JP2004335599A - 熱電気素子及び該熱電気素子を備えた熱電気装置 - Google Patents

熱電気素子及び該熱電気素子を備えた熱電気装置 Download PDF

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Yoshihiro Makino
至洋 牧野
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Abstract

【課題】格子振動による熱伝達を下げて素子性質を向上させる。
【解決手段】互いに対向して配置された陰極(21)及び陽極(22)と、陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを備えている。そして、陰極(21)と陽極(22)との間の電圧印加により、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)に冷却部を形成し、陽極(22)に加熱部を形成して電気エネルギを熱に変換する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電気素子及び該熱電気素子を備えた熱電気装置に関し、特に、カーボンチューブを用いたものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱電気素子には、例えば、ペルチェ効果を利用し、熱を電気エネルギに直接変換したり、又は電気エネルギを熱に変換するものがある。このペルチェ効果を利用した熱電気素子は、空気調和装置や発電装置などの各種の熱電気装置に用いられている。例えば、熱電気素子を用いた空気調和装置は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにおける圧縮機などの可動部を設ける必要がないことから、地球環境に優しいという利点がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−132313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した熱電気素子を用いた空気調和装置は、効率が悪いという問題があった(カルノーサイクルの8%)。また、ペルチェ素子は、熱発電素子としても利用されるが、発電効率が悪いという問題があった(カルノーサイクルの8%)。
【0005】
この低効率の理由は次の通りである。ペルチェ効果、ゼーベック効果又はトムソン効果を利用した熱電素子は、素子の性質上、高温部と低温部とを接合している。そのため、接合部での温度差によって、熱エネルギが格子振動の形で高温部から低温部へ運ばれていくことになる。
【0006】
つまり、移動する熱のエネルギを全て電子だけが担えば問題がないが、実際には格子振動の形で緩和が起こる。このため、冷却素子として熱電気素子を用いた場合、電子移動によって形成された温度差が格子振動の形で熱の緩和が起こる。一方、発電素子として熱電気素子を用いた場合、温度差を電子移動に利用したいが、格子振動による熱拡散を起こしてしまう。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、格子振動による熱伝達を下げて素子性質を向上させることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〈発明の概要〉
本発明は、カーボンチューブ束の導電層を設けるようにした基本原理は次の通りである。
【0009】
例えば、ペルチェ素子の性能を特徴つける指標に性能指数Zがある。この性能指数Zは、Z=(ασ)/κで表される。ここで、αはゼーベック係数、σは電気伝導度、κは熱伝導率である。
【0010】
このペルチェ素子の性能を向上させるためには、ゼーベック係数αを高くし、電気伝導度σを向上させ、熱伝導率κを小さくすればよいことが分かる。
【0011】
一方、本願発明者は、永年の研究の結果、カーボンチューブの束(バンドル)において、熱伝導方向と電気伝導方向とに異方性がある点を新たに見出したものである。
【0012】
つまり、カーボンチューブの熱伝導率は、各チューブの軸方向に極めて高く、カーボンチューブ相互間の方向においては、極めて低い。また、電気伝導、つまり、電子は、カーボンチューブの表面に沿って流れるので、一対の電極間で電子が移動することになる。
【0013】
このことから、本願発明者は、カーボンチューブの束によって電気伝導度σを高くし、熱伝導率κを小さくした熱電気素子を開発したものである。
【0014】
〈解決手段〉
具体的に、図2に示すように、第1の発明は、互いに対向して配置された陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを備えている。そして、上記陰極(21)と陽極(22)との間に熱又は電気エネルギを加えて熱と電気エネルギとを変換する。
ことを特徴とする熱電気素子。
【0015】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記陰極(21)と陽極(22)との間の電圧印加により、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)に冷却部を形成し、陽極(22)に加熱部を形成して電気エネルギを熱に変換する構成としている。
【0016】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記陰極(21)を加熱し、陽極(22)を冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換する構成としている。
【0017】
第4の発明は、上記第1、2又は3の発明において、上記導電層(23)のカーボンチューブ(24)がナノチューブである構成としている。
【0018】
第5の発明は、空調を行う熱電気装置であって、ケーシング(11)と、
該ケーシング(11)内に設けられ、熱電気素子(20)を有する熱交換手段(12)と、上記ケーシング(11)の内部に形成されて第1空気が流れる1次側の通路(15)及び第2空気が流れる2次側の通路(16)とを備えている。そして、上記熱交換手段(12)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、1次側通路(15)の第1空気及び2次側通路(16)の第2空気を冷却又は加熱するように構成されている。
【0019】
第6の発明は、空気を除湿する熱電気装置であって、ケーシング(31)と、該ケーシング(31)内に設けられ、熱電気素子(20)を有する除湿手段(32)と、上記ケーシング(31)の内部に形成されて空気が流れる空気通路(36)とを備えている。そして、上記除湿手段(32)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、空気通路(36)の空気を冷却して除湿するように構成されている。
【0020】
第7の発明は、上記第6の発明において、上記熱電気素子(20)の陰極(21)で冷却された空気が流れて該空気中の臭気物質を吸着する脱臭手段(33)が設けられている。
【0021】
第8の発明は、発電を行う熱電気装置であって、熱電気素子(20)を有する変換手段(45)と、該変換手段(45)の片側に配置された加熱手段(42)と、上記変換手段(45)の他の片側に配置された冷却手段(46)とを備えている。そして、上記熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)を加熱手段(42)によって加熱すると共に、陽極(22)を冷却手段(46)によって冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換して負荷(47)に電力を供給するように構成されている。
【0022】
第9の発明は、発電手段(40)及び空調手段(10)とを備えた熱電気装置であって、上記発電手段(40)は、熱電気素子(20)を有する変換手段(45)と、該変換手段(45)の片側に配置された加熱手段(42)と、上記変換手段(45)の他の片側に配置された冷却手段(46)を備え、上記空調手段(10)は、熱電気素子(20)を有する熱交換手段(12)と、ケーシング(11)の内部で且つ熱交換手段(12)の片側に形成された第1空気の1次側の通路(15)と、上記ケーシング(11)の内部で且つ熱交換手段(12)の他の片側に形成された第2空気の2次側の通路(16)とを備えている。そして、上記発電手段(40)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)を加熱手段(42)によって加熱すると共に、陽極(22)を冷却手段(46)によって冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換して空調手段(10)の熱交換手段(12)に電力を供給するように構成されている。加えて、上記空調手段(10)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が各通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、1次側通路(15)の第1空気及び2次側通路(16)の第2空気を冷却又は加熱するように構成されている。
【0023】
第10の発明は、上記第5、6、8又は9の発明において、上記熱電気素子(20)の導電層(23)のカーボンチューブ(24)がナノチューブである構成としている。
【0024】
すなわち、本発明では、陰極(21)と陽極(22)との間の導電層(23)において、電子が陰極(21)から陽極(22)に向かって流れるものの、格子振動による熱伝達は、主としてカーボンチューブ(24)の軸方向にのみ行われる。この結果、格子振動による熱伝達が下がり、素子性質が向上する。
【0025】
また、第2の発明では、陰極(21)と陽極(22)との間に電圧をかけると、電子が陰極(21)から導電層(23)を介して陽極(22)に流れ、電子を放出する陰極(21)が冷却される一方、電子を受け取る陽極(22)が加熱される。
【0026】
また、第3の発明では、電子放出によって陰極(21)と陽極(22)との間に電位差が生じ、発電が行われる。
【0027】
第5の発明は、熱電気素子(20)によって空気調和を行うものである。つまり、第1空気はケーシング(11)に吸い込まれ、1次側通路(15)を流れる。上記第1空気は、熱交換手段(12)における熱電気素子(20)の陰極(21)(冷却部)で熱交換して冷却され、冷却空気の調和空気となる。この調和空気は、1次側通路(15)流れ、室内に吹き出し、室内を冷房する。
【0028】
また、第2空気はケーシング(11)に吸い込まれ、2次側通路(16)を流れる。そして、上記室外空気は、熱交換手段(12)における熱電気素子(20)の陽極(22)(加熱部)で熱交換して加熱され、排熱空気となる。この排熱空気は、2次側通路(16)流れ、室外に吹き出る。
【0029】
一方、暖房運転を行う場合、熱交換手段(12)における熱電気素子(20)は、陽極(22)が1次側通路(15)に面し、熱電気素子(20)の陰極(21)が2次側通路(16)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。そして、冷房運転時とは逆に、第1空気は1次側通路(15)を流れて加熱され、加熱空気の調和空気となって室内に吹き出し、室内を暖房する。一方、第2空気は2次側通路(16)を流れて冷却され、排熱空気となって室外に吹き出る。
【0030】
また、第6及び第7の発明では、熱電気素子(20)によって除湿を行うものである。つまり、除湿手段(32)における熱電気素子(20)は、空気通路(36)に面する陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。空気はケーシング(31)に流入し、空気通路(36)を流れる。そして、上記空気は、除湿手段(32)における熱電気素子(20)の陰極(21)(冷却部)で熱交換して冷却されて除湿され、乾燥した調和空気となる。この調和空気は、脱臭手段(33)を流れ、臭気物質が吸着除去され、空気の除湿及び脱臭が行われる。
【0031】
また、第8の発明では、熱電気素子(20)によって発電を行うものである。つまり、例えば、加熱手段(42)でガスを燃焼させる。この燃焼によって変換手段(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)が加熱される。一方、1次側通路(15)には、冷却手段(46)によって変換手段(45)における熱電気素子(20)の陽極(22)が冷却される。上記変換手段(45)の熱電気素子(20)は、陰極(21)が所定温度以上に加熱されると、陰極(21)から陽極(22)に向かって電子が放出される。この電子放出によって上記陰極(21)と陽極(22)との間に電位差が生じ、発電が行われる。この変換部で発生した電力が負荷(47)に供給される。
【0032】
また、第9の発明では、熱電気素子(20)によって発電及び空気調和を行うものである。つまり、変換手段(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)が加熱され、陽極(22)が冷却されるので、電子が陰極(21)から陽極(22)に向かって放出される。この結果、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電位差が生じる。
【0033】
上記変換手段(45)における熱電気素子(20)の陽極(22)から電子が熱交換手段(12)の熱電気素子(20)の陰極(21)に流れる。この熱交換手段(12)の熱電気素子(20)には、所定電圧が印可されているので、熱電気素子(20)の陰極(21)から電子が陽極(22)に放出される。この結果、上記陰極(21)が冷却され、第1空気が冷却されて調和空気となる。この調和空気は、室内に供給される。
【0034】
上記熱交換手段(12)の熱電気素子(20)の陽極(22)に流れた電子は、変換手段(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)に流れ、上述の動作が繰り返される。
【0035】
また、暖房運転を行う場合、上記変換手段(45)における熱電気素子(20)と熱交換手段(12)の熱電気素子(20)との接続を逆にすればよい。
【0036】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図1に示すように、空気調和装置(10)は、熱電気素子(20)を備えた熱電気装置であって、冷房運転を行うように構成されている。
【0038】
上記空気調和装置(10)は、ケーシング(11)と、熱交換手段である熱交換機構(12)とを備えている。上記ケーシング(11)は、前面ケース(11a)と背面ケース(11b)とを備え、上記前面ケース(11a)の内側中央部にコア(11c)が設けられている。
【0039】
上記前面ケース(11a)には、コア(11c)の上方に位置して室内空気を吸い込む室内吸込口(13a)が形成されると共に、コア(11c)の下方に位置して調和空気を吹き出す室内吹出口(13b)が形成されている。一方、上記背面ケース(11b)には、上部に室外空気を吸い込む室外吸込口(14a)が形成されると共に、下部に排熱空気を吹き出す室外吹出口(14b)が形成されている。更に、上記背面ケース(11b)の上部及び下部には、前方に突出した突起(11d)が形成されている。
【0040】
上記ケーシング(11)の内部には、室内吸込口(13a)と室内吹出口(13b)とを繋ぐ1次側通路(15)が形成されると共に、室外吸込口(14a)と室外吹出口(14b)とを繋ぐ2次側通路(16)が形成されている。
【0041】
上記熱交換機構(12)は、1次側通路(15)と2次側通路(16)との区画壁を形成し、複数の熱電気素子(20)によって構成され、室内吸込口(13a)の上方から室内吹出口(13b)の下方に亘って形成されている。
【0042】
上記1次側通路(15)には、コア(11c)に近接して室内ファン(17a)が設けられている。一方、上記2次側通路(16)には、室外吸込口(14a)に吸込ファン(17b)が、室外吹出口(14b)に吹出ファン(17c)が配置されている。
【0043】
上記熱交換機構(12)は、複数の熱電気素子(20)が縦横に並列に配列された平板状に形成されている。上記各熱電気素子(20)は、図2及び図3に示すように、陰極(21)と陽極(22)とより成る一対の電極と、該陰極(21)と陽極(22)との間に設けられた導電層(23)(23)とを備えている。
【0044】
上記導電層(23)は、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束で形成されている。該カーボンチューブ(24)は、ナノ構造体であって、図4に示すように、円筒状に形成されたカーボンナノチューブで構成されている。
【0045】
上記導電層(23)は、チューブ層(25)が複数段(図4では4段)に積層されて構成されている。そして、該チューブ層(25)は、複数のカーボンチューブ(24)が平行に且つ互いに接するように配置されて構成されている。
【0046】
上記熱電気素子(20)は、陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加することにより、陰極(21)から陽極(22)に向かって電子が移動する(図2及び図3の矢符A参照)。その際、電子は、カーボンチューブ(24)の表面に沿って流れる。そして、この電子移動によって上記陰極(21)が冷却部に形成され、陽極(22)が加熱部に形成されることになる。
【0047】
一方、上記陰極(21)及び陽極(22)からカーボンチューブ(24)に熱が伝導することになるが、カーボンチューブ(24)の軸方向の熱伝導はよいものの、カーボンチューブ(24)相互間の方向の熱伝導は行われ難い。この結果、陰極(21)と陽極(22)との間の熱伝導率が小さく、素子性能が高い。つまり、格子振動(フォノン)による熱伝達は、主としてカーボンチューブ(24)の軸方向にのみ行われる(図2の矢符B参照)。
【0048】
尚、上記導電層(23)の端部、つまり、カーボンチューブ(24)の端部には、図示しないが、温熱等を貯めるヒートシンクなどが接続されている。
【0049】
上記熱交換機構(12)は、陰極(21)と陽極(22)とがそれぞれ1次側通路(15)及び2次側通路(16)に面している。つまり、例えば、冷房運転を行う場合、熱電気素子(20)の陰極(21)が1次側通路(15)に面し、熱電気素子(20)の陽極(22)が2次側通路(16)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。暖房運転を行う場合、印加電圧を逆にし、熱電気素子(20)の陽極(22)が1次側通路(15)に面し、熱電気素子(20)の陰極(21)が2次側通路(16)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。
【0050】
〈作用〉
次に、上述した空気調和装置(10)の空気調和動作について説明する。
【0051】
先ず、冷房運転を行う場合、熱交換機構(12)における熱電気素子(20)は、陰極(21)が1次側通路(15)に面し、熱電気素子(20)の陽極(22)が2次側通路(16)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。この電圧の印加によって陰極(21)から陽極(22)に向かって電子が流れる。その際、電子は、導電層(23)のカーボンチューブ(24)の表面に沿って流れることになる。この電子移動によって陰極(21)が冷却され、陽極(22)が加熱される。
【0052】
一方、上記陰極(21)及び陽極(22)からカーボンチューブ(24)に熱が伝導することになるが、格子振動による熱伝導は、カーボンチューブ(24)の軸方向にはよいものの、カーボンチューブ(24)相互間の方向の熱伝導は行われ難い。この結果、陰極(21)と陽極(22)との間の熱伝導率が小さく抑制される。
【0053】
一方、室内ファン(17a)を駆動すると、室内空気が室内吸込口(13a)よりケーシング(11)に吸い込まれ、1次側通路(15)を流れる。上記室内空気は、熱交換機構(12)における熱電気素子(20)の冷却部である陰極(21)で熱交換して冷却され、冷却空気の調和空気となる。この調和空気は、1次側通路(15)流れ、室内吹出口(13b)より室内に吹き出し、室内を冷房する。
【0054】
更に、吸込ファン(17b)及び吹出ファン(17c)を駆動すると、室外空気は室外吸込口(14a)よりケーシング(11)に吸い込まれ、2次側通路(16)を流れる。上記室外空気は、熱交換機構(12)における熱電気素子(20)の加熱部である陽極(22)で熱交換して加熱され、排熱空気となる。この排熱空気は、2次側通路(16)流れ、室外吹出口(14b)より室外に吹き出る。
【0055】
また、暖房運転を行う場合、熱交換機構(12)における熱電気素子(20)は、陽極(22)が1次側通路(15)に面し、熱電気素子(20)の陰極(21)が2次側通路(16)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。そして、冷房運転時とは逆に、室内空気は1次側通路(15)を流れて加熱され、加熱空気の調和空気となって室内に吹き出し、室内を暖房する。一方、室外空気は2次側通路(16)を流れて冷却され、排熱空気となって室外に吹き出る。
【0056】
〈実施形態1の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、陰極(21)と陽極(22)との間にカーボンチューブ束の導電層(23)を設けるようにしたために、陰極(21)と陽極(22)との間の熱伝導率を極めて小さくすることができる。この結果、電気エネルギと熱とを高効率で変換することができる。
【0057】
また、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成するものに比して冷媒及び圧縮機を設ける必要がないので、脱人工冷媒を図ることができ、地球環境に優しいものとすることができる。
【0058】
また、振動及び騒音の低減を図ることができると共に、機械的摺動部がないので、機械的摩耗がなく、しかも、圧縮機の発熱、重量及び容積に関する制約を解消することができる。
【0059】
また、蒸気圧縮式冷凍サイクルの効率より高効率とすることができる。
【0060】
−変形例−
尚、上記カーボンチューブ(24)は、図5に示すように、中実に形成されたカーボンナノファイバも含むものであってもよい。
【0061】
また、本発明におけるカーボンチューブ(24)は、ナノチューブに限られるものではなく、ナノチューブより大きなカーボンチューブであってもよいことは勿論である。
【0062】
【発明の実施の形態2】
以下、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。
【0063】
本実施形態は、図6に示すように、実施形態1の空気調和装置(10)に代えて、熱電気装置である脱臭除湿装置(30)に熱電気素子(20)を用いたものである。
【0064】
上記脱臭除湿装置(30)は、室内と押入との間の仕切部材(34)に取り付けられている。該脱臭除湿装置(30)は、ケーシング(31)と除湿手段である除湿機構(32)と脱臭手段である脱臭機構(33)とを備えている。
【0065】
上記仕切部材(34)には、空気の流入口(34a)が形成されると共に、該流入口(34a)の上方位置に空気の流出口(34b)が形成されている。上記ケーシング(31)は、流入口(34a)と流出口(34b)とを覆うように仕切部材(34)に取り付けられている。
【0066】
また、上記ケーシング(31)の内部には、仕切部材(34)における流入口(34a)の上辺からケーシング(31)内に延びる隔壁(35)が設けられている。該隔壁(35)の先端には、下方に向かって延びる板状の除湿機構(32)が設けられている。
【0067】
そして、上記ケーシング(31)の内部には、空気通路(36)が形成されている。該空気通路(36)は、流入口(34a)から仕切部材(34)と除湿機構(32)との間で形成される1次側通路(36a)と、該1次側通路(36a)に連通し、ケーシング(31)と除湿機構(32)との間で形成され且つ流出口(34b)に至る2次側通路(36b)とを備えている。
【0068】
上記除湿機構(32)は、図示しないが、実施形態1と同様な熱電気素子(20)を備え、該熱電気素子(20)は、冷却部である陰極(21)が1次側通路(36a)に面し、加熱である陽極(22)が2次側通路(36b)に面するように配置されている。そして、上記除湿機構(32)は、押入から流入する空気を1次側通路(36a)で冷却して除湿した後、この除湿された空気を2次側通路(36b)で加熱して押入に戻すように構成されている。
【0069】
上記ケーシング(31)内の下部には、脱臭機構(33)が1次側通路(36a)に位置して配置されている。該脱臭機構(33)は、臭気物質の吸着剤である活性炭を有し、冷却された空気の流通によって臭気物質を吸着除去するように構成されている。
【0070】
上記ケーシング(31)の下部には、開口(31a)が形成されると共に、該開口(31a)の下方には、水滴受け(31b)が設けられている。
【0071】
〈作用〉
次に、上述した脱臭除湿装置(30)の脱臭除湿動作である空気調和動作について説明する。
【0072】
先ず、除湿機構(32)における熱電気素子(20)は、陰極(21)が1次側通路(36a)に面し、熱電気素子(20)の陽極(22)が2次側通路(36b)に面するように陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加する。押入空気は流入口(34a)よりケーシング(31)に流入し、1次側通路(36a)を流れる。そして、上記押入空気は、除湿機構(32)における熱電気素子(20)の冷却部である陰極(21)で熱交換して冷却されて除湿され、乾燥した調和空気となる。この調和空気は、脱臭機構(33)を流れ、臭気物質が吸着除去される。
【0073】
その後、上記調和空気は、2次側通路(36b)を流れ、除湿機構(32)における熱電気素子(20)の加熱部である陽極(22)で熱交換して加熱され、流出口(34b)から押入に戻り、該押入の除湿及び脱臭が行われる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0074】
【発明の実施の形態3】
以下、本発明の実施形態3を図面に基づいて詳細に説明する。
【0075】
本実施形態は、図7乃至図9に示すように、実施形態1の空気調和装置(10)に代えて、熱電気装置である発電装置(40)に熱電気素子(20)を用いたものである。
【0076】
上記発電装置(40)は、熱電気素子(20)の熱電子放出によって発電を行うように構成されている。つまり、上記熱電気素子(20)は、実施形態1の熱電気素子(20)と同様に構成されているが、実施形態1が熱電気素子(20)の陰極(21)と陽極(22)との間に所定電圧を印加したのに代わり、熱電気素子(20)の陰極(21)を加熱し、陽極(22)を冷却するようにしたものである。上記熱電気素子(20)の陰極(21)を所定温度に加熱すると、導電層(23)を介して陰極(21)から電子が陽極(22)に向かって流れ、陰極(21)と陽極(22)との間に所定の電位差が生じ、熱が電気エネルギに直接変換されて発電が行われる。
【0077】
上記発電装置(40)は、熱電気素子(20)の熱電気の変換機能を利用したもので、発電機構(41)と燃料部(42)とを備えている。該燃料部(42)は、ガスボンベで構成され、ガス管(42a)が接続されている。
【0078】
上記発電機構(41)は、ケーシング(43)と加熱手段である燃焼部(44)と変換手段である変換部(45)とを備えている。該ケーシング(43)は、円筒状に形成されて一端が開口されている。
【0079】
上記燃焼部(44)は、両端が閉鎖されると共に、多数の燃焼孔(44a)が形成された円筒状の燃焼筒で構成されている。該燃焼部(44)は、上記ケーシング(43)の中央部に、該ケーシング(43)と同心上に配置されている。そして、上記燃焼部(44)は、一端にガス管(42a)が接続されて、燃料ガスが燃料部(42)より供給されている。
【0080】
上記変換部(45)は、実施形態1と同様な熱電気素子(20)を備え、両端が開口された円筒状に形成されている。該変換部(45)は、燃焼部(44)とケーシング(43)との間に位置し、それぞれ燃焼部(44)とケーシング(43)との間に所定の間隔が形成されている。そして、上記ケーシング(43)と変換部(45)との間は、外気が流れて冷却手段を構成する1次側通路(46)に形成されている。一方、上記変換部(45)と燃焼部(44)との間は、排気ガスが流れる2次側通路(46a)に形成されている。上記1次側通路(46)と2次側通路(46a)とは、ケーシング(43)の閉塞端側で連通している。
【0081】
上記変換部(45)は、熱電気素子(20)の陰極(21)が2次側通路(46a)に面し、陽極(22)が1次側通路(46)に面している。そして、上記上記熱電気素子(20)の陰極(21)が燃焼部(44)のガス燃焼によって加熱され、陽極(22)が外気によって冷却される。この加熱及び冷却によって熱電気素子(20)が発電を行う。
【0082】
一方、上記変換部(45)には、負荷(47)が配線(47a)を介して接続されている。
【0083】
〈作用〉
次に、上述した発電装置(40)の発電動作について説明する。
【0084】
先ず、燃料部(42)より燃料ガスを燃焼部(44)に供給し、該燃焼部(44)でガスを燃焼させる。この燃焼によって変換部(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)が加熱される。一方、1次側通路(46)には、外気が供給されて該外気が1次側通路(46)を流れるので、変換部(45)における熱電気素子(20)の陽極(22)が冷却される。この1次側通路(46)を流れた室外空気は、2次側通路(46a)流れ、ガスの燃焼に寄与した後、排気される。
【0085】
上記変換部(45)の熱電気素子(20)は、陰極(21)が所定温度以上に加熱されると、陰極(21)から陽極(22)に向かって電子が流れる。この電子移動によって陰極(21)と陽極(22)との間に電位差が生じ、発電が行われる。この変換部(45)で発生した電力が負荷(47)に供給される。
【0086】
〈実施形態3の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、陰極(21)と陽極(22)との間にカーボンチューブ束の導電層(23)を設けるようにしたために、熱拡散がなく、熱と電気エネルギとを高効率で変換することができる。その他の熱電気素子(20)などの構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0087】
【発明の実施の形態4】
以下、本発明の実施形態4を図面に基づいて詳細に説明する。
【0088】
本実施形態は、図10に示すように、実施形態1の空気調和装置(10)に代えて、熱電気装置であるガスヒートポンプ装置(50)に熱電気素子(20)を用いたものである。
【0089】
上記ガスヒートポンプ装置(50)は、発電手段である実施形態3の発電装置(40)と空調手段である実施形態1の空気調和装置(10)とを組み合わせたものであり、実施形態3の負荷(47)として実施形態1の熱交換機構(12)が接続されて電気回路(51)が形成されている。
【0090】
そして、上記実施形態1の2次側通路(16)より吹き出た排出空気が実施形態3の2次側通路(46a)に供給されている。この場合、実施形態3における1次側通路(46)を流れた空気はそのまま排出されている。
【0091】
したがって、本実施形態では、実施形態3の変換部(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)が加熱され、陽極(22)が冷却されるので、陰極(21)から電子が陽極(22)に向かって移動する。この結果、陰極(21)と陽極(22)との間に電位差が生じる。
【0092】
そして、図10の矢符で示すように、上記変換部(45)における熱電気素子(20)の陽極(22)から電子が空気調和装置(10)における熱交換機構(12)の熱電気素子(20)の陰極(21)に流れる。この空気調和装置(10)の熱電気素子(20)には、所定電圧が印可されているので、熱電気素子(20)の陰極(21)から電子が陽極(22)に流れる。この結果、陰極(21)が冷却され、室内空気が冷却されて調和空気となる。この調和空気は、室内に供給される。
【0093】
一方、上記空気調和装置(10)における熱交換機構(12)の熱電気素子(20)の陽極(22)に流れた電子は、図10の矢符で示すように、発電装置(40)の変換部(45)における熱電気素子(20)の陰極(21)に流れ、上述の動作が繰り返される。
【0094】
尚、暖房運転を行う場合、上記発電装置(40)の変換部(45)における熱電気素子(20)と空気調和装置(10)における熱交換機構(12)の熱電気素子(20)との接続を逆にすればよい。その際、発電装置(40)の燃焼部(44)には、外気を供給することになる。その他の熱電気素子(20)などの構成、作用及び効果は実施形態1及び実施形態3と同様である。
【0095】
【発明の他の実施の形態】
上記各実施形態においては、空気調和装置(10)や発電装置(40)等について説明したが、本発明は、熱電気素子(20)のみであってもよく、この熱電気素子(20)は、空気調和装置(10)や発電装置(40)等に限られず、各種の装置に適用してもよいものである。
【0096】
【発明の効果】
したがって、本発明によれば、陰極(21)と陽極(22)との間にカーボンチューブ束の導電層(23)を設けるようにしたために、陰極(21)と陽極(22)との間の熱伝導率を極めて小さくすることができる。この結果、電気エネルギと熱とを高効率で変換することができる。
【0097】
また、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成するものに比して冷媒及び圧縮機を設ける必要がないので、脱人工冷媒を図ることができ、地球環境に優しいものとすることができる。
【0098】
また、振動及び騒音の低減を図ることができると共に、機械的摺動部がないので、機械的摩耗がなく、しかも、圧縮機の発熱、重量及び容積に関する制約を解消することができる。
【0099】
また、蒸気圧縮式冷凍サイクルの効率より高効率とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の空気調和装置を示す概略断面図である。
【図2】熱電気素子を示す断面図である。
【図3】カーボンチューブ束における電子と格子振動とを示す斜視図である。
【図4】カーボンチューブを示す斜視図である。
【図5】他のカーボンチューブを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2の除湿脱臭装置を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施形態3の発電装置を示す概略構成図である。
【図8】本発明の実施形態3の発電装置の横断面を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態3の発電装置の縦断面を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態4のガスヒートポンプ装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置(熱電気装置)
11 ケーシング
12 熱交換機構(熱交換手段)
15 1次側通路
16 2次側通路
20 熱電気素子
21 陰極
22 陽極
23 導電層
24 カーボンチューブ
25 チューブ層
30 脱臭除湿装置(熱電気装置)
31 ケーシング
32 除湿機構(除湿手段)
33 脱臭機構(脱臭手段)
36 空気通路
36a 1次側通路
36b 2次側通路
40 発電装置(熱電気装置)
41 発電機構
44 燃焼部(加熱手段)
45 変換部(変換手段)
46 1次側通路(冷却手段)
46a 2次側通路
47 負荷
50 ガスヒートポンプ装置(熱電気装置)

Claims (10)

  1. 互いに対向して配置された陰極(21)及び陽極(22)と、
    該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを備え、
    上記陰極(21)と陽極(22)との間に熱又は電気エネルギを加えて熱と電気エネルギとを変換する
    ことを特徴とする熱電気素子。
  2. 請求項1において、
    上記陰極(21)と陽極(22)との間の電圧印加により、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)に冷却部を形成し、陽極(22)に加熱部を形成して電気エネルギを熱に変換する
    ことを特徴とする熱電気素子。
  3. 請求項1において、
    上記陰極(21)を加熱し、陽極(22)を冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換する
    ことを特徴とする熱電気素子。
  4. 請求項1、2又は3において、
    上記導電層(23)のカーボンチューブ(24)は、ナノチューブである
    ことを特徴とする熱電気素子。
  5. 空調を行う熱電気装置であって、
    ケーシング(11)と、
    該ケーシング(11)内に設けられ、熱電気素子(20)を有する熱交換手段(12)と、
    上記ケーシング(11)の内部に形成されて第1空気が流れる1次側の通路(15)及び第2空気が流れる2次側の通路(16)とを備え、
    上記熱交換手段(12)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、1次側通路(15)の第1空気及び2次側通路(16)の第2空気を冷却又は加熱するように構成されている
    ことを特徴とする熱電気装置。
  6. 空気を除湿する熱電気装置であって、
    ケーシング(31)と、
    該ケーシング(31)内に設けられ、熱電気素子(20)を有する除湿手段(32)と、
    上記ケーシング(31)の内部に形成されて空気が流れる空気通路(36)とを備え、
    上記除湿手段(32)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、空気通路(36)の空気を冷却して除湿するように構成されている
    ことを特徴とする熱電気装置。
  7. 請求項6において、
    上記熱電気素子(20)の陰極(21)で冷却された空気が流れて該空気中の臭気物質を吸着する脱臭手段(33)が設けられている
    ことを特徴とする熱電気装置。
  8. 発電を行う熱電気装置であって、
    熱電気素子(20)を有する変換手段(45)と、
    該変換手段(45)の片側に配置された加熱手段(42)と、
    上記変換手段(45)の他の片側に配置された冷却手段(46)とを備え、
    上記熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)を加熱手段(42)によって加熱すると共に、陽極(22)を冷却手段(46)によって冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換して負荷(47)に電力を供給するように構成されている
    ことを特徴とする熱電気装置。
  9. 発電手段(40)及び空調手段(10)とを備えた熱電気装置であって、
    上記発電手段(40)は、熱電気素子(20)を有する変換手段(45)と、該変換手段(45)の片側に配置された加熱手段(42)と、上記変換手段(45)の他の片側に配置された冷却手段(46)を備え、
    上記空調手段(10)は、熱電気素子(20)を有する熱交換手段(12)と、ケーシング(11)の内部で且つ熱交換手段(12)の片側に形成された第1空気の1次側の通路(15)と、上記ケーシング(11)の内部で且つ熱交換手段(12)の他の片側に形成された第2空気の2次側の通路(16)とを備え、
    上記発電手段(40)の熱電気素子(20)は、
    互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)を加熱手段(42)によって加熱すると共に、陽極(22)を冷却手段(46)によって冷却し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して熱を電気エネルギに変換して空調手段(10)の熱交換手段(12)に電力を供給するように構成され、
    上記空調手段(10)の熱電気素子(20)は、互いに対向して配置される陰極(21)及び陽極(22)と、該陰極(21)と陽極(22)との間に形成され、複数のカーボンチューブ(24)を並行に配列して成るカーボンチューブ束の導電層(23)とを有し、上記陰極(21)及び陽極(22)が各通路(15,16)に面して配置され、上記陰極(21)と陽極(22)との間に電圧を印加し、導電層(23)を介して陰極(21)から陽極(22)へ電子が移動して陰極(21)を冷却し、陽極(22)を加熱し、1次側通路(15)の第1空気及び2次側通路(16)の第2空気を冷却又は加熱するように構成されている
    ことを特徴とする熱電気装置。
  10. 請求項5、6、8又は9において、
    上記熱電気素子(20)の導電層(23)のカーボンチューブ(24)は、ナノチューブである
    ことを特徴とする熱電気装置。
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