JP2004335343A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確なI−Vカーブを学習して燃料ガス供給量を最適化すると共に、燃料ガス供給量の低下による出力電圧の低下を防止する。
【解決手段】I−Vカーブを学習して更新する場合には、I−Vカーブを学習して更新するための目標定常発電量を設定し、当該目標定常発電量を発電するように目標空気流量及び目標燃料ガス流量を算出する。このとき、制御部12では、目標定常発電量を目標取出電力とするようにDC/DCコンバータ5を制御し、二次電池7を充電又は放電させて要求消費電力をモータ4に供給するようにインバータ6を制御する。そして、制御部12は、燃料電池スタック1に目標定常発電量を発電させているときの電圧計9により検出された出力電圧及び電流計10により検出された出力電流を用いてI−Vカーブを更新する。
【選択図】 図1
【解決手段】I−Vカーブを学習して更新する場合には、I−Vカーブを学習して更新するための目標定常発電量を設定し、当該目標定常発電量を発電するように目標空気流量及び目標燃料ガス流量を算出する。このとき、制御部12では、目標定常発電量を目標取出電力とするようにDC/DCコンバータ5を制御し、二次電池7を充電又は放電させて要求消費電力をモータ4に供給するようにインバータ6を制御する。そして、制御部12は、燃料電池スタック1に目標定常発電量を発電させているときの電圧計9により検出された出力電圧及び電流計10により検出された出力電流を用いてI−Vカーブを更新する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気自動車などに搭載されて、燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御することにより燃料電池スタックを発電させて、駆動モータ等の負荷に供給するための燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電気自動車に搭載されるような燃料電池システムは、水素リッチな燃料ガス及び酸素を含む空気を燃料電池スタックに流入させて電気化学反応により起電力を発生させる。そして、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタックにて発生した発電電力と、当該燃料電池スタックと並列接続されたバッテリからの放電電力とをインバータに供給し、当該インバータにて交流電力に変換して駆動モータに供給することで、電気自動車の推進力を発生させている。
【0003】
このような燃料電池システムを制御する制御装置では、運転者が操作するアクセルペダルポジションセンサによって検出されるアクセル開度からインバータの要求出力(要求電力)を算出し、当該算出した要求出力に基づいてインバータを制御することにより、要求出力に相当する電力をインバータからモータに供給させている。このとき、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの発電電力によりインバータの要求出力を賄い、燃料電池スタックの発電電力だけでは賄いきれない電力をバッテリの放電電力によりインバータに供給させている。したがって、燃料電池スタックの発電電力は、インバータの要求出力に依存していることになる。
【0004】
また、燃料電池スタックは、インバータの要求出力に拘わらず、当該要求出力を発電するために十分な燃料ガスが供給されていない場合には、インバータの要求出力に相当する発電電力を出力することはできない。したがって、燃料電池スタックの発電電力は、燃料電池スタックに供給される燃料ガスの量(ガス流量)にも依存している。
【0005】
一方、燃料電池システムにおいては、燃料電池スタックの発電効率とガス利用率とがトレードオフの関係にあるため、発電効率とガス利用率とを共に高くすることは困難であるが、発電効率とガス利用率との積を最大にすることによって、発電効率とガス利用率とを共にできる限り高くすることは可能である。この場合、発電効率とガス利用率との積は、燃料電池スタックのエネルギ変換効率として表すことができる。
【0006】
これに対し、従来では、下記の特許文献1に記載されているように、エネルギ変換効率の高い動作ポイントで燃料電池スタックを動作させる技術が知られている。この特許文献1に記載された燃料電池システムでは、燃料電池スタックの発電電力を、DC/DCコンバータによって電圧変換した後に、バッテリ及びモータと接続されたインバータに送る。
【0007】
このとき、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの出力電流と出力電圧との関係を記述したI−Vカーブを予め定めておき、燃料ガスの量に対応したI−Vカーブを導き出す。そして、燃料電池システムの制御装置は、I−Vカーブを用いて、エネルギ変換効率の最も高い動作ポイントを算出して燃料電池スタックの動作ポイントとして決定し、その動作ポイントでの燃料電池スタックの出力電力を算出する。次に燃料電池システムの制御装置は、インバータの要求出力と燃料電池スタックの発電電力との差及びバッテリのSOC(State Of Charge)に基づいて、バッテリに要求される出力電圧を決定する。そして、燃料電池システムの制御装置では、バッテリの出力電圧が決定した出力電圧になるようにDC/DCコンバータを制御して、DC/DCコンバータの出力電圧を調整し、インバータの要求出力に相当する電力をモータで消費させる。
【0008】
このように制御することによって、従来の燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの動作ポイントでの出力電力よりも要求出力が高い場合は、エネルギ変換効率の最も高い動作ポイントで燃料電池スタックを発電させ、要求出力に対する電力の不足分をバッテリから供給させる。燃料電池システムの制御装置は、逆に、燃料電池スタックの動作ポイントでの出力電力よりも要求出力が低い場合は、エネルギ変換効率の最も高いポイントで燃料電池スタックを発電させ、余剰分の電力をバッテリに蓄積させる。この結果、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの発電効率とガス利用率とを共に、できる限り高くすることを可能としている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−12059号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の燃料電池システムの制御装置では、エネルギ変換効率が最も高い動作ポイントとなるように燃料電池スタックの出力を制御しているが、バッテリのSOCが上限値や下限値になった場合など、燃料電池スタックの出力をエネルギ変換効率が最も高い動作ポイントに制御できない場合には、その動作ポイントを外れた動作ポイントで燃料電池スタックを発電させなければならない。
【0011】
このようにエネルギ変換効率が最も高い動作ポイント以外の動作ポイントにて燃料電池スタックを発電させるに際して、燃料電池スタックの発電効率を高くするためには、ガス利用率を高くする必要がある。これに対し、燃料電池スタックの出力電流から必要な燃料ガス量を算出して供給する手法があるが、燃料ガス量を変動させる過渡時に、燃料ガスの供給に遅れが生じて出力電圧が低下してしまうので、I−Vカーブを用いてインバータの要求出力から出力電流を推定して必要な燃料ガス量を算出する処理をする。
【0012】
この場合には、I−Vカーブの精度が重要になり、推定電流が実際に出力される電流よりも多くなると燃料ガスを多く供給してしまい燃料ガス供給動力や燃料ガス自体の無駄が発生し、推定電流が実際に出力される電流よりも少なくなると供給すべき燃料ガス量が不足し出力電圧が低下してしまう。
【0013】
したがって、I−V特性を学習するために様々な方法が考えられるが、燃料電池スタック運転中に時々刻々とI−V特性を変化させるとき、従来の燃料電池システムの制御装置では、負荷が要求する電力に対するI−V特性や、エネルギ効率が最も高いポイントでの電力のI−V特性は取得できるが、その他の電力のときのI−V特性は取得できない。したがって、従来の燃料電池システムの制御装置では、燃料ガス供給量を変化させているときの過渡状態や、バッテリのSOCの条件から、燃料電池スタックを低負荷や高負荷で運転する必要がある時に、正確なI−V特性により適切な燃料ガス供給量が算出できないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、正確なI−V特性を学習して燃料ガス供給量を最適化すると共に、燃料ガス供給量の低下による出力電圧の低下を防止することができる燃料電池システムの制御装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この燃料電池システムの制御装置は、負荷に要求される要求消費電力に応じて、燃料極に燃料ガスを供給すると共に酸化剤極に酸化剤ガスを供給させて燃料電池を発電させ、当該燃料電池の出力電力及び電力を貯蔵する電力貯蔵手段からの電力を負荷に供給するときに、燃料電池を発電させるために燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御する。このとき、制御手段では、燃料電池の出力電流と出力電圧との関係を示す電流−電圧特性を参照して、燃料電池に供給する燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御し、要求消費電力に応じた電力を負荷に供給する。
【0016】
また、この制御手段は、電流−電圧特性を学習して更新する場合には、電流−電圧特性を学習して更新するための出力電力値である目標定常発電量を設定し、当該目標定常発電量を発電するように目標酸化剤ガス流量及び目標燃料ガス流量を算出して目標定常発電量の電力を燃料電池に発電させると共に、電力貯蔵手段を充電又は放電させて要求消費電力を負荷に供給して、燃料電池を目標定常発電量で発電させているときの燃料電池の出力電圧及び出力電流を検出して電流−電圧特性を更新することにより、上述の課題を解決する。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムの制御装置によれば、目標定常発電量を発電するように目標酸化剤ガス流量及び目標燃料ガス流量を算出して目標定常発電量の電力を燃料電池に発電させると共に電力貯蔵手段を充電又は放電させて要求消費電力を負荷に供給して、燃料電池を目標定常発電量で発電させているときの燃料電池の出力電圧及び出力電流を検出して電流−電圧特性を更新するので、燃料電池が定常状態で運転するような所定時間以上目標定常発電量で発電させることができ、燃料電池が定常状態となったときの電流−電圧特性に更新することによって、正確な電流−電圧特性を学習して燃料ガス流量を最適化すると共に、燃料ガス流量の低下による出力電圧の低下を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0020】
[燃料電池システムの構成]
燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスを水素供給部2によって供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を空気供給部3によって供給する燃料電池システムについて説明する。
【0021】
水素供給部2は、水素タンクに貯蔵された水素を、水素流量調整弁、エゼクタポンプ等を経由して、燃料電池スタック1に供給する。このとき、水素供給部2は、制御部12によって水素流量調整弁の開度が調整されて、目標水素ガス流量で水素ガスを燃料電池スタック1に供給する。
【0022】
空気供給部3は、ブロアを備え、外気を燃料電池スタック1に送る。このとき、空気供給部3は、制御部12によってブロアの回転数が制御されて、目標酸素流量で酸素を燃料電池スタック1に供給する。
【0023】
このように水素供給部2及び空気供給部3によって水素ガス及び空気が供給されると、燃料電池スタック1は、水素ガス流量及び酸素流量に応じた発電電力を発生して、当該発電電力をモータ4に供給する。これにより、燃料電池システムでは、車両走行に必要な駆動トルクをモータ4に発生させる。そして、燃料電池システムでは、モータ4で発生した駆動トルクを、図示しない駆動軸に伝達し、ギア等を介して車両の車輪に駆動力を発生させる。
【0024】
このとき、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1にて発生した発電電力をDC/DCコンバータ5によって取り出す。このとき、DC/DCコンバータ5では、制御部12からの制御信号によって指定された燃料電池スタック1から取り出す電力の目標値である目標取出電力に応じて出力電力を取り出し、当該出力電圧を昇圧又は降圧する。そして、DC/DCコンバータ5により変換された出力電圧の出力電力は、DC/DCコンバータ5に対して並列に接続されたインバータ6及び二次電池7に送られる。
【0025】
インバータ6は、制御部12からの制御信号によって指定されたモータ4が消費する電力の目標値である目標消費電力をモータ4に供給する。ここで、モータ4が三相交流モータである場合には、インバータ6は、各相に対して電力供給をする。
【0026】
二次電池7は、燃料電池スタック1の発電電力がDC/DCコンバータ5を介して供給されると共に、モータ4からの回生電力がインバータ6を介して供給され、発電電力及び回生電力を充電して貯蔵する。また、この二次電池7は、必要に応じて貯蔵した電力を放電してインバータ6に供給する。なお、この二次電池7としては、リチウムイオン電池の他に、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などの他種のものが使用可能である。
【0027】
また、この燃料電池システムでは、例えば運転者のアクセル開度及び車速を検出して、当該アクセル開度及び車速に応じた駆動トルクを発生させるためにモータ4に必要な要求消費電力を算出して制御部12に送る要求消費電力算出装置8を備える。
【0028】
更に、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からDC/DCコンバータ5に送られる発電電力の出力電圧値を検出する電圧計9、燃料電池スタック1からDC/DCコンバータ5に送られる発電電力の電圧値の出力電流値を検出する電流計10、二次電池7の充電率(SOC:State Of Charge)を検出するSOC計11を備える。このSOC計11は、二次電池7の充放電電流値を検出して積分してSOCを求めても良く、更には、二次電池7の電圧値を検出してSOCを求めても良い。電圧計9、電流計10及びSOC計11により検出した各センサ値は、例えば所定期間毎に制御部12に出力される。
【0029】
制御部12は、記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)や周辺インターフェース等を備えるマイクロコンピュータからなる。この制御部12は、上述した各部を制御する制御プログラムを記憶し、当該制御プログラムをCPUにより実行することで、後述の処理をする。このとき、制御部12は、要求消費電力算出装置8からの要求消費電力、電圧計9、電流計10及びSOC計11からの各センサ値を参照して、水素供給部2及び空気供給部3から燃料電池スタック1に供給する目標水素ガス流量及び目標空気流量を制御して、燃料電池スタック1の発電電力を制御すると共に、各種演算を行って目標取出電力及び目標消費電力を求めてDC/DCコンバータ5及びインバータ6を制御する。
【0030】
また、この制御部12は、燃料電池スタック1から取り出す出力電流値と出力電圧値との関係を示すI−Vカーブを記憶しており、燃料電池スタック1の出力電流値及び出力電圧値に応じて更新する学習処理をする。
【0031】
[燃料電池スタックの運転制御処理]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおいて、制御部12により燃料電池スタック1の運転を制御する運転制御処理について図2〜図4のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
なお、図2の処理は、燃料電池システムを搭載した車両が走行しているときに例えば所定期間毎に実行される。
【0033】
先ず、要求消費電力算出装置8は、ステップS1において、アクセル開度及び車速を検出し、ステップS2において、アクセル開度及び車速に基づいて要求消費電力を算出する。
【0034】
次のステップS3においては、SOC計11より、二次電池7のSOCを検出し、次のステップS4においては、電圧計9及び電流計10により、燃料電池スタック1の出力電圧値及び出力電流値を検出する。
【0035】
次のステップS5においては、制御部12により、今回のステップS2にて算出された要求消費電力と、前回の処理にて算出された要求消費電力とを比較して、要求消費電力変化率を算出する。なお、このステップS5においては、前回の要求消費電力のみならず、以前に算出された複数の要求消費電力の平均値に対する今回の要求消費電力の変化率を求めても良い。これにより、制御部12では、車両の走行パターンを認識する。
【0036】
次のステップS6においては、制御部12により、一定の発電量で燃料電池スタック1を動作させる定常運転を要求するか否かを判定する。このとき、制御部12は、例えばI−Vカーブを所定時間更新していない場合には定常運転を要求すると判定して、定常運転要求フラグをセットする。なお、この定常運転要求フラグは、制御部12により後述の処理をしてI−Vカーブが更新されたときにリセットされる。ここで、I−Vカーブを更新するか否かを判断する所定時間は、燃料電池スタック1の劣化速度や外気温度変化、運転条件を考慮して予め決定されている。
【0037】
次のステップS7においては、制御部12により、定常運転要求フラグがセットされているか否かを判定し、定常運転要求フラグがセットされている場合には図3の定常運転に移行し、定常運転要求フラグがセットされていない場合には図4の通常運転に移行する。
【0038】
「定常運転」
ステップS7において定常運転要求フラグがセットされていると判定された場合には、図3に示すように、先ず、ステップS11において、制御部12により、燃料電池スタック1に一定の発電量で動作させるに際して目標とする発電量である目標定常発電量を算出する。このとき、制御部12は、例えば図5に示すように、目標定常発電量ごとに学習回数を計数して記憶しておいた学習回数データを参照する。そして、制御部12は、最も学習回数が少ない発電量についてのI−Vカーブを学習処理するために、当該発電量を目標定常発電量に設定する。
【0039】
次のステップS12においては、制御部12により、定常運転中であることを示す定常運転中フラグがセットされているか否かを判定し、定常運転中フラグがセットされている場合にはステップS19以降に処理を進め、定常運転中フラグがセットされていない場合にはステップS13に処理を進める。
【0040】
ステップS13においては、制御部12により、燃料電池スタック1の定常運転を開始させるための準備として、定常運転を開始させる前にSOCを調整する目標値の目標SOCを算出する。このとき、制御部12は、要求消費電力よりも目標定常発電量が大きい場合には定常運転中に発電電力を充電する必要があるので、定常運転を行う前にSOCを低い値とし、要求消費電力よりも目標定常発電量が小さい場合には定常運転中に充電電力をモータ4に供給する必要があるので、定常運転を行う前にSOCを高い値とする。ここで、制御部12は、要求消費電力の変化率である走行パターンによって、要求消費電力に対して目標定常発電量が大きいか小さいかを判定する閾値を変化させる。
【0041】
具体的には、制御部12は、図6に示すような目標定常発電量に対する目標SOCを設定するためのマップデータ(目標定常発電量−目標SOCマップ)を予め作成しておき、当該マップデータを参照して目標SOCを算出する。このマップデータは、走行パターンによって目標定常発電量が大きいか小さいかを判定する閾値(要求消費電力の平均値)が変化するため、ステップS2にて要求消費電力を算出するたびに要求消費電力の平均値を更新して、当該平均値を目標SOCの50%の位置となるように更新することが望ましい。
【0042】
次のステップS14においては、制御部12により、DC/DCコンバータ5の目標取出電力を算出する。このとき、制御部12は、ステップS13にて算出した目標SOCから、SOC計11からのセンサ信号に基づく現在のSOCを減算したSOC偏差ΔSOCを演算する。そして、制御部12は、SOC偏差ΔSOCが正の値である場合には、目標取出電力から要求消費電力を減算した電力量である二次電池7の充電量を正とするように、目標取出電力を設定する。これにより、制御部12は、燃料電池スタック1の発電電力をモータ4及び二次電池7に供給させて、二次電池7のSOCを高くする。一方、制御部12は、SOC偏差ΔSOCが負の値である場合には、二次電池7の充電量を負とするように、目標取出電力を設定する。これにより、制御部12は、燃料電池スタック1の発電電力及び二次電池7の放電電力をモータ4に供給させて、二次電池7のSOCを低くする。
【0043】
具体的には、制御部12は、図7に示すようなSOC偏差ΔSOCに対する二次電池7の充電量を設定するためのマップデータ(SOC偏差−二次電池充電量マップ)を予め作成しておく。そして、制御部12は、算出したSOC偏差ΔSOCからマップデータを参照して二次電池7の充電量を算出し、当該二次電池7の充電量に要求消費電力を加算することでDC/DCコンバータ5の目標取出電力を算出する。
【0044】
次のステップS15においては、制御部12により、ステップS2にて算出した要求消費電力を、インバータ6による目標消費電力として設定する。
【0045】
次のステップS16においては、制御部12により、SOC計11からのセンサ信号に基づくSOCが、ステップS13にて設定した目標SOCに達したか否かを判定する。制御部12は、SOCが目標SOCに達したと判定した場合にはステップS17に処理を進めて定常運転中フラグをセットし、SOCが目標SOCに達していないと判定した場合には定常運転中フラグをクリアする。
【0046】
このようにステップS13〜ステップS15の処理を行うことにより、制御部12では、SOCを増加又は低下させる出力電力を燃料電池スタック1で発電させるように水素供給部2及び空気供給部3を制御し、ステップS14にて算出した目標取出電力をDC/DCコンバータ5から取り出し、ステップS15にて算出した目標消費電力をインバータ6からモータ4に供給する。そして、SOCが目標SOCとなるまで、ステップS11〜ステップS15の処理及びステップS1〜ステップS7の処理を繰り返す。
【0047】
このとき、SOC偏差ΔSOCが正である場合には、目標取出電力、要求消費電力及びSOCの関係は、図8に示すように変化する。すなわち、図8(B)に示すように要求消費電力が変化した場合であっても、目標取出電力を要求消費電力よりも高くすることにより、発電電力と要求消費電力との差の電力を二次電池7に充電する。そして、図8(A)に示すように、時刻A以降から徐々にSOCを高くして目標SOCに近づけ、時刻BにてSOCを目標SOCとする。
【0048】
一方、SOC偏差ΔSOCが負である場合には、目標取出電力、要求消費電力及びSOCの関係は、図9に示すように変化する。すなわち、図9(B)に示すように要求消費電力が変化した場合であっても、目標取出電力を要求消費電力よりも低くすることにより、発電電力と要求消費電力との差の電力を二次電池7から放電する。そして、図9(A)に示すように、時刻A以降から徐々にSOCを低くして目標SOCに近づけ、時刻BにてSOCを目標SOCとする。
【0049】
ステップS12にて定常運転中フラグがセットされていると判定した後のステップS19においては、制御部12により、定常運転中における目標取出電力を算出する。ここで、ステップS19を行っているときには定常運転中であるので、目標取出電力としては目標定常発電量を設定する。
【0050】
次のステップS20においては、制御部12により、定常運転中の目標消費電力を算出する。このとき、制御部12は、要求消費電力をインバータ6の目標消費電力に設定する。
【0051】
これにより、制御部12では、目標定常発電量(目標取出電力)をDC/DCコンバータ5により取り出し、当該目標定常発電量が要求消費電力(目標消費電力)よりも高い場合には余剰分を二次電池7に充電させ、目標定常発電量が要求消費電力よりも低い場合には不足分を二次電池7から放電させる。
【0052】
次のステップS21においては、制御部12により、定常運転をした結果、ステップS3にて検出されたSOCが、SOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との間の値であるか否かを判定することにより、SOC制限要求が0であるか否かを判定する。
【0053】
このとき、制御部12は、図10に示すように、SOC計11により検出されたSOCが、SOC上限値より所定値だけ低いSOC上限制限開始値よりも低く、SOC下限値より所定値だけ高いSOC下限制限開始値よりも高い場合には、SOC制限要求の値が「0」であると判定し、定常運転を行ったことによりSOCが上下限範囲を超えておらず、定常運転中フラグ及び定常運転要求フラグをセットしたままにして処理を終了する。
【0054】
また、制御部12は、SOCがSOC上限制限開始値より高い場合、又はSOCがSOC下限制限開始値よりも低い場合には、SOC制限開始値が「0」ではないと判定してステップS22に処理を進める。
【0055】
更に、制御部12は、図10に示すようなマップデータを保持しておき、SOCがSOC上限制限開始値よりも高いほどSOC制限要求を「0」よりも高くし、SOC上限値となるとSOC制限要求を「1」とし、SOCがSOC下限制限開始値よりも低いほどSOC制限要求を「0」よりも低くし、SOC下限値となるとSOC制限要求を「−1」とし、−1〜1の間の値をとるSOC制限要求を算出する。
【0056】
ステップS22においては、制御部12により、ステップS19にて設定した目標取出電力及びステップS20にて設定した目標消費電力の補正をする。このとき、制御部12は、SOC制限要求が正である場合にはSOCを減少させる要求があると認識し、SOC制限要求が負である場合にはSOCを増加させる要求があると認識する。
【0057】
そして、制御部12は、目標取出電力を補正するに際して、図11に示すようなマップデータを参照し、SOC制限要求に応じた目標取出電力補正率を算出する。次に制御部12は、算出した目標取出電力補正率にステップS19にて設定した目標取出電力を乗算して100で除算することにより、目標取出電力の補正値を求める。すなわち、制御部12は、SOC制限要求が正である場合には目標取出電力補正率を100%から減らすことにより、目標取出電力を減らして二次電池7に放電させてSOCを低下させる。一方、制御部12は、SOC制限要求が負である場合には目標取出電力補正率を100%から増加させることにより、目標取出電力を増加させて二次電池7に充電させてSOCを増加させる。
【0058】
また、制御部12は、目標消費電力を補正するに際して、図12に示すようなマップデータを参照し、SOC制限要求に応じた目標消費電力補正率を算出する。次に制御部12は、算出した目標消費電力補正率にステップS20にて設定した目標消費電力を乗算して100で除算することにより、目標消費電力の補正値を算出する。すなわち、制御部12は、SOC制限要求が正である場合には目標消費電力補正率を100%とすることにより現在の目標消費電力を維持する。一方、制御部12は、SOC制限要求が負である場合には目標消費電力補正率を100%から減少させることにより、目標消費電力を減少させて二次電池7からの放電電力を減らしてSOCを増加させる。
【0059】
次のステップS23においては、SOCが上下限制限値に近いので、制御部12により、定常運転を停止させるために定常運転中フラグ及び定常運転要求フラグをクリアする。
【0060】
このような燃料電池システムでは、予め要求消費電力と目標定常発電量との大小に応じてSOCを目標SOCとしておいて定常運転を開始し(ステップS13〜ステップS17)、SOCがSOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との範囲を超えたら定常運転を停止して(ステップS21〜ステップS23)、ステップS24において、I−Vカーブを更新する処理に移行する。
【0061】
このステップS24においては、制御部12により、定常運転を行っているときのステップS4にて電圧計9及び電流計10で検出された出力電圧値及び出力電流値からI−Vカーブを作成することにより、新たなI−Vカーブに更新する。このとき、制御部12では、定常運転中に検出した全ての出力電圧値及び出力電流値のデータを平均したデータを使用しても良く、出力電圧値及び出力電流値の変化率が所定値以下であって過渡状態ではなく定常状態となったと判定したときのデータを使用しても良く、定常運転を終了させるときの出力電圧値及び出力電流値のデータを使用しても良い。
【0062】
「通常運転」
ステップS7において定常運転要求フラグがセットされていないと判定された場合の通常運転では、図4に示すように、先ず、ステップS31においては、制御部12により、通常運転中の目標取出電力を算出する。このとき、制御部12では、燃料電池スタック1のエネルギ変換効率が最適となる動作ポイントで燃料電池スタック1を運転するように目標取出電力を設定しても良く、要求消費電力と二次電池7の充電量との和を目標取出電力としても良い。
【0063】
次のステップS32においては、制御部12により、目標消費電力を算出する。このとき、制御部12は、ステップS2にて求めた要求消費電力を目標消費電力に設定する。
【0064】
次のステップS33においては、制御部12により、ステップS21と同様の処理をすることにより、ステップS3にて検出されたSOCが、SOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との間の値であるか否かを判定することにより、SOC制限要求が0であるか否かを判定し、SOC制限要求が「0」である場合には処理を終了し、SOC制限要求が「0」ではない場合にはステップS34にてステップS22と同様の処理をして、処理を終了する。
【0065】
「流量制御処理」
つぎに、上述したように更新したI−Vカーブを使用して、燃料電池スタック1に供給する燃料ガス流量及び空気流量を調整するときの流量制御処理について説明する。この流量制御処理は、上述した通常運転及び定常運転と並列して行われるものである。
【0066】
この流量制御処理において、燃料電池スタック1から目標取出電力を取り出す場合、燃料電池スタック1により目標取出電力を発電する必要があるので、制御部12は、目標取出電力を燃料電池スタック1の目標発電量とする。そして、制御部12は、燃料電池スタック1の発電量を制御するために、目標発電量から目標水素流量及び目標酸素流量を算出する。
【0067】
ここで、燃料電池スタック1の発電に必要な水素量及び酸素量は、出力電流値に比例するため、先ず、制御部12により、目標発電量における出力電流値を推定する。このとき、制御部12では、図13に示すようなI−Vカーブに目標発電量の等電力曲線をプロットし、等電力曲線とI−Vカーブが交差する点の電流値を推定出力電流とする。
【0068】
次に制御部12では、推定出力電流から、目標発電量を発電するための必要酸素量及び必要水素量を算出する。ここで、燃料電池スタック1では下記の式1に示す電気化学反応が水素極にて発生すると共に、下記の式2に示す電気化学反応が空気極にて発生することにより、電流が発生する。
【0069】
H2+O2− → H2O+2e− (式1)
(1/2)O2+2e− → O2− (式2)
また、酸素が1[mol/s]で取り出せる電流値は4×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要酸素量[mol/s]は、下記の式3に示すように、
必要酸素量=I/(4×96500)[mol/s] (式3)
となる。
【0070】
これに対し、水素が1[mol/s]で取り出せる電流値は2×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要水素量[mol/s]は、下記の式4に示すように、
必要水素量=I/(2×96500)[mol/s] (式4)
となる。だたし、式3の必要酸素量及び式4の必要水素量は、燃料電池スタック1のセル枚数によって変化し、例えば燃料電池スタック1が200枚のセルからなる場合には200倍となる。
【0071】
次に、制御部12は、算出した必要酸素量[mol/s]、予め定められたストイキ比、予め設定しておいた空気中の酸素濃度[%]から目標空気流量[l/s]を算出する。このとき、制御部12は、先ず、必要酸素量[mol/s]、図示しない大気圧力センサ、温度センサの検出値である圧力[atm]及び温度[K]を用いて、必要酸素流量[l/s]を下記の式5によって算出する。ここで、下記式5におけるR[atm・l/mol・K]を気体定数とすると、
必要酸素流量=(必要酸素量×R×温度)/圧力 (式5)
となる。
【0072】
そして、制御部12では、空気中の酸素濃度[%]及び必要酸素流量[l/s]から、必要空気流量[l/s]を下記の式6により算出し、更に当該必要空気流量にストイキ比を乗じる式7の演算をすることにより目標空気流量[l/s]を算出する。
【0073】
必要空気流量=必要酸素流量×(100/酸素濃度) (式6)
目標空気流量=必要空気流量×ストイキ比 (式7)
次に制御部12は、算出した目標空気流量[l/s]となるように空気供給部3のブロワの目標回転数[Hz]をブロワの性能特性より算出して、当該目標回転数で動作する制御信号を空気供給部3に送ることにより、ブロワを目標回転数で動作する制御をする。
【0074】
次に制御部12は、式4にて算出した必要水素量[mol/s]、図示しない水素供給圧力センサ及び温度センサの検出値である水素供給圧力[atm]及び温度[K]を用いて、下記の式8によって必要水素流量[l/s]を算出する。ここで、式8におけるR[atm・l/mol・K]は気体定数とすると、
必要水素流量=(必要水素量×R×温度)/水素供給圧力 (式8)
となる。
【0075】
次に制御部12は、水素タンク内水素濃度[%]を用いて下記式9の演算をして必要水素ガス流量[l/s]を算出し、当該必要水素ガス流量及びストイキ比を用いて下記式10の演算をすることにより、目標水素ガス流量[l/s]を算出する。
【0076】
必要水素ガス流量=必要水素流量×(100/水素濃度) (式9)
目標水素ガス流量=必要水素ガス流量×ストイキ比 (式10)
次に制御部12は、算出した目標水素ガス流量となるように水素供給部2の流量制御弁を制御して、燃料電池スタック1に目標水素ガス流量で水素ガスを供給する。
【0077】
これにより、制御部12では、図3の定常運転にて更新したI−Vカーブを使用して、上述の図2〜図4の処理における目標取出電力及び目標定常発電量を燃料電池スタック1によって発電させることができる。
【0078】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、I−Vカーブを学習するときに、燃料電池スタック1が定常状態で運転するような所定時間以上、目標定常発電量で発電させるので、燃料電池スタック1が定常状態となったときのI−Vカーブに更新することによって最新のI−Vカーブを用いて水素ガス流量及び空気流量を制御することができるので、正確なI−Vカーブを学習して水素ガス流量を最適化すると共に、水素ガス流量の低下による出力電圧の低下を防止することができる。
【0079】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させている場合に、二次電池7がSOC上限値とSOC下限値との範囲となるように目標定常発電量を補正するので、二次電池7の放充電を利用して定常運転を行った場合であっても、二次電池7を劣化させることなく燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させることができる。
【0080】
更に、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に、目標定常発電量と要求消費電力との大小に応じて、二次電池7のSOCを調節しておくので、要求消費電力が目標定常発電量と一致せず、一定出力電力で燃料電池スタック1を発電するために二次電池7を放充電させる場合であっても、定常運転中に二次電池7によって要求消費電力と目標定常発電量の差の電力を吸収可能な充放電量を増加させることができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0081】
更にまた、この燃料電池システムによれば、要求消費電力が目標定常発電量よりも大きい場合、目標取出電力を増加させると共に目標消費電力を減少させ、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に二次電池7のSOCを増加させて二次電池7の放電可能量を増加させることによって、定常運転中に要求消費電力に対して不足する電力量を長時間賄うことができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0082】
更にまた、この燃料電池システムによれば、要求消費電力が目標定常発電量よりも小さい場合、目標取出電力を減少させると共に目標消費電力を増加させ、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に二次電池7のSOCを減少させて二次電池7の充電可能量を増加させることによって、定常運転中に要求消費電力に対して余剰な電力量を長時間賄うことができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0083】
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、二次電池7がSOC上限値付近やSOC下限値付近となった場合に、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させてから、二次電池7がSOC上限値付近やSOC下限値付近となるまでに検出した出力電圧及び出力電流を用いて、I−Vカーブを更新するので、確実に燃料電池スタック1が定常状態になっているときの出力電圧及び出力電流を用いて正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0084】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムにおける運転制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した燃料電池システムにおける定常運転中の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムにおける通常運転中の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、目標定常発電量を設定するに際して参照する目標定常発電量と学習回数との関係を示す学習回数データについて説明するための図である。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、目標定常発電量と目標SOCとの関係を記述したマップデータについて説明するための図である。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC偏差と二次電池の充電量との関係を記述したマップデータについて説明するための図である。
【図8】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、定常運転を行う前にSOCを目標SOCとする動作について説明するための図であって、(A)はSOCの変化を示し、(B)は目標取出電力と要求消費電力との関係を示す。
【図9】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、定常運転を行う前にSOCを目標SOCとする動作について説明するための他の図であって、(A)はSOCの変化を示し、(B)は目標取出電力と要求消費電力との関係を示す。
【図10】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOCとSOC制限要求との関係を示す図である。
【図11】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC制限要求と目標取出電力の補正率との関係を示す図である。
【図12】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC制限要求と目標消費電力の補正率との関係を示す図である。
【図13】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、I−Vカーブから出力電流を推定する処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 水素供給部
3 空気供給部
4 モータ
5 DC/DCコンバータ
6 インバータ
7 二次電池
8 要求消費電力算出装置
9 電圧計
10 電流計
11 SOC計
12 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気自動車などに搭載されて、燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御することにより燃料電池スタックを発電させて、駆動モータ等の負荷に供給するための燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電気自動車に搭載されるような燃料電池システムは、水素リッチな燃料ガス及び酸素を含む空気を燃料電池スタックに流入させて電気化学反応により起電力を発生させる。そして、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタックにて発生した発電電力と、当該燃料電池スタックと並列接続されたバッテリからの放電電力とをインバータに供給し、当該インバータにて交流電力に変換して駆動モータに供給することで、電気自動車の推進力を発生させている。
【0003】
このような燃料電池システムを制御する制御装置では、運転者が操作するアクセルペダルポジションセンサによって検出されるアクセル開度からインバータの要求出力(要求電力)を算出し、当該算出した要求出力に基づいてインバータを制御することにより、要求出力に相当する電力をインバータからモータに供給させている。このとき、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの発電電力によりインバータの要求出力を賄い、燃料電池スタックの発電電力だけでは賄いきれない電力をバッテリの放電電力によりインバータに供給させている。したがって、燃料電池スタックの発電電力は、インバータの要求出力に依存していることになる。
【0004】
また、燃料電池スタックは、インバータの要求出力に拘わらず、当該要求出力を発電するために十分な燃料ガスが供給されていない場合には、インバータの要求出力に相当する発電電力を出力することはできない。したがって、燃料電池スタックの発電電力は、燃料電池スタックに供給される燃料ガスの量(ガス流量)にも依存している。
【0005】
一方、燃料電池システムにおいては、燃料電池スタックの発電効率とガス利用率とがトレードオフの関係にあるため、発電効率とガス利用率とを共に高くすることは困難であるが、発電効率とガス利用率との積を最大にすることによって、発電効率とガス利用率とを共にできる限り高くすることは可能である。この場合、発電効率とガス利用率との積は、燃料電池スタックのエネルギ変換効率として表すことができる。
【0006】
これに対し、従来では、下記の特許文献1に記載されているように、エネルギ変換効率の高い動作ポイントで燃料電池スタックを動作させる技術が知られている。この特許文献1に記載された燃料電池システムでは、燃料電池スタックの発電電力を、DC/DCコンバータによって電圧変換した後に、バッテリ及びモータと接続されたインバータに送る。
【0007】
このとき、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの出力電流と出力電圧との関係を記述したI−Vカーブを予め定めておき、燃料ガスの量に対応したI−Vカーブを導き出す。そして、燃料電池システムの制御装置は、I−Vカーブを用いて、エネルギ変換効率の最も高い動作ポイントを算出して燃料電池スタックの動作ポイントとして決定し、その動作ポイントでの燃料電池スタックの出力電力を算出する。次に燃料電池システムの制御装置は、インバータの要求出力と燃料電池スタックの発電電力との差及びバッテリのSOC(State Of Charge)に基づいて、バッテリに要求される出力電圧を決定する。そして、燃料電池システムの制御装置では、バッテリの出力電圧が決定した出力電圧になるようにDC/DCコンバータを制御して、DC/DCコンバータの出力電圧を調整し、インバータの要求出力に相当する電力をモータで消費させる。
【0008】
このように制御することによって、従来の燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの動作ポイントでの出力電力よりも要求出力が高い場合は、エネルギ変換効率の最も高い動作ポイントで燃料電池スタックを発電させ、要求出力に対する電力の不足分をバッテリから供給させる。燃料電池システムの制御装置は、逆に、燃料電池スタックの動作ポイントでの出力電力よりも要求出力が低い場合は、エネルギ変換効率の最も高いポイントで燃料電池スタックを発電させ、余剰分の電力をバッテリに蓄積させる。この結果、燃料電池システムの制御装置では、燃料電池スタックの発電効率とガス利用率とを共に、できる限り高くすることを可能としている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−12059号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の燃料電池システムの制御装置では、エネルギ変換効率が最も高い動作ポイントとなるように燃料電池スタックの出力を制御しているが、バッテリのSOCが上限値や下限値になった場合など、燃料電池スタックの出力をエネルギ変換効率が最も高い動作ポイントに制御できない場合には、その動作ポイントを外れた動作ポイントで燃料電池スタックを発電させなければならない。
【0011】
このようにエネルギ変換効率が最も高い動作ポイント以外の動作ポイントにて燃料電池スタックを発電させるに際して、燃料電池スタックの発電効率を高くするためには、ガス利用率を高くする必要がある。これに対し、燃料電池スタックの出力電流から必要な燃料ガス量を算出して供給する手法があるが、燃料ガス量を変動させる過渡時に、燃料ガスの供給に遅れが生じて出力電圧が低下してしまうので、I−Vカーブを用いてインバータの要求出力から出力電流を推定して必要な燃料ガス量を算出する処理をする。
【0012】
この場合には、I−Vカーブの精度が重要になり、推定電流が実際に出力される電流よりも多くなると燃料ガスを多く供給してしまい燃料ガス供給動力や燃料ガス自体の無駄が発生し、推定電流が実際に出力される電流よりも少なくなると供給すべき燃料ガス量が不足し出力電圧が低下してしまう。
【0013】
したがって、I−V特性を学習するために様々な方法が考えられるが、燃料電池スタック運転中に時々刻々とI−V特性を変化させるとき、従来の燃料電池システムの制御装置では、負荷が要求する電力に対するI−V特性や、エネルギ効率が最も高いポイントでの電力のI−V特性は取得できるが、その他の電力のときのI−V特性は取得できない。したがって、従来の燃料電池システムの制御装置では、燃料ガス供給量を変化させているときの過渡状態や、バッテリのSOCの条件から、燃料電池スタックを低負荷や高負荷で運転する必要がある時に、正確なI−V特性により適切な燃料ガス供給量が算出できないという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、正確なI−V特性を学習して燃料ガス供給量を最適化すると共に、燃料ガス供給量の低下による出力電圧の低下を防止することができる燃料電池システムの制御装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この燃料電池システムの制御装置は、負荷に要求される要求消費電力に応じて、燃料極に燃料ガスを供給すると共に酸化剤極に酸化剤ガスを供給させて燃料電池を発電させ、当該燃料電池の出力電力及び電力を貯蔵する電力貯蔵手段からの電力を負荷に供給するときに、燃料電池を発電させるために燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御する。このとき、制御手段では、燃料電池の出力電流と出力電圧との関係を示す電流−電圧特性を参照して、燃料電池に供給する燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御し、要求消費電力に応じた電力を負荷に供給する。
【0016】
また、この制御手段は、電流−電圧特性を学習して更新する場合には、電流−電圧特性を学習して更新するための出力電力値である目標定常発電量を設定し、当該目標定常発電量を発電するように目標酸化剤ガス流量及び目標燃料ガス流量を算出して目標定常発電量の電力を燃料電池に発電させると共に、電力貯蔵手段を充電又は放電させて要求消費電力を負荷に供給して、燃料電池を目標定常発電量で発電させているときの燃料電池の出力電圧及び出力電流を検出して電流−電圧特性を更新することにより、上述の課題を解決する。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムの制御装置によれば、目標定常発電量を発電するように目標酸化剤ガス流量及び目標燃料ガス流量を算出して目標定常発電量の電力を燃料電池に発電させると共に電力貯蔵手段を充電又は放電させて要求消費電力を負荷に供給して、燃料電池を目標定常発電量で発電させているときの燃料電池の出力電圧及び出力電流を検出して電流−電圧特性を更新するので、燃料電池が定常状態で運転するような所定時間以上目標定常発電量で発電させることができ、燃料電池が定常状態となったときの電流−電圧特性に更新することによって、正確な電流−電圧特性を学習して燃料ガス流量を最適化すると共に、燃料ガス流量の低下による出力電圧の低下を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0020】
[燃料電池システムの構成]
燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスを水素供給部2によって供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を空気供給部3によって供給する燃料電池システムについて説明する。
【0021】
水素供給部2は、水素タンクに貯蔵された水素を、水素流量調整弁、エゼクタポンプ等を経由して、燃料電池スタック1に供給する。このとき、水素供給部2は、制御部12によって水素流量調整弁の開度が調整されて、目標水素ガス流量で水素ガスを燃料電池スタック1に供給する。
【0022】
空気供給部3は、ブロアを備え、外気を燃料電池スタック1に送る。このとき、空気供給部3は、制御部12によってブロアの回転数が制御されて、目標酸素流量で酸素を燃料電池スタック1に供給する。
【0023】
このように水素供給部2及び空気供給部3によって水素ガス及び空気が供給されると、燃料電池スタック1は、水素ガス流量及び酸素流量に応じた発電電力を発生して、当該発電電力をモータ4に供給する。これにより、燃料電池システムでは、車両走行に必要な駆動トルクをモータ4に発生させる。そして、燃料電池システムでは、モータ4で発生した駆動トルクを、図示しない駆動軸に伝達し、ギア等を介して車両の車輪に駆動力を発生させる。
【0024】
このとき、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1にて発生した発電電力をDC/DCコンバータ5によって取り出す。このとき、DC/DCコンバータ5では、制御部12からの制御信号によって指定された燃料電池スタック1から取り出す電力の目標値である目標取出電力に応じて出力電力を取り出し、当該出力電圧を昇圧又は降圧する。そして、DC/DCコンバータ5により変換された出力電圧の出力電力は、DC/DCコンバータ5に対して並列に接続されたインバータ6及び二次電池7に送られる。
【0025】
インバータ6は、制御部12からの制御信号によって指定されたモータ4が消費する電力の目標値である目標消費電力をモータ4に供給する。ここで、モータ4が三相交流モータである場合には、インバータ6は、各相に対して電力供給をする。
【0026】
二次電池7は、燃料電池スタック1の発電電力がDC/DCコンバータ5を介して供給されると共に、モータ4からの回生電力がインバータ6を介して供給され、発電電力及び回生電力を充電して貯蔵する。また、この二次電池7は、必要に応じて貯蔵した電力を放電してインバータ6に供給する。なお、この二次電池7としては、リチウムイオン電池の他に、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などの他種のものが使用可能である。
【0027】
また、この燃料電池システムでは、例えば運転者のアクセル開度及び車速を検出して、当該アクセル開度及び車速に応じた駆動トルクを発生させるためにモータ4に必要な要求消費電力を算出して制御部12に送る要求消費電力算出装置8を備える。
【0028】
更に、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1からDC/DCコンバータ5に送られる発電電力の出力電圧値を検出する電圧計9、燃料電池スタック1からDC/DCコンバータ5に送られる発電電力の電圧値の出力電流値を検出する電流計10、二次電池7の充電率(SOC:State Of Charge)を検出するSOC計11を備える。このSOC計11は、二次電池7の充放電電流値を検出して積分してSOCを求めても良く、更には、二次電池7の電圧値を検出してSOCを求めても良い。電圧計9、電流計10及びSOC計11により検出した各センサ値は、例えば所定期間毎に制御部12に出力される。
【0029】
制御部12は、記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)や周辺インターフェース等を備えるマイクロコンピュータからなる。この制御部12は、上述した各部を制御する制御プログラムを記憶し、当該制御プログラムをCPUにより実行することで、後述の処理をする。このとき、制御部12は、要求消費電力算出装置8からの要求消費電力、電圧計9、電流計10及びSOC計11からの各センサ値を参照して、水素供給部2及び空気供給部3から燃料電池スタック1に供給する目標水素ガス流量及び目標空気流量を制御して、燃料電池スタック1の発電電力を制御すると共に、各種演算を行って目標取出電力及び目標消費電力を求めてDC/DCコンバータ5及びインバータ6を制御する。
【0030】
また、この制御部12は、燃料電池スタック1から取り出す出力電流値と出力電圧値との関係を示すI−Vカーブを記憶しており、燃料電池スタック1の出力電流値及び出力電圧値に応じて更新する学習処理をする。
【0031】
[燃料電池スタックの運転制御処理]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおいて、制御部12により燃料電池スタック1の運転を制御する運転制御処理について図2〜図4のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
なお、図2の処理は、燃料電池システムを搭載した車両が走行しているときに例えば所定期間毎に実行される。
【0033】
先ず、要求消費電力算出装置8は、ステップS1において、アクセル開度及び車速を検出し、ステップS2において、アクセル開度及び車速に基づいて要求消費電力を算出する。
【0034】
次のステップS3においては、SOC計11より、二次電池7のSOCを検出し、次のステップS4においては、電圧計9及び電流計10により、燃料電池スタック1の出力電圧値及び出力電流値を検出する。
【0035】
次のステップS5においては、制御部12により、今回のステップS2にて算出された要求消費電力と、前回の処理にて算出された要求消費電力とを比較して、要求消費電力変化率を算出する。なお、このステップS5においては、前回の要求消費電力のみならず、以前に算出された複数の要求消費電力の平均値に対する今回の要求消費電力の変化率を求めても良い。これにより、制御部12では、車両の走行パターンを認識する。
【0036】
次のステップS6においては、制御部12により、一定の発電量で燃料電池スタック1を動作させる定常運転を要求するか否かを判定する。このとき、制御部12は、例えばI−Vカーブを所定時間更新していない場合には定常運転を要求すると判定して、定常運転要求フラグをセットする。なお、この定常運転要求フラグは、制御部12により後述の処理をしてI−Vカーブが更新されたときにリセットされる。ここで、I−Vカーブを更新するか否かを判断する所定時間は、燃料電池スタック1の劣化速度や外気温度変化、運転条件を考慮して予め決定されている。
【0037】
次のステップS7においては、制御部12により、定常運転要求フラグがセットされているか否かを判定し、定常運転要求フラグがセットされている場合には図3の定常運転に移行し、定常運転要求フラグがセットされていない場合には図4の通常運転に移行する。
【0038】
「定常運転」
ステップS7において定常運転要求フラグがセットされていると判定された場合には、図3に示すように、先ず、ステップS11において、制御部12により、燃料電池スタック1に一定の発電量で動作させるに際して目標とする発電量である目標定常発電量を算出する。このとき、制御部12は、例えば図5に示すように、目標定常発電量ごとに学習回数を計数して記憶しておいた学習回数データを参照する。そして、制御部12は、最も学習回数が少ない発電量についてのI−Vカーブを学習処理するために、当該発電量を目標定常発電量に設定する。
【0039】
次のステップS12においては、制御部12により、定常運転中であることを示す定常運転中フラグがセットされているか否かを判定し、定常運転中フラグがセットされている場合にはステップS19以降に処理を進め、定常運転中フラグがセットされていない場合にはステップS13に処理を進める。
【0040】
ステップS13においては、制御部12により、燃料電池スタック1の定常運転を開始させるための準備として、定常運転を開始させる前にSOCを調整する目標値の目標SOCを算出する。このとき、制御部12は、要求消費電力よりも目標定常発電量が大きい場合には定常運転中に発電電力を充電する必要があるので、定常運転を行う前にSOCを低い値とし、要求消費電力よりも目標定常発電量が小さい場合には定常運転中に充電電力をモータ4に供給する必要があるので、定常運転を行う前にSOCを高い値とする。ここで、制御部12は、要求消費電力の変化率である走行パターンによって、要求消費電力に対して目標定常発電量が大きいか小さいかを判定する閾値を変化させる。
【0041】
具体的には、制御部12は、図6に示すような目標定常発電量に対する目標SOCを設定するためのマップデータ(目標定常発電量−目標SOCマップ)を予め作成しておき、当該マップデータを参照して目標SOCを算出する。このマップデータは、走行パターンによって目標定常発電量が大きいか小さいかを判定する閾値(要求消費電力の平均値)が変化するため、ステップS2にて要求消費電力を算出するたびに要求消費電力の平均値を更新して、当該平均値を目標SOCの50%の位置となるように更新することが望ましい。
【0042】
次のステップS14においては、制御部12により、DC/DCコンバータ5の目標取出電力を算出する。このとき、制御部12は、ステップS13にて算出した目標SOCから、SOC計11からのセンサ信号に基づく現在のSOCを減算したSOC偏差ΔSOCを演算する。そして、制御部12は、SOC偏差ΔSOCが正の値である場合には、目標取出電力から要求消費電力を減算した電力量である二次電池7の充電量を正とするように、目標取出電力を設定する。これにより、制御部12は、燃料電池スタック1の発電電力をモータ4及び二次電池7に供給させて、二次電池7のSOCを高くする。一方、制御部12は、SOC偏差ΔSOCが負の値である場合には、二次電池7の充電量を負とするように、目標取出電力を設定する。これにより、制御部12は、燃料電池スタック1の発電電力及び二次電池7の放電電力をモータ4に供給させて、二次電池7のSOCを低くする。
【0043】
具体的には、制御部12は、図7に示すようなSOC偏差ΔSOCに対する二次電池7の充電量を設定するためのマップデータ(SOC偏差−二次電池充電量マップ)を予め作成しておく。そして、制御部12は、算出したSOC偏差ΔSOCからマップデータを参照して二次電池7の充電量を算出し、当該二次電池7の充電量に要求消費電力を加算することでDC/DCコンバータ5の目標取出電力を算出する。
【0044】
次のステップS15においては、制御部12により、ステップS2にて算出した要求消費電力を、インバータ6による目標消費電力として設定する。
【0045】
次のステップS16においては、制御部12により、SOC計11からのセンサ信号に基づくSOCが、ステップS13にて設定した目標SOCに達したか否かを判定する。制御部12は、SOCが目標SOCに達したと判定した場合にはステップS17に処理を進めて定常運転中フラグをセットし、SOCが目標SOCに達していないと判定した場合には定常運転中フラグをクリアする。
【0046】
このようにステップS13〜ステップS15の処理を行うことにより、制御部12では、SOCを増加又は低下させる出力電力を燃料電池スタック1で発電させるように水素供給部2及び空気供給部3を制御し、ステップS14にて算出した目標取出電力をDC/DCコンバータ5から取り出し、ステップS15にて算出した目標消費電力をインバータ6からモータ4に供給する。そして、SOCが目標SOCとなるまで、ステップS11〜ステップS15の処理及びステップS1〜ステップS7の処理を繰り返す。
【0047】
このとき、SOC偏差ΔSOCが正である場合には、目標取出電力、要求消費電力及びSOCの関係は、図8に示すように変化する。すなわち、図8(B)に示すように要求消費電力が変化した場合であっても、目標取出電力を要求消費電力よりも高くすることにより、発電電力と要求消費電力との差の電力を二次電池7に充電する。そして、図8(A)に示すように、時刻A以降から徐々にSOCを高くして目標SOCに近づけ、時刻BにてSOCを目標SOCとする。
【0048】
一方、SOC偏差ΔSOCが負である場合には、目標取出電力、要求消費電力及びSOCの関係は、図9に示すように変化する。すなわち、図9(B)に示すように要求消費電力が変化した場合であっても、目標取出電力を要求消費電力よりも低くすることにより、発電電力と要求消費電力との差の電力を二次電池7から放電する。そして、図9(A)に示すように、時刻A以降から徐々にSOCを低くして目標SOCに近づけ、時刻BにてSOCを目標SOCとする。
【0049】
ステップS12にて定常運転中フラグがセットされていると判定した後のステップS19においては、制御部12により、定常運転中における目標取出電力を算出する。ここで、ステップS19を行っているときには定常運転中であるので、目標取出電力としては目標定常発電量を設定する。
【0050】
次のステップS20においては、制御部12により、定常運転中の目標消費電力を算出する。このとき、制御部12は、要求消費電力をインバータ6の目標消費電力に設定する。
【0051】
これにより、制御部12では、目標定常発電量(目標取出電力)をDC/DCコンバータ5により取り出し、当該目標定常発電量が要求消費電力(目標消費電力)よりも高い場合には余剰分を二次電池7に充電させ、目標定常発電量が要求消費電力よりも低い場合には不足分を二次電池7から放電させる。
【0052】
次のステップS21においては、制御部12により、定常運転をした結果、ステップS3にて検出されたSOCが、SOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との間の値であるか否かを判定することにより、SOC制限要求が0であるか否かを判定する。
【0053】
このとき、制御部12は、図10に示すように、SOC計11により検出されたSOCが、SOC上限値より所定値だけ低いSOC上限制限開始値よりも低く、SOC下限値より所定値だけ高いSOC下限制限開始値よりも高い場合には、SOC制限要求の値が「0」であると判定し、定常運転を行ったことによりSOCが上下限範囲を超えておらず、定常運転中フラグ及び定常運転要求フラグをセットしたままにして処理を終了する。
【0054】
また、制御部12は、SOCがSOC上限制限開始値より高い場合、又はSOCがSOC下限制限開始値よりも低い場合には、SOC制限開始値が「0」ではないと判定してステップS22に処理を進める。
【0055】
更に、制御部12は、図10に示すようなマップデータを保持しておき、SOCがSOC上限制限開始値よりも高いほどSOC制限要求を「0」よりも高くし、SOC上限値となるとSOC制限要求を「1」とし、SOCがSOC下限制限開始値よりも低いほどSOC制限要求を「0」よりも低くし、SOC下限値となるとSOC制限要求を「−1」とし、−1〜1の間の値をとるSOC制限要求を算出する。
【0056】
ステップS22においては、制御部12により、ステップS19にて設定した目標取出電力及びステップS20にて設定した目標消費電力の補正をする。このとき、制御部12は、SOC制限要求が正である場合にはSOCを減少させる要求があると認識し、SOC制限要求が負である場合にはSOCを増加させる要求があると認識する。
【0057】
そして、制御部12は、目標取出電力を補正するに際して、図11に示すようなマップデータを参照し、SOC制限要求に応じた目標取出電力補正率を算出する。次に制御部12は、算出した目標取出電力補正率にステップS19にて設定した目標取出電力を乗算して100で除算することにより、目標取出電力の補正値を求める。すなわち、制御部12は、SOC制限要求が正である場合には目標取出電力補正率を100%から減らすことにより、目標取出電力を減らして二次電池7に放電させてSOCを低下させる。一方、制御部12は、SOC制限要求が負である場合には目標取出電力補正率を100%から増加させることにより、目標取出電力を増加させて二次電池7に充電させてSOCを増加させる。
【0058】
また、制御部12は、目標消費電力を補正するに際して、図12に示すようなマップデータを参照し、SOC制限要求に応じた目標消費電力補正率を算出する。次に制御部12は、算出した目標消費電力補正率にステップS20にて設定した目標消費電力を乗算して100で除算することにより、目標消費電力の補正値を算出する。すなわち、制御部12は、SOC制限要求が正である場合には目標消費電力補正率を100%とすることにより現在の目標消費電力を維持する。一方、制御部12は、SOC制限要求が負である場合には目標消費電力補正率を100%から減少させることにより、目標消費電力を減少させて二次電池7からの放電電力を減らしてSOCを増加させる。
【0059】
次のステップS23においては、SOCが上下限制限値に近いので、制御部12により、定常運転を停止させるために定常運転中フラグ及び定常運転要求フラグをクリアする。
【0060】
このような燃料電池システムでは、予め要求消費電力と目標定常発電量との大小に応じてSOCを目標SOCとしておいて定常運転を開始し(ステップS13〜ステップS17)、SOCがSOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との範囲を超えたら定常運転を停止して(ステップS21〜ステップS23)、ステップS24において、I−Vカーブを更新する処理に移行する。
【0061】
このステップS24においては、制御部12により、定常運転を行っているときのステップS4にて電圧計9及び電流計10で検出された出力電圧値及び出力電流値からI−Vカーブを作成することにより、新たなI−Vカーブに更新する。このとき、制御部12では、定常運転中に検出した全ての出力電圧値及び出力電流値のデータを平均したデータを使用しても良く、出力電圧値及び出力電流値の変化率が所定値以下であって過渡状態ではなく定常状態となったと判定したときのデータを使用しても良く、定常運転を終了させるときの出力電圧値及び出力電流値のデータを使用しても良い。
【0062】
「通常運転」
ステップS7において定常運転要求フラグがセットされていないと判定された場合の通常運転では、図4に示すように、先ず、ステップS31においては、制御部12により、通常運転中の目標取出電力を算出する。このとき、制御部12では、燃料電池スタック1のエネルギ変換効率が最適となる動作ポイントで燃料電池スタック1を運転するように目標取出電力を設定しても良く、要求消費電力と二次電池7の充電量との和を目標取出電力としても良い。
【0063】
次のステップS32においては、制御部12により、目標消費電力を算出する。このとき、制御部12は、ステップS2にて求めた要求消費電力を目標消費電力に設定する。
【0064】
次のステップS33においては、制御部12により、ステップS21と同様の処理をすることにより、ステップS3にて検出されたSOCが、SOC上限制限開始値とSOC下限制限開始値との間の値であるか否かを判定することにより、SOC制限要求が0であるか否かを判定し、SOC制限要求が「0」である場合には処理を終了し、SOC制限要求が「0」ではない場合にはステップS34にてステップS22と同様の処理をして、処理を終了する。
【0065】
「流量制御処理」
つぎに、上述したように更新したI−Vカーブを使用して、燃料電池スタック1に供給する燃料ガス流量及び空気流量を調整するときの流量制御処理について説明する。この流量制御処理は、上述した通常運転及び定常運転と並列して行われるものである。
【0066】
この流量制御処理において、燃料電池スタック1から目標取出電力を取り出す場合、燃料電池スタック1により目標取出電力を発電する必要があるので、制御部12は、目標取出電力を燃料電池スタック1の目標発電量とする。そして、制御部12は、燃料電池スタック1の発電量を制御するために、目標発電量から目標水素流量及び目標酸素流量を算出する。
【0067】
ここで、燃料電池スタック1の発電に必要な水素量及び酸素量は、出力電流値に比例するため、先ず、制御部12により、目標発電量における出力電流値を推定する。このとき、制御部12では、図13に示すようなI−Vカーブに目標発電量の等電力曲線をプロットし、等電力曲線とI−Vカーブが交差する点の電流値を推定出力電流とする。
【0068】
次に制御部12では、推定出力電流から、目標発電量を発電するための必要酸素量及び必要水素量を算出する。ここで、燃料電池スタック1では下記の式1に示す電気化学反応が水素極にて発生すると共に、下記の式2に示す電気化学反応が空気極にて発生することにより、電流が発生する。
【0069】
H2+O2− → H2O+2e− (式1)
(1/2)O2+2e− → O2− (式2)
また、酸素が1[mol/s]で取り出せる電流値は4×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要酸素量[mol/s]は、下記の式3に示すように、
必要酸素量=I/(4×96500)[mol/s] (式3)
となる。
【0070】
これに対し、水素が1[mol/s]で取り出せる電流値は2×96500[A]なので、推定出力電流をI[A]とすると必要水素量[mol/s]は、下記の式4に示すように、
必要水素量=I/(2×96500)[mol/s] (式4)
となる。だたし、式3の必要酸素量及び式4の必要水素量は、燃料電池スタック1のセル枚数によって変化し、例えば燃料電池スタック1が200枚のセルからなる場合には200倍となる。
【0071】
次に、制御部12は、算出した必要酸素量[mol/s]、予め定められたストイキ比、予め設定しておいた空気中の酸素濃度[%]から目標空気流量[l/s]を算出する。このとき、制御部12は、先ず、必要酸素量[mol/s]、図示しない大気圧力センサ、温度センサの検出値である圧力[atm]及び温度[K]を用いて、必要酸素流量[l/s]を下記の式5によって算出する。ここで、下記式5におけるR[atm・l/mol・K]を気体定数とすると、
必要酸素流量=(必要酸素量×R×温度)/圧力 (式5)
となる。
【0072】
そして、制御部12では、空気中の酸素濃度[%]及び必要酸素流量[l/s]から、必要空気流量[l/s]を下記の式6により算出し、更に当該必要空気流量にストイキ比を乗じる式7の演算をすることにより目標空気流量[l/s]を算出する。
【0073】
必要空気流量=必要酸素流量×(100/酸素濃度) (式6)
目標空気流量=必要空気流量×ストイキ比 (式7)
次に制御部12は、算出した目標空気流量[l/s]となるように空気供給部3のブロワの目標回転数[Hz]をブロワの性能特性より算出して、当該目標回転数で動作する制御信号を空気供給部3に送ることにより、ブロワを目標回転数で動作する制御をする。
【0074】
次に制御部12は、式4にて算出した必要水素量[mol/s]、図示しない水素供給圧力センサ及び温度センサの検出値である水素供給圧力[atm]及び温度[K]を用いて、下記の式8によって必要水素流量[l/s]を算出する。ここで、式8におけるR[atm・l/mol・K]は気体定数とすると、
必要水素流量=(必要水素量×R×温度)/水素供給圧力 (式8)
となる。
【0075】
次に制御部12は、水素タンク内水素濃度[%]を用いて下記式9の演算をして必要水素ガス流量[l/s]を算出し、当該必要水素ガス流量及びストイキ比を用いて下記式10の演算をすることにより、目標水素ガス流量[l/s]を算出する。
【0076】
必要水素ガス流量=必要水素流量×(100/水素濃度) (式9)
目標水素ガス流量=必要水素ガス流量×ストイキ比 (式10)
次に制御部12は、算出した目標水素ガス流量となるように水素供給部2の流量制御弁を制御して、燃料電池スタック1に目標水素ガス流量で水素ガスを供給する。
【0077】
これにより、制御部12では、図3の定常運転にて更新したI−Vカーブを使用して、上述の図2〜図4の処理における目標取出電力及び目標定常発電量を燃料電池スタック1によって発電させることができる。
【0078】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、I−Vカーブを学習するときに、燃料電池スタック1が定常状態で運転するような所定時間以上、目標定常発電量で発電させるので、燃料電池スタック1が定常状態となったときのI−Vカーブに更新することによって最新のI−Vカーブを用いて水素ガス流量及び空気流量を制御することができるので、正確なI−Vカーブを学習して水素ガス流量を最適化すると共に、水素ガス流量の低下による出力電圧の低下を防止することができる。
【0079】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させている場合に、二次電池7がSOC上限値とSOC下限値との範囲となるように目標定常発電量を補正するので、二次電池7の放充電を利用して定常運転を行った場合であっても、二次電池7を劣化させることなく燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させることができる。
【0080】
更に、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に、目標定常発電量と要求消費電力との大小に応じて、二次電池7のSOCを調節しておくので、要求消費電力が目標定常発電量と一致せず、一定出力電力で燃料電池スタック1を発電するために二次電池7を放充電させる場合であっても、定常運転中に二次電池7によって要求消費電力と目標定常発電量の差の電力を吸収可能な充放電量を増加させることができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0081】
更にまた、この燃料電池システムによれば、要求消費電力が目標定常発電量よりも大きい場合、目標取出電力を増加させると共に目標消費電力を減少させ、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に二次電池7のSOCを増加させて二次電池7の放電可能量を増加させることによって、定常運転中に要求消費電力に対して不足する電力量を長時間賄うことができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0082】
更にまた、この燃料電池システムによれば、要求消費電力が目標定常発電量よりも小さい場合、目標取出電力を減少させると共に目標消費電力を増加させ、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させる前に二次電池7のSOCを減少させて二次電池7の充電可能量を増加させることによって、定常運転中に要求消費電力に対して余剰な電力量を長時間賄うことができ、より長い時間燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、更に正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0083】
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させて、二次電池7がSOC上限値付近やSOC下限値付近となった場合に、燃料電池スタック1を目標定常発電量で発電させてから、二次電池7がSOC上限値付近やSOC下限値付近となるまでに検出した出力電圧及び出力電流を用いて、I−Vカーブを更新するので、確実に燃料電池スタック1が定常状態になっているときの出力電圧及び出力電流を用いて正確なI−Vカーブを取得することができる。
【0084】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムにおける運転制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した燃料電池システムにおける定常運転中の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムにおける通常運転中の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、目標定常発電量を設定するに際して参照する目標定常発電量と学習回数との関係を示す学習回数データについて説明するための図である。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、目標定常発電量と目標SOCとの関係を記述したマップデータについて説明するための図である。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC偏差と二次電池の充電量との関係を記述したマップデータについて説明するための図である。
【図8】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、定常運転を行う前にSOCを目標SOCとする動作について説明するための図であって、(A)はSOCの変化を示し、(B)は目標取出電力と要求消費電力との関係を示す。
【図9】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、定常運転を行う前にSOCを目標SOCとする動作について説明するための他の図であって、(A)はSOCの変化を示し、(B)は目標取出電力と要求消費電力との関係を示す。
【図10】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOCとSOC制限要求との関係を示す図である。
【図11】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC制限要求と目標取出電力の補正率との関係を示す図である。
【図12】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、SOC制限要求と目標消費電力の補正率との関係を示す図である。
【図13】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、I−Vカーブから出力電流を推定する処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 水素供給部
3 空気供給部
4 モータ
5 DC/DCコンバータ
6 インバータ
7 二次電池
8 要求消費電力算出装置
9 電圧計
10 電流計
11 SOC計
12 制御部
Claims (7)
- 負荷に要求される要求消費電力に応じて、燃料極に燃料ガスを供給すると共に酸化剤極に酸化剤ガスを供給させて燃料電池を発電させ、当該燃料電池の出力電力及び電力を貯蔵する電力貯蔵手段からの電力を負荷に供給する燃料電池システムの制御装置であって、
前記燃料電池の出力電流と出力電圧との関係を示す電流−電圧特性を参照して、前記燃料電池に供給する燃料ガス流量及び酸化剤ガス流量を制御し、前記要求消費電力に応じた電力を前記負荷に供給する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記電流−電圧特性を学習して更新するための出力電力値である目標定常発電量を設定し、当該目標定常発電量を発電するように前記目標酸化剤ガス流量及び前記目標燃料ガス流量を算出して前記目標定常発電量の電力を前記燃料電池に発電させると共に、前記電力貯蔵手段を充電又は放電させて前記要求消費電力を負荷に供給して、前記燃料電池を目標定常発電量で発電させているときの前記燃料電池の出力電圧及び出力電流を検出して前記電流−電圧特性を更新することを特徴とする燃料電池システムの制御装置。 - 前記制御手段は、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させている場合に、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態が上限値と下限値との範囲となるように前記目標定常発電量を調整することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記制御手段は、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させる前に、前記設定した目標定常発電量及び前記要求消費電力に応じて、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態を調節しておくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記制御手段は、前記要求消費電力が前記目標定常発電量よりも大きい場合、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させる前に、前記要求消費電力よりも高い出力電力で前記燃料電池を発電させて前記電力貯蔵手段を充電させて、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態を増加させておくことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記制御手段は、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させて、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態が下限値付近となった場合に、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させてから、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態が下限値付近となるまでに検出した出力電圧及び出力電流を用いて、前記前記電流−電圧特性を更新することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記制御手段は、前記要求消費電力が前記目標定常発電量よりも小さい場合、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させる前に、前記要求消費電力よりも低い出力電力で前記燃料電池を発電させて前記電力貯蔵手段を放電させて、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態を減少させておくことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の燃料電池システムの制御装置。
- 前記制御手段は、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させて、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態が上限値付近となった場合に、前記燃料電池を前記目標定常発電量で発電させてから、前記電力貯蔵手段の電力貯蔵状態が上限値付近となるまでに検出した出力電圧及び出力電流を用いて、前記前記電流−電圧特性を更新することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システムの制御装置。
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