JP2004330991A

JP2004330991A - Seat device for vehicle

Info

Publication number: JP2004330991A
Application number: JP2003132692A
Authority: JP
Inventors: Kazutoshi Sasaki; 一豪佐々木; Hidehiko Fujioka; 秀彦藤岡; Masahito Horie; 雅人堀江
Original assignee: Shiroki Corp
Current assignee: Shiroki Corp
Priority date: 2003-05-12
Filing date: 2003-05-12
Publication date: 2004-11-25
Anticipated expiration: 2023-05-12
Also published as: JP4317707B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To effectively utilize a slide memory function while securely functioning a slide lock regardless of a slide position at the time of being seated in a seat device for a vehicle in a seat device for a vehicle comprising a seat cushion supported by an upper rail slidable toward a lower rail, a seat back rotatably supported at a standing position and a front inclined position against the seat cushion, a slide lock mechanism made into a lock condition for restraining slide of the upper rail against the lower rail when the seat back is at a standing position and an unlock condition for allowing slide when it is at a front inclined position, and a slide memory mechanism for storing the seat position at the time of inclining the seat back forward and restraining movement of the seat backwardly from a storage position. <P>SOLUTION: This seat device for a vehicle has an engagement member engaged at a front inclined position of a seat back and releasing engagement at a standing position, and is provided with an front inclined mechanism for giving generating resistance to the standing position to the seat back by engagement of the engagement member. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、車両用シート装置に関する。
【０００２】
【従来技術及びその問題点】
車両のシート装置において、ロアレールに対するシート（アッパレール）のスライド位置を記憶させるスライドメモリ機能付きのタイプがある。このようなスライドメモリ機能は、後部座席への出入りに際して前席のシートバックを前傾させた上で前方へスライドさせるいわゆるウォークイン動作時に用いられる。しかし、シートバックの前傾動作によってシートのスライドロックが解除し、シートバックを起こすと再びスライドロック状態となるような連動関係である、ウォークイン状態からの復帰時に、スライドメモリ機能によって記憶させた位置までシートを後退させる前にシートバックを起こしてしまうとその時点でスライドロックがかかってしまうので、スライドメモリ機能が十分に活用されないおそれがある。このタイプとして特開平８−２５３０６４号公報に記載のシート装置が挙げられる。
【０００３】
一方、特開平１１−３２１３９３号公報に記載のシート装置は、シートバックを起こしてもメモリ位置までシートを後退させない限りスライドロックがかからない構造になっている。このシート装置では、シートが後方の障害物によってメモリ位置まで後退できない場合などに、スライドロックはかかっていないにもかかわらずシートバックが起立して一応の着座可能状態となってしまう。安全性の観点からは、このような不安定な着座可能状態は好ましくない。
【０００４】
【特許文献】
特開平８−２５３０６４号公報
特開平１１−３２１３９３号公報
【０００５】
【発明の目的】
本発明は、従来装置についての以上の問題意識に基づき、着座時にはシートの位置にかかわらず確実にスライドロックを機能させつつ、スライドメモリ機能を有効に活用することが可能な車両用シート装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【発明の概要】
本発明は、床面側のロアレールとこのロアレールに対して摺動自在でシート側に固定されるアッパレール；アッパレールに支持され、アッパレールと共にスライド方向に移動するシートクッション；シートクッションに対し、着座可能な起立位置と前傾位置とに枢着されたシートバック；シートバックが起立位置にあるときロアレールに対するアッパレールの摺動を規制したロック状態となり、前傾位置にあるとき該摺動を許容したアンロック状態となるスライドロック機構；及び、シートバックを前傾させたときのシート位置を記憶し、該記憶位置よりも後方へのシート移動を規制するスライドメモリ機構；を備えた車両用シート装置において、シートバックの前傾位置で係合し起立位置で係合解除する係合部材を有し、該係合部材の係合によりシートバックに起立位置への引き起こし抵抗を与える前傾保持機構を設けたことを特徴としている。
【０００７】
前傾保持機構の一態様として、シートバックに対して該シートバックの回動軸を中心として相対回動可能に支持され、シートバックの前傾時に回動せずシートバックとの相対角度を変化させるラチェット、このラチェットの外縁部に形成した凹部、シートバックの前傾時にラチェットの凹部に対して係脱可能なように、シートバックに対して移動可能に支持されたポール、及びこのポールをラチェットの凹部との係合方向に付勢する付勢部材を備えてもよい。
この態様の前傾保持機構では、ラチェットは外縁部に複数の凹部を有し、シートバックの前傾位置と起立位置とでポールが異なる凹部に係合するようにすると、例えば、シートバックのリクライニング位置を記憶させるリクライニングメモリ機構の構成部材としても機能させることができる。
【０００８】
前傾保持機構の異なる態様として、シートバック側に固定係合部材を設け、シートバックの前傾時に固定係合部材と係合し、該係合を解除する方向に移動可能な可動係合部材をシートクッション側に設けてもよい。
【０００９】
シートクッション側に設ける可動係合部材は、例えば、固定係合部材を保持する状態と保持解除する状態とに弾性変形可能な保持ばねとすることができる。
【００１０】
またシートクッション側の可動係合部材は、固定係合部材に対する係合位置と係合解除位置とに揺動可能な揺動部材からなり、該揺動部材を係合位置側に付勢する付勢部材を備えてもよい。この形態ではさらに、シートがスライドメモリ機構による記憶位置にあるとき、揺動部材を係合解除位置へ強制回動させる手段を備えてもよい。
【００１１】
本発明のシート装置ではさらに、シートバックを前傾位置方向に回動付勢する前傾付勢手段と、この前傾付勢手段に抗して該シートバックを起立位置に保持する保持手段を備えてもよく、この場合、前傾保持機構によるシートバックの引き起こし抵抗を、前傾付勢手段による引き起こし抵抗よりも大きく設定するとよい。
【００１２】
【発明の実施形態】
図１ないし図２２を参照して本発明の一実施形態を説明する。図１及び図２に示す車両の前席のシート（助手席または運転席）１１は、着座者の尻部を支えるシートクッション１２と、着座者の背部を支えるシートバック１３とを有しており、シートクッション１２の骨格をなすシートクッションフレーム１４（図４）がアッパレール１５に支持されている。なお、シートクッションフレーム１４とアッパレール１５は一体の部材でもよいし、シートクッションフレーム１４とアッパレール１５の間に高さ調整用のリフタ機構を備えてもよい。アッパレール１５は、車体のフロアパネル（床面）１０に固定されたロアレール１６に対してその長手方向に摺動自在に支持されており、アッパレール１５をロアレール１６に対して摺動させることにより、シート１１の前後方向位置を変化させることができる。アッパレール１５とロアレール１６は、シート１１の左右方向に離間させてそれぞれ一対設けられている。
【００１３】
ロアレール１６にはその長手方向に沿って複数のスライドロック穴１６ａが形成されている。アッパレール１５側には、該スライドロック穴１６ａに係合可能なロック爪１７ａと、該ロック爪１７ａの上方に位置する被押圧アーム１７ｂとを有するスライドロックプレート１７が、回動軸１７ｘによって枢着されている。回動軸１７ｘの軸線はロアレール１６の長手方向と平行であり、該回動軸１７ｘを中心としてスライドロックプレート１７は、ロック爪１７ａをスライドロック穴１６ａに係合させるロック位置（図１２）と、離脱させるアンロック位置（図１３）とに回動可能である。スライドロックプレート１７がロック位置にあるとき、ロアレール１６に対するアッパレール１５の摺動が規制される。スライドロックプレート１７はロック付勢ばね１７ｃ（図１２及び図１３に矢印のみで示す）によってロック位置方向へ回動付勢されている。被押圧アーム１７ｂは、アッパレール１５に形成した角穴１５ａに挿入されて該アッパレール１５の反対側の側面方向に突出している。
【００１４】
アッパレール１５には、スライドロックプレート１７の回動軸１７ｘと直交する（すなわち、軸線がシート左右方向に向く）回動軸１８ｘを介してループブラケット１８が枢着されており、該ループブラケット１８の一端部に設けた押圧部１８ａは、ロックオープンブラケット１９の被押圧部１９ａに当接している。ロックオープンブラケット１９はループブラケット１８と同軸で相対回転可能であり（図１０参照）、その回動中心である回動軸１８ｘの反対側の端部には押圧部１９ｂが設けられている。押圧部１９ｂは、アッパレール１５の角穴１５ａに挿入されてスライドロックプレート１７の被押圧アーム１７ｂの上側に位置している（図１２、図１３参照）。ループハンドル１８ｂを介してループブラケット１８を図５の時計方向に回動させると、押圧部１８ａが被押圧部１９ａを押圧してロックオープンブラケット１９を同方向に回動させ、該ロックオープンブラケット１９の押圧部１９ｂが被押圧アーム１７ｂを押圧して、ロック付勢ばね１７ｃに抗してスライドロックプレート１７をアンロック方向に回動させることができる。
【００１５】
シート１１は、後部座席への出入りに際してシートバック１３を前傾させながら前方へスライドさせるウォークイン動作を行う際に、スライドする前のシート１１の位置を記憶させるスライドメモリ機能を有している。なお、以下のスライドメモリ機能関連の説明中に表れる時計方向及び反時計方向とは、図４ないし図９の側面図における回転方向を意味する。
【００１６】
アッパレール１５には、ループブラケット１８やロックオープンブラケット１９が支持される側面とは反対側の側面にキャッチレバー２０が枢着されている。キャッチレバー２０は、ループブラケット１８及びロックオープンブラケット１９と共通の回動軸１８ｘを中心として回動可能であり（図１０参照）、該回動軸１８ｘと反対側の端部に二股状のキャッチ部２０ａを有している。キャッチレバー２０はトーションばね２０ｂを介してストッパレバー２２と結合されている。ストッパレバー２２は、ループブラケット１８と同軸（回動軸１８ｘ）で一体に回動するように支持されている。アッパレール１５にはまた、キャッチレバー２０やストッパレバー２２が支持されているのと同じ側面に、ロックオープンレバー２１が回動軸２１ｘを介して枢着されている。ロックオープンレバー２１は、角穴１５ａを通して突出されたロックオープンブラケット１９の押圧部１９ｂに当接可能な押圧ピン２１ａ（図１２、図１３参照）と、ワイヤ係合アーム２１ｂとを有しており、トーションばね２１ｃによって時計方向に付勢されている。
【００１７】
ロアレール１６にはメモリラック２５が固定されている。メモリラック２５はロアレール１６と平行な長尺部材であり、その長手方向に沿って複数のメモリロック穴２５ａが形成されている。メモリラック２５はその長手方向に移動可能なスライドピース２６を支持しており、該スライドピース２６内にメモリロックレバー２８が設けられている。メモリロックレバー２８は、シート上下方向、すなわちメモリラック２５に対するスライドピース２６のスライド方向と直交する方向へ移動可能に支持されており、メモリロック爪２８ａをメモリロック穴２５ａに係合させるメモリ位置（図５、図７ないし図９、図１４）と、該係合を解除するメモリ解除位置（図６）とをとることができる。メモリロックレバー２８は、キャッチレバー２０のキャッチ部２０ａの回動軌跡上に位置するキャッチ突起２８ｂを有し、メモリ付勢ばね２７によってメモリ位置へ付勢されている。メモリロックレバー２８はスライドピース２６と共に、シート１１のスライド位置を記憶するためのメモリユニット（スライドメモリ機構）Ｕを構成している。
【００１８】
アッパレール１５にはスライドストッパ２９が固定されている。スライドストッパ２９は、スライドピース２６の上部に突設したストッパ突起２６ａに係合可能である（図１５参照）。
【００１９】
続いて、図１６ないし図２２を参照してシートバック１３の支持機構を説明する。本実施形態では、シートバック１３が前傾する前の角度位置を記憶するメモリ機能を有している。なお、以下のシートバック支持機構関連の説明中で表れる時計方向及び反時計方向とは、図１８ないし図２０の側面図における回転方向を意味する。
【００２０】
図１７に示す通り、アッパレール１５及びロアレール１６はシート１１の左右にそれぞれ一対設けられており、これに対応してシートクッションフレーム１４も左右一対が設けられている。左右のシートクッションフレームの後端部付近にはそれぞれ、アッパアーム４０、６０が支持されている。アッパアーム４０及び６０の上部には、シートバック１３の骨格をなすシートバックフレーム（不図示）が固定されていて、両アッパアームの回動に応じてシートバック１３の角度が変化する。アッパアーム４０は、リターンスプリング（シートバックの前傾付勢手段）４０ａによって、シートバック１３を前傾させる方向へ回動付勢されている。アッパアーム６０も同様のリターンスプリング（シートバックの前傾付勢手段）６０ａによってシートバック前傾方向へ回動付勢されている。
【００２１】
図１７における左側（車両外側）のアッパアーム４０はシートバックロック機構Ｒ１を介してヒンジピン４１に支持され、右側（車両インナ側）のアッパアーム６０はシートバックロック機構Ｒ２を介してヒンジピン６１に支持されている。ヒンジピン４１及び６１は、共通の水平軸Ｈｘを中心として回動可能なように左右のシートクッションフレーム１４に支持されており、コネクティングパイプ４２の両端部に挿入されている。コネクティングパイプ４２は、ヒンジピン４１に対しては相対回転可能で、ヒンジピン６１に対しては相対回転不能となっている。相対回転可能な側のヒンジピン４１には外径方向へ連動ピン４１ａが延出され、該連動ピン４１ａは、コネクティングパイプ４２の周方向へ向けて形成した長孔４２ａに挿通されている。
【００２２】
アッパアーム４０側のシートバックロック機構Ｒ１は、シートクッションフレーム１４側に固定したベースアーム４３と、ベースアーム４３に対して水平軸Ｈｘを中心として相対回動可能に支持されたロックプレート４４と、ベースアーム４３に対して水平軸Ｈｘを中心とする径方向に移動可能に支持された移動ロック部材４５と、ヒンジピン４１と共に水平軸Ｈｘを中心として回動するカム部材４６と、該カム部材４６と共に回動するレリーズプレート４７を有している。移動ロック部材４５の外縁部には外歯４５ａが形成され、この外歯４５ａが噛合可能な内歯４４ａがロックプレート４４に形成されている。カム部材４６は、ロック方向の回転によって外歯４５ａと内歯４４ａが噛合する方向（水平軸Ｈｘから離れる方向）へと移動ロック部材４５を移動させ、これと反対のアンロック方向へカム部材４６が回動するとき、カム部材４６と一体に回動するレリーズプレート４７が、外歯４５ａと内歯４４ａの噛合を解除する方向へと移動ロック部材４５を移動させる。カム部材４６とレリーズプレート４７の結合体は、図示しないばねによってロック方向へ付勢されていて、着座状態で操作可能なリクライニングハンドル４８を回動操作することにより、アンロック方向へ回動させることができる。
【００２３】
ロックプレート４４に対してはラチェット（係合部材）５０が相対回動不能に結合しており、ラチェット５０は、アッパアーム４０に形成した円形孔に対して水平軸Ｈｘを中心として相対回動可能に嵌まっている。ラチェット５０の外縁部には、一対のメモリ凹部５０ａと一つの前傾ロック凹部５０ｂが形成されている。アッパアーム４０にはラチェット５０の上方に回動軸５１ｘを介してポール（係合部材）５１が枢着されており、ポール５１の先端部付近に設けた一対のメモリ突起５１ａが、ラチェット５０の一対のメモリ凹部５０ａに対して係脱可能となっている。また、一方のメモリ突起５１ａは、シートバック１３（アッパアーム４０）を前傾させたとき、前傾ロック凹部５０ｂに係合することができる。ポール５１はさらに、連動ピン５１ｂとカム面５１ｃを有している。
【００２４】
アッパアーム４０のさらに上部には回動軸５２ｘによってレリーズレバー５２が枢着されている。レリーズレバー５２は、ピン挿入孔５２ａと、レリーズレバー５２本体と一体に回動するサブアーム５２ｂと、ばね掛けアーム５２ｃと、ワイヤ係合アーム５２ｄとを有している。ピン挿入孔５２ａにはポール５１の連動ピン５１ｂが挿入され、サブアーム５２ｂの回転軌跡上にはポール５１のカム面５１ｃが位置している。また、ばね掛けアーム５２ｃにはテンションスプリング５２ｅの一端部が係合し、ワイヤ係合アーム５２ｄにはウォークインワイヤ５３が接続している。テンションスプリング５２ｅの他端部は、アッパアーム４０と固定関係にあるブラケット５４に接続しており、テンションスプリング５２ｅによってレリーズレバー５２が図１８中の反時計方向に付勢されている。この付勢方向はサブアーム５２ｂがカム面５１ｃ押し下げる方向であり、したがってレリーズレバー５２が自由状態にあるときには、ポール５１はテンションスプリング５２ｅの付勢力によってメモリ突起５１ａをメモリ凹部５０ａに係合させる角度位置（図１８）に保持される。
【００２５】
シートバック１３の外側にはウォークイン操作ハンドル５６（図１及び図２）が設けられており、該ウォークイン操作ハンドル５６を操作することでウォークインワイヤ５３が牽引される。牽引されたウォークインワイヤ５３は、テンションスプリング５２ｅに抗してレリーズレバー５２を時計方向に回動させる。
【００２６】
アッパアーム６０側のシートバックロック機構Ｒ２は、基本的にはシートバックロック機構Ｒ１と同様の構造を有する。すなわち、シートクッションフレーム１４側に固定したベースアーム６３と、ベースアーム６３に対して水平軸Ｈｘを中心として相対回動可能に支持されたロックプレート６４と、ベースアーム６３に対して水平軸Ｈｘを中心とする径方向に移動可能に支持された移動ロック部材６５と、ヒンジピン４１と共に水平軸Ｈｘを中心として回動するカム部材６６と、該カム部材６６と共に回動するレリーズプレート６７を有している。移動ロック部材６５の外縁部には外歯６５ａが形成され、この外歯６５ａが噛合可能な内歯６４ａがロックプレート６４に形成されている。カム部材６６は、ロック方向の回転によって外歯６５ａと内歯６４ａが噛合する方向（水平軸Ｈｘから離れる方向）へと移動ロック部材６５を移動させ、これと反対のアンロック方向へカム部材６６が回動するとき、カム部材６６と一体に回動するレリーズプレート６７が、外歯６５ａと内歯６４ａの噛合を解除する方向へと移動ロック部材６５を移動させる。カム部材６６とレリーズプレート６７の結合体は、図示しないばねによってロック方向へ付勢されている。
【００２７】
アッパアーム４０側と異なり、アッパアーム６０側では、ロックプレート６４とアッパアーム６０はラチェットを介在させずに一体に回動するように結合されている。また、ヒンジピン６１には一体に回動する連動レバー６８が固定され（図１７、図２０及び図２１参照）、該連動レバー６８は、連動ワイヤ６９によってレリーズレバー５２のワイヤ係合アーム５２ｄと接続されている。
【００２８】
アッパアーム６０側にはさらに、ヒンジピン６１に対して相対回動可能な牽引レバー５７が支持されている。牽引レバー５７は被押圧アーム５７ａとワイヤ係合アーム５７ｂを有し、ワイヤ係合アーム５７ｂに牽引ワイヤ５８の一端部が接続している。牽引ワイヤ５８の他端部はロックオープンレバー２１のワイヤ係合アーム２１ｂに接続している。被押圧アーム５７ａは、アッパアーム６０に固定されたアッパフック６０ｂの回転軌跡上に位置する。なお、図１７及び図２０に示すように牽引レバー５７はアッパアーム６０側に支持されているが、牽引レバー５７による牽引ワイヤ５８の操作状態を分かりやすくするために、アッパアーム４０側を示す図１８及び図１９にも牽引レバー５７を仮想線（二点鎖線）で示している。
【００２９】
以上の構成のシート装置の動作を説明する。図１の実線はシート１１の通常の着座状態を示している。このとき、シートスライド関係の機構は図５の状態にあり、シートバック１３（アッパアーム４０）の支持機構は図１８の状態にある。この状態では、スライドロックプレート１７はロック位置に保持され、ロック爪１７ａとスライドロック穴１６ａの係合によってシート１１のスライドが規制されている（図１２）。またメモリロックレバー２８がメモリ付勢ばね２７の付勢力によってメモリ位置に保持されており、メモリロック爪２８ａとメモリロック穴２５ａの係合関係により、メモリラック２５に対するメモリユニットＵの移動が規制されている。
【００３０】
一方、シートバック１３の支持機構においては、左右のシートバックロック機構Ｒ１及びＲ２を構成する移動ロック部材４５、６５の外歯４５ａ、６５ａがロックプレート４４、６４の内歯４４ａ、６４ａに噛合しており、該ロックプレート４４及び６４の回動が規制されている。図１８に示すように、アッパアーム４０側では、ロックプレート４４と結合されたラチェット５０の一対のメモリ凹部５０ａに対し、ポール５１に設けた一対のメモリ突起５１ａが係合している。レリーズレバー５２は、サブアーム５２ｂがカム面５１ｃを押圧する方向にテンションスプリング５２ｅによって付勢されており、該付勢力によってメモリ突起５１ａがメモリ凹部５０ａに係合する状態が維持される。つまり、ロックプレート４４、ラチェット５０及びアッパアーム４０（ポール５１）は、水平軸Ｈｘを中心とした回動を行わないように一体化してロックされている。一方、アッパアーム６０はロックプレート６４と直接に結合しているので、ロックプレート６４と共にアッパアーム６０も回動規制される。
【００３１】
まずシートバック１３のリクライニング調整動作を説明する。通常着座状態においてリクライニングハンドル４８を操作すると、アッパアーム４０側のヒンジピン４１を介してアンロック方向へカム部材４６が回動され、カム部材４６と共に回動するレリーズプレート４７が移動ロック部材４５をロックプレート４４との噛合解除方向（水平軸Ｈｘに接近する方向）に移動させる。一方でメモリ突起５１ａとメモリ凹部５０ａの係合状態は維持されているので、ラチェット５０はポール５１を介してアッパアーム４０とも一体化されている。したがって、ロックプレート４４、ラチェット５０及びアッパアーム４０の結合体は、ベースアーム４３に対して水平軸Ｈｘを中心として相対回動可能になる。
【００３２】
図２２に実線で示すように、通常着座状態ではヒンジピン４１の連動ピン４１ａがコネクティングパイプ４２の長孔４２ａの一端部４２ａ１に当接されている。リクライニングハンドル４８の上記操作に伴ってヒンジピン４１が回動すると、連動ピン４１ａが長孔４２ａの当接端部４２ａ１を押圧し、コネクティングパイプ４２がヒンジピン４１と共に回動する。コネクティングパイプ４２の回動によってアッパアーム６０側のヒンジピン６１も連れ回り、カム部材６６及びレリーズプレート６７をアンロック方向へ回動させる。これにより、移動ロック部材６５が水平軸Ｈｘに接近する方向へ移動して、その外歯６５ａとロックプレート６４の内歯６４ａの噛合が解除される。つまり、ロックプレート６４とアッパアーム６０の結合体は、ベースアーム６３に対して水平軸Ｈｘを中心として相対回動可能になる。
【００３３】
リクライニングハンドル４８の操作の結果、以上のようにアッパアーム４０及び６０の両方でロックが外れるので、シートバック１３の傾動角度を任意に調整することができる。調整後は、リクライニングハンドル４８に対する操作を解除すれば、アッパアーム４０及び６０は再びロック状態になる。
【００３４】
続いて、着座者がシート１１の前後方向位置を任意に調整する通常のシートスライド動作を説明する。通常着座状態においてループハンドル１８ｂを上方に持ち上げると、ループブラケット１８が図５の位置から図６の位置へと時計方向に回動し、押圧部１８ａが被押圧部１９ａを押圧してロックオープンブラケット１９を時計方向に回動させる。ロックオープンブラケット１９は該回動によって押圧部１９ｂが被押圧アーム１７ｂを押圧し、ロック付勢ばね１７ｃに抗してスライドロックプレート１７がアンロック位置へと回動する（図１３参照）。これにより、ロアレール１６に対するアッパレール１５のスライド規制が解除される。また、ループブラケット１８と共にストッパレバー２２が時計方向に回動し、トーションばね２０ｂを介して結合するキャッチレバー２０を時計方向に回動させる。すると、キャッチレバー２０のキャッチ部２０ａがキャッチ突起２８ｂに係合して下方へ押し込み、メモリロックレバー２８をメモリ位置からメモリ解除位置へ移動させる。これにより、メモリトラック２５に対するメモリユニットＵのスライド規制が解除される。したがって、図１に二点鎖線で示すようにシート１１（アッパレール１５）をロアレール１６に対して移動させると、メモリユニットＵもシート１１全体と共にスライドする。ループハンドル１８ｂから手を離すとスライドロックプレート１７がロック位置へ復帰回動してシート１１が係止され、同時にメモリロックレバー２８がメモリ位置に復帰する。
【００３５】
次にウォークイン動作について説明する。通常着座状態からウォークイン操作ハンドル５６を操作すると、ウォークインワイヤ５３が牽引されてレリーズレバー５２がテンションスプリング５２ｅに抗して図１８の位置から時計方向に回動する。すると、ピン挿入孔５２ａが連動ピン５１ｂを持ち上げてポール５１が同図の反時計方向に回動され、メモリ突起５１ａとメモリ凹部５０ａの噛合が解除される。これによりラチェット５０とアッパアーム４０の結合関係が解除され、アッパアーム４０はラチェット５０に対して相対回動自在となる。
【００３６】
レリーズレバー５２が回動すると連動ワイヤ６９が牽引されて連動レバー６８が図２０の時計方向に回動し、該連動レバー６８と結合されているヒンジピン６１が同方向に回動される。ヒンジピン６１の該回動は、前述のリクライニング時と同じく、移動ロック部材６５の外歯６５ａとロックプレート６４の内歯６４ａの噛合を解除させる方向への回動をカム部材６６及びレリーズプレート６７に与え、したがってシートバックロック機構Ｒ２のロックは解除されてアッパアーム６０が回動可能になる。一方、ヒンジピン６１と共にコネクティングパイプ４２が回動するが、この回動時には、コネクティングパイプ４２の長孔４２ａが連動ピン４１ａに対して回転方向に相対移動して（長孔４２ａを連動ピン４１ａに摺接させて）連動ピン４１ａに対しては回動方向の力が伝達されない。つまり、連動ピン４１ａは図２２に一点鎖線で示すように長孔４２ａの一端部４２ａ１から他端部４２ａ２側へ相対移動する。そのためヒンジピン４１は回動されず、シートバックロック機構Ｒ１内部でのロックは解除されない。別言すれば、ラチェット５０は回動規制されたままの状態になる。
【００３７】
本実施形態では、リクライニング時とウォークイン時（リクライニング位置のメモリ時）とで左右のシートバックロック機構Ｒ１及びＲ２の連動を制御するための機構を、以上のようにヒンジピン４１側の連動ピン４１ａとコネクティングパイプ４２側の長孔４２ａとで構成したため、構造が簡単である。このような連動制御を従来のシート装置では複数のレバーで行っており、本実施形態は従来装置に比べて部品点数が少なく、製造コストを抑えて精度を上げることができる。
【００３８】
左右のアッパアーム４０及び６０において以上のロック解除が行われると、リターンスプリング４０ａ及び６０ａの付勢力によってシートバック１３が前傾動作を開始する。この前傾動作の間、ラチェット５０は回動しないので、シートバック１３の前傾回動に伴ってポール５１はラチェット５０の外縁部に沿って移動する。そしてシートバック１３が図２の一点鎖線で示す前傾位置まで達すると、図１９のように、ポール５１に設けた一対のメモリ突起５１ａのうち回動軸５１ｘに近い側の一方が、ラチェット５０の前傾ロック凹部５０ｂに係合する。ポール５１に対しては、メモリ突起５１ａと前傾ロック凹部５０ｂの係合維持方向への付勢力がテンションスプリング５２ｅによって与えられる。
【００３９】
アッパアーム６０が前傾する際、アッパフック６０ｂが牽引レバー５７の被押圧アーム５７ａを押圧して反時計方向に回動させる。すると、ワイヤ係合アーム５７ｂが牽引ワイヤ５８を牽引し、トーションばね２１ｃに抗してロックオープンレバー２１を図５の位置から図７の位置へと反時計方向に回動させる。ロックオープンレバー２１が反時計方向回動を行うと、押圧ピン２１ａが押圧部１９ｂを下方に押圧してロックオープンブラケット１９が時計方向に回動し、前述の通常スライド時と同様にロック付勢ばね１７ｃに抗してスライドロックプレート１７がアンロック位置へ回動される（図１３）。なお、図１３ではロックオープンレバー２１の押圧ピン２１ａがロックオープンブラケット１９の押圧部１９ｂを押圧していないが、これは前述の通常スライド操作の場合であり、ウォークイン動作では押圧ピン２１ａが図１３の位置よりも下方に移動して押圧部１９ｂを押圧する。このとき、ロックオープンブラケット１９の被押圧部１９ａは押圧部１８ａから離間する（逃げる）関係であるのでループブラケット１８は回動せず、ストッパレバー２２及びキャッチレバー２０も回動されない。キャッチレバー２０が回動されなければ、メモリロックレバー２８はメモリ位置から移動されない。つまり、シート１１全体（アッパレール１５）はロアレール１６に対してスライド可能であるが、メモリユニットＵはメモリラック２５に対して相対移動不能な図７の状態になる。
【００４０】
アッパレール１５は図示しないスライド付勢ばねによって前方へ付勢されており、ウォークイン操作の結果スライドロックプレート１７がアンロック位置へ回動されると、図８に示すようにロアレール１６に対して前方へスライドする。このときメモリユニットＵは、シート１１が移動を行う前の位置に留まって固定されている。これが図２に二点鎖線で示すウォークイン状態である。
【００４１】
ウォークイン状態から復帰させる際には、シート１１を後方にスライドさせる。すると、図９に示すようにスライドストッパ２９がスライドピース２６のストッパ突起２６ａに当接し、シート１１はそれ以上後退できなくなる。スライドピース２６はウォークイン動作の開始当初から移動していないので、この後退規制位置が記憶されたシート位置である。ここでシートバック１３を前傾位置から引き起こすと、牽引ワイヤ５８が弛緩してロックオープンレバー２１が図５の通常着座状態の位置に復帰回動し、これに応じてロックオープンブラケット１９が被押圧アーム１７ｂに対する押圧状態を解除し、スライドロックプレート１７がロック位置に戻ってシート１１が固定される。
【００４２】
また、シートバック１３を起こすと、左右のシートバックロック機構Ｒ１及びＲ２も先に説明した通常着座状態に復帰する。具体的には、アッパアーム４０側のシートバックロック機構Ｒ１は元々ロック状態（ロックプレート４４の内歯４４ａが移動ロック部材４５の外歯４５ａと係合）であったが、アッパアーム４０が前傾前の角度位置まで復帰すると、一対のメモリ突起５１ａがラチェット５０の一対のメモリ凹部５０ａに対応する位置へとポール５１が移動する。すると、ポール５１は図１８中の時計方向への回動が可能になるので、テンションスプリング５２ｅによって回動付勢されたレリーズレバー５２が同図の反時計方向へ回動し、そのサブアーム５２ｂがポール５１を押圧して一対のメモリ突起５１ａと一対のメモリ凹部５０ａが係合する位置へと該ポール５１を回動させる。これによりラチェット５０とポール５１の相対回動が規制され、アッパアーム４０はベースアーム４３に対して傾動不能となる。ラチェット５０はウォークイン動作の開始当初から回動していないので、この回動規制位置が記憶されたシートバック１３の角度である。また、一対のメモリ突起５１ａを一対のメモリ凹部５０ａに係合させる方向（図１８の時計方向）へポール５１が回動するとき、レリーズレバー５２はポール５１を押圧して該メモリ突起５１ａとメモリ凹部５０ａの係合を促す方向（図１８の反時計方向）へと回動するが、このレリーズレバー５２の回動に応じて連動ワイヤ６９が弛緩する。連動ワイヤ６９が弛緩すると連動レバー６８に対する牽引力が解除されるので、アッパアーム６０側のシートバックロック機構Ｒ２を構成するカム部材６６がロック方向へ回動可能になる。すると、カム部材６６は不図示のばねの付勢力によってロック方向へ回動して移動ロック部材６５を水平軸Ｈｘから遠ざける方向に移動させ、該移動ロック部材６５の外歯６５ａがロックプレート６４の内歯６４ａに噛合する。これによりアッパアーム６０側のシートバックロック機構Ｒ２がロック状態となる。
【００４３】
以上のウォークイン動作の説明から分かるように、シートバック１３の前傾及び復帰動作とシート１１のスライドロックは連動しており、シートバック１３が前傾されればスライドロックが解除され、引き起こされればスライドロック状態になる。そのため、ウォークイン動作を行った後、図９に示す記憶位置までシート１１を後退させなくてもシートバック１３を起こせばシート１１が固定されるが、意図せずにこのような操作を行った場合は、スライドメモリ機能が有効に利用されないことになってしまう。逆に、ウォークイン動作の結果、後部座席に置いた荷物などのために前席を十分に後退させることができなくなった場合には、記憶させた位置まで戻っていないことを承知でシートバック１３を起こして着座するような可能性もあり得るが、このような場合には記憶させた位置まで戻らずともスライドロックをかけることが望ましい。記憶させた位置までシートを後退させない場合にシートバックを起こすことは可能だがスライドロックがかからないようにしたシート装置も知られているが、ロックがかかっていない不安定な状態で一応の着座ができてしまうので、安全性の観点から特に運転席としては好ましくない。
【００４４】
本実施形態のシート装置では、以上のような要求を満たすため、通常は記憶させた位置までシート１１を後退させてからシートバック１３を引き起こすことを促すような操作体系にさせ、シート１１を記憶位置まで後退させられない（敢えてさせない）場合には、シートバック１３の引き起こしに応じてスライドロックがかかって安全性を確保できるようにしている。前述したように、シートバック１３を前傾させた状態では、ポール５１に設けた一対のメモリ突起５１ａのうち回動軸５１ｘに近い一方がラチェット５０の前傾ロック凹部５０ｂに係合する。この係合はテンションスプリング５２ｅの付勢力によって間接的に保持されており、図１９の状態からアッパアーム４０を引き起こし方向（時計方向）に回動させようとしたときには、シートバック１３を前傾位置に付勢するリターンスプリング４０ａ及び６０ａとは別に、前傾ロック凹部５０ｂとメモリ突起５１ａの係合による抵抗が与えられる。この抵抗の大きさは、シート１１を後退させようとする際にシートバック１３を把持した程度ではシートバック１３を起こさず、かつ引き起こす意図を持ってシートバック１３を回動させたときにはアッパアーム４０の回動を許す程度に設定されている。例えば、シートバック１３は元々リターンスプリング４０ａ及び６０ａによって前傾方向へ付勢されているが、前傾ロック凹部５０ｂとメモリ突起５１ａによる引き起こし抵抗の大きさは、少なくともリターンスプリング４０ａ及び６０ａによる引き起こし抵抗力よりも大きくなるように設定されている。引き起こし抵抗の大きさは、前傾ロック凹部５０ｂやメモリ突起５１ａの形状や数、テンションスプリング５２ｅの付勢力の大きさなどの要素によって設定及び変更が可能である。
【００４５】
シート１１が記憶させた位置まで後退してスライドストッパ２９がストッパ突起２６ａに当て付くとシート１１の後退動作が係止される。シートバック１３に対する引き起こし動作は後方へ向けての操作力の成分を含むため、当該係止部分が引き起こし抵抗を受ける支点となり、シート１１がスライド自由であるときよりもシートバック１３を起こしやすくなる。所定の引き起こし力をシートバック１３に与えると、ポール５１が反時計方向へ退避回動してメモリ突起５１ａが前傾ロック凹部５０ｂから離脱する。以降は前述した通りにアッパアーム４０（及び６０）が起立方向に回動し、記憶させた角度でメモリ突起５１ａがメモリ凹部５０ａに係合してシートバック１３が係止される。
【００４６】
図２３及び図２４は本発明の第二実施形態である。この実施形態は、シートバック１３の引き起こしに抵抗を与える前傾保持機構のみが第一実施形態と異なり、その他の部分は第一実施形態と共通している。第一実施形態と共通する部材は同符号で示す。ラチェット７０は外縁部に一対のメモリ凹部７０ａのみを有し、第一実施形態における前傾ロック凹部５０ｂのような箇所は形成されていない。代わりに、アッパアーム４０にばね係合突起（係合部材）７１が突設され、シートクッションフレームに固定されたブラケット７２に前傾保持ばね（係合部材）７３が支持されている。前傾保持ばね７３は、ブラケット７２から弾性変形可能に突出された長尺アーム７３ａと、該長尺アーム７３ａの弾性変形を支える短尺アーム７３ｂとからなり、長尺アーム７３ａには、ばね係合突起７１の回動軌跡上に位置する、段差状に折り曲げられた突起係合部７３ｃが形成されている。図２３のシートバック（アッパアーム４０）起立状態では、ばね係合突起７１は前傾保持ばね７３から離間しており、図２４のようにシートバック１３を前傾させると、ばね係合突起７１が長尺アーム７３ａを弾性変形させて突起係合部７３ｃと係合する。前傾保持ばね７３の突起係合部７３ｃは、図２４の時計方向へのばね係合突起７１の移動、すなわちアッパアーム４０の引き起こし動作に対して、シートバックを前傾位置に付勢するリターンスプリング４０ａ（６０ａ）とは独立して所定の抵抗を与えるような形状及び付勢力に設定されている。つまり、前傾保持ばね７３とばね係合突起７１は、第一実施形態の前傾ロック凹部５０ｂとメモリ突起５１ａと同様にシートバックの前傾保持機構として機能する。
【００４７】
図２５ないし図２７は本発明の第三実施形態である。この実施形態は、ロアレールに（１６）対するシートスライド構造に関しては第一の実施形態と略共通しており、シートバック（１３）を前傾させると牽引ワイヤ５８によりロックオープンレバー２１がロック解除方向（反時計方向）へ回動する。一方、シートバックを前傾状態で保持させる機構は、次のような構造になっている。アッパアーム８０は第一実施形態のアッパアーム６０に対応する部材であり、一体に回動するストッパプレート（係合部材）８１を備えている。アッパアーム８０の近傍には、水平軸Ｈｘと平行な回動軸８２ｘによってポール（係合部材）８２がシートクッションフレーム側に枢着されている。ポール８２は一端部にストッパプレート８１のストッパエッジ８１ａと係合可能なストッパ凹部８２ａを有し、トーションばね８３によって該係合方向（時計方向）へ回動付勢されている。ストッパ凹部８２ａの近傍には連動ワイヤ８４の一端部が接続し、該連動ワイヤ８４の他端部はメモリプレート８５のワイヤ係合アーム８５ａに接続している。メモリプレート８５は水平軸Ｈｘと平行な回動軸８５ｘによってアッパレールに枢着されていて、スライドピース８６の解除段部８６ａに係合可能な解除アーム８５ｂを延出している。スライドピース８６は前述のスライドピース２６と同様に機能する部材である。メモリプレート８５は回動付勢ばね８５ｃ（図中に矢印のみで示す）によって反時計方向に回動付勢されている。
【００４８】
図２５の通常着座状態に示すストッパプレート８１とポール８２の位相では、ストッパエッジ８１ａとストッパ凹部８２ｂは係合不能である。また、スライドピース８６の解除段部８６ａに解除アーム８５ｂが係合し、メモリプレート８５は回動付勢ばね８５ｃに抗して時計方向に押し込まれている。この状態からウォークイン動作を行うと、まずアッパアーム８０（シートバック）が水平軸Ｈｘを中心として反時計方向に前傾し、ストッパプレート８１の角度が変化してストッパエッジ８１ａとストッパ凹部８２ｂの位相が一致する。また、シートバックの前傾に伴ってロックオープンレバー２１が回動してシートのスライドロックが解除され、シートはスライドピース８６（メモリユニット）を残して前方にスライドする。シートが前方へスライドしていくと、図２６に示すように解除アーム８５ｂがスライドピース８６の解除段部８６ａから離間し、メモリプレート８５は回動付勢ばね８５ｃの付勢力によって反時計方向に回動する。メモリプレート８５の該回動によって連動ワイヤ８４が緩み、トーションばね８３の付勢力によってポール８２が時計方向に回動し、ストッパ凹部８２ｂがストッパエッジ８１ａと係合する。ストッパ凹部８２ｂとストッパエッジ８１ａの当該係合関係によって、アッパアーム８０を起こすための時計方向の回動に対しては、シートバックを前傾位置に付勢するリターンスプリング８０ａとは別の抵抗がかかるようになる。この状態ではシートバックを引き起こすには通常よりも大きな力を要する。
【００４９】
シートを後退させてウォークインからの復帰動作を行うと、解除アーム８５ｂがスライドピース８６の解除段部８６ａに当接し、メモリプレート８５が回動付勢ばね８５ｃに抗して図２７に示すように時計方向に回動される。すると連動ワイヤ８４が牽引されてポール８２がトーションばね８３に抗して反時計方向へ回動され、ストッパ凹部８２ｂがストッパエッジ８１ａとの係合を解除する。これによってポール８２による引き起こし抵抗がなくなり、シートバックを容易に起こすことが可能となる。
【００５０】
第三の実施形態は、シートバックを前傾させたときに前傾保持機構によって引き起こし抵抗を与えるという点では先の二つの実施形態と同様であるが、記憶させた位置までシートを後退させたときに該抵抗を自動的に解除するようにした点が異なっている。この形態ではシートバックの引き起こしに要する力が小さくて済むので操作性が向上する。同様の観点から、第一と第二の実施形態においても、シートがメモリ位置まで後退したときには前傾保持機構による保持を自動的に解除させることも可能である。例えば第一実施形態では、シートの後退動作を利用してメモリ突起５１ａと前傾ロック凹部５０ｂの係合を解除させる方向へポール５１を強制回動させるような連動機構を追加してもよい。また第三実施形態では、シートの後退動作を利用して突起係合部７３ｃとばね係合突起７１の係合を解除させる方向へ前傾保持ばね７３を弾性変形させるような連動機構を追加してもよい。
【００５１】
以上の各実施形態の説明から分かるように本発明のシート装置では、シートバックを前傾位置方向に回動付勢する付勢手段とは別に、シート前傾時に係合部材の係合によって引き起こし方向への回動抵抗を与える前傾保持機構を設けたので、ウォークイン状態からの復帰に際して不用意にシートバックが引き起こされメモリ位置の手前でスライドロックがかかってしまうおそれが軽減される。つまり、スライドメモリ機構が有効に利用される。また本発明ではシートバックとスライドロックの連動関係は保たれているので、スライドメモリ位置よりも手前でシートバックを起こして着座する必要が生じた場合には確実にスライドロックさせることができ、安全性も高い。
【００５２】
但し、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、第一実施形態のシートは、前傾させる前のシートバックの角度を記憶するタイプのリクライニング機構を有しているが、リクライニング機構にこの種のメモリ機能を搭載しないタイプのシートであっても本発明は適用可能である。さらに、少なくとも前傾状態と起立した状態とを有するシートバックであれば、リクライニング機能を備えないシート装置であっても適用することが可能である。
【００５３】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、着座時にはスライド位置にかかわらず確実にスライドロックを機能させつつ、スライドメモリ機能を有効に活用することが可能な車両用シート装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用する車両用シート装置の通常着座状態と前方へのスライド状態を示す側面図である。
【図２】同シート装置のウォークイン動作状態を示す側面図である。
【図３】同シート装置のシートスライド機構の分解斜視図である。
【図４】同シート装置のシートスライド機構の側面図である。
【図５】通常着座状態におけるシートスライド機構を示す側面図である。
【図６】通常スライド状態におけるシートスライド機構の側面図である。
【図７】ウォークイン操作を行った直後のシートスライド機構の側面図である。
【図８】メモリユニットを残してシートを前方にスライドさせたウォークイン状態のシートスライド機構を示す側面図である。
【図９】ウォークイン状態からメモリ位置までシートを後退させたときのシートスライド機構の側面図である。
【図１０】図５のＡ−Ａ線に沿う断面図である。
【図１１】図５のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【図１２】図５のＣ−Ｃ線に沿うスライドロック状態の断面図である。
【図１３】図７のＣ′−Ｃ′線に沿うスライドロック解除状態の断面図である。
【図１４】図５のＤ−Ｄ線に沿う断面図である。
【図１５】図５のＥ−Ｅ線に沿う断面図である。
【図１６】シートバックの支持機構の分解斜視図である。
【図１７】シートバックの支持機構を後方から見た図である。
【図１８】一方のアッパアームを側方から見た図である。
【図１９】図１８のアッパアームが前傾位置に回動した状態を示す図である。
【図２０】他方のアッパアームを側方から見た図である。
【図２１】左右のアッパアームを接続する機構の分解斜視図である。
【図２２】図２０の接続機構における連動ピンと長孔の関係を示す概念図である。
【図２３】本発明の第二実施形態のシート装置において、シートバックを起こした状態を示す側面図である。
【図２４】同シート装置のシートバックを前傾させた状態の側面図である。
【図２５】本発明の第三実施形態におけるシート装置の通常着座状態を示す側面図である。
【図２６】同シート装置のウォークイン状態を示す側面図である。
【図２７】同シート装置のウォークインから復帰した状態の側面図である。
【符号の説明】
Ｒ１Ｒ２シートバックロック機構
Ｕメモリユニット（スライドメモリ機構）
１１シート
１２シートクッション
１３シートバック
１５アッパレール
１６ロアレール
１７スライドロックプレート
１９ロックオープンブラケット
２０キャッチレバー
２１ロックオープンレバー
２５メモリラック
２６スライドピース
２７メモリ付勢ばね
２８メモリロックレバー
４０６０８０アッパアーム
４０ａ６０ａ８０ａリターンスプリング
４１６１ヒンジピン
４１ａ連動ピン
４２コネクティングパイプ
４２ａ長孔
５０ラチェット（係合部材）
５０ａメモリ凹部
５０ｂ前傾ロック凹部
５１ポール（係合部材）
５１ａメモリ突起
５２レリーズレバー
５２ｅテンションスプリング
７０ラチェット
７１ばね係合突起（係合部材）
７３前傾保持ばね（係合部材）
７３ｃ突起係合部
８１ストッパプレート（係合部材）
８１ａストッパエッジ
８２ポール（係合部材）
８２ａストッパ凹部
８４連動ワイヤ
８５メモリプレート
８５ｂ解除アーム
８６スライドピース
８６ａ解除段部[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a vehicle seat device.
[0002]
[Prior art and its problems]
2. Description of the Related Art In a vehicle seat device, there is a type having a slide memory function for storing a slide position of a seat (upper rail) with respect to a lower rail. Such a slide memory function is used in a so-called walk-in operation in which a seat back of a front seat is tilted forward and slid forward when entering or exiting a rear seat. However, the slide lock of the seat is released by the forward tilting operation of the seat back, and when the seat back is raised, the slide lock state is established again. If the seat back is raised before the seat is retracted to the position, the slide lock is locked at that point, and the slide memory function may not be fully utilized. As this type, there is a sheet device described in JP-A-8-253064.
[0003]
On the other hand, the seat device described in Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-321393 has a structure in which even if a seat back occurs, a slide lock is not applied unless the seat is retracted to a memory position. In this seat device, when the seat cannot be retracted to the memory position due to a rear obstacle, the seat back stands up even if the slide lock is not engaged, so that the seat can be temporarily seated. From the viewpoint of safety, such an unstable seatable state is not preferable.
[0004]
[Patent Document]
JP-A-8-253064
JP-A-11-321393
[0005]
[Object of the invention]
The present invention provides a vehicle seat device that can effectively utilize a slide memory function while reliably operating a slide lock regardless of the position of a seat when seated, based on the above problem awareness of the conventional device. The purpose is to do.
[0006]
Summary of the Invention
The present invention provides a floor-side lower rail and an upper rail slidably fixed to the seat side with respect to the lower rail; a seat cushion supported by the upper rail and moved in the sliding direction together with the upper rail; A seat back pivotally attached to a standing position and a forwardly inclined position; a locked state in which the sliding of the upper rail with respect to the lower rail is restricted when the seat back is in the upright position; A slide lock mechanism that is in a state; and a slide memory mechanism that stores a seat position when the seat back is tilted forward and restricts a seat from moving backward from the stored position. An engagement member that engages at a forwardly inclined position of the seat back and disengages at an upright position; It is characterized in that a tilt holding mechanism before giving more causes resistance to the standing position on the seat back.
[0007]
As one aspect of the forward tilt holding mechanism, the seat back is supported so as to be rotatable relative to the seat back about the rotation axis of the seat back, and does not rotate when the seat back tilts forward but changes the relative angle with the seat back. Ratchet, a recess formed in the outer edge of the ratchet, a pole movably supported with respect to the seatback so as to be able to be disengaged from the recess of the ratchet when the seatback is tilted forward, and a ratchet for the pole. An urging member for urging in the direction of engagement with the concave portion may be provided.
In the forward-tilt holding mechanism of this aspect, the ratchet has a plurality of recesses on the outer edge, and the pawl is engaged with different recesses at the forward-tilt position and the upright position of the seatback. It can also function as a component of a reclining memory mechanism that stores a position.
[0008]
As a different aspect of the forward tilt holding mechanism, a movable engagement member that is provided with a fixed engagement member on the seat back side, engages with the fixed engagement member when the seat back tilts forward, and is movable in a direction to release the engagement. May be provided on the seat cushion side.
[0009]
The movable engagement member provided on the seat cushion side may be, for example, a holding spring that is elastically deformable between a state in which the fixed engagement member is held and a state in which the fixed engagement member is released.
[0010]
Further, the movable engagement member on the seat cushion side includes a swing member that can swing between an engagement position with respect to the fixed engagement member and a disengagement position, and biases the swing member toward the engagement position. A biasing member may be provided. In this embodiment, a means for forcibly rotating the swinging member to the disengagement position when the seat is at the storage position by the slide memory mechanism may be further provided.
[0011]
In the seat device of the present invention, the seat device further includes a front tilt urging unit that urges the seat back to rotate in the forward tilt position direction, and a holding unit that holds the seat back at the upright position against the front tilt urging device. In this case, the resistance of the seatback caused by the forward tilt holding mechanism may be set to be larger than the resistance caused by the forward biasing means.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
One embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The front seat (passenger seat or driver's seat) 11 of the vehicle shown in FIGS. 1 and 2 has a seat cushion 12 that supports the buttocks of the occupant and a seat back 13 that supports the back of the occupant. A seat cushion frame 14 (FIG. 4) forming a skeleton of the seat cushion 12 is supported by the upper rail 15. In addition, the seat cushion frame 14 and the upper rail 15 may be an integral member, or a lifter mechanism for height adjustment may be provided between the seat cushion frame 14 and the upper rail 15. The upper rail 15 is slidably supported in a longitudinal direction with respect to a lower rail 16 fixed to a floor panel (floor surface) 10 of the vehicle body. By sliding the upper rail 15 with respect to the lower rail 16, a seat is provided. 11 can be changed in the front-rear direction. The upper rail 15 and the lower rail 16 are provided as a pair each separated from each other in the left-right direction of the seat 11.
[0013]
A plurality of slide lock holes 16a are formed in the lower rail 16 along the longitudinal direction. A slide lock plate 17 having a lock claw 17a engageable with the slide lock hole 16a and a pressed arm 17b positioned above the lock claw 17a is pivotally mounted on the upper rail 15 side by a rotation shaft 17x. Have been. The axis of the rotation shaft 17x is parallel to the longitudinal direction of the lower rail 16, and the slide lock plate 17 has a lock position (FIG. 12) where the lock claw 17a is engaged with the slide lock hole 16a about the rotation shaft 17x. , And an unlock position (FIG. 13) to be disengaged. When the slide lock plate 17 is at the lock position, the sliding of the upper rail 15 with respect to the lower rail 16 is restricted. The slide lock plate 17 is rotationally urged in the lock position direction by a lock urging spring 17c (indicated only by an arrow in FIGS. 12 and 13). The pressed arm 17b is inserted into a square hole 15a formed in the upper rail 15, and protrudes in the side direction on the opposite side of the upper rail 15.
[0014]
A loop bracket 18 is pivotally attached to the upper rail 15 via a rotation axis 18x orthogonal to the rotation axis 17x of the slide lock plate 17 (that is, the axis is oriented in the seat left-right direction). The pressing portion 18 a provided at one end is in contact with the pressed portion 19 a of the lock open bracket 19. The lock open bracket 19 is coaxially rotatable relative to the loop bracket 18 (see FIG. 10), and a pressing portion 19b is provided at an end opposite to the rotation shaft 18x that is the center of rotation. The pressing portion 19b is inserted into the square hole 15a of the upper rail 15, and is located above the pressed arm 17b of the slide lock plate 17 (see FIGS. 12 and 13). When the loop bracket 18 is rotated clockwise in FIG. 5 via the loop handle 18b, the pressing portion 18a presses the pressed portion 19a to rotate the lock open bracket 19 in the same direction, and the lock open bracket 19 is rotated. The pressing portion 19b presses the pressed arm 17b to rotate the slide lock plate 17 in the unlocking direction against the lock urging spring 17c.
[0015]
The seat 11 has a slide memory function of storing the position of the seat 11 before sliding when performing a walk-in operation in which the seat back 13 is slid forward while tilting forward when entering or leaving the rear seat. The clockwise direction and counterclockwise direction appearing in the following description related to the slide memory function mean the rotation direction in the side views of FIGS. 4 to 9.
[0016]
A catch lever 20 is pivotally attached to the upper rail 15 on the side opposite to the side on which the loop bracket 18 and the lock open bracket 19 are supported. The catch lever 20 is rotatable around a rotation shaft 18x common to the loop bracket 18 and the lock open bracket 19 (see FIG. 10), and has a bifurcated catch at an end opposite to the rotation shaft 18x. It has a portion 20a. The catch lever 20 is connected to a stopper lever 22 via a torsion spring 20b. The stopper lever 22 is supported so as to rotate integrally with the loop bracket 18 coaxially (rotating axis 18x). A lock open lever 21 is pivotally mounted on the upper rail 15 on the same side surface on which the catch lever 20 and the stopper lever 22 are supported via a rotation shaft 21x. The lock open lever 21 has a pressing pin 21a (see FIGS. 12 and 13) that can abut on a pressing portion 19b of the lock open bracket 19 protruding through the square hole 15a, and a wire engaging arm 21b. , Is biased clockwise by the torsion spring 21c.
[0017]
A memory rack 25 is fixed to the lower rail 16. The memory rack 25 is a long member parallel to the lower rail 16, and has a plurality of memory lock holes 25a formed along its longitudinal direction. The memory rack 25 supports a slide piece 26 movable in the longitudinal direction, and a memory lock lever 28 is provided in the slide piece 26. The memory lock lever 28 is supported so as to be movable in the vertical direction of the seat, that is, in the direction orthogonal to the direction in which the slide piece 26 slides with respect to the memory rack 25, and the memory position where the memory lock claw 28a is engaged with the memory lock hole 25a. 5, FIG. 7 to FIG. 9, FIG. 14) and a memory release position (FIG. 6) for releasing the engagement. The memory lock lever 28 has a catch protrusion 28b located on the rotation locus of the catch portion 20a of the catch lever 20, and is urged to the memory position by the memory urging spring 27. The memory lock lever 28, together with the slide piece 26, constitutes a memory unit (slide memory mechanism) U for storing the slide position of the seat 11.
[0018]
A slide stopper 29 is fixed to the upper rail 15. The slide stopper 29 is engageable with a stopper projection 26a protruding from an upper portion of the slide piece 26 (see FIG. 15).
[0019]
Subsequently, a support mechanism of the seat back 13 will be described with reference to FIGS. The present embodiment has a memory function of storing an angular position before the seat back 13 tilts forward. Note that the clockwise direction and counterclockwise direction appearing in the following description related to the seat back support mechanism mean the rotational direction in the side views of FIGS.
[0020]
As shown in FIG. 17, a pair of upper rails 15 and a lower rail 16 are provided on each of the left and right sides of the seat 11, and correspondingly, a pair of left and right seat cushion frames 14 are provided. Upper arms 40 and 60 are supported near the rear ends of the left and right seat cushion frames, respectively. A seat back frame (not shown) forming a skeleton of the seat back 13 is fixed to the upper portions of the upper arms 40 and 60, and the angle of the seat back 13 changes according to the rotation of both upper arms. The upper arm 40 is rotationally urged by a return spring (a means for urging the seatback forward) to tilt the seatback 13 forward. The upper arm 60 is also rotationally biased in the seatback forward leaning direction by a similar return spring (seatback forward biasing means) 60a.
[0021]
In FIG. 17, the left (outside the vehicle) upper arm 40 is supported by a hinge pin 41 via a seat back lock mechanism R1, and the right (vehicle inner side) upper arm 60 is supported by a hinge pin 61 via a seat back lock mechanism R2. I have. The hinge pins 41 and 61 are supported by the left and right seat cushion frames 14 so as to be rotatable about a common horizontal axis Hx, and inserted into both ends of the connecting pipe 42. The connecting pipe 42 is relatively rotatable with respect to the hinge pin 41 and is not rotatable with respect to the hinge pin 61. An interlocking pin 41a extends in the outer diameter direction of the hinge pin 41 on the relatively rotatable side, and the interlocking pin 41a is inserted into a long hole 42a formed in the circumferential direction of the connecting pipe 42.
[0022]
The seat back lock mechanism R1 on the upper arm 40 side includes a base arm 43 fixed to the seat cushion frame 14 side, a lock plate 44 supported to be relatively rotatable about the horizontal axis Hx with respect to the base arm 43, and a base. A movement lock member 45 supported movably in a radial direction about the horizontal axis Hx with respect to the arm 43, a cam member 46 that rotates about the horizontal axis Hx together with the hinge pin 41, and a rotation together with the cam member 46. The movable release plate 47 is provided. External teeth 45 a are formed on the outer edge of the movable lock member 45, and internal teeth 44 a that can mesh with the external teeth 45 a are formed on the lock plate 44. The cam member 46 moves the movable lock member 45 in a direction in which the external teeth 45a and the internal teeth 44a mesh (in a direction away from the horizontal axis Hx) by rotation in the locking direction, and moves the cam member 46 in an unlocking direction opposite thereto. When is rotated, the release plate 47 that rotates integrally with the cam member 46 moves the movement lock member 45 in a direction in which the engagement between the external teeth 45a and the internal teeth 44a is released. The combined body of the cam member 46 and the release plate 47 is urged in the locking direction by a spring (not shown), and is rotated in the unlocking direction by rotating the reclining handle 48 operable in a seated state. Can be.
[0023]
A ratchet (engaging member) 50 is non-rotatably connected to the lock plate 44. The ratchet 50 is rotatable about a horizontal axis Hx with respect to a circular hole formed in the upper arm 40. I'm stuck. A pair of memory recesses 50a and one forward-locking recess 50b are formed in the outer edge of the ratchet 50. A pole (engaging member) 51 is pivotally attached to the upper arm 40 via a rotation shaft 51x above the ratchet 50, and a pair of memory protrusions 51a provided near the tip of the pole 51 are connected to a pair of the ratchet 50. Of the memory recess 50a. When the seat back 13 (upper arm 40) is tilted forward, the one memory projection 51a can be engaged with the forward tilt lock recess 50b. The pawl 51 further has an interlocking pin 51b and a cam surface 51c.
[0024]
A release lever 52 is pivotally mounted on the upper arm 40 by a rotation shaft 52x. The release lever 52 has a pin insertion hole 52a, a sub arm 52b that rotates integrally with the release lever 52 main body, a spring hook arm 52c, and a wire engaging arm 52d. The interlocking pin 51b of the pole 51 is inserted into the pin insertion hole 52a, and the cam surface 51c of the pole 51 is located on the rotation locus of the sub arm 52b. One end of a tension spring 52e is engaged with the spring hook arm 52c, and a walk-in wire 53 is connected to the wire engaging arm 52d. The other end of the tension spring 52e is connected to a bracket 54 fixed to the upper arm 40, and the release lever 52 is urged counterclockwise in FIG. 18 by the tension spring 52e. This urging direction is a direction in which the sub arm 52b pushes down the cam surface 51c. Therefore, when the release lever 52 is in a free state, the pawl 51 is at an angular position where the urging force of the tension spring 52e causes the memory projection 51a to engage with the memory recess 50a. (FIG. 18).
[0025]
A walk-in operation handle 56 (FIGS. 1 and 2) is provided outside the seat back 13, and the walk-in wire 53 is pulled by operating the walk-in operation handle 56. The pulled-in walk-in wire 53 rotates the release lever 52 clockwise against the tension spring 52e.
[0026]
The seat back lock mechanism R2 on the upper arm 60 side has basically the same structure as the seat back lock mechanism R1. That is, a base arm 63 fixed to the seat cushion frame 14 side, a lock plate 64 supported to be relatively rotatable about the horizontal axis Hx with respect to the base arm 63, and a horizontal axis Hx with respect to the base arm 63. It has a movement lock member 65 supported movably in the radial direction about the center, a cam member 66 that rotates around the horizontal axis Hx together with the hinge pin 41, and a release plate 67 that rotates together with the cam member 66. I have. External teeth 65 a are formed on the outer edge of the movable lock member 65, and internal teeth 64 a that can mesh with the external teeth 65 a are formed on the lock plate 64. The cam member 66 moves the movable lock member 65 in a direction in which the external teeth 65a and the internal teeth 64a mesh (in a direction away from the horizontal axis Hx) by rotation in the locking direction, and moves the cam member 66 in an unlocking direction opposite thereto. When is rotated, the release plate 67 that rotates integrally with the cam member 66 moves the movement lock member 65 in a direction in which the engagement between the external teeth 65a and the internal teeth 64a is released. The combined body of the cam member 66 and the release plate 67 is urged in the locking direction by a spring (not shown).
[0027]
Unlike the upper arm 40 side, on the upper arm 60 side, the lock plate 64 and the upper arm 60 are coupled so as to rotate integrally without the interposition of a ratchet. Further, an interlocking lever 68 that rotates integrally is fixed to the hinge pin 61 (see FIGS. 17, 20, and 21). The interlocking lever 68 is connected to the wire engaging arm 52d of the release lever 52 by an interlocking wire 69. Have been.
[0028]
On the upper arm 60 side, a pulling lever 57 that can rotate relative to the hinge pin 61 is further supported. The pulling lever 57 has a pressed arm 57a and a wire engaging arm 57b, and one end of a pulling wire 58 is connected to the wire engaging arm 57b. The other end of the pulling wire 58 is connected to the wire engaging arm 21b of the lock open lever 21. The pressed arm 57a is located on the rotation trajectory of the upper hook 60b fixed to the upper arm 60. Although the towing lever 57 is supported on the upper arm 60 side as shown in FIGS. 17 and 20, in order to make it easier to understand the operation state of the towing wire 58 by the towing lever 57, FIGS. FIG. 19 also shows the traction lever 57 by a virtual line (two-dot chain line).
[0029]
The operation of the seat device having the above configuration will be described. The solid line in FIG. 1 shows a normal seating state of the seat 11. At this time, the mechanism relating to the seat slide is in the state of FIG. 5, and the support mechanism of the seat back 13 (upper arm 40) is in the state of FIG. In this state, the slide lock plate 17 is held at the lock position, and the slide of the seat 11 is restricted by the engagement between the lock claws 17a and the slide lock holes 16a (FIG. 12). The memory lock lever 28 is held at the memory position by the urging force of the memory urging spring 27, and the movement of the memory unit U with respect to the memory rack 25 is restricted by the engagement relationship between the memory lock claw 28a and the memory lock hole 25a. ing.
[0030]
On the other hand, in the support mechanism of the seat back 13, the outer teeth 45a, 65a of the moving lock members 45, 65 constituting the left and right seat back lock mechanisms R1, R2 mesh with the inner teeth 44a, 64a of the lock plates 44, 64. The rotation of the lock plates 44 and 64 is restricted. As shown in FIG. 18, on the upper arm 40 side, a pair of memory projections 51 a provided on the pole 51 are engaged with a pair of memory recesses 50 a of the ratchet 50 coupled to the lock plate 44. The release lever 52 is urged by a tension spring 52e in a direction in which the sub arm 52b presses the cam surface 51c, and the state in which the memory projection 51a is engaged with the memory recess 50a is maintained by the urging force. That is, the lock plate 44, the ratchet 50, and the upper arm 40 (the pole 51) are integrally locked so as not to rotate around the horizontal axis Hx. On the other hand, since the upper arm 60 is directly connected to the lock plate 64, the rotation of the upper arm 60 is also restricted together with the lock plate 64.
[0031]
First, the reclining adjustment operation of the seat back 13 will be described. When the reclining handle 48 is operated in the normal sitting state, the cam member 46 is rotated in the unlocking direction via the hinge pin 41 on the upper arm 40 side, and the release plate 47 that rotates together with the cam member 46 locks the movement lock member 45 with the lock plate. 44 (in a direction approaching the horizontal axis Hx). On the other hand, since the engagement state between the memory projection 51a and the memory recess 50a is maintained, the ratchet 50 is also integrated with the upper arm 40 via the pole 51. Therefore, the combined body of the lock plate 44, the ratchet 50, and the upper arm 40 can be relatively rotated with respect to the base arm 43 about the horizontal axis Hx.
[0032]
As shown by a solid line in FIG. 22, in a normal sitting state, the interlocking pin 41a of the hinge pin 41 is in contact with one end 42a1 of the long hole 42a of the connecting pipe 42. When the hinge pin 41 rotates with the above operation of the reclining handle 48, the interlocking pin 41a presses the contact end 42a1 of the long hole 42a, and the connecting pipe 42 rotates together with the hinge pin 41. By the rotation of the connecting pipe 42, the hinge pin 61 of the upper arm 60 also rotates, and the cam member 66 and the release plate 67 are rotated in the unlock direction. As a result, the movable lock member 65 moves in a direction approaching the horizontal axis Hx, and the engagement between the external teeth 65a and the internal teeth 64a of the lock plate 64 is released. That is, the combined body of the lock plate 64 and the upper arm 60 can rotate relative to the base arm 63 about the horizontal axis Hx.
[0033]
As a result of the operation of the reclining handle 48, the lock is released from both the upper arms 40 and 60 as described above, so that the tilt angle of the seat back 13 can be arbitrarily adjusted. After the adjustment, when the operation on the reclining handle 48 is released, the upper arms 40 and 60 are locked again.
[0034]
Next, a normal seat sliding operation in which the seated person arbitrarily adjusts the position of the seat 11 in the front-back direction will be described. When the loop handle 18b is lifted upward in the normal sitting state, the loop bracket 18 rotates clockwise from the position of FIG. 5 to the position of FIG. 6, and the pressing portion 18a presses the pressed portion 19a to lock the open bracket. 19 is rotated clockwise. By the rotation of the lock open bracket 19, the pressing portion 19b presses the pressed arm 17b, and the slide lock plate 17 rotates to the unlock position against the lock urging spring 17c (see FIG. 13). As a result, the restriction on sliding of the upper rail 15 with respect to the lower rail 16 is released. Further, the stopper lever 22 rotates clockwise together with the loop bracket 18, and rotates the catch lever 20 coupled via the torsion spring 20b clockwise. Then, the catch portion 20a of the catch lever 20 engages with the catch protrusion 28b and pushes it downward to move the memory lock lever 28 from the memory position to the memory release position. Thereby, the slide restriction of the memory unit U with respect to the memory track 25 is released. Therefore, when the seat 11 (upper rail 15) is moved with respect to the lower rail 16 as shown by a two-dot chain line in FIG. 1, the memory unit U slides together with the entire seat 11. When the hand is released from the loop handle 18b, the slide lock plate 17 is returned to the locked position and rotated to lock the seat 11, and at the same time, the memory lock lever 28 is returned to the memory position.
[0035]
Next, the walk-in operation will be described. When the walk-in operation handle 56 is operated from the normal sitting state, the walk-in wire 53 is pulled, and the release lever 52 rotates clockwise from the position in FIG. 18 against the tension spring 52e. Then, the pin insertion hole 52a raises the interlocking pin 51b, and the pole 51 is rotated in the counterclockwise direction in the figure, so that the engagement between the memory projection 51a and the memory recess 50a is released. As a result, the coupling relationship between the ratchet 50 and the upper arm 40 is released, and the upper arm 40 becomes rotatable relative to the ratchet 50.
[0036]
When the release lever 52 rotates, the interlock wire 69 is pulled, and the interlock lever 68 rotates clockwise in FIG. 20, and the hinge pin 61 connected to the interlock lever 68 rotates in the same direction. The rotation of the hinge pin 61 causes the cam member 66 and the release plate 67 to rotate in the direction of releasing the engagement between the external teeth 65a of the movable lock member 65 and the internal teeth 64a of the lock plate 64, as in the above-described reclining operation. Therefore, the lock of the seat back lock mechanism R2 is released, and the upper arm 60 can rotate. On the other hand, the connecting pipe 42 rotates together with the hinge pin 61, and at this time, the long hole 42a of the connecting pipe 42 relatively moves in the rotation direction with respect to the interlocking pin 41a (sliding the long hole 42a to the interlocking pin 41a). No contact force is transmitted to the interlocking pin 41a. That is, the interlocking pin 41a relatively moves from one end 42a1 of the long hole 42a toward the other end 42a2 as shown by a chain line in FIG. Therefore, the hinge pin 41 is not rotated, and the lock inside the seat back lock mechanism R1 is not released. In other words, the ratchet 50 remains in a state where the rotation is restricted.
[0037]
In the present embodiment, a mechanism for controlling the interlocking of the left and right seat back lock mechanisms R1 and R2 at the time of reclining and at the time of walking in (when the memory of the reclining position is stored) is provided by the interlocking pin 41a on the hinge pin 41 side as described above. And the long hole 42a on the connecting pipe 42 side, the structure is simple. Such an interlocking control is performed by a plurality of levers in a conventional seat apparatus. In this embodiment, the number of parts is smaller than that of the conventional apparatus, and the manufacturing cost can be suppressed and the accuracy can be improved.
[0038]
When the above lock release is performed on the left and right upper arms 40 and 60, the seat back 13 starts the forward tilting operation by the urging force of the return springs 40a and 60a. Since the ratchet 50 does not rotate during the forward tilting operation, the pole 51 moves along the outer edge of the ratchet 50 with the forward tilting rotation of the seat back 13. When the seat back 13 reaches the forward tilt position shown by the dashed line in FIG. 2, one of the pair of memory protrusions 51a provided on the pole 51 on the side closer to the rotation shaft 51x is connected to the ratchet 50 as shown in FIG. Engages with the forward inclined lock recess 50b. A biasing force is applied to the pawl 51 by the tension spring 52e in the direction of maintaining the engagement between the memory protrusion 51a and the forward tilt lock recess 50b.
[0039]
When the upper arm 60 tilts forward, the upper hook 60b presses the pressed arm 57a of the traction lever 57 to rotate it counterclockwise. Then, the wire engaging arm 57b pulls the pulling wire 58, and rotates the lock open lever 21 counterclockwise from the position of FIG. 5 to the position of FIG. 7 against the torsion spring 21c. When the lock-open lever 21 rotates counterclockwise, the pressing pin 21a presses the pressing portion 19b downward, and the lock-open bracket 19 rotates clockwise, and the lock is urged in the same manner as in the normal sliding operation described above. The slide lock plate 17 is rotated to the unlock position against the spring 17c (FIG. 13). In FIG. 13, the pressing pin 21 a of the lock-open lever 21 does not press the pressing portion 19 b of the lock-open bracket 19, but this is the case of the normal slide operation described above. 13 and moves downward from the position 13 to press the pressing portion 19b. At this time, since the pressed portion 19a of the lock open bracket 19 is separated (runs away) from the pressing portion 18a, the loop bracket 18 does not rotate, and the stopper lever 22 and the catch lever 20 do not rotate. If the catch lever 20 is not rotated, the memory lock lever 28 is not moved from the memory position. That is, the entire seat 11 (upper rail 15) is slidable with respect to the lower rail 16, but the memory unit U is in a state shown in FIG.
[0040]
The upper rail 15 is urged forward by a slide urging spring (not shown), and when the slide lock plate 17 is rotated to the unlock position as a result of the walk-in operation, as shown in FIG. Slide to. At this time, the memory unit U remains fixed at a position before the sheet 11 moves. This is the walk-in state shown by the two-dot chain line in FIG.
[0041]
When returning from the walk-in state, the seat 11 is slid backward. Then, as shown in FIG. 9, the slide stopper 29 comes into contact with the stopper protrusion 26a of the slide piece 26, and the seat 11 cannot be further retracted. Since the slide piece 26 has not been moved since the start of the walk-in operation, the retreat restriction position is the stored sheet position. Here, when the seat back 13 is raised from the forward tilt position, the pulling wire 58 is relaxed, and the lock open lever 21 returns to the normal seated position shown in FIG. 5 and the lock open bracket 19 is pressed accordingly. The pressing state on the arm 17b is released, the slide lock plate 17 returns to the lock position, and the seat 11 is fixed.
[0042]
When the seat back 13 is raised, the left and right seat back lock mechanisms R1 and R2 also return to the normal seating state described above. Specifically, the seat back lock mechanism R1 on the upper arm 40 side was originally in a locked state (the inner teeth 44a of the lock plate 44 were engaged with the outer teeth 45a of the movable lock member 45), but the upper arm 40 was not tilted forward. , The pole 51 moves to a position where the pair of memory projections 51 a correspond to the pair of memory recesses 50 a of the ratchet 50. Then, the pawl 51 can rotate clockwise in FIG. 18, so that the release lever 52 urged by the tension spring 52 e rotates counterclockwise in FIG. The pole 51 is pressed to rotate the pole 51 to a position where the pair of memory projections 51a and the pair of memory recesses 50a engage. As a result, the relative rotation between the ratchet 50 and the pole 51 is restricted, and the upper arm 40 cannot tilt with respect to the base arm 43. Since the ratchet 50 has not been rotated since the beginning of the walk-in operation, the rotation restricting position is the stored angle of the seat back 13. When the pawl 51 rotates in a direction (clockwise direction in FIG. 18) in which the pair of memory projections 51a are engaged with the pair of memory recesses 50a, the release lever 52 presses the pole 51 and the memory projection 51a and the memory The rotation is performed in a direction (counterclockwise direction in FIG. 18) that encourages the engagement of the concave portion 50a, but the interlocking wire 69 is relaxed in accordance with the rotation of the release lever 52. When the interlocking wire 69 is relaxed, the traction force on the interlocking lever 68 is released, so that the cam member 66 constituting the seat back lock mechanism R2 on the upper arm 60 side can rotate in the locking direction. Then, the cam member 66 is rotated in the locking direction by the urging force of a spring (not shown) to move the movable lock member 65 in a direction away from the horizontal axis Hx, and the outer teeth 65 a of the movable lock member 65 It meshes with the internal teeth 64a. Thus, the seat back lock mechanism R2 on the upper arm 60 side is locked.
[0043]
As can be seen from the above description of the walk-in operation, the forward tilt and return operation of the seat back 13 and the slide lock of the seat 11 are linked, and when the seat back 13 is tilted forward, the slide lock is released and the slide lock is released. If it is, it will be in the slide lock state. Therefore, after performing the walk-in operation, the seat 11 can be fixed by raising the seat back 13 without retreating the seat 11 to the storage position illustrated in FIG. 9, but such an operation is performed unintentionally. In this case, the slide memory function is not effectively used. Conversely, if the front seat cannot be fully retracted due to the luggage or the like placed in the rear seat as a result of the walk-in operation, the seat back 13 knows that it has not returned to the stored position. There is a possibility that the user may be seated by raising the posture, but in such a case, it is desirable to lock the slide without returning to the stored position. It is possible to raise the seat back if the seat is not retracted to the memorized position, but a seat device that does not lock the slide is also known, but it is possible to seat temporarily in an unstable state where it is not locked. Therefore, it is not preferable as a driver's seat from the viewpoint of safety.
[0044]
In order to satisfy the above requirements, the seat apparatus of the present embodiment normally has an operation system that prompts the user to retract the seat 11 to the stored position and then cause the seat back 13 to be stored. If the seat back 13 cannot be retracted to the position (do not dare to move), a slide lock is applied in response to the raising of the seat back 13 to ensure safety. As described above, when the seat back 13 is tilted forward, one of the pair of memory protrusions 51a provided on the pole 51 near the rotation shaft 51x is engaged with the forward tilt lock recess 50b of the ratchet 50. This engagement is indirectly held by the urging force of the tension spring 52e, and when the upper arm 40 is raised from the state shown in FIG. 19 and is rotated in the clockwise direction, the seat back 13 is moved to the forward tilt position. Apart from the biasing return springs 40a and 60a, a resistance is provided by the engagement between the forwardly inclined lock recess 50b and the memory projection 51a. The magnitude of this resistance is such that the seat back 13 is not raised when the seat back 13 is gripped when the seat 11 is to be retracted, and the upper arm 40 It is set to a degree that allows rotation. For example, the seat back 13 is originally urged in the forward tilt direction by the return springs 40a and 60a, but the magnitude of the resistance caused by the forward tilt lock recess 50b and the memory protrusion 51a is at least the resistance caused by the return springs 40a and 60a. It is set to be larger than the force. The magnitude of the induced resistance can be set and changed by factors such as the shape and number of the forwardly inclined lock recess 50b and the memory projection 51a, and the magnitude of the urging force of the tension spring 52e.
[0045]
When the sheet 11 is retracted to the memorized position and the slide stopper 29 abuts against the stopper projection 26a, the retracting operation of the sheet 11 is locked. Since the raising operation with respect to the seat back 13 includes a component of the operation force toward the rear, the locking portion is a fulcrum that receives the resistance due to the operation, and the seat back 13 is more easily raised than when the seat 11 is free to slide. When a predetermined triggering force is applied to the seat back 13, the pawl 51 retreats and rotates counterclockwise, and the memory projection 51a is disengaged from the forward-locking recess 50b. Thereafter, as described above, the upper arm 40 (and 60) rotates in the upright direction, the memory projection 51a engages with the memory recess 50a at the stored angle, and the seat back 13 is locked.
[0046]
FIG. 23 and FIG. 24 show a second embodiment of the present invention. This embodiment is different from the first embodiment only in the forward tilt holding mechanism that gives resistance to the raising of the seat back 13, and the other parts are common to the first embodiment. Members common to the first embodiment are denoted by the same reference numerals. The ratchet 70 has only a pair of memory concave portions 70a on the outer edge portion, and does not have a portion such as the forward tilt lock concave portion 50b in the first embodiment. Instead, a spring engaging projection (engaging member) 71 is protruded from the upper arm 40, and a forwardly inclined holding spring (engaging member) 73 is supported by a bracket 72 fixed to the seat cushion frame. The forward tilt holding spring 73 includes a long arm 73a projecting from the bracket 72 so as to be elastically deformable, and a short arm 73b for supporting the elastic deformation of the long arm 73a. A projection engaging portion 73c is formed on the rotation locus of the projection 71 and bent in a step shape. In the upright state of the seat back (upper arm 40) shown in FIG. 23, the spring engagement projection 71 is separated from the forward tilt holding spring 73. When the seat back 13 is tilted forward as shown in FIG. The long arm 73a is elastically deformed and engages with the projection engaging portion 73c. The projection engagement portion 73c of the forward tilt holding spring 73 is a return spring that urges the seat back to the forward tilt position in response to the movement of the spring engagement projection 71 in the clockwise direction in FIG. The shape and the urging force are set so as to give a predetermined resistance independently of the 40a (60a). That is, the forward tilt holding spring 73 and the spring engaging projection 71 function as a forward tilt holding mechanism for the seat back, like the forward tilt lock recess 50b and the memory projection 51a of the first embodiment.
[0047]
FIGS. 25 to 27 show a third embodiment of the present invention. This embodiment is substantially the same as the first embodiment with respect to the seat slide structure for the lower rail (16). When the seat back (13) is tilted forward, the pulling wire 58 causes the lock / open lever 21 to unlock. (Counterclockwise). On the other hand, the mechanism for holding the seat back in the forwardly inclined state has the following structure. The upper arm 80 is a member corresponding to the upper arm 60 of the first embodiment, and includes a stopper plate (engaging member) 81 that rotates integrally. In the vicinity of the upper arm 80, a pawl (engaging member) 82 is pivotally mounted on the seat cushion frame side by a rotating shaft 82x parallel to the horizontal axis Hx. The pawl 82 has, at one end, a stopper recess 82a engageable with the stopper edge 81a of the stopper plate 81, and is urged to rotate in the engaging direction (clockwise) by the torsion spring 83. One end of an interlocking wire 84 is connected to the vicinity of the stopper recess 82a, and the other end of the interlocking wire 84 is connected to a wire engaging arm 85a of the memory plate 85. The memory plate 85 is pivotally attached to the upper rail by a rotation shaft 85x parallel to the horizontal axis Hx, and extends a release arm 85b that can be engaged with the release step 86a of the slide piece 86. The slide piece 86 is a member that functions similarly to the slide piece 26 described above. The memory plate 85 is rotationally urged in a counterclockwise direction by a rotational urging spring 85c (indicated only by an arrow in the figure).
[0048]
In the phase of the stopper plate 81 and the pawl 82 shown in the normal seating state of FIG. 25, the stopper edge 81a and the stopper recess 82b cannot be engaged. The release arm 85b is engaged with the release step 86a of the slide piece 86, and the memory plate 85 is pushed clockwise against the rotation urging spring 85c. When the walk-in operation is performed from this state, first, the upper arm 80 (seat back) tilts forward in the counterclockwise direction around the horizontal axis Hx, and the angle of the stopper plate 81 changes to change the phase of the stopper edge 81a and the stopper recess 82b. Matches. Further, the lock open lever 21 rotates with the forward inclination of the seat back, and the slide lock of the seat is released, and the seat slides forward while leaving the slide piece 86 (memory unit). When the seat slides forward, the release arm 85b separates from the release step 86a of the slide piece 86 as shown in FIG. 26, and the memory plate 85 is moved counterclockwise by the urging force of the rotation urging spring 85c. Rotate. The interlocking wire 84 is loosened by the rotation of the memory plate 85, the pawl 82 is rotated clockwise by the urging force of the torsion spring 83, and the stopper recess 82b is engaged with the stopper edge 81a. Due to the engagement between the stopper concave portion 82b and the stopper edge 81a, another resistance is applied to the clockwise rotation for raising the upper arm 80 than the return spring 80a for urging the seat back to the forward tilt position. Become like In this state, a greater force than usual is required to cause the seat back.
[0049]
When the seat is retracted and the returning operation from the walk-in is performed, the release arm 85b contacts the release step portion 86a of the slide piece 86, and the memory plate 85 opposes the rotation urging spring 85c as shown in FIG. Is rotated clockwise. Then, the interlocking wire 84 is pulled, the pawl 82 is rotated counterclockwise against the torsion spring 83, and the stopper concave portion 82b releases the engagement with the stopper edge 81a. Thus, the resistance caused by the pole 82 is eliminated, and the seat back can be easily caused.
[0050]
The third embodiment is the same as the previous two embodiments in that the seat back is caused by the forward tilt holding mechanism when the seat back is tilted forward to provide resistance, but the seat is retracted to the stored position. The difference is that sometimes the resistance is automatically released. In this embodiment, the operability is improved because the force required to cause the seat back is small. From the same point of view, in the first and second embodiments, it is also possible to automatically release the holding by the forward tilt holding mechanism when the sheet is retracted to the memory position. For example, in the first embodiment, an interlocking mechanism that forcibly rotates the pawl 51 in a direction in which the engagement between the memory protrusion 51a and the forward tilt lock recess 50b is released by using the retreating operation of the sheet may be added. In the third embodiment, an interlocking mechanism for elastically deforming the forward tilt holding spring 73 in a direction in which the engagement between the projection engagement portion 73c and the spring engagement projection 71 is released by using the retreating operation of the sheet is added. You may.
[0051]
As can be understood from the above description of the embodiments, in the seat device of the present invention, apart from the urging means for urging the seat back to rotate in the forward tilt position direction, the seat back is caused by the engagement of the engaging member when the seat tilts forward. The provision of the forward-tilt holding mechanism for providing resistance to the rotation in the direction reduces the risk of inadvertently causing the seat back when returning from the walk-in state and causing the slide lock to occur before the memory position. That is, the slide memory mechanism is effectively used. Further, in the present invention, the interlocking relationship between the seat back and the slide lock is maintained, so that when it becomes necessary to raise the seat back and sit down before the slide memory position, the slide lock can be securely performed, and the safety can be secured. The nature is also high.
[0052]
However, the present invention is not limited to the above embodiment. For example, the seat of the first embodiment has a reclining mechanism of a type that stores the angle of the seat back before leaning forward, but is a type of seat that does not have this type of memory function in the reclining mechanism. The present invention is also applicable. Furthermore, as long as the seat back has at least a forwardly inclined state and an upright state, the present invention can be applied to a seat apparatus without a reclining function.
[0053]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to obtain a vehicle seat device capable of effectively utilizing a slide memory function while reliably operating a slide lock regardless of a slide position when seated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a normal seating state and a forward sliding state of a vehicle seat device to which the present invention is applied.
FIG. 2 is a side view showing a walk-in operation state of the seat device.
FIG. 3 is an exploded perspective view of a seat slide mechanism of the seat device.
FIG. 4 is a side view of a seat slide mechanism of the seat device.
FIG. 5 is a side view showing the seat slide mechanism in a normal sitting state.
FIG. 6 is a side view of the seat slide mechanism in a normal slide state.
FIG. 7 is a side view of the seat slide mechanism immediately after the walk-in operation is performed.
FIG. 8 is a side view showing the seat slide mechanism in a walk-in state in which the seat is slid forward while leaving the memory unit.
FIG. 9 is a side view of the seat slide mechanism when the seat is retracted from the walk-in state to the memory position.
FIG. 10 is a sectional view taken along the line AA in FIG. 5;
FIG. 11 is a sectional view taken along the line BB of FIG. 5;
FIG. 12 is a sectional view of the slide lock state along the line CC in FIG. 5;
FIG. 13 is a cross-sectional view of the slide lock released state along the line C′-C ′ in FIG. 7;
FIG. 14 is a sectional view taken along line DD of FIG. 5;
FIG. 15 is a sectional view taken along the line EE in FIG. 5;
FIG. 16 is an exploded perspective view of a seat back support mechanism.
FIG. 17 is a view of the seat back support mechanism as viewed from the rear.
FIG. 18 is a view of one upper arm as viewed from the side.
FIG. 19 is a view showing a state in which the upper arm of FIG. 18 is rotated to a forwardly inclined position.
FIG. 20 is a side view of the other upper arm.
FIG. 21 is an exploded perspective view of a mechanism for connecting left and right upper arms.
FIG. 22 is a conceptual diagram showing a relationship between an interlocking pin and a long hole in the connection mechanism of FIG. 20.
FIG. 23 is a side view showing a state where a seat back is raised in the seat device according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 24 is a side view of the seat device in a state where a seat back is tilted forward.
FIG. 25 is a side view showing a normal sitting state of the seat device according to the third embodiment of the present invention.
FIG. 26 is a side view showing a walk-in state of the seat device.
FIG. 27 is a side view of the seat device in a state where it has returned from walk-in.
[Explanation of symbols]
R1 R2 Seat back lock mechanism
U memory unit (slide memory mechanism)
11 sheets
12 Seat cushion
13 Seat back
15 Upper rail
16 Lower rail
17 Slide lock plate
19 Lock Open Bracket
20 Catch lever
21 Lock open lever
25 memory rack
26 slide piece
27 Memory biasing spring
28 Memory lock lever
40 60 80 Upper arm
40a 60a 80a Return spring
41 61 Hinge pin
41a Interlocking pin
42 Connecting Pipe
42a long hole
50 Ratchet (engagement member)
50a Memory recess
50b Forward tilt lock recess
51 Pole (engagement member)
51a Memory protrusion
52 Release lever
52e tension spring
70 Ratchet
71 Spring engagement projection (engagement member)
73 Forward tilt holding spring (engaging member)
73c projection engagement part
81 Stopper plate (engaging member)
81a Stopper edge
82 pole (engagement member)
82a stopper recess
84 Interlocking wire
85 Memory plate
85b Release arm
86 slide piece
86a release step

Claims

A lower rail on the floor surface and an upper rail slidably fixed to the seat side with respect to the lower rail;
A seat cushion supported by the upper rail and moved in the sliding direction together with the upper rail;
A seat back rotatably supported by the seat cushion in a standing position where the seat can be seated and a forwardly inclined position;
When the seat back is in the upright position, a lock state restricts the sliding of the upper rail with respect to the lower rail, and when the seat back is in the forward tilt position, the slide lock mechanism is in an unlock state in which the slide is permitted; A slide memory mechanism for storing the sheet position when the sheet is moved and restricting the sheet from moving backward from the stored position;
In the vehicle seat device provided with
An engaging member is provided for engaging the seat back at the forwardly inclined position and disengaging at the upright position, and providing the seatback with a forwardly inclined holding mechanism for applying resistance to the upright position by engaging the engaging member. A seat device for a vehicle.

The vehicle seat device according to claim 1, wherein the forward tilt holding mechanism includes:
A ratchet supported relative to the seat back so as to be rotatable about a rotation axis of the seat back, and not changing its pivotal angle when the seat back is tilted forward;
A recess formed in the outer edge of the ratchet;
A pole movably supported with respect to the seat back so as to be able to be disengaged from the recess of the ratchet when the seat back leans forward; and a bias for urging the pole in a direction of engagement with the recess of the ratchet. Force member;
A vehicle seat device comprising:

3. The vehicle seat device according to claim 2, wherein the ratchet has a plurality of concave portions on an outer edge portion, and the pawl engages with different concave portions at a forwardly inclined position and an upright position of the seat back.

The vehicle seat device according to claim 1, wherein the forward tilt holding mechanism includes:
A fixed engagement member provided on the seat back side; and a movable engagement member provided on the seat cushion side, the movable engagement member being engaged with the fixed engagement member when the seat back is tilted forward, and movable in a direction to release the engagement. Composite material;
A vehicle seat device comprising:

5. The vehicle seat device according to claim 4, wherein the movable engagement member on the seat cushion side comprises a holding spring that is elastically deformable between a state in which the fixed engagement member is held and a state in which the fixed engagement member is released. .

5. The vehicle seat device according to claim 4, wherein the movable engagement member on the seat cushion side includes a swing member that can swing between an engagement position with respect to the fixed engagement member and a disengagement position. A vehicle seat device having an urging member for urging a moving member toward an engagement position.

7. The vehicle seat device according to claim 6, further comprising means for forcibly rotating the swinging member to the disengagement position when the seat is at a storage position by the slide memory mechanism.

The vehicle seat device according to any one of claims 1 to 7,
Forward tilt urging means for rotationally urging the seat back in the forward tilt position direction; and holding means for holding the seat back in the upright position against the forward tilt urging means;
With
A vehicle seat device in which the resistance of the seat back caused by the forward tilt holding mechanism is greater than the resistance caused by the forward tilt urging means.