JP2004335539A - 多層セラミック基板の製造方法、および電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力ムラによる基板の反り等がなく、開口周辺部の端部におけるダレのない十分な平坦面をもち、電子部品を搭載した際における信頼性の高いキャビティを有する多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】セラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加える工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法。
【選択図】 図2
【解決手段】セラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加える工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明は、他の電子部品等を実装するのに好適なキャビティを有する多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は、小型化、軽量化、多機能化等が求められており、これに伴い、電子部品の実装技術、例えば、配線基板の製造技術においても高密度化、高精度化が必要となっている。高密度化を図る効果的な方法として、セラミック材料をシート状に形成したセラミックグリーンシートに、所定の導体回路を印刷し、複数枚重ね、加圧、圧着しグリーンシート積層体を作成した後、焼成することにより多層セラミック基板を製造する技術の開発が進められている。一方、電子部品を保護すると同時に、小型化、低背化を図るためには、電子部品等の実装用のキャビティを形成することが有効である。
【0003】
従来のキャビティを有する多層セラミックの製造方法では、グリーンシート積層体を加圧する際、平行面で一軸方向の加圧を行っていたため、加圧時のグリーンシート積層体の伸びが発生し、伸び量が不均一であることに起因する、積層ズレ、寸法のバラツキ等が生じていた。またグリーンシート積層体全体に対して均一な圧力がかからず、特定の箇所に残留応力が発生し、ひいては焼成後の基板の反り、クラック等が発生していた。
【0004】
上述の問題を解決するために、キャビティと同形上の凸部を有する弾性体をもってグリーンシート積層体を加圧する方法が開示されている(特許文献1)。また、一対の弾性体(ゴムシート)でグリーンシート積層体を挟んで真空パックし静水圧プレスにより積層体を加圧する方法が開示されている(特許文献2、3)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−181449号公報
【特許文献2】
特開平9−39160号公報
【特許文献3】
特開2002−164655号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの方法では、弾性体の変形が直接多層セラミック基板の変形につながり基板の開口の存在する面及びキャビティ周辺部において十分な平坦度が得られないといった問題があった。特に、開口周辺部の端部の角は、弾性体の変形の影響を受けやすく、丸く潰れ(ダレ)てしまい、電子部品を実装する際において致命的となる問題が生じていた(図6参照)。たとえば、引用文献1に記載の方法では、弾性体の形状や性質を厳密に規定する必要があり、均一に圧力をかけ、また十分な平坦面をえることは困難である。また、引用文献3に記載の方法では、樹脂フィルムを積層体と弾性体の間に挟み加圧することにより、樹脂フィルムが、弾性体の弾性変形に伴い、伸びて塑性変形することにより、弾性体の過度の動きを抑制するように挙動し、過度の圧力がかかるのを抑制している。しかし、開口周辺部の端部においては変化が急峻なため、端部がダレる方向に力が加わることは否めない。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力ムラによる基板の反り等がなく、開口周辺部の端部におけるダレのない十分な平坦面をもち、電子部品を搭載した際における信頼性の高いキャビティを有する多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法がある。
【0009】
従って、本発明によると、グリーンシート積層体の開口の存在する面側に、グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えるように実施されることにより、弾性体がキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。
【0010】
また、グリーンシート積層体の開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。これにより電子部品を搭載しても、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することが可能である。さらに、貫通孔を有する板を形成するのみであるため、凸部を有するプレス体、樹脂フィルム等に比べて、比較的容易にプレス冶具を形成することが可能であり、低コストに製造することが可能となる。
【0011】
前記セラミックグリーンシートの材料としてはアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニウム等の種々のセラミック、又は、ガラス成分を含むガラスセラミック等を挙げることができる。前記第1のセラミックグリーンシートは、一般的には貫通孔が存在しないものであるが、キャビティとなる貫通孔が存在していても構わない。
【0012】
前記グリーンシート積層体には、各々のセラミックグリーンシートの間の界面に沿って内部導体が形成されたり、特定のものを貫通するようにビアホール導体が形成されたり、端面上に外部導体が形成されたりしている。前記キャビティは、片面においてのみ開口する非貫通孔であってもよい他、両面において開口する貫通孔であっても構わない。
【0013】
また、前記配置する方法としては、位置決め用のピンを有した平面板に対応する位置に位置決め孔を形成した前記積層体、前記貫通孔を有する板、前記弾性体を配置し、加圧することが好ましい。このように、位置決めされた状態にて、加圧を行うことにより、より高精度に加圧する工程を実施することが可能となる。
【0014】
前記積層体を作製する工程において、前記加圧する工程(本圧着工程)よりも低い圧力にて仮圧着する工程を備えてもよい。本圧着工程の前に、かかる仮圧着工程を行うことにより、本圧着工程時の積層方向に対して直角方向の変形量を小さくすることが可能である。また、セラミックグリーンシート間の間隙、気泡等の発生による、焼成後のデラミネーション、膨れ、クラック等を防止できる。ここで、仮圧着工程においても、前記開口の存在する面側に、積層体の開口と同じ位置に、貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加える仮圧着工程を備えることが好ましい。この場合、本圧着工程において、後述する真空パックされた状態にて静水圧プレスする際、より高い真空の状態にてプレスすることが可能となる。
【0015】
前記積層体を加圧する工程においては、剛体プレスが適用されてもよいが、グリーンシート積層体、貫通孔を有する板、弾性体が真空パックされた状態で静水圧プレスにより加圧されることが好ましい。この静水圧プレス工程において、グリーンシート積層体は、貫通孔を有する板、弾性体とともに、包装用容器となるプラスチックからなる袋を用いて真空パックされた状態とされ、この状態で、静水圧プレス装置の水槽内に入れ、静水圧が付与される。この静水圧プレス工程において、グリーンシート積層体は、全方向から万遍なく、かつ、方向によらず一定の強さで、所定の押圧力を受ける。さらに、グリーンシート積層体の横ずれを抑える方向及びキャビティにおける盛り上がりを抑える方向に強い力が側面から及ぼされる。
【0016】
また、前記貫通孔を有する板にあっては、グリーンシート積層体の開口の存在する面において、弾性体の弾性変形に伴う、塑性変形の影響受けず、均等な圧力が及ぼされるように作用する。上述のような貫通孔を有する板の作用を考慮したとき、貫通孔を有した板としては0.2mmから1.0mmの厚みを有したメタル板からなることが好ましい。ある程度の厚みがないとグリーンシート積層体上面の凹凸にならう形で板が変形し、厚すぎると弾性体がキャビティに入り込む際、キャビティの内面に十分に適合するように変形し得ず、そのため、キャビティ周辺部及びキャビティ底面部に十分な圧力が加わらず、グリーンシート積層体に及ぼされる圧力が不均一となることがある。ここで、貫通孔を有する板の材質としては、他にも任意のものを用いることができ、例えば、SUS板等が好適に用いられる。
【0017】
なお、前記弾性体は、ゴム、エラストマー等の柔軟弾性材料を使用でき、中でも特にシリコーンゴムを用いるのが好ましい。これによると、柔軟性が優れるため弾性体のキャビティ内への進入がスムーズとなり、かつ耐久性及び耐薬品性を併せて有するため極めて機能的である。
【0018】
また、キャビティの中にトチゴムを予め配置し、加圧することもできる。キャビティが深く、弾性体が入り込んでキャビティをプレスするのが困難な場合でも、キャビティ底面部を十分な圧力にてプレスを行うことが可能である。トチゴムの材質としては、前記弾性体と同じ材質のものであっても、違う柔軟弾性材料であっても構わない。
【0019】
前記切断後焼成する工程としては、通常の酸化性もしくは還元性雰囲気において、まず、グリーンシート積層体に含まれる有機成分を分解しかつ消失させる脱脂工程を実施し、さらに本焼成工程を実施する。
【0020】
また、上記課題を解決するための別の手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板のキャビティ底面部に電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法がある。
【0021】
本発明によっても、弾性体がグリーンシート積層体のキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。また、グリーンシート積層体の開口の存在する面側は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。
【0022】
また、本発明により製造された多層セラミック基板は、開口周辺部の端部のダレがなく、キャビティ底面部は平坦に作成されているため、電子部品をスムーズに実装することが可能であるとともに、位置ズレや搭載不能となる不具合を解消でき、もって高い信頼性を有する電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0023】
本発明により実装された電子部品がワイヤ等の接続部品により多層セラミック基板の端面に接続されている場合、多層セラミック基板の表面上にはコプレナ配線等の微細配線が形成されている。かかる微細配線を形成する際には、多層セラミック基板の表面の十分な平坦度が必要となる。本発明により製造された多層セラミック基板は、開口周辺部が十分な平坦度をもって形成されているため、微細配線の接触不良、及びワイヤ等接続部品との接続不良等がなく、高信頼性を有する電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0024】
また本発明により実装された電子部品が、リッド等により気密封止される場合、開口周辺部にて接着材等でリッドを接着することになるが、この際にも、多層セラミック基板の表面の平坦度が必要である。本発明により製造された搭載多層セラミック基板は開口周辺部が十分な平坦度をもって形成されているため、接着剤の短絡、破損等により、実装された電子部品に不具合が及ぶことはなく信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0025】
本発明において、実装される電子部品としてはコンデンサ、インダクタ、フィルター等が挙げられ、LSI、IC等の半導体素子も電子部品に含まれるものとする。
【0026】
また、上記課題を解決するための別の手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板の開口周辺部に形成されたパッドに電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法がある。
【0027】
本発明によっても、弾性体がグリーンシート積層体のキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。また、グリーンシート積層体の開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。
【0028】
また、本発明により製造された電子部品搭載多層セラミック基板は、開口の存在する端面が十分に平坦化されているため、FCパッド等の傾斜による接続不良が解消すると共に、実装部品の平坦度が保たれ、もって信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。キャビティは放熱のための効果をも有し、より高性能な基板を提供することが可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明を具体化した多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を図1〜図2に基づいて説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施される加圧工程を図解的に示す断面図である。図1(b)は図1(a)におけるグリーンシート積層体の1つのキャビティ部分を拡大した断面図である。
【0030】
まず、以下の手順によりグリーンシート積層体1を作製する。セラミックとガラスを主体とするセラミックグリーンシートをドクターブレード法等により製造するとともに、これを200mm□の平面寸法に切断し、次いで、その切断されたセラミックグリーンシートにおいて所定形状の孔を所定位置に打ち抜く。さらに打ち抜かれた孔に銅(Cu)を主に含むメタライズインクを充填することにより、当該セラミックグリーンシートを垂直方向に貫通するビア(図示しない)の形成を行う。そのセラミックグリーンシート表面において上記同様のメタライズインクをスクリーン印刷により所定のパターンに印刷して、メタライズ層を形成する。そして、キャビティ4となる貫通孔を各セラミックグリーンシートの所定の位置に形成し、それらセラミックグリーンシートを積層することにより高さ1mmのグリーンシート積層体1を得る。このグリーンシート積層体1において、キャビティ4の平面寸法は3mm□、高さは200μmで形成されている。層間において高温、低圧にて仮圧着(溶剤が塗布された状態にて仮接着を行なっても構わない)された後、かかるグリーンシート積層体1を以下において説明する圧着工程にて圧着する。
【0031】
図1に示す位置決め用のピンを有する平面板10には、位置決め用のピン11が上面の4隅と4隅以外の外周部及び中央部に組み付けられ、一方グリーンシート積層体1、貫通孔を有する板2には位置決め用の貫通孔がパンチングにより形成されている。位置決め用のピンを有する平面板10の位置決め用のピン11に、グリーンシート積層体1の位置決め用貫通孔及び貫通孔を有する板の位置決め用貫通孔が挿入され、グリーンシート積層体1が位置合わせ用のピンを有する平面板10上に固定される。
【0032】
そして厚さ4mmのシリコーンゴムからなる弾性体3を、貫通孔を有する板2の上面に配置し、弾性体3の外方からグリーンシート積層体1に圧力が加えられる。まず、弾性体3の上方からグリーンシート積層体1に、形成機にて、80℃の温度で40kgf/cm2の圧力をかけて、仮付け状態のグリーンシート積層体1を作成する。
【0033】
次に、上記の位置決め用のピンを有する平面板10、グリーンシート積層体1、貫通孔を有する板2、弾性体3を包装容器であるプラスチックからなる袋12に入れ、この袋12によって真空パック状態にする。ここでは貫通孔を有する板2として、厚さ300μmのステンレス鋼板を用いる。次に、真空パックされたグリーンシート積層体1を、静水圧プレス装置の水槽内に入れ、80℃の温度で500kgf/cm2の圧力にて300s間静水圧を付与する。
【0034】
この静水圧プレス工程において、弾性体3は、キャビティ4の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体1におけるキャビティ周辺部6がプレスされるとともに、キャビティ底面部7がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、キャビティ4の変形を押さえることができる。また、開口の存在する面9は弾性体の変形の影響を受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部8の端部がダレることもなく所望のキャビティ4を形成することができる。また、袋12は、適当な強度を有し、かつ、静水圧プレス時において付与される熱がグリーンシート積層体1に及ぼされやすいようにするため、熱伝導性の良好なプラスチックから構成される。
【0035】
次に、グリーンシート積層体1は袋12から取り出され、所定サイズに切断後、焼成される。この焼成にあたっては、250℃で6時間の脱脂工程および、1000℃の還元雰囲気にて1時間の本焼成工程が実施される。
【0036】
以上により、図2に示されるキャビティ24を有する多層セラミック基板21は、キャビティ周辺部、開口周辺部の端部の変形や、キャビティ底面部のクラックのない状態で作成されている。焼成後、多層セラミック基板21には無電解のNi、Auメッキ(図示しない)等が施される。
【0037】
ついで、ICチップ22(電子部品)をキャビティ24の内部に実装する工程について説明する。キャビティ底面部にICチップ22(電子部品)をはんだ23を介して実装する。多層セラミック基板21は開口周辺部の端部のダレがなく、キャビティ底面部は平坦に作成されているため、スムースに実装することが可能であるとともに、位置ズレや搭載不能となることもない。ICチップ22(電子部品)はAuワイヤ25によって、多層セラミック基板21における開口の存在する面29もしくはキャビティ底面部に形成された配線(図示しない)と接続されている。
【0038】
以上により、電子部品搭載多層セラミック基板20は、電子部品の位置ズレがなく、接触不良や接続不良等がない、高い信頼性をもって形成される。
【0039】
なお、比較例として、上記実施形態において貫通孔を有する板2を使用せずに圧着工程を実施した。その他は上記実施形態と同様の方法によりキャビティを有する多層セラミック基板を製造した。その結果、図6に示する多層セラミック基板61のように開口周辺部の端部がダレ62が生じ、ICチップ(電子部品)を実装できない状態となった。
【0040】
また、比較例として、上記実施形態において真空パックして静水圧プレスをする変わりに、一軸加圧の装置を使用し、積層方向のみの加圧を実施した。その他は上記実施形態と同様の方法によりキャビティを有する多層セラミック基板を製造した。その結果、グリーンシート積層体の局部的な伸びの発生による、キャビティ部寸法のバラツキが見られた。
【0041】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態における多層セラミック基板の製造方法を図3に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0042】
本実施形態では、グリーンシート積層体31の両面に開口を有する構造を採用している。キャビティ34、37は共に、平面寸法は3mm□、高さは200μmで形成されている。配置する工程において、図3に示すように、貫通孔を有する板2、32、弾性体3、33をグリーンシート積層体31の両面にこの順序で配置し、これらをプラスチックからなる袋12に入れ、この袋によって真空パック状態にする。ついで、第1の実施形態と同様に加圧する工程が実施される。
【0043】
このような実施形態の製造方法において、弾性体3、33は、キャビティ34、37の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体31における両端面のキャビティ34、37の変形を押さえることができる。また、開口の存在する両端面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティ34、37形成することができる。
【0044】
よって、上記構成を有する本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、反り等がなく、十分な平坦面をもち、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することができる。
【0045】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態における多層セラミック基板の製造方法を図4に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0046】
本実施形態では、グリーンシート積層体41のキャビティ44の高さは1mmにて形成されている構造を採用している。配置する工程において、図4に示すように、グリーンシート積層体41のキャビティ44の内部に弾性体3と同じ材料からなるトチゴム45を予め配置しておき、貫通孔を有する板2、弾性体3をこの順序で配置し、これらをプラスチックからなる袋12に入れ、この袋によって真空パック状態にする。ついで第1の実施形態と同様に加圧する工程が実施される。
【0047】
このような実施形態の製造方法において、キャビティ44が深く、弾性体3のみではキャビティの深い部分をプレスするのが困難であるが、トチゴム45によりキャビティ周辺部及びキャビティ底面部を十分な圧力にてプレスを行うことが可能である。また弾性体3は、キャビティ44の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体41におけるキャビティ44の変形を押さえることができる。また、開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティ44形成することができる。なお、トチゴム45は弾性体3及び45と同材質のシリコーンゴムである。
【0048】
よって、上記構成を有する本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、反り等がなく、十分な平坦面をもち、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することができる。
【0049】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態における電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を図5に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0050】
本実施形態では、ICチップ52(電子部品)をキャビティ24の上部に実装する構造を採用している。第1の実施形態と同様に作製された多層セラミック基板21の開口周辺部56にCuからなるパッド53が設けられ、その上に、Ni−Auメッキ54を形成されている。ICチップ52(電子部品)を実装する工程において、キャビティ24の上部に、開口周辺部56のパッド上に半田55を介してICチップ52(電子部品)は実装される。
【0051】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、多層セラミック基板21は開口周辺部の端部のダレがなく、開口の存在する端面が十分に平坦化されているため、パッド53の傾斜による接続不良がなく、またICチップ52(電子部品)は十分な平坦度もって実装されており、信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
弾性体は板状であり、貫通孔を有する板は方形状であるが、これらの形態は特に限定されるものではない。
本実施形態では、グリーンシート積層体、貫通孔を有する板、弾性体を真空パックして静水圧プレスを行ったが、セラミックグリーンシート積層体、及び、貫通孔を有する板のみを真空パックするように用いてもよい。
複数のキャビティを有する多層セラミック基板について、切断後に焼成工程を行っているが、焼成後に切断してもよい他、電子部品実装後に切断しても構わない。
第4の実施形態における、ICチップ52(電子部品)を実装する工程において、開口周辺部に半田55を介してICチップ52(電子部品)は実装されているがICチップ52(電子部品)がAuスタッドバンプを有する場合は直接実装される構造となる。
【0053】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)第1のセラミックグリーンシートと、キャビティーを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のグリーンシートを積層し、積層方向における両面に開口を有する積層体を作製する工程と、前記積層体を加圧する工程と、前記積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する両面において、積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
(2)キャビティを形成するための貫通孔を有するセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを積層し積層体を作製する工程と、前記積層体を加圧する工程と、前記積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記積層体の両面において、前記積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図、及びその部分拡大断面図
【図2】本発明の一実施形態による電子部品搭載多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【図3】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図
【図4】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図
【図5】本発明の一実施形態による電子部品搭載多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【図6】本発明の比較例による多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【符号の説明】
1 グリーンシート積層体
2 貫通孔を有する板
3 弾性体
4 キャビティ
6 キャビティ周辺部
7 キャビティ底面部
8 開口周辺部
9 開口の存在する面
10 平面板
11 位置決め用のピン
12 袋
21 多層セラミック基板
22 ICチップ(電子部品)
45 トチゴム
50 電子部品搭載多層セラミック基板
52 ICチップ(電子部品)
53 パッド
56 開口周辺部
【本発明の属する技術分野】
本発明は、他の電子部品等を実装するのに好適なキャビティを有する多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器は、小型化、軽量化、多機能化等が求められており、これに伴い、電子部品の実装技術、例えば、配線基板の製造技術においても高密度化、高精度化が必要となっている。高密度化を図る効果的な方法として、セラミック材料をシート状に形成したセラミックグリーンシートに、所定の導体回路を印刷し、複数枚重ね、加圧、圧着しグリーンシート積層体を作成した後、焼成することにより多層セラミック基板を製造する技術の開発が進められている。一方、電子部品を保護すると同時に、小型化、低背化を図るためには、電子部品等の実装用のキャビティを形成することが有効である。
【0003】
従来のキャビティを有する多層セラミックの製造方法では、グリーンシート積層体を加圧する際、平行面で一軸方向の加圧を行っていたため、加圧時のグリーンシート積層体の伸びが発生し、伸び量が不均一であることに起因する、積層ズレ、寸法のバラツキ等が生じていた。またグリーンシート積層体全体に対して均一な圧力がかからず、特定の箇所に残留応力が発生し、ひいては焼成後の基板の反り、クラック等が発生していた。
【0004】
上述の問題を解決するために、キャビティと同形上の凸部を有する弾性体をもってグリーンシート積層体を加圧する方法が開示されている(特許文献1)。また、一対の弾性体(ゴムシート)でグリーンシート積層体を挟んで真空パックし静水圧プレスにより積層体を加圧する方法が開示されている(特許文献2、3)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−181449号公報
【特許文献2】
特開平9−39160号公報
【特許文献3】
特開2002−164655号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これらの方法では、弾性体の変形が直接多層セラミック基板の変形につながり基板の開口の存在する面及びキャビティ周辺部において十分な平坦度が得られないといった問題があった。特に、開口周辺部の端部の角は、弾性体の変形の影響を受けやすく、丸く潰れ(ダレ)てしまい、電子部品を実装する際において致命的となる問題が生じていた(図6参照)。たとえば、引用文献1に記載の方法では、弾性体の形状や性質を厳密に規定する必要があり、均一に圧力をかけ、また十分な平坦面をえることは困難である。また、引用文献3に記載の方法では、樹脂フィルムを積層体と弾性体の間に挟み加圧することにより、樹脂フィルムが、弾性体の弾性変形に伴い、伸びて塑性変形することにより、弾性体の過度の動きを抑制するように挙動し、過度の圧力がかかるのを抑制している。しかし、開口周辺部の端部においては変化が急峻なため、端部がダレる方向に力が加わることは否めない。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧力ムラによる基板の反り等がなく、開口周辺部の端部におけるダレのない十分な平坦面をもち、電子部品を搭載した際における信頼性の高いキャビティを有する多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
そして上記課題を解決するための手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法がある。
【0009】
従って、本発明によると、グリーンシート積層体の開口の存在する面側に、グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えるように実施されることにより、弾性体がキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。
【0010】
また、グリーンシート積層体の開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。これにより電子部品を搭載しても、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することが可能である。さらに、貫通孔を有する板を形成するのみであるため、凸部を有するプレス体、樹脂フィルム等に比べて、比較的容易にプレス冶具を形成することが可能であり、低コストに製造することが可能となる。
【0011】
前記セラミックグリーンシートの材料としてはアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニウム等の種々のセラミック、又は、ガラス成分を含むガラスセラミック等を挙げることができる。前記第1のセラミックグリーンシートは、一般的には貫通孔が存在しないものであるが、キャビティとなる貫通孔が存在していても構わない。
【0012】
前記グリーンシート積層体には、各々のセラミックグリーンシートの間の界面に沿って内部導体が形成されたり、特定のものを貫通するようにビアホール導体が形成されたり、端面上に外部導体が形成されたりしている。前記キャビティは、片面においてのみ開口する非貫通孔であってもよい他、両面において開口する貫通孔であっても構わない。
【0013】
また、前記配置する方法としては、位置決め用のピンを有した平面板に対応する位置に位置決め孔を形成した前記積層体、前記貫通孔を有する板、前記弾性体を配置し、加圧することが好ましい。このように、位置決めされた状態にて、加圧を行うことにより、より高精度に加圧する工程を実施することが可能となる。
【0014】
前記積層体を作製する工程において、前記加圧する工程(本圧着工程)よりも低い圧力にて仮圧着する工程を備えてもよい。本圧着工程の前に、かかる仮圧着工程を行うことにより、本圧着工程時の積層方向に対して直角方向の変形量を小さくすることが可能である。また、セラミックグリーンシート間の間隙、気泡等の発生による、焼成後のデラミネーション、膨れ、クラック等を防止できる。ここで、仮圧着工程においても、前記開口の存在する面側に、積層体の開口と同じ位置に、貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加える仮圧着工程を備えることが好ましい。この場合、本圧着工程において、後述する真空パックされた状態にて静水圧プレスする際、より高い真空の状態にてプレスすることが可能となる。
【0015】
前記積層体を加圧する工程においては、剛体プレスが適用されてもよいが、グリーンシート積層体、貫通孔を有する板、弾性体が真空パックされた状態で静水圧プレスにより加圧されることが好ましい。この静水圧プレス工程において、グリーンシート積層体は、貫通孔を有する板、弾性体とともに、包装用容器となるプラスチックからなる袋を用いて真空パックされた状態とされ、この状態で、静水圧プレス装置の水槽内に入れ、静水圧が付与される。この静水圧プレス工程において、グリーンシート積層体は、全方向から万遍なく、かつ、方向によらず一定の強さで、所定の押圧力を受ける。さらに、グリーンシート積層体の横ずれを抑える方向及びキャビティにおける盛り上がりを抑える方向に強い力が側面から及ぼされる。
【0016】
また、前記貫通孔を有する板にあっては、グリーンシート積層体の開口の存在する面において、弾性体の弾性変形に伴う、塑性変形の影響受けず、均等な圧力が及ぼされるように作用する。上述のような貫通孔を有する板の作用を考慮したとき、貫通孔を有した板としては0.2mmから1.0mmの厚みを有したメタル板からなることが好ましい。ある程度の厚みがないとグリーンシート積層体上面の凹凸にならう形で板が変形し、厚すぎると弾性体がキャビティに入り込む際、キャビティの内面に十分に適合するように変形し得ず、そのため、キャビティ周辺部及びキャビティ底面部に十分な圧力が加わらず、グリーンシート積層体に及ぼされる圧力が不均一となることがある。ここで、貫通孔を有する板の材質としては、他にも任意のものを用いることができ、例えば、SUS板等が好適に用いられる。
【0017】
なお、前記弾性体は、ゴム、エラストマー等の柔軟弾性材料を使用でき、中でも特にシリコーンゴムを用いるのが好ましい。これによると、柔軟性が優れるため弾性体のキャビティ内への進入がスムーズとなり、かつ耐久性及び耐薬品性を併せて有するため極めて機能的である。
【0018】
また、キャビティの中にトチゴムを予め配置し、加圧することもできる。キャビティが深く、弾性体が入り込んでキャビティをプレスするのが困難な場合でも、キャビティ底面部を十分な圧力にてプレスを行うことが可能である。トチゴムの材質としては、前記弾性体と同じ材質のものであっても、違う柔軟弾性材料であっても構わない。
【0019】
前記切断後焼成する工程としては、通常の酸化性もしくは還元性雰囲気において、まず、グリーンシート積層体に含まれる有機成分を分解しかつ消失させる脱脂工程を実施し、さらに本焼成工程を実施する。
【0020】
また、上記課題を解決するための別の手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板のキャビティ底面部に電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法がある。
【0021】
本発明によっても、弾性体がグリーンシート積層体のキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。また、グリーンシート積層体の開口の存在する面側は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。
【0022】
また、本発明により製造された多層セラミック基板は、開口周辺部の端部のダレがなく、キャビティ底面部は平坦に作成されているため、電子部品をスムーズに実装することが可能であるとともに、位置ズレや搭載不能となる不具合を解消でき、もって高い信頼性を有する電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0023】
本発明により実装された電子部品がワイヤ等の接続部品により多層セラミック基板の端面に接続されている場合、多層セラミック基板の表面上にはコプレナ配線等の微細配線が形成されている。かかる微細配線を形成する際には、多層セラミック基板の表面の十分な平坦度が必要となる。本発明により製造された多層セラミック基板は、開口周辺部が十分な平坦度をもって形成されているため、微細配線の接触不良、及びワイヤ等接続部品との接続不良等がなく、高信頼性を有する電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0024】
また本発明により実装された電子部品が、リッド等により気密封止される場合、開口周辺部にて接着材等でリッドを接着することになるが、この際にも、多層セラミック基板の表面の平坦度が必要である。本発明により製造された搭載多層セラミック基板は開口周辺部が十分な平坦度をもって形成されているため、接着剤の短絡、破損等により、実装された電子部品に不具合が及ぶことはなく信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0025】
本発明において、実装される電子部品としてはコンデンサ、インダクタ、フィルター等が挙げられ、LSI、IC等の半導体素子も電子部品に含まれるものとする。
【0026】
また、上記課題を解決するための別の手段としては、第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板の開口周辺部に形成されたパッドに電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法がある。
【0027】
本発明によっても、弾性体がグリーンシート積層体のキャビティに入って、グリーンシート積層体のキャビティの形状に沿うように弾性変形し、それによりキャビティ周辺部がプレスされるとともに、キャビティ底面部がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、反り等の生じないセラミック基板を製造することが可能となる。また、グリーンシート積層体の開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティを形成することが可能となる。
【0028】
また、本発明により製造された電子部品搭載多層セラミック基板は、開口の存在する端面が十分に平坦化されているため、FCパッド等の傾斜による接続不良が解消すると共に、実装部品の平坦度が保たれ、もって信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。キャビティは放熱のための効果をも有し、より高性能な基板を提供することが可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
本発明を具体化した多層セラミック基板及び電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を図1〜図2に基づいて説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施される加圧工程を図解的に示す断面図である。図1(b)は図1(a)におけるグリーンシート積層体の1つのキャビティ部分を拡大した断面図である。
【0030】
まず、以下の手順によりグリーンシート積層体1を作製する。セラミックとガラスを主体とするセラミックグリーンシートをドクターブレード法等により製造するとともに、これを200mm□の平面寸法に切断し、次いで、その切断されたセラミックグリーンシートにおいて所定形状の孔を所定位置に打ち抜く。さらに打ち抜かれた孔に銅(Cu)を主に含むメタライズインクを充填することにより、当該セラミックグリーンシートを垂直方向に貫通するビア(図示しない)の形成を行う。そのセラミックグリーンシート表面において上記同様のメタライズインクをスクリーン印刷により所定のパターンに印刷して、メタライズ層を形成する。そして、キャビティ4となる貫通孔を各セラミックグリーンシートの所定の位置に形成し、それらセラミックグリーンシートを積層することにより高さ1mmのグリーンシート積層体1を得る。このグリーンシート積層体1において、キャビティ4の平面寸法は3mm□、高さは200μmで形成されている。層間において高温、低圧にて仮圧着(溶剤が塗布された状態にて仮接着を行なっても構わない)された後、かかるグリーンシート積層体1を以下において説明する圧着工程にて圧着する。
【0031】
図1に示す位置決め用のピンを有する平面板10には、位置決め用のピン11が上面の4隅と4隅以外の外周部及び中央部に組み付けられ、一方グリーンシート積層体1、貫通孔を有する板2には位置決め用の貫通孔がパンチングにより形成されている。位置決め用のピンを有する平面板10の位置決め用のピン11に、グリーンシート積層体1の位置決め用貫通孔及び貫通孔を有する板の位置決め用貫通孔が挿入され、グリーンシート積層体1が位置合わせ用のピンを有する平面板10上に固定される。
【0032】
そして厚さ4mmのシリコーンゴムからなる弾性体3を、貫通孔を有する板2の上面に配置し、弾性体3の外方からグリーンシート積層体1に圧力が加えられる。まず、弾性体3の上方からグリーンシート積層体1に、形成機にて、80℃の温度で40kgf/cm2の圧力をかけて、仮付け状態のグリーンシート積層体1を作成する。
【0033】
次に、上記の位置決め用のピンを有する平面板10、グリーンシート積層体1、貫通孔を有する板2、弾性体3を包装容器であるプラスチックからなる袋12に入れ、この袋12によって真空パック状態にする。ここでは貫通孔を有する板2として、厚さ300μmのステンレス鋼板を用いる。次に、真空パックされたグリーンシート積層体1を、静水圧プレス装置の水槽内に入れ、80℃の温度で500kgf/cm2の圧力にて300s間静水圧を付与する。
【0034】
この静水圧プレス工程において、弾性体3は、キャビティ4の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体1におけるキャビティ周辺部6がプレスされるとともに、キャビティ底面部7がプレスされる。これにより均一に圧力がかかり、キャビティ4の変形を押さえることができる。また、開口の存在する面9は弾性体の変形の影響を受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部8の端部がダレることもなく所望のキャビティ4を形成することができる。また、袋12は、適当な強度を有し、かつ、静水圧プレス時において付与される熱がグリーンシート積層体1に及ぼされやすいようにするため、熱伝導性の良好なプラスチックから構成される。
【0035】
次に、グリーンシート積層体1は袋12から取り出され、所定サイズに切断後、焼成される。この焼成にあたっては、250℃で6時間の脱脂工程および、1000℃の還元雰囲気にて1時間の本焼成工程が実施される。
【0036】
以上により、図2に示されるキャビティ24を有する多層セラミック基板21は、キャビティ周辺部、開口周辺部の端部の変形や、キャビティ底面部のクラックのない状態で作成されている。焼成後、多層セラミック基板21には無電解のNi、Auメッキ(図示しない)等が施される。
【0037】
ついで、ICチップ22(電子部品)をキャビティ24の内部に実装する工程について説明する。キャビティ底面部にICチップ22(電子部品)をはんだ23を介して実装する。多層セラミック基板21は開口周辺部の端部のダレがなく、キャビティ底面部は平坦に作成されているため、スムースに実装することが可能であるとともに、位置ズレや搭載不能となることもない。ICチップ22(電子部品)はAuワイヤ25によって、多層セラミック基板21における開口の存在する面29もしくはキャビティ底面部に形成された配線(図示しない)と接続されている。
【0038】
以上により、電子部品搭載多層セラミック基板20は、電子部品の位置ズレがなく、接触不良や接続不良等がない、高い信頼性をもって形成される。
【0039】
なお、比較例として、上記実施形態において貫通孔を有する板2を使用せずに圧着工程を実施した。その他は上記実施形態と同様の方法によりキャビティを有する多層セラミック基板を製造した。その結果、図6に示する多層セラミック基板61のように開口周辺部の端部がダレ62が生じ、ICチップ(電子部品)を実装できない状態となった。
【0040】
また、比較例として、上記実施形態において真空パックして静水圧プレスをする変わりに、一軸加圧の装置を使用し、積層方向のみの加圧を実施した。その他は上記実施形態と同様の方法によりキャビティを有する多層セラミック基板を製造した。その結果、グリーンシート積層体の局部的な伸びの発生による、キャビティ部寸法のバラツキが見られた。
【0041】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態における多層セラミック基板の製造方法を図3に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0042】
本実施形態では、グリーンシート積層体31の両面に開口を有する構造を採用している。キャビティ34、37は共に、平面寸法は3mm□、高さは200μmで形成されている。配置する工程において、図3に示すように、貫通孔を有する板2、32、弾性体3、33をグリーンシート積層体31の両面にこの順序で配置し、これらをプラスチックからなる袋12に入れ、この袋によって真空パック状態にする。ついで、第1の実施形態と同様に加圧する工程が実施される。
【0043】
このような実施形態の製造方法において、弾性体3、33は、キャビティ34、37の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体31における両端面のキャビティ34、37の変形を押さえることができる。また、開口の存在する両端面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティ34、37形成することができる。
【0044】
よって、上記構成を有する本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、反り等がなく、十分な平坦面をもち、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することができる。
【0045】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態における多層セラミック基板の製造方法を図4に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0046】
本実施形態では、グリーンシート積層体41のキャビティ44の高さは1mmにて形成されている構造を採用している。配置する工程において、図4に示すように、グリーンシート積層体41のキャビティ44の内部に弾性体3と同じ材料からなるトチゴム45を予め配置しておき、貫通孔を有する板2、弾性体3をこの順序で配置し、これらをプラスチックからなる袋12に入れ、この袋によって真空パック状態にする。ついで第1の実施形態と同様に加圧する工程が実施される。
【0047】
このような実施形態の製造方法において、キャビティ44が深く、弾性体3のみではキャビティの深い部分をプレスするのが困難であるが、トチゴム45によりキャビティ周辺部及びキャビティ底面部を十分な圧力にてプレスを行うことが可能である。また弾性体3は、キャビティ44の形状に沿うように弾性変形し、それによって、グリーンシート積層体41におけるキャビティ44の変形を押さえることができる。また、開口の存在する面は弾性体の変形の影響受けず、十分な平坦度が約束されるとともに、開口周辺部の端部がダレることもなく所望のキャビティ44形成することができる。なお、トチゴム45は弾性体3及び45と同材質のシリコーンゴムである。
【0048】
よって、上記構成を有する本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、反り等がなく、十分な平坦面をもち、高い信頼性を有する多層セラミック基板を提供することができる。
【0049】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態における電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法を図5に基づいて説明する。本実施形態では、第1の実施形態と相違する点について説明する反面、第1の実施形態と同じ点については共通の部材番号を付すのみとする。
【0050】
本実施形態では、ICチップ52(電子部品)をキャビティ24の上部に実装する構造を採用している。第1の実施形態と同様に作製された多層セラミック基板21の開口周辺部56にCuからなるパッド53が設けられ、その上に、Ni−Auメッキ54を形成されている。ICチップ52(電子部品)を実装する工程において、キャビティ24の上部に、開口周辺部56のパッド上に半田55を介してICチップ52(電子部品)は実装される。
【0051】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏し、多層セラミック基板21は開口周辺部の端部のダレがなく、開口の存在する端面が十分に平坦化されているため、パッド53の傾斜による接続不良がなく、またICチップ52(電子部品)は十分な平坦度もって実装されており、信頼性の高い電子部品搭載多層セラミック基板を提供することができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
弾性体は板状であり、貫通孔を有する板は方形状であるが、これらの形態は特に限定されるものではない。
本実施形態では、グリーンシート積層体、貫通孔を有する板、弾性体を真空パックして静水圧プレスを行ったが、セラミックグリーンシート積層体、及び、貫通孔を有する板のみを真空パックするように用いてもよい。
複数のキャビティを有する多層セラミック基板について、切断後に焼成工程を行っているが、焼成後に切断してもよい他、電子部品実装後に切断しても構わない。
第4の実施形態における、ICチップ52(電子部品)を実装する工程において、開口周辺部に半田55を介してICチップ52(電子部品)は実装されているがICチップ52(電子部品)がAuスタッドバンプを有する場合は直接実装される構造となる。
【0053】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)第1のセラミックグリーンシートと、キャビティーを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のグリーンシートを積層し、積層方向における両面に開口を有する積層体を作製する工程と、前記積層体を加圧する工程と、前記積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する両面において、積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
(2)キャビティを形成するための貫通孔を有するセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを積層し積層体を作製する工程と、前記積層体を加圧する工程と、前記積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記積層体の両面において、前記積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図、及びその部分拡大断面図
【図2】本発明の一実施形態による電子部品搭載多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【図3】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図
【図4】本発明の一実施形態による多層セラミック基板の製造方法の途中段階で実施されるプレス工程を図解的に示す断面図
【図5】本発明の一実施形態による電子部品搭載多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【図6】本発明の比較例による多層セラミック基板の特徴を示す断面図
【符号の説明】
1 グリーンシート積層体
2 貫通孔を有する板
3 弾性体
4 キャビティ
6 キャビティ周辺部
7 キャビティ底面部
8 開口周辺部
9 開口の存在する面
10 平面板
11 位置決め用のピン
12 袋
21 多層セラミック基板
22 ICチップ(電子部品)
45 トチゴム
50 電子部品搭載多層セラミック基板
52 ICチップ(電子部品)
53 パッド
56 開口周辺部
Claims (8)
- 第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成する工程とを備える多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
- 前記加圧する工程において、前記グリーンシート積層体、前記貫通孔を有する板、前記弾性体が真空パックされた状態で静水圧プレスにより圧力を加えることを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
- 前記加圧する工程において、位置決め用のピンを有した平面板に、前記グリーンシート積層体、前記貫通孔を有する板、前記弾性体を配置し、圧力を加えることを特徴とする請求項1または2に記載の多層セラミック基板の製造方法。
- 前記貫通孔を有する板は、0.2mmから1.0mmの厚みを有したメタル板からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
- 前記加圧する工程において、前記グリーンシート積層体のキャビティの中にトチゴムを予め配置し、加圧することを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
- 前記グリーンシート積層体を作製する工程において、前記グリーンシート積層体の外側より圧力を加える仮圧着工程を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
- 第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板のキャビティ底面部に電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法。
- 第1のセラミックグリーンシートと、キャビティを形成するための貫通孔を有する第2のセラミックグリーンシートとを作製する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートと前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、積層方向における少なくとも一方の端面に開口を有するグリーンシート積層体を作製する工程と、前記グリーンシート積層体を加圧する工程と、前記グリーンシート積層体を焼成し多層セラミック基板を作製する工程と、前記多層セラミック基板の開口周辺部に形成されたパッドに電子部品を実装する工程とを備える電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法であって、前記加圧する工程は、前記開口の存在する面側に、前記グリーンシート積層体の開口と同じ位置に貫通孔を有する板、弾性体をこの順序で配置し、前記弾性体の外側より圧力を加えることを特徴とする電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003125470A JP2004335539A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 多層セラミック基板の製造方法、および電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003125470A JP2004335539A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 多層セラミック基板の製造方法、および電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法 |
Publications (1)
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JP2004335539A true JP2004335539A (ja) | 2004-11-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003125470A Pending JP2004335539A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 多層セラミック基板の製造方法、および電子部品搭載多層セラミック基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004335539A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101250241B1 (ko) * | 2006-08-22 | 2013-04-04 | 엘지전자 주식회사 | 인쇄회로기판 및 그 제조방법 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125470A patent/JP2004335539A/ja active Pending
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