JP2004331805A - メタロセン化合物、それを含む触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法により得られたオレフィン重合体 - Google Patents

メタロセン化合物、それを含む触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法により得られたオレフィン重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】分子量の高いオレフィン重合体を高い重合活性で製造可能なメタロセン化合物、それを用いる触媒を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物に構成する。
Figure 2004331805

(式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。各Xは、ハロゲン原子、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基である。各Rは、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。各Rは、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、2−(5−フェニル)−チエニル基、もしくは、2−ベンゾチエニル基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および該製造方法を用いて得られたオレフィン重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、置換されたインデニル配位子を有するメタロセン化合物を含む触媒を用いたプロピレン重合体の製造方法が報告されている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。
【0003】
しかしながら、このようなメタロセン化合物を含む触媒は一般に高価である。この為、このような触媒を使用して得られるプロピレン重合体の製造コストを低減する為、その触媒の重合活性を改善することが望まれていた。
【0004】
また、これらのメタロセン化合物は、主に、高分子量のプロピレン重合体を製造する目的、および、得られるプロピレン重合体の立体規則性を高度に制御可能にする目的で開発されてきたのであるが、未だその所望の性能を十分に充足するには至っていない。
【0005】
さらに、メタロセン化合物を含む触媒を用いてプロピレン/エチレン共重合体を製造する場合には、一般に、エチレン単位の含有量が増すにつれ、得られる共重合体の分子量が大きく低下することが知られていた(例えば、非特許文献1参照)。このため、メタロセン化合物を含む触媒であって、エチレン単位の含有量が高い場合においてさえ、十分に高い分子量のプロピレン/エチレン共重合体を製造可能な触媒の開発が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−184179号公報
【特許文献2】
特開平6−100579号公報
【特許文献3】
特開平7−188318号公報
【非特許文献1】
T.Sugano「SPO‘99(1999)」、p.31〜53
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、分子量の高いオレフィン重合体を高い重合活性で製造可能なメタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法を用いて得られるオレフィン重合体を提供することである。
【0008】
また、本発明の別の1つの目的は、エチレン単位の含有量が高い場合であっても十分に高い分子量のプロピレン/エチレン共重合体を製造することができるメタロセン化合物、それを含むオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、および、該製造方法を用いて得られるオレフィン重合体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の位置に特定のチエニル基を有する特定のメタロセン化合物を用いることによって、その目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記[1]〜[7]に示される。
[1]下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物。
Figure 2004331805
(式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。各Xは、互いに同一でも異なっていてもよい、Mに結合する、ハロゲン原子、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、2−(5−フェニル)−チエニル基、もしくは、2−ベンゾチエニル基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)
【0011】
[2]前記[1]に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、および、所望により有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
[3]前記[1]に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、微粒子担体、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
[4]前記[1]に記載のメタロセン化合物、イオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
【0012】
[5]前記[2]〜[4]のいずれか1つに記載のオレフィン重合体の製造方法を用いて製造された、オレフィン重合体。
[6]オレフィン重合体が、エチレン単位を、0.15〜50モル%含む、プロピレン/エチレン共重合体である、前記[5]に記載のオレフィン重合体。
[7]オレフィン重合体が、エチレン単位を、0.7〜15モル%含む、プロピレン/エチレン共重合体である、前記[5]に記載のオレフィン重合体。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のメタロセン化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2004331805
上記一般式(1)中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子であり、好ましくは、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子であり、特に好ましくは、ジルコニウム原子である。
【0014】
上記一般式(1)中、各Xは、互いに同一でも異なっていてもよい、Mに結合する、ハロゲン原子、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、塩素原子である。各Xは、互いに同一であることが最も好ましい。
【0015】
上記一般式(1)中、各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基であり、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、もしくは、イソプロピル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、もしくは、イソプロピル基であり、特に好ましくは、メチル基である。各Rは、互いに同一であることが最も好ましい。
【0016】
上記の炭素数6〜16のアリール基は、所望により、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、珪素含有炭化水素基、もしくは、ハロゲン含有炭化水素基で置換されていてもよく、または、アルコキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アミノ基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、もしくは、置換された2−フルフリル基などで置換されていてもよい。
【0017】
本発明において、「置換された2−フリル基」、「置換された2−チエニル基」、および、「置換された2−フルフリル基」とは、2−フリル基、2−チエニル基、および、2−フルフリル基の骨格を形成する炭素原子に結合する水素原子が、それぞれ、他の置換基によって置き換えられた構造のものを言う。ここで、「他の置換基」として好ましいのは、炭素数1〜20の、より好ましくは、炭素数1〜6の、炭化水素基、珪素含有炭化水素基、もしくは、ハロゲン含有炭化水素基である。また、これら以外に、ハロゲン原子、SR、SOH、SOR、COOH、COOR、NO、BR、COR、CHO、C(OH)R、CHCHOH、PO(OR)なども「他の置換基」として用いることができ、その合成法は、例えば、山中宏ら「ヘテロ環化合物の化学」第II刷,(株)講談社サイエンティフィック,1998,p.108 に記載されている。尚、上記置換基の表記中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。また、「置換された2−フリル基」の合成例は、國枝武久ら「ヘテロ環の化学」,第1版,第1刷,(株)化学同人,2002.3.25,p.26 にも記載されている。
【0018】
本発明において、置換された2−フリル基としては、具体的には、2−(5−メチル)−フリル基、2−(5−t−ブチル)−フリル基、2−(5−トリメチルシリル)−フリル基、2−(4,5−ジメチル)−フリル基、2−(5−フェニル)−フリル基、2−ベンゾフリル基が好ましい。
【0019】
また、本発明において、置換された2−チエニル基としては、具体的には、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、2−(5−フェニル)−チエニル基、2−ベンゾチエニル基が好ましい。
【0020】
また、本発明において、置換された2−フルフリル基としては、具体的には、2−フルフリル基中のフリル基の5位の水素原子が、メチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、もしくは、フェニル基で置換されたもの、または、4位と5位の水素原子が共にメチル基で置換されたものが好ましい。
【0021】
上記一般式(1)において、各Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、2−(5−フェニル)−チエニル基、もしくは、2−ベンゾチエニル基である。好ましいのは、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、もしくは、2−(5−フェニル)−チエニル基であり、さらに好ましいのは、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、もしくは、2−(5−フェニル)−チエニル基であり、またさらに好ましいのは、2−(5−メチル)−チエニル基、もしくは、2−(5−t−ブチル)−チエニル基であり、特に好ましいのは、2−(5−t−ブチル)−チエニルである。各Rは、互いに同一であることが最も好ましい。
【0022】
上記一般式(1)において、各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。好ましいのは、炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましいのは、メチル基である。各Rは、互いに同一であることが最も好ましい。
【0023】
上記の炭素数6〜16のアリール基は、所望により、1つ以上の、炭素数1〜6の炭化水素基、珪素含有炭化水素基、もしくは、ハロゲン含有炭化水素基で置換されていてもよく、または、アルコキシ基、ジアルキル置換アミノ基、アミノ基、2−フリル基、置換された2−フリル基、2−チエニル基、置換された2−チエニル基、2−フルフリル基、もしくは、置換された2−フルフリル基などで置換されていてもよい。
【0024】
本発明のメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、高分子量のオレフィン重合体を高い重合活性で製造するために、好ましく用いられる。また、本発明のメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、高分子量で高立体規則性のオレフィン重合体を高い重合活性で製造するために、好ましく用いられる。また、本発明のメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、プロピレンとエチレンの共重合を行う場合に、エチレン含有量が増加しても、得られるプロピレン/エチレン共重合体の分子量が殆ど低下しないかその低下が小さく、同条件で製造されるプロピレン単独重合体と同等の分子量を有するようなプロピレン/エチレン共重合体を製造するために、特に好ましく用いられる。また、本発明のメタロセン化合物は、オレフィン重合用の触媒成分として、o−ジクロルベンゼンへの溶解成分が少ないオレフィン重合体を製造するために、好ましく用いられる。
【0025】
本発明のメタロセン化合物として、具体的には、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−フェニル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−t−ブチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−トリメチルシリル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−ベンゾチエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(4,5−ジメチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、などを例示することができる。
【0026】
本発明のメタロセン化合物として、好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−フェニル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−t−ブチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−トリメチルシリル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドであり、さらに好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−フェニル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−t−ブチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−トリメチルシリル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドであり、またさらに好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−t−ブチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドである。本発明のメタロセン化合物として、特に好ましいのは、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−t−ブチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドである。
【0027】
本発明のメタロセン化合物は、他の成分とともに、オレフィン重合用触媒として、オレフィン重合体の製造に好ましく用いることができる。本発明のメタロセン化合物を含む触媒は、以下の(1)〜(3)に大別することができる。
【0028】
(1)上記に記載のメタロセン化合物(以降、「(A)成分」と言う場合がある。)および活性化化合物(以降、「(B)成分」と言う場合がある。)、および所望により使用する有機アルミニウム化合物(以降、「(D)成分」と言う場合がある。)とからなるオレフィン重合用触媒(以降、「メタロセン均一系触媒」と言う場合がある。)。
【0029】
(2)(A)成分、(B)成分、微粒子担体(以降、「(C)成分」という場合がある。)、および所望により使用する(D)成分、を用いて製造されることを特徴とするメタロセン担持型触媒成分(以降、「メタロセン担持型触媒I」と言う場合がある。)と、有機アルミニウム化合物(以降、「(D’)成分」と言う場合がある。)からなるオレフィン重合用触媒。
【0030】
(3)(A)成分、特定のイオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩(以降、「(E)成分」と言う場合がある。)、および、所望により使用する(D)成分、を用いて製造されることを特徴とするメタロセン担持型触媒成分(以降、「メタロセン担持型触媒II」と言う場合がある。)と、(D’)成分からなるオレフィン重合用触媒。
【0031】
上記(2)もしくは(3)に記載されたメタロセン担持型触媒IもしくはIIのうち、本発明のオレフィン重合体の製造においては、上記(2)に記載されたメタロセン担持型触媒Iが特に好ましく用いられる。
【0032】
上記の、(B)成分としては、有機アルミニウムオキシ化合物などの、(A)成分と反応してイオン対を形成する化合物が用いられる。該有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記の一般式(2)もしくは(3)で表されるアルミノキサンが好適に用いられる。
【0033】
Figure 2004331805
【0034】
Figure 2004331805
【0035】
式中、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、および、ヘキシル基等のアルキル基、アリル基、2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、および、ブテニル基等のアルケニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、および、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ならびに、アリール基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4の炭化水素基が好ましく、特に好ましいのは炭素数1〜4のアルキル基である。上記一般式(2)において、各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい。qは4〜30の整数であり、好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜30の整数である。
【0036】
上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することが可能である。具体的には、以下の方法を例示できる。すなわち、
▲1▼トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリアルキルアルミニウムと水とを直接反応させる方法、
▲2▼トリアルキルアルミニウムと、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等の結晶水を有する塩類とを反応させる方法、
▲3▼トリアルキルアルミニウムと、シリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法、
▲4▼トルエン、エーテル等の有機溶剤中で、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物を、水と直接反応させる方法、
▲5▼トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物を、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等の結晶水を有する塩類と反応させる方法、
▲6▼シリカゲル等含浸させた水分と、トリイソブチルアルミニウムとを反応させた後、トリメチルアルミニウムをさらに反応させる方法、を例示できる。
【0037】
(A)成分と反応してイオン対を形成する化合物としては、有機アルミニウムオキシ化合物の他に、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207704号公報、国際公開第92/00333号パンフレット,米国特許第5064802号明細書,国際公開第93/03067号パンフレット、特開平4−309508号公報,特開平4−353502号公報,特開平5−331232号公報、国際公開第00/20426号パンフレット、「chem. Rev.」 100, 1391−1434(2000)、などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物、もしくは、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0038】
ルイス酸としては、硼素原子を含有するルイス酸が好適で、非限定的な具体例としては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−フルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン等が挙げられる。これらのうちで、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
【0039】
上記において、イオン性化合物とは、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩である。アニオン性化合物はメタロセン化合物と反応することにより、該メタロセン化合物をカチオン化してイオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。このようなアニオン性化合物としては、有機硼素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオンなどがあるが、比較的嵩高なものが好ましい。一方、カチオン性化合物としては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどが例示できる。
【0040】
上記のとおり、イオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であるが、イオン性化合物としては、特に、アニオン性化合物として硼素化合物を使用して得られた塩が好適に使用できる。具体的には、トリアルキル置換アンモニウム塩としての、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボラン、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ボラン、トリメチルアンモニウム(p−トリル)ボラン、トリメチルアンモニウム(o−トリル)ボラン、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ボラン、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ボラン、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボラン、などが例示できる。ほかにも、N,N−ジアルキルアニリニウム塩として、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボラン、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボラン、N,N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウム(フェニル)ボランなどが例示でき、また、ジアルキルアンモニウム塩として、ジ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボランなどが例示でき、トリアルキルホスフォニウム塩及びトリアリールホスフォニウム塩としては、トリメチルホスフォニウムテトラ(フェニル)ボラン、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ボラン、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ボラン、などが例示できる。さらに、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、もしくは、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボラン、なども例示することができる。
【0041】
(B)成分としては、特に、アルミノキサンが好ましく用いられる。
【0042】
また、本発明のオレフィン重合体の製造に使用されるメタロセン担持型触媒Iにおいて、その原料として用いられる(C)成分は、無機担体もしくは有機担体であって、粒子径が1〜500μm、好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜150μmの顆粒状もしくは球状の無機微粒子担体もしくは有機微粒子担体である。
【0043】
これらの無機微粒子担体は、比表面積が50〜1,000m/g、好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜2.5m/gの範囲にあることが好ましい。
【0044】
該無機微粒子担体としては、金属酸化物、たとえば、SiO、Al、MgO、TiO、ZnO、それらの混合物、もしくは、それらの複合酸化物が好ましく、主成分としてSiOもしくはAlを含有するものが特に好ましい。無機微粒子担体として、具体的には、SiO、Al、MgO、SiO−Al、SiO−MgO、SiO−TiO、SiO−Al−MgO,もしくは、クロム化合物が担持されたSiO,等が例示され、特にSiOが好ましい。
【0045】
上記無機微粒子担体は、使用に先立って、通常、100〜1,000℃、好ましくは300〜900℃、特に好ましくは400〜900℃で焼成したものを使用する。焼成後の無機微粒子担体の表面吸着水量は0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であり、また表面水酸基含量は1.0重量%以上、好ましくは1.5〜4.0重量%、さらに好ましくは2.0〜3.5重量%の範囲である。また、これらの無機微粒子担体は、使用に先だって、予め有機アルミニウム化合物および/またはハロゲン含有珪素化合物との接触処理あるいは、硝酸クロム(III)等の酸との接触処理が施されていてもよい。
【0046】
一方、有機微粒子担体としては、微粒子有機重合体、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィンの微粒子重合体、ポリスチレンなどの微粒子重合体などを例示することができる。
【0047】
(D)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式 AlR 3−(s+t)で表される化合物が好適に使用される。式中、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基、アルコキシ基、フッ素原子、メチル基、トリフルオロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基を表す。Xはハロゲン原子を表し、sおよびtは、0<s+t≦3を満たす任意の整数を示す。
【0048】
(D)成分の上記有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミノウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、および、それらの2種以上の混合物を例示できる。より好ましいのは、トリアルキルアルミニウムである。さらに好ましいのは、トリエチルアルミニウム、もしくは、トリイソブチルアルミニウムである。
【0049】
前記メタロセン担持型触媒IIの製造に用いられる(E)成分は、イオン交換性層状化合物、もしくは、無機珪酸塩である。尚、本願で用いている「イオン交換性層状化合物」という用語には、珪酸塩は含まれない。
【0050】
上記のイオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が挙げられ、その具体例としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HO等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。
【0051】
上記のイオン交換性層状化合物は、必要に応じて塩類処理および/または酸処理を行って使用してもよい。塩類処理も酸処理も施されていない状態のイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンの交換が可能である。
【0052】
上記の無機珪酸塩としては、具体的には、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土などが挙げられる。これらは、合成品を使用してもよいし、天然に産出する鉱物を使用してもよい。粘土および粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。また、人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。
【0053】
上記の無機珪酸塩の中では、カオリン族、ハロサイト族、蛇紋石族、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが好ましく、スメクタイト、バーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトがさらに好ましい。これらは、特に処理を行うことなくそのまま使用してもよいし、ボールミル、篩い分け等の処理を行った後に使用してもよい。また、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
【0054】
上記の無機珪酸塩は、必要に応じ、塩類処理および/または酸処理により、固体の酸強度を変えることが出来る。また、塩類処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することにより、表面積や層間距離を変えることが出来る。すなわち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることが出来る。
【0055】
(E)成分は、未処理のまま使用してもよいが、含有される交換可能な金属陽イオンを次に示す塩類および/または酸より解離した陽イオンとイオン交換して使用するのが好ましい。
【0056】
イオン交換に使用する塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも1種の原子もしくは原子団より誘導される陰イオンとからなる化合物であり、さらに好ましくは、2〜14族原子からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClO、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、C、Cからなる群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンとからなる化合物である。また、これら塩類は2種以上を同時に使用してもよい

【0057】
上記のイオン交換に使用する酸は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらの2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる方法としては、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法などがある。なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、Li等の陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
【0058】
塩類および酸による処理条件は特に制限されない。しかしながら、通常、塩類および酸濃度は0.1〜30重量%、処理温度は室温から使用溶媒の沸点までの温度範囲、処理時間は5分から24時間の条件を選択し、被処理化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は一般的には水溶液で使用される。
【0059】
上記の塩類処理および/または酸処理を行う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理、有機化合物処理、有機金属処理などの他の化学処理を併用してもよい。この様にして得られる(E)成分としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gであることが好ましい。斯かる(E)成分は、水溶液中で処理した場合、吸着水および層間水を含む。ここで、吸着水とは、イオン交換性層状化合物または無機珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水であり、層間水とは、結晶の層間に存在する水である。
【0060】
(E)成分は、上記の様な吸着水および層間水を除去して使用することが好ましい。脱水方法は、特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水などの方法が使用される。加熱温度は、吸着水および層間水が残存しない様な温度範囲とされ、通常100℃以上、好ましくは150℃以上とされるが、構造破壊を生じる様な高温条件は好ましくない。加熱時間は、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後の(E)成分の重量減量は、温度200℃、圧力133Paの条件下で2時間吸引したときの値として3重量%以下であることが好ましい。本発明においては、重量減量が3重量%以下に調整された(E)成分を使用する場合、(A)成分及び(D)成分と接触する際にも、同様の重量減量の状態が保持される様に取り扱うことが好ましい。
【0061】
次に、メタロセン担持型触媒IおよびIIの製造方法について説明する。
【0062】
メタロセン担持型触媒Iは、(C)成分の存在のもとに、(A)成分と(B)成分、および所望により使用する(D)成分を反応させることによって得られる。(A)成分と(B)成分を(C)成分に加える順序は任意に変えることができる。例えば、適当な炭化水素溶媒に溶解させた(A)成分を最初に(C)成分に加え、その後で(B)成分を加えることができる。また、(B)成分と(A)成分を予め反応させたものを同時に(C)成分に加えることができる。そして、(B)成分を最初に(C)成分に加え、その後で(A)成分を加えることもできる。反応の際の温度は、通常−20ないし200℃、好ましくは0ないし120℃であり、反応に要する時間は、通常0.1分以上、好ましくは1分ないし200分の範囲である。また、上記のようにして得られたメタロセン担持型触媒Iは、必要により少量のオレフィンで予備重合したのち使用してもよい。
【0063】
予備重合に用いるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示でき、これら2種以上のオレフィンの混合物であってもよい。
【0064】
本発明のオレフィン重合体の製造に好適に用いられるメタロセン担持型触媒Iとしては、下記の(a)工程〜(c)工程を順次実施して調製されるメタロセン担持型触媒もしくは下記(a)工程〜(d)工程を順次実施して得られる予備活性化メタロセン担持型触媒を挙げることができる。
(a)メタロセン化合物(A)とアルミノキサンとを不活性溶媒中で反応させてメタロセン触媒を得る工程、
(b)上記(a)工程で得たメタロセン触媒と無機微粒子担体とを、不活性溶媒の存在下、85〜150℃の温度で接触させてメタロセン触媒を無機微粒子担体に担持させ、粗製メタロセン担持型触媒を得る工程、
(c)上記(b)工程で得た粗製メタロセン担持型触媒を含むスラリーを−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄して精製したメタロセン担持型触媒を得る工程、
(d)上記(c)工程で得たメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、該メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜500kgのオレフィン予備重合体をさらに該メタロセン担持型触媒に担持させて予備活性化メタロセン担持型触媒を得る工程。
【0065】
上記(a)工程においては、前記メタロセン化合物(A)1モルに対してアルミニウム原子として10〜1,000モル、好ましくは20〜500モルのアルミノキサンを、不活性溶媒中において−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、1分〜10時間、好ましくは3分〜5時間反応させて、メタロセン触媒を生成させる。
【0066】
不活性溶媒の使用は、反応を均一かつ効率的に進める上で好ましい。該不活性溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、メタロセン化合物(A)1モルに対して、10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットル程度である。
【0067】
使用できる不活性溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素、ブタン、テトラメチルブタン、ペンタン、エチルペンタン、トリメチルペンタン、ヘキサン、メチルヘキサン、エチルヘキサン、ジメチルヘキサン、ヘプタン、メチルヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素、上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素をハロゲンで置換したハロゲン化炭化水素およびそれらの混合溶媒が挙げられる。また、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類も上記不活性溶媒として使用することができる。
【0068】
好ましい不活性溶媒は芳香族炭化水素である。また、市販のアルミノキサン溶液の溶媒をそのまま、もしくは、それにさらにその他の芳香族炭化水素などを追加して反応に使用することもできる。
【0069】
上記(a)工程に続く(b)工程において、(a)工程で得られたメタロセン触媒と無機微粒子担体とを、(a)工程において反応溶媒として使用した不活性溶媒の存在下に85〜150℃の温度で接触させることにより、前記メタロセン触媒が無機微粒子担体上に担持された固体生成物としての粗製メタロセン担持型触媒が得られる。この接触反応においては、必要に応じて不活性溶媒を追加使用することができる。
【0070】
粗製メタロセン担持型触媒中の、メタロセン触媒と、無機微粒子担体との比率は、メタロセン触媒としてのメタロセン化合物(A)とアルミノキサンとの反応生成物に含まれるメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モルに対して、無機微粒子担体が1〜1,000kg、好ましくは5〜500kgの割合である。(b)工程で使用する不活性溶媒の使用量は、メタロセン触媒としてのメタロセン化合物(A)とアルミノキサンとの反応生成物に含まれるメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モルに対して、10〜10,000リットル、好ましくは10〜1,000リットルの割合である。
【0071】
該メタロセン触媒と該無機微粒子担体との接触は、85〜150℃、好ましくは90〜130℃、特に好ましくは95〜120℃の温度条件下に、5分間〜100時間、好ましくは10分間〜50時間行われる。特に温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で接触させることにより、得られるメタロセン担持型触媒は高い重合活性を有し、この触媒をオレフィン重合に使用すると、得られるオレフィン重合体は高い嵩比重と良好な粒子性状を有する重合体になる。
【0072】
続く(c)工程においては、(b)工程で得られた不活性溶媒を含む粗製メタロセン担持型触媒を、−50〜50℃の温度で脂肪族炭化水素を用いて少なくとも2回洗浄することにより、精製されたメタロセン担持型触媒を得る。
【0073】
洗浄に用いる脂肪族炭化水素としては、前記不活性溶媒として例示した脂肪族炭化水素およびそれらの混合液が挙げられる。好ましくは、n−ヘキサン、イソペンタン、もしくは、それらの混合物である。
【0074】
(c)工程での洗浄方法として、たとえば、(b)工程の終了後、不活性溶媒と粗製メタロセン担持型触媒とからなるスラリーから、不活性溶媒を、濾過、遠心分離もしくはデカンテーション等により分離したのち、脂肪族炭化水素を用いて該粗製メタロセン担持型触媒を洗浄する方法を採用することができる。また、(b)工程の終了後、不活性溶媒と粗製メタロセン触媒とからなるスラリーから不活性溶媒を分離することなく脂肪族炭化水素を添加し、不活性溶媒および脂肪族炭化水素の混合溶媒を上記と同様の手段で分離したのち、脂肪族炭化水素を用いて粗製メタロセン担持型触媒を洗浄する方法を採用することもできる。(c)工程で行う洗浄方法としては、後者の方法がより好ましい。
【0075】
該洗浄は、1回の洗浄につき、(b)工程で使用した無機微粒子担体1kgに対し、脂肪族炭化水素1〜500リットル、好ましくは10〜100リットルを使用して、−50〜50℃、好ましくは−30〜40℃、特に好ましくは−30〜30℃の温度条件下に、洗浄後の脂肪族炭化水素中にメタロセン触媒が溶出しなくなるまで繰り返し行なわれる。少なくとも2回、通常は4回以上洗浄すれば充分であるが、これに限定されない。
【0076】
洗浄温度条件は重要な因子であり、上記温度範囲内で洗浄することにより、得られるメタロセン担持型触媒は高い重合活性を有し、この触媒を用いてオレフィン重合を行うと、得られるオレフィン重合体は特に高い嵩比重と良好な粒子性状を有する。
【0077】
本発明で好適に用いられる予備活性化メタロセン担持型触媒は、(d)工程で、前記(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒とオレフィンとを接触させてオレフィンを予備重合させ、メタロセン担持型触媒1kg当たり0.01〜500kgのオレフィン予備重合体をメタロセン担持型触媒に担持させて得られる。
【0078】
予備活性化メタロセン担持型触媒に担持されるオレフィン予備重合体としては、炭素数2〜20のオレフィン、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の単独重合体およびそれらの2種以上の組み合わせからなる共重合体が挙げられ、特にエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレンを主体とするエチレンとエチレン以外のオレフィンとのエチレン/オレフィン共重合体、もしくはプロピレンを主体とするプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとのプロピレン/オレフィン共重合体が好適である。また、これらのオレフィン予備重合体は135℃のデカリン中で測定した固有粘度[η]が0.1〜10dl/g、好ましくは0.2〜7dl/gの範囲である。但し、溶融張力が高いオレフィン重合体を得るためには、オレフィン予備重合体の135℃のデカリン中で測定した固有粘度[η]は、10dl/gより大きく、100dl/g以下の範囲、より好ましくは15〜80dl/gの範囲、特に好ましくは20〜50dl/gの範囲である。
【0079】
好ましいオレフィンの予備重合方法は、(c)工程で得られたメタロセン担持型触媒を脂肪族炭化水素に分散したスラリー中に、予備重合するオレフィンを導入し、該オレフィンをメタロセン担持型触媒と接触させることにより予備重合させる方法である。メタロセン担持型触媒を脂肪族炭化水素に分散したスラリーとしては、(c)工程の最終段階の洗浄で得られた該触媒を、該脂肪族炭化水素から分離することなく使用してもよく、また、分離後、それを改めて同様の脂肪族炭化水素に再分散して使用してもよい。
【0080】
該オレフィンの予備重合は、重合させるオレフィン自身を溶媒として液相中で、もしくは、溶媒を使用せずに気相中で行うことも可能であるが、少量のオレフィンの重合を制御し、かつ予備重合を均一に進めるためには、脂肪族炭化水素の存在下で行うことが好ましい。
【0081】
脂肪族炭化水素中で行うオレフィンの予備重合は、メタロセン担持型触媒1kgに対して、脂肪族炭化水素0.005〜5m、好ましくは0.01〜1mからなるスラリー中に、オレフィンを0.01〜1,000kg、好ましくは0.1〜500kg導入して、−50〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度条件下に、1分間〜50時間、好ましくは3分間〜20時間に渡ってオレフィンを接触させることによって行う。
【0082】
上記のオレフィンの予備重合において、メタロセン担持型触媒には、メタロセン化合物(A)と、活性化化合物(B)として好適にはアルミノキサンとの反応生成物が担持されているので、新たにトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物やアルミノキサンに代表される助触媒を添加する必要は特にないが、所望によって添加してもよい。これらの助触媒の添加量は、該メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物(A)由来の遷移金属原子1モル当たり、アルミニウム原子として1,000モル以下、好ましくは500モル以下の範囲に留めるのが好ましい。
【0083】
本発明においては、上記オレフィンの予備重合を水素の存在下に行って、生成するオレフィン予備重合体の重量平均分子量(Mw)を100,000〜500,000g/モルの範囲となるように制御することが、粒子性状に優れたオレフィン重合体を得るためには望ましい。
【0084】
また、本発明のオレフィン重合体の製造に好適に用いられるメタロセン担持型触媒Iの製造方法として、上記の方法に加えて、予め、(B)成分と(C)成分とを反応させた後、引き続き(A)成分と反応させる方法も例示できる。この方法で得られた触媒を使用すれば、粒子性状が特に優れたオレフィン重合体を製造することができる。
【0085】
本発明で用いることのできるメタロセン担持型触媒IIは、(A)成分、(E)成分、および、所望により(D)成分とを接触させることにより調製される。接触方法は、特に限定されないが、次の(1)〜(5)に示す方法を例示することができる。
(1)(A)成分と(E)成分を接触させる。
(2)(A)成分と(E)成分を接触させた後に(D)成分を添加する。
(3)(A)成分と(D)成分を接触させた後に(E)成分を添加する。
(4)(E)成分と(D)成分を接触させた後に(A)成分を添加する。
(5)(A)成分、(E)成分、(D)成分を同時に接触させる。
【0086】
なお、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンの予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。また、上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を、各成分と共存させるか、または、各成分に接触させてもよい。上記の各成分の接触は、窒素などの不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触は、−20℃を下限とし、溶媒の沸点を上限とする温度範囲で行い、特に室温を下限とし、溶媒の沸点を上限とする温度範囲で行うのが好ましい。
【0087】
上記の各成分の使用量は次の通りである。すなわち、(E)成分の1g当たり、(A)成分は、通常10−4〜10ミリモル、好ましくは10−3〜5ミリモルであり、(D)成分は、通常0.01〜10ミリモル、好ましくは0.1〜100ミリモルである。また、(A)成分中の遷移金属と(D)成分中のアルミニウムの原子比は、通常1:0.01〜10、好ましくは1:0.1〜10である。この様にして調製された触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗浄した後に使用してもよい。
【0088】
また、必要に応じて(D)成分を追加使用してもよい。すなわち、(A)成分及び/又は(E)成分と(D)成分とを使用して触媒調製を行った場合は、この触媒調製とは別にさらに(D)成分を反応系に追加添加してもよい。この際、使用される(D)成分の量は、(A)成分中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子に対する(D)成分中のアルミニウム原子の原子比として、通常1:0〜10、好ましくは1:1〜10の範囲を充足するように選ばれる。
【0089】
上記のようにして得られたメタロセン担持型触媒IIも、前記メタロセン担持型触媒Iと同様、オレフィンを予備重合して該担持型触媒にオレフィン予備重合体をさらに担持したのちに、これを本発明のオレフィン重合体の製造に用いることもできる。
【0090】
上記のようにして得られたメタロセン担持型触媒IもしくはIIは、さらに、有機アルミニウム化合物((D’)成分)と組み合わせて得られるオレフィン重合用触媒として、本発明のオレフィン重合体の製造に好適に使用できる。
【0091】
オレフィン重合体の製造において、メタロセン担持型触媒IもしくはIIと組み合わせて用いられる(D’)成分は、前記メタロセン担持型触媒IもしくはIIの製造に用いられる有機アルミニウム化合物として前述したものから選ばれるが、前記メタロセン担持型触媒IもしくはIIの製造に用いられる有機アルミニウム化合物と同じものであってもよいし、別の有機アルミニウム化合物であってもよい。
【0092】
該オレフィン重合体の製造に使用される(D’)成分の量は、メタロセン担持型触媒もしくは予備活性化メタロセン担持型触媒中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子1モルに対し、(D’)成分中のAl原子として1〜5,000モル、好ましくは5〜3,000モル、特に好ましくは10〜1,000モルの割合である。
【0093】
メタロセン担持型触媒もしくは予備活性化メタロセン担持型触媒の使用量は、重合容積1リットルあたり、該触媒中のメタロセン化合物(a)由来の遷移金属原子に換算して、1×10−10〜1×10−3モル、好ましくは1×10−9〜1×10−4モルである。触媒の使用量を上記範囲とすることにより、オレフィンの効率的かつ制御された重合反応速度を維持することができる。
【0094】
なお、「重合容積」の用語は、液相重合の場合は重合器内の液相部分の容積を、気相重合の場合は重合器内の気相部分の容積を意味する。
【0095】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、本発明のメタロセン化合物を含む、上記で説明した(1)〜(3)のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法である。
【0096】
本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、所望の性能を有するオレフィン重合体を製造するために、メタロセン化合物として、ラセミ体のメタロセン化合物を用いるのが好適である。所望とする品質を損ねない範囲で、ラセミ体にメソ体が少量(好ましくは5%未満)混ざっていてもよい。
【0097】
本発明のオレフィン重合体の製造方法が適用されるプロセスとしては、公知のオレフィン重合プロセスが使用可能であり、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ガソリン留分や水素化ジーゼル油留分等の不活性溶媒中でオレフィン類を重合させるスラリー重合法を採用することができる。また、オレフィン類自身を溶媒として用いるバルク重合法、オレフィン類の重合を気相中で実施する気相重合法を採用することもできる。そして、これらのプロセスの2種以上を組み合わせた重合プロセスを採用することもできる。この重合プロセスの組み合わせとしては、第1段目をバルク重合法で行い、引き続く第2段目を気相重合法で行う組み合わせが最も好ましい。また、溶液重合法を用いることも可能である。
【0098】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、重合温度として40〜150℃、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃、重合圧力として大気圧〜9.9MPa(ゲ−ジ圧)、好ましくは0.4〜5.0MPa(ゲ−ジ圧)の各条件が採用できる。また、必要に応じて水素のような連鎖移動剤を導入して、得られるオレフィン重合体の分子量を調節しても良い。
【0099】
重合反応終了後、重合系から未反応単量体及び水素を分離し、触媒失活処理等を行って、オレフィン重合体を得る。
【0100】
本発明のオレフィン重合体は、以上に説明したオレフィン重合体の製造方法により製造される。
【0101】
本発明において、「オレフィン」とは、炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエンなどが挙げられる。本発明において、「プロピレン以外のオレフィン」とは、プロピレン以外の炭素数2〜20のオレフィンを指し、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、4−メチル−1−ペンテン等、さらにこれらの2種以上の混合物を意味する。本発明において、最も好ましく用いられるプロピレン以外のオレフィンは、エチレンおよび/または1−ブテンである。
【0102】
本発明において、「オレフィン重合体」とは、炭素数2〜20のオレフィンから選ばれた1つのオレフィンからなる単独重合体、もしくは、2つ以上のオレフィンからなる共重合体を言う。
【0103】
また、本発明において、「オレフィン重合体」は、スチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエン、トリエンなどを、重合体を構成する構成単位のモル基準で、30モル%以下の範囲で含んでいてもよい。
【0104】
本発明のオレフィン重合体は、好ましくは、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体であって、該共重合体中のオレフィン単位の含有量が、0.1〜80モル%である共重合体である。かかる共重合体中の、オレフィン単位の含有量は、好ましくは0.5〜50モル%、さらに好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは1〜15モル%である。
【0105】
本発明のオレフィン重合体として、さらに好ましいのは、エチレンを0.15〜50モル%含有するプロピレン/エチレン共重合体であり、さらに好ましいのは、エチレン単位を0.7〜15モル%含有するプロピレン/エチレン共重合体であり、さらに好ましいのは、エチレン単位を1〜10モル%含有するプロピレン/エチレン共重合体である。
【0106】
本発明の製造方法で得られるオレフィン重合体が、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体である場合には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、もしくは、ランダムブロック共重合体のいずれであっても良い。
【0107】
また、本発明のオレフィン重合体が、プロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含む共重合体であり、特に、プロピレン/オレフィン・ランダム共重合体である場合には、該共重合体中のプロピレン単位の含有量(P:モル%)と、該共重合体の融点(Tm:℃)との間に、下記式の関係を充足することが好ましい。
170>Tm≧145−5.5(100−P)
また、下記式の関係を有することが、より好ましい。
170>Tm≧147−5.5(100−P)
当該式は、共重合体中のオレフィン単位の含有量が高いときでさえ、高い融点を示すことができるという本発明のオレフィン重合体の特に優れた特性を表す。
【0108】
また、本発明のオレフィン重合体は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5×10〜5×10g/モル、さらに好ましくは1×10〜5×10g/モルである。また、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.8〜3.0、最も好ましくは1.8〜2.5である。
【0109】
また、本発明のオレフィン重合体は、MFRが、好ましくは0.5〜300g/10分、さらに好ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが0.5g/10分より小さいか、或いは300g/10分より大きいと、従来公知の成形加工機での成形が困難となる可能性がある。MFR値は、オレフィン重合体の分子量の高低を知る指標となる。
【0110】
本発明のオレフィン重合体の立体規則性を表すアイソタクチックペンタッド分率(I)については、特に限定はないが、好ましくは0.400〜0.990、より好ましくは0.800〜0.990、さらに好ましくは0.850〜0.990、特に好ましくは0.920〜0.990である。
【0111】
また、本発明のオレフィン重合体のアイソタクチックトリアッド分率(I)については、特に限定はないが、好ましくは、0.50〜0.999、より好ましくは、0.85〜0.999、さらに好ましくは、0.87〜0.999、特に好ましくは、0.94〜0.999である。
【0112】
本発明のオレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対する、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数の占める割合、および、オレフィンの1,3−挿入反応に起因するプロピレン単位のモル数の占める割合については、特に限定はないが、それぞれ独立して、5mol%以下、好ましくは3mol%より小さい範囲である。
【0113】
本発明のオレフィン重合体のアイソタクチックペンタッド分率(I)、及び、アイソタクチックトリアッド分率(I)、さらに、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対し、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数およびオレフィンの1,3−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数の占める割合は、次のような方法に従って測定した13C核磁気共鳴スペクトルの測定結果に基づき求められる。
【0114】
すなわち、o−ジクロロベンゼン/臭化ベンゼン=8/2重量比の混合溶液に、試験体(オレフィン重合体)を、その混合溶液中での濃度が20重量%となるように溶解する。この試験液について、測定波長が67.20MHz,測定温度が130℃で、13C核磁気共鳴スペクトルを測定する。測定装置としては、例えば日本電子(株)社製「JEOL−GX270NMR」を用いることができる。
【0115】
「アイソタクチックペンタッド分率(I)」及び「アイソタクチックトリアッド分率(I)」は、オレフィン単独重合体の場合には、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等のマクロモレキュールズ(Macromolecules)6,925−926(1973)で提案された13C核磁気共鳴スペクトルにより測定し求められる、重合体の立体規則性を示す指標である。本13C核磁気共鳴スペクトルの測定におけるピークの帰属決定法はエイ・ザンベリ(A.Zambelli)等のマクロモレキュールズ(Macromolecules)8,687(1975)で提案された帰属に従った。また、共重合体のアイソタクチックトリアッド分率(I)は、特開平7−149833号公報、特開平8−283343号公報に提案された方法に基づいて算出した。
【0116】
アイソタクチックペンタッド分率(I)とは、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総数に対し、5個連続してメソ結合をしているオレフィン単位の占める割合を表し、アイソタクチックトリアッド分率(I)は、オレフィン重合体分子鎖中のオレフィン単位の総数に対して、3個連続してメソ結合をしているオレフィン単位の割合を表す。従ってアイソタクチックペンタッド分率(I)、アイソタクチックトリアッド分率(I)が高いほどアイソタクチック性が高いことを示す。このうち、アイソタクチックペンタッド分率(I)は、特に、単独重合体のアイソタクチック性の指標に用いられ、アイソタクチックトリアッド分率(I)は、単独重合体もしくは共重合体のアイソタクチック性の指標として用いられる。
【0117】
上記の、オレフィン重合体を構成しているオレフィン単位の総モル数に対する、オレフィンの2,1−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数およびオレフィンの1,3−挿入反応に起因するオレフィン単位のモル数のそれそれが占める割合とは、筒井(T.Tsutsui)等によってポリマー(Polymer),30,1350−1356(1989)に発表された方法に基づき13C核磁気共鳴スペクトルにより測定し求められる、オレフィン重合体の立体規則性を示す指標である。
【0118】
本発明のオレフィン重合体は、さらに、o−ジクロルベンゼンへの溶解成分が少ないという特徴を有する。このため、該オレフィン重合体を用いて得られる成形品は、べたつきが少なく、透明性が良好である。
【0119】
本発明のオレフィン重合体は、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤等の各種添加剤、さらには種々の合成樹脂を配合した後、通常、溶融混練機を用いて190〜350℃の温度で20秒〜30分間程度加熱溶融混練し、必要に応じてストランド状に押し出した後に、さらに細断して粒状体、すなわちペレットの形態で各種成形品の製造に供される。例えば、フィルム、シート、繊維、射出成形品、ブロー成形品、容器、延伸糸、不織布、発泡体などに好適に用いることができるとともに、シーラントとしても好適に用いることができる。
【0120】
【実施例】
以下に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例および比較例において使用する用語の定義および測定方法は以下の通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)(単位:g/10分):JIS K7210に準拠して、表1の条件14(荷重21.18N、温度230℃)で測定した。
(2)オレフィン重合体がプロピレン単位とプロピレン以外のオレフィン単位を構成単位として含むプロピレン/オレフィン共重合体である場合のオレフィン単位の含有量(単位:モル%):13C NMRにより測定して求めた。
【0121】
実施例1
〔ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドの合成〕
(1)2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−ジヒドロアズレンの合成
500mlのガラス製反応容器に、2−メチルチオフェンを13.8g(0.14モル)、ジエチルエーテルを100ml加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.57モル/リットルのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液を90ml(0.14モル)滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら16時間攪拌した。再びドライアイス−メタノール浴で−40℃まで冷却し、2−メチルアズレンを10g(70ミリモル)含むヘキサン溶液100mlを滴下した。滴下後、室温に戻し3時間攪拌し、6時間加熱還流させた。反応液をドライアイス−メタノール浴で−20℃まで冷却し、希塩酸50mlを滴下した。この反応液を、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加え一晩放置し乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−ジヒドロアズレンの暗緑色液体6.7g(収率40%)を得た。構造はNMRで確認した。
【0122】
(2)ジメチルビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−1,4−ジヒドロアズレニル)シランの合成
500mlのガラス製反応容器に、2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−ジヒドロアズレンを6.0g(25ミリモル)、ヘキサンを150ml、ジエチルエーテルを30ml加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.04モル/リットルのメチルリチウム−ジエチルエーテル溶液24ml(25ミリモル)を滴下した。滴下後、室温まで戻し1時間攪拌し、次いで50℃で1時間加熱した。その後、室温まで放冷し、テトラヒドロフランを100mlと、1−メチルイミダゾールを0.1ml(1.3ミリモル)加え、ドライアイス−メタノール浴で70℃まで冷却し、ジメチルジクロロシランを1.5ml(12ミリモル)含むテトラヒドロフラン溶液40mlを滴下した。滴下後、徐々に室温に戻しながら16時間攪拌した。
反応液に蒸留水を加え、分液ロートに移し食塩水で中性になるまで洗浄した。ここに無水硫酸ナトリウムを加え一晩放置し反応液を乾燥させた。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去して、シリカゲルカラムで精製し、ジメチルビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−1,4−ジヒドロアズレニル)シランの黄緑色固体5.2g(収率78%)を得た。
【0123】
(3)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドの合成
500mlのガラス製反応容器に、ジメチルビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−1,4−ジヒドロアズレニル)シランを6.2g(12ミリモル)、ジエチルエーテルを200ml加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。ここに1.57モル/lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液を15ml(24ミリモル)滴下した。滴下後、室温に戻し16時間攪拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、トルエンを300ml,ジエチルエーテルを15ml加え、ドライアイス−メタノール浴で−70℃まで冷却した。そこに、四塩化ジルコニウムを2.7g(12ミリモル)加えた。その後、徐々に室温に戻しながら16時間攪拌した。H−NMRより分析した結果、この段階では、ラセミ体とメソ体の混合物(ラセミ体:メソ体=60:40)が得られていた。
溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン/ヘキサンで再結晶を行い、純度99%以上のラセミ体のジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライドを0.7g(収率7%)得た。得られたラセミ体およびメソ体について、H−NMRによる同定結果を以下に記す。
H−NMR(CDCl)による同定結果>
ラセミ体:δ1.00(s,6H),δ2.21(s,6H),δ2.48(s,6H),δ5.10(d,2H),δ5.88〜5.95(m,4H),δ6.15(dd,2H),δ6.20(s,2H),δ6.65(dd,2H),δ6.80(d,2H),δ6.91(d,2H).
メソ体:δ0.98(s,3H),δ1.01(s,3H),δ2.23(s,6H),δ2.46(s,6H),δ5.14(d,2H),δ5.88〜5.95(m,4H),δ6.15(dd,2H),δ6.11(s,2H),δ6.62(dd,2H),δ6.78(d,2H),δ6.89(d,2H).
【0124】
〔ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、を含む担持型触媒成分の製造〕
窒素ガスで置換した内容積500mlの撹拌機付きガラス製反応器に、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(濃度:2.8モル/リットル、アルベマール社製)を30ml(Al原子換算で84ミリモル)、およびメタロセン化合物として、上記で合成したジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、を165mg(0.237ミリモル)投入し、25℃の温度で15分間撹拌保持して反応させメタロセン化合物とアルミノキサンとの反応生成物を得た。
続いて、反応器に、予め減圧下、500℃の温度で8時間焼成した平均粒径20μmのシリカ(クロスフィールド社製「MD747JR」)5gを投入し、反応器の温度を110℃に昇温し、撹拌下に120分間保持して上記で得られた反応生成物とシリカとの接触反応を行い、該反応生成物が担持された粗製メタロセン担持型触媒を含むスラリーを得た。
次に、反応器の温度を−10℃に冷却後、反応器の温度を−10℃に維持したまま、n−ヘキサン250mlを投入して10分間撹拌した後、撹拌機を停止し、デカンテーションにより溶媒を分離した。引き続いて、反応器の温度を−10℃に保持したまま、反応器にn−ヘキサン250mlを投入して5分間撹拌洗浄した後、撹拌機を停止し、デカンテーションにより洗浄溶媒を分離する洗浄操作を4回繰り返し、その後、濾過、乾燥することによりメタロセン担持型触媒成分を得た。
【0125】
〔ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、を含む担持型触媒成分からなるオレフィン重合用触媒を用いたプロピレンの重合〕
十分に窒素置換された内容積1.8リットルの反応器に、トリエチルアルミニウムを1.0ミリモルと液化プロピレンを0.7リットル仕込んだ後、70℃に昇温して安定させた。その後、前記で調整したメタロセン担持型触媒成分44.9mgを液化プロピレン0.3リットルに同伴させながら瞬時に該反応器内に供給することにより重合反応を開始し、70℃で、60分間に渡り、プロピレン単独重合を行った。その結果、19.2gのプロピレン単独重合体が得られた。重合活性は、メタロセン担持型触媒成分1g当たり、428g−ポリマー/g−触媒成分・hrであった。得られたプロピレン単独重合体を分析したところ、MFRが13.3g/10分、パウダーの嵩比重(BD)が470kg/mであった。
【0126】
実施例2
〔ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−(5−メチル)−チエニル)−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロライド、を含む担持型触媒成分からなるオレフィン重合用触媒を用いたプロピレンとエチレンとの共重合〕
十分に窒素置換された内容積1.8リットルの反応器に、トリエチルアルミニウムを1.0ミリモルと液化プロピレンを1リットル仕込んだ後、60℃に昇温し、安定させた。その後、反応器内の圧力が仕込み前の圧力より0.3MPa(ゲージ圧)上昇するまでエチレンをフィードし安定させた後、反応器内の温度を70℃に昇温し安定させ、実施例1にて調整したメタロセン担持型触媒成分39.9mgを反応器内に供給することにより重合反応を開始し、70℃で30分に渡りプロピレンとエチレンとの共重合を行った。その結果、123.5gのプロピレン/エチレン共重合体が得られ、重合活性は、メタロセン担持型触媒成分1g当たり6,190g−ポリマー/g−触媒成分・hrであった。得られたプロピレン/エチレン共重合体を分析したところ、MFRが4.2g/10分、エチレン単位の含有量が4.1重量%(6.0モル%)、パウダーの嵩比重(BD)が460kg/mであった。
実施例1と実施例2によって、水素が存在しない同一の重合条件における、プロピレンの単独重合と、プロピレンとエチレンとの共重合とを比較することができる。この結果、実施例2において、重合時にエチレンが相当量供給された場合においてさえ、得られるプロピレン/エチレン共重合体のMFRは、エチレンを供給しない実施例1に比べて上昇せず、寧ろ低下することが明確に示されている。すなわち、エチレン単位の含有量が高い場合においてさえ、十分に高い分子量のプロピレン/エチレン共重合体が製造可能であるという本発明の特徴を示すものである。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量が高いオレフィン重合体を高い重合活性で製造できる。
また、本発明によれば、エチレン含有量が高い場合であっても、十分に高い分子量のプロピレン/エチレン共重合体が得られる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物。
    Figure 2004331805
    (式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、もしくは、ハフニウム原子である。各Xは、互いに同一でも異なっていてもよい、Mに結合する、ハロゲン原子、もしくは、炭素数1〜6のアルキル基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、2−(5−メチル)−チエニル基、2−(5−t−ブチル)−チエニル基、2−(5−トリメチルシリル)−チエニル基、2−(4,5−ジメチル)−チエニル基、2−(5−フェニル)−チエニル基、もしくは、2−ベンゾチエニル基である。各Rは、互いに同一でも異なっていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基、もしくは、炭素数6〜16のアリール基である。)
  2. 請求項1に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、および、所望により有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のメタロセン化合物、活性化化合物、微粒子担体、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  4. 請求項1に記載のメタロセン化合物、イオン交換性層状化合物もしくは無機珪酸塩、および、所望により有機アルミニウム化合物、を用いて製造された担持型触媒成分、ならびに、有機アルミニウム化合物、を含むオレフィン重合用触媒を用いる、オレフィン重合体の製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合体の製造方法を用いて製造された、オレフィン重合体。
  6. オレフィン重合体が、エチレン単位を、0.15〜50モル%含む、プロピレン/エチレン共重合体である、請求項5に記載のオレフィン重合体。
  7. オレフィン重合体が、エチレン単位を、0.7〜15モル%含む、プロピレン/エチレン共重合体である、請求項5に記載のオレフィン重合体。
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