JP2004330345A - 薄片ワークの研削加工法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラッピング・ポリシング法およびウエハ自転総形砥石加工法の問題点を解消し、薄片化、表面平滑化、高平坦化を実現することができる薄片ワークの研削加工法を提供する。
【解決手段】回転する円板状のワークw の加工面中心部に、ワークの回転とは逆方向に回転する砥石2 をその外端が接するように降下させる。ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離す。砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にする。
【選択図】 図1
【解決手段】回転する円板状のワークw の加工面中心部に、ワークの回転とは逆方向に回転する砥石2 をその外端が接するように降下させる。ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離す。砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子、半導体、通信部品等に用いられるシリコンウエハやガラス基板、水晶発振器に用いる水晶ウエハのような円板状の薄片ワークの裏面を研削加工する方法、およびこの方法に実施に用いる研削加工装置に関するものである。
【従来の技術】
シリコンウエハの薄片化、表面平滑化、高平坦化に対する要求は、集積回路の高集積化に伴い益々厳しさを増して来ている。
【0002】
従来、上記ような薄片ウエハを製作するには、遊離砥粒を分散させた研磨材を介してウエハをラップ定盤と擦り合わせて加工するラッピング加工と、これより微細な研磨材を用いるポリシング加工とを組み合わせる方法や、ウエハを回転させると共に、カップ状砥石をウエハに沿わせて回転させるウエハ自転総形砥石加工法(非特許文献1参照)が行われていた。
【0003】
【非特許文献1】
精密工学会誌53/3/1987、第438〜443頁。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラッピング・ポリシング法では、ウエハ面を一定量除去する精度管理や自動化が難しい上に、ポリシング加工では高価なスラリーを大量に垂れ流すためにその廃液処理に多大なコストが掛かった。また、産業廃棄物処理場周囲の環境問題も大きな課題になっていた。ウエハ自転総形砥石加工法はスラリーレスの方法であり上記のような環境問題はないが、回転する砥石によるウエハの研削抵抗は研削幅の変化に連れて変化するため、ウエハの中心部ではミクロンオーダの凸状になり、平坦性に欠けるものとなる。
【0005】
この発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラッピング・ポリシング法およびウエハ自転総形砥石加工法の上述した問題点を解消し、薄片化、表面平滑化、高平坦化を実現することができる薄片ワークの研削加工法およびその装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転する円板状のワークの加工面中心部に、ワークの回転とは逆方向に回転する砥石をその外端が接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離し、
砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にする、薄片ワークの研削加工方法である。
【0007】
請求項2の発明は、円板状のワークを載せるロータリーテーブルと、同テーブル上のワークを研削する回転砥石を備え、かつ砥石を昇降および横行させる砥石移動機構とからなり、
砥石移動機構は、ワークに対して昇降するリフトと、リフトに設けられ、かつリフトに対して横行するトラバーサと、トラバーサのアームに設けられ、かつ砥石駆動モータを保持したモータ保持部材と、ワーク上における砥石の位置を検知する砥石位置センサと、砥石の回転数を制御する砥石回転制御システムと、リフトおよびトラバーサを制御する移動制御システムとからなり、
移動制御システムは、回転するワークの加工面中心部に、砥石をその外端で接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離すように、リフトおよびトラバーサを制御し、
砥石位置センサは、砥石のワーク上における半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、
同回転制御システムは、砥石位置センサからの位置信号に従い、砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にするように、モータへこれを制御する信号を送る、薄片ワークの研削加工装置である。
【0008】
請求項3の発明は、モータ保持部材は、トラバーサのアームにピンで回動自在に枢着されるも同保持部材の先端部が所定位置より下降しないように回動が阻止され、かつ、砥石外端がワークの中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端がワークに一定圧を与えるようにモータ保持部材を下方に付勢する圧縮ばねを備えている、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置である。
【0009】
請求項4の発明は、砥石が、発泡ウレタン樹脂でダイヤモンド砥粒をボンドしてなる砥石であって、砥石の圧縮弾性率が200〜400MPa、引張破壊伸びが1〜10%、砥粒ボンドばね定数が0.2〜2.0N/50μmである、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置である。
【0010】
円板状のワークを載せるロータリーテーブル1基に対し、ワークを研削する回転砥石を備えかつ砥石を昇降および横行させる砥石移動機構を複数基、例えば2または3基設けることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0012】
図1において、この発明による薄片ワークの研削加工装置は、円板状のワーク(w) を載せ、かつ垂直の回転軸(9) を有するロータリーテーブル(1) と、同テーブル(1) 上のワーク(w) を研削する回転砥石(2) を備え、かつ砥石(2) を昇降および横行させる砥石移動機構(3) とからなる。
【0013】
砥石移動機構(3) は、ワーク(w) に対して昇降するリフト(4) と、リフト(4) に設けられ、かつリフト(4) に対して横行するトラバーサ(5) と、トラバーサ(5) のアーム(5a)に設けられ、かつ先端にモータ保持部(12)で砥石駆動モータ(6) を保持したモータ保持部材(7) と、ワーク(w) 上における砥石(2) の位置を検知する砥石位置センサと、砥石(2) の回転数を制御する砥石回転制御システムと、リフト(4) およびトラバーサ(5) を制御する移動制御システムとからなる。
【0014】
砥石(2) は、モータ(6) の水平の駆動軸(8) に固定され、かつロータリーテーブル(1) の回転とは逆方向(ワーク(w) は上から見て時計方向に、砥石(2) はモータ(6) 側から見て時計方向)に回転する。
【0015】
移動制御システム(図示省略)は、回転する円板状ワーク(w) の加工面中心部に向かって、砥石(2) を斜め下向きに降下させ、砥石外端で接触させ(着陸させ)、ここからワーク(w) 外周部へ半径方法に加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にて砥石(2) を斜め上向きにワーク(w) から上昇して離す(離陸する)ように、リフト(4) およびトラバーサ(5) を制御する。砥石着陸時のワーク加工面に対する砥石着陸角度と、離陸時のワーク加工面に対する砥石離陸角度とは実質上等しい。
【0016】
砥石位置センサ(図示省略)は、砥石(2) のワーク(w) 半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、同回転制御システム(図示省略)は、該位置信号に従って、砥石外端がワーク(w) の中心部から外周部へ移動するに連れて砥石(2) の回転速度を減速させ、ワーク(w) の中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度に対する砥石外端の周速度の相対速度を常に一定にするように、モータ(6) へこれを制御する信号を送る。
【0017】
モータ保持部材(7) は、トラバーサ(5) のアーム(5a)の下方突部(5b)にピン(10)で回動自在に枢着されているが、後端の上方屈折端(7a)がトラバーサ(5) のアーム(5a)の下面に当たっているため、同保持部材(7) の先端部は水平位置より下へ下降することはない。トラバーサ(5) のアーム(5a)の先端寄りとモータ保持部材(7) の先端寄りとの間に圧縮ばね(11)が介在されており、砥石外端がワーク(w) の中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端がワーク(w)に一定圧を与えるように、圧縮ばね(11)がモータ保持部材(7) を下方に付勢している。
【0018】
砥石(2) は、発泡ウレタン樹脂でダイヤモンド砥粒をボンドしてなる砥石であって、砥粒率15体積%(ダイヤモンドの比重3.5として計算)、ボンド剤率25体積%(ボンド剤の比重を1.3として計算)、したがって気孔率60体積%のものであり、圧縮弾性率は360MPa、砥粒ボンドばね定数は1.0N/50μm、引張破壊伸びは2.2%のものである。
【0019】
つぎに、上記構成の装置を用いて薄片ワークの研削加工を行う方法について説明をする。
【0020】
まず、ロータリーテーブル(1) を回転させることにより、その上にセットされた円板状ワーク(w) 、例えばウエハを上から見て時計方向に一定の回転数で回転させる。円板状ワーク(w) は予めラッピング加工またはウエハ自転総形砥石加工法等で平坦化加工を施された、厚さ0.5mmのものである。砥石(2) をモータ(6) によってモータ(6) 側から見て時計方向に所定の初期回転数で回転させる。移動制御システムによってリフト(4) およびトラバーサ(5) を制御することにより、ワーク(w) の加工面、例えばウエハの裏面、の中心部に、砥石(2) をその外端で接するように降下させ、ここからワーク(w) 外周部へ半径方法に加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワーク(w) から離す。
【0021】
砥石位置センサにより、砥石(2) のワーク(w) 半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、同回転制御システムによって、砥石外端がワーク(w) の中心部から外周部へ移動するに連れて砥石(2) の回転速度を減速させ、ワーク(w) の中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にするように、モータ(6) の回転出力を制御する。
【0022】
砥石外端をワーク(w) の中心部に降下させここから外周部へ移動する間、圧縮ばね(11)により砥石外端をワーク(w) に一定圧を与える。
【0023】
直径80mm、厚さ15mmの砥石を用いて、円板状ワークとして直径200mm、厚さ0.5mmの円板状シリコンウエハを加工する例では、ウエハの回転数500rpm(ウエハ外端の周速度は314m/min)とし、ウエハの中心部から外周部へ半径方向に移動する砥石の移動速度を0.1mm/回転数とし、砥石の初期回転数を2000rpm(砥石外端の初期周速度は502.4m/min)とし、砥石外端がウエハの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、砥石の最終回転数を750rpm(砥石外端の最終周速度は188.4m/min)とする。これにより、ウエハの加工位置における周速度と砥石外端の周速度の和は、ワークの半径方向の任意の加工位置において常に一定の相対速度(502.4m/min)になる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1および2の発明によれば、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和が常に一定であるので、ワーク加工面全域に亘って除去量を一定にすることができる。また、使用済みまたは未使用の薄膜付きウエハを再生させる場合、ウエハ上の薄膜だけを剥離することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、砥石外端がワークの中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端はワークに一定圧を与えるので、ワークの加工面全域に亘って除去量をさらに高い精度で一定にすることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、発泡ウレタン樹脂ボンドダイヤモンド砥石の使用により、ワーク加工面のダメージやスクラッチを浅くすることができ、薄板加工が可能である。
【0027】
こうして、この発明によれば、ワークの薄片化、表面平滑化、高平坦化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面図である。
【図2】断面図である。
【符号の説明】
(1) :ロータリーテーブル
(2) :回転砥石
(3) :砥石移動機構
(4) :リフト
(5) :トラバーサ
(5a):アーム
(6) :砥石駆動モータ
(7) :モータ保持部材
(7a):上方屈折端
(8) :駆動軸
(9) :回転軸
(10):ピン
(11):圧縮ばね
(12):モータ保持部
(w) :ワーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子、半導体、通信部品等に用いられるシリコンウエハやガラス基板、水晶発振器に用いる水晶ウエハのような円板状の薄片ワークの裏面を研削加工する方法、およびこの方法に実施に用いる研削加工装置に関するものである。
【従来の技術】
シリコンウエハの薄片化、表面平滑化、高平坦化に対する要求は、集積回路の高集積化に伴い益々厳しさを増して来ている。
【0002】
従来、上記ような薄片ウエハを製作するには、遊離砥粒を分散させた研磨材を介してウエハをラップ定盤と擦り合わせて加工するラッピング加工と、これより微細な研磨材を用いるポリシング加工とを組み合わせる方法や、ウエハを回転させると共に、カップ状砥石をウエハに沿わせて回転させるウエハ自転総形砥石加工法(非特許文献1参照)が行われていた。
【0003】
【非特許文献1】
精密工学会誌53/3/1987、第438〜443頁。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラッピング・ポリシング法では、ウエハ面を一定量除去する精度管理や自動化が難しい上に、ポリシング加工では高価なスラリーを大量に垂れ流すためにその廃液処理に多大なコストが掛かった。また、産業廃棄物処理場周囲の環境問題も大きな課題になっていた。ウエハ自転総形砥石加工法はスラリーレスの方法であり上記のような環境問題はないが、回転する砥石によるウエハの研削抵抗は研削幅の変化に連れて変化するため、ウエハの中心部ではミクロンオーダの凸状になり、平坦性に欠けるものとなる。
【0005】
この発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラッピング・ポリシング法およびウエハ自転総形砥石加工法の上述した問題点を解消し、薄片化、表面平滑化、高平坦化を実現することができる薄片ワークの研削加工法およびその装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転する円板状のワークの加工面中心部に、ワークの回転とは逆方向に回転する砥石をその外端が接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離し、
砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にする、薄片ワークの研削加工方法である。
【0007】
請求項2の発明は、円板状のワークを載せるロータリーテーブルと、同テーブル上のワークを研削する回転砥石を備え、かつ砥石を昇降および横行させる砥石移動機構とからなり、
砥石移動機構は、ワークに対して昇降するリフトと、リフトに設けられ、かつリフトに対して横行するトラバーサと、トラバーサのアームに設けられ、かつ砥石駆動モータを保持したモータ保持部材と、ワーク上における砥石の位置を検知する砥石位置センサと、砥石の回転数を制御する砥石回転制御システムと、リフトおよびトラバーサを制御する移動制御システムとからなり、
移動制御システムは、回転するワークの加工面中心部に、砥石をその外端で接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離すように、リフトおよびトラバーサを制御し、
砥石位置センサは、砥石のワーク上における半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、
同回転制御システムは、砥石位置センサからの位置信号に従い、砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にするように、モータへこれを制御する信号を送る、薄片ワークの研削加工装置である。
【0008】
請求項3の発明は、モータ保持部材は、トラバーサのアームにピンで回動自在に枢着されるも同保持部材の先端部が所定位置より下降しないように回動が阻止され、かつ、砥石外端がワークの中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端がワークに一定圧を与えるようにモータ保持部材を下方に付勢する圧縮ばねを備えている、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置である。
【0009】
請求項4の発明は、砥石が、発泡ウレタン樹脂でダイヤモンド砥粒をボンドしてなる砥石であって、砥石の圧縮弾性率が200〜400MPa、引張破壊伸びが1〜10%、砥粒ボンドばね定数が0.2〜2.0N/50μmである、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置である。
【0010】
円板状のワークを載せるロータリーテーブル1基に対し、ワークを研削する回転砥石を備えかつ砥石を昇降および横行させる砥石移動機構を複数基、例えば2または3基設けることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0012】
図1において、この発明による薄片ワークの研削加工装置は、円板状のワーク(w) を載せ、かつ垂直の回転軸(9) を有するロータリーテーブル(1) と、同テーブル(1) 上のワーク(w) を研削する回転砥石(2) を備え、かつ砥石(2) を昇降および横行させる砥石移動機構(3) とからなる。
【0013】
砥石移動機構(3) は、ワーク(w) に対して昇降するリフト(4) と、リフト(4) に設けられ、かつリフト(4) に対して横行するトラバーサ(5) と、トラバーサ(5) のアーム(5a)に設けられ、かつ先端にモータ保持部(12)で砥石駆動モータ(6) を保持したモータ保持部材(7) と、ワーク(w) 上における砥石(2) の位置を検知する砥石位置センサと、砥石(2) の回転数を制御する砥石回転制御システムと、リフト(4) およびトラバーサ(5) を制御する移動制御システムとからなる。
【0014】
砥石(2) は、モータ(6) の水平の駆動軸(8) に固定され、かつロータリーテーブル(1) の回転とは逆方向(ワーク(w) は上から見て時計方向に、砥石(2) はモータ(6) 側から見て時計方向)に回転する。
【0015】
移動制御システム(図示省略)は、回転する円板状ワーク(w) の加工面中心部に向かって、砥石(2) を斜め下向きに降下させ、砥石外端で接触させ(着陸させ)、ここからワーク(w) 外周部へ半径方法に加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にて砥石(2) を斜め上向きにワーク(w) から上昇して離す(離陸する)ように、リフト(4) およびトラバーサ(5) を制御する。砥石着陸時のワーク加工面に対する砥石着陸角度と、離陸時のワーク加工面に対する砥石離陸角度とは実質上等しい。
【0016】
砥石位置センサ(図示省略)は、砥石(2) のワーク(w) 半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、同回転制御システム(図示省略)は、該位置信号に従って、砥石外端がワーク(w) の中心部から外周部へ移動するに連れて砥石(2) の回転速度を減速させ、ワーク(w) の中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度に対する砥石外端の周速度の相対速度を常に一定にするように、モータ(6) へこれを制御する信号を送る。
【0017】
モータ保持部材(7) は、トラバーサ(5) のアーム(5a)の下方突部(5b)にピン(10)で回動自在に枢着されているが、後端の上方屈折端(7a)がトラバーサ(5) のアーム(5a)の下面に当たっているため、同保持部材(7) の先端部は水平位置より下へ下降することはない。トラバーサ(5) のアーム(5a)の先端寄りとモータ保持部材(7) の先端寄りとの間に圧縮ばね(11)が介在されており、砥石外端がワーク(w) の中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端がワーク(w)に一定圧を与えるように、圧縮ばね(11)がモータ保持部材(7) を下方に付勢している。
【0018】
砥石(2) は、発泡ウレタン樹脂でダイヤモンド砥粒をボンドしてなる砥石であって、砥粒率15体積%(ダイヤモンドの比重3.5として計算)、ボンド剤率25体積%(ボンド剤の比重を1.3として計算)、したがって気孔率60体積%のものであり、圧縮弾性率は360MPa、砥粒ボンドばね定数は1.0N/50μm、引張破壊伸びは2.2%のものである。
【0019】
つぎに、上記構成の装置を用いて薄片ワークの研削加工を行う方法について説明をする。
【0020】
まず、ロータリーテーブル(1) を回転させることにより、その上にセットされた円板状ワーク(w) 、例えばウエハを上から見て時計方向に一定の回転数で回転させる。円板状ワーク(w) は予めラッピング加工またはウエハ自転総形砥石加工法等で平坦化加工を施された、厚さ0.5mmのものである。砥石(2) をモータ(6) によってモータ(6) 側から見て時計方向に所定の初期回転数で回転させる。移動制御システムによってリフト(4) およびトラバーサ(5) を制御することにより、ワーク(w) の加工面、例えばウエハの裏面、の中心部に、砥石(2) をその外端で接するように降下させ、ここからワーク(w) 外周部へ半径方法に加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワーク(w) から離す。
【0021】
砥石位置センサにより、砥石(2) のワーク(w) 半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、同回転制御システムによって、砥石外端がワーク(w) の中心部から外周部へ移動するに連れて砥石(2) の回転速度を減速させ、ワーク(w) の中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にするように、モータ(6) の回転出力を制御する。
【0022】
砥石外端をワーク(w) の中心部に降下させここから外周部へ移動する間、圧縮ばね(11)により砥石外端をワーク(w) に一定圧を与える。
【0023】
直径80mm、厚さ15mmの砥石を用いて、円板状ワークとして直径200mm、厚さ0.5mmの円板状シリコンウエハを加工する例では、ウエハの回転数500rpm(ウエハ外端の周速度は314m/min)とし、ウエハの中心部から外周部へ半径方向に移動する砥石の移動速度を0.1mm/回転数とし、砥石の初期回転数を2000rpm(砥石外端の初期周速度は502.4m/min)とし、砥石外端がウエハの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、砥石の最終回転数を750rpm(砥石外端の最終周速度は188.4m/min)とする。これにより、ウエハの加工位置における周速度と砥石外端の周速度の和は、ワークの半径方向の任意の加工位置において常に一定の相対速度(502.4m/min)になる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1および2の発明によれば、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和が常に一定であるので、ワーク加工面全域に亘って除去量を一定にすることができる。また、使用済みまたは未使用の薄膜付きウエハを再生させる場合、ウエハ上の薄膜だけを剥離することができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、砥石外端がワークの中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端はワークに一定圧を与えるので、ワークの加工面全域に亘って除去量をさらに高い精度で一定にすることができる。
【0026】
請求項4の発明によれば、発泡ウレタン樹脂ボンドダイヤモンド砥石の使用により、ワーク加工面のダメージやスクラッチを浅くすることができ、薄板加工が可能である。
【0027】
こうして、この発明によれば、ワークの薄片化、表面平滑化、高平坦化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面図である。
【図2】断面図である。
【符号の説明】
(1) :ロータリーテーブル
(2) :回転砥石
(3) :砥石移動機構
(4) :リフト
(5) :トラバーサ
(5a):アーム
(6) :砥石駆動モータ
(7) :モータ保持部材
(7a):上方屈折端
(8) :駆動軸
(9) :回転軸
(10):ピン
(11):圧縮ばね
(12):モータ保持部
(w) :ワーク
Claims (4)
- 回転する円板状のワークの加工面中心部に、ワークの回転とは逆方向に回転する砥石をその外端が接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離し、
砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にする、薄片ワークの研削加工方法。 - 円板状のワークを載せるロータリーテーブルと、同テーブル上のワークを研削する回転砥石を備え、かつ砥石を昇降および横行させる砥石移動機構とからなり、
砥石移動機構は、ワークに対して昇降するリフトと、リフトに設けられ、かつリフトに対して横行するトラバーサと、トラバーサのアームに設けられ、かつ砥石駆動モータを保持したモータ保持部材と、ワーク上における砥石の位置を検知する砥石位置センサと、砥石の回転数を制御する砥石回転制御システムと、リフトおよびトラバーサを制御する移動制御システムとからなり、
移動制御システムは、回転するワークの加工面中心部に、砥石をその外端で接するように降下させ、ここからワーク外周部へ加工面をなぞって砥石外端を移動させ、外周部にてワークから離すように、リフトおよびトラバーサを制御し、
砥石位置センサは、砥石のワーク上における半径方向の位置を検知し、その位置信号を砥石回転制御システムに送り、
同回転制御システムは、砥石位置センサからの位置信号に従い、砥石外端がワークの中心部から外周部へ移動するに連れて砥石の回転速度を減速させ、ワークの中心部から外周部までの任意の加工位置におけるワーク周速度と砥石外端の周速度の和を一定にするように、モータへこれを制御する信号を送る、薄片ワークの研削加工装置。 - モータ保持部材は、トラバーサのアームにピンで回動自在に枢着されるも同保持部材の先端部が所定位置より下降しないように回動が阻止され、かつ、砥石外端がワークの中心部に降下しここから外周部へ移動する間、砥石外端がワークに一定圧を与えるようにモータ保持部材を下方に付勢する圧縮ばねを備えている、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置。
- 砥石が、発泡ウレタン樹脂でダイヤモンド砥粒をボンドしてなる砥石であって、砥石の圧縮弾性率が200〜400MPa、引張破壊伸びが1〜10%、砥粒ボンドばね定数が0.2〜2.0N/50μmである、請求項2記載の薄片ワークの研削加工装置。
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2003
- 2003-05-07 JP JP2003128784A patent/JP2004330345A/ja active Pending
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