JP2004328667A - 無線中継装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波環境の悪い場所での運用を防止することが可能な無線中継装置を提供する。
【解決手段】無線中継装置1は、基地局向けアンテナ2aを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信部2と、移動局向けアンテナ3aを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信部3と、テスト操作部4からの操作入力に応じて第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させるテスト電波送信部5と、テスト用電波の送信時に第2の無線通信部3が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定部6と、受信レベル測定部6の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断する運用可否判断部7と、運用可否判断部7の判断結果を設置作業者に報知する報知部8とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】無線中継装置1は、基地局向けアンテナ2aを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信部2と、移動局向けアンテナ3aを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信部3と、テスト操作部4からの操作入力に応じて第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させるテスト電波送信部5と、テスト用電波の送信時に第2の無線通信部3が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定部6と、受信レベル測定部6の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断する運用可否判断部7と、運用可否判断部7の判断結果を設置作業者に報知する報知部8とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信チャネル及び受信チャネルで使用する周波数帯が近接したTDMA方式を用いるPHS(Personal Handyphone System)などの無線通信システムで弱電界地域を通信エリアとして補うために用いられ、移動局と基地局との間の無線通信を中継する無線中継装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図6に示すようなTDMA方式の無線通信システムにおいて移動局PSと基地局CSとの間の無線通信を中継する無線中継装置1が提供されている。この無線中継装置1は、2系統の無線通信部2,3を搭載し、一方の系統の無線通信部2で基地局向けアンテナ2aを介して基地局CSとの間で無線通信を行うと同時に、もう一方の系統の無線通信部3で移動局向けアンテナ3aを介して移動局PSとの間で無線通信を行っている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−112402号公報(段落番号[0011]〜[0015]、及び、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の無線中継装置1では、2系統の無線通信部2,3の内の一方が発する不用輻射によって、他方の受信感度が悪化するという問題があり、従来は2系統の無線通信部2,3のアンテナ間アイソレーションを高めることで、自己妨害波による受信感度の悪化を抑制していたが、設置環境によっては反射波などによって十分なアンテナ間アイソレーションを確保することができない場合があり、このような設置環境で使用されると、所望の通信品質が得られないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電波環境の悪い場所での運用を防止することが可能な無線中継装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、基地局又は移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、受信レベル測定手段の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断する運用可否判断手段と、運用可否判断手段の判断結果を報知する報知手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、無線中継装置を設置する際に、テスト電波送信手段を用いて第1又は第2の無線通信手段の何れか一方よりテスト用電波を送信させると、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波、すなわち干渉波の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段はその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断して、その判断結果を報知手段が報知しているので、設置場所の電波環境が悪い場合は電波環境が悪いことを使用者に対して知らしめることができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置が運用されるのを防止できる。
【0008】
また請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記各手段を収納するとともに、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体と、当該器体の位置を固定する固定手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、器体は被取付部に固定された設置板に対してスライド移動自在に取り付けられているので、無線中継装置を設置する際に、設置作業者が器体の位置を少しずつスライド移動させた後に、テスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させると、この時の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段がその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで、その位置での運用の可否を判断して、判断結果を報知手段で報知しているので、運用可能な位置を探索する作業を容易に行うことができる。また、器体の設置位置を一旦決定すると、固定手段により器体をその位置に固定することができるので、施工後に器体がスライド移動して、電波環境が変化するのを防止できる。
【0010】
また請求項3の発明は、基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、基地局又は移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段とを、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体に収納し、該器体を所定の移動範囲内でスライド移動させる駆動手段と、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させるとともに、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、受信レベルの最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体をスライド移動させる設置位置決定手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、設置位置決定手段は、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させながら、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、干渉波の受信レベルが最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体を移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所での運用を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態の無線中継装置は、送信チャネル及び受信チャネルで使用する周波数帯が近接したTDMA方式を用いて移動局PSと基地局CSとの間で無線通信を行うPHSなどの無線通信システムに用いられ、移動局PSと基地局CSとの間の無線通信を中継するものである。
【0014】
図1は無線中継装置1のブロック図であり、この無線中継装置1は、基地局向けアンテナ2aを介して基地局CSとの間で無線通信を行うとともに、後述のテスト電波送信部5からの送信指令に応じてテスト用電波を基地局向けアンテナ2aから送信する第1の無線通信部2と、移動局向けアンテナ3aを介して移動局PSとの間で無線通信を行う第2の無線通信部3と、テスト操作部4の操作に応じてテスト用電波の送信指令を第1の無線通信部2に出力するテスト電波送信部5と、第2の無線通信部3が受信したテスト用電波(干渉波)の受信レベルを測定する受信レベル測定部6と、受信レベル測定部6の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較し、測定結果が閾値レベルを超えると中継が不可能と判断する運用可否判断部7と、LEDなどの表示器又はスピーカからなり、運用可否判断部7により運用が不可能と判断されると、運用が不可能であることを音や光で報知する報知部8とで構成される。
【0015】
この無線中継装置1では、第1の無線通信部2が、基地局CSから送信された電波信号を基地局向けアンテナ2aを介して受信して復号すると、復号した信号を第2の無線通信部3が移動局PSに電波信号で送信する。また第2の無線通信部3が、移動局PSから送信された電波信号を移動局向けアンテナ3aを介して受信して復号すると、復号した信号を第1の無線通信部2が基地局CSに電波信号で送信している。
【0016】
ここで、無線中継装置1は2系統の無線通信部2,3を搭載しているので、一方の系統が発する不要輻射によって、他方の受信感度が悪化するという問題があり、無線通信部2,3のアンテナ間アイソレーションを高めることで、干渉波(自己妨害波)による受信感度の悪化を防止しているが、反射波が発生するような電波環境の悪い設置位置では十分なアンテナ間アイソレーションを確保することができず、所望の通信品質が得られないという問題がある。
【0017】
そこで、本実施形態の無線中継装置1では、設置時に第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルを測定することで、設置位置の電波環境の良否を判断しており、この動作を図2のフローチャートにしたがって説明する。
【0018】
無線中継装置1を所望の位置に設置した後に、設置作業者がテスト操作部4を操作すると、テスト電波送信部5がテスト操作部4からの操作入力に応じて送信指令を第1の無線通信部2に出力し、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を送信する(S1)。この時、第2の無線通信部3が移動局向けアンテナ3aを介してテスト用電波を受信し(S2)、このテスト用電波の受信レベルを受信レベル測定部6が測定する(S3)。ここで、テスト用電波は基地局向けアンテナ2aから放射され、移動局向けアンテナ3aでは直接到達する直接波21と、壁面23などで反射して到達する間接波22の総和が受信される。
【0019】
そして、受信レベル測定部6がテスト用電波の受信レベルを測定すると、運用可否判断部7では受信レベルの測定結果と予め設定された閾値レベル(例えば20dBμV)との高低を比較し(S4)、受信レベルの測定結果が閾値レベル以上であれば、その設置位置での運用は不可能であると判断して、報知部8により運用不可を報知させ(S5)、受信レベルの測定結果が閾値レベルよりも低ければ、その設置位置での運用が可能であると判断して、報知部8により運用可能を報知させる(S6)。なお、報知部8はLEDなどの表示器又はスピーカからなり、運用の可否をLEDの光色や文字或いは音声で報知する。また、報知部8が運用の可否を報知する際に、運用の可否の判断結果だけでなく、テスト用電波の受信レベルに応じて、閾値レベルからのマージンを複数の段階に区切って報知するようにしても良く、電波環境の良好な位置を探す際の目安になる。
【0020】
このように、本実施形態では装置の設置時に第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルを測定しており、受信レベルの測定結果と所定の閾値レベルとの高低を比較することで運用の可否を判断し、判断結果を設置作業者に報知しているので、電波環境の悪い位置に無線中継装置が設置されて運用されるのを防止することができる。その結果、無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0021】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3に基づいて説明する。尚、本実施形態の無線中継装置1は実施形態1と同様の構成を有しており、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
本実施形態の無線中継装置1は、図3に示すように上述の各部2〜8を直方体状の器体15内に収納してあり、建物の壁面などの被取付部に固定された帯板状の設置板17の長手方向に沿って設けられたスライドレール17aに器体15をスライド移動自在に取り付けるためのスライド機構(図示せず)を器体15に設けるとともに、器体15を所望の設置位置で固定する固定部16を器体15の下部に設けてある。また、器体15のスライド方向において対向する2つの側面には基地局向けアンテナ2aと移動局向けアンテナ3aとがそれぞれ取り付けられている。尚、固定部16はねじなどの適宜の手段を用いて実現されており、その詳細な説明は省略する。
【0023】
そして、この無線中継装置1の設置位置を決定する際には、先ず器体15の初期位置で器体15の表面に露設されたテスト操作部4を操作して第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルと閾値レベルとを比較することで運用の可否を判断し、その判断結果を報知部8で報知させており、報知部8の報知内容が運用不可であれば、設置作業者は器体15を設置板17上でスライド移動させた後、再度テスト操作部4を操作して上述と同様の運用可否の判断処理を実行させる。そして、運用の可能な設置位置が見つかるまで、設置作業者が器体15を設置板17上で少しずつスライド移動させた後に、テスト操作部4を操作して上述した運用可否の判断処理を行わせており、運用が可能な位置を見つけると、設置作業者は固定部16を用いて器体15の位置を固定する。
【0024】
一般に、無線中継装置1の設置位置をわずかに移動させるだけで、アンテナ間アイソレーションが大きく劣化し、運用が不可能になる場合があるが、本実施形態では無線中継装置1の器体15を設置板17に対してスライド移動自在に取り付けており、器体15を少しずつスライド移動させながら自己妨害波の受信レベルが低い場所を探し出し、電波環境の良好な場所が見つかれば固定部16を用いてその位置で器体15を固定しているので、運用が可能な位置を容易に探し出して、その位置で器体15を固定することができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置1が運用されるのを防止できる。したがって、この無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0025】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図4及び図5に基づいて説明する。図4は本実施形態の無線中継装置1のブロック図であり、実施形態2で説明した無線中継装置1において、運用可否判断部7及び報知部8の代わりに、受信レベル測定部6の測定結果をもとに器体15の設置位置を決定する設置位置決定部9と、設置位置決定部9からの入力信号に応じて後述の駆動部11に駆動指令を与える駆動指示部10と、駆動指示部10から入力される駆動指令に応じて器体15を設置板17のスライドレール17aに沿ってスライド移動させる駆動部11と、メモリ12とを設けている。尚、設置位置決定部9、駆動指示部10、駆動部11及びメモリ12以外の構成は実施形態2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0026】
以下に、この無線中継装置1の設置時の動作を詳細に説明する。設置板17を建物の壁面などの被取付部に固定し、器体15を設置板17のスライドレール17aの一方の端に寄せた状態で、設置作業者がテスト操作部4を操作すると、テスト操作部4の操作入力に応じて設置位置決定部9がテスト電波送信部5から第1の無線通信部2に送信指令を送信させ、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を送信する。この時、第2の無線通信部3が移動局向けアンテナ3aを介してテスト用電波を受信し、このテスト用電波の受信レベルを受信レベル測定部6が測定して、測定結果を設置位置決定部9に出力する。設置位置決定部9は、受信レベル測定部6から受信レベルの測定結果が入力されると、器体15の位置と受信レベルの測定結果とを表すデータをメモリ12に記憶させた後、駆動指示部10から駆動部11へ器体15を所定の距離だけスライド移動させる駆動指令を出力させて、器体15をスライド移動させる。器体15が所定の距離だけスライド移動すると、設置位置決定部9は、テスト電波送信部5から第1の無線通信部2に送信指令を再度出力させ、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を放射させており、第2の無線通信部3でテスト用電波を受信して、受信レベル測定部6が受信した電波の受信レベルを測定すると、その時の器体15の位置と受信レベルの測定結果とを表すデータをメモリ12に記憶させる。そして、設置位置決定部9は、器体15がスライドレール17aの反対側の端に達するまで上述した受信レベルの測定処理を繰り返し実行しており、器体15がスライドレール17aの反対側の端に達すると、メモリ12に記憶された各々の位置における受信レベルの測定結果をもとに、受信レベルが最も低かった位置を器体15の設置位置に決定し、この設置位置まで器体15を移動させる駆動指令を駆動指示部10から駆動部11へ出力させて、器体15を設置位置まで移動させる。
【0027】
このように、設置位置決定部9は、駆動部11を用いて器体15を所定の移動範囲内の端から端まで少しずつスライド移動させており、各々の停止位置でテスト電波送信部5を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定部6の測定結果をもとに、移動範囲内で干渉波の受信レベルが最も低い位置を器体15の設置位置に決定し、この設置位置まで駆動部11を用いて器体15をスライド移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体15を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所で使用されるのを防止できる。したがって、この無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0028】
尚、上述の各実施形態では第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、第2の無線通信部3が受信したテスト用電波の受信レベルを測定しているが、第2の無線通信部3からテスト用電波を送信させ、第1の無線通信部2が受信したテスト用電波の受信レベルを測定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、無線中継装置を設置する際に、テスト電波送信手段を用いて第1又は第2の無線通信手段の何れか一方よりテスト用電波を送信させると、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波、すなわち干渉波の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段はその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断して、その判断結果を報知手段が報知しているので、設置場所の電波環境が悪い場合は電波環境が悪いことを使用者に対して知らしめることができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置が運用されるのを防止できる。
【0030】
また、請求項2の発明では、器体は被取付部に固定された設置板に対してスライド移動自在に取り付けられているので、無線中継装置を設置する際に、設置作業者が器体の位置を少しずつスライド移動させた後に、テスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させると、この時の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段がその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで、その位置での運用の可否を判断して、判断結果を報知手段で報知しているので、運用可能な位置を探索する作業を容易に行うことができる。また、器体の設置位置を一旦決定すると、固定手段により器体をその位置に固定することができるので、施工後に器体がスライド移動して、電波環境が変化するのを防止できる。
【0031】
また、請求項3の発明では、設置位置決定手段は、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させながら、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、干渉波の受信レベルが最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体を移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所での運用を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の無線中継装置のブロック図である。
【図2】同上の動作を説明するフローチャートである。
【図3】実施形態2の無線中継装置の外観図である。
【図4】実施形態3の無線中継装置のブロック図である。
【図5】同上の外観図である。
【図6】無線中継装置を用いた無線通信システムの概略構成図である。
【符号の説明】
1 無線中継装置
2 第1の無線通信部
2a 基地局向けアンテナ
3 第2の無線通信部
3a 移動局向けアンテナ
4 テスト操作部
5 テスト電波送信部
6 受信レベル測定部
7 運用可否判断部
8 報知部
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信チャネル及び受信チャネルで使用する周波数帯が近接したTDMA方式を用いるPHS(Personal Handyphone System)などの無線通信システムで弱電界地域を通信エリアとして補うために用いられ、移動局と基地局との間の無線通信を中継する無線中継装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図6に示すようなTDMA方式の無線通信システムにおいて移動局PSと基地局CSとの間の無線通信を中継する無線中継装置1が提供されている。この無線中継装置1は、2系統の無線通信部2,3を搭載し、一方の系統の無線通信部2で基地局向けアンテナ2aを介して基地局CSとの間で無線通信を行うと同時に、もう一方の系統の無線通信部3で移動局向けアンテナ3aを介して移動局PSとの間で無線通信を行っている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−112402号公報(段落番号[0011]〜[0015]、及び、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の無線中継装置1では、2系統の無線通信部2,3の内の一方が発する不用輻射によって、他方の受信感度が悪化するという問題があり、従来は2系統の無線通信部2,3のアンテナ間アイソレーションを高めることで、自己妨害波による受信感度の悪化を抑制していたが、設置環境によっては反射波などによって十分なアンテナ間アイソレーションを確保することができない場合があり、このような設置環境で使用されると、所望の通信品質が得られないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電波環境の悪い場所での運用を防止することが可能な無線中継装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、基地局又は移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、受信レベル測定手段の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断する運用可否判断手段と、運用可否判断手段の判断結果を報知する報知手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、無線中継装置を設置する際に、テスト電波送信手段を用いて第1又は第2の無線通信手段の何れか一方よりテスト用電波を送信させると、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波、すなわち干渉波の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段はその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断して、その判断結果を報知手段が報知しているので、設置場所の電波環境が悪い場合は電波環境が悪いことを使用者に対して知らしめることができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置が運用されるのを防止できる。
【0008】
また請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記各手段を収納するとともに、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体と、当該器体の位置を固定する固定手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、器体は被取付部に固定された設置板に対してスライド移動自在に取り付けられているので、無線中継装置を設置する際に、設置作業者が器体の位置を少しずつスライド移動させた後に、テスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させると、この時の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段がその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで、その位置での運用の可否を判断して、判断結果を報知手段で報知しているので、運用可能な位置を探索する作業を容易に行うことができる。また、器体の設置位置を一旦決定すると、固定手段により器体をその位置に固定することができるので、施工後に器体がスライド移動して、電波環境が変化するのを防止できる。
【0010】
また請求項3の発明は、基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、基地局又は移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段とを、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体に収納し、該器体を所定の移動範囲内でスライド移動させる駆動手段と、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させるとともに、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、受信レベルの最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体をスライド移動させる設置位置決定手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、設置位置決定手段は、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させながら、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、干渉波の受信レベルが最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体を移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所での運用を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態の無線中継装置は、送信チャネル及び受信チャネルで使用する周波数帯が近接したTDMA方式を用いて移動局PSと基地局CSとの間で無線通信を行うPHSなどの無線通信システムに用いられ、移動局PSと基地局CSとの間の無線通信を中継するものである。
【0014】
図1は無線中継装置1のブロック図であり、この無線中継装置1は、基地局向けアンテナ2aを介して基地局CSとの間で無線通信を行うとともに、後述のテスト電波送信部5からの送信指令に応じてテスト用電波を基地局向けアンテナ2aから送信する第1の無線通信部2と、移動局向けアンテナ3aを介して移動局PSとの間で無線通信を行う第2の無線通信部3と、テスト操作部4の操作に応じてテスト用電波の送信指令を第1の無線通信部2に出力するテスト電波送信部5と、第2の無線通信部3が受信したテスト用電波(干渉波)の受信レベルを測定する受信レベル測定部6と、受信レベル測定部6の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較し、測定結果が閾値レベルを超えると中継が不可能と判断する運用可否判断部7と、LEDなどの表示器又はスピーカからなり、運用可否判断部7により運用が不可能と判断されると、運用が不可能であることを音や光で報知する報知部8とで構成される。
【0015】
この無線中継装置1では、第1の無線通信部2が、基地局CSから送信された電波信号を基地局向けアンテナ2aを介して受信して復号すると、復号した信号を第2の無線通信部3が移動局PSに電波信号で送信する。また第2の無線通信部3が、移動局PSから送信された電波信号を移動局向けアンテナ3aを介して受信して復号すると、復号した信号を第1の無線通信部2が基地局CSに電波信号で送信している。
【0016】
ここで、無線中継装置1は2系統の無線通信部2,3を搭載しているので、一方の系統が発する不要輻射によって、他方の受信感度が悪化するという問題があり、無線通信部2,3のアンテナ間アイソレーションを高めることで、干渉波(自己妨害波)による受信感度の悪化を防止しているが、反射波が発生するような電波環境の悪い設置位置では十分なアンテナ間アイソレーションを確保することができず、所望の通信品質が得られないという問題がある。
【0017】
そこで、本実施形態の無線中継装置1では、設置時に第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルを測定することで、設置位置の電波環境の良否を判断しており、この動作を図2のフローチャートにしたがって説明する。
【0018】
無線中継装置1を所望の位置に設置した後に、設置作業者がテスト操作部4を操作すると、テスト電波送信部5がテスト操作部4からの操作入力に応じて送信指令を第1の無線通信部2に出力し、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を送信する(S1)。この時、第2の無線通信部3が移動局向けアンテナ3aを介してテスト用電波を受信し(S2)、このテスト用電波の受信レベルを受信レベル測定部6が測定する(S3)。ここで、テスト用電波は基地局向けアンテナ2aから放射され、移動局向けアンテナ3aでは直接到達する直接波21と、壁面23などで反射して到達する間接波22の総和が受信される。
【0019】
そして、受信レベル測定部6がテスト用電波の受信レベルを測定すると、運用可否判断部7では受信レベルの測定結果と予め設定された閾値レベル(例えば20dBμV)との高低を比較し(S4)、受信レベルの測定結果が閾値レベル以上であれば、その設置位置での運用は不可能であると判断して、報知部8により運用不可を報知させ(S5)、受信レベルの測定結果が閾値レベルよりも低ければ、その設置位置での運用が可能であると判断して、報知部8により運用可能を報知させる(S6)。なお、報知部8はLEDなどの表示器又はスピーカからなり、運用の可否をLEDの光色や文字或いは音声で報知する。また、報知部8が運用の可否を報知する際に、運用の可否の判断結果だけでなく、テスト用電波の受信レベルに応じて、閾値レベルからのマージンを複数の段階に区切って報知するようにしても良く、電波環境の良好な位置を探す際の目安になる。
【0020】
このように、本実施形態では装置の設置時に第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルを測定しており、受信レベルの測定結果と所定の閾値レベルとの高低を比較することで運用の可否を判断し、判断結果を設置作業者に報知しているので、電波環境の悪い位置に無線中継装置が設置されて運用されるのを防止することができる。その結果、無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0021】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3に基づいて説明する。尚、本実施形態の無線中継装置1は実施形態1と同様の構成を有しており、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0022】
本実施形態の無線中継装置1は、図3に示すように上述の各部2〜8を直方体状の器体15内に収納してあり、建物の壁面などの被取付部に固定された帯板状の設置板17の長手方向に沿って設けられたスライドレール17aに器体15をスライド移動自在に取り付けるためのスライド機構(図示せず)を器体15に設けるとともに、器体15を所望の設置位置で固定する固定部16を器体15の下部に設けてある。また、器体15のスライド方向において対向する2つの側面には基地局向けアンテナ2aと移動局向けアンテナ3aとがそれぞれ取り付けられている。尚、固定部16はねじなどの適宜の手段を用いて実現されており、その詳細な説明は省略する。
【0023】
そして、この無線中継装置1の設置位置を決定する際には、先ず器体15の初期位置で器体15の表面に露設されたテスト操作部4を操作して第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、このテスト用電波を第2の無線通信部3で受信して、その受信レベルと閾値レベルとを比較することで運用の可否を判断し、その判断結果を報知部8で報知させており、報知部8の報知内容が運用不可であれば、設置作業者は器体15を設置板17上でスライド移動させた後、再度テスト操作部4を操作して上述と同様の運用可否の判断処理を実行させる。そして、運用の可能な設置位置が見つかるまで、設置作業者が器体15を設置板17上で少しずつスライド移動させた後に、テスト操作部4を操作して上述した運用可否の判断処理を行わせており、運用が可能な位置を見つけると、設置作業者は固定部16を用いて器体15の位置を固定する。
【0024】
一般に、無線中継装置1の設置位置をわずかに移動させるだけで、アンテナ間アイソレーションが大きく劣化し、運用が不可能になる場合があるが、本実施形態では無線中継装置1の器体15を設置板17に対してスライド移動自在に取り付けており、器体15を少しずつスライド移動させながら自己妨害波の受信レベルが低い場所を探し出し、電波環境の良好な場所が見つかれば固定部16を用いてその位置で器体15を固定しているので、運用が可能な位置を容易に探し出して、その位置で器体15を固定することができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置1が運用されるのを防止できる。したがって、この無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0025】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図4及び図5に基づいて説明する。図4は本実施形態の無線中継装置1のブロック図であり、実施形態2で説明した無線中継装置1において、運用可否判断部7及び報知部8の代わりに、受信レベル測定部6の測定結果をもとに器体15の設置位置を決定する設置位置決定部9と、設置位置決定部9からの入力信号に応じて後述の駆動部11に駆動指令を与える駆動指示部10と、駆動指示部10から入力される駆動指令に応じて器体15を設置板17のスライドレール17aに沿ってスライド移動させる駆動部11と、メモリ12とを設けている。尚、設置位置決定部9、駆動指示部10、駆動部11及びメモリ12以外の構成は実施形態2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0026】
以下に、この無線中継装置1の設置時の動作を詳細に説明する。設置板17を建物の壁面などの被取付部に固定し、器体15を設置板17のスライドレール17aの一方の端に寄せた状態で、設置作業者がテスト操作部4を操作すると、テスト操作部4の操作入力に応じて設置位置決定部9がテスト電波送信部5から第1の無線通信部2に送信指令を送信させ、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を送信する。この時、第2の無線通信部3が移動局向けアンテナ3aを介してテスト用電波を受信し、このテスト用電波の受信レベルを受信レベル測定部6が測定して、測定結果を設置位置決定部9に出力する。設置位置決定部9は、受信レベル測定部6から受信レベルの測定結果が入力されると、器体15の位置と受信レベルの測定結果とを表すデータをメモリ12に記憶させた後、駆動指示部10から駆動部11へ器体15を所定の距離だけスライド移動させる駆動指令を出力させて、器体15をスライド移動させる。器体15が所定の距離だけスライド移動すると、設置位置決定部9は、テスト電波送信部5から第1の無線通信部2に送信指令を再度出力させ、この送信指令に応じて第1の無線通信部2が基地局向けアンテナ2aを介してテスト用電波を放射させており、第2の無線通信部3でテスト用電波を受信して、受信レベル測定部6が受信した電波の受信レベルを測定すると、その時の器体15の位置と受信レベルの測定結果とを表すデータをメモリ12に記憶させる。そして、設置位置決定部9は、器体15がスライドレール17aの反対側の端に達するまで上述した受信レベルの測定処理を繰り返し実行しており、器体15がスライドレール17aの反対側の端に達すると、メモリ12に記憶された各々の位置における受信レベルの測定結果をもとに、受信レベルが最も低かった位置を器体15の設置位置に決定し、この設置位置まで器体15を移動させる駆動指令を駆動指示部10から駆動部11へ出力させて、器体15を設置位置まで移動させる。
【0027】
このように、設置位置決定部9は、駆動部11を用いて器体15を所定の移動範囲内の端から端まで少しずつスライド移動させており、各々の停止位置でテスト電波送信部5を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定部6の測定結果をもとに、移動範囲内で干渉波の受信レベルが最も低い位置を器体15の設置位置に決定し、この設置位置まで駆動部11を用いて器体15をスライド移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体15を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所で使用されるのを防止できる。したがって、この無線中継装置1を電波環境の良好な位置に設置して使用させることができるから、1台の無線中継装置1で収容可能な回線数、又は、通信速度を高めることが可能になる。
【0028】
尚、上述の各実施形態では第1の無線通信部2からテスト用電波を送信させ、第2の無線通信部3が受信したテスト用電波の受信レベルを測定しているが、第2の無線通信部3からテスト用電波を送信させ、第1の無線通信部2が受信したテスト用電波の受信レベルを測定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、無線中継装置を設置する際に、テスト電波送信手段を用いて第1又は第2の無線通信手段の何れか一方よりテスト用電波を送信させると、第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波、すなわち干渉波の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段はその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断して、その判断結果を報知手段が報知しているので、設置場所の電波環境が悪い場合は電波環境が悪いことを使用者に対して知らしめることができ、電波環境が悪い場所で無線中継装置が運用されるのを防止できる。
【0030】
また、請求項2の発明では、器体は被取付部に固定された設置板に対してスライド移動自在に取り付けられているので、無線中継装置を設置する際に、設置作業者が器体の位置を少しずつスライド移動させた後に、テスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させると、この時の受信レベルを受信レベル測定手段が測定し、運用可否判断手段がその測定結果と閾値レベルとの高低を比較することで、その位置での運用の可否を判断して、判断結果を報知手段で報知しているので、運用可能な位置を探索する作業を容易に行うことができる。また、器体の設置位置を一旦決定すると、固定手段により器体をその位置に固定することができるので、施工後に器体がスライド移動して、電波環境が変化するのを防止できる。
【0031】
また、請求項3の発明では、設置位置決定手段は、駆動手段を用いて器体を移動範囲の端から端までスライド移動させながら、移動範囲内の複数の位置においてテスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの受信レベル測定手段の測定結果をもとに、干渉波の受信レベルが最も低い位置を設置位置として、この設置位置に駆動手段を用いて器体を移動させており、干渉波の受信レベルが最も低い位置を自動的に探して、その位置まで器体を移動させているので、電波環境の良い場所を探して、その場所で中継を行わせることができ、電波環境の悪い場所での運用を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の無線中継装置のブロック図である。
【図2】同上の動作を説明するフローチャートである。
【図3】実施形態2の無線中継装置の外観図である。
【図4】実施形態3の無線中継装置のブロック図である。
【図5】同上の外観図である。
【図6】無線中継装置を用いた無線通信システムの概略構成図である。
【符号の説明】
1 無線中継装置
2 第1の無線通信部
2a 基地局向けアンテナ
3 第2の無線通信部
3a 移動局向けアンテナ
4 テスト操作部
5 テスト電波送信部
6 受信レベル測定部
7 運用可否判断部
8 報知部
Claims (3)
- 基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、前記基地局又は前記移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して前記基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して前記移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、前記第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、前記第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、前記受信レベル測定手段の測定結果と予め設定された閾値レベルとの高低を比較することで中継が可能か否かを判断する運用可否判断手段と、前記運用可否判断手段の判断結果を報知する報知手段とを備えて成ることを特徴とする無線中継装置。
- 上記各手段を収納するとともに、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体と、当該器体の位置を固定する固定手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の無線中継装置。
- 基地局と移動局との間でTDMA方式で無線通信を行う無線通信システムに用いられ、前記基地局又は前記移動局の何れか一方から送信された電波信号を受信して、受信した信号を電波信号で他方に送信する無線中継装置において、基地局向けアンテナを介して前記基地局との間で無線通信を行う第1の無線通信手段と、移動局向けアンテナを介して前記移動局との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、前記第1又は第2の無線通信手段の何れか一方を用いてテスト用電波を送信させるテスト電波送信手段と、前記第1又は第2の無線通信手段の他方が受信したテスト用電波の受信レベルを測定する受信レベル測定手段とを、被取付部に固定された設置板にスライド移動自在に取り付けられる器体に収納し、該器体を所定の移動範囲内でスライド移動させる駆動手段と、前記駆動手段を用いて前記器体を前記移動範囲の端から端までスライド移動させるとともに、前記移動範囲内の複数の位置において前記テスト電波送信手段を用いてテスト用電波を送信させたときの前記受信レベル測定手段の測定結果をもとに、受信レベルの最も低い位置を設置位置として、この設置位置に前記駆動手段を用いて前記器体をスライド移動させる設置位置決定手段とを備えて成ることを特徴とする無線中継装置。
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- 2003-04-28 JP JP2003124241A patent/JP2004328667A/ja not_active Withdrawn
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