JP2004331435A - 焼成耐火れんが - Google Patents

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栄司 飯田
Koji Moriwaki
宏治 森脇
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Abstract

【課題】本発明の目的は、酸化雰囲気で、優れた耐食性を有するAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがを提供することにある。
【解決手段】本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがは、TiO/MgO質量比が0.1〜0.8の範囲内にあり、MgO成分が1〜12質量%となるようにMgO成分とTiO成分を含有し、残部がAlより構成される耐火性組成物を1500〜1750℃の範囲内で焼成することにより得られることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種溶炉で酸化雰囲気において溶融スラグに侵食される部分に用いられるAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミナ質焼成耐火れんがは、製鉄用の各種溶炉、ごみ焼却灰や廃棄物の溶融炉等で、高温の溶融スラグや溶融金属に直接接触する内張り用耐火物として広く使用されている。アルミナは溶融メタルやごみ焼却灰溶融スラグ等に対して優れた耐食性を示すため、各種溶炉の内張りれんがはアルミナを主成分としたものが広く使用されている。しかしながら、溶融スラグに対する耐食性は現状では十分ではなく、更なる耐食性の向上が求められている。
【0003】
各種溶炉で使用されているアルミナ質焼成耐火れんがの耐食性を向上させるため、以下に示す通り多くの技術が開発されているが、どれも何らかの問題が存在し、現状では耐食性向上のための十分な対策であるとは言い難い。
アルミナ質焼成れんがの耐食性向上の技術には、例えば、炭素や炭化珪素などの非酸化物の添加が一般的に知られている。これは、炭素や炭化珪素は溶融スラグとの反応性が非常に小さく、かつ濡れにくいことが一般的に知られており、この性質を利用してアルミナ質焼成耐火れんがの耐食性向上を指向したものである。しかし、炭素及び炭化珪素は、非常に酸化し易く、酸化雰囲気で使用すると、炭素は、酸化して一酸化炭素や二酸化炭素となり揮発し、炭化珪素は、酸化するとシリカになり、それぞれ耐火れんがの侵食を促進してしまうため、使用できる雰囲気が還元雰囲気に限定されてしまうという問題点がある。
【0004】
酸化雰囲気で使用するアルミナ質焼成耐火れんがの耐スラグ侵食性を向上するためにクロミアを添加することが知られている。しかしながら、アルミナにクロミアを添加したアルミナ−クロミア質焼成耐火れんがは、耐スラグ侵食性に優れるが、クロミア成分を含有しているため環境面で問題がある。
【0005】
また、特許文献1には、耐火骨材としてアルミナ原料1〜20質量%、チタニア原料1〜15質量%、マグネシア原料70〜95質量%を含み、且つ前記マグネシアのうち耐火骨材全体に占める割合で50質量%以上を、化学成分値でSiOを0.1〜1質量%含む電融マグネシアとし、この配合組成を混練、成形、焼成したマグネシア−アルミナ−チタニア質れんがが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−253765号公報 特許請求の範囲
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通常、耐火れんがの組織は、粗粒部分と、主に微粉からなるマトリックス部分により形成されている。ここで、耐火れんがの耐スラグ侵食性において、マトリックス部分の結合やマトリックス部分と粗粒部分との結合の形態及び緻密性が与える影響が大きい。通常のアルミナ質耐火れんがでは組織の結合はアルミナ質原料同士の焼結によるもの、またはわずかに含まれるSiO等の不純物によって生じるごく少量の液相を介した焼結によるものであると考えられる。しかし、アルミナ質原料同士の焼結では結合組織が発達し難いため十分な結合組織の形成が困難であること、また、液相を介した焼結による結合は耐火度が低いことなどが原因で従来のアルミナ質耐火れんがの組織結合はスラグによる侵食を受け易い。結合部分が先に侵食されると、粗粒のアルミナ原料が完全に侵食される前に流出し、損傷が助長されるというような問題があった。
【0008】
また、特許文献1に開示されているようなマグネシア−アルミナ−チタニア質れんがは、マグネシアを主成分とする塩基性れんがであるため、酸性スラグに対しては耐食性が低下する等の問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、酸化雰囲気で、優れた耐食性を有するAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のような従来のアルミナ質耐火れんがの課題を解決するためになされたものであって、焼成耐火れんが組織の結合に注目し、結合を強化・改善することによって、酸化雰囲気で侵食を助長する非酸化物や環境に悪影響を及ぼすクロミアを使用せずに、アルミナ質耐火れんがの耐食性を向上させたものである。
【0011】
即ち、本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがは、TiO/MgO質量比が0.1〜0.8の範囲内にあり、MgO成分が1〜12質量%となるようにMgO成分とTiO成分を含有し、残部がAlより構成される耐火性組成物を1500〜1750℃の範囲内で焼成することにより得られることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがは、上記構成とすることにより、焼成中にれんが成分の反応によりMgTiO−MgAl固溶体を生成させ、れんが組織の緻密化と骨材間の結合の強化を図ることで溶融スラグに対する高耐食性を実現したものである。
【0013】
以下、本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがについて詳しく説明する。
本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがは、アルミナ質原料、TiO源となる原料及びMgO源となる原料を適宜配合した耐火性組成物に、所定量のバインダーを添加して混練したものを成形し、得られた成形体を乾燥・焼成することにより得られるものである。
【0014】
ここで、本発明に使用するアルミナ質原料は特に規定するものではなく、電融アルミナ、 焼結アルミナ及び仮焼アルミナなどを使用することができるが、SiO成分等の不純物は耐食性の低下につながるためアルミナ純度は95質量%以上、好ましくは98質量%以上のものを使用するのが望ましい。なお、アルミナ質原料の配合量は、後述の配合量で配合されるTiO成分及びMgO成分の残部である。
【0015】
次に、本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがに添加するTiO成分は、耐火性組成物を構成する他の成分であるMgO成分及びアルミナ原料と反応してMgTiO−MgAl固溶体を生成することにより骨材間の結合を強化すると共に、れんが組織を緻密化することを目的するものである。そのため、TiO成分をMgO成分量に対して一定比率以上添加しなければ耐食性向上に必要なMgTiO−MgAl固溶体を十分に生成することができない。具体的には、MgO添加量に対してTiO量はTiO/MgO質量比は、0.1〜0.8、好ましくは0.1〜0.6の範囲内とする。ここで、TiO/MgO質量比が0.1未満では、耐食性向上に十分な量のMgTiO−MgAl固溶体を生成しないために好ましくない。また、TiO/MgO質量比が0.8を超えると、即ち、TiOを過度に添加した場合は、TiOの増加によりMgTiO−MgAl固溶体自体の融点が下がるため耐食性が低下してしまう。
【0016】
なお、TiO成分の添加方法としてはTiO成分を含むすべての鉱物、またはTi金属やTiを含む合金、Ti元素を含むアルコキシド等の形でも添加可能であるが、ルチル・アナターゼ等のTiOの形やAlTiO、MgTi、MgTiO等のMgO、Alとの化合物の形で添加することが望ましい。
【0017】
本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがにおいて、MgO成分の含有量は1〜12質量%、好ましくは2〜10質量%の範囲内である。ここで、MgO成分の含有量が1質量%未満では、耐食性向上の効果が見られないために好ましくない、また、MgO成分の含有量が12質量%を超えると、それ以上の耐食性向上の効果が見られなくなるのでの12質量%を超える量でMgO成分が存在する必要ない。なお、MgO成分の添加は、ペリクレースや、MgAl、MgTi、MgTiO等のTiO、Alとの化合物の形で行なうことができる。
【0018】
なお、TiO源となる原料及びMgO源となる上記原料は前記耐火性組成物の焼成時の反応性を考慮すると細かい粒度、具体的には0.1mm以下、好ましくは0.044mm以下の粒度で添加することが望ましい。
【0019】
また、本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがを製造する際には、バインダーを使用する。バインダーとしては、例えば糖類, リグニン類, 澱粉等の水溶液、フェノール樹脂などの有機物等が使用できる。なお、バインダーの添加量は、上記アルミナ原料、TiO原料及びMgO原料より構成される耐火性組成物に対して外掛で1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%の範囲内である。
【0020】
上記のような原料配合を有する耐火性組成物にバインダーを添加、混練後、所定の形状に成形及び乾燥し、次に、得られた成形体を焼成する。焼成温度は、1500〜1750℃、好ましくは1600〜1700℃の範囲内である。焼成温度が1500℃未満であると、MgTiO−MgAl固溶体の生成が不十分となり耐食性向上の効果が現れないために好ましくない。また、焼成温度が1750℃を超えると、れんが組織の過焼結により組織が悪くなってしまい耐食性向上効果は見られないために好ましくない。なお、成形操作及び乾燥操作は特に限定されるものではなく、慣用のいずれの方法にて行なうことができ、例えば成形操作としてプレス成形等を用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがを更に説明する。
実施例
本発明品及び比較品は、表1に示す通りに原料を配合し、バインダーとしてリグニンスルホン酸溶液と糖蜜の1:1混合物を外掛で2.5質量%添加して混練した混練物をフリクションプレス機で230mm×114mm×65mmの形状に成形し、100℃で24時間乾燥後、表1に示す温度で焼成して製造したものである。
【0022】
【表1】
Figure 2004331435
【0023】
上記のようにして得られた本発明品及び比較品について、見掛気孔率及び耐スラグ侵食性の評価を行なった:
見掛気孔率は、JIS R2205により測定したものである。
耐スラグ侵食性の評価は、回転ドラム侵食試験装置を用いて行った。試験は1650℃で5時間行い、酸素プロパンバーナーによって加熱した。スラグは1時間ごとに1.2kg投入したが、1時間経過後のスラグを排出した後に新しいスラグを投入した。スラグの組成はCaO/SiO質量比が1.0で、Fe=5質量%、Al=12質量%、NaO=5質量%、MgO=3質量%で行った。なお、耐スラグ侵食性指数は、比較品1(アルミナ100%品)を100とし、その値が小さいもの程耐食性が良好であることを表す。
【0024】
表1に記載の結果から比較品1はアルミナ100%品であるが、実施品と耐スラグ侵食性指数を比較すると、本発明によって耐スラグ侵食性が向上していることがわかる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のAl−MgO−TiO質焼成耐火れんがによれば、アルミナ質焼成耐火れんがの組織結合をMgTiO−MgAl固溶体により強化することにより、耐スラグ侵食性を向上させることができるという効果を奏するものである。

Claims (1)

  1. Al−MgO−TiO質焼成耐火れんがにおいて、TiO/MgO質量比が0.1〜0.8の範囲内にあり、MgO成分が1〜12質量%となるようにMgO成分とTiO成分を含有し、残部がAlより構成される耐火性組成物を1500〜1750℃の範囲内で焼成することにより得られることを特徴とするAl−MgO−TiO質焼成耐火れんが。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106753435A (zh) * 2016-12-15 2017-05-31 南京市消防工程有限公司宜兴安装分公司 一种难燃材料
CN114956797A (zh) * 2022-05-06 2022-08-30 中国矿业大学 一种等离子熔融炉耐火浇注料及制备方法

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