JP2004328502A - 無線データ通信方法および無線データ通信システム - Google Patents
無線データ通信方法および無線データ通信システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制する。
【解決手段】各子機がビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す。
【選択図】 図1
【解決手段】各子機がビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池電源で動作する携帯情報端末等の子機と、LANなどの有線ネットワークに接続された無線LAN基地局等の親機との間で無線データ通信を行う構成において、親機と接続状態にある子機の消費電力の低減を図る無線データ通信方法および無線データ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電池電源で動作する携帯情報端末等の子機は電池の消耗を抑える必要があり、利用しないときに通電状態のままにしておくことは好ましくない。しかし、無線LAN基地局等の親機との間で無線通信することを想定している子機の場合には、電源を完全にオフにすると、利用時の起動処理に長時間を要することになる。そこで、このような子機では、起動時間を短縮するために電力消費の少ないサスペンド状態と、通常動作状態との間で遷移できるように構成したものが多い。
【0003】
ここで、サスペンド状態は、CPUを待機状態にするとともに無線通信用LSI回路への通電を遮断する場合と、通電を継続する場合とがある。前者の場合は、子機が通常動作に復帰するときに、無線通信用LSI回路の起動、初期化、親機との再接続が必要になるので、通信可能になるまでに所要の時間がかかる。一方、後者の場合は電力消費量が増大する。
【0004】
ところで、サスペンド状態の子機が移動し、新たな親機との間で接続が必要になった場合には、子機のCPUは待機状態にあるので、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信できてもCPUで受信処理できない。すなわち、子機が通常動作状態に戻るまで、新たな親機と接続(ローミング)することができない。したがって、サスペンド状態の子機が移動すると、新たな親機との間で通信可能になるまで長時間を要することになる。
【0005】
また、サスペンド状態の子機において、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信したときに、割り込み等によりCPUを一時的に動作状態に戻して受信処理するように制御すると、親機が定期的に送信するビーコン信号を受信する度に子機のCPUが動作状態になり、電力消費量が増大する。
【0006】
特許文献1では、子機(無線LAN端末)が別の親機(無線LANブリッジ)に接続しなおすローミング処理を行うシステムにおいて、子機のパワーマネジメントを行う方法について提案している。例えば、ローミング処理のために、親機から定期的に送信されるビーコン信号の受信時間に合わせて子機の所要部へ電源供給を行う方法などが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3338818号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、親機と通信可能な状態にある子機では、親機から子機への送信が任意のタイミングで生じるために、受信回路に電力を継続して供給し、待機しておく必要があった。すなわち、親機と通信可能な状態の子機は、親機からの送信の有無に拘らず、常に受信回路において電力を消費し、電池を消耗する問題があった。
【0009】
本発明は、親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制することができる無線データ通信方法および無線データ通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返すことを特徴とする。
【0011】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、接続要求応答信号を受信した子機は、接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返すことを特徴とする。
【0013】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。さらに、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項4,5に記載の発明では、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および通信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段を備える。
【0019】
請求項7に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、子機は、親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、ビーコン信号を受信したときに、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段とを備え、親機は、接続要求信号を受信したときに、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備える。
【0020】
また、子機は、受信した前記ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含むようにしてもよい(請求項8)。
【0021】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項9)。
【0022】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項10)。
【0023】
また、親機は、子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の通信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えるようにしてもよい(請求項11)。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の無線データ通信方法における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。
【0025】
図において、親機は、子機1〜Mに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報t1 〜tM を含むビーコン信号を周期Tb でブロードキャスト送信し、それぞれの受信時間帯になると親機と各子機との間で無線データ通信が行われる。
【0026】
親機と未接続の子機m(m=1,2,…,M)は、子機情報を含み親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する。この接続要求信号を受信した親機は、子機情報によって子機mからの接続要求であることを確認し、子機mとの接続可否を判断して接続可であれば、接続許可情報とビーコン信号の送信時間を示すビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を生成し、接続不可であれば、接続不許可情報を含む接続要求応答信号を生成し、子機mに送信する。接続許可情報およびビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を受信した子機mは、ビーコン受信開始時刻Tbsまで子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0027】
子機mは、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻Tbsになるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。このビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれる場合には、子機mは通信時間帯情報tm から通信開始時刻Tst.mと通信時間Tc.m を検出し、通信開始時刻Tst.mまで子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に遷移する。一方、ビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれない場合は、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間Tb だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0028】
子機mは、通信時間帯パワーダウン状態に遷移して通信開始時刻Tst.mになるとウェイクアップし、通信時間帯状態に遷移して親機との無線データ通信を行う。そして通信時間Tc.m の終了後に親機との無線データ通信を中断し、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0029】
子機mは、ビーコン信号の周期Tb 内で、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻になるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。その後の子機mと親機の動作は、前回のビーコン信号受信時以降と同様である。
【0030】
(親機の構成例)
図2は、本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示す。図において、親機は、無線部11、無線信号処理部12、無線送信バッファ13、およびネットワークインタフェース部14から構成され、ネットワークインタフェース部14にネットワーク15が接続される。
【0031】
無線部11は、各子機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部12に出力する。また、無線信号処理部12から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。
【0032】
無線信号処理部12は、無線部11から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により生成された無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号)を、送信無線信号として無線部11に出力する。また、無線部11から入力された受信無線信号のうち接続中の子機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号としてネットワークインタフェース部14に出力する。ネットワークインタフェース部14から入力された接続中の子機への送信データ信号は一旦無線送信バッファ13に保持され、各子機の通信時間帯にそれぞれの送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部11に出力する。
【0033】
ここで、無線送信バッファ13では、子機mとの接続により子機別バッファ領域mが確保され、子機mとの接続断により子機別バッファ領域mが開放される。子機別バッファ領域mには、ネットワークインタフェース部14から入力される子機mへの送信データ信号が保持される。また、子機mの通信時間帯に、子機別バッファ領域mに保持された送信データ信号が読み出される。
【0034】
ネットワークインタフェース部14は、無線信号処理部12から入力される受信データ信号をネットワーク15に送信する。また、ネットワーク15から接続中の子機mへのデータ信号を受信し、送信データ信号として無線信号処理部12に出力する。
【0035】
(子機の構成例)
図3は、本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示す。図において、子機は、無線部21、無線信号処理部22、中央処理部23、表示部24、操作部25、および記憶部26から構成される。
【0036】
無線部21は、親機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部22に出力する。また、無線信号処理部22から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。さらに、無線部21は、無線信号処理部22からパワーダウン信号が入力されると、無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。
【0037】
無線信号処理部22は、無線部21から入力された受信無線信号のうち親機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号として中央処理部23に出力する。中央処理部23から入力された親機への送信データ信号は、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部21に出力する。また、無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求信号)を送信無線信号として無線部21に出力し、無線部21から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により、ビーコンパワーダウン状態または通信時間帯パワーダウン状態に遷移する場合に、パワーダウン信号を生成して無線部21に出力する。
【0038】
中央処理部23は、マイクロプロセッサなどの回路を内蔵しており、無線信号処理部22の無線制御信号処理や、表示部24、操作部25および記憶部26との間で子機のための各種機能をプログラム制御する。
【0039】
(子機の無線制御信号処理の状態遷移)
図4は、本発明の無線データ通信方法における子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す。
【0040】
子機は、親機に接続していない「未接続状態」と、親機に接続している「接続状態」のうち、いずれか一方の状態をとる。まず、未接続状態における子機の状態遷移について説明する。
【0041】
子機は、動作を開始したとき、または親機との接続断を検出したときに休止状態ST1に遷移し、所定の休止時間Td の終了後に接続要求送信状態ST2に遷移する。接続要求送信状態ST2では、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答待ち状態ST3に遷移する。接続要求応答待ち状態ST3では、応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からの接続要求応答信号が受信されなかった場合に休止状態ST1に遷移する。一方、応答待ち時間Tawが終了するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には接続要求応答受信状態ST4に遷移する。接続要求応答受信状態ST4では、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態ST1に遷移し、接続許可の場合には「接続状態」に遷移する。
【0042】
以下、「接続状態」における子機mの状態遷移について説明する。ここで、親機は周期Tb で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する周期Tb のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する。親機は、接続許可情報を含む接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbaを付加し、ビーコン信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbbを付加する。
【0043】
子機も周期Tb で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答受信状態ST4で接続許可情報を含む接続要求応答信号を受信したときに、「接続状態」の子機通信タイマ補正状態ST5に遷移する。子機通信タイマ補正状態ST5では、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0044】
ビーコンパワーダウン状態ST6では、図3の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。さらに、子機通信タイマ値が周期Tb の経過より少し前のビーコン受信開始時刻Tbsになると、ビーコン待ち状態ST7に遷移する。ビーコン待ち状態ST7では、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からのビーコン信号が受信されなかった場合に通信中断状態ST8に遷移する。一方、受信待ち時間Tbwが終了するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合にはビーコン受信状態ST9に遷移する。
【0045】
通信中断状態ST8では、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態ST6に遷移し、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態ST1に遷移する。
【0046】
ビーコン受信状態ST9では、ビーコン信号を受信したときに親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、子機mの通信時間帯情報tm を確認する。ここで、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれていない場合には、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。一方、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれている場合には、通信時間帯パワーダウン状態ST10に遷移する。
【0047】
通信時間帯パワーダウン状態ST10では、図3の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。さらに、通信時間帯情報tm から通信開始時刻Tst.mと通信時間Tc.m を検出し、通信中断回数Nnbをリセットし、通信開始時刻Tst.mになると通信時間帯状態ST11に遷移する。通信時間帯状態ST11では、通信時間Tc.m の間だけ親機との無線データ通信を行い、通信時間Tc.m の終了後に次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0048】
なお、以上の説明では、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含み、これを用いて子機通信タイマの補正を行っているが、子機がビーコン信号を受信したときに子機通信タイマをリセットするようにしてもよい。この場合には、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含む必要はない。また、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報tm で通知する通信時間Tc.m は、親機通信タイマ値で示される通信終了時刻でもよい。
【0049】
(子機の無線信号処理部22の処理手順)
図5,6は、子機の無線信号処理部22の処理手順を示す。なお、本処理手順は、図4の無線制御信号処理における状態遷移に対応するものであり、図5は「未接続状態」、図6は「接続状態」に対応する処理手順を示す。接続状態値が1のときに接続状態、0のときに未接続状態とし、パワーダウン信号値が1のときに無線部21にパワーダウン信号を出力するものとする。
【0050】
図5において、子機は休止状態(接続状態値=0、パワーダウン信号値=0)で、休止時間Td を計測するタイマをスタートさせる(S1,S2)。休止時間Td が終了すると、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答信号の応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせる(S3,S4,S5)。ここで、接続要求応答信号が受信されずに応答待ち時間Tawがタイムアウトすると休止状態に戻る(S6,S7)。一方、応答待ち時間Tawが経過するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態に戻り、接続許可の場合には接続状態(接続状態値=1)になる(S6,S8,S9)。
【0051】
図6において、「接続状態」になると、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマ値Tn を補正し、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)とする(S11,S12)。さらに、子機通信タイマ値Tn がビーコン受信開始時刻Tbsになるまでビーコンパワーダウン状態を継続し、Tn =Tbsになるとビーコンパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせる(S13,S14)。ここで、ビーコン信号が受信されずに受信待ち時間Tbwがタイムアウトすると、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)する(S15,S16,S17)。そして、通信中断回数Nnbが所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S18,S12)、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態に戻る(S18,S19,図5のS1)。これにより、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0052】
一方、受信待ち時間Tbwが経過するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合には、親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正し、子機mの通信時間帯情報tm を確認する(S15,S16,S20,S21)。ここで、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれていない場合には、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S21,S12)、通信時間帯情報tm が含まれている場合には、通信時間帯パワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)になる(S21,S22)。
【0053】
通信時間帯パワーダウン状態から通信開始時刻Tst.mになると、通信時間帯パワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、通信時間Tc.m を計測するタイマをスタートさせる(S23,S24)。そして、通信時間Tc.m の間だけ親機との無線データ通信を行い、通信時間Tc.m の終了後にビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻る(S25,S26,S12)。これにより、ビーコン信号を受信してから子機mに割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0055】
また、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0056】
また、本発明は、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および通信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができるので、子機の消費電力の低減効果を最大限に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図2】本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示すブロック図。
【図3】本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示すブロック図。
【図4】子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す状態遷移図。
【図5】子機の無線信号処理部22の処理手順(未接続状態)を示すフローチャート。
【図6】子機の無線信号処理部22の処理手順(接続状態)を示すフローチャート。
【符号の説明】
11 無線部
12 無線信号処理部
13 無線送信バッファ
14 ネットワークインタフェース部
15 ネットワーク
21 無線部
22 無線信号処理部
23 中央処理部
24 表示部
25 操作部
26 記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池電源で動作する携帯情報端末等の子機と、LANなどの有線ネットワークに接続された無線LAN基地局等の親機との間で無線データ通信を行う構成において、親機と接続状態にある子機の消費電力の低減を図る無線データ通信方法および無線データ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電池電源で動作する携帯情報端末等の子機は電池の消耗を抑える必要があり、利用しないときに通電状態のままにしておくことは好ましくない。しかし、無線LAN基地局等の親機との間で無線通信することを想定している子機の場合には、電源を完全にオフにすると、利用時の起動処理に長時間を要することになる。そこで、このような子機では、起動時間を短縮するために電力消費の少ないサスペンド状態と、通常動作状態との間で遷移できるように構成したものが多い。
【0003】
ここで、サスペンド状態は、CPUを待機状態にするとともに無線通信用LSI回路への通電を遮断する場合と、通電を継続する場合とがある。前者の場合は、子機が通常動作に復帰するときに、無線通信用LSI回路の起動、初期化、親機との再接続が必要になるので、通信可能になるまでに所要の時間がかかる。一方、後者の場合は電力消費量が増大する。
【0004】
ところで、サスペンド状態の子機が移動し、新たな親機との間で接続が必要になった場合には、子機のCPUは待機状態にあるので、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信できてもCPUで受信処理できない。すなわち、子機が通常動作状態に戻るまで、新たな親機と接続(ローミング)することができない。したがって、サスペンド状態の子機が移動すると、新たな親機との間で通信可能になるまで長時間を要することになる。
【0005】
また、サスペンド状態の子機において、無線通信用LSI回路が親機からの無線信号を受信したときに、割り込み等によりCPUを一時的に動作状態に戻して受信処理するように制御すると、親機が定期的に送信するビーコン信号を受信する度に子機のCPUが動作状態になり、電力消費量が増大する。
【0006】
特許文献1では、子機(無線LAN端末)が別の親機(無線LANブリッジ)に接続しなおすローミング処理を行うシステムにおいて、子機のパワーマネジメントを行う方法について提案している。例えば、ローミング処理のために、親機から定期的に送信されるビーコン信号の受信時間に合わせて子機の所要部へ電源供給を行う方法などが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3338818号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、親機と通信可能な状態にある子機では、親機から子機への送信が任意のタイミングで生じるために、受信回路に電力を継続して供給し、待機しておく必要があった。すなわち、親機と通信可能な状態の子機は、親機からの送信の有無に拘らず、常に受信回路において電力を消費し、電池を消耗する問題があった。
【0009】
本発明は、親機と通信可能な状態の子機における電力消費を抑制することができる無線データ通信方法および無線データ通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返すことを特徴とする。
【0011】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、接続要求応答信号を受信した子機は、接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返すことを特徴とする。
【0013】
これにより、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。さらに、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、ビーコン信号を受信した子機は、ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の無線データ通信方法において、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項4,5に記載の発明では、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および通信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、子機は、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段を備える。
【0019】
請求項7に記載の発明は、少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、子機は、親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、ビーコン信号を受信したときに、ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段とを備え、親機は、接続要求信号を受信したときに、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備える。
【0020】
また、子機は、受信した前記ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含むようにしてもよい(請求項8)。
【0021】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、ビーコン信号の受信により親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項9)。
【0022】
また、親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、子機は、所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えるようにしてもよい(請求項10)。
【0023】
また、親機は、子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の通信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えるようにしてもよい(請求項11)。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の無線データ通信方法における親機−子機間の無線データ通信シーケンスの概要を示す。
【0025】
図において、親機は、子機1〜Mに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報t1 〜tM を含むビーコン信号を周期Tb でブロードキャスト送信し、それぞれの受信時間帯になると親機と各子機との間で無線データ通信が行われる。
【0026】
親機と未接続の子機m(m=1,2,…,M)は、子機情報を含み親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する。この接続要求信号を受信した親機は、子機情報によって子機mからの接続要求であることを確認し、子機mとの接続可否を判断して接続可であれば、接続許可情報とビーコン信号の送信時間を示すビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を生成し、接続不可であれば、接続不許可情報を含む接続要求応答信号を生成し、子機mに送信する。接続許可情報およびビーコン時間情報を含む接続要求応答信号を受信した子機mは、ビーコン受信開始時刻Tbsまで子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0027】
子機mは、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻Tbsになるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。このビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれる場合には、子機mは通信時間帯情報tm から通信開始時刻Tst.mと通信時間Tc.m を検出し、通信開始時刻Tst.mまで子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に遷移する。一方、ビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれない場合は、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間Tb だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0028】
子機mは、通信時間帯パワーダウン状態に遷移して通信開始時刻Tst.mになるとウェイクアップし、通信時間帯状態に遷移して親機との無線データ通信を行う。そして通信時間Tc.m の終了後に親機との無線データ通信を中断し、親機が次にビーコン信号を送信するまでの時間だけビーコンパワーダウン状態に遷移する。
【0029】
子機mは、ビーコン信号の周期Tb 内で、ビーコンパワーダウン状態に遷移してからビーコン受信開始時刻になるとウェイクアップし、ビーコン待ち状態に遷移して親機から送信されたビーコン信号を受信する。その後の子機mと親機の動作は、前回のビーコン信号受信時以降と同様である。
【0030】
(親機の構成例)
図2は、本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示す。図において、親機は、無線部11、無線信号処理部12、無線送信バッファ13、およびネットワークインタフェース部14から構成され、ネットワークインタフェース部14にネットワーク15が接続される。
【0031】
無線部11は、各子機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部12に出力する。また、無線信号処理部12から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。
【0032】
無線信号処理部12は、無線部11から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により生成された無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号)を、送信無線信号として無線部11に出力する。また、無線部11から入力された受信無線信号のうち接続中の子機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号としてネットワークインタフェース部14に出力する。ネットワークインタフェース部14から入力された接続中の子機への送信データ信号は一旦無線送信バッファ13に保持され、各子機の通信時間帯にそれぞれの送信データ信号を読み出し、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部11に出力する。
【0033】
ここで、無線送信バッファ13では、子機mとの接続により子機別バッファ領域mが確保され、子機mとの接続断により子機別バッファ領域mが開放される。子機別バッファ領域mには、ネットワークインタフェース部14から入力される子機mへの送信データ信号が保持される。また、子機mの通信時間帯に、子機別バッファ領域mに保持された送信データ信号が読み出される。
【0034】
ネットワークインタフェース部14は、無線信号処理部12から入力される受信データ信号をネットワーク15に送信する。また、ネットワーク15から接続中の子機mへのデータ信号を受信し、送信データ信号として無線信号処理部12に出力する。
【0035】
(子機の構成例)
図3は、本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示す。図において、子機は、無線部21、無線信号処理部22、中央処理部23、表示部24、操作部25、および記憶部26から構成される。
【0036】
無線部21は、親機から送信された無線電波をアンテナで受信し、受信無線信号に変換して無線信号処理部22に出力する。また、無線信号処理部22から入力された送信無線信号を無線電波に変換してアンテナから送信する。さらに、無線部21は、無線信号処理部22からパワーダウン信号が入力されると、無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。
【0037】
無線信号処理部22は、無線部21から入力された受信無線信号のうち親機からの受信無線データ信号は、無線データ信号処理を施して受信データ信号として中央処理部23に出力する。中央処理部23から入力された親機への送信データ信号は、無線データ信号処理を施して送信無線信号として無線部21に出力する。また、無線通信を制御するための送信無線制御信号(例えば、接続要求信号)を送信無線信号として無線部21に出力し、無線部21から入力された受信無線信号のうち、無線通信を制御するための受信無線制御信号(例えば、接続要求応答信号やビーコン信号)に対して無線制御信号処理を行う。この無線制御信号処理により、ビーコンパワーダウン状態または通信時間帯パワーダウン状態に遷移する場合に、パワーダウン信号を生成して無線部21に出力する。
【0038】
中央処理部23は、マイクロプロセッサなどの回路を内蔵しており、無線信号処理部22の無線制御信号処理や、表示部24、操作部25および記憶部26との間で子機のための各種機能をプログラム制御する。
【0039】
(子機の無線制御信号処理の状態遷移)
図4は、本発明の無線データ通信方法における子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す。
【0040】
子機は、親機に接続していない「未接続状態」と、親機に接続している「接続状態」のうち、いずれか一方の状態をとる。まず、未接続状態における子機の状態遷移について説明する。
【0041】
子機は、動作を開始したとき、または親機との接続断を検出したときに休止状態ST1に遷移し、所定の休止時間Td の終了後に接続要求送信状態ST2に遷移する。接続要求送信状態ST2では、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答待ち状態ST3に遷移する。接続要求応答待ち状態ST3では、応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からの接続要求応答信号が受信されなかった場合に休止状態ST1に遷移する。一方、応答待ち時間Tawが終了するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には接続要求応答受信状態ST4に遷移する。接続要求応答受信状態ST4では、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態ST1に遷移し、接続許可の場合には「接続状態」に遷移する。
【0042】
以下、「接続状態」における子機mの状態遷移について説明する。ここで、親機は周期Tb で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する周期Tb のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する。親機は、接続許可情報を含む接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbaを付加し、ビーコン信号を送信するときに親機通信タイマ値Tbbを付加する。
【0043】
子機も周期Tb で動作する子機通信タイマを有し、接続要求応答受信状態ST4で接続許可情報を含む接続要求応答信号を受信したときに、「接続状態」の子機通信タイマ補正状態ST5に遷移する。子機通信タイマ補正状態ST5では、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0044】
ビーコンパワーダウン状態ST6では、図3の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。さらに、子機通信タイマ値が周期Tb の経過より少し前のビーコン受信開始時刻Tbsになると、ビーコン待ち状態ST7に遷移する。ビーコン待ち状態ST7では、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせ、その間に親機からのビーコン信号が受信されなかった場合に通信中断状態ST8に遷移する。一方、受信待ち時間Tbwが終了するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合にはビーコン受信状態ST9に遷移する。
【0045】
通信中断状態ST8では、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)し、その値が所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態ST6に遷移し、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態ST1に遷移する。
【0046】
ビーコン受信状態ST9では、ビーコン信号を受信したときに親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正して親機に同期させ、子機mの通信時間帯情報tm を確認する。ここで、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれていない場合には、次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。一方、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれている場合には、通信時間帯パワーダウン状態ST10に遷移する。
【0047】
通信時間帯パワーダウン状態ST10では、図3の無線部21にパワーダウン信号を送出し、子機mの無線電波の送受信回路を停止して消費電力を低減する。さらに、通信時間帯情報tm から通信開始時刻Tst.mと通信時間Tc.m を検出し、通信中断回数Nnbをリセットし、通信開始時刻Tst.mになると通信時間帯状態ST11に遷移する。通信時間帯状態ST11では、通信時間Tc.m の間だけ親機との無線データ通信を行い、通信時間Tc.m の終了後に次のビーコン信号を待つべくビーコンパワーダウン状態ST6に遷移する。
【0048】
なお、以上の説明では、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含み、これを用いて子機通信タイマの補正を行っているが、子機がビーコン信号を受信したときに子機通信タイマをリセットするようにしてもよい。この場合には、ビーコン信号が親機通信タイマ値Tbbを含む必要はない。また、ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報tm で通知する通信時間Tc.m は、親機通信タイマ値で示される通信終了時刻でもよい。
【0049】
(子機の無線信号処理部22の処理手順)
図5,6は、子機の無線信号処理部22の処理手順を示す。なお、本処理手順は、図4の無線制御信号処理における状態遷移に対応するものであり、図5は「未接続状態」、図6は「接続状態」に対応する処理手順を示す。接続状態値が1のときに接続状態、0のときに未接続状態とし、パワーダウン信号値が1のときに無線部21にパワーダウン信号を出力するものとする。
【0050】
図5において、子機は休止状態(接続状態値=0、パワーダウン信号値=0)で、休止時間Td を計測するタイマをスタートさせる(S1,S2)。休止時間Td が終了すると、親機への接続を要求する接続要求信号を送信し、接続要求応答信号の応答待ち時間Tawを計測するタイマをスタートさせる(S3,S4,S5)。ここで、接続要求応答信号が受信されずに応答待ち時間Tawがタイムアウトすると休止状態に戻る(S6,S7)。一方、応答待ち時間Tawが経過するまでの間に親機からの接続要求応答信号が受信された場合には、接続要求応答信号に含まれる接続許可情報を確認し、親機への接続が不許可の場合には休止状態に戻り、接続許可の場合には接続状態(接続状態値=1)になる(S6,S8,S9)。
【0051】
図6において、「接続状態」になると、接続要求応答信号で通知される親機通信タイマ値Tbaにより子機通信タイマ値Tn を補正し、通信中断回数Nnbをリセットし、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)とする(S11,S12)。さらに、子機通信タイマ値Tn がビーコン受信開始時刻Tbsになるまでビーコンパワーダウン状態を継続し、Tn =Tbsになるとビーコンパワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、ビーコン信号の受信待ち時間Tbwを計測するタイマをスタートさせる(S13,S14)。ここで、ビーコン信号が受信されずに受信待ち時間Tbwがタイムアウトすると、通信中断回数Nnbをインクリメント(+1)する(S15,S16,S17)。そして、通信中断回数Nnbが所定値Nnbmax を越えなければビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S18,S12)、所定値Nnbmax を越えれば親機との接続を断にして「未接続状態」の休止状態に戻る(S18,S19,図5のS1)。これにより、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0052】
一方、受信待ち時間Tbwが経過するまでの間に親機からのビーコン信号が受信された場合には、親機通信タイマ値Tbbにより子機通信タイマを補正し、子機mの通信時間帯情報tm を確認する(S15,S16,S20,S21)。ここで、受信したビーコン信号に子機mの通信時間帯情報tm が含まれていない場合には、ビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻り(S21,S12)、通信時間帯情報tm が含まれている場合には、通信時間帯パワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)になる(S21,S22)。
【0053】
通信時間帯パワーダウン状態から通信開始時刻Tst.mになると、通信時間帯パワーダウン状態から復帰し(パワーダウン信号値=0)、通信時間Tc.m を計測するタイマをスタートさせる(S23,S24)。そして、通信時間Tc.m の間だけ親機との無線データ通信を行い、通信時間Tc.m の終了後にビーコンパワーダウン状態(パワーダウン信号値=1)に戻る(S25,S26,S12)。これにより、ビーコン信号を受信してから子機mに割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機mの消費電力を抑制することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、接続要求応答信号を受信してからビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0055】
また、本発明は、親機と通信可能な状態の子機において、ビーコン信号を受信してから子機に割り当てられた通信時間帯になるまで、さらに通信時間帯後から次のビーコン信号が到達するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態およびビーコンパワーダウン状態に設定することにより、子機の消費電力を大幅に低減することができる。
【0056】
また、本発明は、簡単な構成で親機と子機のクロック誤差を補正して同期をとり、ビーコンパワーダウン状態および通信時間帯パワーダウン状態の設定タイミングを正確に制御することができるので、子機の消費電力の低減効果を最大限に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】親機−子機間の無線データ通信シーケンスを示すタイムチャート。
【図2】本発明の無線データ通信システムの親機の構成例を示すブロック図。
【図3】本発明の無線データ通信システムの子機の構成例を示すブロック図。
【図4】子機の無線制御信号処理の状態遷移を示す状態遷移図。
【図5】子機の無線信号処理部22の処理手順(未接続状態)を示すフローチャート。
【図6】子機の無線信号処理部22の処理手順(接続状態)を示すフローチャート。
【符号の説明】
11 無線部
12 無線信号処理部
13 無線送信バッファ
14 ネットワークインタフェース部
15 ネットワーク
21 無線部
22 無線信号処理部
23 中央処理部
24 表示部
25 操作部
26 記憶部
Claims (11)
- 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信方法において、
前記親機と未接続の子機は、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信し、
前記接続要求信号を受信した親機は、子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信し、
前記接続要求応答信号を受信した子機は、前記接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、前記ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信し、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記ビーコン信号を受信した子機は、前記ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項1または請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信し、
前記子機は、前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記ビーコン信号の受信により前記親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、前記ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 請求項2に記載の無線データ通信方法において、
前記親機は、所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、
前記子機は、前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、前記接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する
ことを特徴とする無線データ通信方法。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、
前記ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 少なくとも1つの子機と、所定のネットワークに接続される親機との間で、親機が子機ごとに割り当てた通信時間帯を示す通信時間帯情報を含むビーコン信号を所定の周期でブロードキャスト送信し、各子機がそのビーコン信号で通知された通信時間帯に親機との間で無線データ通信を行う無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、
前記親機と未接続のときに、親機への接続を要求する接続要求信号をブロードキャスト送信する手段と、
前記親機から送信された接続要求応答信号で通知されるビーコン信号送信までの時間情報に応じて、前記ビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する手段と、
前記ビーコン信号を受信したときに、前記ビーコン信号で通知される通信時間帯情報に応じて、子機に割り当てられた通信時間帯までの間、子機の電力消費レベルを低下させる通信時間帯パワーダウン状態に設定し、その後に通信時間帯パワーダウン状態から復帰して親機との無線データ通信を行い、通信時間帯の終了後から次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定し、その後にビーコンパワーダウン状態から復帰してビーコン信号を受信する処理を繰り返す手段とを備え、
前記親機は、
前記接続要求信号を受信したときに、前記子機に対する接続許可情報とビーコン信号送信までの時間情報を含む接続要求応答信号を送信する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項6または請求項7に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記子機は、受信した前記ビーコン信号に子機の通信時間帯情報が含まれていない場合に、次のビーコン信号が到着するまでの間、子機の電力消費レベルを低下させるビーコンパワーダウン状態に設定する手段を含む
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項6または請求項7に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
前記所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、親機通信タイマが生成する所定の周期のビーコン送信タイミングでビーコン信号をブロードキャスト送信する手段を備え、
前記子機は、
前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記ビーコン信号の受信により前記親機通信タイマと同期させるための子機通信タイマ値の補正を行い、前記ビーコン信号に含まれる通信時間帯情報から得られる通信時間帯パワーダウン状態に設定する時間、通信時間帯に設定する時間、ビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項7に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
所定の周期で動作する親機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号を送信するときに親機通信タイマ値を付加し、
前記子機は、
前記所定の周期で動作する子機通信タイマを有し、前記接続要求応答信号の親機通信タイマ値に応じて子機通信タイマ値を補正して親機に同期させ、前記接続要求応答信号に含まれる時間情報から得られるビーコンパワーダウン状態に設定する時間を制御する手段を備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。 - 請求項6または請求項7に記載の無線データ通信システムにおいて、
前記親機は、
子機との接続により対応する子機別バッファ領域を確保し、子機との接続断により対応する子機別バッファ領域を開放する無線送信バッファと、
前記子機への送信データ信号をそれぞれ対応する子機別バッファ領域に保持し、子機の通信時間帯に対応する子機別バッファ領域に保持された送信データ信号を読み出して送信する手段とを備えた
ことを特徴とする無線データ通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122371A JP2004328502A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 無線データ通信方法および無線データ通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003122371A JP2004328502A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 無線データ通信方法および無線データ通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004328502A true JP2004328502A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33500620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003122371A Pending JP2004328502A (ja) | 2003-04-25 | 2003-04-25 | 無線データ通信方法および無線データ通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004328502A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7761212B2 (en) | 2008-03-24 | 2010-07-20 | Shimano Inc. | Wireless communication apparatus |
JP2013505663A (ja) * | 2009-09-22 | 2013-02-14 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 無線ネットワークの省電力動作のための遊休タイムアウトの報知時間のための方法及びシステム |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003122371A patent/JP2004328502A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7761212B2 (en) | 2008-03-24 | 2010-07-20 | Shimano Inc. | Wireless communication apparatus |
JP2013505663A (ja) * | 2009-09-22 | 2013-02-14 | サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド | 無線ネットワークの省電力動作のための遊休タイムアウトの報知時間のための方法及びシステム |
US9264992B2 (en) | 2009-09-22 | 2016-02-16 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Method and system for announcement time of idle timeout for power saving operations in wireless networks |
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