JP2004328183A - スキャナシステムおよびその対象範囲検出方法 - Google Patents

スキャナシステムおよびその対象範囲検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正しい帳票の位置検出をすることができるスキャナシステムおよびその対象範囲検出方法を提供。
【解決手段】ダイレクトスキャナシステム10は、ダイレクトスキャナ装置12でマット28上に帳票を載置して光学系36を経た入射光を撮像部38で撮像し、得られた画像信号を前処理部40で画像データ42にし、画像データ42をパーソナルコンピュータ(PC) 14に供給し、PC 14で供給された画像データ42が含む白色の格子状(白線)を基に帳票の境界を検出して、マット28の背景色と帳票との間の輝度差が十分になくても、帳票の範囲(領域)を精度よく求める。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナによる読取り対象である帳票を画像データとして取り込み、取り込んだ画像データから帳票の位置、帳票の歪み検出および画像データに対するシェーディング補正等を行うスキャナシステムに関するものであり、また、本発明は、取り込んだ画像データに含まれる帳票の画像領域を抽出して帳票の位置、帳票の歪み検出および画像データに対するシェーディング補正等を行うスキャナシステムの対象範囲検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非接触スキャナ装置は、たとえば帳票や文書等が有する情報を非接触にて光学的に電子情報として取り込む装置である。非接触スキャナ装置は、黒色の無地のマットを用いて、背景色を黒レベル、帳票部分を白レベルで表し、これらのレベル差、すなわち輝度のレベル差から帳票の位置を検出している。実際に、非接触スキャナ装置における帳票の位置検出は、黒から白に変化する点の検出により行っている。とくに、光学式イメージスキャナには、帳票本体に記録された情報および帳票本体の背景地より白レベルが高い特異背景領域に記録された情報の両方を高精度で光学的に読み取る装置が提案されている(特開平8−279911号公報)。非接触スキャナ装置は、この検出により帳票部分をイメージとして切り出して次の処理に出力している。
【0003】
非接触スキャナ装置は、読み取りのために照明された読取り対象の照度が光源系に起因して光電変換素子が配設された方向に対して一定にならないことと、この対象を結像させる光学系の明るさが結像中心から周辺に向けて徐々に暗くなること、および製造むらによる光電変換素子の感度のばらつき等によって理想的な白色を取り込んでも、この白色に相当する出力が得られない。この現象をシェーディングと呼ぶ。そこで、非接触スキャナ装置は、基準の白色を有する読込み対象、すなわち専用の帳票を読み込んで正規化し、シェーディング補正量を検出している。特開2001−274991号公報のスキャナ装置では、基準に用いる帳票の先端部に何等かの記載があっても、正確にシェーディング補正する装置が提案されている。
【0004】
また、非接触スキャナ装置は、主走査方向に画像の歪みを発生させず、副走査方向に画像の歪みが生じる傾向がある。歪みを補正するため、設置時に専用の帳票をマット上に置いて歪み量を検出している。専用の帳票は、通常何等かのマークが印刷されている。特開2002−10042号公報の検査方式は、最も大きい読取り原稿のサイズで少なくとも4隅に決められた座標、4点を有する検査帳票を用いて、得られた出力画像が決められた座標にあるか否かを検知することにより、画像の歪みを自動判定している。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−279911号公報
【特許文献2】
特開2001−274991号公報
【特許文献3】
特開2002−10042号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、非接触スキャナ装置は、前述したように、黒色の無地のマットを用いて、画像が示すマット部分と帳票部分とを輝度のレベル差を基に帳票位置を検出している。非接触スキャナ装置は、帳票の端に接して黒の塗り潰しが存在すると、帳票端にもかかわらず、帳票位置として検出せずにさらに内側の位置を誤って検出してしまうことがあった。
【0007】
また、非接触スキャナ装置は、正しく帳票検出ができても、後段の処理において帳票位置の検出がうまくできないことがあった。とくに、後段の処理がOCR(Optical Character Reader)処理の場合、フィールドずれを起こすことがあった。
【0008】
非接触スキャナ装置は、装置の設置や調整に際して特定の帳票を用いて調整されるが、特定の帳票はこのようなときだけしか使用されないことから、管理がずさんになり、この帳票を紛失や破損等させることが多い。
【0009】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、正しい帳票の位置検出をすることができるスキャナシステムおよびその対象範囲検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、読み取る対象を載置する載置台と、この載置台にセットした読み取る対象からの入射光を取り込んで電気信号に変換し、この取得した電気信号を画像データに変換する撮像手段とを含むスキャナ装置と、撮像手段の動作を制御し、得られた画像データを基に読み取る対象の範囲を検出する制御装置とを含み、スキャナ装置は、載置台に隣接した位置に撮像手段を取り付けるアーム部材の一端側を立設させ、このアーム部材の他端側に取り付けられた撮像手段が読み取る対象を臨む位置関係に保持するアーム機構を有し、載置台上に背景となる地色を黒とし、この背景に対して白色の格子が所定の間隔で描かれたマットを敷き、制御装置は、画像データから白色の格子と読み取る対象との境界を検出することを特徴とする。
【0011】
本発明のスキャナシステムは、スキャナ装置にてマット上に読取り対象を載置して撮像手段で撮像し、得られた画像データを制御装置に供給し、制御装置にて画像データを基に白色の格子と読み取る対象との境界を検出することにより、取得した画像データにおいてマットの背景色と読み取る対象との間の輝度差が十分になくても、白色の格子が途切れる位置を境界として判断し、対象の範囲を精度よく求めることができ、さらに後段の処理で生じる不具合を抑制することができる。
【0012】
また、本発明は上述の課題を解決するために、読み取る対象を背景が黒色で、この背景に対して白色の格子が所定の間隔で描かれたマット上に載置し、光学的に読み取る対象を撮影してこの対象に対する画像データを生成する第1の工程と、この撮影により得られた画像データを基にこの画像データに含まれる白色の格子が途切れる境界を探索して、この対象の範囲を検出する第2の工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明のスキャナシステムの対象範囲検出方法は、マット上に読み取る対象を載置し、画像データを生成し、この画像データに含まれる白色の格子が途切れる境界を探索して、対象の範囲を求めることにより、取得した画像データにおいてマットの背景色と読み取る対象との間の輝度差が十分になくても、誤りなく、対象の範囲を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明によるスキャナシステムの実施例を詳細に説明する。
【0015】
本実施例は、本発明のスキャナシステムをダイレクトスキャナシステム10に適用した場合である。本発明と直接関係のない部分について図示および説明を省略する。以下の説明で、信号はその現れる接続線の参照番号で指示する。
【0016】
ダイレクトスキャナシステム10は、図1に示すように、ダイレクトスキャナ装置12、パーソナルコンピュータ(PC)14、操作部16およびモニタ18を含む。また、ダイレクトスキャナシステム10は、取り込んだ画像データを記録するストレージ20を設けてもよい。
【0017】
ダイレクトスキャナ装置12は、カメラ部22、アーム24、載置台26およびマット28を含む。カメラ部22は、マット28からの入射光を撮像面に結像させ、結像した光学像を光電変換して画像信号として取り込み、この画像信号を画像データにして出力する機能を有している。マット28には、読取り対象として本実施例では帳票が載置される場合について説明する。
【0018】
アーム24は、載置台26に一端側30を固定配設する。アーム24は、他端側32にカメラ部22を取り付け、マット28の全体を臨めるように下向きに配設するため載置台26に固定することが要求される。また、アーム24は、図示しないが、カメラ部22で撮影した画像データをPC 14に送ったり、PC 14からの制御信号を受ける信号線を通すように管状に形成されている。
【0019】
載置台26は、アーム24を安定に固定する程度の大きさを有する。載置台26上には、マット28が敷かれている。マット28は、図2に示すように、背景の地色を黒色(ハッチング部)にし、本実施例では、所定の間隔毎に白色の直線を交差させた、正方格子状の模様34を形成し、配置されている。模様34は、正方格子状に限定されない。
【0020】
図1に戻って、前述した機能を実現させるためにカメラ部22は、たとえば光学系36、撮像部38および前処理部40を含む。
【0021】
光学系36は、たとえば複数の光学レンズを組み合わせて構成し、ダイレクトスキャナ装置12を設置する室内の照度がどの程度かを登録する機能、被写体の明るさを検出して、露出調整するAE(Automatic Exposure)調整機構、AF(Automatic Focus)調整機構等を備えている。画像入力の対象が多岐にわたることから、結像した画像に樽状歪みを生じかねない。光学系36は、被写界深度を深くしてこの歪を抑制している。
【0022】
撮像部38は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の受光素子を2次元アレイ状に形成したエリアセンサを用いている。撮像部38は、カラー撮影する場合、エリアセンサの入射光側に入射光を色分解する色フィルタを設けている。撮像部38は、小型のエリアセンサを用いて部品コストを低減させている。これにともない、撮影エリアは狭くなる。撮像部38は撮影エリアを広くするため微小移動させてマット28の全面をスキャンさせ、画像信号を得るようにしている。
【0023】
前処理部40は、供給される画像信号に対してCDS(Correlated Double Sampling)処理およびゲイン調整等のアナログ処理を施し、ノイズの少ない波形整形された画像信号をA/D変換器によりディジタル化する機能を有している。
【0024】
カメラ部22は、ダイレクトスキャナ装置12で取り込んだ画像に対する画像データ42をPC 14に出力する。ダイレクトスキャナ装置12は、PC 14からの制御信号44により応動する。
【0025】
PC 14は、画像メモリ46およびシステム制御部48を含む。画像メモリ46は、画像読取りする最大帳票サイズにおいてカメラ部22のカラーの有無、階調および解像度における最大仕様での撮影を記憶する容量を有している。また、システム制御部48は、マット28上に載置された帳票が背景の地色に近い色であっても、確実に載置した帳票の位置を検出する帳票位置検出機能部50を有している。帳票位置検出機能部50は、画像メモリ46に格納した画像データに対して、後段で説明するソフトウェア的な処理手順により帳票の四隅の位置を検出する。
【0026】
PC 14には、周辺機器として操作部16が接続されている。操作部16には、たとえばキーボードやマウス等のデバイスがある。操作部16は、PC 14を介してダイレクトスキャナ装置12の操作を指示したり、得られた画像データ42に対して行う処理の選択等を指示する機能を有し、指示信号52をPC 14に出力する。
【0027】
また、PC 14は、図示しないが、モニタ18の仕様に応じた画素データの間引き処理等も施す。これにより、PC 14は、モニタ18の仕様に合った信号54を出力する。さらに、PC 14はストレージ20を制御して画像データから得られた帳票の位置データを記録するようにしてもよい。
【0028】
モニタ18は、画像メモリ46に記憶した画像データやオペレータに対するメッセージ等を表示する機能を有する。モニタ18には、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶モニタやプラズマディスプレイ等がある。
【0029】
ダイレクトスキャナシステム10は、PC 14で画像データ42を基に検出した帳票の位置データ56を後段の装置に出力する。この位置データ56を用いることにより、後段の装置を常に正常に動作させ、システムの安定動作をもたらすことができる。
【0030】
次にダイレクトスキャナシステム10の動作について図3を参照しながら、簡単に説明する。ダイレクトスキャナシステム10は、図示しないがPC 14の電源投入に連動してダイレクトスキャナ装置12、PC 14、操作部16およびモニタ18に電源が供給され、初期設定に応じたシステムに起動する。この後、ユーザはマット28上に帳票を設置する。PC 14は、操作部16からの指示信号52に応じて制御信号44を生成し、ダイレクトスキャナ装置12に制御信号44を出力する。ダイレクトスキャナ装置12は、制御信号44に応じて帳票を含むマット28の領域を適切な露出パラメータに応じた撮像を行い、画像を取得する(ステップS10)。画像の取得は、カメラ部22からの画像データ42を画像メモリ46に格納するまでの処理を含んでいる。
【0031】
なお、画像データ42は、帳票に記載された情報も含んでいることは言うまでもない。
【0032】
次にPC 14は、画像データ42を基に帳票の四隅の検出処理を行う(帳票位置検出処理:SUB1)。検出処理は、システム制御部48の帳票位置検出機能部50にて行う。この検出手順の詳細は後段でさらに説明する。この位置検出により、画像中の帳票位置を特定することができる。
【0033】
次に撮影した帳票の画像をモニタ18に表示する(ステップS12)。この表示により、撮影した帳票が正確にダイレクトスキャナ装置12に取り込まれたことを確認する。オペレータは、モニタ18に表示された画像により取り込んだ画像が良好と判断した際に、終了を示す指示信号52を操作部16からPC 14に送出する。図示していないが、オペレータは、別な帳票を取り込む場合、マット28上に新たな帳票を載置し、載置された帳票の画像取得を行う指示信号52を操作部16からPC 14に送出する。
【0034】
PC 14は、終了の指示に応動してダイレクトスキャナシステム10の動作を終了させる。なお、画像および帳票位置のデータをストレージ20に保存するようにしてもよい。
【0035】
次にダイレクトスキャナ装置10における帳票位置検出処理(SUB1)の処理手順について図4および図5を参照しながら説明する。ダイレクトスキャナ装置10は、帳票の探索方向を設定する(サブステップSS10)。ダイレクトスキャナ装置10は、デフォルト設定で帳票の探索方向は4方向、すなわち上下左右の辺を探索するとともにフラグの配置順が探索順序として設定されている。モニタ18には、探索方向の設定画面が表示されている。帳票の位置検出における探索方向は、所定の時間内に指示がなければ、デフォルト設定に応じて探索を開始する。この処理手順は、デフォルト設定に応じた手順を説明する。帳票位置検出機能部50は、図6(a)が示すように、この設定に応じてマット28における探索開始基準点58, 60を設定する。開始点58は、上辺および左辺の探索開始基準を示す。また、開始点60は、下辺および右辺の探索開始基準を示す。
【0036】
《上辺位置検出処理》
次に帳票の上辺位置の検出か否かを判断する(サブステップSS12)。帳票位置検出機能部50は、フラグの順序が上を示し、かつ未処理の場合、検出処理を行う(YES)と判断して格子開始点の検出処理に進む(サブステップSS14へ)。また、フラグの順序が上でなかったり、上の検出処理がすでに処理済みの場合、帳票の下辺位置検出処理に進む(サブステップSS16)。
【0037】
次に上辺における探索開始点の検出処理を行う(サブステップSS14)。図6(b)が示すように、探索開始基準点58を画像端(x, y)=(0, 0)として白線の幅の範囲で探索する。この探索では、図6(b)が示すように、画像端の上側が広く白の続く領域との境界をマット28の境界とする。探索開始点は、矢印Rの進行方向に対し右側、すなわち下側が白(線)の続く領域となっている境界と白線の交点である。探索開始点がなければ、図6(b)の矢印Rが示す方向に、探索の範囲を右側にずらし、探索開始点を探す。探索開始点の検出後、矢印Rと直交する、下向きに白線の幅を測定しながら、白線の継続を探索する(サブステップSS18)。
【0038】
次にこの探索による帳票の境界か否かを判断する(サブステップSS20)。線幅が左右に広がった場合、本来の白線幅の分だけ探索範囲を進めて、再び白線幅が本来の白線幅になっているか測定する。幅が狭くなっている場合(NO)、先の幅広い所を格子点と判断し、また、探索範囲を進めても幅が変わらず、白線が継続する場合、帳票の境界が未検出として探索を継続する。これに対して探索範囲で白線がなくなっている場合(YES)、次の格子がないと判断し、この探索開始点における探索を終了する。
【0039】
帳票位置検出機能部50は、探索開始点から下向きに格子点数をカウントしておき、このカウント値に所定の間隔を表す長さを掛けて、最後の格子点から白線の途切れるまで距離を加算して境界位置、すなわち座標yの値を算出する。また、探索開始基準点58を基準として何個目の開始点かわかっているから、R方向の位置、すなわち座標xの値も算出する。これにより探索開始点に対応した境界位置(x, y)が得られる。
【0040】
算出した境界位置(x, y)をメモリに記憶する(サブステップSS22)。この記憶は、探索範囲すべてを記憶するのではなく、垂直方向に画像端から画像端まで白線の探索した範囲を除いている。この後、矢印R方向の探索開始に基づく探索が完了したか否かを判断する(サブステップSS24)。探索が未完了の場合(NO)、現在の探索した位置に、たとえば所定の移動分だけ増やして矢印R方向の探索を継続する。探索が完了した場合(YES)、上辺の探索処理を終了し、このとき上辺のフラグは探索済に設定し、下辺の探索処理に移行する(サブステップSS16へ)。この処理により、図7(a)に示す上辺領域62の境界位置(x, y)だけが記憶される。探索にあたり、探索開始点から帳票の境界端までの格子線を黒で塗り潰している。この処理は、以後の各位置検出処理でも行われている。
【0041】
《下辺位置検出処理》
次に帳票の下辺位置の検出か否かを判断する(サブステップSS16)。帳票位置検出機能部50は、フラグの順序が下を示し、かつ未処理の場合、検出処理を行う(YES)と判断して格子開始点の検出処理に進む(サブステップSS26へ)。また、フラグの順序が下でなかったり、下の検出処理がすでに処理済みの場合、帳票の左辺位置検出処理に接続子Aを介して進む(図5のサブステップSS28)。
【0042】
次に下辺における探索開始点の検出処理を行う(サブステップSS26)。図6(b)が示すように、探索開始基準点60を相対的な画像端(x, y)=(0, 0)として白線の幅の範囲で探索する。この探索では、図6(b)が示すように画像端の下側が広く白の続く領域との境界をマット28の境界とする。探索開始点は、矢印Lの進行方向に対し右側、すなわち上側が白(線)の続く領域となっている境界と白線の交点である。探索開始点がなければ、図6(b)の矢印Lが示す方向に、探索の範囲を左側にずらし、探索開始点を探す。探索開始点の検出後、矢印Lと直交する、上向きに白線の幅を測定しながら、白線の継続を探索する(サブステップSS30)。
【0043】
次にこの探索による帳票の境界か否かを判断する(サブステップSS32)。線幅が左右に広がった場合、本来の白線幅の分だけ探索範囲を進めて、再び白線幅が本来の白線幅になっているか測定する。幅が狭くなっている場合(NO)、先に検出した幅の広い所を格子点と判断し、探索範囲を進めても幅が変わらず、白線が継続する場合、帳票の境界が未検出として探索を継続する。これに対して探索範囲で白線がなくなっている場合(YES)、次の格子がないと判断し、この探索開始点における探索を終了する。
【0044】
帳票位置検出機能部50は、探索開始点から上向きに格子点数をカウントしておき、このカウント値に所定の間隔を表す長さを掛けて、最後の格子点から白線の途切れるまで距離を加算して境界位置、すなわち座標yの値を算出する。また、探索開始点が、探索開始基準点60から何個目の開始点かもわかっている。これにより、L方向の位置、すなわち座標xの値も算出することができる。探索開始基準点60は、探索開始基準点58に対する相対位置座標(x, y)として知られているから、探索開始基準点58に対する境界位置(x− x, y− y)を算出することもできる。
【0045】
算出した境界位置(x− x, y− y)をメモリに記憶する(サブステップSS34)。記憶は、探索範囲すべてを記憶するのではなく、垂直方向に画像端から画像端まで白線の探索した範囲を除いている。この記憶後、矢印L方向の探索開始に基づく探索が完了したか否かを判断する(サブステップSS36)。探索が未完了の場合(NO)、現在の探索した位置に、たとえば所定の移動分だけ増やして矢印L方向の探索を継続する。探索が完了した場合(YES)、下辺の探索処理を終了し、このとき下辺のフラグは探索済に設定し、左辺の探索処理に接続子Aを介して移行する(サブステップSS28へ)。これにより、図7(b)に示す下辺領域64の境界位置(x− x, y− y)だけが記憶される。
【0046】
《左辺位置検出処理》
次に帳票の左辺位置の検出か否かを判断する(サブステップSS28)。帳票位置検出機能部50は、フラグの順序が左を示し、かつ未処理の場合、検出処理を行う(YES)と判断して格子開始点の検出処理に進む(サブステップSS38へ)。また、フラグの順序が左でなかったり、左の検出処理がすでに処理済みの場合、帳票の右辺位置検出処理に進む(サブステップSS40)。
【0047】
次に左における探索開始点の検出処理を行う(サブステップSS38)。図8が示すように、探索開始基準点58を画像端(x, y)=(0, 0)として白線の幅の範囲で探索する。この探索では、図8が示すように矢印Dの進行方向に対して画像端の右側が広く白の続く領域との境界をマット28の境界とする。探索開始点は、矢印D方向のマット28の境界と左側に延びる白線との交点である。探索開始点がなければ、図8の矢印Dが示す方向に、探索の範囲を下側にずらし、探索開始点を探す。探索開始点の検出後、矢印Dの向きと直交する、すなわち左向きに白線の幅を測定しながら、白線の継続を探索する(サブステップSS42)。
【0048】
次にこの探索による帳票の境界か否かを判断する(サブステップSS44)。線幅が上下に広がった場合、本来の白線幅の分だけ探索範囲を進めて、再び白線幅が本来の白線幅になっているか測定する。幅が狭くなっている場合(NO)、先に検出した幅の広い所を格子点と判断し、探索範囲を進めても幅が変わらず、白線が継続する場合、帳票の境界が未検出として探索を継続する。これに対して探索範囲で白線がなくなっている場合(YES)、次の格子がないと判断し、この探索開始点における探索を終了する。
【0049】
帳票位置検出機能部50は、探索開始点から(矢印Dの進行方向に直交する)左向きに格子点数をカウントしておき、このカウント値に所定の間隔を表す長さを掛けて、最後の格子点から白線の途切れるまで距離を加算して境界位置、すなわち座標xの値を算出する。また、探索開始基準点58を基準として何個目の開始点かわかっているから、D方向の位置、すなわち座標yの値も算出する。これにより探索開始点に対応した境界位置(x, y)が得られる。
【0050】
算出した境界位置(x, y)をメモリに記憶する(サブステップSS46)。この記憶は、探索範囲すべてを記憶するのではなく、水平方向に画像端から画像端まで白線の探索した範囲を除いている。この後、矢印D方向の探索開始に基づく探索が完了したか否かを判断する(サブステップSS48)。探索が未完了の場合(NO)、現在の探索した位置に、たとえば所定の移動分だけ増やして矢印D方向の探索を継続する。探索が完了した場合(YES)、左辺の探索処理を終了し、このとき左辺のフラグは探索済に設定し、右辺の探索処理に移行する(サブステップSS40へ)。この処理により、図9(a)に示す左辺領域66の境界位置(x, y)だけが記憶される。
【0051】
《右辺位置検出処理》
最後に帳票の右辺位置の検出か否かを判断する(サブステップSS40)。帳票位置検出機能部50は、フラグの順序が右を示し、かつ未処理の場合、検出処理を行う(YES)と判断して格子開始点の検出処理に進む(サブステップSS50へ)。また、フラグの順序が右でなかったり、右の処理がすでに処理済みの場合、帳票の辺についてすべて完了したか否かの判断に進む(サブステップSS52)。
【0052】
次に右辺における探索開始点の検出処理を行う(サブステップSS50)。図8が示すように、探索開始基準点60を相対的な画像端(x, y)=(0, 0)として白線の幅の範囲で探索する。この探索では、図8が示すように矢印Uの進行方向に対して画像端の右側が広く白の続く領域との境界をマット28の境界とする。探索開始点は、矢印U方向のマット28の境界と左側に延びる白線との交点である。探索開始点がなければ、図8の矢印Uが示す方向に、探索の範囲を上側にずらし、探索開始点を探す。探索開始点の検出後、矢印Uの向きと直交する、すなわち左向きに白線の幅を測定しながら、白線の継続を探索する(サブステップSS54)。
【0053】
次にこの探索による帳票の境界か否かを判断する(サブステップSS56)。線幅が上下に広がった場合、本来の白線幅の分だけ探索範囲を進めて、再び白線幅が本来の白線幅になっているか測定する。幅が狭くなっている場合(NO)、先に検出した幅の広い所を格子点と判断し、探索範囲を進めても幅が変わらず、白線が継続する場合、帳票の境界が未検出として探索を継続する。これに対して探索範囲で白線がなくなっている場合(YES)、次の格子がないと判断し、この探索開始点における探索を終了する。
【0054】
帳票位置検出機能部50は、探索開始点から(矢印Uの進行方向に直交する)左向きに格子点数をカウントしておき、このカウント値に所定の間隔を表す長さを掛けて、最後の格子点から白線の途切れるまで距離を加算して境界位置、すなわち座標xの値を算出する。また、探索開始点が、探索開始基準点60から何個目の開始点かもわかっている。これにより、U方向の位置、すなわち座標yの値も算出することができる。探索開始基準点60は、探索開始基準点58に対する相対位置座標(x, y)として知られているから、探索開始基準点58に対する境界位置(x
x, y− y)を算出することもできる。
【0055】
算出した境界位置(x− x, y− y)をメモリに記憶する(サブステップSS58)。記憶は、探索範囲すべてを記憶するのではなく、垂直方向に画像端から画像端まで白線の探索した範囲を除いている。この記憶後、矢印U方向の探索開始に基づく探索が完了したか否かを判断する(サブステップSS60)。探索が未完了の場合(NO)、現在の探索した位置に、たとえば所定の移動分だけ増やして矢印U方向、すなわち上向きにずらして探索を継続する。探索が完了した場合(YES)、右辺の探索処理を終了し、このとき右辺のフラグは探索済に設定し、探索の全完了の判断処理に移行する(サブステップSS52へ)。これにより、図9(b)に示す右辺領域68の境界位置(x− x, y− y)だけが記憶される。
【0056】
探索すべての方向に対する検出処理が完了したか否かを判断する(サブステップSS52)。この判断は、上下左右のフラグそれぞれが処理済みを示す値に設定されているかを基に行う。一つでも未処理のフラグが検出された場合(NO)、接続子Bを介して未処理の位置検出処理を行う。また、フラグがすべて処理済みを示す場合(YES)、帳票の位置検出処理が完了したと判断してリターンに移行してサブルーチンSUB1を終了する。
【0057】
なお、帳票の地色が白の場合、帳票との境界は、線幅分だけ探索範囲を進めても広がった状態が検出されることから、帳票の境界を越えたと判断して、探索を終了する。境界位置は、前述したように、とくに、上下における座標y、左右における座標xの算出に関して、格子点数をカウントしておき、このカウント値に所定の間隔を表す長さを掛けて、最後の格子点から白線の途切れるまで距離を加算して、算出するとよい。
【0058】
なお、帳票位置検出機能部50は、格子部分とそれ以外の部分を判定する閾値を既定の値として設定している。この値は、通常128等の中央値を用いている。また、本実施例は、基準点58, 60と2つ用いたが、この方法に限定されるものでなく、1つの基準点でマット28の境界に沿って周回探索させ、各探索開始点からの帳票境界探索を行うようにしてもよい。この場合、反時計回りに周回探索させると、帳票位置検出機能部50は、常に探索開始点の探索進行方向に対して右側がたとえば白の広い領域となり、探索開始点(格子開始点)から左側に白い線幅を探索することになる。
【0059】
このように動作させて、帳票の色にかかわらず、帳票を撮影した画像から帳票位置を特定し、正しく帳票の位置を検出することができる。この特定により、さらに後段の処理での帳票位置の画像切出しを確実に行うことができるようになる。
【0060】
次にダイレクトスキャナシステム10の変形例を簡単に説明する。本実施例は、ダイレクトスキャナシステム10の構成においてPC 14のシステム制御部48に歪補正機能部70およびシェーディング補正機能部72を新たに設け、また帳票位置検出機能部50が新たな機能を有している点に特徴がある。
【0061】
帳票位置検出機能部50は、図示しないが、図5に示したすべての方向に対する帳票の境界の探索が完了したか否かを判断する処理(サブステップSS52)とリターンとの間に、画像が含む帳票の領域の境界を得られた帳票の位置データを用いて表す処理を新たに設けている。この処理は、少なくとも帳票の四隅の位置データを用いて4点を結ぶことにより帳票の境界を描画する。帳票の境界は、マット28および帳票の地色が示すレベルと逆のレベルにする。マット28および帳票の地色が類似した黒色に近い場合、帳票の境界は、輝度レベルを地色のレベルよりも高くする。この処理を経た画像をモニタ18に表示させると、画像には、たとえば図11が示すように、帳票の境界74が明確に表示される。
【0062】
また、帳票の境界の描画は、上述した手順に限定されるものでなく、各辺の検出完了後にそれぞれの辺を描画するようにしてもよい。
【0063】
歪み補正機能部70は、撮影した画像が持つ歪みを補正する処理を行う。歪み補正機能部70は、設置時に装置固有のCCD取付け個体差にともない生じる歪み量を検出し、各撮影に応じて補正する。歪み検出は、歪み検出専用のマットを使用することなく、通常に使用するマット28を撮影して検出する。専用マットが不要になるので、紛失する虞をなくすこともできる。シェーディング補正機能部72は、白地に黒の格子が入ったマット28を用い、撮影して得られる画像に現れる光量変化を検出し、検出した光量変化を基に逆補正して光量の均一化を図る機能である。たとえば、マット28は、通常使用する側を表として黒地に白の格子に形成し、裏地を白地に黒の格子に形成するとよい。これにより、新たに専用マットを揃えなくて済む。
【0064】
この構成を用いることにより、帳票の境界を明確に示し、通常のマット28を利用して歪み検出することから専用マットを不要にし、マット28の裏地をシェーディング補正用マットにして兼用し、それぞれの補正に合ったマットを使用することができる。
【0065】
次に歪み補正機能部70の手順を簡単に説明する。ダイレクトスキャナ装置12はPC 14の制御により帳票をマット28に載置する前の状態で撮像し、得られる画像データを基にPC 14の歪み補正機能部70に供給してあらかじめ歪みを検出しておく。この後で、歪み補正機能部70は、実際に帳票を撮像して得られた画像データに含まれる歪みをあらかじめ検出した歪みに応じて補正する。
【0066】
また、シェーディング補正機能部72は、ダイレクトスキャナ装置12に設けているマット28を裏返して配設する。マット28は、裏地を白地にして、黒色の格子が形成されている。黒色の格子はなくてもよい。ダイレクトスキャナ装置12は、このマット28を光学的に撮影して画像データを生成し、得られた画像データを基に対する基準を設定し、この基準に対するずれを検出する。
【0067】
ダイレクトスキャナシステム10において、シェーディング補正を行うように設定している場合、シェーディング補正機能部72は、実際に帳票を撮影して得られた画像データに対して先に求めた基準の対するずれをキャンセルするように補正を施す。
【0068】
以上のように構成することにより、ダイレクトスキャナシステム10は、ダイレクトスキャナ装置12でマット28上に帳票を載置して光学系36を経た入射光を撮像部38で撮像し、得られた画像データ42をPC 14に供給し、PC 14で供給された画像データ42が含む白色の格子状(白線)を基に帳票の境界を検出することにより、取得した画像データにおいてマット28の背景色と帳票との間の輝度差が十分になくても、白色の格子が途切れる位置を境界として判断し、帳票の範囲(領域)を精度よく求めることができ、さらに後段の処理で生じる不具合を抑制することができる。
【0069】
PC 14の帳票位置検出機能部50で帳票の境界検出を行い、マット28の白線が途切れる位置を境界として境界検出することで背景色と帳票との間の輝度差が不十分な場合にも対応して検出することができる。
【0070】
また、PC 14の歪み補正機能部70は、マット28を撮影し、この撮影した画像に含まれる歪みを検出しておき、この検出した歪みに応じて帳票を含めて撮影した画像データ42を補正することにより、歪みのない画像を提供することができる。
【0071】
さらに、シェーディング補正機能部72は、マット28の裏地の地色を白とし、このマット28から得られる画像データに対して基準を設定し、この基準に対するずれを補正することにより、ムラのない画像を得ることができ、マット28の利用の仕方により、専用のマットを設けなくても済む。
【0072】
また、ダイレクトスキャナシステム10における対象範囲検出方法は、マット28上に帳票を載置し、撮像して画像データを生成し、この画像データに含まれる白色の格子が途切れる境界を探索して、対象の範囲を求めることにより、取得した画像データにおいてマット28の背景色と帳票との間の輝度差が十分になくても、誤りなく、対象の範囲を得ることができる。
【0073】
対象範囲検出方法は、具体的に帳票の境界の存在する探索方向を設定し、この設定に応じて画像データの端部から探索を開始する点を探索し、この探索開始点から白色の格子が途切れる位置を探索し、この探索中の探索方向における探索が完了したか否かを判断し、探索途中の場合、探索開始点の探索に戻って、新たな探索の開始点を設定して以降の処理を繰り返し、探索完了に応じて次の辺に進み、探索方向すべての探索が完了したか否かを判断し、前記探索方向が残っている場合、この残る探索方向の一方向に応じて探索を繰り返し、探索方向すべての探索完了に応じて探索を終了して、帳票の境界を検出することにより、背景色と帳票との間の輝度差が十分になくても、誤りなく、対象の範囲を得ることができる。
【0074】
探索方向すべての探索完了後に、この探索により得られた帳票の境界(範囲)を示す境界位置を基に帳票の外周を背景と異なる信号レベルで描画させることにより、後段での処理を誤りなく行わせる画像データを提供することができる。
【0075】
歪み補正方法は、帳票をマット28に載置する前の状態で撮像し、得られる画像データを基に歪みを検出し、実際に帳票を載置して得られた画像データに含まれる歪みを検出した歪みに応じて補正することにより、歪みのない正確な画像データを提供することができる。
【0076】
シェーディング補正方法は、マット28の裏地を白地にして、光学的にこのマット28を撮影して画像データを生成し、この画像データを基に対する基準を設定し、この基準に対するずれを検出しておき、実際の帳票を載置して撮影した画像データに対してこのずれを補正することにより、シェーディングのない画像データを提供することができる。
【0077】
【発明の効果】
このように本発明のスキャナシステムによれば、スキャナ装置にてマット上に読取り対象を載置して撮像手段で撮像し、得られた画像データを制御装置に供給し、制御装置にて供給された画像データが含む白色の格子を基に読み取る対象の境界を検出することにより、取得した画像データにおいてマットの背景色と読み取る対象との間の輝度差が十分になくても、白色の格子が途切れる位置を境界として判断し、対象の範囲を精度よく求めることができ、さらに後段の処理で生じる不具合を抑制することができる。
【0078】
また、本発明のスキャナシステムの対象範囲検出方法は、マット上に読み取る対象を載置し、画像データを生成し、この画像データに含まれる白色の格子が途切れる境界を探索して、対象の範囲を求めることにより、取得した画像データにおいてマットの背景色と読み取る対象との間の輝度差が十分になくても、誤りなく、対象の範囲を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスキャナシステムを適用したダイレクトスキャナシステムの概略的な構成を示す図である。
【図2】図1のダイレクトスキャナ装置が用いるマットを上面から見た図である。
【図3】図1のダイレクトスキャナシステムの動作手順を説明するフローチャートである。
【図4】図3の帳票位置検出処理の手順を説明するフローチャートである。
【図5】図4の動作手順の続きの手順を説明するフローチャートである。
【図6】図3の帳票検出における探索方向に応じた探索開始位置と上下方向それぞれの探索とを説明する図である。
【図7】図4に示す処理により得られる上辺および下辺の探索結果の一例を表した図である。
【図8】図3の帳票検出における探索方向に応じた探索開始位置と左右方向それぞれの探索とを説明する図である。
【図9】図5に示す処理により得られる左辺および右辺の探索結果の一例を表した図である。
【図10】本発明のスキャナシステムに用いるパーソナルコンピュータにおける変形例を示すブロック図である。
【図11】図10の帳票位置検出機能部により帳票の境界を含めて画像表示したモニタ表示の図である。
【符号の説明】
10 ダイレクトスキャナシステム
12 ダイレクトスキャナ装置
14 パーソナルコンピュータ
16 操作部
18 モニタ
20 ストレージ

Claims (10)

  1. 読み取る対象を載置する載置台と、該載置台にセットした読み取る対象からの入射光を取り込んで電気信号に変換し、該取得した電気信号を画像データに変換する撮像手段とを含むスキャナ装置と、前記撮像手段の動作を制御し、得られた画像データを基に前記読み取る対象の範囲を検出する制御装置とを含み、
    前記スキャナ装置は、前記載置台に隣接した位置に前記撮像手段を取り付けるアーム部材の一端側を立設させ、該アーム部材の他端側に取り付けられた前記撮像手段が前記読み取る対象を臨む位置関係に保持するアーム機構を有し、前記載置台上に背景となる地色を黒とし、該背景に対して白色の格子が所定の間隔で描かれたマットを敷き、
    前記制御装置は、前記画像データから前記白色の格子と前記読み取る対象との境界を検出することを特徴とするスキャナシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、前記制御装置は、前記取り込んだ画像データを基に前記格子を探索して、前記読み取る対象の範囲を示す境界位置を検出する位置検出機能ブロックを含むことを特徴とするスキャナシステム。
  3. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、前記位置検出機能ブロックは、前記境界位置の検出により決定される対象の範囲を示す外周を前記背景と異なる信号レベルで描画することを特徴とするスキャナシステム。
  4. 請求項1、2または3に記載のシステムにおいて、前記制御装置は、前記マットを撮影し、該撮影した画像に含まれる歪みを検出し、該検出した歪みに応じて前記読み取る対象を含めて撮影した画像データを補正する歪み補正機能ブロックを含むことを特徴とするスキャナシステム。
  5. 請求項1、2、3または4に記載のシステムにおいて、前記マットは、裏地の前記地色を白とし、該マットから得られる画像データに対して基準を設定し、該基準に対するずれを補正するレベル補正機能ブロックを含むことを特徴とするスキャナシステム。
  6. 読み取る対象を背景が黒色で、該背景に対して白色の格子が所定の間隔で描かれたマット上に載置し、光学的に前記読み取る対象を撮影して該対象に対する画像データを生成する第1の工程と、
    該撮影により得られた画像データを基に該画像データに含まれる前記白色の格子が途切れる境界を探索して、該対象の範囲を検出する第2の工程とを含むことを特徴とするスキャナシステムの対象範囲検出方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、第2の工程は、該対象が有する境界としての辺の存在する探索方向を設定する第3の工程と、
    該探索方向の設定に応じて前記画像データのマット端部から探索を開始する点を探索する第4の工程と、
    該開始点から前記白色の格子が途切れる位置を探索する第5の工程と、
    該探索中の探索方向における探索が完了したか否かを判断し、探索途中の場合、第4の工程に戻って、新たな探索の開始点を設定して以降の処理を繰り返し、探索完了に応じて次の工程に進める第6の工程と、
    前記探索方向すべての探索が完了したか否かを判断し、前記探索方向が残っている場合、該残る探索方向の一方向に応じて第4の工程から第6の工程を繰り返し、前記探索方向すべての探索完了に応じて探索を終了する第7の工程とを含むことを特徴とするスキャナシステムの対象範囲検出方法。
  8. 請求項6または7に記載の方法において、第2の工程は、第7の工程の後に、該探索により得られた対象の範囲を示す境界位置を基に該対象の外周を前記背景と異なる信号レベルで描画する第8の工程を含むことを特徴とするスキャナシステムの対象範囲検出方法。
  9. 請求項6、7または8に記載の方法において、該方法は、前記読み取る対象を前記マットに載置する前の状態で撮像し、得られる画像データを基に歪みを検出する第9の工程と、
    第1の工程で得られた画像データに含まれる歪みを検出した歪みに応じて補正する第10の工程とを含むことを特徴とするスキャナシステムの歪み補正方法。
  10. 請求項6ないし9のいずれか一項に記載の方法において、該方法は、前記マットを白色にして、光学的に該マットを撮影して画像データを生成し、該画像データを基に対する基準を設定し、該基準に対するずれを検出する第11の工程と、
    該画像データに対する該ずれを補正する第12の工程とを含むことを特徴とするスキャナシステムのシェーディング補正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007179307A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Hitachi Computer Peripherals Co Ltd 帳票識別装置
JP2015026958A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社リコー 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム

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