JP2004336218A - 画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理対象となったデータに基づいて、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成装置としての複合機2が、処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成し、同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成し、同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体上に形成した画像により、データの授受を行う画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータ等のディジタル技術の発展に伴い、種々の形態でデータの授受が行われるようになっている。例えば、記録媒体の一つである紙媒体にデータに基づいて生成される画像を固定し、当該画像をスキャナ等によって光学的に読み取って、データに復号するという技術もある。
【0003】
こうした技術の例として具体的に、特許文献1に示すようなものがある。この特許文献1に示した例は、複写偽造防止用の情報を、スラッシュ(「/」)や、逆スラッシュ(「\」)といった記号の画像(以下、コード画像と呼ぶ)として、これらを二次元に配列し、ドキュメントの背景として印字するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−346032号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうしたデータの授受方法では、記録媒体からの画像の読み込み等、画像の扱いに関連して、授受したいデータ(処理対象データ)を表す画像の位置を画定するための技術が要求される。そこで、データに係る画像の位置を画定するための同期用の画像を用い、当該同期用の画像を認識し、認識した同期用の画像に基づいて画定される位置から、処理対象データの復号を開始することが考えられる。
【0006】
例えば上述の特許文献1に示した例の場合、同期用のデータとしてビットの「1」又は「0」のいずれか1ビットからなる同期データとすることができる。このようにすると、同期データを記録した領域では、スラッシュ又は逆スラッシュが連続することとなって区別され、一方で、その色や濃度等の性状は、データの画像部分と略均一となるので、ドキュメントの背景としたり、複写牽制パターンを埋め込む際のカモフラージュパターンとするのにも好適となる。
【0007】
また、ドキュメントの背景とする場合には、ドキュメントの文字や図形等によって掩蔽される部分が生じることに鑑み、データを繰り返して配列することとしてもよい。すなわち、処理対象データを所定のサイズで分割し、当該分割によって得られたデータ部分に基づく画像を上述の同期データで区画し、それぞれ複数個所に配置するのである。この場合には、分割された各データ部分にアドレス情報を関連づけて、このアドレス情報もスラッシュや逆スラッシュ等、データと同様の画像を用いて記録する。また、アドレス情報は、一つの区画(同期データで区切られた単位)ごとに複数記録しておけば、アドレス情報を記録した部分の一つが掩蔽されたときにも、他のアドレス情報から当該区画に記録されたデータ部分が識別可能になって好ましい。
【0008】
しかしながら、このように同期データと、通常のデータとを同じ画像パターン(スラッシュや逆スラッシュ等)や類似の画像パターンで表現する場合、同期データと、データの実体部分(処理の対象となったデータ)とを区別できなくなる場合がある。例えば処理対象となったデータ内に、「1」又は「0」のビットが連続するデータが多く含まれると、その部分に対応する画像として、スラッシュや逆スラッシュが連続して現れる画像が生成されてしまう。こうした場合、当該部分が同期データに対応する画像と判断され、誤った位置から復号が開始されてしまうのである。
【0009】
同様の問題は、アドレス情報の記録についても起こり得る。すなわち、アドレス情報が「1」又は「0」の連続からなるビットパターンとなる場合、処理対象データと相俟って同期データに類似したパターンとなってしまうことがある。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、処理対象のデータの内容に関わらず、復号の開始位置を正しく検出させることのできる画像を形成する画像処理システムを提供することをその目的の一つとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、処理対象となったデータに基づいて、記録媒体上に機械読み取り可能なコード画像を形成し、このコード画像を利用して、前記データの授受を行う画像処理システムであって、画像形成装置と、復号装置とを含み、前記画像形成装置は、処理対象となった前記データに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手段と、を備え、前記復号装置は、記録媒体上に形成されたコード画像から、前記同期用のコード画像を検出する手段と、前記検出した同期用のコード画像によって画定される領域内の予め定められた位置に前記識別用のコード画像の部分が含まれている場合に、前記検出した同期用のコード画像によって画定される領域に含まれるデータ用のコード画像に基づき、データの復号を行う手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、処理対象となったデータに基づいて、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成装置であって、前記処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手段と、を含むことを特徴としている。ここで、前記識別データの値は、前記同期データの値との関係において定められることとしてもよい。
【0013】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、処理対象となった複数のデータに基づいて、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成装置であって、前記処理対象となったデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内であって、復号時の走査方向、又は走査方向に直交する方向の少なくとも一方向に沿った複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する手段と、を含むことを特徴としている。ここで、前記複数のアドレス情報には、アドレス値を表すビット列を含む第1アドレス情報と、アドレス値のビット値の少なくとも一部を反転したビット列を含む第2アドレス情報と、が含まれることとするのも好ましい。また、前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段をさらに含んでもよい。
【0014】
本発明の別の態様に係る方法は、処理対象となったデータの授受のために、当該処理対象となったデータに基づくコード画像を記録媒体上に形成する方法であって、前記処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する工程と、前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する工程と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明の別の態様に係る方法は、処理対象となった複数のデータの授受のために、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成方法であって、前記処理対象となったデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する工程と、前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内であって、復号時の走査方向、又は走査方向に直交する方向の少なくとも一方向に沿った複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する工程と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0016】
また、本発明の別の態様に係るプログラムは、コンピュータに、処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手順と、前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手順と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手順と、を実行させることを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明の別の態様に係るプログラムは、コンピュータに、処理対象となった複数のデータについて、そのデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手順と、前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内であって、復号時の走査方向、又は走査方向に直交する方向の少なくとも一方向に沿った複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する手順と、前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手順と、を実行させることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理システムとしての複合機と、それの接続状態を表す模式図である。図1に示すように、プリント機能及びコピー機能を有する、画像処理システムとしての複合機2は、パーソナルコンピュータで構成されたクライアント装置1に対して、イントラネット等のネットワーク3を介して接続されている。
【0019】
本システムは、不正なコピー等を抑制し機密を確保するなどのためにコピー牽制パターンの印刷を可能としたものである。コピー牽制パターンは、機密確保対象となる画像の背景として印刷され、本システムは、このコピー牽制パターンを画像としてプリントし、コピー機能の利用時には、そのコピー牽制パターンの画像に表されたデジタルデータを読み取って、例えばコピーの制御や管理の処理に供する。
【0020】
図2は、本システムによってプリント出力され、またコピー機能において読み取られる画像を示す模式図である。この画像は、例えば用紙などの記録媒体上に形成されて固定される。図2(A)には本システムによってプリント出力されたコピー牽制パターンの全体が例示されている。なお、実際には、このコピー牽制パターン上に文書画像が合成されてプリント出力されるが、ここでは、コピー牽制パターンに関する説明がしやすいように、文書画像は文字や図形を一切含まない文書画像であった場合(したがって、単にコピー牽制パターンのみを印刷したのと同じ結果となっている)を例として示している。図2(A)において、文字「COPY」の領域が複写機で複写すると浮かび上がる潜像部であり、その周囲の領域が背景部である。この図では、「COPY」の文字が識別できるように示されているが、実際には潜像部の「COPY」の文字は、周辺の画像と、肉眼上は濃度差を見分けられず、識別が困難になるよう形成されている。
【0021】
図2(C)は図2(A)の四角で囲んだ領域を拡大した画像であり、背景部はスラッシュ(「/」)及び逆スラッシュ(「\」)として表されるパターンが配列されて構成され、潜像部には、それらとは異なる第3のパターンが配列される。図3は、これら背景部、潜像部に配置される3つのパターンに対応するドットパターンであり、図3(A)に示すパターン0が逆スラッシュ、図3(B)に示すパターン1がスラッシュ、そして図3(C)に示すパターン2が潜像部を構成するパターンである。
【0022】
これらパターン0〜2の形状は互いに異なるが、各パターンを構成する黒色画素の数が略同じであり、パターンの配列に依らずプリント出力された場合の濃度が同じになるように構成されている。なお、実際にはプリンタ特性により画素数が同じでもパターンにより濃度が多少異なるため、プリント出力後の濃度が略一致するように、各パターンを構成する黒色画素の数及びパターン形状が設定されている。それゆえ、記録媒体上にプリント出力した際の潜像文字の内外の平均濃度(単位面積当たりの黒色画素面積)は同一となり、人間の目にはコピー牽制パターンが全面均一のグレイ背景に見え、上述したようにオリジナルのコピー牽制パターンにおいては肉眼で「COPY」の文字が識別し難くなる。
【0023】
さて、背景部に配置されるパターン0及びパターン1は図3(A)及び(B)に示すようにドットが直線状に並んだパターンであり、複写機で複写された場合にパターンが再現されるという特性を有している。これに対し、潜像部の内部に配置されるパターン2は図3(C)に示すように孤立ドットがランダムに配置されたパターンであり、複写機で複写された場合にパターンが再現されにくい特性を有している。このため、図2(A)に示す画像を複写機で複写すると、背景部は高濃度で複写され、潜像部の内部は画像が抜けて、図2(B)に示すように、複写物においては白抜きの「COPY」の文字が浮かび上がる。
【0024】
以上のように、本システムでプリント出力した印刷物は、複写機で複写すると潜像として埋め込まれていた文字等の画像が浮かび上がることになるので、不正に複写する行為に対して心理的な抑制となると共に、浮かび上がった文字等によりオリジナルと複写物とを区別することが可能になる。
【0025】
また、コピー牽制パターンの背景部は、互いに識別可能なパターン0及びパターン1をビット値「0」、「1」に対応付けてデジタルデータを表したコード画像とされる。背景部を構成するパターン0及びパターン1は複写後においても再現されるため、そのコード画像に埋め込まれた情報は、複写物からも復号することができる。例えば、このコード画像には、オリジナル文書を印刷したプリンタのIPアドレス等の情報を埋め込むことができ、それら情報を復号することで印刷物の流出経路を特定する処理などに供することができるようになる。
【0026】
図1に示す本発明に係る画像処理システムにおいて、クライアント装置1からの指示により文書データの印刷を行う場合には、クライアント装置1に内蔵されたプリンタドライバによって、文書データがPDL(Page Description Language)で記述された文書データ(PDLデータ)に変換され、このPDLデータがネットワーク3を介して複合機2へ送信される。複合機2は、受信したPDLデータに基づき、機密文書か否かを判定し、機密文書であると判定した場合には、PDLデータに対し、後述する加工を施すとともに、PDLデータをラスタ画像データに変換し、プリント出力を行う。
【0027】
次に、図1で示した複合機2の内部構成について説明する。図4は、複合機の内部構成を示す概略の機能ブロック図である。複合機2は、ネットワーク3に対するネットワークインターフェース(ネットワークI/F)10、複合機2全体の制御を行う制御部12、ユーザへの情報表示及びキー入力等を行うコントロールパネル14、原稿を読み取って画像データを取得する画像読み取り部16、読み取った画像データに対する所定の画像処理及び制御部12の制御に基づく画像データ生成を行う画像処理装置18、及び画像処理装置18から出力された画像データを印刷用紙等の画像記録媒体に印刷出力する画像形成部20を備える。
【0028】
ネットワークI/F10は、ネットワーク3を通してクライアント装置1からPDLデータの受信を行うと共に、その他のネットワーク接続機器との通信を行う。このPDLデータのヘッダー部には、プリントジョブを送信したコンピュータのIPアドレス、プリントジョブを送信したユーザ名、プリントする文書ファイル名、プリントする文書のタイムスタンプが付加情報として付加されている。さらに、PDLデータのヘッダー部には、コピー牽制パターンの設定情報が付加されている。本実施の形態では、この付加情報が処理対象のデータに相当する。
【0029】
ここで、コピー牽制パターンの設定情報は、潜像文字として埋め込む文字列を含んでいる。このコピー牽制パターンの設定情報は、複写を抑制する必要がある機密文書等にだけ付加されているので、コピー牽制パターンが抽出された場合には、この文書は機密文書等であると判定される。
【0030】
制御部12は、ネットワークI/F10で受信したPDLデータを格納するメモリ(図示省略)を有し、このメモリに格納されたPDLデータをチェックし、付加情報及びコピー牽制パターン設定情報が付加されているかを調べる。制御部12はコピー牽制パターン設定情報が付加されている場合には、複合機2の動作モードをコピー牽制パターン合成プリントモードに設定する。また、制御部12は付加情報並びにコピー牽制パターン設定情報に含まれている潜像文字列情報を取り出して、画像処理装置18へ設定する。
【0031】
一方、制御部12は、コピー牽制パターン設定情報が付加されていない場合には、複合機2の動作モードを通常プリントモードに設定する。この通常プリントモードでは、以下で説明するコピー牽制パターンの生成と合成処理は行われない。
【0032】
画像処理装置18は、ページバッファ30、画像処理部32、デジタルコード復号処理部34、画像生成部36、セレクタ38を含んで構成される。
【0033】
画像生成部36は上述した通常プリントモードでは、制御部12からPDLデータを受け取り、それに応じた文書画像データを生成し、この文書画像データをセレクタ38を介して画像形成部20へ出力する。また画像生成部36は、コピー牽制パターン合成プリントモードでは、文書画像データを生成するだけでなく、制御部12からPDLデータの付加情報及び潜像文字列情報を受け取り、それらを用いてコピー牽制パターンを生成する。そして、画像生成部36はコピー牽制パターンと文書画像とを合成した画像データを生成し、これをセレクタ38を介して画像形成部20へ出力する。例えば、付加情報はコピー牽制パターンの背景部を構成するコード画像に埋め込まれる。
【0034】
さて複合機2は、入力されたPDLデータに基づく上述した2つのプリントモードの他、画像読み取り部16から画像データを読み取って複写する動作モードであるコピーモードを有している。コピーモードでは、画像読み取り部16が用紙等の記録媒体上に形成された文書画像を読み取って、画像データを生成し、この画像データがページバッファ30に格納される。例えば、画像読み取り部16はスキャナ等であり、用紙等の記録媒体上に形成された画像を、ラスタスキャン方向に走査して読み取る。また、ページバッファ30は半導体素子等のメモリで構成される。
【0035】
ページバッファ30に格納された読み取り画像は、画像処理部32及びデジタルコード復号処理部34で利用される。画像処理部32は、読み取られた画像に対し、ユーザの指示に従って、又はセットされた印刷用紙の種別等に応じて、倍率変換、回転操作、コントラスト調整等の処理を行い、当該処理を施された画像データがセレクタ38を介して画像形成部20へ出力され得る。
【0036】
デジタルコード復号処理部34は、ページバッファ30から得た読み取り画像内に、上述したコピー牽制パターンの背景部のコード画像を検知し、そのコード画像に埋め込まれたデジタルデータを復号する。復号されたデジタルデータは制御部12に渡される。例えば、デジタルコード復号処理部34は、コピー牽制パターンの背景部のコード画像から上述したPDLデータの付加情報を抽出して、制御部12へ出力する。制御部12は、このPDLデータの付加情報に基づいて、例えば、その複合機2にて複写禁止の文書が読み込まれたことや、付加情報自体を、ネットワークI/F10及びネットワーク3を介して管理者に通知したり、当該複合機2の動作を制御する。
【0037】
セレクタ38は2つのプリントモードにおいては、画像生成部36から出力される画像データを画像形成部20へ通過させ、一方、コピーモードにおいては、画像処理部32から出力される画像データを画像形成部20へ通過させる。
【0038】
さて、上述したようにコピー牽制パターンはコード画像で構成され、背景部にデジタルデータが埋め込まれる。図5(a)は、実際に形成される状態を表す例であり、図5(b)は、このコピー牽制パターンの基本的構造を説明するための説明図である。これら図5(a),(b)では、コピー牽制パターンの構成単位となる二次元デジタルコードの一例を示している。二次元デジタルコードは、直交座標(画像読み取り部16における走査方向(主走査方向)及びそれに直交する方向(副走査方向)からなる座標)に従って行列状に配列された、パターン0又はパターン1の画像要素を含む。そしてさらに、この二次元デジタルコードが行列状に複数配列されてコピー牽制パターン全体の画像を構成する。
【0039】
図5(b)で示すように、各二次元デジタルコードは、画像の中での当該二次元デジタルコードの位置を特定する所定の同期パターン、を含む同期コード部50と、後述するアドレス情報を含むアドレスコード部52と、付加情報等のデジタルデータを含むデジタルデータ部54と、識別コード部56とを含む。この識別コード部56については、後に詳しく述べる。なお、図5(b)では、囲みや色の反転により、各情報の埋め込まれる位置をわかりやすく示しているが、実際には、図5(a)に示すように、囲みや色の反転がされているわけではない。
【0040】
同期コード部50に含まれる同期パターンは同じビット値(例えば「1」)を表すパターン(パターン「1」)を連続させた画像であり、パターン1が行方向(図5において水平方向)又は列方向(図5において垂直方向)に一列に並んだものである。二次元デジタルコードに記録されるデータ領域(アドレスコード部52及びデジタルデータ部54)をこの同期パターンで囲んで画定することにより、当該記録データ領域(又は当該二次元デジタルコード)の境界を検知し、画像中の各二次元デジタルコードから記録データ領域(又は二次元デジタルコード)を個別に取り出すことが可能となる。
【0041】
アドレスコード部52に保持されるアドレス情報は、画像中に複数配列された二次元デジタルコードの各々を識別する情報であり、異なる二次元デジタルコード別に定められる。ここで、画像中には記録データ内容が異なる複数種類の二次元デジタルコードを含み得る一方、記録データ内容が同じである二次元デジタルコードを複数個、一つの画像内に配列することも行われ得る。このような同種の二次元デジタルコードを複数個配置する冗長な記録は、コピー牽制パターン上に重ねて印刷される文書画像による遮蔽や画像ノイズの影響を回避するために有効である。この場合には、同種の二次元デジタルコードには同一のアドレスを付すことができる。例えば、アドレス情報は識別番号であり、アドレスコード部52には2進数で表された当該番号が格納される。例えば、二次元デジタルコードに埋め込まれる記録データは6個の部分データに分割され、各部分データに応じた6つの二次元デジタルコードが生成される。この場合は、それぞれの部分データに応じた二次元デジタルコードに互いに異なるアドレス情報を付することになる。6つ程度の場合、アドレス情報の表現には4ビットあれば十分であり、アドレスコード部52は例えば図5に示すように2行2列の4ビット領域で構成され、この4ビットのアドレスコード部52が記録データ領域の所定の位置にそれぞれ配置される。具体的にアドレスコード部52は、互いに離れて配置されてもよい。また、画像読み取り部16の主走査方向または副走査方向に沿って複数配置されてもよい。さらに同期コード部50に隣接して配置されてもよい。すなわち一例としては、このアドレスコード部52は、記録データ領域の四隅などに配置される。アドレスコード部52を記録データ領域の四隅などに複数配置することで、画像に含まれる文字や図形などが上から形成されてアドレスコード部52の少なくとも一部が掩蔽され、又は誤って読み取られるような場合にも、他のアドレスコード部52でそれを補って訂正することが可能となる。ちなみに、図5に示す例では、2進数表記でのアドレス情報「0101」がアドレスコード部52に格納されている。
【0042】
デジタルデータ部54は、二次元デジタルコードのうち同期コード部50とアドレスコード部52と識別コード部56とを除く部分であり、上述した付加情報等の格納すべき情報は、1つのデジタルデータ部54に格納できる情報量に応じて複数のレコードに分割され得る。例えば6つの二次元デジタルコードが設けられ、それぞれのデジタルデータ部54に異なるレコードが格納される。なお、図5では、説明のため、デジタルデータ部54を全てビット値「0」のパターン(パターン0)で描いているが、実際には格納される情報に応じてパターン0とパターン1とが混在した形態となる。
【0043】
識別コード部56は、図5(b)に示すように例えばX字形に、アドレスコード部52を避けて、各行各列にそれぞれ特定の識別コード用のパターンが少なくとも一つ含められている。ここで識別データのビット値は、例えば同期コードを表すビット値との関係において定められてもよい。具体的にここでは同期コードとは異なるビット値「0」とし、従って識別コードのパターンをパターン0としている。しかしながら識別データのビット値は、これに限られるものではない。この識別コード部56の配置位置(同期コード部50など、他のコードとの位置関係)は、デジタルコード復号処理部34にも記憶されている。なお、識別コード部56の配置位置及びパターンは、図5(b)に示した位置及びパターンのみならず、図6(a)から(f)に示すように、2種類のパターンを用いてもよいし(図6(a))、逆L字状に配列されてもよいし(図6(b))、二次元デジタルコードの行列の一の対角線上に沿って配置されてもよいし(図6(c))、二次元デジタルコードの中心近傍に矩形に配置してもよいし(図6(d))、十字に配置してもよいし(図6(e))、X字と十字とを組み合わせてもよい(図6(f))。この図6において、図6(a)から(e)ではアドレスコード部52が含められない例を示し、図6(f)ではアドレスコードを含む例を示している。
【0044】
図7は画像生成部36の構成を示すブロック図である。画像生成部36は、プリントデータ入力部80、文書画像生成部82、文書画像バッファ84、付加情報抽出部86、潜像生成部88、付加情報分割部90、付加情報符号化部92、コード画像生成部94、コード画像格納部96、及び画像合成部98を含んで構成される。
【0045】
プリントデータ入力部80に、付加情報が付加された機密文書等のPDLデータが入力されると、文書画像生成部82は文書画像データを生成する。生成された文書画像データは文書画像バッファ84に一時格納される。付加情報抽出部86は、潜像文字列とコード化情報からなる付加情報を抽出する。潜像生成部88は、潜像文字列から潜像文字画像データを生成する。
【0046】
付加情報分割部90は、コード化された付加情報を固定長コードに分割する。付加情報符号化部92は分割された複数のコード化情報をそれぞれ誤り訂正符号化し、潜像文字画像データを参照して、コード配列を生成する。なお、コード配列は、プリントされる具体的な画像ではなく、3つのコード値「0」「1」「2」で構成される二次元配列を仮想的に画像と捉えたものである。このコード配列は、それぞれデジタルデータのビット値に対応するコード「0」「1」の二次元配列をベースとしつつ、潜像文字の位置がコード「2」で置き換えられたものである。
【0047】
本実施の形態において特徴的なことの一つは、この付加情報符号化部92が、同期コード部50と、アドレスコード部52と、デジタルデータ部54とに含めるべきパターンに対応するコード配列を形成するとともに、図5(b)や図6に示したように、予め定められた位置に、予め定められた識別データに基づくコード配列を形成することである。
【0048】
コード画像格納部96は、図3に示したパターン0〜2のドットパターンを格納している。コード配列のコード値「0」「1」「2」はそれぞれこれらパターン0,1,2に対応している。コード画像生成部94は、このコード画像格納部96に格納されたパターンを参照して、コード配列に対応してパターン0〜2を配列し、コード画像を生成する。
【0049】
画像合成部98は、文書画像データとコード画像を重畳合成して出力する。こうして画像形成部20が画像合成部98の出力を受けて、コード画像が合成された文書画像データをプリント出力し、文書画像の背景画像にデジタルデータと潜像文字部が埋め込まれたドキュメントが用紙等、記録媒体上に形成、固定され、当該コード画像の形成された記録媒体が製造される。
【0050】
図8はデジタルコード復号処理部34の構成を示すブロック図である。デジタルコード復号処理部34は、画像整形部60、パターン検出部62、デジタル情報検出部64、デジタル情報登録部66、アドレス判定部68、デジタルデータ復号部70、及び付加情報復号部72を含んで構成される。画像整形部60は次段のパターン検出部62にて文書画像からコード画像を取り出しやすくするために、画像読み取り部16にて読み取った文書画像に対して2値化処理や画像の傾き補正処理、ノイズ除去処理などを行う。2値化処理はグレースケールで入力された文書画像を浮動(最適)2値化等の処理により2値画像へ変換する。画像の傾き補正処理は、画像読み取り時等で発生する画像の傾きを補正する。文書画像には文字やグラフィックなどの文書構成物を多く含み、これらはコード画像を抽出する際にはノイズ成分となる。ノイズ除去処理は、読み取った画像からデジタルコードのパターン(パターン0及び1)のサイズより大きい画像構成物、又はデジタルコードのパターンより小さい画像構成物を除去する。ノイズ除去処理によって、文書画像に含まれる文字やグラフィック等の文書構成物が除去され、コード画像を構成する記号パターンの検出を容易とすることができる。
【0051】
パターン検出部62はパターン0(「\」)とパターン1(「/」)を使用して、文書画像に含まれる複数のパターンを検出する。パターン検出部62により検出されたビットパターンは、その位置とパターンの種類(0,1,又は不明のいずれか)が次のデジタル情報検出部64へ渡される。
【0052】
デジタル情報検出部64はパターン検出部62で検出したコード画像から二次元デジタルコードを検出し、さらに各二次元デジタルコードからデジタルデータ部54のデジタルデータ及びアドレスコード部52に格納されるアドレスコードを抽出する。抽出されたアドレスコード部52の情報はアドレス判定部68へ渡される。一方、抽出されたデジタルデータ部54のデジタルデータはデジタル情報登録部66へ渡される。
【0053】
二次元デジタルコードの検出は、まず、パターン検出部62にて検出されたコード画像中に同期パターンを探索することから行われる。同期パターンは、上述したようにビット値が全て「1」(記号「/」に対応)の画像に設定していることに基づいて探索される。基本的には、同期コード部50の位置は、読み取られたコード画像のうちビット値「1」の比率が高い行や列として特定することができる。一方ここで、画像読み取り部16に画像記録媒体が90°回転した向きにセットされると、ビット値「1」を表すパターン1の画像は「\」(すなわちパターン0)と読み取られ、逆にビット値「0」を表すパターン0の画像は「/」(すなわちパターン1)と読み取られることになってビット値が反転してしまう。
【0054】
つまり、同期パターンはビット値が全て「0」の画像となっている可能性もあり、読み取られたコード画像のうちビット値「0」の比率が高い行及び列も同期コード部50の位置の候補となり得る。デジタル情報検出部64は例えば、ビット値が全て「1」の行又は列と全て「0」の行又は列のいずれか多い方を同期コード部50と判断する。また、このデジタル情報検出部64は、同期コード部50と判断された領域によって囲まれて画定される領域内から、予め定められた位置である識別コード部56に、識別データに対応するコード画像が形成されているか否かを調べる。具体的には、デジタル情報検出部64は、図5(b)で反転して表し、又は図6(a)から(f)に例示した配置位置及び識別データ、すなわち「0」又は「1」のビットが、識別のために配置される位置の情報を記憶しており、各位置のビット値が識別データのビット値と一致しているかを調べ、一致したビット値の個数により、識別データに対応するコード画像が、識別コード部56に形成されているか否かが判断される。
【0055】
デジタル情報検出部64は、さらに、識別データに対応するコード画像が、識別コード部56に形成されていると判断された場合には、検出した二次元デジタルコードのうち同期コード部50によって画定される矩形領域の四隅の4ビットをアドレスコード部52と判断し、その部分に含まれるデジタルデータをアドレス判定部68へ渡す。アドレス判定部68は、アドレスコード部52から渡されたデジタルデータに基づいて当該二次元デジタルコードのアドレスを識別し、これをデジタル情報登録部66へ渡す。なお、アドレス判定部68は、一つの二次元デジタルコードに含まれる4つのアドレスコード部52の内容を比較し、それら全てのアドレス情報が一致しない場合には、多数決等の方法で確からしいアドレスを定めることができる。またアドレスコード部52の情報だけではアドレスを定めることができない場合には、アドレス判定部68は当該二次元デジタルコードのデジタルデータ部54の内容と、デジタル情報登録部66に二次元デジタルコードの種類別に既に登録されているデジタルデータ部54の内容とを対比して、その一致度に基づいて確からしいアドレスを推定するように構成することができる。
【0056】
デジタル情報登録部66は、デジタル情報検出部64からデジタルデータ部54に対応するデジタルデータを入力され、これをアドレス判定部68にて判定されたアドレス毎に登録する。なお、この登録処理においては、同じ種類の複数の二次元デジタルコードからそれぞれ得られる複数のデジタルデータ部54のデジタルデータを補完的に用いたり、統計処理することによって、文字画像等によって欠損した情報を訂正する処理が施される。
【0057】
コード画像内に検知される全ての二次元デジタルコードに対し、アドレス判定部68によるアドレス判定とデジタル情報登録部66によるデジタルデータ登録処理が完了すると、デジタルデータ復号部70は、デジタル情報登録部66に登録されているデジタルコードを復号する。デジタルデータの復号はBCH符号やRS符号などの誤り訂正符号の復号や、暗号化データに対する復号を含む。デジタルデータ復号部70からは、二次元デジタルコードの各種類毎に、復号されたデジタルデータが得られる。付加情報復号部72は、これら複数の復号されたデジタルデータを、アドレス情報に従って連結し、レコードに分割して画像に埋め込まれていた付加情報等のデジタルデータを再構築する。
【0058】
本実施の形態の複合機2は、以上のように構成されているので、次のように動作する。なお、以下の説明では図5(b)に示した態様で識別コード部56が形成されているものとする。また、識別データは、すべて「0」のビット値であるとする。
【0059】
処理対象のデータとしての付加情報が、例えば「1」のビットの連続が多発するデータとなる場合、識別コード部56を含めない場合は、図9(a)に模式的に示すように「1」が連続する行や列が多発し、これらの行や列を、同期コード部50と誤認識してしまう。なお、図9では模式的に形成されるコード画像に対応するビットを「1」又は「0」として表示しており、アドレスコード部52を設けない場合を表している。一方、本実施の形態におけるように「0」のビットからなる識別コードを、X字型に配置し、識別コード部56を含めた場合は、図9(b)に示すように、付加情報が、すべて「1」のビットからなるものであったとしても、同期コード部50以外の行または列におけるビット「1」の占める割合が低下する。図9の例では、12行×12列の二次元デジタルコードが連続的に形成されている例を表しており、図9(a)では、ビット「1」の占める割合が「1」となる行や列が多発するのに対し、図9(b)では、ビット「1」の占める割合は高々80%となって、同期コード部50を確実に検出させることができるようになる。
【0060】
また、デジタルコード復号処理部34では、検出した同期コード部50によって画定される領域内で、予め識別コード部56として規定されている位置に配置されているビット値を参照し、各位置のビット値が識別データのビット値と一致しているかを調べ、一致したビット値の個数により、識別データに対応するコード画像が、識別コード部56に形成されているかを判断する。この判断により、同期コード部50を正しく検出したか否かを確認できる。デジタルコード復号処理部34は、上記識別コード部56を利用した判断により、同期コード部50(及びそれに基づく復号の開始位置)が正しく検出できていると判断したときに、アドレスコード部52やデジタルデータ部54に形成されているデータの復号を行う。
【0061】
ここまでの説明では、アドレスコード部52については、従来同様の方式で形成するものとしていたが、処理対象となったデータ内に、「1」又は「0」のビットが連続するデータが多く含まれるときに、アドレス情報も「1」又は「0」の連続からなるビットパターンとなる場合、処理対象データと相俟って同期データに類似したパターンとなってしまうことがある。
【0062】
この場合にも、基本的には識別コード部56を用いた判断により、同期コード部50との区別は結局は可能ではあるが、次のようにしておくことも好ましい。すなわち本実施の形態においては、アドレス情報に基づいて互いに異なる複数のアドレスコード値を生成し、このアドレスコード値を、複数のアドレスコード部52に配置する。つまり、複数のアドレスコード部52のうち、少なくとも一つのアドレスコード部52には、他のアドレスコード部52に形成されているコード画像とは、異なるコード画像が形成されていることとなる。
【0063】
例えば本実施の形態では、デジタルコード復号処理部34がラスタスキャンの順でコード画像を走査し、同期コードを見いだすこととしているので、この走査方向(主走査方向)及びそれに対する方向(副走査方向)に沿って配置されるアドレスコード値が互いに異なるようにする。図10を用いてより具体的に説明すると、同期コード部50で画定される矩形領域の左上隅にあるアドレスコード部52aと、右上隅にあるアドレスコード部52bとは走査方向又はそれに対する方向(画像読み取り部16への記録媒体のセットの仕方によって異なる)に沿っているので、アドレスコード部52aにアドレス情報のビット列「1010」(第1アドレスコード値に相当する)を配置した場合には、アドレスコード部52bには、アドレス情報のビット列を反転させた「0101」(第2アドレスコード値に対応する)が配置される。このようにすることで、アドレスコード部52a,bを含む行においては、「1」又は「0」のいずれか一方のビット値だけが連続して配置されることがなくなり、同期コード部50と区別できるようになる。
【0064】
また、図10においては、左下隅のアドレスコード部52cに、アドレスコード部52aに配置したビット列「1010」を反転させた「0101」を配置し、さらに右下隅のアドレスコード部52dに、このアドレスコード部52cに配置した「0101」を反転させた「1010」を配置する。これにより、列方向に対してもアドレスコード部52を含む列において「1」又は「0」のいずれか一方のビット値だけが連続して配置されることがなくなり、同期コード部50と区別できるようになる。
【0065】
さらにデジタルコード復号処理部34においては、各アドレスコード部52に含まれるコード画像から検出したビット値について、そのアドレスコードの配置されていた位置に基づき、反転するか否かを決定し、反転すると決定した場合は、上記検出したビット値の反転を行う。例えば、図10に示した例の場合、同期コード部50によって画定された矩形領域の左上隅のアドレスコード部52aや右下隅のアドレスコード部52dから検出したビット値については反転しないと決定し、右上隅のアドレスコード部52bや左下隅のアドレスコード部52cから検出したビット値については反転すると決定する。
【0066】
なお、本実施の形態では、コード画像が、スラッシュ又は逆スラッシュであり、90度回転した状態では各コード画像が表すビット値が反転したものとなるので、たとえ90度回転した状態でコード画像が読み取られ、アドレスコード部52cが左上隅のものと読み取られたとしても、当該アドレスコード部52cに含まれるビット値はすでに反転されたものであるので、そのまま反転せずに扱えばよく、右上隅に移動したアドレスコード部52aは、反転されているので、再度反転して扱う。つまり、配置されていた位置と反転するか否かの決定とは、読み取りの状況によらず同じにしておけばよい。
【0067】
尤も、90度回転によりビット値が反転するといった事情がない場合は、他の方法(例えば基準マーカーを用いる方法などがある)によって読み取り時の角度を検出し、当該角度と、アドレスコード部52の配置されていた位置とに基づき、当該アドレスコード部52から読み取られるビット値を反転するか否かを決定すればよい。
【0068】
さらに、この場合にも、同期コード部50で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別コード部56を形成してもよい。
【0069】
また、本発明の実施の形態は、ここで示した例に限られるものではなく、例えばスラッシュや逆スラッシュといったコード画像に代えて、「+」と「×」といったパターン等であってもよい。さらに、各パターンが1ビットに対応している場合だけでなく、複数ビット分の情報を表していてもよい。
【0070】
またここでは、複合機2として構成する場合を例示したが、コード画像を生成する装置と、それを読み取って復号する装置とは別体のものであってもよい。さらに、ここでは、複写を牽制するための背景パターンにおいて利用する例を示したが、本発明自体は、紙媒体等の記録媒体にコード画像を固定して利用する場合(例えば一般的なバーコードと同様の用途等)に一般に適用可能なものである。
【0071】
またここでは、画素値を表す色として黒の場合を例示したが、これに限定するものではなくサイアン(cyan)やマゼンタ(magenta)などの他の色であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理システムと、その接続例を表す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理システムによって形成される画像の例を表す模式図である。
【図3】パターンの例を表す模式図である。
【図4】複合機の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】コピー牽制パターンのコード画像の例と、その構成を表す説明図である。
【図6】識別コード部の形成例を表す説明図である。
【図7】画像生成部36の構成を示すブロック図である。
【図8】デジタルコード復号処理部34の構成を示すブロック図である。
【図9】識別コード部の効果の例を示す説明図である。
【図10】アドレス情報に基づき互いに異なるアドレスコード値をアドレスコード部に含める例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 クライアント装置、2 複合機、3 ネットワーク、10 ネットワークI/F、12 制御部、14 コントロールパネル、16 画像読み取り部、18 画像処理装置、20 画像形成部、30 ページバッファ、32 画像処理部、34 デジタルコード復号処理部、36 画像生成部、38 セレクタ、50 同期コード部、52 アドレスコード部、54 デジタルデータ部、56 識別コード部、60 画像整形部、62 パターン検出部、64 デジタル情報検出部、66 デジタル情報登録部、68 アドレス判定部、70 デジタルデータ復号部、72 付加情報復号部、80 プリントデータ入力部、82 文書画像生成部、84 文書画像バッファ、86 付加情報抽出部、88 潜像生成部、90 付加情報分割部、92 付加情報符号化部、94 コード画像生成部、96 コード画像格納部、98 画像合成部。
Claims (11)
- 処理対象となったデータに基づいて、記録媒体上に機械読み取り可能なコード画像を形成し、このコード画像を利用して、前記データの授受を行う画像処理システムであって、
画像形成装置と、復号装置とを含み、
前記画像形成装置は、
処理対象となった前記データに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手段と、
を備え、
前記復号装置は、
記録媒体上に形成されたコード画像から前記同期用のコード画像を検出する手段と、
前記検出した同期用のコード画像によって画定される領域内の予め定められた位置に前記識別用のコード画像の部分が含まれている場合に、前記検出した同期用のコード画像によって画定される領域に含まれるデータ用のコード画像に基づき、データの復号を行う手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。 - 処理対象となったデータに基づいて、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成装置であって、
前記処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
前記識別データの値は、前記同期データの値との関係において定められることを特徴とする画像形成装置。 - 処理対象となった複数のデータに基づいて、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成装置であって、
前記処理対象となったデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手段と、
前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内の複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する手段と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記複数のアドレスコード値には、アドレス情報を表すビット値を含む第1アドレスコード値と、アドレス情報のビット値の少なくとも一部を反転したビット値を含む第2アドレスコード値と、が含まれることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4または5に記載の画像形成装置において、
前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手段をさらに含むことを特徴とする画像形成装置。 - 処理対象となったデータの授受のために、当該処理対象となったデータに基づくコード画像を記録媒体上に形成する方法であって、
前記処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する工程と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する工程と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 処理対象となった複数のデータの授受のために、記録媒体上にコード画像を形成する画像形成方法であって、
前記処理対象となったデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する工程と、
前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内の複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する工程と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 請求項7又は8に記載の画像形成方法により形成される、前記コード画像が固定された記録媒体。
- コンピュータに、
処理対象となったデータに係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手順と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内の予め定められた位置に、予め定められた識別データに係る識別用のコード画像を形成する手順と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手順と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。 - コンピュータに、
処理対象となった複数のデータについて、そのデータの各々に係るデータ用のコード画像の形成領域を画定する、同期データに係る同期用のコード画像を形成する手順と、
前記複数のデータの各々に対応するアドレス情報を生成し、前記同期用のコード画像で画定される領域内の複数の位置に、前記アドレス情報に基づいて生成される互いに異なる複数のアドレスコード値に対応するコード画像を、それぞれ形成する手順と、
前記同期用のコード画像で画定される領域内に、符号化の対象となったデータに係るデータ用のコード画像を形成する手順と、
を実行させることを特徴とする画像形成プログラム。
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