JP2004334622A - 環境情報測定装置及びこれを用いた温度制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】環境情報の検出及びデータ送出をワイヤレスに行うと共に、その回路の電源を外部エネルギーを用いて生成し、外部からの有線による電源供給及び内蔵電池の搭載を不要にする環境情報測定装置を提供する。
【解決手段】環境情報測定装置1は、1つのパッケージに温度センサ2、アンテナ3、コイル4、電源部10、及びICチップ部20を一体化して構成されている。温度センサ2で測定された雰囲気温度は、ICチップ部20及びアンテナ3により無線で送信される。ICチップ部20を動作させるための電源は、空調装置30からの電磁波を電源部10により直流電圧に変換して生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】環境情報測定装置1は、1つのパッケージに温度センサ2、アンテナ3、コイル4、電源部10、及びICチップ部20を一体化して構成されている。温度センサ2で測定された雰囲気温度は、ICチップ部20及びアンテナ3により無線で送信される。ICチップ部20を動作させるための電源は、空調装置30からの電磁波を電源部10により直流電圧に変換して生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境情報測定装置及びこれを用いた温度制御システムに関し、特に、外部からのエネルギーにより電源を生成し、室内温度等を検出し、その検出データを空調装置等の機器へ送信する環境情報測定装置及びこれを用いた温度制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、空調装置では、一般に、天井近くに本体が設置され、本体に所定長のケーブルで接続されたリモートコントローラ(以下、リモコンという)が使用者の手の届く位置の壁面等に設置される。リモコンは、雰囲気の温度を検出する温度センサ、電源オン/オフボタン、温度設定用のダイヤル(又は、スライダー)等を備えており、本体に設けられた操作パネルを用いることなく、リモコンの操作によって、電源のオン/オフ、温度調節が可能である。
【0003】
リモコンは、上記したケーブル接続のほか、赤外線や電波を用いたワイヤレス方式もある。ワイヤレス方式のリモコンは、ケーブルの布線や固定が不必要になると共に、ケーブルが無いために美観が損なわれない。また、任意の場所に設置することができる。
【0004】
しかし、ワイヤレス方式のリモコンは、内蔵の電子回路に電源を供給するための電池を搭載する必要があり、サイズ及び重量が大きくなり、小型化に限界がある。また、1年程度で電池の交換が必要になるが、一般のユーザーにとって電池交換は煩わしい。また、ケーブル接続のリモコンでは、電源が本体から供給されるため、電池交換の必要は無くなるものの、ケーブルが壁面に露出するため、美観が損なわれる。
【0005】
そこで、ケーブル接続を不要にし、かつ、外部から付与されるエネルギーによって電源を生成し、内蔵の回路に電源供給を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、プラズマCVD装置内のシリコン基板の温度を測定するに際し、プラズマ発生用の高周波電力がオフの間にマイクロ波を平面アンテナで受信して計測用電力を生成し、これを電源にして温度測定装置を動作させ、検出温度をデータ送信用アンテナにより送信することにより、遠隔場所から測定結果を読み取ることができるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−142068号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の温度測定装置によると、半導体ウェハに搭載することを前提にし、しかも計測用電力の生成および温度測定の計測は、プラズマ発生用の高周波電力のオフの間に限られるため、プラズマCVD装置以外の装置(又は機器)に適用することは困難である。また、小型化についての考慮がなされていない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、環境情報の検出及びデータ送出をワイヤレスに行うと共に、その回路の電源を外部エネルギーを用いて生成し、外部からの有線による電源供給及び内蔵電池の搭載を不要にする環境情報測定装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、機器本体と環境情報測定装置との接続をケーブルを用いずに行え、環境情報測定装置におけるデータ送出及び電源生成がワイヤレスで行うことのできる環境情報測定装置を用いた温度制御システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、第1の特徴として、設置雰囲気における温度、湿度、気圧等の環境情報の少なくとも1つを検出する検出素子と、前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、無線により外部から付与される電気的エネルギーを誘導結合等によって受電して直流電圧に変換してから前記ICチップ部に電源として供給する電源部と、前記検出素子、前記ICチップ部、及び前記電源部を一体化して収容するパッケージとを備える環境情報測定装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、1つのパッケージに検出素子とICチップ部が一体化され、検出素子で測定された温度等の環境情報がICチップ部により無線で送信されるので、データを送出するためのケーブル類を必要としない。更に、ICチップ部の電源は、外部からの電気的エネルギーを基に直流電圧を生成する電源部から得ているので、外部からの電源供給も、内蔵の電池も必要としないので、室内温度測定等の一般的な使用が可能になり、設置の自由度が向上し、ICチップの使用及び1パッケージ化により小型化が図れるほか、電池交換が不必要になる。
【0012】
本発明は、上記の目的を達成するため、第2の特徴として、設置場所の雰囲気温度を検出する検出素子と、前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、前記ICチップ部による送信出力を電波として放射するアンテナと、無線により外部から付与された電磁エネルギーを直流電圧に変換して前記ICチップ部に電源として供給する電源部をパッケージにより一体化した環境情報測定装置と、前記環境情報測定装置からの前記測定信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した測定信号に基づいて前記雰囲気温度を制御する制御部と、前記電磁エネルギーとしての電磁波を発生する電力発生部と、前記電力発生部による前記電磁波を放射するエレメントとを具備する冷熱源発生装置とを備えた温度制御システムを提供する。
【0013】
この構成によれば、環境情報測定装置は、1つのパッケージに検出素子、ICチップ部、及びアンテナが実装されることによって小型化及びワイヤレス化が可能になるために設置上の制約がなくなり、冷熱源発生装置から付与される電磁エネルギーに基づいて電源部で生成した直流電圧をICチップ部に電源として供給することにより、内蔵電池が不要になると共に外部から電源供給を受ける必要がなくなり、かつ小型化が可能になる。冷熱源発生装置においては、環境情報測定装置とのケーブル接続が不要になるため、ケーブルの接続不良や断線に伴うトラブルが発生しなくなる。また、美観が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る環境情報測定装置及びこれを用いた空調システムの構成を示す。
【0015】
図1において、空調システムは、環境情報測定装置1と、冷熱源発生装置としての空調装置30を備えて構成されている。環境情報測定装置1は、温度検出素子としての温度センサ2(例えば、サーミスタ)と、データ送信用のアンテナ3と、電力受信用のコイル4と、外部からの電磁エネルギーに基づいて直流電源を生成する電源部10と、ICチップ20とを備えて構成されている。
【0016】
また、空調装置30は、CPUやROM(いずれも図示せず)を備えて構成され、空調装置30の全体を制御する制御部31と、この制御部31に接続されるインターフェース回路32と、温度設定、モード設定、及び電源オン/オフ等の操作を行うための操作部33と、環境情報測定装置1からデータを受信するアンテナ34と、アンテナ34による受信信号を増幅及び復調する受信部35と、電源用の高周波電力を生成する電力発生部36と、電力発生部36による高周波電力を電磁波として放射するエレメント37と、コンプレッサ(図示せず)用のモータ38と、ファン用のモータ39と、モータ38を駆動するモータ駆動回路40と、モータ39を駆動するモータ駆動回路41とを備えて構成されている。
【0017】
図1の構成において、環境情報測定装置1は室内の壁面等に設置される。環境情報測定装置1は電池を搭載していないので、電源スイッチは有しない。環境情報測定装置1の動作電源は、空調装置30から放射される高周波電力を受信して直流化することにより確保される。空調装置30が電源オンの状態にあるとき、制御部31は、電力発生部36を動作させ、間欠的にパルス状の高周波電力をエレメント37から放射している。その周波数は、環境情報測定装置1と空調装置30の間の距離に応じて、最適な値が選択されている。この高周波電力は、環境情報測定装置1の電源部10のアンテナによって受信され、直流電力に変換される。この直流電力を電源にしてICチップ20が動作する。温度センサ2によって周囲の温度が検出され、その検出信号はICチップ20によって処理された後、温度データとしてアンテナ3から送信される。
【0018】
空調装置30では、アンテナ34によって環境情報測定装置1からの電波を受信し、受信部35で増幅及び復調が行われる。制御部31は、操作部33から入力された温度設定値と環境情報測定装置1から送信されてきた温度検出値とを比較し、温度検出値が温度設定値より高い場合には、温度設定値になるようにコンプレッサを運転制御する。
【0019】
電源部10は、コイル4との共振をとるためのコンデンサ11と、コイル4の途中に接続されたコンデンサ12と、コンデンサ12の出力側端とコイル4の他端にカソードが接続される整流用のダイオード13と、コンデンサ12の出力側端にアノードが接続された整流用のダイオード14と、ダイオード14のカソードとグランド間に接続された電解コンデンサ15とを備えて構成されている。
【0020】
電源部10は、図1においては、半波倍電圧整流回路の構成を示したが、他の回路、例えば、N倍電圧発生回路、「検波回路+スイッチング電源回路」等を用いて構成することもできる。また、空調装置30側から放射される電磁波が広帯域であったり、低い周波数である場合には、同調をとる必要がないのでコンデンサ11は不要である。
【0021】
ICチップ20は、温度センサ2からの検出信号を処理して温度に比例した電圧を出力する検出回路21と、検出回路21からの検出温度データを変調し、更に所定の周波数への周波数変換及び増幅を行った後、アンテナ3から電波として放射する送信回路22とを備えて構成されている。ICチップ20は、内蔵電池ではなく、外部からのエネルギーを電源部10で検波して得た電源を用いて動作させるため、消費電力は極力小さいことが望ましく、かつ低電圧で動作する構成であることが望ましい。ICチップ20は、例えば5×5×0.3(mm)の大きさであり、温度センサ2、アンテナ3、コイル4、及び電源部10と共に、パッケージに実装されている。パッケージは任意の形状にすることができるが、例えば、樹脂カード(例えば、55×86mmの外形で、厚みは1mm以下)を用いることができる。
【0022】
温度センサ2は、例えばサーミスタが用いられる。サーミスタを用いた場合、検出回路21はブリッジ回路とコンパレータを用いて構成される。なお、温度センサ2は、ICチップ20に内蔵することも可能である。アンテナ3は、樹脂カード内に埋設されたループ状の平面アンテナである。同様に、コイル4も樹脂カード内に埋設された平面アンテナである。
【0023】
図2は、環境情報測定装置1の内部構成を示す。本体は樹脂カード5により構成され、その内部の片隅にICチップ20が実装され、このICチップ20に隣接させて電源部10が実装されている。ICチップ20及び電源部10は、環境情報測定装置1を折り曲げても破損しないように、樹脂カード5の中心部以外に配置するのが好ましい。コイル4は、電源部10に隣接させてコイル状の配線パターンにより形成されている。さらに、温度センサ2は、コイル4と同一平面上にパターン化して形成されているが、サーミスタを形成する材料が用いられる。アンテナ3は、樹脂カード5の周辺を一周するように配線パターンにより形成されている。
【0024】
樹脂カード5の両面は平坦であり、突起物は存在しないが、片面又は両面に印刷や彫刻等を施すことは可能である。また、ICチップ20や電源部10の表面にテスト用の端子等を設け、これを樹脂カード5の表面から露出させることも自由である。
【0025】
環境情報測定装置1は、空調装置30の前面や側面に貼着し、或いは、指定された距離範囲内において自由に設置することができる。例えば、机等の上に置くのみでもよいし、樹脂カード5の裏面に両面接着剤を塗布して壁面に貼着したりすることができる。或いは、環境情報測定装置1のコーナ部に貫通孔を開け、この貫通孔に紐やチェーンを通して壁面に打った釘等にぶら下げる、専用のホルダを壁面に固定し、このホルダに環境情報測定装置1を挿入等して設置する等の設置方法が考えられる。
【0026】
このように、第1の実施の形態による環境情報測定装置1は、電源に電池を必要としないので軽量化及び薄型化が可能になり、かつ接続ケーブルを必要としないので、任意の場所に簡単に設置することができ、軽量であるために両面接着テープや粘着テープで固定したのみでも落下等を招くことがない。また、薄型化が可能になるため、壁面等に装着されていても目立たず、美観を損なうこともない。更に、第1の実施の形態による温度制御システムは、環境情報測定装置1と空調装置30の接続にケーブルを必要としないため、ケーブルの断線による故障を防止できると共に、環境情報測定装置1の設置場所に制約を受けないほか、美観を向上させることができる。
【0027】
図3は、エレメント37から放射される電磁波の波形(a)、電源部10における出力電圧波形(b)、及び送信回路22から送信されるデータ送出タイミング(c)を示す。図1〜図3を参照して、環境情報測定装置1の動作を以下に説明する。
【0028】
空調装置30が電源オンにあるとき、空調装置30は操作部33で設定した条件の基に空調制御が行われている。制御部31は電力発生部36を動作させ、図3の(a)に示す波形の電磁波をアンテナ34から一定間隔に放射させている。電磁波は電波法により法規外の大きなパワーを放射することができない。そこで、所定間隔に大パワーを瞬間的に放射し、このエネルギーを次の電磁波放射まで蓄積することにより、必要な電源を得ている。アンテナ34からの電磁波は、環境情報測定装置1のコイル4によって受信される。コイル4とコンデンサ12がアンテナ34から放射される電磁波の周波数に共振しているとき、コイル4の端子間には最大電圧が得られる。この電圧を電源部10のダイオード14,15で半波倍電圧整流することにより、図3の(b)の様に、電解コンデンサ16の両端には所定の直流電圧が印加される。
【0029】
電源部10により得られた直流電源は、ICチップ20内の各回路に供給される。室内等の雰囲気温度が温度センサ2によって検出され、その検出信号はICチップ20によって処理されることにより温度データが生成される。この温度データは、送信回路22によって、図3の(c)に示すように、電磁波の休止期間中に温度データとしてアンテナ3から送信される。
【0030】
〔第2の実施の形態〕
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る環境情報測定装置の構成を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の環境情報測定装置が温度検出データを送信する機能のみであったのに対し、更に、リモコンの機能を備えるようにしたものである。ただし、環境情報測定装置自身で電源を持たないため、空調装置30を電源オフにすることはできるが、電源オンを行うことはできない。
【0031】
図4に示すように、環境情報測定装置6は、図1に示した温度センサ2と、アンテナ3、コイル4と、電源部10と、検出回路21と、送信回路22と、CPU51と、プログラムが格納されたROM52と、データ等が一時的に格納されるRAM53と、CPU51に接続されたインターフェース回路54と、このインターフェース回路54に接続された操作部55とを備えて構成されている。CPU51によって全体が制御される。温度センサ2、アンテナ3、コイル4、電源部10、検出回路21、及び送信回路22の構成、動作等は、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0032】
環境情報測定装置6は、図2に示した構成の各部材のほか、追加されたCPU51、ROM52、インターフェース(I/F)回路54、及び操作部55がICチップ20に実装された状態で樹脂カード5に実装され、或いは個別の部品として樹脂カード5に搭載される。電源部10は、図1に示した回路により構成されている。
【0033】
図4において、空調装置30が電源オンにあるとき、環境情報測定装置6は空調装置30の電力発生部36から放射される電磁波に基づいて電源部10により直流電源を生成し、カード内の各回路に供給される。電源部10による直流電源によって、CPU51はROM52に格納されたプログラムに従って動作する。操作部55のキーを操作して空調温度を設定すると、その入力情報はI/F回路54を通してCPU51に取り込まれる。一方、温度センサ2及び検出回路21によって雰囲気温度が検出され、そのデータはI/F回路54を介してCPU51によってRAM43に格納される。
【0034】
CPU51は、操作部55による温度設定値と温度センサ2による温度検出値の両方のデータを図3の(c)に示すタイミングでI/F回路54を通して送信回路22に送り、電波にしてアンテナ3から送信する。空調装置30では、温度設定値と温度検出値の2つの情報をアンテナ34及び受信部35を通して受信すると、制御部31により操作部55(又は33)による温度設定値と温度センサ2による温度検出値とを比較し、温度検出値と温度設定値が一致するようにコンプレッサを制御する。例えば、冷房運転を行っていて、温度検出値が温度設定値より高い場合、温度検出値が温度設定値になるようにコンプレッサを運転する。そして、温度検出値が温度設定値を越えるようになれば、コンプレッサを停止する。コンプレッサの運転と停止を繰り返すことにより、温度センサ2の設置雰囲気の温度は所望値に保たれる。
【0035】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、環境情報測定機能による効果(軽量化、薄型化、美観の向上、設置の制約の軽減)のほか、リモコンの機能を備えるため、在来のリモコンのような使い方が可能になり、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0036】
上記各実施の形態においては、環境情報測定装置の温度データの送信対象が空調装置であるとしたが、これは一例に過ぎず、温度データを必要とする全ての電気機器に適用可能である。また、環境情報測定装置の通信手段(温度データの送信)に電波を用いたが、本発明は電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線、超音波等を用いることも可能である。
【0037】
さらに、上記各実施の形態においては、温度センサ2にサーミスタを用いたが、本発明はサーミスタに限定されるものではなく、Pt100Ω測温抵抗箔、熱電対箔等を用いることができる。また、環境情報測定装置1,5の形状はカード形であるとしたが、箱形、楕円形、球形、多角形等、任意の形状にすることができる。また、単体ではなく、美術工芸品、装飾品、家具等に組み込むようにしてもよい。
【0038】
また、上記各実施の形態においては、温度を測定するセンサについて説明したが、本発明は温度に限らず、湿度、大気圧、NOx(窒素酸化物)、二酸化炭素、ダイオキシン濃度、紫外線強度、オゾン濃度、窒素酸化物等のセンサであってもよい。例えば、屋外で上記した様な情報を測定する場合、従来は測定装置とセンサ部をケーブル等で接続することは不可欠であったが、ワイヤレスにすることが可能になり、設置の自由度の向上、測定準備の時間短縮等が図れ、また、ケーブル断線等に基づく障害の発生を防止することができる。そして、データ送信は、1種に限らず、同時に複数の異なる測定データ(温度と湿度等)を送信するようにすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明に係る環境情報測定装置によれば、検出素子と、この検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、この測定信号を無線により送信するICチップ部と、無線により外部から付与される電気的エネルギーを直流電圧に変換して前記ICチップ部に電源として供給する電源部とを備えると共に、これらをパッケージにより一体化したので、データの送出及び電源確保のためにケーブル類を必要とせず、内蔵電池も必要としないので、室内温度測定等の一般的な使用が可能になり、設置の自由度が向上し、ICチップの使用及び1パッケージ化により小型化が図れるほか、電池交換が不必要になる。
【0040】
また、本発明に係る温度制御システムによれば、検出素子、ICチップ部、アンテナ、電源部をパッケージにより一体化した環境情報測定装置と、受信部、制御部、電磁波を生成する電力発生部、電磁波を放射するエレメントを具備する冷熱源発生装置とを備え、環境情報測定装置では、1パッケージ化により小型化及びワイヤレス化が可能になるために設置上の制約がなくなり、電源部が冷熱源発生装置から付与される電磁エネルギーに基づいて生成した直流電圧をICチップ部に電源として供給することにより、内蔵電池が不要になると共に外部から電源供給を受ける必要がなくなり、かつ小型化が可能になる。また、冷熱源発生装置においては、環境情報測定装置とのケーブル接続が不要になるため、ケーブルの接続不良や断線に伴うトラブルが発生しなくなる。また、美観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る環境情報測定装置、及びこの環境情報測定装置が適用される空調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】環境情報測定装置の内部構成を示す断面図である。
【図3】電力用の電磁波の波形(a)、電源部10における出力電圧波形(b)、及び環境情報測定装置側から送信されるデータの送出タイミング(c)を示す波形図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る環境情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,6 環境情報測定装置
2 温度センサ
3 アンテナ
4 コイル
5 樹脂カード
10 電源部
20 ICチップ
21 検出回路
22 送信回路
30 空調装置
31 制御部
32,54 インターフェース(I/F)回路
33 操作部
34 アンテナ
35 受信部
36 電力発生部
37 エレメント
38,39 モータ
40,41 モータ駆動回路
51 CPU
52 ROM
53 RAM
55 操作部
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境情報測定装置及びこれを用いた温度制御システムに関し、特に、外部からのエネルギーにより電源を生成し、室内温度等を検出し、その検出データを空調装置等の機器へ送信する環境情報測定装置及びこれを用いた温度制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、空調装置では、一般に、天井近くに本体が設置され、本体に所定長のケーブルで接続されたリモートコントローラ(以下、リモコンという)が使用者の手の届く位置の壁面等に設置される。リモコンは、雰囲気の温度を検出する温度センサ、電源オン/オフボタン、温度設定用のダイヤル(又は、スライダー)等を備えており、本体に設けられた操作パネルを用いることなく、リモコンの操作によって、電源のオン/オフ、温度調節が可能である。
【0003】
リモコンは、上記したケーブル接続のほか、赤外線や電波を用いたワイヤレス方式もある。ワイヤレス方式のリモコンは、ケーブルの布線や固定が不必要になると共に、ケーブルが無いために美観が損なわれない。また、任意の場所に設置することができる。
【0004】
しかし、ワイヤレス方式のリモコンは、内蔵の電子回路に電源を供給するための電池を搭載する必要があり、サイズ及び重量が大きくなり、小型化に限界がある。また、1年程度で電池の交換が必要になるが、一般のユーザーにとって電池交換は煩わしい。また、ケーブル接続のリモコンでは、電源が本体から供給されるため、電池交換の必要は無くなるものの、ケーブルが壁面に露出するため、美観が損なわれる。
【0005】
そこで、ケーブル接続を不要にし、かつ、外部から付与されるエネルギーによって電源を生成し、内蔵の回路に電源供給を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、プラズマCVD装置内のシリコン基板の温度を測定するに際し、プラズマ発生用の高周波電力がオフの間にマイクロ波を平面アンテナで受信して計測用電力を生成し、これを電源にして温度測定装置を動作させ、検出温度をデータ送信用アンテナにより送信することにより、遠隔場所から測定結果を読み取ることができるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−142068号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の温度測定装置によると、半導体ウェハに搭載することを前提にし、しかも計測用電力の生成および温度測定の計測は、プラズマ発生用の高周波電力のオフの間に限られるため、プラズマCVD装置以外の装置(又は機器)に適用することは困難である。また、小型化についての考慮がなされていない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、環境情報の検出及びデータ送出をワイヤレスに行うと共に、その回路の電源を外部エネルギーを用いて生成し、外部からの有線による電源供給及び内蔵電池の搭載を不要にする環境情報測定装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、機器本体と環境情報測定装置との接続をケーブルを用いずに行え、環境情報測定装置におけるデータ送出及び電源生成がワイヤレスで行うことのできる環境情報測定装置を用いた温度制御システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、第1の特徴として、設置雰囲気における温度、湿度、気圧等の環境情報の少なくとも1つを検出する検出素子と、前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、無線により外部から付与される電気的エネルギーを誘導結合等によって受電して直流電圧に変換してから前記ICチップ部に電源として供給する電源部と、前記検出素子、前記ICチップ部、及び前記電源部を一体化して収容するパッケージとを備える環境情報測定装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、1つのパッケージに検出素子とICチップ部が一体化され、検出素子で測定された温度等の環境情報がICチップ部により無線で送信されるので、データを送出するためのケーブル類を必要としない。更に、ICチップ部の電源は、外部からの電気的エネルギーを基に直流電圧を生成する電源部から得ているので、外部からの電源供給も、内蔵の電池も必要としないので、室内温度測定等の一般的な使用が可能になり、設置の自由度が向上し、ICチップの使用及び1パッケージ化により小型化が図れるほか、電池交換が不必要になる。
【0012】
本発明は、上記の目的を達成するため、第2の特徴として、設置場所の雰囲気温度を検出する検出素子と、前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、前記ICチップ部による送信出力を電波として放射するアンテナと、無線により外部から付与された電磁エネルギーを直流電圧に変換して前記ICチップ部に電源として供給する電源部をパッケージにより一体化した環境情報測定装置と、前記環境情報測定装置からの前記測定信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した測定信号に基づいて前記雰囲気温度を制御する制御部と、前記電磁エネルギーとしての電磁波を発生する電力発生部と、前記電力発生部による前記電磁波を放射するエレメントとを具備する冷熱源発生装置とを備えた温度制御システムを提供する。
【0013】
この構成によれば、環境情報測定装置は、1つのパッケージに検出素子、ICチップ部、及びアンテナが実装されることによって小型化及びワイヤレス化が可能になるために設置上の制約がなくなり、冷熱源発生装置から付与される電磁エネルギーに基づいて電源部で生成した直流電圧をICチップ部に電源として供給することにより、内蔵電池が不要になると共に外部から電源供給を受ける必要がなくなり、かつ小型化が可能になる。冷熱源発生装置においては、環境情報測定装置とのケーブル接続が不要になるため、ケーブルの接続不良や断線に伴うトラブルが発生しなくなる。また、美観が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る環境情報測定装置及びこれを用いた空調システムの構成を示す。
【0015】
図1において、空調システムは、環境情報測定装置1と、冷熱源発生装置としての空調装置30を備えて構成されている。環境情報測定装置1は、温度検出素子としての温度センサ2(例えば、サーミスタ)と、データ送信用のアンテナ3と、電力受信用のコイル4と、外部からの電磁エネルギーに基づいて直流電源を生成する電源部10と、ICチップ20とを備えて構成されている。
【0016】
また、空調装置30は、CPUやROM(いずれも図示せず)を備えて構成され、空調装置30の全体を制御する制御部31と、この制御部31に接続されるインターフェース回路32と、温度設定、モード設定、及び電源オン/オフ等の操作を行うための操作部33と、環境情報測定装置1からデータを受信するアンテナ34と、アンテナ34による受信信号を増幅及び復調する受信部35と、電源用の高周波電力を生成する電力発生部36と、電力発生部36による高周波電力を電磁波として放射するエレメント37と、コンプレッサ(図示せず)用のモータ38と、ファン用のモータ39と、モータ38を駆動するモータ駆動回路40と、モータ39を駆動するモータ駆動回路41とを備えて構成されている。
【0017】
図1の構成において、環境情報測定装置1は室内の壁面等に設置される。環境情報測定装置1は電池を搭載していないので、電源スイッチは有しない。環境情報測定装置1の動作電源は、空調装置30から放射される高周波電力を受信して直流化することにより確保される。空調装置30が電源オンの状態にあるとき、制御部31は、電力発生部36を動作させ、間欠的にパルス状の高周波電力をエレメント37から放射している。その周波数は、環境情報測定装置1と空調装置30の間の距離に応じて、最適な値が選択されている。この高周波電力は、環境情報測定装置1の電源部10のアンテナによって受信され、直流電力に変換される。この直流電力を電源にしてICチップ20が動作する。温度センサ2によって周囲の温度が検出され、その検出信号はICチップ20によって処理された後、温度データとしてアンテナ3から送信される。
【0018】
空調装置30では、アンテナ34によって環境情報測定装置1からの電波を受信し、受信部35で増幅及び復調が行われる。制御部31は、操作部33から入力された温度設定値と環境情報測定装置1から送信されてきた温度検出値とを比較し、温度検出値が温度設定値より高い場合には、温度設定値になるようにコンプレッサを運転制御する。
【0019】
電源部10は、コイル4との共振をとるためのコンデンサ11と、コイル4の途中に接続されたコンデンサ12と、コンデンサ12の出力側端とコイル4の他端にカソードが接続される整流用のダイオード13と、コンデンサ12の出力側端にアノードが接続された整流用のダイオード14と、ダイオード14のカソードとグランド間に接続された電解コンデンサ15とを備えて構成されている。
【0020】
電源部10は、図1においては、半波倍電圧整流回路の構成を示したが、他の回路、例えば、N倍電圧発生回路、「検波回路+スイッチング電源回路」等を用いて構成することもできる。また、空調装置30側から放射される電磁波が広帯域であったり、低い周波数である場合には、同調をとる必要がないのでコンデンサ11は不要である。
【0021】
ICチップ20は、温度センサ2からの検出信号を処理して温度に比例した電圧を出力する検出回路21と、検出回路21からの検出温度データを変調し、更に所定の周波数への周波数変換及び増幅を行った後、アンテナ3から電波として放射する送信回路22とを備えて構成されている。ICチップ20は、内蔵電池ではなく、外部からのエネルギーを電源部10で検波して得た電源を用いて動作させるため、消費電力は極力小さいことが望ましく、かつ低電圧で動作する構成であることが望ましい。ICチップ20は、例えば5×5×0.3(mm)の大きさであり、温度センサ2、アンテナ3、コイル4、及び電源部10と共に、パッケージに実装されている。パッケージは任意の形状にすることができるが、例えば、樹脂カード(例えば、55×86mmの外形で、厚みは1mm以下)を用いることができる。
【0022】
温度センサ2は、例えばサーミスタが用いられる。サーミスタを用いた場合、検出回路21はブリッジ回路とコンパレータを用いて構成される。なお、温度センサ2は、ICチップ20に内蔵することも可能である。アンテナ3は、樹脂カード内に埋設されたループ状の平面アンテナである。同様に、コイル4も樹脂カード内に埋設された平面アンテナである。
【0023】
図2は、環境情報測定装置1の内部構成を示す。本体は樹脂カード5により構成され、その内部の片隅にICチップ20が実装され、このICチップ20に隣接させて電源部10が実装されている。ICチップ20及び電源部10は、環境情報測定装置1を折り曲げても破損しないように、樹脂カード5の中心部以外に配置するのが好ましい。コイル4は、電源部10に隣接させてコイル状の配線パターンにより形成されている。さらに、温度センサ2は、コイル4と同一平面上にパターン化して形成されているが、サーミスタを形成する材料が用いられる。アンテナ3は、樹脂カード5の周辺を一周するように配線パターンにより形成されている。
【0024】
樹脂カード5の両面は平坦であり、突起物は存在しないが、片面又は両面に印刷や彫刻等を施すことは可能である。また、ICチップ20や電源部10の表面にテスト用の端子等を設け、これを樹脂カード5の表面から露出させることも自由である。
【0025】
環境情報測定装置1は、空調装置30の前面や側面に貼着し、或いは、指定された距離範囲内において自由に設置することができる。例えば、机等の上に置くのみでもよいし、樹脂カード5の裏面に両面接着剤を塗布して壁面に貼着したりすることができる。或いは、環境情報測定装置1のコーナ部に貫通孔を開け、この貫通孔に紐やチェーンを通して壁面に打った釘等にぶら下げる、専用のホルダを壁面に固定し、このホルダに環境情報測定装置1を挿入等して設置する等の設置方法が考えられる。
【0026】
このように、第1の実施の形態による環境情報測定装置1は、電源に電池を必要としないので軽量化及び薄型化が可能になり、かつ接続ケーブルを必要としないので、任意の場所に簡単に設置することができ、軽量であるために両面接着テープや粘着テープで固定したのみでも落下等を招くことがない。また、薄型化が可能になるため、壁面等に装着されていても目立たず、美観を損なうこともない。更に、第1の実施の形態による温度制御システムは、環境情報測定装置1と空調装置30の接続にケーブルを必要としないため、ケーブルの断線による故障を防止できると共に、環境情報測定装置1の設置場所に制約を受けないほか、美観を向上させることができる。
【0027】
図3は、エレメント37から放射される電磁波の波形(a)、電源部10における出力電圧波形(b)、及び送信回路22から送信されるデータ送出タイミング(c)を示す。図1〜図3を参照して、環境情報測定装置1の動作を以下に説明する。
【0028】
空調装置30が電源オンにあるとき、空調装置30は操作部33で設定した条件の基に空調制御が行われている。制御部31は電力発生部36を動作させ、図3の(a)に示す波形の電磁波をアンテナ34から一定間隔に放射させている。電磁波は電波法により法規外の大きなパワーを放射することができない。そこで、所定間隔に大パワーを瞬間的に放射し、このエネルギーを次の電磁波放射まで蓄積することにより、必要な電源を得ている。アンテナ34からの電磁波は、環境情報測定装置1のコイル4によって受信される。コイル4とコンデンサ12がアンテナ34から放射される電磁波の周波数に共振しているとき、コイル4の端子間には最大電圧が得られる。この電圧を電源部10のダイオード14,15で半波倍電圧整流することにより、図3の(b)の様に、電解コンデンサ16の両端には所定の直流電圧が印加される。
【0029】
電源部10により得られた直流電源は、ICチップ20内の各回路に供給される。室内等の雰囲気温度が温度センサ2によって検出され、その検出信号はICチップ20によって処理されることにより温度データが生成される。この温度データは、送信回路22によって、図3の(c)に示すように、電磁波の休止期間中に温度データとしてアンテナ3から送信される。
【0030】
〔第2の実施の形態〕
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る環境情報測定装置の構成を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の環境情報測定装置が温度検出データを送信する機能のみであったのに対し、更に、リモコンの機能を備えるようにしたものである。ただし、環境情報測定装置自身で電源を持たないため、空調装置30を電源オフにすることはできるが、電源オンを行うことはできない。
【0031】
図4に示すように、環境情報測定装置6は、図1に示した温度センサ2と、アンテナ3、コイル4と、電源部10と、検出回路21と、送信回路22と、CPU51と、プログラムが格納されたROM52と、データ等が一時的に格納されるRAM53と、CPU51に接続されたインターフェース回路54と、このインターフェース回路54に接続された操作部55とを備えて構成されている。CPU51によって全体が制御される。温度センサ2、アンテナ3、コイル4、電源部10、検出回路21、及び送信回路22の構成、動作等は、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0032】
環境情報測定装置6は、図2に示した構成の各部材のほか、追加されたCPU51、ROM52、インターフェース(I/F)回路54、及び操作部55がICチップ20に実装された状態で樹脂カード5に実装され、或いは個別の部品として樹脂カード5に搭載される。電源部10は、図1に示した回路により構成されている。
【0033】
図4において、空調装置30が電源オンにあるとき、環境情報測定装置6は空調装置30の電力発生部36から放射される電磁波に基づいて電源部10により直流電源を生成し、カード内の各回路に供給される。電源部10による直流電源によって、CPU51はROM52に格納されたプログラムに従って動作する。操作部55のキーを操作して空調温度を設定すると、その入力情報はI/F回路54を通してCPU51に取り込まれる。一方、温度センサ2及び検出回路21によって雰囲気温度が検出され、そのデータはI/F回路54を介してCPU51によってRAM43に格納される。
【0034】
CPU51は、操作部55による温度設定値と温度センサ2による温度検出値の両方のデータを図3の(c)に示すタイミングでI/F回路54を通して送信回路22に送り、電波にしてアンテナ3から送信する。空調装置30では、温度設定値と温度検出値の2つの情報をアンテナ34及び受信部35を通して受信すると、制御部31により操作部55(又は33)による温度設定値と温度センサ2による温度検出値とを比較し、温度検出値と温度設定値が一致するようにコンプレッサを制御する。例えば、冷房運転を行っていて、温度検出値が温度設定値より高い場合、温度検出値が温度設定値になるようにコンプレッサを運転する。そして、温度検出値が温度設定値を越えるようになれば、コンプレッサを停止する。コンプレッサの運転と停止を繰り返すことにより、温度センサ2の設置雰囲気の温度は所望値に保たれる。
【0035】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、環境情報測定機能による効果(軽量化、薄型化、美観の向上、設置の制約の軽減)のほか、リモコンの機能を備えるため、在来のリモコンのような使い方が可能になり、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0036】
上記各実施の形態においては、環境情報測定装置の温度データの送信対象が空調装置であるとしたが、これは一例に過ぎず、温度データを必要とする全ての電気機器に適用可能である。また、環境情報測定装置の通信手段(温度データの送信)に電波を用いたが、本発明は電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線、超音波等を用いることも可能である。
【0037】
さらに、上記各実施の形態においては、温度センサ2にサーミスタを用いたが、本発明はサーミスタに限定されるものではなく、Pt100Ω測温抵抗箔、熱電対箔等を用いることができる。また、環境情報測定装置1,5の形状はカード形であるとしたが、箱形、楕円形、球形、多角形等、任意の形状にすることができる。また、単体ではなく、美術工芸品、装飾品、家具等に組み込むようにしてもよい。
【0038】
また、上記各実施の形態においては、温度を測定するセンサについて説明したが、本発明は温度に限らず、湿度、大気圧、NOx(窒素酸化物)、二酸化炭素、ダイオキシン濃度、紫外線強度、オゾン濃度、窒素酸化物等のセンサであってもよい。例えば、屋外で上記した様な情報を測定する場合、従来は測定装置とセンサ部をケーブル等で接続することは不可欠であったが、ワイヤレスにすることが可能になり、設置の自由度の向上、測定準備の時間短縮等が図れ、また、ケーブル断線等に基づく障害の発生を防止することができる。そして、データ送信は、1種に限らず、同時に複数の異なる測定データ(温度と湿度等)を送信するようにすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明に係る環境情報測定装置によれば、検出素子と、この検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、この測定信号を無線により送信するICチップ部と、無線により外部から付与される電気的エネルギーを直流電圧に変換して前記ICチップ部に電源として供給する電源部とを備えると共に、これらをパッケージにより一体化したので、データの送出及び電源確保のためにケーブル類を必要とせず、内蔵電池も必要としないので、室内温度測定等の一般的な使用が可能になり、設置の自由度が向上し、ICチップの使用及び1パッケージ化により小型化が図れるほか、電池交換が不必要になる。
【0040】
また、本発明に係る温度制御システムによれば、検出素子、ICチップ部、アンテナ、電源部をパッケージにより一体化した環境情報測定装置と、受信部、制御部、電磁波を生成する電力発生部、電磁波を放射するエレメントを具備する冷熱源発生装置とを備え、環境情報測定装置では、1パッケージ化により小型化及びワイヤレス化が可能になるために設置上の制約がなくなり、電源部が冷熱源発生装置から付与される電磁エネルギーに基づいて生成した直流電圧をICチップ部に電源として供給することにより、内蔵電池が不要になると共に外部から電源供給を受ける必要がなくなり、かつ小型化が可能になる。また、冷熱源発生装置においては、環境情報測定装置とのケーブル接続が不要になるため、ケーブルの接続不良や断線に伴うトラブルが発生しなくなる。また、美観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る環境情報測定装置、及びこの環境情報測定装置が適用される空調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】環境情報測定装置の内部構成を示す断面図である。
【図3】電力用の電磁波の波形(a)、電源部10における出力電圧波形(b)、及び環境情報測定装置側から送信されるデータの送出タイミング(c)を示す波形図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る環境情報測定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,6 環境情報測定装置
2 温度センサ
3 アンテナ
4 コイル
5 樹脂カード
10 電源部
20 ICチップ
21 検出回路
22 送信回路
30 空調装置
31 制御部
32,54 インターフェース(I/F)回路
33 操作部
34 アンテナ
35 受信部
36 電力発生部
37 エレメント
38,39 モータ
40,41 モータ駆動回路
51 CPU
52 ROM
53 RAM
55 操作部
Claims (6)
- 設置雰囲気における温度、湿度、気圧等の環境情報の少なくとも1つを検出する検出素子と、
前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、
無線により外部から付与される電気的エネルギーを誘導結合等によって受電して直流電圧に変換してから前記ICチップ部に電源として供給する電源部と、
前記検出素子、前記ICチップ部、及び前記電源部を一体化して収容するパッケージとを備える環境情報測定装置。 - 前記パッケージは、カード形を成していることを特徴とする請求項1記載の環境情報測定装置。
- 前記ICチップ部は、前記検出素子の検出結果に基づいた電圧を生成する検出回路と、
前記検出回路の出力を電波にして送信する送信回路を備えることを特徴とする請求項1記載の環境情報測定装置。 - 前記ICチップ部は、前記測定信号の受信先の機器を遠隔制御する操作部を備えることを特徴とする請求項1記載の環境情報測定装置。
- 設置場所の雰囲気温度を検出する検出素子と、前記検出素子の出力を処理して測定信号を生成し、前記測定信号を無線により送信するICチップ部と、前記ICチップ部による送信出力を電波として放射するアンテナと、無線により外部から付与された電磁エネルギーを直流電圧に変換して前記ICチップ部に電源として供給する電源部をパッケージにより一体化した環境情報測定装置と、
前記環境情報測定装置からの前記測定信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した測定信号に基づいて前記雰囲気温度を制御する制御部と、前記電磁エネルギーとしての電磁波を発生する電力発生部と、前記電力発生部による前記電磁波を放射するエレメントとを具備する冷熱源発生装置とを備えた温度制御システム。 - 前記環境情報測定装置は、前記冷熱源発生装置を遠隔制御する操作部を備えることを特徴とする請求項5記載の温度制御システム。
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