JP2004330551A - 研削穿孔工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中空にして流路4を有する回転軸2と、前記回転軸2の先端面に取り付けられ、前記流路4に連通する溝部5を有する研削部3とを備えた研削穿孔工具1であって、前記溝部5は、前記研削部3の軸方向に直交する断面の円周方向の少なくとも一部が開放されるように、前記研削部3の先端面から基端面まで形成され、前記溝部5の基端面近傍には、前記溝部5内に突出する突出部6を有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリ−ト、石材、建材、ガラスなどの被研削部材に小径の研削穿孔を施す際に使用される研削穿孔工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建造物のコンクリート壁に化粧版を取り付ける場合、コンクリート壁にアンカーボルト用の小径の孔を多数研削穿孔する必要がある。このような小径の研削穿孔には、研削穿孔工具を先端に取り付けた穿孔機が用いられる。
【0003】
また、研削穿孔の研削穿孔作業は、例えば、以下のように行われる。まず、図5に示すように、穿孔機41のケーシング42内部に設けられたモータ軸43に止着部44を介して研削穿孔工具21を取り付ける。次に、ケーシング42の先端部に設けられた回収室45をコンクリート壁面Kに当接し、研削穿孔工具21の先端を穿孔位置に合わせる。次に、研削穿孔工具21の内部に空気や水等の冷却流体を供給し、研削穿孔工具21の先端から冷却流体を噴出させながら、研削穿孔工具21を、例えば2000rpm程度で高速回転させる。次に、コンクリート壁面Kに研削穿孔工具21を、例えば、7mm/分程度の送り速度で押し付けて、コンクリート壁面Kに小孔Hを穿設する。この時、回収室内45に流入してくるコンクリートコア屑は冷却流体と共に吸引管46で吸引しながら排出する。
【0004】
そして、研削穿孔工具としては、図7(a)に示すように、回転軸32の先端に砥粒で構成された複数の円弧状の研削部33が取り付けられた研削穿孔工具31が提案されている。各研削部33は、一定間隔を開けて設けられ、複数の溝部35を形成している。各溝部35は、回転軸32内部の流路34から供給される冷却流体を研削部33に供給し、また、その溝部35を介して冷却水及びコンクリート研削屑とを一緒に排出している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、研削穿孔工具31は、図7(b)に示すように、研削穿孔時に回転軸32(流路34)の内部にコンクリートコア37が形成されることとなり、そのコンクリートコア37を取り除く作業が必要であった。特に、小径の研削穿孔にあっては、コンクリートコア37の取り除きの作業時間が、研削穿孔の作業時間よりも長くなってしまい、研削穿孔の作業効率が低下するという問題があった。
【0006】
そして、前記の問題を解決するために、研削穿孔時にコンクリートコアが生じない、いわゆるノンコアドリルと称されるものが提案されている。このようなノンコアドリルの例として、図6(a)、(b)に示すように、中空にして流路24を有する回転軸22の平端面22aを冷却流体の噴出孔24a以外は閉塞し、この平端面22aに溝部25を有する研削部23を取り付けて構成し、回転軸22(流路24の先端面)の中心より偏心した位置から平端面22aの周縁位置に向けて斜め方向に噴出孔24aを形成すると共に、流路24の先端面と噴出孔24aの軸線とが直角になるように、流路24の先端面を円錐状に形成した研削穿孔工具21が提案されている。この研削穿孔工具21は、噴出孔24aを回転軸22の中心からずらすことにより、コンクリートコア屑が噴出孔24a内へ浸入するのを防止したものである。また、噴出孔24aを斜め方向に形成することにより、研削抵抗の最も高い部分である研削部23の外周部に冷却流体が供給されるようにしたものである。さらに、流路24の先端面を円錐状に形成することにより、流路24から噴出孔24aへの冷却流体の流入を円滑にしたものである。(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第2800475号公報(第1頁左欄2〜12行、図4、図6)
【特許文献2】
特開2001−232628号(段落番号[0010]、[0011]、[0013]、[0027]、[0028]、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6(a)、(b)に示す研削穿孔工具21では、冷却流体の噴出孔24aが回転軸22中心からずれているといっても、その偏心量は僅かであり、研削部23の溝部25に開口していることに変わりはないので、研削部23の溝部25で破砕されたコンクリートコア屑が噴出孔24a内に浸入するのを完全に防止することができず、目詰まりが発生する。また、この目詰まりにより、冷却流体が研削部23に効率よく供給されず、十分な研削穿孔能力を得ることができなくなる。その結果、研削穿孔に長時間を費やし、研削穿孔の作業効率が低下する、また、研削部23の砥粒も脱落しやすくなり、研削穿孔工具21の寿命が短くなるという問題があった。また、回転軸22の2ヶ所(流路24、噴出孔24a)に穴を形成する必要があり、加工が煩雑で作業コストが高くなるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、研削穿孔工具の寿命を長くでき、また、研削穿孔の作業効率も低下しない研削穿孔工具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、中空にして流路を有する回転軸と、前記回転軸の先端面に取り付けられ、前記流路に連通する溝部を有する研削部とを備えた研削穿孔工具であって、前記溝部は、前記研削部の軸方向に直交する断面の円周方向の少なくとも一部が開放されるように、前記研削部の先端面から基端面まで形成され、前記溝部の基端面近傍には、前記溝部内に突出する突出部を有する研削穿孔工具として構成したものである。
【0011】
前記構成によれば、研削穿孔時に回転軸の回転と共に研削部が回転して被研削部材としての例えばコンクリートを研削すると、研削部の円周方向の少なくとも一部が開放されるように、研削部の先端面から基端面まで形成された溝部内に、その溝幅の径を有するコンクリートコアが徐々に形成されるように研削される。そして、被研削部材の穿孔が進行する共に(被研削部材への研削穿孔工具の押し付けにともなって)、溝部内のコンクリートコアは、研削部の回転によって、その円周方向に移動し、その移動の間に溝部の破砕作用面によって小さく破砕される。そして破砕されたコンクリートコアは、回転軸の流路から供給され溝部を介して供給される冷却流体と共に、研削部の円周方向に溝部を介して排出される。なお、コンクリートコアは、溝部内をその研削部の基端面に向かって移動したときに、突出部により、それ以上移動することができないようになっている。
【0012】
また、溝部の基端面近傍に溝部内に突出する突出部を有することにより、溝部内に形成されたコンクリ−トコアが、突出部にあたり、小さく破砕される。そして、破砕されたコンクリートコアが、冷却流体と共に、研削部の円周方向に溝部を介して排出される。さらに、回転軸内部の流路を通じて供給される冷却流体は、突出部にあたり、研削部の円周方向に流れ、研削抵抗の最も高い研削部の先端面の外周部に供給される。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記突出部の基端側には、前記流路に向かって傾斜する傾斜面が形成されている研削穿孔工具として構成されている。
【0014】
前記構成によれば、突出部の基端側には、流路に向かって傾斜する傾斜面が形成されていることにより、回転軸内部の流路を通じて供給される冷却流体は、突出部の傾斜面に沿って研削部の円周方向に流れ、研削抵抗の最も高い研削部の先端面の外周部に供給されやすくなる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記研削部の軸方向に直交する断面において、前記溝部の溝幅が、前記研削部の円周方向に向けて拡大するように形成されている研削穿孔工具として構成したものである。
【0016】
前記構成によれば、溝部の溝幅が拡大するように形成されていることにより、コンクリートコアの破砕に寄与する面積が大きくなって、破砕が促進され、破砕されたコンクリートコアの排出性もよくなる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記研削部の軸方向に平行する断面において、前記溝部の溝深さが、前記研削部の先端面から基端面に向かって縮小するように形成されている研削穿孔工具として構成したものである。
【0018】
前記構成によれば、溝部の溝深さが先端面から基端面に向かって縮小するように形成されていることにより、コンクリートコアの破砕に寄与する面積が大きくなって、破砕が促進され、破砕されたコンクリートコアの排出性もよくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は研削穿孔工具の構成を示す斜視図、図2(a)は研削穿孔工具の先端側面図、(b)は基端側面図、図3は図1のA−A線の断面図、図4(a)は研削部の作動状態を示す概略図、(b)〜(d)は研削部の他の実施形態を示す先端端面図である。
【0020】
図1に示すように、研削穿孔工具1は、中空にして流路4を有する回転軸2と、前記回転軸2の先端面に取り付けられ、前記流路4に連通する溝部5を有する研削部3とを備える。以下、各構成について説明する。
【0021】
(回転軸2)
回転軸2は、図5に示すように、その基端部が穿孔機41のモータ軸43の先端に止着部44を介してネジ嵌合により取り付けられている。また、モータ軸43への取り付け方法は、図5の構成に限定されず、モータ軸43の回転が研削穿孔工具1の回転軸2に効率よく伝達できる公知の方法が用いられる。したがって、図1においては、回転軸2は、外径3〜20mm程度の略円筒体で構成されているが、使用する穿孔機の構成によって、回転軸2の形状及び大きさは適宜選択され、角柱体であってもよいし、外周面にモータ軸と嵌合するための凹凸部が形成されていてもよい。なお、回転軸2はステンレス等の金属で構成されることが好ましい。
【0022】
また、図3に示すように、回転軸2の内部に形成される流路4は、回転軸2の中心位置に軸方向に沿って基端面2bから先端面2aまで貫通するように形成される。図3においては、ストレート状の流路4であって、流路4の外径は変化させていないが、基端面2bから先端面2aに向かって縮径または拡径したテーパ状の流路であってもよい(図示せず)。
【0023】
また、回転軸2の外径に対する流路4の外径の割合は、被研削部材(コンクリート等の硬質材)の種類、研削穿孔の際の回転軸2(研削穿孔工具1)の回転速度等によって適宜選択されるが、20〜50%が好ましい。20%未満であると研削部3の冷却不足が発生しやすく、50%を超えると回転軸2自体の強度が不足して、前記の回転速度(例えば、2000rpm程度の高速回転速度)に回転軸2が耐えられず破損等が発生する危惧がある。
【0024】
前記のように流路4を構成することにより、研削穿孔の際に、冷却流体Wは、流路4を通じて供給され、回転軸2の先端面2aの中心位置から後記する溝部5を介して(突出部6に沿って)研削部3の外周部に向けて噴出される。冷却流体Wとしては、水、油、圧搾空気等が好ましく、また、研削液を混合したものでもよい。
【0025】
(研削部3)
研削部は、砥粒をメタルボンドで結合、保持して所定形状にしたものである。砥粒としてはダイヤモンド砥粒、CBN砥粒等を用いることができ、砥粒の平均粒子径は350〜600μm程度のものが使用され、被研削部材によって適宜選択される。図1〜図3に示すように、研削部3の形状は略円筒形で、その外径は、被研削部材の穿孔径によって適宜選択され、例えば、5〜30mm程度である。また、研削部3は、その基端面3bが前記回転軸2の先端面2aに一体成形やろう付け等により接合されている。
【0026】
また、研削部3には、図1〜図3に示すように、その軸方向に直交する断面において円周方向の少なくとも一部が開放されるように溝部5が形成され、その溝部5が研削部3の先端面3aから基端面3bまで形成されている。
【0027】
これにより、図4(a)に示すように、研削穿孔時に発生するコンクリートコア7は、従来の研削穿孔工具31で発生するコンクリートコア37(図7(b)参照)に比べて、その径が小さくなる。そして、図3に示すように、コンクリートコアは、研削部3の回転によって、その円周方向に移動し、その移動する間に溝部5の破砕作用面5aにより小さく破砕され、溝部5を介して、回転軸2の流路4から供給される冷却流体Wと共に、研削部3の円周方向に排出される。その結果、従来のように、研削穿孔の際にコンクリートコアが残ることがなく、コンクリートコアの取り除き作業が必要なくなり、研削穿孔の作業効率が低下することがない。
【0028】
また、溝部5は、図2(a)に示すように、研削部3の円周の一方が開放するように先端面3aの中心部に直径方向に沿って角状溝が形成され、図2(b)、図3に示すように、研削部3の軸方向に沿って先端面3aから基端面3bまで直線状に形成されている。しかしながら、溝部5は、破砕作用面5aを有し、流路4と連通して流路4から供給される冷却流体Wで研削部3を冷却できる構成であれば、特に限定されない。
【0029】
例えば、図1〜図3に示すように、溝部5は、研削部3の基端面3bにおいて流路4の全てが溝部5に開口するように、溝幅dは流路4の外径より大きい幅に、溝深さは所定の深さに設定されているが、溝幅d、溝深さhを、流路4の一部が開口される寸法に設定してもよい、また、図4(b)に示すように、溝部5を、研削部3の先端面3aの中心部(直径方向)からずれた位置に形成してもよい。さらに、図4(c)に示すように、溝部5を、研削部3の円周の2ケ所が開放された、研削部3を軸方向に二分するように形成してもよい。
【0030】
また、溝部5の形状は、角状溝に限定されず、V字溝またはU字溝等(図示せず)でもよいが、図2(a)、(b)に示すように、溝幅dが研削部3の円周方向に向けて拡大するようにテーパ面が形成されている形状が好ましく、これにより、コンクリートコアの破砕に寄与する面積が大きくなって、破砕が促進され、コンクリートコア屑の排出性もよくなる。また、図4(d)に示すように、テーパ面(傾斜角は、例えば、約10度)は片側だけでもよく、これにより、成形型のコストダウンが可能となる。
【0031】
また、溝部5の形態は直線状の溝部5に限定されず、研削部3の先端面3aから基端面3bに向かって溝深さhが縮小するように形成されている形態が好ましく(図3の5a点線部参照)、これによりコンクリートコアの破砕に寄与する面積が大きくなって、破砕が促進され、コンクリートコア屑の排出性もよくなる。さらに、クランク状の溝、波状の溝、らせん状の溝等でもよい。
【0032】
また、溝部5は、図3に示すように、その基端面近傍には溝部5内に突出する突出部6を有する。これにより、溝部5内に形成されたコンクリ−トコアが、この突出部6にあたり、小さく破砕される。また、回転軸2内部の流路4を通じて供給される冷却流体Wがこの突出部6にあたり、冷却流体Wの流出方向が、研削部3の円周方向になる。そして、破砕されたコンクリートコア屑が、前記冷却流体Wの流れに沿って、溝部5を介して、研削部3の円周方向に排出され、流路4内に侵入しない。その結果、従来のように、研削穿孔の際にコンクリートコアが流路4内に残ることがなく、コンクリートコアの取り除き作業が必要なくなり、研削穿孔の作業効率が低下することがない。
【0033】
また、研削部3の円周方向に流出した冷却流体Wが、研削部3の研削抵抗の高い部分(研削部3の先端面3aの外周部)に効率よく供給されるため、研削部3の冷却効率が向上する。その結果、研削部3の研削穿孔能力が低下することがなく、研削穿孔の作業効率が低下せず、また、研削穿孔工具の寿命が長くなる。
【0034】
また、突出部6の形成位置は、研削部3の基端面3bに接するように形成されているが、前記溝部5内を移動してきたコンクリ−トコアを小さく破砕する破砕作用と、破砕されたコンクリートコア屑を排出する排出作用と、冷却流体Wの流出方向を研削部3の円周方向に規制する規制作用とを有していれば、研削部3の基端面3bから所定間隔を有する位置(溝部5の基端面近傍)に形成することができる。
【0035】
また、突出部6の断面形状は、研削部3の軸方向に平行な断面において、前記破砕作用、排出作用を有する面(破砕・排出面6a)を研削部3の先端面3a側に形成し、前記規制作用、排出作用を有する面(傾斜面6b)を研削部3の基端面3b側に形成した、略三角形状をなしている。しかしながら、前記のコンクリートコアの破砕作用と、コンクリートコア屑の排出作用と、冷却流体Wの流出方向の規制作用とを有していれば、略三角形状に限定されず、例えば、台形形状を有してもよい。
【0036】
また、突出部6の基端側に形成される前記規制作用、排出作用を有する面が、流路4に向かって傾斜する傾斜面6bとして形成されていることにより、冷却流体Wが、研削部3の円周方向に流れ、先端面3aの外周部に供給されやすくなる。その結果、研削部3の冷却効率、研削穿孔能力がより向上し、研削穿孔の作業効率が低下しない。また、研削穿孔工具1の寿命が長くなる。さらに、コンクリ−トコア屑が流路4内に流入するのをより防止できる。
【0037】
また、突出部6の傾斜面6bの傾斜角θは、流路4からの冷却流体Wの供給量と、研削部3の外周部での冷却効率および溝部5内のコンクリートコア屑の排出効率から決定され、例えば、約45度に設定するのが好ましい。さらに、突出部6の破砕・排出面6aにおいても、図3においては、溝部5の軸方向に垂直に形成されているが、コンクリートコア屑の排出性を考慮して、流路4側に傾斜していてもよい。破砕・排出面6aが流路4側に傾斜しても、前記研削部3の円周方向への冷却流体Wの流れによって、流路4内にコンクリートコア屑が流入することはない。
【0038】
つぎに、本発明の研削穿孔工具1の使用方法について説明する。図5に示すように、本発明の研削穿孔工具1は、穿孔機41のケーシング42内部に設けられたモータ軸43に止着部44を介して研削穿孔工具1を取り付ける。次に、ケーシング42の先端部に設けられた回収室45をコンクリート壁面Kに当接し、研削穿孔工具1の先端を穿孔位置に合わせる。
【0039】
次に、図3に示すように、研削穿孔工具1の回転軸2の基端面2bから流路4内部に空気や水等の冷却流体Wを供給し、回転軸2の先端面2aで流路4に連通する溝部5を介して冷却流体Wを研削部3内に供給する。そして、溝部5の基端面近傍に形成された突出部6に沿って、研削部3の円周方向に冷却流体Wを噴出させながら、研削穿孔工具1を、例えば2000rpm程度で高速回転させる。すると、研削部3の先端面3aによって、コンクリ−トが溝部5内にコンクリートコア7を形成するように研削される(図4(a)参照)。
【0040】
次に、コンクリート壁面Kに研削穿孔工具1を、例えば、7mm/分程度の送り速度で押し付けると、溝部5内のコンクリートコアが研削部3の回転によって研削部3の円周方向に移動し、その移動の間に破砕作用面5a(図4(a)参照)で小さく破砕されてコンクリートコア屑となり、コンクリートコア屑は前記溝部5に沿って流れてくる冷却流体Wと共に、研削部3の回転によって研削部3の円周方向に排出される。なお、コンクリートコア7は、その先端部分が溝部5内の突出部6に接触することで、それ以上移動せず、また突出部6(破砕・排出面6a)により破砕されることとなり、流路4を塞ぐことはない。また、研削部3の円周方向に流出した冷却流体Wは研削部3の外周に沿って流れ、研削抵抗の最も高い先端面3aの外周部に供給され、研削部3を冷却すると共に研削穿孔能力を高める。
【0041】
そして、図5に示すように、回収室内45に流入してくるコンクリートコア屑は冷却流体と共に吸引管46で吸引しながら排出し、コンクリート壁面Kに小孔Hを穿設する。
【0042】
なお、本発明は、前記の記載及び図面に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得る。
【0043】
【発明の効果】
以上の通り、本発明においては、前記溝部は、前記研削部の軸方向に直交する断面の円周方向の少なくとも一部が開放されるように、前記研削部の先端面から基端面まで形成され、前記溝部の基端面近傍には、前記溝部内に突出する突出部を有することにより、研削穿孔工具の寿命を長くでき、また、研削穿孔の作業効率も低下しない研削穿孔工具を提供することができた。
【0044】
また、本発明においては、前記突出部の基端側には、前記流路に向かって傾斜する傾斜面が形成されていることにより、研削穿孔工具の寿命をより長くでき、また、研削穿孔の作業効率もより向上した研削穿孔工具を提供することができた。
【0045】
また、本発明においては、前記溝部の溝幅が、前記研削部の円周方向に向けて拡大するように形成されていることにより、研削穿孔の作業効率がより向上した研削穿孔工具を提供することができた。
【0046】
また、本発明においては、前記溝部の溝深さが、前記研削部の先端面から基端面に向かって縮小するように形成されていることにより、研削穿孔の作業効率がより向上した研削穿孔工具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削穿孔工具の構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は本発明の研削穿孔工具の先端側面図、(b)は基端側面図である。
【図3】図1のA−A線の断面図である。
【図4】(a)は本発明の研削部の作動状態を示す概略図、(b)〜(d)は研削部の他の実施形態を示す先端端面図である。
【図5】穿孔機の先端部の部分断面図である。
【図6】(a)は従来の研削穿孔工具の構成を示す先端側面図、(b)は(a)のB−B線の断面図である。
【図7】(a)は従来の研削穿孔工具の斜視図、(b)は研削部の作動状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 研削穿孔工具
2 回転軸
2a、3a 先端面
2b、3b 基端面
3 研削部
4 流路
5 溝部
5a 破砕作用面
6 突出部
6a 破砕・排出面
6b 傾斜面
7 コンクリートコア
d 溝幅
h 溝深さ
θ 傾斜角
W 冷却流体
Claims (4)
- 中空にして流路を有する回転軸と、
前記回転軸の先端面に取り付けられ、前記流路に連通する溝部を有する研削部とを備えた研削穿孔工具であって、
前記溝部は、前記研削部の軸方向に直交する断面の円周方向の少なくとも一部が開放されるように、前記研削部の先端面から基端面まで形成され、
前記溝部の基端面近傍には、前記溝部内に突出する突出部を有することを特徴とする研削穿孔工具。 - 前記突出部の基端側には、前記流路に向かって傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の研削穿孔工具。
- 前記研削部の軸方向に直交する断面において、前記溝部の溝幅が、前記研削部の円周方向に向けて拡大するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研削穿孔工具。
- 前記研削部の軸方向に平行する断面において、前記溝部の溝深さが、前記研削部の先端面から基端面に向かって縮小するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の研削穿孔工具。
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- 2003-05-06 JP JP2003128040A patent/JP3854587B2/ja not_active Expired - Lifetime
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