JP2004328206A - ノイズリデューサ - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームメモリを使用した巡回型ノイズリデューサでは、入力映像信号とフレームメモリに記憶した1フレーム前の映像信号との差の小レベルの部分をノイズとして検出する。このフレーム間差分の小レベルの信号には、ノイズだけでなく動き成分も含まれている場合があり、この信号を元信号から除去すると映像が劣化するという問題点があった。
【解決手段】従来の巡回型ノイズリデューサに対して、さらにもう一段フレームメモリを 追加し、2つの時刻のフレーム間差分値から、フレーム間差分の時間方向の変化を検出する。この変価値を用いて、入力映像信号に含まれるノイズ成分を高い精度で検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】従来の巡回型ノイズリデューサに対して、さらにもう一段フレームメモリを 追加し、2つの時刻のフレーム間差分値から、フレーム間差分の時間方向の変化を検出する。この変価値を用いて、入力映像信号に含まれるノイズ成分を高い精度で検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号処理の分野におけるフレームメモリを用いた巡回型ノイズリデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号処理装置において、映像信号の記録、再生、伝送処理等の過程で本来の映像信号と無関係なノイズ成分が混入すると、その出力映像を見た人からは、映像の劣化として認知される。これらノイズ成分を除去することは、映像の高画質化をはかる上で重要である。ノイズリデューサは、入力信号に混入している雑音成分をノイズとして検出し、入力信号から除去するものである。映像信号処理分野のノイズリデューサとしては、フレームメモリを使用した巡回型ノイズリデューサが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この巡回型ノイズリデューサは、入力映像信号と1フレーム前の映像信号の差分値を検出し、このフレーム間差分信号の中の小さいレベルの部分をノイズと判断して除去するものである。これは、一般的に映像の動き成分は、時間方向に相関の大きい低周波成分であるのに対して、ノイズは時間方向に相関が殆どないことを利用したものである。
【0004】
図5は従来の巡回型ノイズリデューサの一例を示したものである。図5のノイズリデューサは、フレームメモリ51、第3のフレーム間差分検出手段52、ノイズ検出手段53、ノイズ除去手段54から構成される。
【0005】
フレームメモリ51は、1フレーム前の出力映像信号を記憶し、映像信号Yfを出力する。第3のフレーム間差分検出手段52は、入力映像信号Yinとフレームメモリの出力映像信号Yfとの差分をとり、フレーム間差分信号ΔYを出力する。フレーム間差分信号ΔYは、フレーム間差分を表す信号であり、映像の静止部分ではノイズ成分が出力される。つまり映像が完全静止画である場合、入力映像信号から、このフレーム間差分信号ΔYをそのまま差し引けば、ノイズを完全に除去することができる。ノイズ検出手段53は、フレーム間差分信号ΔYを用いて、入力映像信号に混在するノイズを判定し、ノイズ成分信号Nsを出力する。
【0006】
以下にノイズ検出手段53の動作について説明する。
【0007】
前述したように、入力映像信号が完全静止画である場合、フレーム間差分ΔYは全てノイズ成分として検出することができる。しかし、入力映像信号が動画であった場合、フレーム間差分ΔYはノイズ成分以外に動き成分を含むことになる。
【0008】
そこで、巡回型のノイズリデューサの一例として、フレーム間差分ΔYに動き適応係数をかけて、映像の動き量を考慮した上でノイズ成分を抽出する方法が提案されている。例えば入力映像信号から動き成分mを検出して、この動き成分mを5段階に分類し、0から5(0が完全静止画)までの値をとるとしたとき、フレーム間差分ΔYを(5−m)/5倍して出力するような構成が考えられる。フレームメモリを用いた巡回型のノイズリデューサは、巡回型のフィルタに相当するため、動き適応係数は帰還係数を呼ばれることが多い。動き適応係数の判定方式には、動き検出回路と係数器、非線形関数など様々な方法が提案されている。ここでは、ノイズ検出手段53として非線形関数を用いた一例を示す。
【0009】
図6は、従来のノイズ検出手段53における入出力関係の1例を示したものであり、横軸はノイズ検出手段の入力値でフレーム間差分信号ΔY,縦軸はノイズ検出手段の出力値でノイズ成分Nsである。ノイズ検出手段は、入力のΔYの値によって、検出するノイズ成分の判定を3つのパターンに切り換える。図6の横軸に示したTh1,Th2の値は、ノイズ検出手段がノイズ成分を判定する際に用いる任意のしきい値である。
【0010】
入力ΔYが0以上Th1以下の場合、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全静止画と判断し、入力を全てノイズ成分Nsとして出力する。
【0011】
入力ΔYがTh1より大きく、Th2より小さい場合、ノイズ検出手段53は入力が大きくなるに従って、入力映像信号は静止画から、より動画へ近づくと判断し、ノイズ成分Nsを減衰させる。
【0012】
入力ΔYがTh2より大きい場合、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全動画と判断し、ノイズ成分Nsを0と出力する。
【0013】
ノイズ除去手段54は、ノイズ判定手段から出力されたノイズ成分Nsを、入力映像信号から減算し、出力映像信号Youtを出力する。
【0014】
以上に示したように、従来のフレームメモリを用いた巡回型のノイズリデューサでは、入力映像信号とフレームメモリ51に記憶した1フレーム前の映像信号の差の小レベルの部分をノイズとして検出する。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−4537号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノイズ検出手段53はフレーム間差分の値が任意のしきい値を超えた場合、入力映像信号は動画と判断し、任意のしきい値よりも小さい場合は、静止画であると判断して、ノイズ成分の大きさを判定する。このような従来のノイズリデューサでは、入力映像信号が任意のしきい値を超えない程度の動き成分をもっていた場合にも、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全静止画と判断し、フレーム間差分値を入力映像信号から除去してしまう。このような場合、ノイズリデューサは入力映像信号から動き成分を除去することになり、映像の動き部分においてボケが発生し、映像が劣化するという問題点を有していた。
【0017】
【課題を解決するための手段】
入力映像信号と1フレーム前の映像信号との差分を検出する第1のフレーム間差分検出手段と、1フレーム前の映像信号と2フレーム前の映像信号との差分を検出する第2のフレーム間差分検出手段と、第1のフレーム間差分検出手段の出力と第2のフレーム間差分検出手段の差分を検出する第3のフレーム間差分検出手段と、第1のフレーム間差分検出手段の出力からノイズ成分を抽出する第1のノイズ検出手段と、第3のフレーム間差分検出手段の出力から、入力映像信号の動画/静止画の判定を行う静止画判定手段と、静止画判定手段の出力によって第1のノイズ検出手段の出力を制御して、最終ノイズ成分を判定する第2のノイズ検出手段と、入力映像信号から第2のノイズ検出手段の出力を除去することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、映像信号の輝度信号に対するノイズリデューサの一例を示したものである。本実施の形態におけるノイズリデューサは、第1のフレームメモリ1、第2のフレームメモリ2、第1のフレーム間差分検出手段3、第2のフレーム間差分検出手段4、第3のフレーム間差分検出手段5、第1のノイズ検出手段6、静止画判定手段7、第2のノイズ検出手段8、ノイズ除去手段9から構成される。
【0019】
第1のフレームメモリ1は、1フレーム前の入力映像信号を記憶し、この映像信号を出力する。第2のフレームメモリ2は、第1のフレームメモリ1の出力する映像を記憶することにより、2フレーム前の入力映像信号を記憶し、この映像信号を出力する。第1のフレーム間差分検出手段3は、入力映像信号Yinと第1のフレームメモリ1の出力映像信号の差分ΔY1を出力する。第2のフレーム間差分検出手段4は、第1のフレームメモリ1の出力映像信号と第2のフレームメモリ2の出力映像信号の差分ΔY2を出力する。第3のフレーム間差分検出手段5は、フレーム間差分信号ΔY1とフレーム間差分信号ΔY2の差分信号ΔY3を出力する。第1のノイズ検出手段6は、フレーム間差分信号ΔY1を用いて、入力映像信号中のノイズ成分Nsを判定する。
【0020】
第1のノイズ検出手段6の動作については、従来例のノイズ検出手段と同様であるため省略する。本実施の形態では,第1のノイズ検出手段6の一例として、非線形関数を用いる。この非線形関数以外にも、例えば入力映像信号に対して動き検出を行って動き適応係数を決め、フレーム間差分ΔYに動き適応係数をかけて、ノイズ成分を抽出する構成も考えられる。ノイズを検出する際の動き適応係数の算出方法は、このノイズリデューサとは直接関係ないため、特に方式は指定しない。
【0021】
静止画判定手段7は、ΔY3を用いて、フレーム間差分の時間方向の差分係数αを出力する。以下に静止画判定手段7の動作について説明する。
【0022】
図3は、静止画判定手段7の入出力関係の1例を示したものである。図3の横軸ΔY3は静止画判定手段の入力値であり、時刻の異なる2つのフレーム間差分の差分をとったものである。静止画判定手段7は、入力ΔY3の値の大きさによって、出力αの値を3つパターンに切り換えて出力する。以下にこれら3つのパターンを示す。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth1よりも小さい場合、αの値を1として出力する。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth1よりも大きく、任意のしきい値Sth2よりも小さい場合、αの値を0.5として出力する。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth2よりも大きい場合、αの値を0として出力する。静止画判定手段7は、フレーム間差分の時間方向の変化値ΔY3の値が小さい場合に大きな出力値を、またこの変化値ΔY3の値が大きな場合に、小さい値を出力する関数であれば良く、本実施の形態のような入出力関係に特定しない。
【0023】
第2のノイズ検出手段8は、第1のノイズ検出手段6の出力Nsと静止画判定手段の出力αの乗算を行い、乗算した結果Nsαを出力する。本実施の形態では、最終的なノイズ成分の判定方法の一例として、第1のノイズ検出手段6の出力と静止画判定手段7の出力αの値の積Nsαを算出する方法を採用した。第1のノイズ検出手段6の出力と静止画判定手段7の出力の2つの情報を用いて、最終的なノイズ成分を判定する構成であれば、本実施の形態のような積をとる方法に限定しない。
【0024】
ノイズ除去手段9は、入力映像信号から第2のノイズ検出手段8の出力Nsαを差し引き、出力映像信号Youtを出力する。
【0025】
本実施の形態におけるノイズリデューサ全体の動きについて、以下に簡単に説明する。図3において、例えばαが1の値をとる場合、最終的なノイズ成分Nsαの値はNsとなる。これは2つの時刻のフレーム間差分の相関が極めて高いため、フレーム間差分を全て動き成分と判断したものである。
【0026】
また、例えばαの値が0の値をとる場合、最終的なノイズ成分Nsαの値は、0となる。これはフレーム間差分ΔY1とフレーム間差分ΔY2の相関が低いため、フレーム間差分の値をノイズと判定したものである。
【0027】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2におけるノイズリデューサを示したものである。本実施の形態におけるノイズリデューサは、第1のフレームメモリ1、第2のフレームメモリ2、第1のフレーム間差分検出手段3、第2のフレーム間差分検出手段4、第3のフレーム間差分検出手段5、第1のノイズ検出手段6、静止画判定手段7、第2のノイズ検出手段8、ノイズ除去手段9から構成される。本実施の形態では、ノイズリデューサを構成する各要素の動作は、静止画判定手段7以外は全て実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0028】
本実施の形態の静止画判定手段7は、第1のノイズ検出手段6の出力を受け、信号αを出力する。静止画判定手段7は、ノイズ検出手段への入力ΔY1がTh1より小さい完全静止画領域であった場合(図2参照)のみ、図3の入出力特性に示したαの値を出力し、それ以外の場合は、常にαの値を1で出力する。上述した静止画判定手段7の出力αの切り換えは、本実施の形態では第1のノイズ検出手段6で用いたしきい値Th1を使用するが、別途、任意のしきい値を設定し、これを用いて切り換えてもよい。
【0029】
実施の形態1に対して、上記の処理を追加することにより、フレーム間差分ΔY1がTh1より大きくTh2より小さい場合に、ノイズリデューサがノイズ成分に対して、動き成分と判断することを防ぐことが出来る。
【0030】
【発明の効果】
従来のノイズリデューサでは、フレーム間差分が小レベルの値をとる映像信号に対して、この小レベルの部分がノイズであるか、又は動き成分であるかを判断することは難しかった。以上に示すように、本発明によれば、2つの時刻のフレーム間差分値を用いて、フレーム間差分の時間方向の変化を検出している。
【0031】
この変化量の相関が極めて高い場合、ノイズの時間方向の相関が殆どない事を考慮すると、フレーム間差分信号は動き成分であると判断することができる。
【0032】
これにより、本発明を用いたノイズリデューサは、微小な動き成分をもつ映像に対しても高い精度でノイズを除去することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサのノイズ検出手段の入出力関係図
【図3】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの静止画判定手段の入出力関係図
【図4】本発明の実施の形態2におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図5】従来のノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図6】従来のノイズリデューサのノイズ検出手段の入出力関係図
【符号の説明】
1 第1のフレームメモリ
2 第2のフレームメモリ
3 第1のフレーム間差分検出手段
4 第2のフレーム間差分検出手段
5 第3のフレーム間差分検出手段
6 第1のノイズ検出手段
7 静止画判定手段
8 第2のノイズ検出手段
9 ノイズ除去手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号処理の分野におけるフレームメモリを用いた巡回型ノイズリデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号処理装置において、映像信号の記録、再生、伝送処理等の過程で本来の映像信号と無関係なノイズ成分が混入すると、その出力映像を見た人からは、映像の劣化として認知される。これらノイズ成分を除去することは、映像の高画質化をはかる上で重要である。ノイズリデューサは、入力信号に混入している雑音成分をノイズとして検出し、入力信号から除去するものである。映像信号処理分野のノイズリデューサとしては、フレームメモリを使用した巡回型ノイズリデューサが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この巡回型ノイズリデューサは、入力映像信号と1フレーム前の映像信号の差分値を検出し、このフレーム間差分信号の中の小さいレベルの部分をノイズと判断して除去するものである。これは、一般的に映像の動き成分は、時間方向に相関の大きい低周波成分であるのに対して、ノイズは時間方向に相関が殆どないことを利用したものである。
【0004】
図5は従来の巡回型ノイズリデューサの一例を示したものである。図5のノイズリデューサは、フレームメモリ51、第3のフレーム間差分検出手段52、ノイズ検出手段53、ノイズ除去手段54から構成される。
【0005】
フレームメモリ51は、1フレーム前の出力映像信号を記憶し、映像信号Yfを出力する。第3のフレーム間差分検出手段52は、入力映像信号Yinとフレームメモリの出力映像信号Yfとの差分をとり、フレーム間差分信号ΔYを出力する。フレーム間差分信号ΔYは、フレーム間差分を表す信号であり、映像の静止部分ではノイズ成分が出力される。つまり映像が完全静止画である場合、入力映像信号から、このフレーム間差分信号ΔYをそのまま差し引けば、ノイズを完全に除去することができる。ノイズ検出手段53は、フレーム間差分信号ΔYを用いて、入力映像信号に混在するノイズを判定し、ノイズ成分信号Nsを出力する。
【0006】
以下にノイズ検出手段53の動作について説明する。
【0007】
前述したように、入力映像信号が完全静止画である場合、フレーム間差分ΔYは全てノイズ成分として検出することができる。しかし、入力映像信号が動画であった場合、フレーム間差分ΔYはノイズ成分以外に動き成分を含むことになる。
【0008】
そこで、巡回型のノイズリデューサの一例として、フレーム間差分ΔYに動き適応係数をかけて、映像の動き量を考慮した上でノイズ成分を抽出する方法が提案されている。例えば入力映像信号から動き成分mを検出して、この動き成分mを5段階に分類し、0から5(0が完全静止画)までの値をとるとしたとき、フレーム間差分ΔYを(5−m)/5倍して出力するような構成が考えられる。フレームメモリを用いた巡回型のノイズリデューサは、巡回型のフィルタに相当するため、動き適応係数は帰還係数を呼ばれることが多い。動き適応係数の判定方式には、動き検出回路と係数器、非線形関数など様々な方法が提案されている。ここでは、ノイズ検出手段53として非線形関数を用いた一例を示す。
【0009】
図6は、従来のノイズ検出手段53における入出力関係の1例を示したものであり、横軸はノイズ検出手段の入力値でフレーム間差分信号ΔY,縦軸はノイズ検出手段の出力値でノイズ成分Nsである。ノイズ検出手段は、入力のΔYの値によって、検出するノイズ成分の判定を3つのパターンに切り換える。図6の横軸に示したTh1,Th2の値は、ノイズ検出手段がノイズ成分を判定する際に用いる任意のしきい値である。
【0010】
入力ΔYが0以上Th1以下の場合、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全静止画と判断し、入力を全てノイズ成分Nsとして出力する。
【0011】
入力ΔYがTh1より大きく、Th2より小さい場合、ノイズ検出手段53は入力が大きくなるに従って、入力映像信号は静止画から、より動画へ近づくと判断し、ノイズ成分Nsを減衰させる。
【0012】
入力ΔYがTh2より大きい場合、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全動画と判断し、ノイズ成分Nsを0と出力する。
【0013】
ノイズ除去手段54は、ノイズ判定手段から出力されたノイズ成分Nsを、入力映像信号から減算し、出力映像信号Youtを出力する。
【0014】
以上に示したように、従来のフレームメモリを用いた巡回型のノイズリデューサでは、入力映像信号とフレームメモリ51に記憶した1フレーム前の映像信号の差の小レベルの部分をノイズとして検出する。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−4537号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノイズ検出手段53はフレーム間差分の値が任意のしきい値を超えた場合、入力映像信号は動画と判断し、任意のしきい値よりも小さい場合は、静止画であると判断して、ノイズ成分の大きさを判定する。このような従来のノイズリデューサでは、入力映像信号が任意のしきい値を超えない程度の動き成分をもっていた場合にも、ノイズ検出手段53は入力映像信号を完全静止画と判断し、フレーム間差分値を入力映像信号から除去してしまう。このような場合、ノイズリデューサは入力映像信号から動き成分を除去することになり、映像の動き部分においてボケが発生し、映像が劣化するという問題点を有していた。
【0017】
【課題を解決するための手段】
入力映像信号と1フレーム前の映像信号との差分を検出する第1のフレーム間差分検出手段と、1フレーム前の映像信号と2フレーム前の映像信号との差分を検出する第2のフレーム間差分検出手段と、第1のフレーム間差分検出手段の出力と第2のフレーム間差分検出手段の差分を検出する第3のフレーム間差分検出手段と、第1のフレーム間差分検出手段の出力からノイズ成分を抽出する第1のノイズ検出手段と、第3のフレーム間差分検出手段の出力から、入力映像信号の動画/静止画の判定を行う静止画判定手段と、静止画判定手段の出力によって第1のノイズ検出手段の出力を制御して、最終ノイズ成分を判定する第2のノイズ検出手段と、入力映像信号から第2のノイズ検出手段の出力を除去することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、映像信号の輝度信号に対するノイズリデューサの一例を示したものである。本実施の形態におけるノイズリデューサは、第1のフレームメモリ1、第2のフレームメモリ2、第1のフレーム間差分検出手段3、第2のフレーム間差分検出手段4、第3のフレーム間差分検出手段5、第1のノイズ検出手段6、静止画判定手段7、第2のノイズ検出手段8、ノイズ除去手段9から構成される。
【0019】
第1のフレームメモリ1は、1フレーム前の入力映像信号を記憶し、この映像信号を出力する。第2のフレームメモリ2は、第1のフレームメモリ1の出力する映像を記憶することにより、2フレーム前の入力映像信号を記憶し、この映像信号を出力する。第1のフレーム間差分検出手段3は、入力映像信号Yinと第1のフレームメモリ1の出力映像信号の差分ΔY1を出力する。第2のフレーム間差分検出手段4は、第1のフレームメモリ1の出力映像信号と第2のフレームメモリ2の出力映像信号の差分ΔY2を出力する。第3のフレーム間差分検出手段5は、フレーム間差分信号ΔY1とフレーム間差分信号ΔY2の差分信号ΔY3を出力する。第1のノイズ検出手段6は、フレーム間差分信号ΔY1を用いて、入力映像信号中のノイズ成分Nsを判定する。
【0020】
第1のノイズ検出手段6の動作については、従来例のノイズ検出手段と同様であるため省略する。本実施の形態では,第1のノイズ検出手段6の一例として、非線形関数を用いる。この非線形関数以外にも、例えば入力映像信号に対して動き検出を行って動き適応係数を決め、フレーム間差分ΔYに動き適応係数をかけて、ノイズ成分を抽出する構成も考えられる。ノイズを検出する際の動き適応係数の算出方法は、このノイズリデューサとは直接関係ないため、特に方式は指定しない。
【0021】
静止画判定手段7は、ΔY3を用いて、フレーム間差分の時間方向の差分係数αを出力する。以下に静止画判定手段7の動作について説明する。
【0022】
図3は、静止画判定手段7の入出力関係の1例を示したものである。図3の横軸ΔY3は静止画判定手段の入力値であり、時刻の異なる2つのフレーム間差分の差分をとったものである。静止画判定手段7は、入力ΔY3の値の大きさによって、出力αの値を3つパターンに切り換えて出力する。以下にこれら3つのパターンを示す。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth1よりも小さい場合、αの値を1として出力する。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth1よりも大きく、任意のしきい値Sth2よりも小さい場合、αの値を0.5として出力する。静止画判定手段7の入力ΔY3の値が任意のしきい値Sth2よりも大きい場合、αの値を0として出力する。静止画判定手段7は、フレーム間差分の時間方向の変化値ΔY3の値が小さい場合に大きな出力値を、またこの変化値ΔY3の値が大きな場合に、小さい値を出力する関数であれば良く、本実施の形態のような入出力関係に特定しない。
【0023】
第2のノイズ検出手段8は、第1のノイズ検出手段6の出力Nsと静止画判定手段の出力αの乗算を行い、乗算した結果Nsαを出力する。本実施の形態では、最終的なノイズ成分の判定方法の一例として、第1のノイズ検出手段6の出力と静止画判定手段7の出力αの値の積Nsαを算出する方法を採用した。第1のノイズ検出手段6の出力と静止画判定手段7の出力の2つの情報を用いて、最終的なノイズ成分を判定する構成であれば、本実施の形態のような積をとる方法に限定しない。
【0024】
ノイズ除去手段9は、入力映像信号から第2のノイズ検出手段8の出力Nsαを差し引き、出力映像信号Youtを出力する。
【0025】
本実施の形態におけるノイズリデューサ全体の動きについて、以下に簡単に説明する。図3において、例えばαが1の値をとる場合、最終的なノイズ成分Nsαの値はNsとなる。これは2つの時刻のフレーム間差分の相関が極めて高いため、フレーム間差分を全て動き成分と判断したものである。
【0026】
また、例えばαの値が0の値をとる場合、最終的なノイズ成分Nsαの値は、0となる。これはフレーム間差分ΔY1とフレーム間差分ΔY2の相関が低いため、フレーム間差分の値をノイズと判定したものである。
【0027】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2におけるノイズリデューサを示したものである。本実施の形態におけるノイズリデューサは、第1のフレームメモリ1、第2のフレームメモリ2、第1のフレーム間差分検出手段3、第2のフレーム間差分検出手段4、第3のフレーム間差分検出手段5、第1のノイズ検出手段6、静止画判定手段7、第2のノイズ検出手段8、ノイズ除去手段9から構成される。本実施の形態では、ノイズリデューサを構成する各要素の動作は、静止画判定手段7以外は全て実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0028】
本実施の形態の静止画判定手段7は、第1のノイズ検出手段6の出力を受け、信号αを出力する。静止画判定手段7は、ノイズ検出手段への入力ΔY1がTh1より小さい完全静止画領域であった場合(図2参照)のみ、図3の入出力特性に示したαの値を出力し、それ以外の場合は、常にαの値を1で出力する。上述した静止画判定手段7の出力αの切り換えは、本実施の形態では第1のノイズ検出手段6で用いたしきい値Th1を使用するが、別途、任意のしきい値を設定し、これを用いて切り換えてもよい。
【0029】
実施の形態1に対して、上記の処理を追加することにより、フレーム間差分ΔY1がTh1より大きくTh2より小さい場合に、ノイズリデューサがノイズ成分に対して、動き成分と判断することを防ぐことが出来る。
【0030】
【発明の効果】
従来のノイズリデューサでは、フレーム間差分が小レベルの値をとる映像信号に対して、この小レベルの部分がノイズであるか、又は動き成分であるかを判断することは難しかった。以上に示すように、本発明によれば、2つの時刻のフレーム間差分値を用いて、フレーム間差分の時間方向の変化を検出している。
【0031】
この変化量の相関が極めて高い場合、ノイズの時間方向の相関が殆どない事を考慮すると、フレーム間差分信号は動き成分であると判断することができる。
【0032】
これにより、本発明を用いたノイズリデューサは、微小な動き成分をもつ映像に対しても高い精度でノイズを除去することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサのノイズ検出手段の入出力関係図
【図3】本発明の実施の形態1におけるノイズリデューサの静止画判定手段の入出力関係図
【図4】本発明の実施の形態2におけるノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図5】従来のノイズリデューサの構成を示すブロック図
【図6】従来のノイズリデューサのノイズ検出手段の入出力関係図
【符号の説明】
1 第1のフレームメモリ
2 第2のフレームメモリ
3 第1のフレーム間差分検出手段
4 第2のフレーム間差分検出手段
5 第3のフレーム間差分検出手段
6 第1のノイズ検出手段
7 静止画判定手段
8 第2のノイズ検出手段
9 ノイズ除去手段
Claims (1)
- 入力映像信号と1フレーム前の映像信号との差分を検出する第1のフレーム間差分検出手段と、1フレーム前の映像信号と2フレーム前の映像信号との差分を検出する第2のフレーム間差分検出手段と、前記第1のフレーム間差分検出手段の出力と前記第2のフレーム間差分検出手段の差分を検出する第3のフレーム間差分検出手段と、前記第1のフレーム間差分検出手段の出力からノイズ成分を抽出する第1のノイズ検出手段と、前記第3のフレーム間差分検出手段の出力から、入力映像信号の動画/静止画の判定を行う静止画判定手段と、前記静止画判定手段の出力によって第1のノイズ検出手段の出力を制御して、最終ノイズ成分を判定する第2のノイズ検出手段と、入力映像信号から前記第2のノイズ検出手段の出力を除去することを特徴とするノイズリデューサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118245A JP2004328206A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ノイズリデューサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003118245A JP2004328206A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ノイズリデューサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=33497839
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004328206A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008129926A1 (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Olympus Corporation | 映像処理装置、映像処理プログラム及び映像処理方法 |
US8073283B2 (en) | 2006-04-07 | 2011-12-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Noise elimination apparatus and noise elimination method |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118245A patent/JP2004328206A/ja active Pending
Cited By (3)
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