JP2004329233A - 遊技機 - Google Patents

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JP2004329233A JP2003124712A JP2003124712A JP2004329233A JP 2004329233 A JP2004329233 A JP 2004329233A JP 2003124712 A JP2003124712 A JP 2003124712A JP 2003124712 A JP2003124712 A JP 2003124712A JP 2004329233 A JP2004329233 A JP 2004329233A
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Hikonori Tatematsu
彦則 立松
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Abstract

【課題】始動手段を注目させるとともに、抽選の期待感にメリハリを生じさせ、遊技の興趣を一層向上させる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、第二始動口への入球を検出する作動口スイッチ224と、検出された遊技球の入球に基づいて所定の遊技結果を抽選する第二抽選手段620と、第二始動口に遊技球が入球した際、その入球に関する入球状況を検出する状況検出手段628と、入球状況が所定の条件を満たすと、第二抽選手段620における抽選の有利性を有利な状態に切替える有利性切替手段630とを具備する。例えば当選の確率を高確率に変更したり、連続大当たりで当選するようにする。
【選択図】 図40

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一形態として、遊技球が始動手段に入球すると抽選が行われ、その抽選結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば「大当たり状態」)を発生させるようにしたパチンコ機が知られている。また、遊技盤に表示装置を備え、複数種類の図柄からなる図柄列を表示させるようにしたパチンコ機も知られている。このパチンコ機では、抽選結果に基づいて、複数の図柄列が変動されるとともに、順次停止されるようになっており、特に抽選の結果が予め定められた所定結果である場合には、複数の図柄列が特定の組合せで停止されるとともに、遊技者に有利な有利遊技状態が発生される。また、ただ単に、複数の図柄の変動とその停止とを繰返すだけでは、遊技が単調なものとなってしまうため、所定の組合せになりそうな場合(例えばリーチの場合)には、種々の演出を行うことにより興趣を高めている。つまり、従来のパチンコ機は、図柄の変動によって遊技者に興趣を感じさせることに主眼が置かれていた。
【0003】
出願人は、本願出願時において、以上の従来技術が記載されている文献として、以下のものを知見している。
【特許文献】
特開2000−140284
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の遊技機では、表示装置における図柄の変動及び停止に注目を集めるあまり、受動的に成立する抽選を開始させるための始動手段(例えば始動口)に対しては極めて低い注目しかなされていなかった。つまり、始動手段は、抽選を開始させるか否かを決定するものであり、自らの状況タイミングで抽選結果を発生させるものではないため、遊技者の注意を引きつけることが困難であった。換言すると、始動手段への入球の仕方と抽選結果とは何ら関連せず、始動手段に対して遊技球がどのように入球しても、抽選における期待感が常に均一であることから、始動手段への注目を高めることができなかった。
【0005】
また、抽選の結果は、遊技機の内部で行われるプログラム処理、すなわち遊技者が認識できない処理によって決定されるため、始動手段に入球する時点の期待感は常に一定となり、楽しみ方が単調になっていた。つまり、始動手段に入球することに対して、抽選における有利性を事前に把握させることができないため、始動手段に入球することを願う楽しさが常に均一となり、期待感にメリハリをつけることができなかった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、始動手段を注目させるとともに、抽選の期待感にメリハリを生じさせ、遊技の興趣を一層向上させる遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用等についても説明する。
【0008】
手段1:始動手段への遊技媒体の入球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段によって検出された前記遊技媒体の入球に基づいて所定の遊技結果を抽選する抽選手段と、前記始動手段に入球した遊技媒体に関する入球状況を検出する状況検出手段と、該状況検出手段によって検出される前記入球状況に基づいて前記抽選手段における抽選の有利性を切替える有利性切替手段とを具備することを特徴とする遊技機。
【0009】
ここで、「遊技媒体」は、遊技機の種類によって異なり、パチンコ機等では遊技球が遊技媒体に相当し、スロットマシーン等ではメダルが遊技媒体に相当する。 「始動手段」は、入賞可能な始動口であってもよく、入球可能なスルーゲートであってもよい。また、「始動検出手段」は、始動手段への遊技媒体の入球を、光の変化、磁界の変化、または機械的な変位等によって検出するものである。また、「状況検出手段」と「始動検出手段」とは互いに異なる検出手段であってもよいが、兼用してもよい。さらに、「始動検出手段」を複数個備え、その内の一部を「状況検出手段」として利用するようにしてもよい。
【0010】
「入球状況」は、入球した遊技媒体に関するものであり、具体的には、遊技媒体が入球するタイミング、遊技媒体の入球速度、遊技媒体の回転速度、入球する方向、及び入球回数等を例示することができる。また「抽選の有利性を切替える」とは、例えば抽選における当選の確率や当選状態等を対象とし、抽選において互いに異なる複数の状況の中から一つを選択することである。なお、有利性を切替える際には、有利性を有利な状態に切替えるようにしてもよく、不利な状態に切替えるようにしてもよい。
【0011】
手段1の構成によると、始動手段に遊技媒体が入球したことが始動検出手段によって検出されると、抽選手段によって抽選を行う。一方、始動手段に遊技媒体が入球した際、その入球に関する入球状況が状況検出手段によって検出され、有利性切替手段は、検出された入球状況を基に抽選手段における抽選の有利性を切替える。つまり、始動手段に遊技媒体がどのような状況で入球したかに応じて、抽選における有利性が切替えられる。このように、遊技媒体の入球状況と抽選における有利性とが関連付けられることから、遊技者は始動手段にも注目するようになり、入球の仕方と抽選結果とを関連させて楽しむようになる。したがって、視覚的な興趣を得ることができるとともに、趣向性の高い遊技を楽しむことが可能になる。また、抽選が電子的に行われる場合であっても、当選の有利性は一定にはならず、期待感にメリハリをつけることが可能になる。
【0012】
手段2:始動手段への遊技媒体の入球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段によって検出された前記遊技媒体の入球に基づいて所定の遊技結果を抽選する抽選手段と、前記始動手段に入球した遊技媒体に関する入球状況を検出する状況検出手段と、該状況検出手段によって検出される前記入球状況が所定の条件を満たすと、前記抽選手段における抽選の有利性を有利な状態に切替える有利性切替手段とを具備することを特徴とする遊技機。
【0013】
ここで、「遊技媒体」、「始動手段」、及び「始動検出手段」については、手段1の構成と同様である。
【0014】
手段2の構成によると、始動手段に遊技媒体が入球したことが始動検出手段によって検出されると、抽選手段によって抽選を行う。一方、始動手段に遊技媒体が入球した際、その入球に関する入球状況が状況検出手段によって検出され、有利性切替手段は、検出される入球状況が所定の条件を満たすと、抽選手段における抽選の有利性を有利な状態に切替える。このため、遊技媒体の入球状況と抽選における有利性とが関連付けられ、遊技者は、遊技媒体が所定の条件を満たす形で入球することを願うようになる。つまり、始動手段に対する注目度が大きく向上し、入球の仕方と抽選結果とを関連させて楽しむようになる。したがって、視覚的な興趣を得ることができるとともに、趣向性の高い遊技を楽しむことが可能になる。また、期待感にメリハリをつけることが可能になり、遊技における興趣を一層向上させることができる。
【0015】
手段3:手段1または手段2の構成に加え、前記始動手段への前記遊技媒体の入球を容易にする第一状態と、該入球を困難にする第二状態とに変更可能な変動誘導装置をさらに備えることを特徴とする遊技機。
【0016】
ここで、変動誘導装置は、始動手段と一体に構成されていてもよく、始動手段とは別に構成され始動手段の上方に配設するようにしてもよい。また、「変動誘導装置」としては、例えば、入口の左右両側に一対の羽根を支持するとともに、ソレノイド等の駆動手段によって羽根を動作させ、入口を開放及び閉鎖させるように構成するものを挙げることができる。
【0017】
手段3の構成によると、変動誘導装置が第二状態から第一状態に切替わると、始動手段への入球が容易になる。逆に第一状態から第二状態に切替わると、始動手段への入球が困難となる。つまり、変動誘導装置によって、始動手段への入球のし易さが変化することから、遊技媒体の入球の仕方と変動誘導装置の状態とを関連づけて始動手段を注目するようになる。このため、視覚的な興趣をさらに高め、抽選の楽しさを一層向上させることができる。
【0018】
手段4:手段3の構成に加え、前記有利性切替手段は、前記変動誘導装置が前記第一状態のときに切替可能となることを特徴とする遊技機。
【0019】
手段4の構成によると、変動誘導装置が第一状態のとき、すなわち始動手段に対して遊技媒体の入球が容易となったときに、状況検出手段の作動が有効となり抽選における有利性を切替えることが可能になる。換言すれば、変動誘導装置が第二状態のときには、始動手段に遊技媒体が入球しても抽選における有利性は切替わらない。このため、遊技者は、変動誘導装置の状態を認識することにより、有利性が切替わる可能性があるか否かを認識することができる。また、第一状態では抽選が開始される可能性が高くなるとともに、有利性が切替わる可能性があることから、第一状態に切替わることに対しての楽しみが一層増加する。一方、第二状態では入球する可能性が低くしかも有利性が切替わる可能性もないことから、第一状態と第二状態とが一層差別化され、始動手段に入球することに対してメリハリをつけることができる。
【0020】
手段5:手段1から手段4までのいずれか一つの構成に加え、前記状況検出手段は、所定の期間の間に、前記始動手段に入球する前記遊技媒体が所定個数以上になった場合に該遊技媒体を検出する個数検出手段を備え、前記有利性切替手段は、前記個数検出手段の検出結果を基に、抽選の有利性を切替えることを特徴とする遊技機。
【0021】
ここで、「個数検出手段」は、入球する遊技媒体が所定個数以上になったことを判定するものであり、例えば、入球した遊技媒体を電子的なカウント手段によって計数し、カウント手段のカウント値を基に判定するように構成してもよく、あるいは入球した遊技媒体を物理的に貯え、貯えられた個数を基に判定するように構成してもよい。
【0022】
手段5の構成によると、予め設定した所定の期間の間に、遊技媒体が始動手段に入球すると、その入球した遊技媒体の個数が個数検出手段によって検出され、それぞれの遊技媒体が所定個数に到達していない段階での入球か、それとも所定個数に到達した後の入球かが判別される。そして、所定個数に到達するまでの入球は抽選における有利性を切替えることなく、通常と同様の有利性で抽選を行う。一方、所定個数に到達した後の入球は抽選における有利性を切替えるとともに、切替えられた有利性を基に抽選を行う。このため、有利性を有利な状態に切替える構成を採用した場合には、遊技者は、所定の期間内に一球でも多くの遊技媒体が入球することを強く願うようになる。すなわち、遊技者の集中力を高めるとともに、「遊技媒体を入球させたい」という意欲をさらに向上させることができる。
【0023】
手段6:手段5の構成に加え、前記始動手段への前記遊技媒体の入球を容易にする第一状態、及び該入球を困難にする第二状態に変更可能な変動誘導装置と、遊技状態または遊技時間に応じて前記変動誘導装置を前記第二状態から前記第一状態に切替える切替制御手段とをさらに備え、前記個数検出手段における前記所定の期間は、前記第一状態に切替えられている期間であることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段6の構成によると、変動誘導装置が第一状態に切替えられると、遊技媒体の入球個数が増加し、有利性を切替えるための条件、すなわち所定個数以上の遊技媒体を入球させるという条件を満足させ易くなる。このため、変動誘導装置の作動自体が遊技者に受け入れられ、変動誘導装置への注目度が一層高くなる。
【0025】
手段7:手段5または手段6の構成に加え、前記始動手段に入球する前記遊技媒体が所定個数になるまでの間に入球した遊技媒体と、前記所定個数を超えて入球した遊技媒体とを、機械的な機構で振分ける振分け手段と、該振分け手段によって振分けられた遊技媒体のうち少なくとも所定個数を超えて入球した遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段とをさらに備え、前記個数検出手段は、前記遊技媒体検出手段の検出結果に応じて前記始動手段に入球する前記遊技媒体が所定個数以上になったか否かを検出することを特徴とする遊技機。
【0026】
ここで、「遊技媒体検出手段」は、遊技媒体が通過するか否かを検出する手段、例えば、光の変化によって判定するフォトスイッチまたは電磁的な変化によって判定する近接センサ等から構成することができる。
【0027】
手段7の構成によると、始動手段に入球した複数の遊技媒体は、振分け手段によって、所定個数になるまでの間に入球した遊技媒体と、所定個数を超えて入球した遊技媒体とに振分けられる。そして、振分けられた遊技媒体は遊技媒体検出手段によって検出される。つまり、所定個数になるまでの間に入球した遊技媒体と、それ以後に入球した遊技媒体とは、互いに異なる通路に排出されるため、少なくとも後者の遊技媒体が排出される通路において遊技媒体が通過するか否かを検出することにより、所定個数を超えたか否かを判別することができる。
【0028】
手段8:手段7の構成に加え、前記振分け手段は、遊技者に対して視認可能な状態で配置されていることを特徴とする遊技機。
【0029】
ところで、始動手段に入球した遊技媒体を検出する入球検出手段と、これによって検出された遊技媒体の個数を電子的にカウントするカウント手段とを組合せれば、始動手段に入球する遊技媒体の個数が所定個数以上か否かを比較的容易に検出することが可能になり、手段7の構成に示すような振分け手段は不要になる。しかし、カウント手段による計数は、遊技者が認識できない装置内部の処理であるため、所定の個数に到達するか否かを遊技者が判断するには、入球した数を自分で数えなければならない。このため、遊技者の負担が大きくなり、興趣を低下させることが懸念される。なお、カウント手段によってカウントされる数値を図柄表示装置等の表示手段に表示させることも考えられるが、これによれば、表示手段に表示される数値が注目されるようになり、この結果、始動手段への注目が薄れる恐れがある。
【0030】
ところが、手段8の構成によると、振分け手段によって遊技媒体を振分ける構成を採用するとともに、その振分け手段を、遊技者が視認可能な位置に配置する。このため、振分け手段の作動を遊技者に認識させることができ、所定個数に到達するか否かを容易に把握させることができる。しかも、振分け手段における遊技媒体の挙動を認識させることにより、視覚的な興趣を一層向上させ、始動手段をさらに注目させることができる。
【0031】
手段9:手段7または手段8の構成に加え、前記振分け手段は、所定個数の前記遊技媒体を停留させることが可能な停留手段、該停留手段から溢れた遊技媒体を排出させる第一排出路、及び前記停留手段に停留された遊技媒体を排出させる第二排出路を備え、前記遊技媒体検出手段は、少なくとも前記第一排出路に配置されていることを特徴とする遊技機。
【0032】
ここで、「停留手段」は、通路を閉鎖するように配置され、遊技媒体の流下を一時的に停止させる部材である。なお、具体的には、複数個の遊技媒体をまとめて停留させる箱体の停留手段であってもよく、一つの遊技媒体のみを停留させることが可能な小さな停留部を複数個組合せて構築したものであってもよい。
【0033】
手段9の構成によると、始動手段に所定個数の遊技媒体が入球するまでの間、入球した遊技媒体は停留手段によって停留される。そして、所定個数を超えて入球すると、その遊技媒体は停留手段によって停留させることができないため、溢れた状態となり第一排出路から排出される。一方、停留された遊技媒体は所定のタイミングで第二排出路から排出される。第一排出路には遊技媒体検出手段が配設されているため、所定個数を超えて入球した遊技媒体はこの遊技媒体検出手段によって検出される。このように、停留手段を備えることにより、振分け手段を比較的簡単に構成することができ、始動手段を大型化することなく実現できる。また、手段8の構成を引用した場合には、停留手段に停留された遊技媒体を遊技者に視認させることができ、入球した遊技媒体が所定個数に到達するまでの達成度を容易に視認させることができる。
【0034】
手段10:手段9の構成に加え、前記振分け手段は、前記停留手段を、遊技媒体を停留させる停留位置と遊技媒体を停留させない非停留位置との間で変位させる停留状態切替手段と、前記停留手段を反転させ停留された遊技媒体を放出する放出手段とをさらに備え、前記第一排出路は前記停留手段の上方に配置され、前記第二排出路は前記停留手段の下方に配置されていることを特徴とする遊技機。
【0035】
手段10の構成によると、停留状態切替手段によって、停留手段を停留位置に切替えた場合には、所定個数の遊技媒体を停留させ、所定個数になるまでの間に入球した遊技媒体と、所定個数を超えて入球した遊技媒体とを振分けることが可能になる。つまり、停留手段から溢れた遊技媒体すなわち所定個数を超えて入球した遊技媒体は、停留手段の上方に形成された第一排出路から排出され、停留手段に停留された遊技媒体すなわち所定個数になるまでの間に入球した遊技媒体は、放出手段によって停留手段が反転させられることにより、停留手段の下方に形成された第二排出路から排出される。なお、停留手段から溢れた遊技媒体を停留手段の上方から排出させるには、停留手段において所定個数の遊技媒体が停留された際に、停留手段の上面から突出する遊技媒体によって案内させるように構成すれば実現できる。
【0036】
一方、停留状態切替手段によって、停留手段を非停留位置に切替えた場合には、始動手段に入球する遊技媒体を停留させることができなくなるため、始動手段に入球した遊技媒体は、そのまま第二排出路から排出される。つまり、この場合には、遊技媒体が連続的に入球しても、所定個数を超えて入球されたとは認識されない。したがって、停留手段を停留位置と非停留位置との間で切替えることにより、所定の期間のみを特定して、有利性の切替を許可することが可能になる。
【0037】
手段11:手段1から手段3までのいずれか一つの構成に加え、前記状況検出手段は、所定の期間の間に、前記始動手段に前記遊技媒体が入球したか否かを検出する入球検出手段を備え、前記有利性切替手段は、前記入球検出手段の検出結果を基に、抽選の有利性を切替えることを特徴とする遊技機。
【0038】
手段11の構成によると、予め設定した所定の期間の間に、遊技媒体が始動手段に入球すると、その入球した遊技媒体が入球検出手段によって検出される。この場合、抽選における有利性が切替えられ、切替えられた有利性を基に抽選を行う。このため、遊技者は、所定の期間内に遊技媒体が入球することを強く願うようになる。すなわち、遊技者の集中力を高めととともに、「遊技媒体を入球させたい」という意欲をさらに向上させることができる。特に、所定の期間を除く間は、遊技媒体を始動手段に入球させることができても、有利性は切替わらないため、遊技者は、所定の期間が開始されることを見逃さないように、遊技に夢中になる。
【0039】
手段12:手段11の構成に加え、前記始動手段への前記遊技媒体の入球を容易にする第一状態、及び該入球を困難にする第二状態に変更可能な変動誘導装置と、遊技状態または遊技時間に応じて、前記変動誘導装置を前記第二状態から前記第一状態に、所定の間隔で複数回繰返して切替える切替制御手段をさらに備え、前記入球検出手段は、特定の切替回数における前記第一状態の成立時を、前記所定の期間とすることを特徴とする遊技機。
【0040】
ここで、「特定の切替回数」は、予め設定された一定の回数であってもよく、規則的または不規則に変化する不定の回数であってもよい。
【0041】
手段12の構成によると、切替制御手段は、遊技状態または遊技時間に応じて、変動誘導装置を第二状態から第一状態に、所定の間隔で複数回繰返して切替える。例えば、第一状態を1.6秒継続させる開放動作を、3.1秒間隔で三回行う。そして、入球検出手段は、特定の切替回数における第一状態の成立時(例えば二回目の開放動作の時)を、所定の期間とする。つまり、この間に、遊技媒体が入球した場合に限り、抽選における有利性を切替える。このように、変動誘導装置の動作と有利性を切替えることができる時期とを関連させることにより、遊技者にとって有利となる時期が明確になり、例えば不慣れな遊技者であっても、有利性の切替えを簡単に認識することができる。
【0042】
手段13:手段1から手段12までのいずれか一つの構成に加え、前記有利性切替手段は、前記抽選手段における当選の確率を変更することによって前記有利性を切替える確率変更手段を有することを特徴とする遊技機。
【0043】
手段13の構成によると、状況検出手段によって検出される入球状況に基づいて、抽選手段における当選の確率が変更され、その確率を基に抽選が行われる。換言すれば、遊技媒体の入球の仕方と抽選結果とが関連付けられることから、電子的に抽選が行われる場合であっても当選の確率は一定にはならず、期待感にメリハリをつけることが可能になる。
【0044】
手段14:手段1から手段12までのいずれか一つの構成に加え、前記抽選手段の当選状態には、互いに価値が異なる第一の当選状態と第二の当選状態とが含まれ、前記有利性切替手段は、前記抽選手段において当選となる際の当選状態を前記第二の当選状態に特定することによって前記有利性を切替える当選状態選択手段を有することを特徴とする遊技機。
【0045】
ここで、「第一の当選状態」及び「第二の当選状態」としては、「大当たり状態」の終了後、通常の遊技状態に復帰させる「単発大当たり」と、「大当たり状態」の終了後、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な態様を付する「連続大当たり」とを例示することができる。
【0046】
手段14の構成によると、状況検出手段によって検出される入球状況に基づいて、抽選手段の当選状態が、第二の当選状態に特定され、それを基に抽選が行われる。例えば、通常の抽選では、「単発大当たり」となる場合もあれば「連続大当たり」となる場合もあるが、抽選における有利性が切替えられると、「大当たり状態」となる場合には、必ず「連続大当たり」となる。このため、電子的に抽選が行われる場合であっても当選状態における期待感は均一にはならず、メリハリをつけることが可能になる。
【0047】
手段15:手段1から手段14までのいずれか一つの構成に加え、前記有利性切替手段によって前記有利性が切替可能であるか否かを示唆する示唆手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
【0048】
ここで、「示唆手段」は、発光手段や表示装置等、視覚的に認識させるものであってもよく、音声やメロディ等、聴覚的に認識させるものであってもよい。なお、発光手段を採用する場合には、始動手段と一体的に構成するか、始動手段の近傍に配置することが好ましい。
【0049】
手段15の構成によると、示唆手段によって、有利性が切替可能であるか否かが示唆される。このため、遊技者は、始動手段に遊技媒体を入球させた際に有利性が切替わるタイミングを、示唆手段を通して把握することが可能になる。このため、始動手段に入球させることに対しての意欲が一層促進される。また、遊技に不慣れな遊技者であっても、示唆手段による示唆を確認することにより、チャンスを逃したりすることが抑制され、遊技を楽しむことができる。なお、発光手段を始動手段と一体的、または始動手段の近傍に配置するようにすれば、始動手段から視点の位置を変化させることなく、発光状態を確認することができるため、遊技者の注意が途切れることがない。
【0050】
手段16:手段1から手段15までのいずれかの構成において、前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0051】
手段16の構成によると、パチンコ機において、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0052】
手段17:手段1から手段15までのいずれかの構成において、前記遊技機は、スロットマシーンであることを特徴とする遊技機。
【0053】
手段17の構成によると、スロットマシーンにおいて、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0054】
手段18:手段1から手段15までのいずれかの構成において、前記遊技機は、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする遊技機。ここで、「パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシーンである。
【0055】
手段18の構成によると、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
【0057】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。なお、ABS樹脂は、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有しているため、内枠12の材料として好適である。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル設置箇所の反対側に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。つまり、内枠12と遊技球発射ハンドル18とを干渉させることなく、内枠12を開放させることが可能になっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
【0058】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。特に、内枠12の周縁には前方に突出する環状のリブが形成されており、前面枠セット14は、そのリブの内側に入り込むように嵌め合わされている。このため、前面枠セット14を閉じた状態では、内枠12と前面枠セット14との間に隙間が形成されず、不正行為による針金等の挿入を阻止することができる。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。前面枠セット14は、ガラスを支持するガラス枠部と上皿19とを一体的に構成したものであり、夫々別部材として構成されていた従来構造に比べて強度を向上することができ、例えば、本例のパチンコ機10のようにガラス枠部を大型化する場合であっても適度な強度を確保することができる。また、前面枠セット14は、内枠12と同様ABS樹脂により構成されており、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有している。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
【0059】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル22とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号17は、下皿15内の遊技球を下方に排出するための球抜きレバーである。下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル18が配設されている。符号241はスピーカからの音出力口である。また、下皿15の左方には、灰皿23が設けられている。なお、灰皿23は、下皿15の左側面に片持ち支持されており、左右方向に延びる開閉軸線を軸芯にして、その上面開口部が下方を向くまで回動できるようになっている。つまり、回動操作によって、灰皿23に収容された吸殻を排出することが可能になる。
【0060】
一方、下皿15の上方の前面枠セット14はガラスを支持するガラス枠部と球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0061】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されている。樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成され、樹脂ベース20の左側上部には略正方形状の配線用穴24が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。また、遊技盤30にも左側上部に配線用穴24aが形成され、樹脂ベース20の配線用穴24と重なり合っている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
【0062】
また、樹脂ベース20における配線用穴24の上方には、開放スイッチ25が取り付けられており、前面枠セット14が開放されたことを検出するようになっている。また、樹脂ベース20の右側上部には前方に向って一部が突出したアース金具26が設けられており、前面枠セット14が閉じられると、前面枠セット14の補強板132(図5参照)に接触し補強板132をアースする。
【0063】
次に、遊技盤30の構成を図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第一始動口34、第二始動口33、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0064】
なお、図38に示すように、第二始動口33の上方には変動誘導装置601が配設されている。変動誘導装置601は、第二始動口33に対して左右両側に支持された一対の羽根部612と、羽根部612を動作させることにより入口を開放及び閉鎖させるソレノイド等の駆動手段(図示しない)とから構成されている。つまり、駆動手段を制御して羽根部612の状態を切替えることにより、第二始動口33への入球が容易となる第一状態と、入球が困難となる第二状態とに切替えられるように構成されている。
【0065】
可変表示装置ユニット35には、第一図柄を変動表示する第一図柄表示装置41と、第二図柄を変動表示する第二図柄表示装置42とが設けられている。第一図柄表示装置41は、第一図柄用の表示部43と保留ランプ44とからなり、遊技球が第一始動口34を通過する毎に表示部43による表示図柄(第一図柄)を変動させる。遊技球が第一始動口34を通過する回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0066】
第二図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、表示制御装置45(図7参照)により表示内容が制御される。第二図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第二図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。遊技球が第二始動口33に入賞する毎に表示図柄(第二図柄)を変動させる。遊技球が第二始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、第二図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第二図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
【0067】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。
【0068】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成され内外二重に一体形成された内レール部51及び外レール取付部52を有するレールベースユニット50aと、外レール取付部52の内側面に取付けられ長尺状をなすステンレス製の外レール55とから構成されている。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして外レール取付部52が形成されている。かかる場合、内レール部51と外レール取付部52(外レール55)とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。また、外レール55は、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするために設けられている。
【0069】
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって制動されつつ跳ね返されるようになっている。
【0070】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。特に、ネジ等による締結の間隔は発射側の方が狭くなっており、遊技盤30に対して強固に締結することにより、遊技球の発射に対する強度を確保している。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
【0071】
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を直接貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
【0072】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0073】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。
【0074】
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0075】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0076】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0077】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第一始動口34は、該第一始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第二始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車、第一始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車、第一始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0078】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。特に、本例のパチンコ機10では、従来のものより遊技盤30が大型化していることから、レールユニット50の曲率に合うように、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の長さを長くしている。また、発射レール61は、横幅の広い断面略M字型に形成され、遊技球の発射を安定化させている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0079】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0080】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0081】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0082】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0083】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、左右方向に延びる開閉軸を下部側に有する開閉式のシャッタ68が取り付けられており、シャッタ68は、この開閉軸を軸心として前方に開放できるように支持されている。また、シャッタ68は、バネ等の弾性体によって閉鎖側に付勢されるとともに、弾性体の付勢力に抗して上部側を押圧することにより略水平状態となり、排出口67を開放する。つまり、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)では弾性体の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖し、遊技球の排出を阻止する。一方、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面から突出する球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられ、遊技球の排出が可能となる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0084】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0085】
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0086】
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0087】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0088】
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部、特に遊技盤30に直接貼られた証紙S1を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。なお、証紙S1を外部から読取装置で認識できるように、小窓107における透明樹脂の表面は平面形状になっている。
【0089】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0090】
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板132と補強板133とが電気的に絶縁され、導電体がループ状にならず、磁界によるノイズの発生を抑制している。図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0091】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
【0092】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
【0093】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0094】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0095】
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0096】
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0097】
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。特に、上側の支持金具81には、前方に開放された切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられているため、内枠12に対して前面枠セット14が垂直状態となるように開放した状態では、前面枠セット14を一旦持ち上げることにより突起軸84と支持金具152との係合状態が解かれ、さらにその状態から前面枠セット14を前方へ引き出すことにより支持孔83と支持金具153との係合状態が解かれる。すなわち、上記の操作により前面枠セット14を内枠12から取外すことができるように構成されている。
【0098】
ところで、内枠12には、図10に示すように、鍵により解錠操作される鍵ユニット27が設けられており、内枠12と前面枠セット14、及び前面枠セット14と外枠11とを互いに施錠できるようになっている。具体的には、図2に示すように、前面枠セット14の裏面右端には、後方に向って突出した鉤状の被係止部271が上下に並んで設けられており、前面枠セット14と内枠12とが重ねられると、各被係止部271は、内枠12の右端に形成された係止部貫通孔272に挿通するようになっている。これに対し、鍵ユニット27には被係止部271に夫々係止及び離脱する、第一鉤部材273及び第二鉤部材274と、内枠12の下部に設けられた鍵孔275から挿入される鍵の解錠操作(例えば反時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第一鉤部材273及び第二鉤部材274に伝達し、これらを前面枠セット14の被係止部271から離脱させる第一鍵解錠伝達機構276とが設けられている。
【0099】
一方、外枠11の内周右側面には、内方に向って突出した4角形状の被係止部(図示しない)が上下に並んで設けられている。これに対し鍵ユニット27には被係止部278に向って延出されるとともに被係止部278に夫々係止及び離脱する、第三鉤部材279及び第四鉤部材280と、前述とは異なる鍵の解錠操作(例えば時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第三鉤部材279及び第四鉤部材280に伝達し、これらを外枠11の被係止部278から離脱させる第二鍵解錠伝達機構281とが設けられている。つまり、鍵ユニット27には第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281が設けられているため、鍵を反時計方向に回転させると、前面枠セット14の右端が内枠12から分離可能となり、支持機構を軸心として前面枠セット14のみを開放させることが可能になる。さらに、鍵を時計方向に回転させると、支持金具282を軸心として内枠12を回動させることが可能になる。なお、第一鉤部材273と第二鉤部材274、及び第三鉤部材279と第四鉤部材280は、夫々第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281によって連結されているが、いずれか一方の鉤部材に対して不正な解錠操作があっても、解錠操作されていない他方の鉤部材に伝達されないように構成されている。つまり、鍵を用いずに、線材などによって一方の鉤部材に対して不正な解錠操作が行われると、その鉤部材は被係止部から離脱する可能性があるが、解錠操作されていない他方の鉤部材には伝達されないため、その鉤部材は被係止部に係止され続ける。すなわち、不正な解錠操作によって前面枠セット14または内枠12が開放されることを防止している。
【0100】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【0101】
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0102】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。なお、この他、内枠12には、「大当り信号」等の遊技状態に関する各種の信号を外部に出力するための外部中継端子盤230がネジや係止爪等の取付手段によって着脱可能に取り付けられている。ここで、係止爪による係止等の簡便な取付手段を採用すると、外部中継端子盤230の着脱が容易であり、メンテナンス等の作業を円滑に行うことができる。
【0103】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0104】
実際には、図8の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0105】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0106】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0107】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。特に、タンク355の近傍に位置する係止部M8は、タンク355に貯留される遊技球によって比較的大きな荷重が加わることから、ここでは、I型の係止片を回動して係止する構造といった、ナイラッチより強固な構造が用いられている。
【0108】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0109】
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0110】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
【0111】
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第二図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0112】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0113】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0114】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10の前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0115】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第二始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第一始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
【0116】
ここで、第二始動口33について、図38及び図39を基にさらに説明する。第二始動口33には、ケーシング602の入口部602aから入球された複数の遊技球を振分ける振分け手段603が設けられている。振分け手段603は、予め定められた期間に対して、所定個数に到達するまで間に入球した遊技球と、所定個数に到達してから入球した遊技球とを物理的な機構で振分けるものであり、停留手段604、放出手段605、停留状態切替手段606、第一排出路608、第二排出路609、及び遊技球検出手段610から構成されている。ここで、第二始動口33が本発明の始動手段に相当し、遊技球検出手段610が本発明の遊技媒体検出手段に相当する。なお、ケーシング602の前面は透明な部材によって塞がれており、ケーシング602の内部における遊技球の挙動が前方から視認可能になっている。
【0117】
停留手段604は、円弧状に湾曲した一対の停留片604a,604bからなり、ケーシング602の入口部602aから入球された遊技球を夫々一球ずつ停留させることを可能にしている。つまり、流下する二つの遊技球を受けとめ、一時的に保持させるものである。また、停留手段604は、放出手段605によって回動可能に支持されており、各停留片604a,604bの開放部分が下方を向くように上下反転させることが可能になっている。つまり、停留動作の終了後、放出手段605によって各停留片604a,604bを上下反転させ、各停留片604a,604bに停留されている遊技球を各停留片604a,604bから落下させることができる。なお、放出手段605は、小型のモータ等の回転駆動手段(図示しない)と、回転駆動手段の回転運動を各停留片604a,604bに夫々伝達する伝達機構とから構成され、遊技球を排出する場合には、回転軸oを中心として左側の停留片604aを反時計方向、右側の停留片604bを時計方向に回転させる。
【0118】
また、停留手段604及び放出手段605は、停留状態切替手段606によって前後方向(図39では左右方向)に変位可能な状態で支持されている。前方に変位させた場合、停留手段604は、流下通路602bに突出した状態(図39に示す状態)となり、流下する遊技球を停留させたり放出させたりすることが可能になる。一方、停留手段604を後方に変位させた場合には、流下通路602aへ突出しない状態すなわち没入した状態となり、流下する遊技球との接触が回避される。ここで、前方に変位した位置を停留位置と呼び、後方に変位した位置を非停留位置と呼ぶ。なお、停留状態切替手段606は、ソレノイド等の駆動手段(図示しない)と、停留手段604及び放出手段605を前後方向に案内するスライドガイド(図示しない)とから構成させている。
【0119】
第一排出路608は、停留手段604の上方に位置し、ケーシング602の背面から後方に延出されている。この第一排出路608は、停留手段604から溢れた遊技球、すなわち各停留片604a,604bに遊技球が停留された状態において入球し、停留させることができなくなった遊技球を排出させるものである。換言すれば、図38に二点鎖線で示すように、各停留片604a,604bに二つの遊技球が停留されている場合にのみ、二つの遊技球によって案内(二つの遊技球の上面に沿って後方に転動)するように構成されている。
【0120】
第二排出路609は、停留手段604の下方に位置し、ケーシング602の背面から後方に延出されている。この第二排出路609は、停留手段604に停留された遊技球が放出手段605によって放出された場合、または停留状態切替手段606によって停留手段604が非停留位置に変位している場合に流下する遊技球を排出させるものである。すなわち、第一排出路608から排出させることができなかった遊技球は全て第二排出路609から排出される。
【0121】
このように、停留手段604と第一排出路608及び第二排出路609とを備えたことにより、停留手段604を停留位置に変位させた後に入球される遊技球を、第一排出路608と第二排出路609とに振分けることができる。つまり、入球した遊技球が二個になるまでは、入球した遊技球を停留手段604によって停留させることにより、第二排出路609からの排出を可能にし、一方、入球した遊技球が三個以上になると、停留手段604に停留された遊技球を介して第一排出路608からの排出を可能にする。
【0122】
第一排出路608及び第二排出路609には、夫々遊技球検出手段610が備えられ、各排出路608,609において遊技球が通過するか否かを検出している。なお、ケーシング602の入口部602aには、入球の有無を検出する作動口スイッチ224が設けられているため、第一排出路608側にのみ遊技球検出手段610を配設するようにしても、第一排出路608及び第二排出路609に排出された遊技球を夫々検出することができる。つまり、作動口スイッチ224によって検出されたにも拘わらず、第一排出路608の遊技球検出手段610によって検出されない場合には第二排出路609から排出されたものとみなすことができるためである。
【0123】
ここで、作動口スイッチ224が本発明の始動検出手段、及び入球検出手段に相当する。
【0124】
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
【0125】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第二始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
【0126】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0127】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
【0128】
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0129】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。なお、遊技球分配部245は、裏パックユニット203に対して別部材として構成され、内枠12に直接固定されている。つまり、裏パックユニット203に対して不正行為があっても、遊技球分配部245の浮きあがり等が防止されるようになっている。
【0130】
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0131】
次に、第1制御基板ユニット201を図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0132】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0133】
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0134】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0135】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0136】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0137】
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0138】
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0139】
ところで、図8に示したように、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部が被覆されるようにして遊技盤30の裏面に取付けられている。具体的には、第1制御基板ユニット201の一部の締結部M2(ナイラッチ257)並びに第1制御基板ユニット201の夫々が、裏パックユニット203に被覆されている。よって、裏パックユニット203を取り外さなければ、全ての締結部M2を操作することができず、しかも、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に対して開閉することができないことから、第1制御基板ユニット201の裏側からの操作により、主制御装置261を取り外すことができない。従って、この構成からも、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。なお、裏パックユニット203に限らず、適宜のユニットを被覆するカバー等、第1制御基板ユニット201とは別途に遊技盤30に取り付けられる部材にて、第1制御基板ユニット201の少なくとも一部を被覆することとしても、同様の効果を期待できる。
【0140】
次に、第2制御基板ユニット202を、図17〜図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
【0141】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、台座プレート303、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0142】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0143】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0144】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0145】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0146】
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0147】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
【0148】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0149】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0150】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0151】
ここで、バイブレータ360は、ケーシングに振動モータ等の振動発生装置を内蔵したユニットとして形成されると共に、タンクレール356の側面に、子ネジを用いて取り付けられている。また、バイブレータ360は、上記ケーシング全体をタンクレールに356に密接させて取り付けてもよいが、本例では、細長状の取付脚を介してタンクレール356に取付けられている。これにより、ユニットとして形成されたバイブレータ360全体が良好に振動して、この振動がタンクレール356に円滑に伝達される。なお、上記取付脚は、タンクレール356の側面から一体的に突設されているが、バイブレータ360から一体的に突設されたものであってもよく、或は、タンクレール356及びバイブレータ360とは個別に形成されてタンクレール356とバイブレータ360との間に介在されるものであってもよい。
【0152】
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0153】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体367が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0154】
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0155】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0156】
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
【0157】
図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0158】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリヤの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0159】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図26参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0160】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ郡などが接続されている。
【0161】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0162】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0163】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0164】
かかるROM512及びRAM513を内臓したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0165】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0166】
表示制御装置45は、第二図柄表示装置42における第二図柄の変動表示と、第一図柄表示装置41における第一図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第一図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ626にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる第二図柄表示装置42が接続されている。
【0167】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第二図柄表示装置42及び第一図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0168】
ビデオRAM524は、第二図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第二図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第二図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第二図柄表示装置42に表示させるものである。
【0169】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては,電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0170】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
【0171】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0172】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503、513のデータがクリアされる。
【0173】
ところで、第二図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第二図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄は配されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
【0174】
かかる場合、左図柄列及び右図柄列においては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示され、中図柄列においては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に第二図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0175】
次に上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0176】
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第二図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第二図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第二図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第二図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第二図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
【0177】
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第二始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0178】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
【0179】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第二図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第二図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0180】
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の状態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、第二図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0181】
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成になっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
【0182】
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0183】
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第二図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第二図柄、中列第二図柄、右列第二図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第二図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
【0184】
本実施の形態では、CPU501に内臓のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
【0185】
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0186】
また図示は省略するが、第一図柄表示装置41の抽選には第一図柄乱数カウンタC4が用いられる。第一図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第一図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第一始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
【0187】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御装置を図26〜図33のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0188】
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0189】
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0190】
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINI更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。または、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0191】
その後、ステップS604では、第二始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第二始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第二始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満である否かを判別する。第二始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
【0192】
また、続くステップS704では、第二図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
【0193】
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0194】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S2が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
【0195】
図33のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
【0196】
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0197】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。その内容は図33で説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
【0198】
また、図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0199】
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0200】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0201】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0202】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0203】
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0204】
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第二図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
【0205】
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
【0206】
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図28に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
【0207】
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
【0208】
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当り図柄の組み合わせである場合、ステップS307〜ステップS312の処理をスキップして本処理を終了する。一方、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっていない場合には、ステップS307の処理に移行する。
【0209】
ステップS307では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS308では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS310に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
【0210】
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS311では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS312に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS307,S311が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
【0211】
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示を行うための第二図柄変動処理を実行する。この第二図柄変動処理により、大当たり判定や第二図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第二図柄変動処理の詳細は後述する。
【0212】
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判断する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
【0213】
また、ステップS207では、第一図柄表示装置41による第一図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第一始動口34を通過したことを条件に、その都度の第一図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第一図柄表示装置41の表示部43にて第一図柄の変動表示が実施される。そして、第一図柄乱数カウンタC4の値により第一図柄の抽選が実施され、第一図柄の当たり状態になると第二始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第一図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込み処理にて更新されるようになっている。
【0214】
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0215】
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前期ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0216】
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
【0217】
次に、前記ステップS205の第二図柄制御処理を図29のフローチャートを参照して説明する。
【0218】
図29において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第二図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第二図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
【0219】
また、大当たり中、第二図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0220】
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661,」が当たり値である。
【0221】
大当たりであると判別された場合,ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
【0222】
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。なお、言うまでもないが、第1変動種別カウンタCS1または第2変動種別カウンタCS2のいずれか一方のみの値に基づいて図柄変動態様を決定するようにしてもよい。
【0223】
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
【0224】
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各種を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
【0225】
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
【0226】
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動態様を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
【0227】
図29の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第二図柄の変動表時中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第二図柄の変動パターンに応じて当該第二図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
【0228】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0229】
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みペクタの設定を行う。
【0230】
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0231】
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0232】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0233】
次に、払出制御処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。
【0234】
図35において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
【0235】
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を解除する。
【0236】
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
【0237】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図36)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
【0238】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図37)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
【0239】
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブレータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
【0240】
図36に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0241】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、賞球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0242】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0243】
図37に示す貸球制御装置において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0244】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、貸球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技機のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0245】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0246】
ところで、本実施形態では、第二始動口33を注目させるとともに、抽選の期待感にメリハリを生じさせるため、プログラム等によって実現された以下の機能的構成を備えている。図40に示すブロック図に基づいて詳細に説明する。
【0247】
この構成を大別すると、▲1▼第一始動口34(図4参照)への入球に基づく第一抽選機能、▲2▼第二始動口33への入球に基づく第二抽選機能、及び▲3▼第二抽選における有利性を切替える有利性切替機能となり、これらの各機能が互いに関連付けられている。
【0248】
まず、第一抽選機能としては、第一始動口34に備えられたゲートスイッチ225によって遊技球が検出されると抽選を行う第一抽選手段614と、第一抽選手段614の抽選結果が「当選状態」になると、変動誘導装置601を、所定時間の間、第二状態(閉鎖状態)から第一状態(開放状態)に切替え第二始動口33に入球しやすい状態とする切替制御手段615とを備えている。特に、切替制御手段615は、後述する大当たり状態発生手段624によって「大当たり状態」となっているとき、または大当たり状態を発生する確率が通常よりも高確率に設定されているとき(所謂、確率変動状態)、変動誘導装置601を所定の間隔で複数回繰返し切替えることにより、大当たりの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにしている(所謂、時間短縮状態)。具体的には第一状態を1.6秒間継続させる開放動作を、3.1秒間隔で三回行う。そして、この際、第二始動口33の内部に設けられた停留機構617(停留手段604及び停留状態切替手段606等から構成)を停留状態切替手段616によって制御するとともに、放出手段605を放出制御手段618によって制御する。具体的には、開放状態への切替えと同期して、停留手段604を停留位置に移動させ、第二始動口33に入球した遊技球を停留可能とする。つまり、二個の遊技球を停留させることにより、三個目の遊技球を第一排出路608に排出させることを可能にする。また、変動誘導装置601を開放状態から閉鎖状態に切替えることに同期して、放出手段605を作動させ停留された遊技球を放出させる。すなわち、遊技球を第二排出路609から排出させるとともに、停留手段604を空の状態にする。なお、変動誘導装置601における三回の開閉動作が終了した場合には、停留手段604を非停留位置に移動させ、流下する遊技球と停留手段604とが接触することを回避する。
【0249】
第二抽選機能としては、第二始動口33の入口部602aに設けられた作動口スイッチ224によって遊技球が検出されると抽選を行う第二抽選手段620と、第二図柄表示装置42における図柄列を変動させるとともに、第二抽選手段620の抽選結果に応じた図柄で停止させる図柄変動手段623とを備えている。なお、第二抽選手段620における抽選処理、及び第二図柄表示装置42における図柄変動処理については前述したため、ここでは詳細な説明を省略するが、第二抽選手段620には、確率変更手段621及び当選状態選択手段622が備えられている。確率変更手段621は、通常の遊技状態のとき(すなわち確率変動状態でないとき)に作動可能となり、後述する有利性切替手段630の出力を基に「大当たり状態」が発生する確率を通常よりも高確率(例えば1/60)にするものである。すなわち「確率変動状態」に変更させるものである。
【0250】
また、当選状態選択手段622は、確率変動状態または時間短縮状態のときに作動可能となり、有利性切替手段630の出力を基に「当選の状態」を特定する。詳しく説明すると、本実施形態の「大当たり状態」には、「単発大当たり」(第一の当選状態)と、これよりもさらに遊技者に有利な「連続大当たり」(第二の当選状態)との二種類が用意されている。「単発大当たり」は、上記の「大当たり状態」の終了後、通常の遊技状態に復帰させるものである。これに対し「連続大当たり」は、上記の「大当たり状態」の終了後に、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な態様(確率変動状態)を付与するものである。そして、通常の抽選では、「連続大当たり」となるか「単発大当たり」となるかは、第二抽選手段620の抽選によって決定されるが、当選状態選択手段622によれば、抽選状態が「連続大当たり」に特定される。すなわち、第二抽選手段620において「大当たり状態」となる場合には、必ず「連続大当たり」になるように設定される。ここで、第二抽選手段620が本発明の抽選手段に相当する。
【0251】
一方、有利性切替機能としては、遊技球検出手段610の検出結果に応じて、入球に関する入球状況を検出する状況検出手段628と、状況検出手段628によって検出される入球状況が所定の条件を満たすと、第二抽選手段620における抽選の有利性を有利な状態に切替える有利性切替手段630とを備えている。つまり、有利性切替手段630は、前述した確率変更手段621または当選状態選択手段622のいずれかを作動させることにより、遊技者にとって有利な状態に切替えるものである。なお、「所定の条件」とは特に限定されるものではないが、本例では、「通常の状態」と「確率変動状態」とで異なるように設定されている。つまり、通常の状態では、第一抽選手段614の抽選結果によって変動誘導装置601が開放された際に、第二排出路609に設けられた遊技球検出手段610によって遊技球が検出されることが条件となる。なお、この場合の変動誘導装置601の開放は1回限りであり、開放時間も極めて短くなるように設定されている。一方、確率変動状態では、個数検出手段629が機能し、第一抽選手段614の抽選結果によって変動誘導装置601が開放された際に、第一排出路608に設けられた遊技球検出手段610によって遊技球が検出されること、すなわち、繰返し三回行われる開放動作のいずれかにおいて、三個以上の入球が検出されることが条件となる。
【0252】
なお、状況検出手段628には、示唆手段611が接続されており、有利性切替手段630によって有利性が切替え可能であるか否かを示唆するようにしている。このため、「通常の状態」では、示唆が行われているときに遊技球を第二始動口33に入球させると有利性が切替えられ、一方「確率変動状態」では、示唆が行われているときに、第二始動口33に三個以上の遊技球を入球させると遊技性が切替えられる。なお、示唆手段611としては、音声やメロディー等、聴覚的に認識させるものを採用してもよいが、本例では、一つまたは複数の発光ダイオードを、変動誘導装置601における一対の羽根部612の間に設け、有利性の切替えが可能なチャンス時と、有利性が切替わることのない通常時とを、発光態様の変化によって示唆している。この場合、発光ダイオードの配設位置が第二始動口33の近傍であることから、遊技者は、視点の位置を変えることなく、発光状態を確認することができる。
【0253】
続いて、パチンコ機10において行われる当選状態選択処理及び当選確率変更処理の流れを図41及び図42に示すフローチャートに基づいて説明する。確率変動状態のときに行われる当選状態選択処理として、まずステップT1では、変動誘導装置601の開放条件が成立しているか否かを判定する。そして開放条件が成立する場合、すなわち「確率変動状態」であり、且つ第一抽選手段614において「当選」となり、しかも変動誘導装置601を開放させるタイミングである場合には、ステップT2及びステップT3の処理へ移行し、変動誘導装置601を第一状態に切替えるとともに、停留手段604を停留位置に移動させる。これにより、第二始動口33に遊技球が入球し易くなるとともに、第二始動口33に入球した遊技球を停留させることが可能になる。その後、ステップT4の処理に移行する。なお、ステップT1において開放条件が成立しない場合にもステップT4の処理に移行する。
【0254】
ステップT4では、変動誘導装置601の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。そして閉鎖条件が成立する場合、すなわち「確率変動状態」であり、且つ第一抽選手段614において「当選」となり、しかも変動誘導装置601を閉鎖させるタイミングである場合には、ステップT5及びステップT6の処理へ移行し、変動誘導装置601を第二状態に切替えるとともに、停留手段604を反転させる。これにより、遊技球は入球し難くなるとともに、停留された遊技球が停留手段604から放出され第二排出路609へ案内される。その後ステップT7の処理に移行する。なお、ステップT4において閉鎖条件が成立しない場合にもステップT7の処理に移行する。
【0255】
ステップT7では、所定個数(三個)以上の遊技球が検出されたか否か、すなわち第一排出路608に配設された遊技球検出手段610によって遊技球が検出されたか否かを判定する。三個以上の遊技球が検出された場合には、ステップT8に移行し、当選状態を「連続大当たり」に特定する。これにより、第二抽選手段620において「大当たり状態」となる場合には「連続大当たり」になることが決定される。その後、ステップT9の処理に移行する。なお、ステップT7において所定個数以上の遊技球でない場合にもステップT9の処理に移行する。
【0256】
ステップT9では、変動誘導装置601の開閉終了条件が成立しているか否かを判定する。そして、開閉終了条件が成立している場合、すなわち変動誘導装置601の開閉を三回繰返し行った場合には、ステップT10の処理に移行し、停留手段604を非保留位置に移動させる。これにより、遊技球が停留されなくなり、第二始動口33に入球した遊技球は全て第二排出路609から排出されるようになる。
【0257】
次に、通常の遊技状態において行われる当選確率変更処理として、まずステップE1では、変動誘導装置601の開放条件が成立しているか否かを判定する。そして開放条件が成立する場合、すなわち「通常状態」であり、且つ第一抽選手段614において「当選」となった場合には、ステップE2の処理へ移行し、変動誘導装置601を第一状態に切替える。これにより、第二始動口33に遊技球が入球し易くなる。その後、ステップE3の処理に移行する。
【0258】
ステップE3では、遊技球が検出されたか否かを判定する。そして、遊技球が検出された場合には、第二抽選手段620における当選の確率を通常よりも高確率として抽選を行う。これにより、「大当たり状態」が発生し易くなる。その後、ステップE5の処理に移行する。なお、ステップE1において開放条件が成立しない場合、またはステップE3において遊技球が検出されない場合もステップE5の処理に移行する。
【0259】
ステップE5では、変動誘導装置601の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。そして閉鎖条件が成立する場合、すなわち「通常状態」であり、且つ第一抽選手段614において「当選」となってから所定時間が経過した場合には、ステップE6の処理へ移行し、変動誘導装置601を第二状態に切替える。これにより、遊技球が第二始動口33に入球し難くなるとともに、入球しても有利性の切替えが行われなくなる。
【0260】
なお、ステップE3では、変動誘導装置601が第一状態に切替えられた際、常に遊技球が検出されたか否かを判定し、検出された場合には、当選の確率を高確率に変更するようにしたが、第一状態の継続時間が比較的長い場合には、遊技球の検出を一定の短時間に制限し、その間に検出された場合にのみ高確率に変更させるようにしてもよい。
【0261】
このように、上記のパチンコ機10では、遊技球の入球状況と第二抽選手段620における抽選の有利性とが関連付けられることから、遊技者は第二始動口33にも注目するようになり、入球の仕方と抽選結果とを関連させて楽しむようになる。したがって、視覚的な興趣を得ることができるとともに、趣向性の高い遊技を楽しむことができる。また、抽選が電子的に行われる場合であっても、当選の有利性は一定にはならず、期待感の変化を楽しませることができる。さらに、第二始動口33への入球によって有利性が切替えられることから、第二始動口33に入球することに対して喜びが高められ、第二始動口33への興味を向上させることができる。
【0262】
また、上記のパチンコ機10では、変動誘導装置601によって、第二始動口33への入球のし易さが変化することから、遊技球の入球の仕方と変動誘導装置601の状態とを関連づけて第二始動口33を注目するようになる。このため、視覚的な興趣を高め、抽選の楽しさを一層向上させることができる。特に、変動誘導装置601が第一状態のとき、すなわち第二始動口33に対して遊技球の入球が容易となったときに、抽選における有利性を切替えることが可能になる。このため遊技者は、変動誘導装置601の状態を認識することにより、有利性が切替わる可能性があるか否かを認識することができる。また、変動誘導装置601における第一状態と第二状態とが一層差別化されるため、第二始動口33に入球することに対してメリハリをつけることができ、遊技の単調さを防止することができる。
【0263】
上記のパチンコ機10によると、確率変動状態では変動誘導装置601の開放動作中、遊技球が第二始動口33に所定個数以上入球すると、当選状態を連続大当たり状態に特定する。また、通常の遊技状態では変動誘導装置601の開放動作中、遊技球が第二始動口33に入球すると、「大当たり状態」となる確率を通常よりも高確率となるように変更する。このため、遊技者は、この期間内に一球でも多くの遊技球が入球することを強く願うようになる。すなわち、遊技者の集中力を高めるとともに、「遊技球を入球させたい」という意欲をさらに向上させることができる。
【0264】
また、第二始動口33に入球した複数の遊技球は、物理的な機構の振分け手段603によって振分けられる。このため、振分け手段603の作動を遊技者に認識させることができ、所定個数に到達するか否かを容易に把握させることができる。特に、振分け手段603には停留手段604が備えられているため、第二始動口33を大型化することなく振分けることができ、しかも入球した遊技球が所定個数に到達するまでの達成度を容易に認識させることができる。
【0265】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0266】
すなわち、上記実施形態のパチンコ機10では、有利性切替手段630によって第二抽選手段620の抽選における有利性を有利な状態に切替えるもの、具体的には、確率変動中は当選状態を「連続大当たり」に特定し、通常の遊技中は「大当たり状態」となる確率を高確率に変更するものを示したが、連続大当たりになる確率を変更するなど、有利性の内容は特に限定されるものではない。例えば、上記に示す二つの切替のうち、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。また、上記の場合とは逆に不利な状態に切替えるようにしてもよい。さらに、有利な状態に切替える場合と不利な状態に切替える場合とを組合せ、入球状況に応じていずれか一方を選択するように構成してもよい。
【0267】
上記実施形態のパチンコ機10では、入球する遊技球のタイミングや入球個数に対して、有利性を切替えるための条件を設定するものを示したが、それ以外の状況、例えば、遊技球が入球する際の速度、または入球する方向等に対して、条件を設定するようにしてもよい。
【0268】
上記実施形態のパチンコ機10では、変動誘導装置601を備え、変動誘導装置601が開放状態(第一状態)のときに、有利性の切替えを可能にするものを示したが、変動誘導装置601の閉鎖状態(第二状態)のときに、有利性の切替えを可能にするように構成してもよい。また、三回の開閉動作のうち、所定の切替回数(例えば二回目)における開放動作時にのみ、有利性の切替えを可能にするようにしてもよい。さらに、変動誘導装置601の開閉状態と関連しない所定の期間に限り切替えを可能にするようにしてもよい。ただし、本例のように、変動誘導装置601の開放状態に連動させるようにすれば、有利性を切替えるための条件、すなわち「三個以上の遊技球を入球させること」という条件を満足させ易くなるため、変動誘導装置601の作動自体が遊技者に受け入れられ、変動誘導装置601への注目を高めることが可能になる。
【0269】
上記実施形態のパチンコ機10では、第二始動口33の内部に第一排出路608及び第二排出路609を備え、三個以上の遊技球を第一排出路608に排出するものを示したが、排出路を第二排出路609のみとし、停留手段604が停留位置に配置されている状態のときに、第二排出路609に備えた遊技球検出手段610によって遊技球が検出された場合、すなわち停留手段604から溢れ落ちた遊技球が第二排出路609に排出された場合を、三個以上の遊技球であると判定するようにしてもよい。これによれば、振分け手段603の構成が簡略化されるため、第二始動口33を一層小型化できるとともに、コストを低減することができる。
【0270】
上記実施形態のパチンコ機10では、遊技球を停留させない状態を発生させることができるように、停留状態切替手段606によって停留手段604を非停留位置に変位させるものを示したが、放出手段605によって停留手段604の各停留片604a,604bを90度回動させるようにしても、遊技球を停留させない状態をつくることができる。このようにすれば、停留状態切替手段606が不要となり、第二始動口33の構成を簡略化することができる。
【0271】
さらに、上記実施形態では、遊技機として、パチンコ機10を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーン、アレパチ、アレンジボール等であっても本発明を適用することができる。
【0272】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、遊技媒体の入球状況と抽選における有利性とが関連付けられることから、遊技者は始動手段にも注目するようになり、入球の仕方と抽選結果とを関連させて楽しむことができる。したがって、視覚的な興趣を得ることができるとともに、趣向性の高い遊技を楽しむことができる。また、抽選が電子的に行われる場合であっても、当選の有利性は一定にはならず、期待感の変化を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前面枠セットの構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図8】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図9】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図10】内枠の背面構成を示す斜視図である。
【図11】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図12】支持金具の構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図14】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図16】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図18】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図19】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図20】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図21】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図22】タンクレールの分解斜視図である。
【図23】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図24】第二図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図25】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図26】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図27】通常処理を示すフローチャートである。
【図28】外れ図柄カウンタの更新処理を示すフローチャートである。
【図29】第二図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図30】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図31】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図32】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図33】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図34】払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図35】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図36】賞球制御処理を示すフローチャートである。
【図37】貸球制御処理を示すフローチャートである。
【図38】変動誘導装置及び第二始動口の構成を示す正面図である。
【図39】変動誘導装置及び第二始動口の構成を示す縦断面図である。
【図40】主要部の機能的構成を示すブロック図である。
【図41】当選状態選択処理を示すフローチャートである。
【図42】当選確率変更処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
33 第二始動口(始動手段)
224 作動口スイッチ(始動検出手段,入球検出手段)
601 変動誘導装置
603 振分け手段
604 停留手段
605 放出手段
606 停留状態切替手段
608 第一排出路
609 第二排出路
610 遊技球検出手段(遊技媒体検出手段)
611 示唆手段
615 切替制御手段
620 第二抽選手段(抽選手段)
621 確率変更手段
622 当選状態選択手段
628 状況検出手段
629 個数検出手段
630 有利性切替手段

Claims (1)

  1. 始動手段への遊技媒体の入球を検出する始動検出手段と、
    該始動検出手段によって検出された前記遊技媒体の入球に基づいて所定の遊技結果を抽選する抽選手段と、
    前記始動手段に入球した遊技媒体に関する入球状況を検出する状況検出手段と、
    該状況検出手段によって検出される前記入球状況に基づいて前記抽選手段における抽選の有利性を切替える有利性切替手段と
    を具備することを特徴とする遊技機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5998372B1 (ja) * 2015-06-12 2016-09-28 株式会社サンセイアールアンドディ 遊技機

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