端即ちツェナ−ダイオ−ドZDのアノ−ドとの間に接続されている。
第6のクランプ用コンデンサC46は、第5及び第6のスイッチ手段Q5、Q6の直列回路に対して第11のクランプ回路形成用ダイオ−ドD51を介して並列に接続されている。
第12のクランプ回路形成用ダイオ−ドD52は、第11のクランプ回路形成用ダイオ−ドD51と第6のクランプ用コンデンサC46との接続点と定電圧回路の一端即ち放電用抵抗Rzの上端との間に接続されている。
図8の3相ブリッジ型整流回路100の第1、第2及び第3の交流端子と第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6に対する接続関係は図7のそれと同一である。
【0067】
図8の第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46の端子電圧が所定の定電圧よりも高くなると、放電用抵抗Rzを介して放電電流が流れ、第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46の端子電圧が所定の定電圧に戻される。例えば、第1のクランプ用コンデンサC41の端子電圧が所定の定電圧よりも高くなると、3相ブリッジ型整流回路100のダイオ−ドDr1、放電用抵抗Rz、ツェナ−ダイオ−ドZD、第2のクランプ回路形成用ダイオ−ドD42、及び第1のクランプ用コンデンサC41の経路で放電電流が流れ、第1のクランプ用コンデンサC41の端子電圧は所定の定電圧に制限される。また、第2のクランプ用コンデンサC42の端子電圧が所定の定電圧よりも高くなると、第4のクランプ回路形成用ダイオ−ドD44、放電用抵抗Rz、ツェナ−ダイオ−ドZD、及び3相ブリッジ型整流回路100のダイオ−ドDr2、第2のクランプ用コンデンサC42から成る経路に放電電流が流れ、第2のクランプ用コンデンサC42の端子電圧が所定の定電圧に戻される。第3〜第6のクランプ用コンデンサC43〜C46の放電も第1及び第2のクランプ用コンデンサC41、C42と同様に生じる。
【0068】
第1〜第6のスイッチS1〜S6に所定の定電圧よりも高いサ−ジ電圧が印加されると、これが第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46で吸収され、第1〜第6のスイッチS1〜S6の端子電圧は所定の定電圧と同一又はほぼ同一に抑制される。即ち、第1のスイッチS1に所定の定電圧以上の電圧が印加されると、第1のクランプ用コンデンサC41と第1のクランプ回路形成用ダイオ−ドD41とから成る経路に電流が流れ、サ−ジ電圧が吸収される。第2のスイッチ手段Q2に対して所定の定電圧よりも高いサ−ジ電圧が印加されると、第3のクランプ回路形成用ダイオ−ドD43と第2のクランプ用コンデンサC42と第1のスイッチS1とから成る経路に電流が流れ、サ−ジ電圧が吸収される。
【0069】
図8の第4の実施形態のスナバ回路は、図6の第2の実施形態と同様に第1〜第6のスイッチS1〜S6のための個別の第1〜第6のクランプ用コンデンサC41〜C46を有する。従って、第4の実施形態は第2の実施形態と同様な効果をを有する。
【0070】
【変形例】
本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 図1,図6及び図7の実施形態では、第1相の第1及び第2のスイッチS1、S2の組、第2相の第3及び第4のスイッチS3、S4の組、第3相の第5及び第6のスイッチS5、S6の組に同一の制御信号を供給しているが、図1,図6,図7及び図8の第1〜第4の実施形態において、交流電圧Vrs、Vst、Vtrの正の半波期間に第2、第4及び第6のスイッチS2、S4、S6にPWM制御信号を供給し、第3及び第5のスイッチS1、S3、S5に連続的にオフ制御信号又はオン制御信号を供給し、負の半波期間に第1、第3及び第5のスイッチS1、S3、S5にPWM制御信号を供給し、第2、第4及び第6のスイッチS2、S4、S6に連続的にオフ制御信号又はオン制御信号を供給することができる。これにより、第1〜第6のスイッチS1〜S6のスイッチング回数が少なくなり、第1〜第6のスイッチS1〜S6の損失及び制御回路の損失が低減する。
また、各実施形態において、第2,第4及び第6のスイッチS2,S4,S6を第1,第3及び第5のスイッチS1,S3,S5と逆にオン・オフ動作させることができる。
(2) 第1〜第6のスイッチS1〜S6のオン・オフ制御手段は、図2〜図5に示すものに限定されるものでなく、3相交流−直流変換できるものであればどのような回路でもよい。即ち、このオン・オフ制御手段として、前特許文献1及び2、前記非特許文献1に開示されている全ての制御回路及びこれに類似する回路を第1〜第6のスイッチS1〜S6の制御に使用することができる。
(3) 図1,図6,図7及び図8の第1,第2,第3及び第4の実施形態において、第1〜第6のスイッチ手段Q1〜Q6、及びスナバ回路の全ての回路素子の極性(方向)を逆にすることができる。即ち、図1において、第1〜第6のスイッチS1〜S6、第1〜第6のダイオードD1〜D6、ツエナーダイオードZD、第1〜第9のクランプ回路形成用ダイオードDa〜Df及びDr,Ds,Dtの極性を逆にすること、図6において、第1〜第6のスイッチS1〜S6、第1〜第6のダイオードD1〜D6、ツエナーダイオードZD、第1〜第15のクランプ回路形成用ダイオードD11〜D22及びDr,Ds,Dtの極性を逆にすること、図7において、第1〜第6のスイッチS1〜S6、第1〜第6のダイオードD1〜D6、ツエナーダイオードZD、第1〜第6のクランプ回路形成用ダイオードD31〜D36、3相ブリッジ型整流回路100のダイオードDr1,Dr2,Ds1,Ds2,Dt1,Dt2の極性を逆にすること、図8において第1〜第6のスイッチS1〜S6、第1〜第6のスイッチD1〜D6、ツエナーダイオードZD、第1〜第12のクランプ回路形成用ダイオードD41〜D52、3相ブリッジ型整流回路100のダイオードDr1,Dr2,Ds1,Dr2,Dt1,Dt2の極性を逆にすることができる。
(4) 各実施形態において、トランス2に1つの2次巻線N2を設け、ここにブリッジ型の全波整流回路を接続することができる。
(5) ツエナーダイオードZDの代りに、これと同様な機能を有する定電圧素子又は定電圧回路を接続することができる。
(6) 各実施形態において、ツエナーダイオードZDと放電用抵抗Rzを合せて定電圧回路と呼んだが、ツエナーダイオードのみを定電圧回路と呼ぶこともできる。
(7) 第1〜第6のスイッチS1〜S6は、IGBTに限ることなく、FET,トランジスタ等の別の制御可能な半導体スイッチであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の3相交流−直流電力変換装置を示す回路図である。
【図2】図1の第1〜第6のスイッチとこの駆動回路を詳しく示す回路図である。
【図3】図1の制御回路を詳しく示す回路図である。
【図4】図3の制御信号形成回路を示す回路図である。
【図5】図3の各部の状態を示す波形図である。
【図6】第2の実施形態の3相交流−直流電力変換装置の一部を示す回路図である。
【図7】第3の実施形態の3相交流−直流電力変換装置の一部を示す回路図である。
【図8】第4の実施形態の3相交流−直流電力変換装置の一部を示す回路図である。
【符号の説明】
1r、1s、1t 第1、第2及び第3の交流入力端子
2 トランス
3 全波整流平滑回路
5 制御回路
N1a、N1b、N1c 第1、第2及び第3の1次巻線
N2 2次巻線
Q1〜Q6 第1〜第6のスイッチ手段
S1〜S6 第1〜第6のスイッチ
D1〜D6 第1〜第6のダイオ−ド
Cz、C11〜C16、C41〜C46 クランプ用コンデンサ
ZD ツエナーダイオード
Rz 放電用抵抗
Claims (5)
- 3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第4のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第6のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
クランプ用コンデンサ(Cz)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)に並列に接続された定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)と前記第1の1次巻線(N1a)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Da)と、
前記第2のスイッチ手段(Q2)と前記第1の1次巻線(N1a)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Db)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)と前記第2の1次巻線(N1b)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dc)と、
前記第4のスイッチ手段(Q4)と前記第2の1次巻線(N1b)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dd)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)と前記第3の1次巻線(N1c)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(De)と、
前記第6のスイッチ手段(Q6)と前記第3の1次巻線(N1c)との接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Df)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端と前記第1、第2及び第3の交流入力端子(1r、1s、1t)との間にそれぞれ接続された第7、第8及び第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dr、Ds、Dt)と
が設けられていることを特徴とする3相交流―直流電力変換装置。 - 3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3のスイッチ手段を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第4のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5のスイッチ手段を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第6のスイッチ手段を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)に対して第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D11)を介して並列に接続された第1のクランプ用コンデンサ(C11)と、
前記第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D11)と前記第1のクランプ用コンデンサ(C11)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D12)と、
前記第2のスイッチ手段(Q2)に対して第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D13)を介して並列に接続された第2のクランプ用コンデンサ(C12)と、
前記第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D13)と前記第2のクランプ用コンデンサ(C12)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D14)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)に対して第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D15)を介して並列に接続された第3のクランプ用コンデンサ(C13)と、前記第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D15)と前記第3のクランプ用コンデンサ(C13)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D16)と、
前記第4のスイッチ手段(Q4)に対して第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D17)を介して並列に接続された第4のクランプ用コンデンサ(C14)と、
前記第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D17)と前記第4のクランプ用コンデンサ(C14)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第8のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D18)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)に対して第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D19)を介して並列に接続された第5のクランプ用コンデンサ(C15)と、
前記第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D19)と前記第5のクランプ用コンデンサ(C15)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第10のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D20)と、
前記第6のスイッチ手段(Q6)に対して第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D21)を介して並列に接続された第6のクランプ用コンデンサ(C16)と、
前記第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D21)と前記第6のクランプ用コンデンサ(C16)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第12のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D22)と、
前記定電圧回路の他端と前記第1、第2及び第3の交流入力端子(1r、1s、1t)との間に接続された第13、第14及び第15のクランプ回路形成用ダイオ−ド(Dr、Ds、Dt)と
が設けられていることを特徴とする3相交流―直流電力変換回路。 - 3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)は互いに直列接続され、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)は互いに直列接続され、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)は互いに直列接続され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
クランプ用コンデンサ(Cz)と、
前記クランプ用コンデンサ(Cz)に並列に接続された定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の一端に接続された第1の交流端子と前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の一端に接続された第2の交流端子と前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の一端に接続された第3の交流端子と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端に接続された第1の直流端子と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端に接続された第2の直流端子とを有する三相ブリッジ型整流回路(100)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D31)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D32)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D33)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D34)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の接続点と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の一端との間に接続された第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D35)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の他端と前記クランプ用コンデンサ(Cz)の他端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D36)と
を設けたことを特徴とする3相交流―直流電力変換装置。 - 3相交流電源に接続される第1、第2及び第3の交流入力端子と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段と、第1、第2及び第3の1次巻線と少なくとも1つの2次巻線とを有するトランスと、前記2次巻線に接続された整流平滑回路とを備え、
前記2次巻線は前記第1、第2及び第3の1次巻線にそれぞれ電磁結合され、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)は互いに直列接続され、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)は互いに直列接続され、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)は互いに直列接続され、
前記第1の1次巻線の一端は前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路を介して前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1の1次巻線の他端は前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の一端は前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路を介して前記第2の交流入力端子に接続され、
前記第2の1次巻線の他端は前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の一端は前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路を介して前記第3の交流入力端子に接続され、
前記第3の1次巻線の他端は前記第1の交流入力端子に接続され、
前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6のスイッチ手段のそれぞれは、半導体スイッチとこのスイッチに逆方向並列に接続され且つスイッチに内蔵されるように又は個別に形成されているダイオードとから成り、前記第1、第3及び第5のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向の電流を流すことができる方向性を有し、前記第2、第4及び第6のスイッチ手段に含まれている前記ダイオードは前記第1、第2及び第3の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流すことができる方向性を有し、
前記第1の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第2のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第1の1次巻線に第1の方向と反対の第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第1のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第4のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第2の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第3のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第1の方向の電流を流す時には少なくとも前記第6のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御し、前記第3の1次巻線に第2の方向の電流を流す時には少なくとも前記第5のスイッチ手段の半導体スイッチをオン制御する制御手段を有している3相交流―直流電力変換装置において、
定電圧回路(ZD、Rz)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路の一端に接続された第1の交流端子と前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路の一端に接続された第2の交流端子と前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q6)の直列回路の一端に接続された第3の交流端子と前記定電圧回路の一端に接続された第1の直流端子と前記定電圧回路の他端に接続された第2の直流端子とを有する三相ブリッジ型整流回路(100)と、
前記第1のスイッチ手段(Q1)に対して第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D41)を介して並列に接続された第1のクランプ用コンデンサ(C41)と、
前記第1のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D41)と前記第1のクランプ用コンデンサ(C41)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第2のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D42)と、
前記第1及び第2のスイッチ手段(Q1、Q2)の直列回路に対して第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D43)を介して並列に接続された第2のクランプ用コンデンサ(C42)と、
前記第3のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D43)と前記第2のクランプ用コンデンサ(C42)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第4のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D44)と、
前記第3のスイッチ手段(Q3)に対して第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D45)を介して並列に接続された第3のクランプ用コンデンサ(C43)と、
前記第5のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D45)と前記第3のクランプ用コンデンサ(C41)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第6のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D46)と、
前記第3及び第4のスイッチ手段(Q3、Q4)の直列回路に対して第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D47)を介して並列に接続された第4のクランプ用コンデンサ(C44)と、
前記第7のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D47)と前記第4のクランプ用コンデンサ(C44)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第8のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D48)と、
前記第5のスイッチ手段(Q5)に対して第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D49)を介して並列に接続された第5のクランプ用コンデンサ(C45)と、
前記第9のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D49)と前記第5のクランプ用コンデンサ(C45)との接続点と前記定電圧回路の一端との間に接続された第10のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D50)と、
前記第5及び第6のスイッチ手段(Q5、Q46)の直列回路に対して第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D51)を介して並列に接続された第6のクランプ用コンデンサ(C46)と、
前記第11のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D51)と前記第6のクランプ用コンデンサ(C46)との接続点と前記定電圧回路の他端との間に接続された第12のクランプ回路形成用ダイオ−ド(D52)と
を設けたことを特徴とする3相交流―直流電力変換装置。 - 前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御し、前記第3及び第4のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御し、前記第5及び第6のスイッチ手段の半導体スイッチを同時にオン制御するものであることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4記載の3相交流―直流電力変換装置。
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