JP2004335760A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度な微細加工を必要とせずに、10nmに至るチャネル長の半導体装置の構造と、その製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電型である半導体領域内に、第1導電型と反対の導電型であるSiCの微結晶104aら成る網目構造を包含する第1導電型のSiGe層104bを有する構造の半導体装置であって、基板上に第1導電型半導体層103、第2導電型のSiGeC104、さらに第1導電型半導体層105を順次エピタキシャル成長する工程と、前記工程により形成されたエピタキシャル成長層の積層体に熱処理(アニール)を施す工程によって、前記構造の半導体装置を製造する。
【選択図】 図2
【解決手段】第1導電型である半導体領域内に、第1導電型と反対の導電型であるSiCの微結晶104aら成る網目構造を包含する第1導電型のSiGe層104bを有する構造の半導体装置であって、基板上に第1導電型半導体層103、第2導電型のSiGeC104、さらに第1導電型半導体層105を順次エピタキシャル成長する工程と、前記工程により形成されたエピタキシャル成長層の積層体に熱処理(アニール)を施す工程によって、前記構造の半導体装置を製造する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置,及び、その製造方法に関するもので、特にIV族元素混晶半導体を主成分とした半導体装置,及び、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイポーラトランジスタやMIS構造電界効果トランジスタ(FET)の電流―電圧特性は、電流の増加に対して電流が飽和するが、電圧とともに電流の増加する不飽和形の特性を呈するトランジスタがある(例えば特許文献1、非特許文献2参照)。
【0003】
この不飽和形電流電圧特性を示すトランジスタは、静電誘導トランジスタと呼ばれるもので、ソースからドレインに向かって流れる多数キャリアの量をゲート電圧によって制御するトランジスタである。
【0004】
図4に静電誘導トランジスタの構造例を断面図で示す。図4に示すようにソース201とドレイン202の間のn型領域203a、203bにp+型ゲート領域204が埋め込まれている。図4の断面図には示されないが、p+型ゲート領域204を平面図でみると櫛状または格子状の形状をしており、ゲート電極205につながっている。
【0005】
静電誘導トランジスタは、MIS構造FETと同様にソース−ドレイン間の電流をゲートで制御するもので、p+型ゲート領域周辺の空乏層の厚さをゲート電圧を変化させてソース−ドレイン間の電流を制御する。静電誘導トランジスタの特長は、前述のように不飽和形電流電圧特性を示すので電流駆動力が大きいことであり、また、少数キャリア蓄積効果がなく、高速動作が可能ということである。
【0006】
図5に静電誘導トランジスタ作製工程の概略を示し、図面を用いて説明する。
【0007】
n+シリコン基板203上に不純物濃度1013〜1016cm−3程度のシリコン203eをエピタキシャル成長して(図5(a))、ドレイン層を形成する。次に、酸化膜をマスクとして高濃度のホウ素(B)を選択的に表面に拡散しゲート領域204を形成する(図5(b))。さらに、この上にソース層として不純物濃度1013〜1016cm−3程度のシリコン203bをエピタキシャル成長する(図5(c))。そして、周辺部をメサ形状にエッチングした後、ゲート電極205、ソース電極201、ドレイン電極202を形成する(図5(d))。
【0008】
最近では、MIS構造FET、静電誘導トランジスタ、共にさらなる高速化が求められており、双方のトランジスタの高速化には、チャネル長を短くすることが効果的である。
【0009】
現在、MIS構造FETのチャネル長を短くするための微細加工技術として、100nm以下の寸法を形成可能なリソグラフィー技術の開発が進んでいる。
【0010】
また、静電誘導トランジスタのチャネル長を短くするには、図5に示した各エピタキシャル層を薄膜化すればよいが、各エピタキシャル層の薄膜化と伴にゲート領域形成のためのより高度な浅い接合形成技術、微細加工技術が必要となる。
【0011】
【特許文献1】
特公昭52−6076号公報
【非特許文献1】
西澤編集、半導体研究45巻、151頁、1999年7月、工業調査会
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
チャネル長を短くするための微細加工技術では、100nm以下の寸法を形成可能なリソグラフィー技術として、ArFエキシマレーザ露光装置、F2露光装置、さらにはX線露光装置を用いたリソグラフィー技術の開発が進んでいる。しかしながら、これらの装置は高コストであり、また、メンテナンスにも労力を要するといった課題がある。また、浅い接合形成にも高度なイオン注入技術、拡散技術が必要となり、ゲート領域の加工が困難となる課題を有している。
【0013】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、微細加工やイオン注入を必要としない10nmに至るチャネル長の半導体装置と、その製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明の半導体装置は、第1導電型である第1の半導体領域と、第1導電型である第2の半導体領域と、第1導電型と反対の導電型であるSiとCとを主成分とするSi1−z Cz (0<z<1)から成る網目構造を包含しており、且つ、SiとGeとCとを主成分とする第1導電型のSi1−x−y Gex Cy (0<x+y<1、0<x、0≦y)からなる第3の半導体領域とを有し、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに前記第3の半導体領域が接合した構造をもつ半導体装置であって、Si1−z Cz から成る網目構造が、ゲート領域として作用する静電誘導トランジスタの構成をとる。
【0015】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、Si基板上に第1導電型のSiGe層をエピタキシャル成長する工程と、第2導電型のSiGeCをエピタキシャル成長する工程と、前記SiGeCをエピタキシャル成長する工程に続いて第1導電型SiGe 層をエピタキシャル成長する工程と、前記工程により形成されたエピタキシャル成長層の積層体に熱処理(アニール)を施す工程によって成る。
【0016】
本発明者達は、前記のSiGeCをエピタキシャル成長後に、熱処理を施こすことによってSiGeCエピタキシャル成長層内に微視的な組成分布が発生することを見出した。詳細な分析の結果、均一なSiGeC結晶からSiCの微結晶粒か析出し、SiC微結晶以外の領域はSiGeまたはC濃度がかなり低下したSiGeCとなっていた。さらに検討を進めると、熱処理によってSiC微結晶粒同士が接触して3次元的な網目構造をとる領域があることがわかった。この現象は、SiGeC結晶中のSi−C結合に比較してGe−C結合が著しく不安定であることに起因する。
【0017】
本発明の製造方法は、上述の現象を利用するものであり、SiGeCに熱処理を施すことによってSiC微結晶の網目構造を包含するSiGe(または、C濃度がかなり低下したSiGeC)を形成して、前述の静電誘導トランジスタと成すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による半導体装置およびその製造方法に関する実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1(a)(b)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を模式的に示す図である。
【0020】
図1(a)に示すように、n型Si基板101上にn型Siバッファ層102を介してn型SiGe層第1領域102と、p型SiCの微結晶から成る網目構造104aを包含するn型SiGe第3領域104bと、n型SiGe第2領域105と、n型Si層106を有している。また、ソース電極107、ゲート電極108、ドレイン電極109が設けられている。SiCの微結晶から成る網目構造104aが、ゲート領域として作用する静電誘導トランジスタの構成をとる。
【0021】
図1には示されないが、SiCの微結晶は3次元的な網目構造となっている。
【0022】
上記構成による本発明の半導体装置において、各半導体層は、エピタキシャル成長によって決まる厚みを持ち、各領域とも10nm以下の厚みにすることが容易にでき、ソース−ドレイン間のキャリア走行時間を極めて短くできる。
【0023】
p型SiCの微結晶から成る網目構造104bを包含する領域は、SiGeとしたが、C濃度の低いSiGeCでもよい。
【0024】
また、第1領域、第2領域をSiGeとしたが、この材料はSiGeに限られることはなく、例えば、Siでもよい。
【0025】
次に、本発明の半導体装置製造方法を図2を用いて説明する。
【0026】
図2は本発明の半導体装置の製造方法を示す図である。
【0027】
図2(a)に示すように、まず、n型Si基板101上にn型Siバッファ層102、n型SiGe層103をエピタキシャル成長する。p型SiGeC層104、n型SiGe層105、n型Si層106を順次、エピタキシャル成長する。エピタキシャル成長後、950℃以上で熱処理を施す。この熱処理によって、p型SiGeC層104は、p型SiCの微結晶から成る網目構造104aを包含するn型SiGe第3領域104bとなる。SiGeCを熱処理すると、SiCの微結晶粒か析出し、SiC微結晶粒同士が接触して3次元的な網目構造ができ、SiC微結晶以外の領域はSiGeとなることは上述のとおりである。
【0028】
なお、上記熱処理の上限は1400℃である。すなわち、熱処理は950℃以上1400℃以下で行われる。Siの融点は1410℃であるので、1400℃を超えると、基板が融解して原型を留めなくなるからである。
【0029】
また、p型SiGeC層104のドーパントには、ホウ素(B)を使用しているが、SiC中での不純物の拡散係数は1200℃の温度においても極めて小さいため、SiC中のホウ素の拡散は抑制され、SiC微結晶はp型となる。これに対して、SiC微結晶以外のSiGe領域では、ホウ素はが拡散し、また、隣接するn型SiGe領域103、105からn型ドーパントが拡散する。この拡散によって、SiC微結晶以外のSiGe領域がn型となるように、n型SiGe領域103、105、p型SiGeC層104はドーピングされている。
【0030】
そして、図3(a)に示すように、周辺部をメサ形状にエッチングした後、保護絶縁膜を形成して、ゲート電極108を形成するための窓開けを行い、次に、フッ化水素酸−硝酸系の混合薬液を用いてウェットエッチングを施し、ゲート電極9を形成する。ウェットエッチングの際、窓開けで表面が露出したn型SiGe第3領域104bのSiGe表面のみがエッチングされ、SiCが露出する。ゲート電極9には、SiCのオーミック電極として、タングステン(W)のキャップを設けたAl/Ni/Wの積層膜を用いる。
【0031】
最後に、図3(b)に示すように、さらにメサエッチングを行った後、保護絶縁膜を形成して、ソース電極10、ドレイン電極11のための窓開けを保護絶縁膜に施し、露出したSi表面をシリサイド化を行い、ソース電極10、ドレイン電極11を形成する。
【0032】
なお、p型SiGeC層104のC組成比は特に限定されるものではないが、C組成比として0.04以下が好ましい。また、SiCのオーミック電極は、Al/Ni/W積層膜に限られるものではない。
【0033】
(実施例)
Si,SiGe,SiGeCのエピタキシャル成長は、Si(001)基板101の上に、超高真空化学的気相成長法(UHV−CVD法)(Ultra High Vacuum Chemical Vapor Deposition )法により行い、Si,Ge,Cの原料ガスには、それぞれSi2 H6、GeH4、SiH3CH3を用い、p型、n型のドーピングガスに、それぞれB2H6、PH4を用いた。また、SiGe,SiGeCのGe組成比を0.3とし、また、各エピタキシャル層の厚さを10nm、SiGeCの成長温度を450〜500℃とした。エピタキシャル成長後の熱処理は、1050℃で20秒間行った。熱処理後のエピタキシャル断面を詳細に観測すると、2〜3nmのSiC微結晶粒が析出し、微結晶粒が網目状につながっている領域が確認された。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、SiGeC結晶を熱処理することで、SiGeC中にSiC微結晶粒を析出させ、このSiC微結晶粒をゲートとする高速デバイスを簡便に実現することができるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を模式的に示す図
【図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図4】従来の半導体装置の断面構造を模式的に示す図
【図5】従来の半導体装置の製造工程を示す断面図
【符号の説明】
101 n−Si基板
102 n−Siバッファ層
103 n−SiGe第1領域
104 p−SiGeC
104a p−SiC微結晶粒
104b n−SiGe第3領域
105 n−SiGe第2領域
106 n−Si層
107 ソース電極
108 ベース電極
109 ドレイン電極
201 ソース
202 ドレイン
203 Si基板
203e Siエピタキシャル層
203a Siエピタキシャル層/Si基板
204 p+選択拡散領域 SiGeC層
205 ゲート電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置,及び、その製造方法に関するもので、特にIV族元素混晶半導体を主成分とした半導体装置,及び、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイポーラトランジスタやMIS構造電界効果トランジスタ(FET)の電流―電圧特性は、電流の増加に対して電流が飽和するが、電圧とともに電流の増加する不飽和形の特性を呈するトランジスタがある(例えば特許文献1、非特許文献2参照)。
【0003】
この不飽和形電流電圧特性を示すトランジスタは、静電誘導トランジスタと呼ばれるもので、ソースからドレインに向かって流れる多数キャリアの量をゲート電圧によって制御するトランジスタである。
【0004】
図4に静電誘導トランジスタの構造例を断面図で示す。図4に示すようにソース201とドレイン202の間のn型領域203a、203bにp+型ゲート領域204が埋め込まれている。図4の断面図には示されないが、p+型ゲート領域204を平面図でみると櫛状または格子状の形状をしており、ゲート電極205につながっている。
【0005】
静電誘導トランジスタは、MIS構造FETと同様にソース−ドレイン間の電流をゲートで制御するもので、p+型ゲート領域周辺の空乏層の厚さをゲート電圧を変化させてソース−ドレイン間の電流を制御する。静電誘導トランジスタの特長は、前述のように不飽和形電流電圧特性を示すので電流駆動力が大きいことであり、また、少数キャリア蓄積効果がなく、高速動作が可能ということである。
【0006】
図5に静電誘導トランジスタ作製工程の概略を示し、図面を用いて説明する。
【0007】
n+シリコン基板203上に不純物濃度1013〜1016cm−3程度のシリコン203eをエピタキシャル成長して(図5(a))、ドレイン層を形成する。次に、酸化膜をマスクとして高濃度のホウ素(B)を選択的に表面に拡散しゲート領域204を形成する(図5(b))。さらに、この上にソース層として不純物濃度1013〜1016cm−3程度のシリコン203bをエピタキシャル成長する(図5(c))。そして、周辺部をメサ形状にエッチングした後、ゲート電極205、ソース電極201、ドレイン電極202を形成する(図5(d))。
【0008】
最近では、MIS構造FET、静電誘導トランジスタ、共にさらなる高速化が求められており、双方のトランジスタの高速化には、チャネル長を短くすることが効果的である。
【0009】
現在、MIS構造FETのチャネル長を短くするための微細加工技術として、100nm以下の寸法を形成可能なリソグラフィー技術の開発が進んでいる。
【0010】
また、静電誘導トランジスタのチャネル長を短くするには、図5に示した各エピタキシャル層を薄膜化すればよいが、各エピタキシャル層の薄膜化と伴にゲート領域形成のためのより高度な浅い接合形成技術、微細加工技術が必要となる。
【0011】
【特許文献1】
特公昭52−6076号公報
【非特許文献1】
西澤編集、半導体研究45巻、151頁、1999年7月、工業調査会
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
チャネル長を短くするための微細加工技術では、100nm以下の寸法を形成可能なリソグラフィー技術として、ArFエキシマレーザ露光装置、F2露光装置、さらにはX線露光装置を用いたリソグラフィー技術の開発が進んでいる。しかしながら、これらの装置は高コストであり、また、メンテナンスにも労力を要するといった課題がある。また、浅い接合形成にも高度なイオン注入技術、拡散技術が必要となり、ゲート領域の加工が困難となる課題を有している。
【0013】
上述の課題に鑑み、本発明の目的は、微細加工やイオン注入を必要としない10nmに至るチャネル長の半導体装置と、その製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明の半導体装置は、第1導電型である第1の半導体領域と、第1導電型である第2の半導体領域と、第1導電型と反対の導電型であるSiとCとを主成分とするSi1−z Cz (0<z<1)から成る網目構造を包含しており、且つ、SiとGeとCとを主成分とする第1導電型のSi1−x−y Gex Cy (0<x+y<1、0<x、0≦y)からなる第3の半導体領域とを有し、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに前記第3の半導体領域が接合した構造をもつ半導体装置であって、Si1−z Cz から成る網目構造が、ゲート領域として作用する静電誘導トランジスタの構成をとる。
【0015】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、Si基板上に第1導電型のSiGe層をエピタキシャル成長する工程と、第2導電型のSiGeCをエピタキシャル成長する工程と、前記SiGeCをエピタキシャル成長する工程に続いて第1導電型SiGe 層をエピタキシャル成長する工程と、前記工程により形成されたエピタキシャル成長層の積層体に熱処理(アニール)を施す工程によって成る。
【0016】
本発明者達は、前記のSiGeCをエピタキシャル成長後に、熱処理を施こすことによってSiGeCエピタキシャル成長層内に微視的な組成分布が発生することを見出した。詳細な分析の結果、均一なSiGeC結晶からSiCの微結晶粒か析出し、SiC微結晶以外の領域はSiGeまたはC濃度がかなり低下したSiGeCとなっていた。さらに検討を進めると、熱処理によってSiC微結晶粒同士が接触して3次元的な網目構造をとる領域があることがわかった。この現象は、SiGeC結晶中のSi−C結合に比較してGe−C結合が著しく不安定であることに起因する。
【0017】
本発明の製造方法は、上述の現象を利用するものであり、SiGeCに熱処理を施すことによってSiC微結晶の網目構造を包含するSiGe(または、C濃度がかなり低下したSiGeC)を形成して、前述の静電誘導トランジスタと成すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による半導体装置およびその製造方法に関する実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1(a)(b)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を模式的に示す図である。
【0020】
図1(a)に示すように、n型Si基板101上にn型Siバッファ層102を介してn型SiGe層第1領域102と、p型SiCの微結晶から成る網目構造104aを包含するn型SiGe第3領域104bと、n型SiGe第2領域105と、n型Si層106を有している。また、ソース電極107、ゲート電極108、ドレイン電極109が設けられている。SiCの微結晶から成る網目構造104aが、ゲート領域として作用する静電誘導トランジスタの構成をとる。
【0021】
図1には示されないが、SiCの微結晶は3次元的な網目構造となっている。
【0022】
上記構成による本発明の半導体装置において、各半導体層は、エピタキシャル成長によって決まる厚みを持ち、各領域とも10nm以下の厚みにすることが容易にでき、ソース−ドレイン間のキャリア走行時間を極めて短くできる。
【0023】
p型SiCの微結晶から成る網目構造104bを包含する領域は、SiGeとしたが、C濃度の低いSiGeCでもよい。
【0024】
また、第1領域、第2領域をSiGeとしたが、この材料はSiGeに限られることはなく、例えば、Siでもよい。
【0025】
次に、本発明の半導体装置製造方法を図2を用いて説明する。
【0026】
図2は本発明の半導体装置の製造方法を示す図である。
【0027】
図2(a)に示すように、まず、n型Si基板101上にn型Siバッファ層102、n型SiGe層103をエピタキシャル成長する。p型SiGeC層104、n型SiGe層105、n型Si層106を順次、エピタキシャル成長する。エピタキシャル成長後、950℃以上で熱処理を施す。この熱処理によって、p型SiGeC層104は、p型SiCの微結晶から成る網目構造104aを包含するn型SiGe第3領域104bとなる。SiGeCを熱処理すると、SiCの微結晶粒か析出し、SiC微結晶粒同士が接触して3次元的な網目構造ができ、SiC微結晶以外の領域はSiGeとなることは上述のとおりである。
【0028】
なお、上記熱処理の上限は1400℃である。すなわち、熱処理は950℃以上1400℃以下で行われる。Siの融点は1410℃であるので、1400℃を超えると、基板が融解して原型を留めなくなるからである。
【0029】
また、p型SiGeC層104のドーパントには、ホウ素(B)を使用しているが、SiC中での不純物の拡散係数は1200℃の温度においても極めて小さいため、SiC中のホウ素の拡散は抑制され、SiC微結晶はp型となる。これに対して、SiC微結晶以外のSiGe領域では、ホウ素はが拡散し、また、隣接するn型SiGe領域103、105からn型ドーパントが拡散する。この拡散によって、SiC微結晶以外のSiGe領域がn型となるように、n型SiGe領域103、105、p型SiGeC層104はドーピングされている。
【0030】
そして、図3(a)に示すように、周辺部をメサ形状にエッチングした後、保護絶縁膜を形成して、ゲート電極108を形成するための窓開けを行い、次に、フッ化水素酸−硝酸系の混合薬液を用いてウェットエッチングを施し、ゲート電極9を形成する。ウェットエッチングの際、窓開けで表面が露出したn型SiGe第3領域104bのSiGe表面のみがエッチングされ、SiCが露出する。ゲート電極9には、SiCのオーミック電極として、タングステン(W)のキャップを設けたAl/Ni/Wの積層膜を用いる。
【0031】
最後に、図3(b)に示すように、さらにメサエッチングを行った後、保護絶縁膜を形成して、ソース電極10、ドレイン電極11のための窓開けを保護絶縁膜に施し、露出したSi表面をシリサイド化を行い、ソース電極10、ドレイン電極11を形成する。
【0032】
なお、p型SiGeC層104のC組成比は特に限定されるものではないが、C組成比として0.04以下が好ましい。また、SiCのオーミック電極は、Al/Ni/W積層膜に限られるものではない。
【0033】
(実施例)
Si,SiGe,SiGeCのエピタキシャル成長は、Si(001)基板101の上に、超高真空化学的気相成長法(UHV−CVD法)(Ultra High Vacuum Chemical Vapor Deposition )法により行い、Si,Ge,Cの原料ガスには、それぞれSi2 H6、GeH4、SiH3CH3を用い、p型、n型のドーピングガスに、それぞれB2H6、PH4を用いた。また、SiGe,SiGeCのGe組成比を0.3とし、また、各エピタキシャル層の厚さを10nm、SiGeCの成長温度を450〜500℃とした。エピタキシャル成長後の熱処理は、1050℃で20秒間行った。熱処理後のエピタキシャル断面を詳細に観測すると、2〜3nmのSiC微結晶粒が析出し、微結晶粒が網目状につながっている領域が確認された。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、SiGeC結晶を熱処理することで、SiGeC中にSiC微結晶粒を析出させ、このSiC微結晶粒をゲートとする高速デバイスを簡便に実現することができるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置の断面構造を模式的に示す図
【図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図
【図4】従来の半導体装置の断面構造を模式的に示す図
【図5】従来の半導体装置の製造工程を示す断面図
【符号の説明】
101 n−Si基板
102 n−Siバッファ層
103 n−SiGe第1領域
104 p−SiGeC
104a p−SiC微結晶粒
104b n−SiGe第3領域
105 n−SiGe第2領域
106 n−Si層
107 ソース電極
108 ベース電極
109 ドレイン電極
201 ソース
202 ドレイン
203 Si基板
203e Siエピタキシャル層
203a Siエピタキシャル層/Si基板
204 p+選択拡散領域 SiGeC層
205 ゲート電極
Claims (5)
- 第1導電型である第1の半導体領域と、前記第1導電型と同じ導電型である第2の半導体領域と、前記第1導電型と反対の導電型であるSiCで形成される網目構造を包含し、且つ、第1導電型のSiGeまたはSiGeCからなる第3の半導体領域とを有し、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域とに前記第3の半導体領域が接合していることを特徴とする半導体装置。
- 第1の半導体領域と第2の半導体領域がSiGeから成ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- Si基板上に第1導電型のSiGe層をエピタキシャル成長する工程と、
第2導電型のSiGeCをエピタキシャル成長する工程と、
前記SiGeCをエピタキシャル成長する工程に続いて第1導電型SiGe層をエピタキシャル成長する工程と、
前記工程により形成されたエピタキシャル成長層の積層体に熱処理を施す工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 熱処理を施す工程の処理温度が950℃以上であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- SiGeCのC組成比を0.04以下とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
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JP2003130101A JP2004335760A (ja) | 2003-05-08 | 2003-05-08 | 半導体装置とその製造方法 |
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JP2003130101A JP2004335760A (ja) | 2003-05-08 | 2003-05-08 | 半導体装置とその製造方法 |
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