JP2004332057A - 転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法を提供する。
【解決手段】排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない。
【選択図】なし
【解決手段】排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
高炉−転炉法からなる製鉄プロセスにおいて、転炉では酸素吹込みにより溶銑中のCの酸化除去が行われる。この際、CO、CO2、O2を主成分とする転炉ガスが排出される。
【0003】
転炉ガスはエネルギー源として活用されており、転炉ガスを転炉上部煙道部にあるボイラーで燃焼させることにより発生熱を蒸気として回収する方法(燃焼方式による利用)と、転炉ガスをそのまま生ガスとして回収し燃料として利用する方法(非燃焼方式による利用)とがある。現在は、生ガスを燃料として回収し利用する非燃焼方式が主流となっている。
【0004】
生ガスは転炉反応により発生するため、反応初期・中期・末期と進んでいく中で、そのガスの成分比とカロリーが変化していく。また、酸素吹込み量やランス高さ等によっても変化する。そのため、生ガスとして回収するためには、規定カロリー値を満たすためCO濃度が一定値以上であることや、爆発の危険性を避けるためO2濃度が一定値以下であることを条件として、回収を行っている。
【0005】
そこで、通常は転炉上部煙道部にガス測定装置を設け、連続的にガス濃度を監視しながら、条件を満たすガスのみを回収している。
【0006】
しかしながら、ガス測定装置が故障したまま、操業を継続すると、(a)CO濃度が測定できなくなった場合には、ガス回収条件が成立しないので回収することができずエネルギーロスとなり、(b)O2濃度が測定できなくなった場合には、高O2濃度のガスを回収することになり、爆発の危険性が生じる。
【0007】
しかし、自動化が進んだ設備では、運転員も少なく、何らかの警報システムが施されない限り、測定装置が異常となったことを即時に発見することは容易ではない。
【0008】
測定装置の異常には、(1)ガス測定装置の検出センサーの劣化や汚損、(2)サンプリングプローブや配管の閉塞、が原因として挙げられる。
【0009】
上記(1)の検出センサーの劣化や汚損が発生した場合には、標準ガスで校正作業を行えばその劣化や汚損を発見することができるが、校正作業には時間を要するため、定期的にしか行われない。通常は約1ヶ月毎にある、いわゆる保全日に行われることが多い。したがって、操業中に分析装置の異常が起こっても、それを運転員が即座に知ることは困難であった。
【0010】
上記(2)のサンプリングプローブや配管の閉塞については、流量計を設けて異常を検出する方法が、知られている。
【0011】
内燃機関の分野ではあるが、特許文献1には、排気側の酸素濃度センサーの異常を検出する方法として、燃料カット後一定期間に濃度変化率が一定値に達するか否かをチェックする技術が記載されている。
【0012】
そして、同じく、内燃機関の分野であるが、特許文献2には、排気側の酸素濃度センサーの異常を検出する方法として、2個の酸素濃度センサーを用いて、燃料カット後一定期間に規定の濃度に達するか否かをチェックする技術が記載されている。
【0013】
しかし、これらの従来技術は、酸素センサーのみが備わっている設備の場合に適用できるにすぎない。CO、CO2、O2を主成分とする転炉ガスが排出される設備の場合には、酸素以外のガスのセンサーをも備えているから、適用できない。
【0014】
また、特許文献3にみられるように、ダスト除去を行うため洗浄用パージガスを噴射するサンプリングプローブを採用している場合には、たとえ閉塞していても、パージガスを引き込んでいるため流量の低下がなく、したがって、異常を検出することができない。
【0015】
さらに、ダストを多く含有する転炉設備においては、サンプリング部の閉塞による故障も発生する。
【0016】
したがって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常が検出センサー部かサンプリング部のいずれの部位において発生したかについても検出して、転炉の運転員に警報を流す必要がある。
【0017】
なお、以上は、転炉ガスについて説明してきたが、転炉での製鋼後に、真空脱炭炉を用いて、RH法(循環式真空処理法)等によって脱炭真空処理する精錬法があり、ここでも転炉ガスと同様に、CO、CO2、O2を主成分とするガスが排出される。転炉ガスと同様に、排出ガスの測定がなされているので、測定装置の異常が発生した場合にはその異常を即時に検出し、運転員に警報を流す必要がある。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−242126号公報
【特許文献2】
特開平11−83782号公報
【特許文献3】
特開2000−314687号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常が、(1)ガス測定装置の検出センサーの劣化や汚損、(2)サンプリングプローブや配管の閉塞、のいずれを原因とするかも含めて検出する方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法は、次の(1)から(4)までのいずれかである。以下、それぞれ、本発明(1)〜本発明(4)という。本発明(1)〜本発明(4)を総称して、本発明ということがある。
【0021】
本発明(1):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0022】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、CO、CO2、O2から選択される2種以上を測定することが好ましい。
【0023】
本発明(2):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0024】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、CO、CO2、O2から選択される2種以上を測定することが好ましい。
【0025】
本発明(3):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0026】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、少なくとも、CO、CO2、O2の3種類のガスを測定するのが、好ましい。
【0027】
本発明(4):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0028】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、少なくとも、CO、CO2、O2の3種類のガスを測定するのが、好ましい。
【0029】
【発明の実施の態様】
本発明者は、上記の課題を解決するために、転炉又は真空脱炭炉でガスが排出されるのは、O2ガスの吹錬工程のみであり、転炉又は真空脱炭炉でのガス測定装置においては、通常、CO、CO2、O2の3種類のガスを検出し、それぞれのガス濃度を測定できるようになっていることに着目した。
【0030】
まず、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のO2濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、Cの酸化除去反応が十分でないため、O2ガス濃度が10%前後まで上昇する。その後、酸化除去反応が定常化すると、吹き込まれたO2は、Cと反応してCOとCO2に変化するため、O2濃度は再び0%となる。
【0031】
O2ガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのO2ガス濃度が測定されるが、O2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のO2ガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、O2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0032】
このように、吹錬開始直後のO2ガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がO2ガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0033】
次に、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のCO濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、COガス濃度はほぼ0%を示すが、Cの酸化除去反応が始まるとCがCOとCO2に変化するため、COガス濃度は上昇する。その後、Cの酸化除去反応が定常化すると、CO濃度は70%程度となる。
【0034】
COガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのCOガス濃度が測定されるが、COガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のCOガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、COガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0035】
このように、吹錬開始直後のCOガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がCOガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0036】
さらに、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のCO2濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、CO2ガス濃度は0%を示すが、Cの酸化除去反応が始まるとCがCOとCO2に変化するため、CO2ガス濃度は20%を超える。その後、Cの酸化除去反応が定常化すると、CO2濃度は10%程度となる。
【0037】
CO2ガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのCO2ガス濃度が測定されるが、CO2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のCO2ガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、CO2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0038】
このように、吹錬開始直後のCO2ガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がCO2ガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0039】
このように、CO、CO2、O2の3種類のガスを、それぞれ測定しただけでは、ガス測定装置に異常が発生したか否かを検出することができるが、その異常発生が、それぞれのガス検出センサーの異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかまでは、即座に判断することはできない。
【0040】
しかしながら、本発明者は、複数のガス検出センサーに、同時に劣化や汚損が発生する確率は無視できるほどに小さいものと考えた結果、次の結論に達した。
すなわち、排出されるガスのうち、少なくとも2種類のガス成分を同時にガス検出センサーにより測定して、2種類以上のガス成分の濃度に同時に異常が認められた場合には、検出センサーの劣化や汚損による異常というよりもサンプリングプローブや配管の閉塞による異常が発生したと考えてよく、1種類のガス成分の濃度のみに異常が認められた場合にはその異常が認められたガス成分の検出センサーの劣化や汚損による異常発生と考えてよい。もちろん、いずれのガス成分の濃度にも異常が認められなかったときは、いずれのガス検出センサーにも劣化や汚損による異常がなく、また、サンプリングプローブや配管の閉塞による異常もないことになる。
【0041】
さらに、排出されるガスのうち、少なくとも3種類のガス成分を同時にガス検出センサーにより測定して、3種類以上のガス成分の濃度に同時に異常が認められた場合には、検出センサーの劣化や汚損による異常というよりもサンプリングプローブや配管の閉塞による異常が発生したと考えてよく、1種類又は2種類のガス成分の濃度のみに異常が認められた場合にはその異常が認められたガス成分の検出センサーの劣化や汚損による異常発生と考えてよい。もちろん、いずれのガス成分の濃度にも異常が認められなかったときは、いずれのガス検出センサーにも劣化や汚損による異常がなく、また、サンプリングプローブや配管の閉塞による異常もないことになる。
【0042】
このような新たな知見のもとに、本発明を完成したのである。
【0043】
以下に、本発明の実施態様を、図を用いて説明する。
【0044】
図1は、転炉の装置構成の概略図である。転炉1の中にスクラップと溶銑(いずれも図示せず)を装入し、溶銑中に酸素を吹き込むことで溶銑中のCを酸化除去してC含有量の少ない溶鋼を製造する。このとき、転炉ガスが発生し、転炉上部煙道2に排出される。ガス回収ブロワ6によって、転炉ガスが除塵装置5を経由してガス回収装置(図示せず)に導かれる。ガスを回収しないときは、ガス回収弁7を大気放散に切り替える。転炉上部煙道2には、ガス測定装置が設置されている。ガス測定装置は、ガス検出センサー(図示せず)を備えたガスサンプリングプローブ3とガス分析装置4からなり、その分析結果はCPU制御装置8に送られる。
【0045】
図2(a)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0046】
図2(b)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のCOガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0047】
図2(c)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のCO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0048】
本発明(1)又は本発明(3)では、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類又は少なくとも3種類のガス成分の濃度を、吹錬を開始してから一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較するので、吹錬開始後の一定時間と濃度の下限値SCminを、各成分毎に予め設定しておく必要がある。
【0049】
この各成分毎の、吹錬開始後の一定時間と濃度の下限値SCminの設定は、転炉によって異なるので、一概には言えないが、図2に示されるようなガス濃度の分析値の時間経過チャートを分析することで、転炉毎に設定することが可能である。
【0050】
ここでは、O2、CO、CO2のガス成分について、それぞれ、次のとおりに設定した。
【0051】
[O2ガス濃度] 一定時間:30秒、濃度の下限値SCmin:8%
[COガス濃度] 一定時間:100秒、濃度の下限値SCmin:50%
[CO2ガス濃度]一定時間:100秒、濃度の下限値SCmin:10%
図3は、本発明(1)又は本発明(3)にしたがって、転炉ガス中のO2ガスに着目したとき、ガス測定装置に異常が見られたときのO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。図2(a)のO2ガス分析値のチャートとは異なり、吹錬開始からO2ガス成分について予め設定された一定時間である30秒を経過しても、測定されたO2ガス濃度がO2ガス成分について予め設定された濃度の下限値SCminである8%に達していない。
【0052】
同様にして、COガス成分とCO2ガス成分についても、ガス測定装置に異常が見られるかどうかが判断できる。
【0053】
このようにして、本発明(1)にしたがえば、少なくとも2種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が2種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0054】
また、本発明(3)にしたがえば、少なくとも3種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が3種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種又は2種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0055】
次に、本発明(2)又は本発明(4)では、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類又は少なくとも3種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較するので、吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxと濃度Csを、各成分毎に予め設定しておく必要がある。
【0056】
この各成分毎の、吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxと濃度Csの設定は、転炉によって異なるので、一概には言えないが、図2に示されるようなガス濃度の分析値の時間経過チャートを分析することで、転炉毎に設定することが可能である。
【0057】
ここでは、O2、CO、CO2のガス成分について、それぞれ、次のとおりに設定した。
【0058】
[O2ガス濃度] 測定時間の上限値STmax:30秒、濃度Cs:8%
[COガス濃度]測定時間の上限値STmax:100秒、濃度Cs:50%
[CO2ガス濃度]測定時間の上限値STmax:100秒、濃度Cs:10%
図4は、本発明(2)又は本発明(4)にしたがって、転炉ガス中のO2ガスに着目したとき、ガス測定装置に異常が見られたときのO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。図2(a)のO2ガス分析値のチャートとは異なり、予めO2ガス成分について設定された測定時間の上限値STmaxである30秒が経過しても、測定されたO2ガス濃度は予めO2ガス成分について設定されたCsに到達していない。
【0059】
同様にして、COガス成分とCO2ガス成分についても、ガス測定装置に異常が見られるかどうかが判断できる。
【0060】
このようにして、本発明(2)にしたがえば、少なくとも2種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が2種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0061】
また、本発明(4)にしたがえば、少なくとも3種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が3種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種又は2種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0062】
なお、異常発生時は、異常部位検出方法によって特定された異常原因に基づき、サンプリングプローブや配管の閉塞を排除するか、異常ありとされたガス成分の検出センサーを交換するか、あるいは、予備の検出センサーに切り替えることによって、操業を再開することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス分析装置の異常を、即座に検出できるとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも即座に検出できる。
【0064】
その結果、異常に気づかず操業を継続してエネルギーロスを発生させてしまうことや、O2濃度の高いガスを回収してしまうことによる爆発の危険を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉とその転炉ガスの上部煙道とガス測定装置の概略図である。
【図2】正常な状態での転炉ガス中のガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートであり、(a)はO2ガス成分について、(b)はCOガス成分について、そして、(c)はCO2ガス成分についての分析値である。
【図3】本発明(1)又は本発明(3)にしたがって、転炉ガス中のO2ガス成分についてのガス濃度の分析値に異常が検出されたときの分析値の時間経過チャートである。
【図4】本発明(2)又は本発明(4)にしたがって、転炉ガス中のO2ガス成分についてのガス濃度の分析値に異常が検出されたときの分析値の時間経過チャートである。
【符号の説明】
1 転炉
2 転炉上部煙道
3 ガスサンプリングプローブ
4 ガス分析装置
5 除塵装置
6 ガス回収ブロワ
7 ガス回収弁
8 CPU制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
高炉−転炉法からなる製鉄プロセスにおいて、転炉では酸素吹込みにより溶銑中のCの酸化除去が行われる。この際、CO、CO2、O2を主成分とする転炉ガスが排出される。
【0003】
転炉ガスはエネルギー源として活用されており、転炉ガスを転炉上部煙道部にあるボイラーで燃焼させることにより発生熱を蒸気として回収する方法(燃焼方式による利用)と、転炉ガスをそのまま生ガスとして回収し燃料として利用する方法(非燃焼方式による利用)とがある。現在は、生ガスを燃料として回収し利用する非燃焼方式が主流となっている。
【0004】
生ガスは転炉反応により発生するため、反応初期・中期・末期と進んでいく中で、そのガスの成分比とカロリーが変化していく。また、酸素吹込み量やランス高さ等によっても変化する。そのため、生ガスとして回収するためには、規定カロリー値を満たすためCO濃度が一定値以上であることや、爆発の危険性を避けるためO2濃度が一定値以下であることを条件として、回収を行っている。
【0005】
そこで、通常は転炉上部煙道部にガス測定装置を設け、連続的にガス濃度を監視しながら、条件を満たすガスのみを回収している。
【0006】
しかしながら、ガス測定装置が故障したまま、操業を継続すると、(a)CO濃度が測定できなくなった場合には、ガス回収条件が成立しないので回収することができずエネルギーロスとなり、(b)O2濃度が測定できなくなった場合には、高O2濃度のガスを回収することになり、爆発の危険性が生じる。
【0007】
しかし、自動化が進んだ設備では、運転員も少なく、何らかの警報システムが施されない限り、測定装置が異常となったことを即時に発見することは容易ではない。
【0008】
測定装置の異常には、(1)ガス測定装置の検出センサーの劣化や汚損、(2)サンプリングプローブや配管の閉塞、が原因として挙げられる。
【0009】
上記(1)の検出センサーの劣化や汚損が発生した場合には、標準ガスで校正作業を行えばその劣化や汚損を発見することができるが、校正作業には時間を要するため、定期的にしか行われない。通常は約1ヶ月毎にある、いわゆる保全日に行われることが多い。したがって、操業中に分析装置の異常が起こっても、それを運転員が即座に知ることは困難であった。
【0010】
上記(2)のサンプリングプローブや配管の閉塞については、流量計を設けて異常を検出する方法が、知られている。
【0011】
内燃機関の分野ではあるが、特許文献1には、排気側の酸素濃度センサーの異常を検出する方法として、燃料カット後一定期間に濃度変化率が一定値に達するか否かをチェックする技術が記載されている。
【0012】
そして、同じく、内燃機関の分野であるが、特許文献2には、排気側の酸素濃度センサーの異常を検出する方法として、2個の酸素濃度センサーを用いて、燃料カット後一定期間に規定の濃度に達するか否かをチェックする技術が記載されている。
【0013】
しかし、これらの従来技術は、酸素センサーのみが備わっている設備の場合に適用できるにすぎない。CO、CO2、O2を主成分とする転炉ガスが排出される設備の場合には、酸素以外のガスのセンサーをも備えているから、適用できない。
【0014】
また、特許文献3にみられるように、ダスト除去を行うため洗浄用パージガスを噴射するサンプリングプローブを採用している場合には、たとえ閉塞していても、パージガスを引き込んでいるため流量の低下がなく、したがって、異常を検出することができない。
【0015】
さらに、ダストを多く含有する転炉設備においては、サンプリング部の閉塞による故障も発生する。
【0016】
したがって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常が検出センサー部かサンプリング部のいずれの部位において発生したかについても検出して、転炉の運転員に警報を流す必要がある。
【0017】
なお、以上は、転炉ガスについて説明してきたが、転炉での製鋼後に、真空脱炭炉を用いて、RH法(循環式真空処理法)等によって脱炭真空処理する精錬法があり、ここでも転炉ガスと同様に、CO、CO2、O2を主成分とするガスが排出される。転炉ガスと同様に、排出ガスの測定がなされているので、測定装置の異常が発生した場合にはその異常を即時に検出し、運転員に警報を流す必要がある。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−242126号公報
【特許文献2】
特開平11−83782号公報
【特許文献3】
特開2000−314687号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常が、(1)ガス測定装置の検出センサーの劣化や汚損、(2)サンプリングプローブや配管の閉塞、のいずれを原因とするかも含めて検出する方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法は、次の(1)から(4)までのいずれかである。以下、それぞれ、本発明(1)〜本発明(4)という。本発明(1)〜本発明(4)を総称して、本発明ということがある。
【0021】
本発明(1):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0022】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、CO、CO2、O2から選択される2種以上を測定することが好ましい。
【0023】
本発明(2):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0024】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、CO、CO2、O2から選択される2種以上を測定することが好ましい。
【0025】
本発明(3):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0026】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、少なくとも、CO、CO2、O2の3種類のガスを測定するのが、好ましい。
【0027】
本発明(4):
排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことによって、異常が発生したときに、即時にその異常を検出するとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかについても検出できる異常検出方法。
【0028】
なお、吹錬による排出されるガスのうち、少なくとも、CO、CO2、O2の3種類のガスを測定するのが、好ましい。
【0029】
【発明の実施の態様】
本発明者は、上記の課題を解決するために、転炉又は真空脱炭炉でガスが排出されるのは、O2ガスの吹錬工程のみであり、転炉又は真空脱炭炉でのガス測定装置においては、通常、CO、CO2、O2の3種類のガスを検出し、それぞれのガス濃度を測定できるようになっていることに着目した。
【0030】
まず、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のO2濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、Cの酸化除去反応が十分でないため、O2ガス濃度が10%前後まで上昇する。その後、酸化除去反応が定常化すると、吹き込まれたO2は、Cと反応してCOとCO2に変化するため、O2濃度は再び0%となる。
【0031】
O2ガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのO2ガス濃度が測定されるが、O2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のO2ガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、O2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0032】
このように、吹錬開始直後のO2ガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がO2ガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0033】
次に、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のCO濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、COガス濃度はほぼ0%を示すが、Cの酸化除去反応が始まるとCがCOとCO2に変化するため、COガス濃度は上昇する。その後、Cの酸化除去反応が定常化すると、CO濃度は70%程度となる。
【0034】
COガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのCOガス濃度が測定されるが、COガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のCOガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、COガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0035】
このように、吹錬開始直後のCOガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がCOガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0036】
さらに、ガス測定装置に、検出センサーの異常もサンプリングプローブや配管の閉塞の異常も発生していない、正常な状態のCO2濃度について考察してみる。吹錬前においては、排出ガスの煙道が窒素で置換されていることもあり、0%を示す。吹錬開始直後では、CO2ガス濃度は0%を示すが、Cの酸化除去反応が始まるとCがCOとCO2に変化するため、CO2ガス濃度は20%を超える。その後、Cの酸化除去反応が定常化すると、CO2濃度は10%程度となる。
【0037】
CO2ガス検出センサーに異常がなければ、上述したとおりのCO2ガス濃度が測定されるが、CO2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合には、吹錬開始直後のCO2ガスの濃度の測定値は、上昇度合いが低いか又は上昇しない。ただし、CO2ガス検出センサーの劣化や汚損が発生している場合の他に、サンプリングプローブや配管の閉塞が発生した場合にも同様の状況が発生する。
【0038】
このように、吹錬開始直後のCO2ガス濃度立ち上がりの状況を測定することによって、ガス測定装置の異常発生の有無を検出することはできるが、その異常発生がCO2ガス検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかを、即座に判断することはできない。
【0039】
このように、CO、CO2、O2の3種類のガスを、それぞれ測定しただけでは、ガス測定装置に異常が発生したか否かを検出することができるが、その異常発生が、それぞれのガス検出センサーの異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかまでは、即座に判断することはできない。
【0040】
しかしながら、本発明者は、複数のガス検出センサーに、同時に劣化や汚損が発生する確率は無視できるほどに小さいものと考えた結果、次の結論に達した。
すなわち、排出されるガスのうち、少なくとも2種類のガス成分を同時にガス検出センサーにより測定して、2種類以上のガス成分の濃度に同時に異常が認められた場合には、検出センサーの劣化や汚損による異常というよりもサンプリングプローブや配管の閉塞による異常が発生したと考えてよく、1種類のガス成分の濃度のみに異常が認められた場合にはその異常が認められたガス成分の検出センサーの劣化や汚損による異常発生と考えてよい。もちろん、いずれのガス成分の濃度にも異常が認められなかったときは、いずれのガス検出センサーにも劣化や汚損による異常がなく、また、サンプリングプローブや配管の閉塞による異常もないことになる。
【0041】
さらに、排出されるガスのうち、少なくとも3種類のガス成分を同時にガス検出センサーにより測定して、3種類以上のガス成分の濃度に同時に異常が認められた場合には、検出センサーの劣化や汚損による異常というよりもサンプリングプローブや配管の閉塞による異常が発生したと考えてよく、1種類又は2種類のガス成分の濃度のみに異常が認められた場合にはその異常が認められたガス成分の検出センサーの劣化や汚損による異常発生と考えてよい。もちろん、いずれのガス成分の濃度にも異常が認められなかったときは、いずれのガス検出センサーにも劣化や汚損による異常がなく、また、サンプリングプローブや配管の閉塞による異常もないことになる。
【0042】
このような新たな知見のもとに、本発明を完成したのである。
【0043】
以下に、本発明の実施態様を、図を用いて説明する。
【0044】
図1は、転炉の装置構成の概略図である。転炉1の中にスクラップと溶銑(いずれも図示せず)を装入し、溶銑中に酸素を吹き込むことで溶銑中のCを酸化除去してC含有量の少ない溶鋼を製造する。このとき、転炉ガスが発生し、転炉上部煙道2に排出される。ガス回収ブロワ6によって、転炉ガスが除塵装置5を経由してガス回収装置(図示せず)に導かれる。ガスを回収しないときは、ガス回収弁7を大気放散に切り替える。転炉上部煙道2には、ガス測定装置が設置されている。ガス測定装置は、ガス検出センサー(図示せず)を備えたガスサンプリングプローブ3とガス分析装置4からなり、その分析結果はCPU制御装置8に送られる。
【0045】
図2(a)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0046】
図2(b)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のCOガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0047】
図2(c)は、ガス測定装置に、検出センサー異常もサンプリングプローブや配管の閉塞異常の発生していない、正常な状態での転炉ガス中のCO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。
【0048】
本発明(1)又は本発明(3)では、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類又は少なくとも3種類のガス成分の濃度を、吹錬を開始してから一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較するので、吹錬開始後の一定時間と濃度の下限値SCminを、各成分毎に予め設定しておく必要がある。
【0049】
この各成分毎の、吹錬開始後の一定時間と濃度の下限値SCminの設定は、転炉によって異なるので、一概には言えないが、図2に示されるようなガス濃度の分析値の時間経過チャートを分析することで、転炉毎に設定することが可能である。
【0050】
ここでは、O2、CO、CO2のガス成分について、それぞれ、次のとおりに設定した。
【0051】
[O2ガス濃度] 一定時間:30秒、濃度の下限値SCmin:8%
[COガス濃度] 一定時間:100秒、濃度の下限値SCmin:50%
[CO2ガス濃度]一定時間:100秒、濃度の下限値SCmin:10%
図3は、本発明(1)又は本発明(3)にしたがって、転炉ガス中のO2ガスに着目したとき、ガス測定装置に異常が見られたときのO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。図2(a)のO2ガス分析値のチャートとは異なり、吹錬開始からO2ガス成分について予め設定された一定時間である30秒を経過しても、測定されたO2ガス濃度がO2ガス成分について予め設定された濃度の下限値SCminである8%に達していない。
【0052】
同様にして、COガス成分とCO2ガス成分についても、ガス測定装置に異常が見られるかどうかが判断できる。
【0053】
このようにして、本発明(1)にしたがえば、少なくとも2種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が2種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0054】
また、本発明(3)にしたがえば、少なくとも3種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が3種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種又は2種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0055】
次に、本発明(2)又は本発明(4)では、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類又は少なくとも3種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較するので、吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxと濃度Csを、各成分毎に予め設定しておく必要がある。
【0056】
この各成分毎の、吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxと濃度Csの設定は、転炉によって異なるので、一概には言えないが、図2に示されるようなガス濃度の分析値の時間経過チャートを分析することで、転炉毎に設定することが可能である。
【0057】
ここでは、O2、CO、CO2のガス成分について、それぞれ、次のとおりに設定した。
【0058】
[O2ガス濃度] 測定時間の上限値STmax:30秒、濃度Cs:8%
[COガス濃度]測定時間の上限値STmax:100秒、濃度Cs:50%
[CO2ガス濃度]測定時間の上限値STmax:100秒、濃度Cs:10%
図4は、本発明(2)又は本発明(4)にしたがって、転炉ガス中のO2ガスに着目したとき、ガス測定装置に異常が見られたときのO2ガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートである。図2(a)のO2ガス分析値のチャートとは異なり、予めO2ガス成分について設定された測定時間の上限値STmaxである30秒が経過しても、測定されたO2ガス濃度は予めO2ガス成分について設定されたCsに到達していない。
【0059】
同様にして、COガス成分とCO2ガス成分についても、ガス測定装置に異常が見られるかどうかが判断できる。
【0060】
このようにして、本発明(2)にしたがえば、少なくとも2種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が2種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0061】
また、本発明(4)にしたがえば、少なくとも3種のガス成分について、ガス測定装置の異常の有無を検出し、異常ありのガス成分が3種以上の場合には閉塞異常信号を発し、異常ありのガス成分が1種又は2種だけの場合には、異常ありとなったガス成分の検出センサー異常信号を発し、異常ありのガス成分がない場合には正常信号を発するか又は何ら信号を発しないことによって、異常が発生したときに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも含めて、即座に検出できる。
【0062】
なお、異常発生時は、異常部位検出方法によって特定された異常原因に基づき、サンプリングプローブや配管の閉塞を排除するか、異常ありとされたガス成分の検出センサーを交換するか、あるいは、予備の検出センサーに切り替えることによって、操業を再開することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、ガス分析装置の異常を、即座に検出できるとともに、その異常発生が検出センサー異常によるものか又はサンプリングプローブや配管の閉塞によるものかも即座に検出できる。
【0064】
その結果、異常に気づかず操業を継続してエネルギーロスを発生させてしまうことや、O2濃度の高いガスを回収してしまうことによる爆発の危険を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉とその転炉ガスの上部煙道とガス測定装置の概略図である。
【図2】正常な状態での転炉ガス中のガス濃度の分析値を時間の経過とともに図示したチャートであり、(a)はO2ガス成分について、(b)はCOガス成分について、そして、(c)はCO2ガス成分についての分析値である。
【図3】本発明(1)又は本発明(3)にしたがって、転炉ガス中のO2ガス成分についてのガス濃度の分析値に異常が検出されたときの分析値の時間経過チャートである。
【図4】本発明(2)又は本発明(4)にしたがって、転炉ガス中のO2ガス成分についてのガス濃度の分析値に異常が検出されたときの分析値の時間経過チャートである。
【符号の説明】
1 転炉
2 転炉上部煙道
3 ガスサンプリングプローブ
4 ガス分析装置
5 除塵装置
6 ガス回収ブロワ
7 ガス回収弁
8 CPU制御装置
Claims (6)
- 排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことを特徴とする、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法。 - 排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも2個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも2種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が2種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことを特徴とする、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法。 - 吹錬による排出されるガスのうち、CO、CO2、O2から選択される2種以上を測定することを特徴とする、請求項1又は2記載の転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法。
- 排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分の濃度を、吹錬開始から一定時間経過するまでの間、ガス測定装置により連続的に測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、予め各成分毎に設定された濃度の下限値SCminと測定された濃度の最大値MCmaxとを比較し、
▲1▼MCmax≦SCminとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲2▼MCmax≦SCminとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MCmax≦SCminとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲3▼MCmax≦SCminとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことを特徴とする、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法。 - 排出されるガス成分の検出センサーを少なくとも3個有するガス測定装置を備えた転炉又は真空脱炭炉において、吹錬により排出されるガスのうち少なくとも3種類のガス成分について、測定ガスの各成分毎に予め吹錬開始からの測定時間の上限値STmaxを設定しておき、測定ガスの各成分毎に設定された濃度Csになるまでの間の時間MT(ただし、STmaxが経過してもCsに到達しなかったときはSTmaxをMTとみなす。)を、測定ガスの各成分毎にガス濃度を測定し、測定ガス成分のそれぞれについて、STmaxとMTとを比較し、
▲4▼MT≧STmaxとなるガス成分が3種以上の場合には、閉塞異常信号を発し、
▲5▼MT≧STmaxとなるガス成分が1種又は2種だけの場合には、MT≧STmaxとなるガス成分の検出センサー異常信号を発し、
▲6▼MT≧STmaxとなるガス成分がない場合には、正常信号を発するか又は何ら信号を発しない、
ことを特徴とする、転炉又は真空脱炭炉における分析装置の異常検出方法。 - 吹錬による排出されるガスのうち、少なくとも、CO、CO2、O2の3種類のガスを測定することを特徴とする、請求項4又は5記載の転炉又は真空脱炭炉におけるガス測定装置の異常検出方法。
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2003
- 2003-05-08 JP JP2003130720A patent/JP2004332057A/ja active Pending
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