JP2004329234A - 遊技機 - Google Patents

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Masachika Kato
正親 加藤
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Sanyo Bussan Co Ltd
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Abstract

【課題】限られた遊技領域であっても、その有効利用を図ることにより、遊技球の挙動や遊技機本来の楽しさを確保し、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機600は、遊技盤601の盤面上に誘導レール611を配設し、遊技領域602を流下する遊技球を下方に誘導し、その後、遊技領域602の上流側に向って放出させる。誘導レール611は、発射レール61の反対側の遊技領域602に配置され、遊技盤601の中央の転動部609に向って遊技球を放出させることを可能にする。特に、転動部609は遊技盤601の盤面よりも奥側に配設されているため、その部分に遊技球を直接到達させることができるように、誘導レール611の先端には捩じれ部630が形成されている。
【選択図】 図38

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技球と障害部材(釘等)とによる物理的な興趣の他に、新たな興趣を提供する目的で、表示装置や大型の役物を遊技盤に設けたものが知られている。例えば、パチンコ機では、遊技領域の中央に表示装置を配置するとともに右側上部に大型の役物を配置したものがある。また、遊技領域における表示装置の下方に始動口等の始動手段を備え、遊技球が始動手段に入球することにより抽選が行われるパチンコ機も知られている。これによれば、抽選結果に基づいて、有利者に有利な有利遊技状態(例えば「大当たり状態」が発生させられる。
【0003】
出願人は、本願出願時において、以上の従来技術が記載されている文献として、以下のものを知見している。
【特許文献】
特開2000−140284
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表示装置や役物等によって新たな興趣を提供することが可能になった反面、これらを設けたスペースには障害部材を設けることが困難となり、障害部材によって遊技球の挙動を楽しませたり遊技球を誘導したりすることが困難となっていた。この結果、興趣を与えることが可能な領域が少なくなり、例えば、「所定の箇所を狙い打つ」といった、パチンコの醍醐味が阻害されることが懸念されていた。また、遊技球がアウト口に到達していなくても、遊技球が所定の領域に流下した場合には、その時点でアウト口に流れることが概ね決定されるため、その遊技球に対する期待感を、最後まで維持させることができなかった。例えば、始動手段への入球に基づいて抽選を行う遊技機では、始動手段よりも下方に遊技球が流下した場合には、抽選への期待感がその時点で消滅するため、その後、アウト口に到達するまでの間の遊技球は、意味のないものとなってしまう。すなわち、遊技球の挙動を楽しませることができなかった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、限られた遊技領域であっても、その有効利用を図ることにより、遊技球の挙動や遊技機本来の楽しさを確保し、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用等についても説明する。
【0007】
手段1:遊技盤の盤面上に配設され、遊技領域を流下する遊技球を下方に誘導し、且つ該遊技球を前記遊技領域の上流側に向って放出させる誘導部材を備えることを特徴とする遊技機。
【0008】
ここで、「誘導部材」が配設される位置は、遊技盤の盤面上であれば特に限定されるものではない。また、誘導部材では、誘導させる遊技球の挙動を、視覚的に認識させるようにしてもよく、認識させないようにしてもよい。視覚的に認識させる場合には、遊技球の挙動を楽しませることができ、一方、認識させない場合には、誘導部材の先端から放出される遊技球に対して期待感を膨らませることができる。さらに、「下方」とは、鉛直下方に限定されるものではなく、斜め下向きの場合も含まれる。すなわち、重力によって転動可能となる状態であれば、傾斜角度は特に限定されない。また、「遊技領域の上流側」とは、遊技球の流下方向に抗する方向であり、鉛直上方のみだけではなく、斜め上方、及び水平方向も含まれる。
【0009】
手段1の構成によると、遊技領域を流下する遊技球が誘導部材に到達すると、その遊技球は、誘導部材によって下方に誘導される。これにより、遊技球の位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、遊技球の勢いが増す。そして、勢いの増した遊技球は、誘導部材に沿って転動方向が変更され、誘導部材の先端から遊技領域の上流側に向って放出させられる。つまり、誘導部材が、所謂ジャンプ台として機能し所定の遊技領域に向って飛び出させること、ひいては、所定の遊技領域から遊技球の流下を再開させることが可能になる。したがって、遊技性を損なうことなく、遊技領域を広く利用させることが可能になり、例えば、所定の箇所を狙い打つといった、遊技機本来の楽しさを確保することが可能になる。
【0010】
手段2:手段1の構成において、前記誘導部材の近傍の前記遊技領域に、役物または装飾物として機能する大型の構造物が配設されていることを特徴とする遊技機。
【0011】
ここで、「役物」としては、遊技球の勢いや流下方向を変化させる風車状の役物、遊技球に所定の挙動を行わせる転動手段、始動口等への入賞を容易な状態に切替えることが可能な入賞誘導手段、及び遊技球を一時的に停留させる停留手段等を例示することができる。また、「装飾物」は、視覚的な面白みを高めるために備えられる部材であり、キャラクター等の形状を呈したもの、発光部を有し遊技状況に応じて発光させるもの、及び入賞口を兼ねるもの等を例示することができる。
【0012】
ところで、遊技領域の上部に、役物等、大型の構造物が配設されている遊技機では、一般に、役物の上方すなわち遊技領域の周縁に沿って通路が形成されているが、ここに到達した遊技球は、全てアウト口に向って流出する。つまり、大型の構造物を配設したことにより通路が制限されることから、左右他側部に遊技球が流下した場合には、その時点で期待感が失われ、最後まで遊技の挙動を楽しませることはできなかった。また、遊技領域が極めて狭くなることから、その領域において興趣を高めることができなかった。
【0013】
ところが、手段2の構成によると、大型の構造物が配設された遊技機でも、本発明の構成を採用すれば、例えば、構造物の付近を通って流下した遊技球を、中央側に放出させることができる。したがって、遊技球の期待感を最後まで持ち続けることが可能になる。つまり、遊技球の状態が復帰させられ、遊技球の挙動に対する興趣を継続させることができる。
【0014】
手段3:手段2の構成において、前記遊技球を発射させる発射装置と、前記遊技盤の左右一側部に配設され、前記発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域に誘導する発射レールとをさらに備え、前記誘導部材は、前記発射レールに相対する前記遊技盤の左右他側部に配置され、該遊技盤の中央側に向って遊技球を放出させることを特徴とする遊技機。
【0015】
ところで、発射レールを遊技盤の左右一側部(例えば左側)に配設した場合、発射レールから離れた遊技盤の左右他側部(例えば右側)では、遊技球の到達位置が予測し難く、しかも調整も困難なことから、遊技者は、通常この遊技領域に遊技球を流下させないように発射装置の勢いを弱めに調整していた。つまり、左右他側部の領域はほとんど利用されていなかった。
【0016】
ところが、手段3の構成によると、遊技盤の左右他側部側、すなわち発射レールから離れた位置に役物等の構造物を配置したことにより、この領域が有効に活用され、遊技者に興味を持たせることができる。しかも、その領域に誘導部材を配置したことにより、遊技盤の左右他側部から中央側に向って遊技球を誘導させることができる。つまり、遊技球を上流側の遊技領域に復活させることが可能になる。このため、遊技盤の左右他側部側に遊技球が流下した場合でも、期待感を失わせることなく、最後まで挙動を楽しませることができる。すなわち、左右他側部側の領域の利用が一層促進され、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【0017】
手段4:手段3の構成において、前記構造物は、前記発射レールの出口と前記誘導部材の入口との間に配置され、前記遊技領域の遊技球を投入させることが可能な入球口、前記誘導部材の近傍に形成された排出口、及び前記構造物を迂回して前記入球口と前記排出口とを繋ぐ連通路を有する連絡通路をさらに備えることを特徴とする遊技機。
【0018】
ここで、連通路を形成する場所は特に限定されないが、遊技盤の裏側に形成するようにすれば、遊技領域を狭めることなく連通路を形成することが可能になる。
【0019】
手段4の構成によると、遊技球が連絡通路の入球口から投入されると、連通路を通って排出口から排出される。つまり、構造物を迂回して誘導部材の近傍に到達させることができる。このため、発射レールの出口と誘導部材の入口との間に大型の構造物が配設されているにも拘わらず、構造物によって阻害されることがなくなる。換言すれば、構造物を大型化することが可能になる。
【0020】
手段5:手段4の構成において、互いに独立した前記連絡通路を少なくとも二組備えることを特徴とする遊技機。
【0021】
手段5の構成によると、入球口及び排出口が少なくとも二個ずつ形成され、これらは独立した連通路によって夫々繋がれている。このため、遊技球を投入させる入球口に応じて排出される位置が異なるようになる。つまり、入球口に応じて誘導部材に対する有利性が異なるとともに、誘導部材における挙動を変化させることができる。また、いずれの入球口に入球させるかは、遊技者の遊技に応じて決定されるため、遊技者は、入球口への投入のし易さと排出口の有利性とを考慮して遊技を行うことになる。つまり、いずれの入球口を狙うかの駆け引きによって、遊技の面白さを助長させることが可能になる。
【0022】
手段6:手段5の構成において、一方の前記連絡通路における排出口が他方の前記連絡通路における排出口よりも下流側に配置されていることを特徴とする遊技機。
【0023】
手段6の構成によると、一方の排出口が他方の排出口よりも下流側、すなわち下方に配置されているため、誘導部材の先端から放出される遊技球の勢いは、排出される排出口の位置によって互いに異なるようになる。すなわち、上流側の排出口から排出された遊技球は、下流側の排出口から排出された遊技球よりも位置エネルギーが大きいことから、誘導部材の先端において大きな運動エネルギーを有することになる。このため、遊技球の放出速度及び飛距離が互いに異なるようになる。そこで、誘導部材の先端からの距離に応じて、遊技領域の有利性を異ならせるようにすれば、排出口の位置に応じて有利性が異なるようになる。つまり、放出される遊技球の有利性を容易に変化させることが可能になる。
【0024】
手段7:手段1から手段6のいずれか一つの構成において、前記誘導部材は、下方への誘導から上方への誘導へと誘導方向が変化する略J字形のJ形レールからなり、該J形レールの変曲点付近に、遊技球を排出可能な大きさの開部を形成したことを特徴とする遊技機。
【0025】
ここで、「開部」は、J形レールに穿設された貫通孔、または切り欠かれた溝部であってもよく、或いはJ形レールを二つの部材から構成するとともに、これらの部材を互いに離間して配置することにより形成される隙間であってもよい。換言すれば、「J形レール」は、全体としてJ字形の形状を呈していればよく、一体的に構成されていても、複数の部材から構成されていても構わない。
【0026】
手段7の構成によると、J形レールに沿って遊技球が誘導されるため、遊技球を滑らかに転動させることができ、上方(斜め上方を含む)に向って勢いよく放出させることが可能になる。また、他の遊技球への衝突等に起因する、勢いの低下により、放出されなくなった遊技球は、J形レールの先端側から下方に向かって逆向きに誘導され、変曲点付近に形成された開部から排出される。このため、J形レールの誘導面に遊技球が停留されること、すなわち球詰まりが発生することを防止できる。
【0027】
手段8:手段1から手段7のいずれか一つの構成において、前記誘導部材から放出される遊技球の放出先に、遊技者にとって有利となる有利遊技領域が形成されていることを特徴とする遊技機。
【0028】
手段8の構成によると、誘導部材から放出される遊技球の放出先に有利遊技領域が形成されているため、遊技者は、誘導部材によって誘導されることを強く願うようになる。すなわち、誘導部材の入口を積極的に狙うようになる。このため、今まで軽視されていた領域を注目させることが可能になり、趣向性を一層向上させることができる。
【0029】
手段9:手段8の構成において、前記遊技球の入球が可能な始動手段と、該始動手段への遊技球の入球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段によって検出された前記遊技球の入球に基づいて所定の遊技結果を抽選する抽選手段とをさらに備え、前記有利遊技領域には前記始動手段が含まれ、且つ前記誘導部材の先端が前記始動手段の入球口よりも下方に位置していることを特徴とする遊技機。
【0030】
ここで、「始動手段」は、入賞可能な始動口であってもよく、入球可能なスルーゲートであってもよい。また、始動手段の一部(例えば上端)には、遊技球を入球させるための入球口が形成されている。
【0031】
手段9の構成によると、誘導部材から放出された遊技球が有利遊技領域に到達すると、始動手段に入球させることが可能になる。特に始動手段の下方にある誘導部材の先端から上方に向って遊技球が放出されることにより入球が可能になる。つまり、始動手段の下方に流下した遊技球を、再び始動手段に入球させることが可能になる。始動手段に入球したことが始動検出手段によって検出されると、抽選手段によって抽選が行われる。そして、誘導部材の誘導によって抽選の可能性が発生することから、遊技者は、抽選結果を期待するようになる。つまり、従来の遊技機では、始動手段の下方に遊技球が流下することにより抽選への期待感が消滅したが、本発明によると、誘導部材によって誘導されることにより、抽選への期待感を復帰させることができる。特に、抽選手段による抽選が遊技の中で最も注目されるものである場合には、その付近に遊技球を戻すことにより、遊技球の復活を強く印象付け、復活による喜びを意識させることができる。
【0032】
手段10:手段8または手段9の構成において、前記有利遊技領域には、前記遊技球を所定方向に転動させることが可能な転動部が含まれていることを特徴とする遊技機。
【0033】
ここで、「転動部」とは、遊技球を例えば左右方向に転動されるものであり、ステージとも呼ばれている。なお、表示装置を備える場合には、表示装置の周囲に枠部材を設け、表示装置の下方に位置する枠部材の一部に転動部を形成するようにしてもよい。
【0034】
手段10の構成によると、放出させた遊技球を転動部で転動させ、その転動による演出を楽しませると共に必要に応じて遊技球を誘導することが可能になる。すなわち、誘導部材によって誘導された遊技球を、その後、転動部で転動させることにより、一連の挙動を注目させ、演出効果を向上させることができる。
【0035】
手段11:手段10の構成において、前記転動部の下方に、該転動部から排出される遊技球を入球させることが可能な始動手段をさらに備えることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段11の構成によると、転動部の下方に始動口等の始動手段を配設しているため、転動部によって振り分けられる遊技球の排出方向に対しても注目させることができ、挙動の興趣を一層向上させることができる。
【0037】
手段12:手段10または手段11の構成において、前記転動部は、前記盤面よりも奥側に配置され、前記誘導部材の先端には、該誘導部材の捩じれにより、遊技球の放出方向を、前記盤面上から該盤面奥側に向って変化させる捩じれ部が形成されていることを特徴とする遊技機。
【0038】
ところで、転動部が盤面上に形成されていると、誘導部材の先端から転動部の上面に対して遊技球を放出させることができなくなる。これは、転動部が誘導部材の先端よりも上方に配設され、しかも盤面上に遊技球の通路が形成されているためである。つまり、盤面に沿って遊技球を放出すると、転動部の下面に衝突するからである。このため、転動部を盤面よりも奥側に配置し、転動部の前方に通路を確保することが好ましい。しかしながら、このような構成を採用しても、誘導部材から放出される遊技球は、盤面に沿って放出されるため、盤面よりも奥側の転動部に遊技球を載せることは困難である。なお、転動部の周囲に釘等の跳ね返し部材を植設し、放出された遊技球の方向を跳ね返し部材に衝突させることよって変化させることも考えられるが、これによれば、転動部に到達する可能性が低く、誘導部材への期待感を低下させる恐れがある。また、遊技球の飛行方向が急激に大きく変化することから、誘導部材における挙動と、転動部における挙動との連続性が阻害され、演出効果を低減させる恐れがある。
【0039】
ところが、手段12の構成によると、誘導部材の先端に捩じれ部が形成されているため、この捩じれによって、遊技球の放出方向を、盤面奥側すなわち転動部の上面に向けることが可能になる。したがって、釘等の跳ね返し部材を設けなくても、誘導部材の先端から転動部の上面に遊技球を直接到達させることが可能になる。すなわち、転動部に到達する可能性を高めるとともに、誘導部材と転動部との間における挙動の連続性を維持することができ、演出効果を高めることができる。
【0040】
手段13:手段1から手段12までのいずれかの構成において、前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0041】
手段13の構成によると、パチンコ機において、手段1から手段12までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0042】
手段14:手段1から手段12までのいずれかの構成において、前記遊技機は、スロットマシーンであることを特徴とする遊技機。
【0043】
手段14の構成によると、スロットマシーンにおいて、手段1から手段12までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0044】
手段15:手段1から手段12までのいずれかの構成において、前記遊技機は、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする遊技機。ここで、「パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシーンである。
【0045】
手段15の構成によると、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1から手段12までのいずれかの作用効果を奏することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
【0047】
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。従って、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用が容易な構成となっている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。なお、ABS樹脂は、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有しているため、内枠12の材料として好適である。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル設置箇所の反対側に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。つまり、内枠12と遊技球発射ハンドル18とを干渉させることなく、内枠12を開放させることが可能になっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
【0048】
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。特に、内枠12の周縁には前方に突出する環状のリブが形成されており、前面枠セット14は、そのリブの内側に入り込むように嵌め合わされている。このため、前面枠セット14を閉じた状態では、内枠12と前面枠セット14との間に隙間が形成されず、不正行為による針金等の挿入を阻止することができる。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。前面枠セット14は、ガラスを支持するガラス枠部と上皿19とを一体的に構成したものであり、夫々別部材として構成されていた従来構造に比べて強度を向上することができ、例えば、本例のパチンコ機10のようにガラス枠部を大型化する場合であっても適度な強度を確保することができる。また、前面枠セット14は、内枠12と同様ABS樹脂により構成されており、比較的安価であり、メッキ加工が施しやすく、しかも衝撃に強いという特性を有している。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
【0049】
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されているが、その中でも特に下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル22とは難燃性のABS樹脂にて成形されている。このため、この部分は燃え難くなっている。なお、符号17は、下皿15内の遊技球を下方に排出するための球抜きレバーである。下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル18が配設されている。符号241はスピーカからの音出力口である。また、下皿15の左方には、灰皿23が設けられている。なお、灰皿23は、下皿15の左側面に片持ち支持されており、左右方向に延びる開閉軸線を軸芯にして、その上面開口部が下方を向くまで回動できるようになっている。つまり、回動操作によって、灰皿23に収容された吸殻を排出することが可能になる。
【0050】
一方、下皿15の上方の前面枠セット14はガラスを支持するガラス枠部と球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機ではガラス枠の下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
【0051】
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されている。樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成され、樹脂ベース20の左側上部には略正方形状の配線用穴24が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。また、遊技盤30にも左側上部に配線用穴24aが形成され、樹脂ベース20の配線用穴24と重なり合っている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
【0052】
また、樹脂ベース20における配線用穴24の上方には、開放スイッチ25が取り付けられており、前面枠セット14が開放されたことを検出するようになっている。また、樹脂ベース20の右側上部には前方に向って一部が突出したアース金具26が設けられており、前面枠セット14が閉じられると、前面枠セット14の補強板132(図5参照)に接触し補強板132をアースする。
【0053】
次に、遊技盤30の構成を図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第一始動口34、第二始動口33、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0054】
可変表示装置ユニット35には、第一図柄を変動表示する第一図柄表示装置41と、第二図柄を変動表示する第二図柄表示装置42とが設けられている。第一図柄表示装置41は、第一図柄用の表示部43と保留ランプ44とからなり、遊技球が第一始動口34を通過する毎に表示部43による表示図柄(第一図柄)を変動させる。遊技球が第一始動口34を通過する回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
【0055】
第二図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、表示制御装置45(図7参照)により表示内容が制御される。第二図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第二図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。遊技球が第二始動口33に入賞する毎に表示図柄(第二図柄)を変動させる。遊技球が第二始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、第二図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第二図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
【0056】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。
【0057】
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成され内外二重に一体形成された内レール部51及び外レール取付部52を有するレールベースユニット50aと、外レール取付部52の内側面に取付けられ長尺状をなすステンレス製の外レール55とから構成されている。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして外レール取付部52が形成されている。かかる場合、内レール部51と外レール取付部52(外レール55)とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。また、外レール55は、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするために設けられている。
【0058】
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって制動されつつ跳ね返されるようになっている。
【0059】
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなれるようになっている。特に、ネジ等による締結の間隔は発射側の方が狭くなっており、遊技盤30に対して強固に締結することにより、遊技球の発射に対する強度を確保している。さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
【0060】
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレート(図のS1,S2)を直接貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。
【0061】
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
【0062】
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。
【0063】
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
【0064】
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0065】
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0066】
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第一始動口34は、該第一始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第二始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車、第一始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車、第一始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
【0067】
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。特に、本例のパチンコ機10では、従来のものより遊技盤30が大型化していることから、レールユニット50の曲率に合うように、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の長さを長くしている。また、発射レール61は、横幅の広い断面略M字型に形成され、遊技球の発射を安定化させている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
【0068】
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
【0069】
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
【0070】
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0071】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
【0072】
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、左右方向に延びる開閉軸を下部側に有する開閉式のシャッタ68が取り付けられており、シャッタ68は、この開閉軸を軸心として前方に開放できるように支持されている。また、シャッタ68は、バネ等の弾性体によって閉鎖側に付勢されるとともに、弾性体の付勢力に抗して上部側を押圧することにより略水平状態となり、排出口67を開放する。つまり、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)では弾性体の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖し、遊技球の排出を阻止する。一方、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面から突出する球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられ、遊技球の排出が可能となる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
【0073】
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られたシール等(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
【0074】
また、内枠12の図3の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
【0075】
次に、前面枠セット14について図1,図5を参照しつつ説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0076】
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0077】
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部、特に遊技盤30に直接貼られた証紙S1を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。なお、証紙S1を外部から読取装置で認識できるように、小窓107における透明樹脂の表面は平面形状になっている。
【0078】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0079】
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板132と補強板133とが電気的に絶縁され、導電体がループ状にならず、磁界によるノイズの発生を抑制している。図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
【0080】
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
【0081】
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
【0082】
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
【0083】
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
【0084】
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0085】
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
【0086】
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。特に、上側の支持金具81には、前方に開放された切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられているため、内枠12に対して前面枠セット14が垂直状態となるように開放した状態では、前面枠セット14を一旦持ち上げることにより突起軸84と支持金具152との係合状態が解かれ、さらにその状態から前面枠セット14を前方へ引き出すことにより支持孔83と支持金具153との係合状態が解かれる。すなわち、上記の操作により前面枠セット14を内枠12から取外すことができるように構成されている。
【0087】
ところで、内枠12には、図10に示すように、鍵により解錠操作される鍵ユニット27が設けられており、内枠12と前面枠セット14、及び前面枠セット14と外枠11とを互いに施錠できるようになっている。具体的には、図2に示すように、前面枠セット14の裏面右端には、後方に向って突出した鉤状の被係止部271が上下に並んで設けられており、前面枠セット14と内枠12とが重ねられると、各被係止部271は、内枠12の右端に形成された係止部貫通孔272に挿通するようになっている。これに対し、鍵ユニット27には被係止部271に夫々係止及び離脱する、第一鉤部材273及び第二鉤部材274と、内枠12の下部に設けられた鍵孔275から挿入される鍵の解錠操作(例えば反時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第一鉤部材273及び第二鉤部材274に伝達し、これらを前面枠セット14の被係止部271から離脱させる第一鍵解錠伝達機構276とが設けられている。
【0088】
一方、外枠11の内周右側面には、内方に向って突出した4角形状の被係止部(図示しない)が上下に並んで設けられている。これに対し鍵ユニット27には被係止部278に向って延出されるとともに被係止部278に夫々係止及び離脱する、第三鉤部材279及び第四鉤部材280と、前述とは異なる鍵の解錠操作(例えば時計方向への回転操作)に応じて鍵の動作を第三鉤部材279及び第四鉤部材280に伝達し、これらを外枠11の被係止部278から離脱させる第二鍵解錠伝達機構281とが設けられている。つまり、鍵ユニット27には第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281が設けられているため、鍵を反時計方向に回転させると、前面枠セット14の右端が内枠12から分離可能となり、支持機構を軸心として前面枠セット14のみを開放させることが可能になる。さらに、鍵を時計方向に回転させると、支持金具282を軸心として内枠12を回動させることが可能になる。なお、第一鉤部材273と第二鉤部材274、及び第三鉤部材279と第四鉤部材280は、夫々第一鍵解錠伝達機構276及び第二鍵解錠伝達機構281によって連結されているが、いずれか一方の鉤部材に対して不正な解錠操作があっても、解錠操作されていない他方の鉤部材に伝達されないように構成されている。つまり、鍵を用いずに、線材などによって一方の鉤部材に対して不正な解錠操作が行われると、その鉤部材は被係止部から離脱する可能性があるが、解錠操作されていない他方の鉤部材には伝達されないため、その鉤部材は被係止部に係止され続ける。すなわち、不正な解錠操作によって前面枠セット14または内枠12が開放されることを防止している。
【0089】
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【0090】
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0091】
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。なお、この他、内枠12には、「大当り信号」等の遊技状態に関する各種の信号を外部に出力するための外部中継端子盤230がネジや係止爪等の取付手段によって着脱可能に取り付けられている。ここで、係止爪による係止等の簡便な取付手段を採用すると、外部中継端子盤230の着脱が容易であり、メンテナンス等の作業を円滑に行うことができる。
【0092】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0093】
実際には、図8の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
【0094】
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0095】
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
【0096】
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。特に、タンク355の近傍に位置する係止部M8は、タンク355に貯留される遊技球によって比較的大きな荷重が加わることから、ここでは、I型の係止片を回動して係止する構造といった、ナイラッチより強固な構造が用いられている。
【0097】
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
【0098】
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
【0099】
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
【0100】
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第二図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
【0101】
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第二始動口33(それぞれ図3参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
【0102】
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
【0103】
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10の前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
【0104】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第二始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第一始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
【0105】
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
【0106】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第二始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
【0107】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
【0108】
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
【0109】
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
【0110】
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。なお、遊技球分配部245は、裏パックユニット203に対して別部材として構成され、内枠12に直接固定されている。つまり、裏パックユニット203に対して不正行為があっても、遊技球分配部245の浮きあがり等が防止されるようになっている。
【0111】
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
【0112】
次に、第1制御基板ユニット201を図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
【0113】
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0114】
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0115】
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
【0116】
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
【0117】
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
【0118】
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
【0119】
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
【0120】
ところで、図8に示したように、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部が被覆されるようにして遊技盤30の裏面に取付けられている。具体的には、第1制御基板ユニット201の一部の締結部M2(ナイラッチ257)並びに第1制御基板ユニット201の夫々が、裏パックユニット203に被覆されている。よって、裏パックユニット203を取り外さなければ、全ての締結部M2を操作することができず、しかも、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に対して開閉することができないことから、第1制御基板ユニット201の裏側からの操作により、主制御装置261を取り外すことができない。従って、この構成からも、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。なお、裏パックユニット203に限らず、適宜のユニットを被覆するカバー等、第1制御基板ユニット201とは別途に遊技盤30に取り付けられる部材にて、第1制御基板ユニット201の少なくとも一部を被覆することとしても、同様の効果を期待できる。
【0121】
次に、第2制御基板ユニット202を、図17〜図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
【0122】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、台座プレート303、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0123】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
【0124】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0125】
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0126】
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
【0127】
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
【0128】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
【0129】
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
【0130】
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
【0131】
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0132】
ここで、バイブレータ360は、ケーシングに振動モータ等の振動発生装置を内蔵したユニットとして形成されると共に、タンクレール356の側面に、子ネジを用いて取り付けられている。また、バイブレータ360は、上記ケーシング全体をタンクレールに356に密接させて取り付けてもよいが、本例では、細長状の取付脚を介してタンクレール356に取付けられている。これにより、ユニットとして形成されたバイブレータ360全体が良好に振動して、この振動がタンクレール356に円滑に伝達される。なお、上記取付脚は、タンクレール356の側面から一体的に突設されているが、バイブレータ360から一体的に突設されたものであってもよく、或は、タンクレール356及びバイブレータ360とは個別に形成されてタンクレール356とバイブレータ360との間に介在されるものであってもよい。
【0133】
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
【0134】
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体367が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
【0135】
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0136】
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0137】
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
【0138】
図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0139】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリヤの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0140】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理(図26参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0141】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ郡などが接続されている。
【0142】
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0143】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0144】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポイントや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0145】
かかるROM512及びRAM513を内臓したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0146】
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
【0147】
表示制御装置45は、第二図柄表示装置42における第二図柄の変動表示と、第一図柄表示装置41における第一図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第一図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ626にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置たる第二図柄表示装置42が接続されている。
【0148】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第二図柄表示装置42及び第一図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0149】
ビデオRAM524は、第二図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第二図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第二図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第二図柄表示装置42に表示させるものである。
【0150】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては,電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0151】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
【0152】
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0153】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503、513のデータがクリアされる。
【0154】
ところで、第二図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、図柄列毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第二図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄は配されて一連の図柄列が構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
【0155】
かかる場合、左図柄列及び右図柄列においては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示され、中図柄列においては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示される。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に第二図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0156】
次に上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0157】
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第二図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第二図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第二図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第二図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第二図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
【0158】
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第二始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0159】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
【0160】
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第二図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第二図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0161】
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の状態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、第二図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第二始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
【0162】
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成になっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
【0163】
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
【0164】
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第二図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第二図柄、中列第二図柄、右列第二図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第二図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
【0165】
本実施の形態では、CPU501に内臓のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第二図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
【0166】
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
【0167】
また図示は省略するが、第一図柄表示装置41の抽選には第一図柄乱数カウンタC4が用いられる。第一図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第一図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第一始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
【0168】
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御装置を図26〜図33のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
【0169】
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
【0170】
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0171】
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINI更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。または、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0172】
その後、ステップS604では、第二始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第二始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第二始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満である否かを判別する。第二始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
【0173】
また、続くステップS704では、第二図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、始動入賞処理の後、CPU501は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
【0174】
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
【0175】
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S2が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
【0176】
図33のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
【0177】
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0178】
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。その内容は図33で説明した通りである(但し、ステップS804の電源断通知コマンドの送信は除く)。
【0179】
また、図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0180】
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
【0181】
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0182】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
【0183】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0184】
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0185】
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第二図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
【0186】
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
【0187】
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図28に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303〜S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
【0188】
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
【0189】
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、大当り図柄の組み合わせである場合、ステップS307〜ステップS312の処理をスキップして本処理を終了する。一方、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当り図柄の組み合わせになっていない場合には、ステップS307の処理に移行する。
【0190】
ステップS307では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS308では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS310に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
【0191】
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS311では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS312に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS307,S311が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
【0192】
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示を行うための第二図柄変動処理を実行する。この第二図柄変動処理により、大当たり判定や第二図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第二図柄変動処理の詳細は後述する。
【0193】
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判断する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
【0194】
また、ステップS207では、第一図柄表示装置41による第一図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第一始動口34を通過したことを条件に、その都度の第一図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第一図柄表示装置41の表示部43にて第一図柄の変動表示が実施される。そして、第一図柄乱数カウンタC4の値により第一図柄の抽選が実施され、第一図柄の当たり状態になると第二始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第一図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込み処理にて更新されるようになっている。
【0195】
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0196】
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前期ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
【0197】
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
【0198】
次に、前記ステップS205の第二図柄制御処理を図29のフローチャートを参照して説明する。
【0199】
図29において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第二図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第二図柄表示装置42による第二図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第二図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第二図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
【0200】
また、大当たり中、第二図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0201】
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661,」が当たり値である。
【0202】
大当たりであると判別された場合,ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
【0203】
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。なお、言うまでもないが、第1変動種別カウンタCS1または第2変動種別カウンタCS2のいずれか一方のみの値に基づいて図柄変動態様を決定するようにしてもよい。
【0204】
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
【0205】
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各種を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第二図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
【0206】
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
【0207】
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS511では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動態様を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
【0208】
図29の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第二図柄の変動表時中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第二図柄の変動パターンに応じて当該第二図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
【0209】
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
【0210】
先ず始めに、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みペクタの設定を行う。
【0211】
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
【0212】
RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
【0213】
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
【0214】
次に、払出制御処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。
【0215】
図35において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
【0216】
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を解除する。
【0217】
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
【0218】
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図36)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
【0219】
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図37)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
【0220】
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブレータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
【0221】
図36に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0222】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、賞球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0223】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0224】
図37に示す貸球制御装置において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0225】
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、貸球として払出される遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技機のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0226】
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
【0227】
続いて、上述のパチンコ機10に本発明を適用した場合について、図38及び図39に基づき説明する。図38は遊技盤の概略構成を示す正面図であり、図39は転動部付近の構成を示す縦断面図である。なお、上述のパチンコ機10と同一の構成及び同一の処理については詳細な説明を省略する。
【0228】
図38に示すように、パチンコ機600の遊技盤601の盤面には、遊技領域602が形成されており、特に、図柄表示装置604、始動手段605、可変入賞装置606、転動部609、装飾部材610、誘導レール611、連絡通路612、及び複数の釘614が設けられている。ここで、図柄表示装置604はパチンコ機10における第二図柄表示装置42に相当し、始動手段605はパチンコ機10における第二始動口33に相当し、可変入賞装置606はパチンコ機10における可変入賞装置32に相当する。また、転動部609及び始動手段605が配設された領域が、本発明の有利遊技領域に相当し、誘導レール611が本発明の誘導部材に相当する。なお、遊技盤601の左側部に発射レール61が配設され、下方に配設された発射装置60から発射レール61を介して遊技領域602に遊技球が放出される構成は、パチンコ機10と同様である。
【0229】
図柄表示装置604には、例えば、左右方向に配置された三つの図柄列(左図柄列615、右図柄列616、中図柄列617)が表示される。各図柄列615,616,617には、数字が付された複数種類(例えば10種類)の図柄が表示される。
【0230】
各図柄列615,616,617での図柄の変動が、遊技球の始動手段605への入球に基づき一斉に開始されるようになっている。図柄の変動は所定の停止順、例えば左図柄列615、中図柄列617、右図柄列616の順に停止される。そして、全図柄列615,616,617の変動が停止したとき、表示されている図柄(停止図柄)の組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち同一種類の停止図柄が当選ラインに沿って並んでいる組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)となる場合がある。大当たりの組合せが成立すると、所謂「大当たり状態」となる。ここで、各図柄列615,616,617の図柄は、図柄列毎に順次停止して表示されるため、最初の二列の図柄列(左図柄列615及び中図柄列617)に同一の図柄が停止図柄として表示されると、所謂「リーチ状態」(残り一列の右図柄列616にも同一の図柄が停止表示されれば「大当たり」となる状態)となり、遊技者にとっては、「大当たり状態」への期待感が増す。
【0231】
なお、「大当たり状態」は、始動手段605への遊技球の入球によって行われる抽選の結果が「大当り」であると発生される。ここで、上記の抽選は、前述したように遊技球の入球タイミングによって当否乱数値(大当たり乱数カウンタ)が取得されることによって行われる。そして、「大当たり状態」の場合には、可変入賞装置606を開放させる。
【0232】
転動部609は、図柄表示装置604の周囲に形成された枠状の枠部材608の下部、すなわち図柄表示装置604と始動手段605との間に形成されている。転動部609は、入球した遊技球を左右方向に繰返し転動(揺動)させ、遊技球の挙動による演出を行うものであり、上方に開放された円弧状の外観を呈している。特に、その中央部分には、上方に盛りあがった隆起部623が形成されるとともに、隆起部623の上面と前面とを貫通させる排出部624が形成されている(図39参照)。また、転動部609は、遊技盤601の盤面よりも奥側に配置され、且つ、転動部609の上面は前方に向って僅かに下り傾斜となっている。したがって、転動部609上に投入された遊技球は、その勢いが強い場合には、転動部609上を左右方向に繰返し転動し、一方、勢いが弱くなると、転動部609から遊技盤601の盤面上に排出される。なお、排出される際には、排出部624を通って排出される場合と、それ以外の部分から排出される場合とがあり、排出部624から排出された場合には、始動手段605に向って流下する。
【0233】
装飾部材610は、「猫」の形状を呈するとともに、内部に発光手段(図示しない)を備えており、遊技状況に応じて発光態様を変化させることにより、装飾性を高めている。この装飾部材610は、遊技領域602の右上部に配設されている。つまり、発射レール61の出口61aと、誘導レール611との間に位置し、遊技領域602による通路を遮断する状態で設けられている。このため、枠部材608と装飾部材610との間、及び装飾部材610の上方には、遊技球の通路は形成されておらず、発射された遊技球は、連絡通路612を通って誘導レール611に到達するようになっている。ここで、装飾部材610が本発明の「大型の構造物」に相当する。
【0234】
誘導レール611は、遊技盤601の右端、特に遊技領域602の周縁に沿って配設されている。この誘導レール611は、遊技球を下方に向かって誘導する第一誘導部627と、遊技球の転動方向を変更するとともに先端から遊技球を斜め上方に放出させる第二誘導部628とから構成され、全体としてJ字形の形状に形成されている。なお、第一誘導部627と第二誘導部628とは互いに離間して配設されており、その間の隙間によって開部629が形成されている。つまり、J字形の誘導レール611の変曲点付近に、遊技球の排出が可能な開部629が形成されている。また、第二誘導部628の端部(右端)は、隣合う第一誘導部627の端部(下端)よりも下方に位置している。このため、第一誘導部627から第二誘導部628へ移動する遊技球は、開部629を飛越えて移動する。一方、第二誘導部628の先端から放出されなかった遊技球が第二誘導部628の斜面に沿って反対側に誘導される場合には、第一誘導部627の下端に衝突することにより制動され、開部629を通って落下する。
【0235】
また、第二誘導部628の先端には捩じれ部630が形成されており、捩じれ部630の捩じれによって、遊技球の放出方向を、遊技盤601に対して並行となる方向から、遊技盤601に向う方向へと変更させている。これにより、遊技盤601の盤面よりも奥側に配設された転動部609に対して、遊技球を直接到達させることが可能になる。
【0236】
なお、誘導レール611の左側には、誘導レール611と略平行に配置された規制レール626が設けられており、誘導レール611に沿って遊技球を流下させることができるように、転動方向を規制している。
【0237】
連絡通路612は、遊技領域602上の遊技球を、装飾部材610を迂回して誘導レール611に到達させることを可能にするものであり、本例では、二組の連絡通路612が設けられている。一方の連絡通路612は、遊技領域602に設けられた第一入球口631、誘導レール611の上端付近に設けられた第一排出口633、及び第一入球口631及び第一排出口633を連通する第一連通路635から構成されている。また、他方の連絡通路612は、第一入球口631の下方の遊技領域602に設けられた第二入球口632、誘導レール611の中央付近に設けられた第二排出口634、及び第二入球口632及び第二排出口634を連通する第二連通路636から構成されている。なお、第一連通路635及び第二連通路636は、ともに遊技盤601の裏側に形成されている。
【0238】
続いて、誘導レール611等における遊技球の動きについて説明する。発射装置60から発射され遊技領域602を流下する遊技球が、第一入球口631に投入すると、第一連通路635を通って誘導レール611の上端付近(第一排出口633)に導かれる。また、流下する遊技球が第二入球口632に投入すると、誘導レール611の中央付近(第二排出口634)に導かれる。なお、第二入球口632は、第一入球口631よりも入球が容易となるように設定されている。
【0239】
その後、遊技球は、第一誘導部627に沿って下方に誘導される。これにより、遊技球の位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、遊技球の勢いが増加する。なお、第一排出口633から排出された遊技球と、第二排出口634から排出された遊技球とは、誘導レール611に到達した際の位置エネルギーが異なることから、生成される運動エネルギーの大きさが異なるようになる。つまり、第一排出口633から排出された遊技球の方が、運動エネルギーが大きくなる。
【0240】
遊技球が第二誘導部628側に移動すると、遊技球の転動方向が斜め上方に変更されるとともに、その先端から転動部609に向って放出される。この場合、図39に示すように、転動部609は遊技盤601の盤面よりも奥側に形成されているが、第二誘導部628の先端部分には捩じれ部630が設けられているため、遊技球Kは、第二誘導部628の先端から斜め後方に放出され、転動部609に直接到達させられる。なお、第一排出口633から排出された遊技球は十分な勢いを有しているため、ほぼ確実に転動部609に到達させることができるが、第二排出口634から排出された遊技球は、勢いが弱い(すなわち放出速度が遅い)ため、転動部609に到達する場合もあれば、到達することなく始動手段605の右側周辺に落下する場合もある。転動部609に到達した場合には、始動手段605に入球する可能性が高くなり、一方、転動部609に到達しなかった場合には、始動手段605に入球する可能性が極めて低くなる。なお、始動手段605に入球した場合には、作動口スイッチ224によって検出され、抽選手段(図示しない)によって前述の抽選が行われる。
【0241】
ところで、第一排出口633から排出された遊技球は、第二排出口634から排出された遊技球よりも速度が速くなるため、誘導レール611の途中で二つの遊技球が衝突することがある。この際、下流側の遊技球(衝突した方の遊技球)が制動され、第二誘導部628の先端から放出できなくなる。しかし、この遊技球は、第二誘導部628の斜面に沿って反対側に誘導され、開部629から排出される。このため、第二誘導部628の上面に遊技球が停留されること、すなわち球詰まりが発生することが防止される。
【0242】
このように、上記のパチンコ機600では、誘導レール611に到達した遊技球を第二誘導部628の先端から転動部609に向って放出させることができるため、転動部609において遊技球を転動させることができるとともに、転動部609から遊技球の流下を再開させることができる。このため、遊技領域602を広く利用させることが可能となり、遊技球の挙動や遊技機本来の楽しさを確保することができる。特に、転動部609に向って放出されるため、遊技者は、誘導レール611によって誘導されることを強く願うようになり、誘導レール611への到達を積極的に狙うようになる。つまり、今まで軽視されていた領域を注目させることが可能になり、趣向性を一層向上させることができる。
【0243】
また、誘導レール611を、遊技領域602の右端部に配置したことにより、遊技領域602の右端部から中央側に向って遊技球を誘導させることができる。つまり、遊技球を上流側の遊技領域602に復活させることが可能になる。このため、遊技領域602の右端側に遊技球が流下した場合でも、期待感を失わせることなく、最後まで挙動を楽しませることができる。特に、誘導レール611によって誘導されると、抽選の可能性が発生するため、遊技者に大きな期待感を喚起させることができ、誘導レールの興趣をさらに向上させることができる。
【0244】
上記のパチンコ機600では、連絡通路612を備えることにより、大型の装飾部材610が配設されているにも拘わらず、遊技球を誘導レール611に到達させることができる。換言すれば、装飾部材610を遊技領域の上端付近まで延出させること、すなわち装飾部材610を大型化して装飾性を高めることが可能になる。特に、連絡通路612が二組設けられており、各排出口633,634の高さが互いに異なるように設定されているため、誘導レール611における挙動が一様にはならず、挙動の変化を楽しませることができる。また、いずれの入球口631,632に入球させるかは、遊技者の遊技に応じて決定されるため、遊技者は、入球口631,632への投入のし易さと排出口633,634の有利性とを考慮して遊技を行うことになる。つまり、いずれの入球口631,632を狙うかの駆け引きによって、遊技の面白さを助長させることができる。
【0245】
さらに、上記のパチンコ機600では、誘導レール611の先端に形成された捩じれ部630によって、遊技球の放出先を、盤面奥側の転動部609の上面に向って変更させることができる。したがって、転動部609の上面に遊技球を直接到達させることが可能になるとともに、転動部609に到達する可能性を高めることができる。また、誘導レール611と転動部609との間における挙動の連続性を維持することができるため、演出効果を一層高めることが可能となる。
【0246】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0247】
すなわち、上記実施形態のパチンコ機600では、遊技領域602の右上部に大型の装飾部材610を備える遊技機に対して、本発明を適用するものを示したが、装飾部材610の代わりに、風車及び転動部等の役物を配設する遊技機においても、本発明を適用することにより同様の効果を奏することができる。なお、言うまでもないが、装飾部材610や役物を備えない遊技機であっても、本発明を適用することができる。
【0248】
また、上記実施形態のパチンコ機600では、始動手段605の上方に転動部609を形成し、誘導レール611の先端から転動部609に向って遊技球を放出するものを示したが、転動部609を備えることなく、始動手段605に向って放出させるようにしてもよい。しかし、上記のように、転動部609を備えるようにすれば、転動部609における視覚的な演出を実現でき、特に誘導レール611での挙動と転動部609での挙動とが連続的に行われるため、演出効果を一層高めることができる。
【0249】
また、上記実施形態のパチンコ機600では、二組の連絡通路612を備えるものを示したが、一組または三組以上の連絡通路612を備えるようにしてもよい。なお、連絡通路612の数が多いほど、誘導レール611から放出される遊技球の勢いを多様化することができ、誘導レール611における挙動及び放出を一層楽しませることができる。但し、連絡通路612の数が多すぎると、誘導レール611内で遊技球同士が衝突する可能性が増えることから、これら二つの要素のバランスを考慮して連絡通路612の数を設定することが好ましい。
【0250】
上記実施形態のパチンコ機600では、誘導レール611を遊技領域602の右端に備えるもの、すなわち、左側に配設される発射レール61に対して反対側となる位置に配設するものを示したが、遊技領域602の中央または左側に配設するようにしてもよい。但し、上述したように右側の遊技領域602は、従来軽視されていた領域であるため、この領域に誘導レール611を備えることにより、注目度を大きく向上させることができ、しかも遊技領域602を広く利用させることが可能になる。
【0251】
上記実施形態のパチンコ機600では、誘導レール611の先端を所定の傾斜角度に維持するものを示したが、誘導レール611の先端部分(または第二誘導部628)を回動可能に支持するとともに、それを回動させるモーター等の駆動手段を備え、遊技状況等に応じて傾斜角度または捩じれ角度を変化させるようにしてもよい。これによれば、遊技球を排出させる排出口の位置が一定であっても、遊技球の放出先が異なるようになり、誘導レール611への注目が一層大きくなる。
【0252】
さらに、上記実施形態では、遊技機として、パチンコ機600を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーン、アレパチ、アレンジボール等であっても本発明を適用することができる。
【0253】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、誘導部材に到達した遊技球を誘導部材の先端から遊技領域の上流側に向って放出させることができるため、所定の遊技領域から遊技球の流下を再開させることができる。このため、遊技性を損なうことなく、遊技領域を広く利用させることが可能となり、遊技球の挙動や遊技機本来の楽しさを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
【図3】前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図5】前面枠セットの構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図7】パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
【図8】パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。
【図9】内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
【図10】内枠の背面構成を示す斜視図である。
【図11】遊技盤の背面構成を示す斜視図である。
【図12】支持金具の構成を示す斜視図である。
【図13】第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図14】第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】第1制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図16】第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。
【図17】第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。
【図18】第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。
【図19】第2制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図20】裏パックユニットの構成を示す正面図である。
【図21】裏パックユニットの分解斜視図である。
【図22】タンクレールの分解斜視図である。
【図23】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図24】第二図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図25】遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。
【図26】主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図27】通常処理を示すフローチャートである。
【図28】外れ図柄カウンタの更新処理を示すフローチャートである。
【図29】第二図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図30】変動開始処理を示すフローチャートである。
【図31】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図32】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図33】NMI割込み処理を示すフローチャートである。
【図34】払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図35】払出制御処理を示すフローチャートである。
【図36】賞球制御処理を示すフローチャートである。
【図37】貸球制御処理を示すフローチャートである。
【図38】本発明の一実施形態であるパチンコ機の遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図39】転動部周辺の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
60 発射装置
61 発射レール
224 作動口スイッチ(始動検出手段)
600 パチンコ機(遊技機)
601 遊技盤
602 遊技領域
605 始動手段
609 転動部
610 装飾部材(大型の構造物)
611 誘導レール(誘導部材)
612 連絡通路
613 有利遊技領域
629 開部
630 捩じれ部
631 第一入球口(入球口)
632 第二入球口(入球口)
633 第一排出口(排出口)
634 第二排出口(排出口)
635 第一連通路(連通路)
636 第二連通路(連通路)
K 遊技球

Claims (1)

  1. 遊技盤の盤面上に配設され、遊技領域を流下する遊技球を下方に誘導し、且つ該遊技球を前記遊技領域の上流側に向って放出させる誘導部材を備えることを特徴とする遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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