JP2004335703A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型で、高温環境下で長時間の使用に際して、信頼性が高い電気二重層コンデンサを提供すること。
【解決手段】高分子外装パッケージ2の外周部を熱融着などにより封止し一体化した電気二重層コンデンサにおいて、前記高分子外装パッケージ2の外周部の一辺または二辺が高分子外装パッケージ2の連続体であり、三辺または二辺が封止されている構造を特徴とする電気二重層コンデンサ。
【選択図】 図1
【解決手段】高分子外装パッケージ2の外周部を熱融着などにより封止し一体化した電気二重層コンデンサにおいて、前記高分子外装パッケージ2の外周部の一辺または二辺が高分子外装パッケージ2の連続体であり、三辺または二辺が封止されている構造を特徴とする電気二重層コンデンサ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に各種携帯電子機器の負荷変動吸収デバイス等として用いられる電気二重層コンデンサに関し、特に薄型で高温使用に好適な電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来の電気二重層コンデンサの一例を示す断面図である。従来の電気二重層コンデンサは、複数の基本セル8を積層してなるセル積層体7、端子電極1、モールド樹脂10から構成され、さらに基本セル8は電解質溶液を浸漬した多孔質の板状セパレータ6の両面に接して対向配置された一対のシート状分極性電極4が中空のガスケット3に収容され、前記一対のシート状分極性電極4に接して枠状のガスケット3の上面および下面の開口部に一対の集電体5が接合されて、この一対の集電体5はガスケット3の枠に固着し開口部を封止している。
【0003】
図20の中で、シート状分極性電極4の材質としては、活性炭粉末または活性炭繊維と、導電性付与剤などを主成分としたシート状の活性炭が用いられ、ガスケット3の内部では、板状セパレータ6に接する一対のシート状分極性電極4にも電解質溶液9が浸漬している。また、集電体5の材質としては、導電性カーボンを含有するゴムまたは、プラスチックが用いられている。
【0004】
電気二重層コンデンサの性能の一つである耐電圧特性は、電解質溶液9の電気分解電圧によって制限されるので、使用条件から電気二重層コンデンサに要求される耐電圧に応じて、所定の数の基本セル8が直列に接続されてセル積層体7が構成され、セル積層体7の積層方向における両端の集電体5には端子電極1が取り付けられ、モールド樹脂10により外装されている。
【0005】
前記モールド樹脂10は、端子電極1とセル積層体7に一定の圧力を保持するので、積層方向で複数の基本セル8にも圧力が加わり、各構成部品同士の接触面での接触抵抗が低下し、結果的に等価直列抵抗(以下、ESRと記す)が低い電気二重層コンデンサが得られる。
【0006】
ところで、近年、携帯電話やPDA、DSCなど携帯用電子機器の電池の負荷変動吸収用デバイスとして、二次電池と電気二重層コンデンサを組合せて用いる検討がされている。
【0007】
しかし、前述の携帯用電子機器に搭載する電子部品には、小型薄型化の要求が強くあり、電気二重層コンデンサにも、小型薄型化の要求が強くなっている。また、高温の環境で電気二重層コンデンサが使用される場合もあるので、高温の環境下における信頼性も強く要求されている。
【0008】
しかし、図20のような従来の電気二重層コンデンサでは、内部の構成部品に一定の圧力を保持するために、外装のモールド樹脂10にはある程度の厚さが必要で、薄型化が困難であるという問題点があった。
【0009】
また、従来の電気二重層コンデンサは、モールド樹脂10の水分透過量が大きいため、高温の環境下で使用すると、内部の電解質溶液9が水系の場合、モールド樹脂10を透過して水分がドライアップし信頼性の確保が困難であるという問題があった。また、電解質溶液9が非水系の場合は、逆に外部から水分がモールド樹脂10を透過してセル積層体7内部へ進入し、そのため電位バランスが崩れ、その結果、過電圧がかかった基本セル8が膨張し、基本セル8の内部から電解質溶液9が漏れると言う問題があった。
【0010】
前述の問題を解決するための電気二重層コンデンサが、特許文献1に記載されている。図21は、特許文献1の電気二重層コンデンサを示す。図21に示すように、セル積層体7の積層方向の端面の集電体5に接してラミネートフィル材などの高分子外装パッケージ2を配置し、高分子外装パッケージ2の周囲の4辺、つまりセル積層体7の外形よりはみだしている部分を熱接着性樹脂で封止した構造になっている。この構造は、電気二重層コンデンサの薄型化を容易にすると共に、外部への水分の透過率量が低下するのでドライアップしにくくなり、高温で使用した時の従来の電気二重層コンデンサの問題点が解決されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−57184号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この構造では、高分子外装パッケージ2の4辺全てを封止しているので、高温下で長時間使用すると、熱融着による封止部の特性劣化や熱接着性樹脂層の劣化により、ドライアップが発生するという問題点がある。また、小型化するために、4辺の封止幅aを小さくすればするほど、高分子外装パッケージ2を封止している熱接着性樹脂層から水分がドライアップし信頼性の確保が困難であるという問題点がある。
【0013】
本発明の目的は、前述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、小型化する事ができ、かつ、高温環境下で長時間使用しても特性の劣化が少ない、信頼性の高い電気二重層コンデンサを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電解質溶液を浸漬した多孔質の板状セパレータと、この板状セパレータの両面に接する一対のシート状分極性電極と、前記板状セパレータと前記一対のシート状分極性電極を収容する開口部を有する中空のガスケットと、前記一対のシート状分極性電極に接し、前記ガスケットの開口部を封止するように前記ガスケットの枠部に固着した一対の集電体とからなる電気二重層コンデンサの基本セルを、単数もしくは複数積層したセル積層体を四角形の高分子外装パッケージで挟み、この高分子外装パッケージの外周部を熱融着などにより封止し一体化した電気二重層コンデンサにおいて、前記高分子外装パッケージの外周部の一辺または二辺が高分子外装パッケージの連続体であり、三辺または二辺が封止されている構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0015】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、前記基本セルの厚さ方向または前記セル積層体の積層方向のほぼ中心部に設置した構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止幅が0.5mm以上であることを特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止部で折り曲がった構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の電気二重層コンデンサを示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図である。図2は、図1のA−A面の断面図である。図3は、図1のB−B面の断面図である。図4は、基本セル8の構造を示す断面図である。
【0020】
図2と図3に示したように、実施の形態1の電気二重層コンデンサは、セル積層体7、端子電極1および高分子外装パッケージ2から構成されている。セル積層体7は、所定数の基本セル8を直列に積層したものである。そして、セル積層体7の積層方向におけるセル積層体7の両端には端子電極1が配置されている。
【0021】
また、図4に示したように、基本セル8は、電解質溶液9を浸漬した多孔質の板状セパレータ6の両面に接する一対のシート状分極性電極4を配置したものを中空のガスケット3内に収納し、一対のシート状分極性電極4に接する一対の集電体5でガスケット3の開口部を封止した構造である。
【0022】
シート状分極性電極4の材質は、粉末活性炭に炭素繊維などの導電性付与材およびバインダー材を混ぜて作製したシート状活性炭で、そのバインダー材の材料や製造方法は特に限定しないが、ここでは、フェノール系の粉末活性炭と、導電性カーボンおよびバインダーを10:5:1の割合で混合し、シート化したものを使用した。また、ガスケット3の材質は、プラスチックなどの絶縁物を用いることができ、ここでは、耐熱性のポリオレフィン系樹脂を用いた。また、集電体5は、カーボン粉末、その他を練り込んだポリオレフリン系の導電性シートを用いた。また、電解質溶液9として30wt%の希硫酸を浸漬した板状セパレータ6の材質は、非導電性で、かつ、イオン透過性の膜であれば材質を問わず、ここでは、鉛蓄電池などに使用されているポリプロピレン系板状セパレータを用いた。また、端子電極1は、銅板に半田めっきを施したものを用いた。さらに、高分子外装パッケージ2には、内層側から熱接着層/ポリエチレン層/アルミニウム金属箔/ポリエチレン層の積層構造のラミネートフィルムを使用した。
【0023】
前記セル積層体7を収容する高分子外装パッケージ2は、外周部の一辺は高分子外装パッケージの連続体であり、積層体7を圧縮する方向にセル積層体7および端子電極1に圧力がかけられ、その圧力を保持するように高分子外装パッケージ2の周囲三辺を封止し、封止部はセル積層体の積層方向のほぼ中間に位置することで封止部の密着強度が高くなる。高分子外装パッケージ2の周囲三辺の封止方法としては、まず二辺を熱接着することにより封止し、最後の一辺は高分子外装パッケージ2の内部を真空に引きながら熱接着し封止する。ここで、端子電極1の一部は、高分子外装パッケージ2の外側へ露出し、電気的に外へ接続できるような構造になっている。
【0024】
実施の形態1の電気二重層コンデンサにおいて、シート状分極性電極の外形寸法は、長さが14mm、幅が9mm、厚みが0.1mmで、ガスケットの中空部の寸法は、長さが15mm、幅が10mm、厚さが0.25mm、ガスケットの外形寸法は長さが17mm、幅が12mm、厚みが0.25mmである。また、板状セパレータの外形寸法は、長さが15mm、幅が10mm、厚さが0.05mmで、端子電極1と接する集電体の外形寸法は、長さが17mm、幅が12mm、厚さが0.05mmである。また、端子電極1の外形寸法は、長さが15mm、幅が12mm、厚さが0.1mmで、幅方向に長さが8mm、幅が3mm、厚みが0.1mmの凸部が形成されている物である。また、高分子外装パッケージ2の外形寸法は、長さが19mm、幅が14mm、厚さが0.1mmである。
【0025】
実施の形態1の電気二重層コンデンサは、基本セル8を6個、直列に積層したセル積層体7を高分子外装パッケージ2に収納したもので、前記高分子外装パッケージ2の三辺の封止幅aの寸法が1mmで、耐電圧は4.8Vである。
【0026】
また、実施の形態1における高分子外装パッケージ2は、端子電極1の取り出し方向と封止する三辺の位置関係で変形が可能で、図1の高分子外装パッケージ2を90度回転した構造を図5に示した。図5(a)は、その正面図であり、図5(b)は下面図であり、図5(c)は上面図であり、図5(d)と図5(e)は側面図である。図6は、図5のC−Cの断面図、図7は、図5のD−Dの断面図である。
【0027】
さらに、前述の実施の形態1における高分子外装パッケージ2の連続体の一辺を他辺を封止したのと同じ方法で熱接着し、ラミネートフィルムの封止性を高めた、図8で示したような構造にすることが可能である。図8(a)は正面図であり、図8(b)は下面図であり、図8(c)は上面図であり、図8(d)と図8(e)は側面図である。図9は、図8のE−Eの断面図、図10は、図8のF−Fの断面図である。
【0028】
(実施の形態2)
高分子外装パッケージ2における封止部の寸法の効果を確認する目的で、前述の実施の形態1とは、高分子外装パッケージ以外は全て同一材料を用いて、高分子外装パッケージ2の封止部の寸法が少しずつ異なり、結果的に高分子外装パッケージの外形寸法が異なる電気二重層コンデンサを作製した。外形寸法を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3の電気二重層コンデンサを示す図であり、図11(a)は正面図であり、図11(b)は下面図であり、図11(c)は上面図であり、図11(d)と図11(e)は側面図である。図12は、図11のG−Gの断面図であり、図13は、図11のH−Hの断面図である。
【0031】
図11に示したように、実施の形態3の電気二重層コンデンサに用いられる高分子外装パッケージ2は、二辺が高分子外装パッケージ2の連続体で、残りの二辺を封止した構造である。二辺封止構造の高分子外装パッケージはラミネートフィルムシートを円筒状に加工することで容易に作製することが出来る。図11(a)に示すように、ほぼ中央部に帯状の凸部を示したが、これはラミネートフィルムシートを円筒にした時の重ね合わせ接着部11である。高分子外装パッケージ2の外形寸法は、長さが19mm、幅が26mm、厚さが0.1mmで、封止幅aの寸法は1mmとなる。
【0032】
実施の形態3の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0033】
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4の電気二重層コンデンサを示す図であり、図14(a)は正面図であり、図14(b)は下面図であり、図14(c)は上面図であり、図14(d)と図14(e)は側面図である。図15は、図14のI−Iの断面図、図16は、図14のJ−Jの断面図である。
【0034】
図14に示した実施の形態4の電気二重層コンデンサにおいて、使用部材は前述の実施の形態3と同一である。本発明の実施の形態4の電気二重層コンデンサは、2辺が連続体である高分子外装パッケージ2を使用し、高分子外装パッケージ2の端子電極1を取り出している封止部が端子電極と共に高分子外装パッケージに密着するように封止部分の端から折り曲げた構造である。
【0035】
実施の形態4の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2と封止部の折り曲げ以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0036】
(実施の形態5)
図17は、実施の形態5の電気二重層コンデンサを示す図であり、図17(a)は正面図であり、図17(b)は下面図であり、図17(c)は上面図であり、図17(d)と図17(e)は側面図である。図18は、図17のK−Kの断面図、図19は、図17のL−Lの断面図である。
【0037】
図17に示した実施の形態5の電気二重層コンデンサにおいて、使用部材は前述の実施の形態3と同一である。実施の形態5の電気二重層コンデンサは、2辺が連続体である高分子外装パッケージ2を使用し、高分子外装パッケージ2の端子電極1を取り出している封止部が端子電極と共に高分子外装パッケージに密着するように封止部分の端から折り曲げ、さらにもう一辺の封止部も端から折り曲げた構造である。
【0038】
実施の形態5の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2と封止部の折り曲げ以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0039】
上述した実施の形態1から5では、高分子外装パッケージ2の封止幅aは端子電極1取り出しする辺とその他の辺で同一寸法としたが、封止効果を考えて封止幅が0.5mm以上であれば、同一寸法である必要はない。
【0040】
比較例1として、図20に従来の構造の電気二重層コンデンサの断面図を示した。実施の形態1の基本セル8のセル積層体7と端子電極1を用いて、モールド樹脂10にてセル積層体7および端子電極1の外周を約0.5mmの厚みで覆うことにより作製した。サンプルの耐電圧は4.8Vである。
【0041】
比較例2として、図21に高分子外装パッケージを用いて四辺を封止した構造の電気二重層コンデンサを示した。図21(a)は正面図であり、図21(b)は下面図であり、図21(c)は上面図であり、図21(d)と図21(e)は側面図である。図22は、図21のM−M、N−Nの断面図である。
【0042】
実施の形態1と同一の基本セル8のセル積層体7と端子電極1を用いて、高分子外装パッケージでセル積層体7および端子電極1を挟み、外周四辺を幅1mmで封止した構造で、サンプルの耐電圧は4.8Vである。
【0043】
次に、前述の実施の形態1から5で作製した電気二重層コンデンサおよび比較例1と2の電気二重層コンデンサを用いて信頼性試験を実施した。信頼性試験は、温度70℃の環境下で、直流電圧4.8Vを印加した状態で1000時間エージング後、充分に放電させてからESRおよび製品重量wを測定した。ESRの測定は、1Hzの試験信号周波数におけるインピーダンスを交流四端子法により測定し、その実数部を算出し求めた。電気二重層コンデンサを高温下に放置する前後のESRの変化量をΔEとし、△Eの初期値に対する割合△E/E(%)で信頼性を評価した。また、高温下に放置する前後の製品重量の変化量をΔwとし、△wの初期値に対する割合△w/w(%)で信頼性を評価した。
【0044】
さらに、電気二重層コンデンサの平均寿命を求める方法として、上記と同様に温度70℃の環境下で、直流電圧4.8Vを電気二重層コンデンサに印加した状態で、電気二重層コンデンサを放置し、電気二重層コンデンサの静電容量が初期値から30%低下した時間を電気二重層コンデンサの平均寿命とした。従来の電気二重層コンデンサの平均寿命を1とし、実施の形態1から5で作製した電気二重層コンデンサの相対平均寿命を求め、信頼性を評価した。
【0045】
実施の形態1から実施の形態5および比較例1および比較例2の電気二重層コンデンサのサンプル数は各水準50個とし、50個の平均値を信頼性試験の結果として表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】
表2から明らかなように、実施の形態1から5は、実施の形態2−1と2−2を除き、電気二重層コンデンサの△E/E(%)は、約3〜12%と安定し、相対平均寿命も、約5〜10倍に延びて、比較例より充分に信頼性が確保されていることが分かる。実施の形態2−1と2−2で高分子外装パッケージ2の封止幅aの寸法が0.5mm未満の場合には、高分子外装パッケージの熱接着する封止部分の絶縁樹脂からの水分が透過するので、電解質溶液9がドライアップし、そのため特性が劣化したり、また、封止が不十分な部分が発生し、信頼性の低下を来たす。
【0048】
比較例1のようにモールド樹脂10で外装した場合は、モールド樹脂自体が水分の透過性があるため、高温下で信頼性試験を実施すると経時的に電解質溶液9がドライアップするため信頼性の確保が難しい。
【0049】
本発明の電気二重層コンデンサでは、高温下での信頼性試験において重量減少量が少なく、相対平均寿命も大幅に改善されている。特に、高分子外装パッケージ2の封止幅aの寸法が0.7mm以上で、かつ封止する辺が少ない条件で作製した時に効果が著しい。封止幅aが0.7mm未満の場合、端子電極1との接着強度が弱いため重量減少量が大きくなり、信頼性も0.7mm以上と比較すると低くなるので、端子電極1を取り出している辺の封止幅aの寸法は0.7mm以上、それ以外の辺の封止幅aの寸法は0.5mm以上が望ましい。
【0050】
また、本発明の実施の形態4や5のように高分子外装パッケージ2の連続体の折り曲げた部分を封止したり、または、封止した部分で折り曲げることにより、セル積層体7と高分子外装パッケージ2の折り曲げた部分との隙間や、セル積層体7と高分子外装パッケージ2の封止部分との隙間が押さえられるため、電位バランスの崩れなどが原因で内部から発生するガスの逃げ場となっていた場所が無くなり△E/Eの上昇も抑制され、さらに信頼性が向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、高分子外装パッケージの封止幅を0.5mm以上にすることにより、電気二重層コンデンサの電解質溶液のドライアップが抑制され、また、高分子外装パッケージの封止する辺を少なくすることで、電解質溶液のドライアップが抑制され、信頼性を確保した電気二重層コンデンサが得られ、さらに、高分子外装パッケージの封止した部分を折り曲げることで、封止部分を削減し、実装面積が抑えられ、小型化に寄与すると共に、信頼性を確保した電気二重層コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電気二重層コンデンサを示す図。図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図。
【図2】図1のA−A面の断面図。
【図3】図1のB−B面の断面図。
【図4】基本セルの構造を示す断面図。
【図5】図1の高分子外装パッケージを90度回転した構造を示す図。図5(a)は正面図、図5(b)は下面図、図5(c)は上面図、図5(d)と図5(e)は側面図。
【図6】図5のC−Cの断面図。
【図7】図5のD−Dの断面図。
【図8】ラミネートフィルムの封止性を高めた構造図。図8(a)は正面図、図8(b)は下面図、図8(c)は上面図、図8(d)と図8(e)は側面図。
【図9】図8のE−Eの断面図。
【図10】図8のF−Fの断面図。
【図11】実施の形態3の電気二重層コンデンサを示す図。図11(a)は正面図、図11(b)は下面図、図11(c)は上面図、図11(d)と図11(e)は側面図。
【図12】図11のG−Gの断面図。
【図13】図11のH−Hの断面図。
【図14】実施の形態4の電気二重層コンデンサを示す図。図14(a)は正面図、図14(b)は下面図、図14(c)は上面図、図14(d)と図14(e)は側面図。
【図15】図14のI−Iの断面図。
【図16】図14のJ−Jの断面図。
【図17】実施の形態5の電気二重層コンデンサを示す図。図17(a)は正面図、図17(b)は下面図、図17(c)は上面図、図17(d)と図17(e)は側面図。
【図18】図17のK−Kの断面図。
【図19】図17のL−Lの断面図。
【図20】比較例1の従来の電気二重層コンデンサの一例を示す断面図。
【図21】特許文献1の電気二重層コンデンサを示す図。図21(a)は正面図、図21(b)は下面図、図21(c)は上面図、図21(d)と図21(e)は側面図。
【図22】図21のM−M、N−Nの断面図。
【符号の説明】
1 端子電極
2 高分子外装パッケージ
3 ガスケット
4 シート状分極性電極
5 集電体
6 板状セパレータ
7 セル積層体
8 基本セル
9 電解質溶液
10 モールド樹脂
11 ラミネートフィルムシートを円筒にした時の重ね合わせ接着部
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に各種携帯電子機器の負荷変動吸収デバイス等として用いられる電気二重層コンデンサに関し、特に薄型で高温使用に好適な電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図20は、従来の電気二重層コンデンサの一例を示す断面図である。従来の電気二重層コンデンサは、複数の基本セル8を積層してなるセル積層体7、端子電極1、モールド樹脂10から構成され、さらに基本セル8は電解質溶液を浸漬した多孔質の板状セパレータ6の両面に接して対向配置された一対のシート状分極性電極4が中空のガスケット3に収容され、前記一対のシート状分極性電極4に接して枠状のガスケット3の上面および下面の開口部に一対の集電体5が接合されて、この一対の集電体5はガスケット3の枠に固着し開口部を封止している。
【0003】
図20の中で、シート状分極性電極4の材質としては、活性炭粉末または活性炭繊維と、導電性付与剤などを主成分としたシート状の活性炭が用いられ、ガスケット3の内部では、板状セパレータ6に接する一対のシート状分極性電極4にも電解質溶液9が浸漬している。また、集電体5の材質としては、導電性カーボンを含有するゴムまたは、プラスチックが用いられている。
【0004】
電気二重層コンデンサの性能の一つである耐電圧特性は、電解質溶液9の電気分解電圧によって制限されるので、使用条件から電気二重層コンデンサに要求される耐電圧に応じて、所定の数の基本セル8が直列に接続されてセル積層体7が構成され、セル積層体7の積層方向における両端の集電体5には端子電極1が取り付けられ、モールド樹脂10により外装されている。
【0005】
前記モールド樹脂10は、端子電極1とセル積層体7に一定の圧力を保持するので、積層方向で複数の基本セル8にも圧力が加わり、各構成部品同士の接触面での接触抵抗が低下し、結果的に等価直列抵抗(以下、ESRと記す)が低い電気二重層コンデンサが得られる。
【0006】
ところで、近年、携帯電話やPDA、DSCなど携帯用電子機器の電池の負荷変動吸収用デバイスとして、二次電池と電気二重層コンデンサを組合せて用いる検討がされている。
【0007】
しかし、前述の携帯用電子機器に搭載する電子部品には、小型薄型化の要求が強くあり、電気二重層コンデンサにも、小型薄型化の要求が強くなっている。また、高温の環境で電気二重層コンデンサが使用される場合もあるので、高温の環境下における信頼性も強く要求されている。
【0008】
しかし、図20のような従来の電気二重層コンデンサでは、内部の構成部品に一定の圧力を保持するために、外装のモールド樹脂10にはある程度の厚さが必要で、薄型化が困難であるという問題点があった。
【0009】
また、従来の電気二重層コンデンサは、モールド樹脂10の水分透過量が大きいため、高温の環境下で使用すると、内部の電解質溶液9が水系の場合、モールド樹脂10を透過して水分がドライアップし信頼性の確保が困難であるという問題があった。また、電解質溶液9が非水系の場合は、逆に外部から水分がモールド樹脂10を透過してセル積層体7内部へ進入し、そのため電位バランスが崩れ、その結果、過電圧がかかった基本セル8が膨張し、基本セル8の内部から電解質溶液9が漏れると言う問題があった。
【0010】
前述の問題を解決するための電気二重層コンデンサが、特許文献1に記載されている。図21は、特許文献1の電気二重層コンデンサを示す。図21に示すように、セル積層体7の積層方向の端面の集電体5に接してラミネートフィル材などの高分子外装パッケージ2を配置し、高分子外装パッケージ2の周囲の4辺、つまりセル積層体7の外形よりはみだしている部分を熱接着性樹脂で封止した構造になっている。この構造は、電気二重層コンデンサの薄型化を容易にすると共に、外部への水分の透過率量が低下するのでドライアップしにくくなり、高温で使用した時の従来の電気二重層コンデンサの問題点が解決されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−57184号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この構造では、高分子外装パッケージ2の4辺全てを封止しているので、高温下で長時間使用すると、熱融着による封止部の特性劣化や熱接着性樹脂層の劣化により、ドライアップが発生するという問題点がある。また、小型化するために、4辺の封止幅aを小さくすればするほど、高分子外装パッケージ2を封止している熱接着性樹脂層から水分がドライアップし信頼性の確保が困難であるという問題点がある。
【0013】
本発明の目的は、前述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、小型化する事ができ、かつ、高温環境下で長時間使用しても特性の劣化が少ない、信頼性の高い電気二重層コンデンサを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電解質溶液を浸漬した多孔質の板状セパレータと、この板状セパレータの両面に接する一対のシート状分極性電極と、前記板状セパレータと前記一対のシート状分極性電極を収容する開口部を有する中空のガスケットと、前記一対のシート状分極性電極に接し、前記ガスケットの開口部を封止するように前記ガスケットの枠部に固着した一対の集電体とからなる電気二重層コンデンサの基本セルを、単数もしくは複数積層したセル積層体を四角形の高分子外装パッケージで挟み、この高分子外装パッケージの外周部を熱融着などにより封止し一体化した電気二重層コンデンサにおいて、前記高分子外装パッケージの外周部の一辺または二辺が高分子外装パッケージの連続体であり、三辺または二辺が封止されている構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0015】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、前記基本セルの厚さ方向または前記セル積層体の積層方向のほぼ中心部に設置した構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止幅が0.5mm以上であることを特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止部で折り曲がった構造を特徴とする電気二重層コンデンサが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の電気二重層コンデンサを示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図である。図2は、図1のA−A面の断面図である。図3は、図1のB−B面の断面図である。図4は、基本セル8の構造を示す断面図である。
【0020】
図2と図3に示したように、実施の形態1の電気二重層コンデンサは、セル積層体7、端子電極1および高分子外装パッケージ2から構成されている。セル積層体7は、所定数の基本セル8を直列に積層したものである。そして、セル積層体7の積層方向におけるセル積層体7の両端には端子電極1が配置されている。
【0021】
また、図4に示したように、基本セル8は、電解質溶液9を浸漬した多孔質の板状セパレータ6の両面に接する一対のシート状分極性電極4を配置したものを中空のガスケット3内に収納し、一対のシート状分極性電極4に接する一対の集電体5でガスケット3の開口部を封止した構造である。
【0022】
シート状分極性電極4の材質は、粉末活性炭に炭素繊維などの導電性付与材およびバインダー材を混ぜて作製したシート状活性炭で、そのバインダー材の材料や製造方法は特に限定しないが、ここでは、フェノール系の粉末活性炭と、導電性カーボンおよびバインダーを10:5:1の割合で混合し、シート化したものを使用した。また、ガスケット3の材質は、プラスチックなどの絶縁物を用いることができ、ここでは、耐熱性のポリオレフィン系樹脂を用いた。また、集電体5は、カーボン粉末、その他を練り込んだポリオレフリン系の導電性シートを用いた。また、電解質溶液9として30wt%の希硫酸を浸漬した板状セパレータ6の材質は、非導電性で、かつ、イオン透過性の膜であれば材質を問わず、ここでは、鉛蓄電池などに使用されているポリプロピレン系板状セパレータを用いた。また、端子電極1は、銅板に半田めっきを施したものを用いた。さらに、高分子外装パッケージ2には、内層側から熱接着層/ポリエチレン層/アルミニウム金属箔/ポリエチレン層の積層構造のラミネートフィルムを使用した。
【0023】
前記セル積層体7を収容する高分子外装パッケージ2は、外周部の一辺は高分子外装パッケージの連続体であり、積層体7を圧縮する方向にセル積層体7および端子電極1に圧力がかけられ、その圧力を保持するように高分子外装パッケージ2の周囲三辺を封止し、封止部はセル積層体の積層方向のほぼ中間に位置することで封止部の密着強度が高くなる。高分子外装パッケージ2の周囲三辺の封止方法としては、まず二辺を熱接着することにより封止し、最後の一辺は高分子外装パッケージ2の内部を真空に引きながら熱接着し封止する。ここで、端子電極1の一部は、高分子外装パッケージ2の外側へ露出し、電気的に外へ接続できるような構造になっている。
【0024】
実施の形態1の電気二重層コンデンサにおいて、シート状分極性電極の外形寸法は、長さが14mm、幅が9mm、厚みが0.1mmで、ガスケットの中空部の寸法は、長さが15mm、幅が10mm、厚さが0.25mm、ガスケットの外形寸法は長さが17mm、幅が12mm、厚みが0.25mmである。また、板状セパレータの外形寸法は、長さが15mm、幅が10mm、厚さが0.05mmで、端子電極1と接する集電体の外形寸法は、長さが17mm、幅が12mm、厚さが0.05mmである。また、端子電極1の外形寸法は、長さが15mm、幅が12mm、厚さが0.1mmで、幅方向に長さが8mm、幅が3mm、厚みが0.1mmの凸部が形成されている物である。また、高分子外装パッケージ2の外形寸法は、長さが19mm、幅が14mm、厚さが0.1mmである。
【0025】
実施の形態1の電気二重層コンデンサは、基本セル8を6個、直列に積層したセル積層体7を高分子外装パッケージ2に収納したもので、前記高分子外装パッケージ2の三辺の封止幅aの寸法が1mmで、耐電圧は4.8Vである。
【0026】
また、実施の形態1における高分子外装パッケージ2は、端子電極1の取り出し方向と封止する三辺の位置関係で変形が可能で、図1の高分子外装パッケージ2を90度回転した構造を図5に示した。図5(a)は、その正面図であり、図5(b)は下面図であり、図5(c)は上面図であり、図5(d)と図5(e)は側面図である。図6は、図5のC−Cの断面図、図7は、図5のD−Dの断面図である。
【0027】
さらに、前述の実施の形態1における高分子外装パッケージ2の連続体の一辺を他辺を封止したのと同じ方法で熱接着し、ラミネートフィルムの封止性を高めた、図8で示したような構造にすることが可能である。図8(a)は正面図であり、図8(b)は下面図であり、図8(c)は上面図であり、図8(d)と図8(e)は側面図である。図9は、図8のE−Eの断面図、図10は、図8のF−Fの断面図である。
【0028】
(実施の形態2)
高分子外装パッケージ2における封止部の寸法の効果を確認する目的で、前述の実施の形態1とは、高分子外装パッケージ以外は全て同一材料を用いて、高分子外装パッケージ2の封止部の寸法が少しずつ異なり、結果的に高分子外装パッケージの外形寸法が異なる電気二重層コンデンサを作製した。外形寸法を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3の電気二重層コンデンサを示す図であり、図11(a)は正面図であり、図11(b)は下面図であり、図11(c)は上面図であり、図11(d)と図11(e)は側面図である。図12は、図11のG−Gの断面図であり、図13は、図11のH−Hの断面図である。
【0031】
図11に示したように、実施の形態3の電気二重層コンデンサに用いられる高分子外装パッケージ2は、二辺が高分子外装パッケージ2の連続体で、残りの二辺を封止した構造である。二辺封止構造の高分子外装パッケージはラミネートフィルムシートを円筒状に加工することで容易に作製することが出来る。図11(a)に示すように、ほぼ中央部に帯状の凸部を示したが、これはラミネートフィルムシートを円筒にした時の重ね合わせ接着部11である。高分子外装パッケージ2の外形寸法は、長さが19mm、幅が26mm、厚さが0.1mmで、封止幅aの寸法は1mmとなる。
【0032】
実施の形態3の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0033】
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4の電気二重層コンデンサを示す図であり、図14(a)は正面図であり、図14(b)は下面図であり、図14(c)は上面図であり、図14(d)と図14(e)は側面図である。図15は、図14のI−Iの断面図、図16は、図14のJ−Jの断面図である。
【0034】
図14に示した実施の形態4の電気二重層コンデンサにおいて、使用部材は前述の実施の形態3と同一である。本発明の実施の形態4の電気二重層コンデンサは、2辺が連続体である高分子外装パッケージ2を使用し、高分子外装パッケージ2の端子電極1を取り出している封止部が端子電極と共に高分子外装パッケージに密着するように封止部分の端から折り曲げた構造である。
【0035】
実施の形態4の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2と封止部の折り曲げ以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0036】
(実施の形態5)
図17は、実施の形態5の電気二重層コンデンサを示す図であり、図17(a)は正面図であり、図17(b)は下面図であり、図17(c)は上面図であり、図17(d)と図17(e)は側面図である。図18は、図17のK−Kの断面図、図19は、図17のL−Lの断面図である。
【0037】
図17に示した実施の形態5の電気二重層コンデンサにおいて、使用部材は前述の実施の形態3と同一である。実施の形態5の電気二重層コンデンサは、2辺が連続体である高分子外装パッケージ2を使用し、高分子外装パッケージ2の端子電極1を取り出している封止部が端子電極と共に高分子外装パッケージに密着するように封止部分の端から折り曲げ、さらにもう一辺の封止部も端から折り曲げた構造である。
【0038】
実施の形態5の電気二重層コンデンサに用いた部材、製造方法および条件は、上記の高分子外装パッケージ2と封止部の折り曲げ以外は全て実施の形態1と同一で、前記高分子外装パッケージ2の二辺の封止幅aの寸法が1mmで、電気二重層コンデンサの耐電圧は4.8Vである。
【0039】
上述した実施の形態1から5では、高分子外装パッケージ2の封止幅aは端子電極1取り出しする辺とその他の辺で同一寸法としたが、封止効果を考えて封止幅が0.5mm以上であれば、同一寸法である必要はない。
【0040】
比較例1として、図20に従来の構造の電気二重層コンデンサの断面図を示した。実施の形態1の基本セル8のセル積層体7と端子電極1を用いて、モールド樹脂10にてセル積層体7および端子電極1の外周を約0.5mmの厚みで覆うことにより作製した。サンプルの耐電圧は4.8Vである。
【0041】
比較例2として、図21に高分子外装パッケージを用いて四辺を封止した構造の電気二重層コンデンサを示した。図21(a)は正面図であり、図21(b)は下面図であり、図21(c)は上面図であり、図21(d)と図21(e)は側面図である。図22は、図21のM−M、N−Nの断面図である。
【0042】
実施の形態1と同一の基本セル8のセル積層体7と端子電極1を用いて、高分子外装パッケージでセル積層体7および端子電極1を挟み、外周四辺を幅1mmで封止した構造で、サンプルの耐電圧は4.8Vである。
【0043】
次に、前述の実施の形態1から5で作製した電気二重層コンデンサおよび比較例1と2の電気二重層コンデンサを用いて信頼性試験を実施した。信頼性試験は、温度70℃の環境下で、直流電圧4.8Vを印加した状態で1000時間エージング後、充分に放電させてからESRおよび製品重量wを測定した。ESRの測定は、1Hzの試験信号周波数におけるインピーダンスを交流四端子法により測定し、その実数部を算出し求めた。電気二重層コンデンサを高温下に放置する前後のESRの変化量をΔEとし、△Eの初期値に対する割合△E/E(%)で信頼性を評価した。また、高温下に放置する前後の製品重量の変化量をΔwとし、△wの初期値に対する割合△w/w(%)で信頼性を評価した。
【0044】
さらに、電気二重層コンデンサの平均寿命を求める方法として、上記と同様に温度70℃の環境下で、直流電圧4.8Vを電気二重層コンデンサに印加した状態で、電気二重層コンデンサを放置し、電気二重層コンデンサの静電容量が初期値から30%低下した時間を電気二重層コンデンサの平均寿命とした。従来の電気二重層コンデンサの平均寿命を1とし、実施の形態1から5で作製した電気二重層コンデンサの相対平均寿命を求め、信頼性を評価した。
【0045】
実施の形態1から実施の形態5および比較例1および比較例2の電気二重層コンデンサのサンプル数は各水準50個とし、50個の平均値を信頼性試験の結果として表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】
表2から明らかなように、実施の形態1から5は、実施の形態2−1と2−2を除き、電気二重層コンデンサの△E/E(%)は、約3〜12%と安定し、相対平均寿命も、約5〜10倍に延びて、比較例より充分に信頼性が確保されていることが分かる。実施の形態2−1と2−2で高分子外装パッケージ2の封止幅aの寸法が0.5mm未満の場合には、高分子外装パッケージの熱接着する封止部分の絶縁樹脂からの水分が透過するので、電解質溶液9がドライアップし、そのため特性が劣化したり、また、封止が不十分な部分が発生し、信頼性の低下を来たす。
【0048】
比較例1のようにモールド樹脂10で外装した場合は、モールド樹脂自体が水分の透過性があるため、高温下で信頼性試験を実施すると経時的に電解質溶液9がドライアップするため信頼性の確保が難しい。
【0049】
本発明の電気二重層コンデンサでは、高温下での信頼性試験において重量減少量が少なく、相対平均寿命も大幅に改善されている。特に、高分子外装パッケージ2の封止幅aの寸法が0.7mm以上で、かつ封止する辺が少ない条件で作製した時に効果が著しい。封止幅aが0.7mm未満の場合、端子電極1との接着強度が弱いため重量減少量が大きくなり、信頼性も0.7mm以上と比較すると低くなるので、端子電極1を取り出している辺の封止幅aの寸法は0.7mm以上、それ以外の辺の封止幅aの寸法は0.5mm以上が望ましい。
【0050】
また、本発明の実施の形態4や5のように高分子外装パッケージ2の連続体の折り曲げた部分を封止したり、または、封止した部分で折り曲げることにより、セル積層体7と高分子外装パッケージ2の折り曲げた部分との隙間や、セル積層体7と高分子外装パッケージ2の封止部分との隙間が押さえられるため、電位バランスの崩れなどが原因で内部から発生するガスの逃げ場となっていた場所が無くなり△E/Eの上昇も抑制され、さらに信頼性が向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、高分子外装パッケージの封止幅を0.5mm以上にすることにより、電気二重層コンデンサの電解質溶液のドライアップが抑制され、また、高分子外装パッケージの封止する辺を少なくすることで、電解質溶液のドライアップが抑制され、信頼性を確保した電気二重層コンデンサが得られ、さらに、高分子外装パッケージの封止した部分を折り曲げることで、封止部分を削減し、実装面積が抑えられ、小型化に寄与すると共に、信頼性を確保した電気二重層コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電気二重層コンデンサを示す図。図1(a)は正面図、図1(b)は下面図、図1(c)は上面図、図1(d)と図1(e)は側面図。
【図2】図1のA−A面の断面図。
【図3】図1のB−B面の断面図。
【図4】基本セルの構造を示す断面図。
【図5】図1の高分子外装パッケージを90度回転した構造を示す図。図5(a)は正面図、図5(b)は下面図、図5(c)は上面図、図5(d)と図5(e)は側面図。
【図6】図5のC−Cの断面図。
【図7】図5のD−Dの断面図。
【図8】ラミネートフィルムの封止性を高めた構造図。図8(a)は正面図、図8(b)は下面図、図8(c)は上面図、図8(d)と図8(e)は側面図。
【図9】図8のE−Eの断面図。
【図10】図8のF−Fの断面図。
【図11】実施の形態3の電気二重層コンデンサを示す図。図11(a)は正面図、図11(b)は下面図、図11(c)は上面図、図11(d)と図11(e)は側面図。
【図12】図11のG−Gの断面図。
【図13】図11のH−Hの断面図。
【図14】実施の形態4の電気二重層コンデンサを示す図。図14(a)は正面図、図14(b)は下面図、図14(c)は上面図、図14(d)と図14(e)は側面図。
【図15】図14のI−Iの断面図。
【図16】図14のJ−Jの断面図。
【図17】実施の形態5の電気二重層コンデンサを示す図。図17(a)は正面図、図17(b)は下面図、図17(c)は上面図、図17(d)と図17(e)は側面図。
【図18】図17のK−Kの断面図。
【図19】図17のL−Lの断面図。
【図20】比較例1の従来の電気二重層コンデンサの一例を示す断面図。
【図21】特許文献1の電気二重層コンデンサを示す図。図21(a)は正面図、図21(b)は下面図、図21(c)は上面図、図21(d)と図21(e)は側面図。
【図22】図21のM−M、N−Nの断面図。
【符号の説明】
1 端子電極
2 高分子外装パッケージ
3 ガスケット
4 シート状分極性電極
5 集電体
6 板状セパレータ
7 セル積層体
8 基本セル
9 電解質溶液
10 モールド樹脂
11 ラミネートフィルムシートを円筒にした時の重ね合わせ接着部
Claims (4)
- 電解質溶液を浸漬した多孔質の板状セパレータと、該板状セパレータの両面に接する一対のシート状分極性電極と、前記板状セパレータと前記一対のシート状分極性電極を収容する開口部を有する中空のガスケットと、前記一対のシート状分極性電極に接し、前記ガスケットの開口部を封止するように前記ガスケットの枠部に固着した一対の集電体とからなる電気二重層コンデンサの基本セルを、単数もしくは複数積層したセル積層体を四角形の高分子外装パッケージで挟み、該高分子外装パッケージの外周部を熱融着などにより封止し一体化した電気二重層コンデンサにおいて、前記高分子外装パッケージの外周部の一辺または二辺が高分子外装パッケージの連続体であり、三辺または二辺が封止されている構造を特徴とする電気二重層コンデンサ。
- 前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、前記基本セルの厚さ方向または前記セル積層体の積層方向のほぼ中心部に設置した構造を特徴とする請求項1記載の電気二重層コンデンサ。
- 前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止幅が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気二重層コンデンサ。
- 前記高分子外装パッケージにおける外周部の封止部は、封止部で折り曲がった構造を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電気二重層コンデンサ。
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