JP2004333095A - 上部供給式複ドラム乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸線を水平にして水平方向へ所要間隙を存して配設した内転式の2本の加熱ドラム1と、両加熱ドラムの外側上方に配設されてそれぞれの加熱ドラムの外周面に下端が摺接するスクレーパナイフ2とを有する上部供給式複ドラム乾燥機において、前記両加熱ドラムの下方にそれらの軸線と平行にそれぞれ配設され、各加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品P′に気体を吹き付ける第1のガスノズル3を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分を含む原料をフィルム状の乾燥品とする上部供給式複ドラム乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の上部供給式複ドラム乾燥機は、図9に示すように、フレーム(図示せず)内の上部に軸線を水平にして水平方向へ所要間隙(0.1〜0.3mm)を存して配設され、加熱加圧蒸気(温度:120〜140℃程度、蒸気圧:1〜5kg/cm2G程度)によって加熱される内転式の2本の加熱ドラム31と、両加熱ドラム31の外側上方に配設されてそれぞれの加熱ドラム31の外周面に下端が摺接するスクレーパナイフ32とを有している。
図9において33は排出シュートである。
【0003】
上記上部供給式複ドラム乾燥機において、両加熱ドラム31の中央上部に投入された水分を含む原料M、例えば、デンプン質を多く含む食品ごみは、両加熱ドラム31の微速回転(1rpm 程度)に伴って両者の間隙に噛み込まれ圧延されてフィルム状の未乾燥品P′となり、各加熱ドラム31の高温のドラム外周面に付着しながら乾燥された後、スクレーパナイフ32に掻き取られてフィルム状の乾燥品Pとなり、排出シュート33を経て機外へ排出されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上部供給式複ドラム乾燥機では、フィルム状の未乾燥品P′をドラム外周面に付着させる力は、未乾燥品P′が含む水分によるドラム外周面に対する液体架橋によるところが大きく、乾燥が進むにつれて付着力が弱まりついには、図10に示すように、未乾燥品P′がドラム外周面から剥離する場合がある。
剥離した状態において乾燥が十分に進行していればよいが、ドラム外周面の温度が高い場合には、未乾燥品P′におけるドラム外周面に接する面のみが急速に乾燥して付着力を失い、十分な乾燥作用を受けぬままドラム外周面から剥離し、結果、未乾燥となる不具合がある。
又、図11に示すように、スクレーパナイフ32により掻き取られたフィルム状の乾燥品Pが、ドラム外周面にて乾燥中のフィルム状の未乾燥品P′に接触することにより乾燥品Pと未乾燥品P′間で付着が起こり、塊状又はロール状になって成長することにより、機内で閉塞し連続運転を困難にする不具合もある。
【0005】
そこで、本発明は、水分を含む原料を十分な乾燥度のフィルム状の乾燥品とし得る上部供給式複ドラム乾燥機の提供を主課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の上部供給式複ドラム乾燥機は、軸線を水平にして水平方向へ所要間隙を存して配設した内転式の2本の加熱ドラムと、両加熱ドラムの外側上方に配設されてそれぞれの加熱ドラムの外周面に下端が摺接するスクレーパナイフとを有する上部供給式複ドラム乾燥機において、前記両加熱ドラムの下方にそれらの軸線と平行にそれぞれ配設され、各加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品に気体を吹き付ける第1のガスノズルを備えることを特徴とする。
【0007】
一方、第2の上部供給式複ドラム乾燥機は、第1のものにおいて、前記両加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品とそれぞれのスクレーパナイフによって掻き取られて下降するフィルム状の乾燥品との間に位置するようにして両加熱ドラムの外側方にそれらの軸線と平行にそれぞれ配設され、気体を吹き出す第2のガスノズルを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】
第1の上部供給式複ドラム乾燥機においては、フィルム状の未乾燥品が、乾燥を助長されつつドラム外周面からの剥離を防止される。
【0009】
加熱ドラムの周方向における第1のガスノズルの気体の吹付け範囲は、両加熱ドラムの外周の下半分が好ましく、特に好ましい範囲は、両加熱ドラムの外周の真下から内側(他方の加熱ドラム側)へ1/4周の間である。
又、加熱ドラムの軸方向における第1のガスノズルの気体の吹き付け範囲は、両加熱ドラムの軸方向の全長に亘って連続的でも断続的でもよい。
更に、気体としては、乾燥した空気や蒸気等が用いられ、その温度は、常温でもよいが、未乾燥品の外表面(加熱ドラムに接していない側の面)で40〜50℃程度であることが好ましく、かつ、気体の速度は、5〜20m/sが好ましく、より好ましくは5〜10m/sである。
【0010】
一方、第2の上部供給式複ドラム乾燥機においては、第1のものによる作用の他、フィルム状の乾燥品が、加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品に付着するのを防止される。
【0011】
第2のガスノズルによるその軸線回りの気体の吹出し方向は、軸線を中心とする任意の全ての方向であってもよいが、真下に垂直に向う方向から乾燥品に水平に向う方向までの間の任意の方向が好ましい。
又、第2のガスノズルによる軸方向における気体の吹出し範囲は、軸方向の全長に亘って連続的でも断続的でもよい。
更に、気体としては、乾燥した空気や蒸気等が用いられ、その温度は常温でもよいが、乾燥品の表面で40〜50℃程度であることが好ましく、かつ、気体の速度は、1〜10m/sが好ましく、より好ましくは1〜5m/sである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る上部供給式複ドラム乾燥機の実施の形態の一例を示す模式図である。
【0013】
図中1はフレーム(図示せず)内の上部に軸線を水平にして水平方向へ所要間隙(好ましくは0.05〜0.5mm程度、より好ましくは0.1〜0.3mm程度)を存して平行に配設された内転式の2本の加熱ドラムで、両加熱ドラム1は、加熱加圧蒸気によって加熱されると共に、同期して微速回転(好ましくは0.5〜1.5rpm 程度、より好ましくは1rpm 程度)され、かつ、間隙調整可能に設けられている。
両加熱ドラム1の外側上方には、スクレーパナイフ2がそれぞれ配設されており、各スレクーパナイフ2の下端は、それぞれの加熱ドラム1の外周面に摺接するように設けられている。
【0014】
又、両加熱ドラム1の下方には、図1、図2に示すように、後述するように各加熱ドラム1の外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品に、乾燥した所要温度の気体(例えば、乾燥した40℃程度の空気)を所要の速度(例えば、5〜20m/s、特に好ましくは5〜10m/s)で吹き付ける第1のガスノズル3が、加熱ドラム1の軸線と平行にそれぞれ配設されている。
両加熱ドラム1の周方向における各第1のガスノズル3の気体の吹付け範囲は、図1に示すように、両加熱ドラム1の外周の下半分に亘る範囲A1 が好ましく、特に好ましい範囲は、両加熱ドラム1の外周の真下から内側(他方の加熱ドラム側)へ1/4周の間に亘る範囲A2 である。
又、両加熱ドラム1の軸方向における第1のガスノズル3の気体の吹付け範囲は、図3に示すように、軸方向の全長に亘る連続的な範囲A3 であってもよく、あるいは、図4に示すように、軸方向の全長に亘る断続的な範囲A4 であってもよい。
【0015】
更に、両加熱ドラム1の外側方には、図1、図5に示すように、乾燥した所要温度の気体(例えば、乾燥した30℃程度の空気)を、所要の速度(例えば、1〜10m/s、より好ましくは1〜5m/s)で吹き出す第2のガスノズル4が、後述するように両加熱ドラム1の外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品とそれぞれのスクレーパナイフ2によって掻き取られて下降するフィルム状の乾燥品との間に位置するようにして、各加熱ドラム1の軸線と平行にそれぞれ配設されている。
第2のガスノズル4によるその軸線回りの気体の吹出し方向は、図6に示すように軸線を中心とする任意の全ての方向D1 であってもよいが、真下に垂直に向う方向から乾燥品に水平に向う方向までの間の任意の方向D2 が好ましい。
又、第2のガスノズル4によるその軸方向における気体の吹出し範囲は、図7に示すように、軸方向の全長に亘る断続的な範囲A5 であってもよく、あるいは、図8に示すように、軸方向の全長に亘る連続的は範囲A6 であってもよい。
図1、図5においては5は排出品シュートである。
【0016】
上記上部供給式複ドラム乾燥機において、図1に示すように、両加熱ドラム1の中央上部に水分を含む原料M、例えば、デンプン質を多く含む食品ごみを投入すると、原料Mは、両加熱ドラム1の微速回転によって両者の間隙に噛み込まれ圧延されてフィルム状の未乾燥品P′となり、各加熱ドラム1の高温の外周面に付着して乾燥されると共に、各第1のガスノズル3から吹き付けられる気体により外表面の乾燥を助長されつつドラム外周面からの剥離を防止される。
上記第1のガスノズル3から吹き付けられる気体による未乾燥P′の外表面の乾燥の助長は、両加熱ドラム1の間隙下方の空間に、各加熱ドラム1による加熱作用で蒸発した水分が蓄積するのを気体が吹き払って、湿度が上がるのを防ぎ、加熱作用による蒸発を助けることにより行われ、気体が40℃程度とやや高温の場合に、未乾燥品P′の外表面への対流伝熱が加わる。
そして、各加熱ドラム1の微速回転に伴ってそれぞれのスクレーパナイフ2に至ると、ドラム外周面から掻き取られフィルム状の乾燥品Pとなって下降するが、その乾燥品Pは、第2のガスノズル4から吹き出す気体によって、加熱ドラム1の外周面に付着している未乾燥品P′に付着するのを防止されて下降し、排出シュート5を経て機外へ排出される。
【0017】
なお、上述した実施の形態においては、第1、第2のガスノズル3,4とも、1本の管に軸方向の1本のスリット又は多数の丸孔を設けて形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1本の管における母線上に多数の細管を所要間隔で軸線と直角に挿着し、各細管の先端に市販のノズルを装着し、気体の噴出量、噴出形態(噴出角度、円錐形や扇形等の噴出形状)を個々に調整できる構造のものとしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の上部供給式複ドラム乾燥機によれば、フィルム状の未乾燥品が、乾燥を助長されつつドラム外周面からの剥離を防止されるので、水分を含む原料を十分な乾燥度のフィルム状の乾燥品とすることができる。
【0019】
又、第2の上部供給式複ドラム乾燥機によれば、第1のものによる作用効果の他、フィルム状の乾燥品が、加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品に付着するのを防止されるので、機内閉塞が生じることなく安定した運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上部供給式複ドラム乾燥機の実施の形態の一例を示す模式図である。
【図2】図1の上部供給式複ドラム乾燥機における第1のガスノズル部分の拡大図である。
【図3】図2における第1のガスノズルによる軸方向における気体のより好ましい吹付け範囲の一例を示す説明図である。
【図4】図2における第1のガスノズルによる軸方向における気体のより好ましい吹付け範囲の他の例を示す説明図である。
【図5】図1の上部供給式複ドラム乾燥機における第2のガスノズル部分の拡大図である。
【図6】図5における第2のガスノズルによる軸線回りの気体の吹出し方向を示す説明図である。
【図7】図5における第2のガスノズルによるその軸方向における気体の吹出し範囲の一例を示す説明図である。
【図8】図5における第2のガスノズルによるその軸方向における気体の吹出し範囲の他の例を示す説明図である。
【図9】従来の上部供給式複ドラム乾燥機の模式図である。
【図10】図9の上部供給式複ドラム乾燥機におけるドラム外周面からの未乾燥品の剥離状態を示す説明図である。
【図11】図9の上部供給式複ドラム乾燥機における乾燥品と未乾燥品の付着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加熱ドラム
2 スクレーパナイフ
3 第1のガスノズル
4 第2のガスノズル
5 排出シュート
M 原料
P 乾燥品
P′ 未乾燥品
Claims (2)
- 軸線を水平にして水平方向へ所要間隙を存して配設した内転式の2本の加熱ドラムと、両加熱ドラムの外側上方に配設されてそれぞれの加熱ドラムの外周面に下端が摺接するスクレーパナイフとを有する上部供給式複ドラム乾燥機において、前記両加熱ドラムの下方にそれらの軸線と平行にそれぞれ配設され、各加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品に気体を吹き付ける第1のガスノズルを備えることを特徴とする上部供給式複ドラム乾燥機。
- 前記両加熱ドラムの外周面に付着しているフィルム状の未乾燥品とそれぞれのスクレーパナイフによって掻き取られて下降するフィルム状の乾燥品との間に位置するようにして両加熱ドラムの外側方にそれらの軸線と平行にそれぞれ配設され、気体を吹き出す第2のガスノズルを備えることを特徴とする請求項1記載の上部供給式複ドラム乾燥機。
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JP2003133215A JP3832832B2 (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 上部供給式複ドラム乾燥機及び上部供給式複ドラム乾燥機による乾燥方法 |
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