JP2004332564A - エンジンの始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はエンジン始動制御装置に関し、エンジン始動時において、そのエンジン停止時間にかかわらず安定した回転数でエンジンを運転することができるようにする。
【解決手段】エンジン4の出力を制御するエンジン出力制御手段2と、エンジン4の始動時に、モータ6を作動させてエンジン4を始動させる始動制御手段1と、エンジン4の停止時間を計測する停止時間計測手段10と、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間に応じてエンジン4の始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段8とを有し、エンジン出力制御手段2が、エンジン4の始動時に、目標エンジン出力設定手段8によって設定された上記始動時の目標エンジン出力となるようにエンジン4の出力を制御するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン4の出力を制御するエンジン出力制御手段2と、エンジン4の始動時に、モータ6を作動させてエンジン4を始動させる始動制御手段1と、エンジン4の停止時間を計測する停止時間計測手段10と、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間に応じてエンジン4の始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段8とを有し、エンジン出力制御手段2が、エンジン4の始動時に、目標エンジン出力設定手段8によって設定された上記始動時の目標エンジン出力となるようにエンジン4の出力を制御するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドルストップ機能を有する車両に用いて好適の、エンジンの始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃費向上や排気ガス低減を目的として、信号待ちや踏み切り待ちなどの車両停車中に所定の条件を満たすとアイドル運転中のエンジンを停止させるとともに、その後、所定の再始動条件を満たすとエンジンを始動させるようにした、いわゆるアイドルストップ制御が広く知られている。
【0003】
ところで、このようなアイドルストップ制御では、エンジンの再始動直後にはアクセルペダルの過度の踏み込みに起因する回転数の急上昇が生じる場合がある。このため、始動後のエンジンの運転を安定させる技術が知られており、例えば、特許文献1には、エンジン温度に応じて吸入空気量を変更することでファーストアイドル回転数を制御し、上述のようなエンジン再始動時の急激なエンジン回転数上昇を抑制できるようにした技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−115586号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの再始動直後には、上述のような現象以外にもエンジンの回転数が大きく低下して、エンジンの運転が不安定になるという現象もある。この現象をより具体的に説明すると、アイドルストップ後に再始動したエンジンは、アイドルストップ時間(即ち、エンジンの停止時間)Sの長さに応じて、その回転数の低下量が異なることが本願発明者の実験によって判明した。例えば、図6はエンジンの出力軸に接続されたモータによってエンジンをN1rpmまでモータリング(クランキング)した後にファイアリングを行なってエンジンを再始動させた場合のエンジン回転数の変化を示す図であるが、図示するように、ファイアリング後、アイドルストップ時間Sが5秒であった場合のエンジン回転数Neは略モータリング回転数(目標アイドル回転数)N1のままであるが、アイドルストップ時間Sが20秒であった場合にはモータリング回転数N1から約180rpm低下し、また、アイドルストップ時間Sが60秒であった場合にはモータリング回転数N1から約200rpm低下してしまっていることがわかる。なお、図6に示すように、このときのインテークマニホールドの負圧は、アイドルストップ時間Sに関係なく略同じであり、エンジン回転数Neの低下はこの負圧に起因するものではないことがわかる。
【0006】
また、本願発明者による別の実験によれば、アイドルストップ時間Sの長さとエンジン回転数Neの低下量は図7に示すような関係であることがわかった。つまり、始動直後のエンジン回転数Neは、アイドルストップ時間Sが約30秒までは略線形に低下するが、アイドルストップ時間Sが約30秒を越えるとエンジン回転数Neの低下量は殆ど変化せずに目標アイドル回転数N1から約200rpm低下した回転数でアイドル運転を行なうことが判明した。
【0007】
したがって、エンジン停止時間Sが比較的長い場合を基準としてエンジン始動後の目標アイドル回転数をあらかじめ高くなるように設定したとしても、エンジン停止時間Sが短い場合に、エンジンの回転数は過度に上昇してしまう。一方、エンジン停止時間Sが短い場合を基準としてエンジン始動後の目標アイドル回転数を、設定したとしても、エンジン停止時間Sが長い場合に生ずる大幅なエンジン回転数の低下は避けられない。
【0008】
なお、上述した特許文献1の技術は、エンジン再始動時の回転数低下を抑制するものではなく、上述の課題を解決しうるものではない。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、エンジン始動時にそのエンジン停止時間にかかわらずエンジン回転数を安定させることができる、エンジンの始動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、エンジンの出力軸に接続されて該出力軸にトルクを付与可能なモータをそなえた車両におけるエンジンの始動制御装置であって、該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、
該エンジンの始動時に、該モータを作動させて該出力軸にトルクを付与して該エンジンを始動させる始動制御手段と、該エンジンの停止時間を計測する停止時間計測手段と、該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間に応じて、該エンジンの始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段とを有し、該エンジン出力制御手段は、該エンジンの始動時に、該目標エンジン出力設定手段によって設定された上記始動時の目標エンジン出力となるように該エンジンの出力を制御することを特徴としている。
【0010】
これによりエンジン停止時間に応じて、始動時におけるエンジン出力を変化させることができ、始動時にエンジンを安定して運転することが可能となる。
また、請求項2記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、上記請求項1記載の構成において、該エンジン出力制御手段は、該エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段を有し、該吸入空気量制御手段は、該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間が長いときには、吸入空気量を増大させることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、上記請求項1記載の構成において、該エンジンの始動開始から所定時間経過後、該エンジン出力設定手段は、該エンジンの出力を上記の始動時の目標エンジン出力から通常運転時の目標エンジン出力へ徐々に復帰させることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエンジンの始動制御装置について図1〜図5を用いて説明すると、図1はその構成を示す模式的なブロック図、図2は本発明が適用される車両の駆動系機器を示す模式図、図3はその目標ETV開度マップ、図4はその作用を説明する模式的なタイムチャート、図5はその動作について説明するフローチャートである。
【0013】
本発明の一実施形態にかかるエンジンの始動制御装置は、図1に示すように、ECU(エンジン制御手段)20をそなえ、このECU20は、始動制御手段1とエンジン出力制御手段2とをそなえている。
また、本実施形態では、図2に示すような、いわゆるISA(Integrated Starter Alternator)システムを採用したハイブリッド自動車(車両)3に本発明が適用されている。このハイブリッド自動車3は、エンジン4とトランスミッション(例えば、マニュアルトランスミッション)5との間に駆動モータ(M/G)6が直列に配設されている。また、エンジン4にはスタータモータ(モータ)7が付設されている。なお、以後、単に「モータ」という場合は、この駆動モータ6を指す。
【0014】
また、駆動モータ6の出力軸とエンジン4の出力軸とは機械的に接続されており、駆動モータ6が電力供給を受けて駆動することによりエンジン4の駆動力をアシストするようになっている。また、駆動モータ6を発電機として機能させることで回生ブレーキを作動させ、運動エネルギーを電力として回生できるようになっている。
【0015】
また、このハイブリッド自動車3は、停止時に所定のエンジン停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止後に所定の再始動条件が成立するとエンジンを自動的に再始動させる、いわゆるアイドルストップ機能をそなえた車両となっている。
上述の始動制御手段1は、図1に示すように、エンジン出力制御手段2、エンジン4、駆動モータ6のそれぞれに電気的に接続され、エンジン4の始動に際してエンジン出力制御手段2、駆動モータ6、エンジン4の点火装置(図示略)を統合的に制御するようになっている。また、この始動制御手段1には、目標エンジン出力設定手段8、ファイアリング制御手段9、停止時間計測手段10、駆動モータ制御手段11が内蔵されている。
【0016】
このうち、停止時間計測手段10は、エンジン4が停止してから再始動されるまでのエンジン停止時間Sを計測するタイムカウンタである。なお、この停止時間計測手段10によれば、エンジン4の出力軸の回転数Neがゼロになった時点でエンジン停止と判定してエンジン停止時間Sの計測を開始し、一方、駆動モータ6がエンジン4に対してモータリング(クランキング)を開始した時点でエンジン4が再始動を開始したと判定してエンジン停止時間Sの計測を終了するようになっている。
【0017】
駆動モータ制御手段11は、所定のエンジン再始動条件が成立してオートスタート制御手段(図示略)からのエンジンスタート信号を受信した場合に、駆動モータ6を駆動させてエンジン4の出力軸にトルクを付与してエンジン4のモータリングを行なうようになっている。
ファイアリング制御手段9は、駆動モータ制御手段11によるエンジン4のモータリングと同期して、エンジン4の点火装置に対して点火制御(ファイアリング)を行なうものである。
【0018】
目標エンジン出力設定手段8は、エンジン4の目標出力としての目標ETV開度VTを設定し、エンジン出力制御手段2へ出力するものである。なお、本実施形態においては、エンジン4のスロットルバルブ(図示略)を制御するシステムとして、電子制御によりその開度を変更可能な、いわゆるドライブバイワイヤシステムが適用されており、このシステムにおけるスロットルバルブを以下、ETVと略す。
【0019】
また、上述の目標エンジン出力設定手段1は、第1目標ETV開度マップ12(以後、単に「目標ETV開度マップ」という場合は、この「第1目標ETVマップ」の意)と第2目標ETV開度マップ13とを内蔵している。
このうち、第1目標ETV開度マップ12は、エンジン4の再始動時の目標ETV開度を設定するマップであって、図3に示すように、エンジン4の停止時間Sに応じて、エンジン再始動直後の目標ETV開度VT1を設定するようになっている。また、第2目標ETV開度マップ13は、通常運転時(エンジン再始動時以外)のエンジン4の目標ETV開度VT2を設定するマップである。
【0020】
つまり、始動制御手段1は、エンジン4の再始動直時には、第1目標ETV開度マップ12によって設定された目標ETV開度VT1を目標エンジン出力として設定し、エンジン出力制御手段2へ送信するようになっている。一方、通常運転時には、始動制御手段1が第2目標ETV開度マップ13によって設定された目標ETV開度VT2を目標エンジン出力として設定し、エンジン出力制御手段2へ送信するようになっている。
【0021】
エンジン出力制御手段2は、始動制御手段1によって設定された目標エンジン出力をエンジン4が実際に出力するように、エンジン4を制御するものである。具体的には、このエンジン出力制御手段2にはETV制御部(吸入空気量制御手段)14が内蔵され、エンジン4に付設されたETV(図示略)が始動制御手段1によって設定された目標ETV開度VTとなるように、このETV制御部14によりETVアクチュエータ(図示略)が制御されるようになっている。
【0022】
なお、ECU20には、上述したように、図示しないオートスタート制御手段がそなえられており、例えば、エンジン4の自動停止(アイドルストップ)時にブレーキペダル操作が解除されたり、クラッチペダル(図示略)が踏み込まれたりして、エンジン4の再始動条件が成立するとエンジン4を再始動させるようになっている。
【0023】
ここで、再度、本願発明が解決する課題について簡単に説明すると、アイドルストップ後に再始動されたエンジンは、再始動前に停止していた時間(アイドルストップ時間)Sの長さに応じて、その回転数が低下する。例えば、図6はエンジン始動時にN1rpmまでモータリングした後にファイアリングを行なった場合のエンジン回転数Neの変化を示す図であるが、この図6で示すように、ファイアリング後、エンジン停止時間Sが5秒であった場合のエンジン回転数Neは殆どモータリング回転数(目標アイドル回転数)N1のままであるが、エンジン停止時間Sが20秒であった場合のエンジンはモータリング回転数N1から約180rpm低下し、また、エンジン停止時間が60秒であった場合のエンジンはモータリング回転数N1から約200rpm低下してしまっていることがわかる。
【0024】
この現象をまとめると、再始動直前のエンジンが停止していた時間Sの長さが長いほど、エンジンの油温が低下して、これによりエンジンオイルの粘性が大きくなったり、ピストン周りのエンジンオイルが落下してシリンダライナとの間のエンジンオイル量が減少することでピストンの摺動抵抗が増大したりして、フリクションが高くなっていると考えられる。そして、この結果、再始動時に生じるエンジン回転数Neの低下がエンジン停止時間Sに応じて大きくなるものと考えられる。
【0025】
本願発明はこのような点に着目してなされたものであり、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間に応じて、再始動される時の目標エンジン出力(目標ETV開度VT1)が設定されるようになっている。そして、始動制御手段1は、始動時の目標ETV開度VT1を目標エンジン出力(目標ETV開度VT)として設定後エンジン出力制御手段2へ送信し、これを受けたエンジン出力制御手段2のETV制御部14が、目標ETV開度VTに基づいて、エンジン4に付設されたETV(図示略)を駆動するETVアクチュエータ(図示略)を制御することで、エンジン4の出力を制御するようになっているのである。
【0026】
また、図7に示すように、再始動時のエンジン回転数Neの低下、再始動前のエンジン停止時間Sが長いほど大きい傾向にある。そこで、第1目標ETV開度マップ12は、この図7に示すエンジン回転数Neの低下傾向とは反対の特性、即ち、図3に示すようにエンジン停止時間Sが長いほど目標ETV開度VT1が大きくなるようなマップとして設定されている。これにより、目標エンジン出力設定手段8は、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間が長いときには吸入空気量を増大するように、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTを設定できるようになっているのである。
【0027】
また、上述したように、エンジン停止時間Sに応じて再始動時のエンジン回転数Neの低下は大きく異なるが、図6を使って説明したように、エンジンのファイアリング後、所定時間(例えば30秒)経過すると、エンジン回転数Neは目標アイドル回転数へ概ね収束する。このため、第1目標ETV開度マップ12によって設定された始動時の目標エンジン出力は、ファイアリング後に所定時間が経過すると、第2目標ETV開度マップ13によって設定された通常運転時の目標エンジン出力へ徐々に復帰するようになっており、これにより、再始動時のエンジン出力制御から通常運転時のエンジン出力制御へ、制御モードの移行を滑らかに行なうことができるようになっている。
【0028】
本発明のエンジンの始動制御装置は上述のように構成されており、以下、その作用を図4のタイムチャートを用いて説明すると、エンジン4の回転数Neが駆動モータ6によってモータリング回転数N1まで引き上げられ、始動制御手段1のファイアリング制御手段9によってファイアリングが実行される。このとき、始動制御手段1の停止時間計測手段10によってエンジン4が再始動する前に停止していた時間(即ち、エンジン停止時間)Sに応じて、始動時の目標ETV開度V1が、目標エンジン出力設定手段8の第1目標ETV開度マップ12によって求められ、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTが設定される。
【0029】
具体的な例としては、図4に示すように、ファイアリング開始後の目標ETV開度VT(図4中では、目標ETV開度VTに対応するETVアクチュエータへの印加電圧)は、本願の制御がない場合には約V1(図示略)であるのに対し、再始動前にエンジン4が5秒間停止していた場合の電圧は約V2(>V1)[V]に設定され、20秒間停止していた場合の電圧は約V3(>V2)[V]に設定され、また、60秒間停止していた場合の電圧は約約V4(>V3)[V]に設定されている。
【0030】
このようにエンジン4の停止時間に応じて目標ETV開度VTを設定することにより、ファイアリング後、エンジン4の回転数Neは低下せず、エンジン4は目標アイドル回転数N1を略維持しながら安定して運転することができる。
さらに、図5に示す動作フローを使って、本発明の作用を説明すると、まず、エンジン4が停止すると(ステップS1のYesルート参照)、停止時間計測手段10によってエンジン4の停止時間Sが計測される(ステップS2参照)。なお、エンジン4が停止していない場合には、ステップS1からNoルートを辿ってステップS6へ進み、通常運転時の目標ETV開度VT2に基づいてエンジン4が運転される。
【0031】
ステップS2においてエンジン4の停止時間Sがカウントされた後、ステップS3において、ブレーキペダルの踏み込み解除やクラッチペダルの踏み込みなどの所定の再始動条件が成立して、エンジン4が再始動されると、(ステップS3のYesルート参照)、ステップS2において計測されたエンジン4の停止時間Sに基づいてエンジン4の始動時における目標ETV開度VT1が設定される(ステップS4参照)。そして、この再始動条件が成立せず、エンジン4が再始動しない場合には、再始動するまでエンジン停止時間Sをカウントする(ステップS3のNoルート参照)。
【0032】
ステップS4において、第1目標ETV開度マップ12によってエンジン再始動時の目標ETV開度VT1が求められると、この目標ETV開度VT1がETV制御部14へ送信される。そして、駆動モータ6によってエンジン4がモータリングされてエンジン回転数がモータリング回転数N1まで上昇されると、ファイアリング制御手段によってファイアリングが実行される。そして、ETV制御部14によってエンジン4に付設されたETVの開度を目標ETV開度VT(この場合は始動時の目標ETV開度VT1)とする制御が行なわれる(ステップS5参照)。
【0033】
その後、ファイアリング開始から所定時間(本実施形態においては30秒)が経過すると、目標エンジン出力設定手段8は、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTを、始動時の目標ETV開度VT1から通常運転時の目標ETV開度V2へ徐々に移行させる。そして、目標エンジン出力設定手段8が、上記の移行が完了した後、通常運転時の目標ETV開度VT2を目標エンジン出力としての目標ETV開度VTとして設定し、これに基づいてエンジン出力制御手段2はエンジン4を制御して運転する(ステップS6参照)。
【0034】
上述のような構成および作用により、再始動前のエンジン4が停止していた時間Sに応じてエンジン4の出力を変化させることができ、エンジン停止時間の長短にかかわらず、再始動時に安定してエンジン4を運転することが可能となる。
より具体的には、再始動前のエンジン4が停止していた時間Sが長くなるにしたがって、再始動時のエンジン4に対する吸入空気量を増大させることで、容易に始動時の目標エンジン出力を設定することができるので、再始動時にエンジン4を安定して運転することができる。
【0035】
また、再始動時用に設定された目標エンジン出力(目標ETV開度VT1)を、ファイアリング開始から所定時間経過後に通常運転時用の目標エンジン出力(目標ETV開度VT2)へ徐々に復帰させることができるので、乗員に違和感を与えることなく、目標エンジン出力の制御モードを滑らかに切り替えることができる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば上記の実施形態においては、本発明をいわゆるISAタイプのハイブリッド自動車に適用した場合について説明したが、本発明はハイブリッド電気自動車のみに適用されるものではなく、モータ(一般的にはスタータモータ)によって始動されるエンジンにも広く適用できる。
【0037】
また、スタータモータを排して、駆動モータにスタータモータの機能を兼用させたハイブリッド自動車も広く知られているが、本発明のエンジンの始動制御装置を、このようなスタータモータを有さないハイブリッド電気自動車に対して適用してもよい。また、この場合、モータの出力軸とエンジンの出力軸が直接接続されたもの以外にも、例えばギアやベルト等の出力伝達手段を介して接続されたものを含むのは言うまでもない。また、モータとエンジンとの間にクラッチ等の駆動力断接手段が設けられているようなハイブリッド電気自動車にも当然に適用可能である。
【0038】
また、上述の実施形態において、トランスミッションをマニュアルトランスミッションとしたが、当然にCVTや遊星歯車機構によるオートマチックトランスミッションなどであってもよい。この場合、エンジンのアイドルストップ制御におけるエンジン停止条件やエンジン再始動条件をマニュアルトランスミッションの場合と異なるが、これらのエンジン停止条件やエンジン再始動条件については一般的に知られた技術であるので、その詳しい説明を省略する。
【0039】
また、上述の実施形態においては、アイドルストップ制御によってエンジンが一時的に停止された後に始動された場合、即ち、エンジンが再始動された場合を中心に説明したが、これに限定するものではない。例えば、駐車時にエンジンが停止され、数時間後、車両の発進に伴ってエンジンが始動されたような場合、即ち、一般的なエンジン始動時においても本発明のエンジン始動制御装置は有効に機能を発揮することができる。
【0040】
また、上述の実施形態においては、アイドルストップ機能を有する車両について説明したが、このような場合に限定するものではなく、アイドルストップ機能を有さない通常の車両に本発明に係るエンジンの始動制御装置を適用してもよい。この場合、例えば、車両が信号待ちのために運転者が手動でエンジンを停止させ、その後、運転者が手動でエンジンを再始動させた場合であっても、本発明のエンジン始動制御装置は有効に機能を発揮することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のエンジンの始動制御装置によれば、エンジン始動時において、エンジン停止時間の長短にかかわらず、安定した回転数でエンジンを運転制御することができる。つまり、再始動前に停止していたエンジンの停止時間を計測する停止時間計測手段や、この停止時間計測手段によって計測されたエンジンの停止時間に応じて始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段等をそなえているので、エンジン停止時間に応じてエンジン出力を変化させることができ、再始動時のエンジンを安定して運転することが可能となる(請求項1)。
【0042】
また、エンジン出力制御手段は、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段を有し、また、目標エンジン出力設定手段は、停止時間計測手段によって計測されたエンジンの停止時間が長いほど、吸入空気量制御手段による吸入空気量を増大するように設定しているので、容易に再始動時の目標エンジン出力を設定することができ、エンジンの始動時に安定してエンジンを運転することが可能となる(請求項2)。
【0043】
また、再始動時に設定された目標エンジン出力を、始動開始から所定時間経過後に通常の目標エンジン出力へ徐々に復帰させることができるので、乗員に違和感を与えることなく、目標エンジン出力の制御モードの切り替えを滑らかに行なうことができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車の駆動系装置を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の目標ETV開度マップを示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の作用を模式的に示すタイムチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の動作フローである。
【図6】本発明の解決する課題の一例を示す模式的なタイムチャートである。
【図7】本発明の解決する課題の一例を示す模式的なグラフである。
【符号の説明】
1 始動制御手段
2 エンジン出力制御手段
3 ハイブリッド自動車(車両)
4 エンジン
6 駆動モータ(モータ)
8 目標エンジン出力設定手段
10 停止時間計測手段
14 ETV制御部(吸入空気量制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドルストップ機能を有する車両に用いて好適の、エンジンの始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃費向上や排気ガス低減を目的として、信号待ちや踏み切り待ちなどの車両停車中に所定の条件を満たすとアイドル運転中のエンジンを停止させるとともに、その後、所定の再始動条件を満たすとエンジンを始動させるようにした、いわゆるアイドルストップ制御が広く知られている。
【0003】
ところで、このようなアイドルストップ制御では、エンジンの再始動直後にはアクセルペダルの過度の踏み込みに起因する回転数の急上昇が生じる場合がある。このため、始動後のエンジンの運転を安定させる技術が知られており、例えば、特許文献1には、エンジン温度に応じて吸入空気量を変更することでファーストアイドル回転数を制御し、上述のようなエンジン再始動時の急激なエンジン回転数上昇を抑制できるようにした技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−115586号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンの再始動直後には、上述のような現象以外にもエンジンの回転数が大きく低下して、エンジンの運転が不安定になるという現象もある。この現象をより具体的に説明すると、アイドルストップ後に再始動したエンジンは、アイドルストップ時間(即ち、エンジンの停止時間)Sの長さに応じて、その回転数の低下量が異なることが本願発明者の実験によって判明した。例えば、図6はエンジンの出力軸に接続されたモータによってエンジンをN1rpmまでモータリング(クランキング)した後にファイアリングを行なってエンジンを再始動させた場合のエンジン回転数の変化を示す図であるが、図示するように、ファイアリング後、アイドルストップ時間Sが5秒であった場合のエンジン回転数Neは略モータリング回転数(目標アイドル回転数)N1のままであるが、アイドルストップ時間Sが20秒であった場合にはモータリング回転数N1から約180rpm低下し、また、アイドルストップ時間Sが60秒であった場合にはモータリング回転数N1から約200rpm低下してしまっていることがわかる。なお、図6に示すように、このときのインテークマニホールドの負圧は、アイドルストップ時間Sに関係なく略同じであり、エンジン回転数Neの低下はこの負圧に起因するものではないことがわかる。
【0006】
また、本願発明者による別の実験によれば、アイドルストップ時間Sの長さとエンジン回転数Neの低下量は図7に示すような関係であることがわかった。つまり、始動直後のエンジン回転数Neは、アイドルストップ時間Sが約30秒までは略線形に低下するが、アイドルストップ時間Sが約30秒を越えるとエンジン回転数Neの低下量は殆ど変化せずに目標アイドル回転数N1から約200rpm低下した回転数でアイドル運転を行なうことが判明した。
【0007】
したがって、エンジン停止時間Sが比較的長い場合を基準としてエンジン始動後の目標アイドル回転数をあらかじめ高くなるように設定したとしても、エンジン停止時間Sが短い場合に、エンジンの回転数は過度に上昇してしまう。一方、エンジン停止時間Sが短い場合を基準としてエンジン始動後の目標アイドル回転数を、設定したとしても、エンジン停止時間Sが長い場合に生ずる大幅なエンジン回転数の低下は避けられない。
【0008】
なお、上述した特許文献1の技術は、エンジン再始動時の回転数低下を抑制するものではなく、上述の課題を解決しうるものではない。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、エンジン始動時にそのエンジン停止時間にかかわらずエンジン回転数を安定させることができる、エンジンの始動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、エンジンの出力軸に接続されて該出力軸にトルクを付与可能なモータをそなえた車両におけるエンジンの始動制御装置であって、該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、
該エンジンの始動時に、該モータを作動させて該出力軸にトルクを付与して該エンジンを始動させる始動制御手段と、該エンジンの停止時間を計測する停止時間計測手段と、該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間に応じて、該エンジンの始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段とを有し、該エンジン出力制御手段は、該エンジンの始動時に、該目標エンジン出力設定手段によって設定された上記始動時の目標エンジン出力となるように該エンジンの出力を制御することを特徴としている。
【0010】
これによりエンジン停止時間に応じて、始動時におけるエンジン出力を変化させることができ、始動時にエンジンを安定して運転することが可能となる。
また、請求項2記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、上記請求項1記載の構成において、該エンジン出力制御手段は、該エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段を有し、該吸入空気量制御手段は、該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間が長いときには、吸入空気量を増大させることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の本発明のエンジンの始動制御装置は、上記請求項1記載の構成において、該エンジンの始動開始から所定時間経過後、該エンジン出力設定手段は、該エンジンの出力を上記の始動時の目標エンジン出力から通常運転時の目標エンジン出力へ徐々に復帰させることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエンジンの始動制御装置について図1〜図5を用いて説明すると、図1はその構成を示す模式的なブロック図、図2は本発明が適用される車両の駆動系機器を示す模式図、図3はその目標ETV開度マップ、図4はその作用を説明する模式的なタイムチャート、図5はその動作について説明するフローチャートである。
【0013】
本発明の一実施形態にかかるエンジンの始動制御装置は、図1に示すように、ECU(エンジン制御手段)20をそなえ、このECU20は、始動制御手段1とエンジン出力制御手段2とをそなえている。
また、本実施形態では、図2に示すような、いわゆるISA(Integrated Starter Alternator)システムを採用したハイブリッド自動車(車両)3に本発明が適用されている。このハイブリッド自動車3は、エンジン4とトランスミッション(例えば、マニュアルトランスミッション)5との間に駆動モータ(M/G)6が直列に配設されている。また、エンジン4にはスタータモータ(モータ)7が付設されている。なお、以後、単に「モータ」という場合は、この駆動モータ6を指す。
【0014】
また、駆動モータ6の出力軸とエンジン4の出力軸とは機械的に接続されており、駆動モータ6が電力供給を受けて駆動することによりエンジン4の駆動力をアシストするようになっている。また、駆動モータ6を発電機として機能させることで回生ブレーキを作動させ、運動エネルギーを電力として回生できるようになっている。
【0015】
また、このハイブリッド自動車3は、停止時に所定のエンジン停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止後に所定の再始動条件が成立するとエンジンを自動的に再始動させる、いわゆるアイドルストップ機能をそなえた車両となっている。
上述の始動制御手段1は、図1に示すように、エンジン出力制御手段2、エンジン4、駆動モータ6のそれぞれに電気的に接続され、エンジン4の始動に際してエンジン出力制御手段2、駆動モータ6、エンジン4の点火装置(図示略)を統合的に制御するようになっている。また、この始動制御手段1には、目標エンジン出力設定手段8、ファイアリング制御手段9、停止時間計測手段10、駆動モータ制御手段11が内蔵されている。
【0016】
このうち、停止時間計測手段10は、エンジン4が停止してから再始動されるまでのエンジン停止時間Sを計測するタイムカウンタである。なお、この停止時間計測手段10によれば、エンジン4の出力軸の回転数Neがゼロになった時点でエンジン停止と判定してエンジン停止時間Sの計測を開始し、一方、駆動モータ6がエンジン4に対してモータリング(クランキング)を開始した時点でエンジン4が再始動を開始したと判定してエンジン停止時間Sの計測を終了するようになっている。
【0017】
駆動モータ制御手段11は、所定のエンジン再始動条件が成立してオートスタート制御手段(図示略)からのエンジンスタート信号を受信した場合に、駆動モータ6を駆動させてエンジン4の出力軸にトルクを付与してエンジン4のモータリングを行なうようになっている。
ファイアリング制御手段9は、駆動モータ制御手段11によるエンジン4のモータリングと同期して、エンジン4の点火装置に対して点火制御(ファイアリング)を行なうものである。
【0018】
目標エンジン出力設定手段8は、エンジン4の目標出力としての目標ETV開度VTを設定し、エンジン出力制御手段2へ出力するものである。なお、本実施形態においては、エンジン4のスロットルバルブ(図示略)を制御するシステムとして、電子制御によりその開度を変更可能な、いわゆるドライブバイワイヤシステムが適用されており、このシステムにおけるスロットルバルブを以下、ETVと略す。
【0019】
また、上述の目標エンジン出力設定手段1は、第1目標ETV開度マップ12(以後、単に「目標ETV開度マップ」という場合は、この「第1目標ETVマップ」の意)と第2目標ETV開度マップ13とを内蔵している。
このうち、第1目標ETV開度マップ12は、エンジン4の再始動時の目標ETV開度を設定するマップであって、図3に示すように、エンジン4の停止時間Sに応じて、エンジン再始動直後の目標ETV開度VT1を設定するようになっている。また、第2目標ETV開度マップ13は、通常運転時(エンジン再始動時以外)のエンジン4の目標ETV開度VT2を設定するマップである。
【0020】
つまり、始動制御手段1は、エンジン4の再始動直時には、第1目標ETV開度マップ12によって設定された目標ETV開度VT1を目標エンジン出力として設定し、エンジン出力制御手段2へ送信するようになっている。一方、通常運転時には、始動制御手段1が第2目標ETV開度マップ13によって設定された目標ETV開度VT2を目標エンジン出力として設定し、エンジン出力制御手段2へ送信するようになっている。
【0021】
エンジン出力制御手段2は、始動制御手段1によって設定された目標エンジン出力をエンジン4が実際に出力するように、エンジン4を制御するものである。具体的には、このエンジン出力制御手段2にはETV制御部(吸入空気量制御手段)14が内蔵され、エンジン4に付設されたETV(図示略)が始動制御手段1によって設定された目標ETV開度VTとなるように、このETV制御部14によりETVアクチュエータ(図示略)が制御されるようになっている。
【0022】
なお、ECU20には、上述したように、図示しないオートスタート制御手段がそなえられており、例えば、エンジン4の自動停止(アイドルストップ)時にブレーキペダル操作が解除されたり、クラッチペダル(図示略)が踏み込まれたりして、エンジン4の再始動条件が成立するとエンジン4を再始動させるようになっている。
【0023】
ここで、再度、本願発明が解決する課題について簡単に説明すると、アイドルストップ後に再始動されたエンジンは、再始動前に停止していた時間(アイドルストップ時間)Sの長さに応じて、その回転数が低下する。例えば、図6はエンジン始動時にN1rpmまでモータリングした後にファイアリングを行なった場合のエンジン回転数Neの変化を示す図であるが、この図6で示すように、ファイアリング後、エンジン停止時間Sが5秒であった場合のエンジン回転数Neは殆どモータリング回転数(目標アイドル回転数)N1のままであるが、エンジン停止時間Sが20秒であった場合のエンジンはモータリング回転数N1から約180rpm低下し、また、エンジン停止時間が60秒であった場合のエンジンはモータリング回転数N1から約200rpm低下してしまっていることがわかる。
【0024】
この現象をまとめると、再始動直前のエンジンが停止していた時間Sの長さが長いほど、エンジンの油温が低下して、これによりエンジンオイルの粘性が大きくなったり、ピストン周りのエンジンオイルが落下してシリンダライナとの間のエンジンオイル量が減少することでピストンの摺動抵抗が増大したりして、フリクションが高くなっていると考えられる。そして、この結果、再始動時に生じるエンジン回転数Neの低下がエンジン停止時間Sに応じて大きくなるものと考えられる。
【0025】
本願発明はこのような点に着目してなされたものであり、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間に応じて、再始動される時の目標エンジン出力(目標ETV開度VT1)が設定されるようになっている。そして、始動制御手段1は、始動時の目標ETV開度VT1を目標エンジン出力(目標ETV開度VT)として設定後エンジン出力制御手段2へ送信し、これを受けたエンジン出力制御手段2のETV制御部14が、目標ETV開度VTに基づいて、エンジン4に付設されたETV(図示略)を駆動するETVアクチュエータ(図示略)を制御することで、エンジン4の出力を制御するようになっているのである。
【0026】
また、図7に示すように、再始動時のエンジン回転数Neの低下、再始動前のエンジン停止時間Sが長いほど大きい傾向にある。そこで、第1目標ETV開度マップ12は、この図7に示すエンジン回転数Neの低下傾向とは反対の特性、即ち、図3に示すようにエンジン停止時間Sが長いほど目標ETV開度VT1が大きくなるようなマップとして設定されている。これにより、目標エンジン出力設定手段8は、停止時間計測手段10によって計測されたエンジン4の停止時間が長いときには吸入空気量を増大するように、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTを設定できるようになっているのである。
【0027】
また、上述したように、エンジン停止時間Sに応じて再始動時のエンジン回転数Neの低下は大きく異なるが、図6を使って説明したように、エンジンのファイアリング後、所定時間(例えば30秒)経過すると、エンジン回転数Neは目標アイドル回転数へ概ね収束する。このため、第1目標ETV開度マップ12によって設定された始動時の目標エンジン出力は、ファイアリング後に所定時間が経過すると、第2目標ETV開度マップ13によって設定された通常運転時の目標エンジン出力へ徐々に復帰するようになっており、これにより、再始動時のエンジン出力制御から通常運転時のエンジン出力制御へ、制御モードの移行を滑らかに行なうことができるようになっている。
【0028】
本発明のエンジンの始動制御装置は上述のように構成されており、以下、その作用を図4のタイムチャートを用いて説明すると、エンジン4の回転数Neが駆動モータ6によってモータリング回転数N1まで引き上げられ、始動制御手段1のファイアリング制御手段9によってファイアリングが実行される。このとき、始動制御手段1の停止時間計測手段10によってエンジン4が再始動する前に停止していた時間(即ち、エンジン停止時間)Sに応じて、始動時の目標ETV開度V1が、目標エンジン出力設定手段8の第1目標ETV開度マップ12によって求められ、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTが設定される。
【0029】
具体的な例としては、図4に示すように、ファイアリング開始後の目標ETV開度VT(図4中では、目標ETV開度VTに対応するETVアクチュエータへの印加電圧)は、本願の制御がない場合には約V1(図示略)であるのに対し、再始動前にエンジン4が5秒間停止していた場合の電圧は約V2(>V1)[V]に設定され、20秒間停止していた場合の電圧は約V3(>V2)[V]に設定され、また、60秒間停止していた場合の電圧は約約V4(>V3)[V]に設定されている。
【0030】
このようにエンジン4の停止時間に応じて目標ETV開度VTを設定することにより、ファイアリング後、エンジン4の回転数Neは低下せず、エンジン4は目標アイドル回転数N1を略維持しながら安定して運転することができる。
さらに、図5に示す動作フローを使って、本発明の作用を説明すると、まず、エンジン4が停止すると(ステップS1のYesルート参照)、停止時間計測手段10によってエンジン4の停止時間Sが計測される(ステップS2参照)。なお、エンジン4が停止していない場合には、ステップS1からNoルートを辿ってステップS6へ進み、通常運転時の目標ETV開度VT2に基づいてエンジン4が運転される。
【0031】
ステップS2においてエンジン4の停止時間Sがカウントされた後、ステップS3において、ブレーキペダルの踏み込み解除やクラッチペダルの踏み込みなどの所定の再始動条件が成立して、エンジン4が再始動されると、(ステップS3のYesルート参照)、ステップS2において計測されたエンジン4の停止時間Sに基づいてエンジン4の始動時における目標ETV開度VT1が設定される(ステップS4参照)。そして、この再始動条件が成立せず、エンジン4が再始動しない場合には、再始動するまでエンジン停止時間Sをカウントする(ステップS3のNoルート参照)。
【0032】
ステップS4において、第1目標ETV開度マップ12によってエンジン再始動時の目標ETV開度VT1が求められると、この目標ETV開度VT1がETV制御部14へ送信される。そして、駆動モータ6によってエンジン4がモータリングされてエンジン回転数がモータリング回転数N1まで上昇されると、ファイアリング制御手段によってファイアリングが実行される。そして、ETV制御部14によってエンジン4に付設されたETVの開度を目標ETV開度VT(この場合は始動時の目標ETV開度VT1)とする制御が行なわれる(ステップS5参照)。
【0033】
その後、ファイアリング開始から所定時間(本実施形態においては30秒)が経過すると、目標エンジン出力設定手段8は、目標エンジン出力としての目標ETV開度VTを、始動時の目標ETV開度VT1から通常運転時の目標ETV開度V2へ徐々に移行させる。そして、目標エンジン出力設定手段8が、上記の移行が完了した後、通常運転時の目標ETV開度VT2を目標エンジン出力としての目標ETV開度VTとして設定し、これに基づいてエンジン出力制御手段2はエンジン4を制御して運転する(ステップS6参照)。
【0034】
上述のような構成および作用により、再始動前のエンジン4が停止していた時間Sに応じてエンジン4の出力を変化させることができ、エンジン停止時間の長短にかかわらず、再始動時に安定してエンジン4を運転することが可能となる。
より具体的には、再始動前のエンジン4が停止していた時間Sが長くなるにしたがって、再始動時のエンジン4に対する吸入空気量を増大させることで、容易に始動時の目標エンジン出力を設定することができるので、再始動時にエンジン4を安定して運転することができる。
【0035】
また、再始動時用に設定された目標エンジン出力(目標ETV開度VT1)を、ファイアリング開始から所定時間経過後に通常運転時用の目標エンジン出力(目標ETV開度VT2)へ徐々に復帰させることができるので、乗員に違和感を与えることなく、目標エンジン出力の制御モードを滑らかに切り替えることができる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば上記の実施形態においては、本発明をいわゆるISAタイプのハイブリッド自動車に適用した場合について説明したが、本発明はハイブリッド電気自動車のみに適用されるものではなく、モータ(一般的にはスタータモータ)によって始動されるエンジンにも広く適用できる。
【0037】
また、スタータモータを排して、駆動モータにスタータモータの機能を兼用させたハイブリッド自動車も広く知られているが、本発明のエンジンの始動制御装置を、このようなスタータモータを有さないハイブリッド電気自動車に対して適用してもよい。また、この場合、モータの出力軸とエンジンの出力軸が直接接続されたもの以外にも、例えばギアやベルト等の出力伝達手段を介して接続されたものを含むのは言うまでもない。また、モータとエンジンとの間にクラッチ等の駆動力断接手段が設けられているようなハイブリッド電気自動車にも当然に適用可能である。
【0038】
また、上述の実施形態において、トランスミッションをマニュアルトランスミッションとしたが、当然にCVTや遊星歯車機構によるオートマチックトランスミッションなどであってもよい。この場合、エンジンのアイドルストップ制御におけるエンジン停止条件やエンジン再始動条件をマニュアルトランスミッションの場合と異なるが、これらのエンジン停止条件やエンジン再始動条件については一般的に知られた技術であるので、その詳しい説明を省略する。
【0039】
また、上述の実施形態においては、アイドルストップ制御によってエンジンが一時的に停止された後に始動された場合、即ち、エンジンが再始動された場合を中心に説明したが、これに限定するものではない。例えば、駐車時にエンジンが停止され、数時間後、車両の発進に伴ってエンジンが始動されたような場合、即ち、一般的なエンジン始動時においても本発明のエンジン始動制御装置は有効に機能を発揮することができる。
【0040】
また、上述の実施形態においては、アイドルストップ機能を有する車両について説明したが、このような場合に限定するものではなく、アイドルストップ機能を有さない通常の車両に本発明に係るエンジンの始動制御装置を適用してもよい。この場合、例えば、車両が信号待ちのために運転者が手動でエンジンを停止させ、その後、運転者が手動でエンジンを再始動させた場合であっても、本発明のエンジン始動制御装置は有効に機能を発揮することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のエンジンの始動制御装置によれば、エンジン始動時において、エンジン停止時間の長短にかかわらず、安定した回転数でエンジンを運転制御することができる。つまり、再始動前に停止していたエンジンの停止時間を計測する停止時間計測手段や、この停止時間計測手段によって計測されたエンジンの停止時間に応じて始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段等をそなえているので、エンジン停止時間に応じてエンジン出力を変化させることができ、再始動時のエンジンを安定して運転することが可能となる(請求項1)。
【0042】
また、エンジン出力制御手段は、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段を有し、また、目標エンジン出力設定手段は、停止時間計測手段によって計測されたエンジンの停止時間が長いほど、吸入空気量制御手段による吸入空気量を増大するように設定しているので、容易に再始動時の目標エンジン出力を設定することができ、エンジンの始動時に安定してエンジンを運転することが可能となる(請求項2)。
【0043】
また、再始動時に設定された目標エンジン出力を、始動開始から所定時間経過後に通常の目標エンジン出力へ徐々に復帰させることができるので、乗員に違和感を与えることなく、目標エンジン出力の制御モードの切り替えを滑らかに行なうことができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車の駆動系装置を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の目標ETV開度マップを示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の作用を模式的に示すタイムチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るエンジンの始動制御装置の動作フローである。
【図6】本発明の解決する課題の一例を示す模式的なタイムチャートである。
【図7】本発明の解決する課題の一例を示す模式的なグラフである。
【符号の説明】
1 始動制御手段
2 エンジン出力制御手段
3 ハイブリッド自動車(車両)
4 エンジン
6 駆動モータ(モータ)
8 目標エンジン出力設定手段
10 停止時間計測手段
14 ETV制御部(吸入空気量制御手段)
Claims (3)
- エンジンの出力軸に接続されて該出力軸にトルクを付与可能なモータをそなえた車両におけるエンジンの始動制御装置であって、
該エンジンの出力を制御するエンジン出力制御手段と、
該エンジンの始動時に、該モータを作動させて該出力軸にトルクを付与して該エンジンを始動させる始動制御手段と、
該エンジンの停止時間を計測する停止時間計測手段と、
該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間に応じて、該エンジンの始動時の目標エンジン出力を設定する目標エンジン出力設定手段とを有し、
該エンジン出力制御手段は、該エンジンの始動時に、該目標エンジン出力設定手段によって設定された上記始動時の目標エンジン出力となるように該エンジンの出力を制御する
ことを特徴とする、エンジンの始動制御装置。 - 該エンジン出力制御手段は、該エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段を有し、
該吸入空気量制御手段は、該停止時間計測手段によって計測された該エンジンの停止時間が長いときには、吸入空気量を増大させる
ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの始動制御装置。 - 該エンジンの始動開始から所定時間経過後、該エンジン出力設定手段は、該エンジンの出力を上記の始動時の目標エンジン出力から通常運転時の目標エンジン出力へ徐々に復帰させる
ことを特徴とする、請求項1または2記載のエンジンの始動制御装置。
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