JP2004329980A - 膜破断検出装置及び膜破断検出方法 - Google Patents

膜破断検出装置及び膜破断検出方法 Download PDF

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Seiichi Murayama
清一 村山
Kyotaro Iyasu
巨太郎 居安
Akihiko Shirota
昭彦 城田
Masanaga Niiyama
雅永 新山
Ikuo Takahashi
郁雄 高橋
Takenori Ito
武則 伊藤
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Abstract

【課題】複数の膜モジュールを有する膜ろ過装置に対し、加圧気体を用いて、効率的な運用により、膜破断を確実に検出する膜破断検出装置及び膜破断検出方法を提供すること。
【解決手段】それぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管22の集合管23を経てろ過水を送出する複数の膜モジュール2を有する膜ろ過装置1に対し、膜モジュール2に気体を供給し、気体の変化により膜の破断を検出する膜破断検出器12を用い、この膜破断検出器12の気体供給管16を、膜ろ過装置1の各膜モジュール2のろ過水配管22と一括して連通可能に構成して、膜ろ過装置1における膜破断有無を一括検出するので、少ない台数の膜破断検出器12を用いて効率的かつ確実に膜破断を検出することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上水処理、下水処理、産業排水処理、食品排水処理、原子力発電所等における水処理で利用され、水中の濁質分を分離除去する膜ろ過装置の膜破断検出装置及び膜破断検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、浄水場では、地下水や表流水を原水として着水井に導入し、凝集剤を添加してフロックを形成し、沈殿処理を実施している。その後、上澄液を砂ろ過に通して懸濁物を除去し、最後に消毒用の塩素処理を施し需要家に供給している。この場合、凝集沈殿及び砂ろ過の工程で濁質物は除去されるが、運転管理が難しく、処理水質を一定に保つために大きな労力を要している。
【0003】
近年、膜ろ過処理技術に関する研究開発が進み、凝集沈殿及び砂ろ過処理の代りに膜ろ過処理を導入する事業体も増えてきた。膜ろ過処理では、確実に濁質物を除去できるため、良質な処理水質を確実に得られると共に、維持管理が容易といった利点がある。このように、膜ろ過処理は数々の優れた特徴を持つ技術であり、適用数も年々増加している。
【0004】
しかし、膜ろ過装置は原水に含まれている異物の影響や、定期的に実施される薬品洗浄により、膜が劣化し、損傷、破断することがある。このうち、薬品洗浄は1年に1〜2回の頻度で実施されるケースが一般的であり、洗浄には酸やアルカリが使用されるため、膜は劣化が早まることが懸念されている。
【0005】
このように膜が破断してしまうと、破断個所から原水中の濁質成分が処理水側へ漏れ出てしまう。万が一、原水中に大腸菌O−157や耐塩素性微生物であるクリプトスポリジウムなどの病原性微生物が存在していた場合は、飲み水側へ混入してしまう危険性がある。
【0006】
そこで、これまでは膜ろ過水の濁度を連続測定し、その指示値の上昇を以って膜の破断を検出していた。しかし、この方法は、僅かな破断を検出する感度を持ち合わせておらず、原水濁度が小さい時は、膜ろ過水濁度へ現れてこないという欠点があった。
【0007】
この点を解決すべく、膜へ加圧空気を供給し漏れ出す空気流量から膜の破断を高感度に検出する方法が開発された(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−93765号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この加圧空気を用いた膜破断検出方法は、これまでの膜ろ過水の濁度を検出して膜の破断を検出する方法と比べ非常に高感度である。しかし、実際の膜ろ過設備に対する適用方法が確立されておらず、効率的な運用がなされていなかった。即ち、実際の膜ろ過設備には、複数の膜モジュールで構成された膜ろ過装置があり、その膜ろ過装置が複数集まって膜ろ過設備が構成されている。このような膜ろ過設備に対して、膜破断検出を行なう場合、膜モジュールをグループ単位にまとめグループ毎に膜破断検出を行なっていたため、多くの検出時間を要し、効率的な膜破断検出装置の運用方法の確立が課題となっている。
【0010】
本発明の目的は、複数の膜モジュールを有する膜ろ過装置に対し、加圧気体を用いて、効率的な運用により、膜破断を確実に検出する膜破断検出装置及び膜破断検出方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による膜破断検出装置は、それぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管の集合管を経てろ過水を送出する複数の膜モジュールを有する膜ろ過装置の膜破断検出装置であって、前記膜モジュールに気体を供給し、気体の変化により膜の破断を検出する膜破断検出器を有し、この膜破断検出器の気体供給管を、膜ろ過装置の各膜モジュールのろ過水配管と一括して連通可能に構成し、膜ろ過装置における膜破断有無を、前記膜破断検出器により一括検出することを特徴とする。
【0012】
本発明では、膜ろ過装置のまとまりが複数集まって構成された膜ろ過設備に対して、この膜ろ過設備を構成する膜ろ過装置のまとまりの構成数より少ない台数の膜破断検出器を設け、この膜破断検出器により膜ろ過設備全体に対する膜破断の有無を検出するように構成してもよい。
【0013】
また、本発明では、膜破断検出器の気体供給管が、各膜モジュールのろ過水配管にそれぞれ連結している。
【0014】
また、本発明では、膜破断検出器の気体供給管が、各膜モジュールのろ過水配管の集合管に連結してもよい。
【0015】
また、本発明では、各膜モジュールは縦置きに設置されており、各ろ過水配管は、対応する膜モジュールの上部に立設され、かつ、このろ過水配管の上端より低く位置する集合管に連結し、膜破断検出器の気体供給管は、各ろ過水配管の上端にそれぞれ連結するように構成してもよい。
【0016】
また、本発明では、膜破断検出器から供給される気体の圧力が0.01MPaから0.2MPaの範囲内であるとよい。
【0017】
さらに、本発明では、膜破断検出器は、気体供給部と、この気体供給部から気体供給管に供給される気体圧力を所定範囲に調整する圧力調整部と、前記気体供給管に流れる気体の流量を計測する気体流量計測部と、この気体流量計測部で計測した流量値から膜破断の有無を判断する制御部とで構成するとよい。
【0018】
本発明による膜破断検出方法は、複数の膜モジュールでそれぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管の集合管を経てろ過水を送出する膜ろ過装置に適用され、膜破断検出器の気体供給管から前記各膜モジュールに、各ろ過水配管を通して気体を一括供給し、この気体の変化により膜ろ過装置における膜破断有無を、前記膜破断検出器により一括検出することを特徴とする。
【0019】
本発明方法は、膜ろ過装置のまとまりが複数集まって構成された膜ろ過設備に適用してもよく、この場合は、複数の膜ろ過装置は、各膜ろ過装置毎に所定周期で膜モジュールに対する膜破断検出器による膜破断検出が行われ、この膜破断検出のタイミングが各膜ろ過装置で互いに異なるようにする。
【0020】
これらの発明では、それぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管の集合管を経てろ過水を送出する複数の膜モジュールを有する膜ろ過装置に対し、膜モジュールに気体を供給し、気体の変化により膜の破断を検出する膜破断検出器を用い、この膜破断検出器の気体供給管を、膜ろ過装置の各膜モジュールのろ過水配管と一括して連通可能に構成して、膜ろ過装置における膜破断有無を一括検出するので、少ない台数の膜破断検出器を用いて効率的かつ確実に膜破断を検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による膜ろ過装置及び膜ろ過方法の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
先ず、図1で示す一実施の形態を説明する。この実施の形態における膜破断検出装置は、図1で示すように、原水をろ過する膜モジュール2を複数備えた膜ろ過装置1に適用されるもので、各膜モジュール2に一括して気体を供給し、気体の変化により膜の破断を検出する膜破断検出器12を有する。すなわち、膜破断検出器12の気体供給管16を、バルブ17を介して膜ろ過装置1に連結し、複数の膜モジュール2における膜破断有無を、膜破断検出器12により一括して検出する。このように、一括して膜破断検出することで、高い検出効率を実現する。
【0023】
膜ろ過装置1に設けられた膜モジュール2は、その中に数千本の中空糸膜が設けられており、外圧型の中空糸膜モジュール構成している。これら各膜モジュール2の下部には、原水ポンプ3及び原水バルブ7を有する原水供給管4が連結しており、原水を膜モジュール2内の中空糸膜の外側に供給する。
【0024】
また、各膜モジュール2の上部出側にはろ過水配管22が立設されている。このろ過水配管22は、膜モジュール2内の中空糸の内側と連通しており、中空糸によってろ過されたろ過水を導出する。また、各ろ過水配管22は集合管23にそれぞれ連結されている。この集合管23は、ろ過バルブ8を介してろ過水槽5及び図示しない次工程に通じている。
【0025】
ろ過水槽5と集合管23(ろ過バルブ8の入り側)との間には、逆洗ポンプ11及び逆洗バルブ9を有する逆洗配管31が連結される。また、各膜モジュール2には排水バルブ10を有する排水配管32が連結されており、逆洗後の洗浄水が排水される。
【0026】
膜破断検出器12は、気体供給部13と、圧力調整部14と膜破断検出部15とで構成されている。気体供給部13は、破断検出用の気体(ここでは加圧空気として説明する)を供給する。圧力調整部14は、加圧空気供給部13から気体(加圧空気)供給管16に供給される加圧空気の圧力を所定範囲に調整する。膜破断検出部15は、加圧空気供給管16に供給された気体(加圧空気)の変化により膜の破断を検出する。
【0027】
加圧空気供給管16は、供給バルブ17を介して、各膜ろ過装置1に設けられた各膜モジュール2のろ過水配管22と一括して連通可能に構成されている。この実施の形態では、加圧空気供給管16は、各膜モジュール2のろ過水配管22の集合管23に連結しており、この連結部分が加圧空気供給ポイント21となる。
【0028】
このように、加圧空気供給管16が連結する加圧空気供給ポイント21を、膜モジュール2各々のろ過水配管22が集合した集合管23に対して1箇所設けるように構成したため、構造が簡素となる。すなわち、膜ろ過装置1を構成している膜モジュール2の数が少数の場合や、配管構造が複雑でない場合は、ろ過水配管22の集合管23に対して1箇所の加圧空気供給ポイント21を設けることで、施工工程数が少なくなると共に、必要な箇所に的確かつ均等に加圧空気を供給できる。このため、簡潔な配管構造で、検出時間が短く、検出精度も高くなり、確実な膜破断検出を実現できる。
【0029】
上記構成において、膜ろ過工程では、原水バルブ7とろ過バルブ8のみを開とし、原水ポンプ3で原水を膜モジュール2へ供給する。膜ろ過された水はろ過水配管22から集合管23を通ってろ過水槽5へ送られる。ろ過水の濁度は、濁度計6で測定している。
【0030】
逆洗工程では、逆洗バルブ9と排水バルブ10とを開とし、他のバルブは閉じている。この状態で、逆洗ポンプ11を動作させ、ろ過水槽5に溜まっているろ過水を、集合管23及び各ろ過水配管22を通して膜の中空糸内側に供給し、中空糸外側に付着した濁質物を剥離・除去する。剥離・除去された濁質物を含んだ水は、排水バルブ10を有する排水配管32から系外へ排出する。
【0031】
膜ろ過工程と逆洗工程は、交互に繰り返して実施する。例えば、膜ろ過工程30〜90分に対し、逆洗工程1分前後となっている。
【0032】
膜破断検出工程は、膜ろ過工程及び逆洗工程を止めて実施するが、逆洗工程終了後の膜ろ過工程に移る前に実施する。
【0033】
逆洗工程終了後に膜破断検出工程を実施する場合は、次のように工程を進める。逆洗工程では、逆洗バルブ9と排水バルブ10とを開にし、逆洗ポンプ11を作動させて行っている。このため、膜破断検出工程を実施するには、逆洗ポンプ11を停止させ、逆洗バルブ9を閉じて逆洗を終了させた後に、膜破断検出器12から加圧空気を供給する。
【0034】
すなわち、空気供給バルブ17を開き、各膜ろ過装置1へ加圧空気を一括供給し、膜破断検出部15にて膜破断検出を実施する。膜破断検出部15での検出時間は数分を要する。この時間は膜ろ過装置1の規模により異なる。膜破断検出終了後は、空気供給バルブ17を閉じ、加圧空気の供給をストップする。また、ドレンバルブ18を開とし、膜ろ過装置1へ供給した加圧空気を系外へ排出する。
【0035】
膜破断検出結果が破断無しであれば、再び膜ろ過工程へ移る。膜破断検出結果が破断有りであれば、膜ろ過装置1の運転を停止状態とする。
【0036】
図3は、濁度計6の計測値を用いた従来の膜破断検出特性の一例を示す図である。この図では、1本の中空糸膜モジュール2中における中空糸膜破断本数を横軸に、そのときの膜ろ過水濁度を縦軸に示している。通常、中空糸膜モジュール中の中空糸本数は、前述のように数千本である。
【0037】
図から、中空糸の破断本数が2本以上でないと濁度計指示値に現れてこないことがわかる。濁度計指示値の振れを考慮に入れると、上記以上の本数が破断していないと検出は困難と考えられる。図1のように、複数本の膜モジュール2で構成された膜ろ過装置1では、膜ろ過装置1に対して1台の濁度計6を設置しているため、1本の膜モジュール2での検出感度よりも膜モジュールの本数分感度が悪くなる。このため、膜破断を確実に検出するためには膜モジュール1本に対して濁度計1台を設置しなければならないが、コストや装置構成、メンテナンスなどから、現実的な対策とは言えない。
【0038】
これに対し、加圧空気による膜破断検出器12では、検出感度は以下のようになる。図2は加圧空気による膜破断検出特性の一例を示す図である。図の例では中空糸膜モジュール2が100本の場合、すなわち、中空糸膜数十万本中の中空糸の破断本数を横軸に、その時の空気流量を縦軸に示している。膜モジュール2が100本集まっていた場合でも、その中の中空糸1本の破断を検出できることがわかる。
【0039】
次に、図4で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、膜ろ過装置1のまとまりが複数集まって膜ろ過設備19を構成している。膜破断検出器12は、前記まとまりを構成する膜ろ過装置1数より少ない台数用意し、この膜破断検出器12により膜ろ過設備19の全体に対する膜破断の有無を検出する。
【0040】
前述のように、膜モジュール2が100本集まっていた場合でも、その中の中空糸1本の破断を検出できることから、図4のように、複数本の膜モジュール2で構成された膜ろ過装置1のまとまりが複数台となった膜ろ過設備19に対しても、1台の膜破断検出器12により中空糸1本の破断を検出可能である。
【0041】
このように、複数の膜モジュール2で構成された膜ろ過装置1のまとまりを複数有する膜ろ過設備19に対して一括検出することで、膜ろ過設備19における膜破断を確実に、効率良く実現できる。
【0042】
ここで、図4に示した複数の膜ろ過装置1は、前述のように、それぞれ膜ろ過工程と逆洗工程を繰り返し実施している。この場合、複数の膜ろ過装置1は、各々少しずつ工程をずらして運転する。例えば、膜ろ過装置1−1が逆洗工程に入った時から5分後に膜ろ過装置1−2が逆洗工程に入り、その5分後に膜ろ過装置1−3が逆洗工程に入り、・・・、というように運転する。膜破断検出工程は、膜ろ過工程、逆洗工程を止めて実施するが、逆洗工程終了後の膜ろ過工程に移る前に実施する。
【0043】
この場合、まず、膜ろ過装置1−1の膜破断検出を実施する。この間、他の膜ろ過装置1は、膜ろ過工程と逆洗工程のサイクルを続けている。膜ろ過装置1−1の検出終了後、一定時間経過後の逆洗終了後に膜ろ過装置1−2の膜破断検出を実施する。この間、他の膜ろ過装置1は、膜ろ過工程と逆洗工程のサイクルを続けている。膜ろ過装置1−2の検出終了後、一定時間経過後の逆洗終了後に膜ろ過装置1−3の膜破断検出を実施する。これを繰り返し、膜ろ過装置1全ての膜破断検出を実施する。
【0044】
このように、膜破断検出工程は、膜ろ過装置1の運転が停止した状態で実施するが、検出のタイミングをずらすことで、複数の膜ろ過装置1に対して1台の膜破断検出器12で検出を実施できる。また、膜破断検出工程以外の膜ろ過装置の多くは膜ろ過工程を続けているので、断水が生じることはない。この場合、1台の膜ろ過装置1の膜破断検出頻度は低下するが、膜破断検出は数時間〜1日に1回行なえばよく検出頻度の低下は問題ない。
【0045】
すなわち、膜破断検出器12が膜ろ過装置1の中の中空糸1本破断を検出する感度があること、原水中に病原性微生物が存在する確率が高くはないこと、等から、上記頻度で何ら問題ないと判断される。
【0046】
次に、図5で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、膜破断検出器12からの加圧空気供給配管16を、各膜モジュール2の各ろ過水配管22にそれぞれ連結し、膜破断検出器12から供給する加圧空気を複数の膜モジュール2に対して均等に一括供給する、このため、検出時間が短く、精度の高い膜破断検出を実現できる。
【0047】
図5において、加圧空気供給管16を接続するポイントを加圧空気供給ポイント20とする。この加圧空気供給ポイント20は、各ろ過水配管22に連結していることから、膜モジュール2毎に1箇所設けられている。その他の構成は図1と同じであり同一符号を付し、説明は省略する。
【0048】
図6は上記構成における膜破断検出時間と検出安定性の一例を示す図である。図5の実施の形態のように、膜モジュール2に対してそれぞれ加圧空気供給ポイント20を設けることで、必要な箇所に的確かつ均等に加圧空気を一括供給できるため、空気の流れが早期に安定し、検出時間を短くできる。また、空気流量が安定するため、検出精度も高くなる。
【0049】
このように、膜破断検出器12から供給する空気の配管16を、複数ある膜モジュール2の各々に接続し、複数の膜モジュール2に対して均等に加圧空気を一括供給することで、検出時間が短く、精度の高い膜破断検出を実現できる。
【0050】
次に、図7で示す実施の形態を説明する。この実施の形態は、膜モジュール2が縦置きに設置されている膜ろ過装置1に対して、膜破断検出器12からの加圧空気供給管16を膜モジュール2の上部へ接続することで、必要空気量を最小限とし、破断検出時間の短縮を実現するものである。
【0051】
すなわち、図7において、各ろ過水配管22は対応する膜モジュール2の上部に立設されており、その上端より少し低い位置に集合管23がある。この場合、加圧空気供給ポイント24は、高い位置に設置されているろ過水配管22の上部となるので、供給する加圧空気で満たす空間は最小限となる。
【0052】
図8及び図9は配管内の加圧空気で満たされる空間の一例を示す図である。ろ過水配管22の上部に加圧空気供給ポイント24がある場合(図8)と、下部集合管23に加圧空気供給ポイント25がある場合(図9)とを比較しているが、図8で示した上部に供給する方が、加圧空気で満たす空間が小さいことがわかる。
【0053】
このように、膜モジュール2が縦置きに設置されている膜ろ過装置1に対して、膜破断検出器12からの加圧空気供給管16を膜モジュール2の上部に立設されたろ過水配管22へ接続することで、必要空気量を最小限とし、破断検出時間の短縮を実現できる。
【0054】
ここで、膜破断検出器12が供給する加圧空気の圧力は、0.01MPa〜0.2MPaとする。このように設定することで、膜へのストレスがなく、精度良く破断検出を実現することができる。
【0055】
図10は加圧空気圧力0.01MPa〜0.2MPaで実施した膜破断検出の一例を示す図である。横軸は供給する加圧空気の圧力、縦軸はその時の空気流量である。0.01MPaでも、中空糸1本破断時の空気流量が十分に計測できる範囲にあることがわかる。また、膜モジュール2の耐圧は、0.3MPa以下であるため、加圧空気設定圧力は、0.01MPa〜0.2MPaの範囲内であることが、膜へのストレスからも、検出感度からも妥当な範囲である。
【0056】
このように、膜破断検出のために供給する加圧空気の圧力を0.01MPa〜0.2MPaとすることで、膜へのストレスがなく、精度良く破断検出を実現できる。
【0057】
次に、膜破断検出器12の具体的構成例を図11により説明する。膜破断検出器12は、前述のように、気体供給部13と、圧力調整部14と、膜破断検出部15とで構成される。また、この膜破断検出部15は、気体流量計測部26と、制御部27とから構成され、気体流量計測部26により計測された気体流量から、制御部27で膜破断の有無を判断する。この結果、膜ろ過装置1の規模に関わらず精度良く膜破断検出を実現することができる。
【0058】
すなわち、加圧空気を供給して膜破断を検出する装置において、空気の漏れを検出する手段として圧力変化を用いる場合、同じ破断状態の膜であっても膜ろ過装置1の規模で圧力の変化は異なり、規模が大きくなると圧力変化は小さくなる傾向にある。一方、上記実施の形態のように空気流量で検出する場合、空気流量は破断の状態で決まるため、膜ろ過装置1の規模に影響されることなく膜破断検出を実施できる。
【0059】
このように、気体流量計測部26により計測された気体流量から制御部27で膜破断の有無を判断することで、膜ろ過装置1の規模に関わらず精度良く膜破断検出を実現できる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、水中の濁質分を分離除去する膜ろ過装置の膜破断検出において、加圧空気を用いた検出方法を用いる際、膜ろ過装置の膜破断を確実に、かつ効率良く実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による膜破断検出装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同上一実施の形態における検出感度を表す中空糸破断本数と空気流量との関係を示す特性図である。
【図3】同上一実施の形態との比較例となる従来技術での検出感度を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態を説明するブロック図である。
【図6】同上実施の形態における動作安定性を説明するための説明図である。
【図7】本発明の別の他の実施の形態を説明するブロック図である。
【図8】同上実施の形態における必要空気量を説明するための概念図である。
【図9】図8との比較例を示す概念図である。
【図10】本発明に用いられる膜破断検出器による圧力範囲を説明するための特性図である。
【図11】本発明に用いられる膜破断検出器の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 膜ろ過装置
2 膜モジュール
12 膜破断検出器
13 気体供給部
14 圧力調整部
15 膜破断検出部
16 気体供給管
19 膜ろ過設備
22 ろ過水配管
23 集合管
26 気体流量計測部
27 制御部

Claims (9)

  1. それぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管の集合管を経てろ過水を送出する複数の膜モジュールを有する膜ろ過装置の膜破断検出装置であって、
    前記膜モジュールに気体を供給し、気体の変化により膜の破断を検出する膜破断検出器を有し、この膜破断検出器の気体供給管を、膜ろ過装置の各膜モジュールのろ過水配管と一括して連通可能に構成し、膜ろ過装置における膜破断有無を、前記膜破断検出器により一括検出することを特徴とする膜破断検出装置。
  2. 膜ろ過装置のまとまりが複数集まって構成された膜ろ過設備に対して、この膜ろ過設備を構成する膜ろ過装置のまとまりの構成数より少ない台数の膜破断検出器を設け、この膜破断検出器により膜ろ過設備全体に対する膜破断の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の膜破断検出装置。
  3. 膜破断検出器の気体供給管が、各膜モジュールのろ過水配管にそれぞれ連結していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜破断検出装置。
  4. 膜破断検出器の気体供給管が、各膜モジュールのろ過水配管の集合管に連結していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜破断検出装置。
  5. 各膜モジュールは縦置きに設置されており、各ろ過水配管は、対応する膜モジュールの上部に立設され、かつ、このろ過水配管の上端より低く位置する集合管に連結し、膜破断検出器の気体供給管は、各ろ過水配管の上端部分にそれぞれ連結していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜破断検出装置。
  6. 膜破断検出器から供給される気体の圧力が0.01MPaから0.2MPaの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の膜破断検出装置。
  7. 膜破断検出器は、気体供給部と、この気体供給部から気体供給管に供給される気体圧力を所定範囲に調整する圧力調整部と、前記気体供給管に流れる気体の流量を計測する気体流量計測部と、この気体流量計測部で計測した流量値から膜破断の有無を判断する制御部とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の膜破断検出装置。
  8. 複数の膜モジュールでそれぞれ原水をろ過し、各ろ過水配管の集合管を経てろ過水を送出する膜ろ過装置の膜破断検出方法であって、
    膜破断検出器の気体供給管から前記各膜モジュールに、各ろ過水配管を通して気体を一括供給し、この気体の変化により膜ろ過装置における膜破断有無を、前記膜破断検出器により一括検出することを特徴とする膜破断検出方法。
  9. 膜ろ過装置のまとまりが複数集まって構成された膜ろ過設備に適用され、複数の膜ろ過装置は、各膜ろ過装置毎に所定周期で膜モジュールに対する膜破断検出器による膜破断検出が行われ、この膜破断検出のタイミングが各膜ろ過装置で互いに異なることを特徴とする請求項8に記載の膜破断検出方法。
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