JP2004328081A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像データが画像処理装置に入力されると(S1)、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う(S2)。この検出された原稿の地肌濃度に応じて、領域判定用演算式のしきい値の変動させる(S3)。変動後のしきい値に応じて、原稿画像に対して文字領域と網点領域との判定処理を行う(S5,S6)。
【効果】原稿の地肌濃度によってしきい値を変動させることにより、原稿の地肌濃度の薄い、濃いにかかわらず、常に文字領域と網点領域との正確な判定処理を行うことができる。したがって、領域の性質に適応した後処理を行うことができ、高画質の原稿画像を得ることができる。
【選択図】 図2
【効果】原稿の地肌濃度によってしきい値を変動させることにより、原稿の地肌濃度の薄い、濃いにかかわらず、常に文字領域と網点領域との正確な判定処理を行うことができる。したがって、領域の性質に適応した後処理を行うことができ、高画質の原稿画像を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字領域、網点領域など原稿領域の判定処理を行って各領域を分離し、それぞれの領域に適した内容の画像処理を行う画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる電子写真プロセスにより記録用紙上に画像を形成する画像形成装置には、レーザビームプリンタや複写機がある。複写機を例にとれば、複写機は、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取部と、この原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データを処理する画像処理部と、この画像処理部によって処理された後の画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
前記画像処理部は、画像データを構成する各部分が文字領域に属するか、網点領域に属するか、あるいはその他の領域(写真領域など)に属するかを判定し、判定結果に基づいて各領域を分離し、それぞれの領域に適した内容のフィルタ処理、出力γ調整、中間調処理などの画像処理を行っている。
前記文字領域、網点領域の判定処理では、画像データに対して一定大きさのマスクをかけて得られた各画素の濃度値を、所定の演算式に当てはめて、大小関係を満たすかどうかを判定している。前記演算式には、原稿の地肌濃度に関係するしきい値が含まれている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−101298号公報
【特許文献2】特開2002−112019号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこれまでは、地肌が白い原稿を対象としてしきい値を設定して文字領域、網点領域の判定処理を行っていたため、地肌がかぶった原稿(有色地肌の原稿)ではしきい値が適切でなくなり、文字領域、網点領域の誤った判定を行うことがあった。
そこで、本発明は、原稿地肌の濃度レベルを検出して、その地肌濃度に適応したしきい値を設定して領域の判定処理を行うことにより、原稿地肌の濃度にかかわらず、領域の正確な分離ができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の画像処理装置は、画像データを入力する入力手段と、入力手段により画像データが画像処理装置に入力されると、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う地肌濃度検出手段と、地肌濃度検出手段により検出された原稿の地肌濃度に応じて、文字領域/網点領域の判定処理に用いる演算式の中に現れる地肌濃度に関係するしきい値を変動させるしきい値変動手段と、しきい値変動手段により変動されたしきい値を含む演算式を用いて、原稿画像に対して文字領域と、網点領域との判定処理を行う領域判定手段とを備えるものである。
【0007】
前記の構成によれば、画像データが画像処理装置に入力されると、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う。そしてこの検出された原稿の地肌濃度に応じて、しきい値を変動させる。そして、変動後のしきい値に応じて、演算式を用いて、原稿画像に対して文字領域と網点領域との判定処理を行う。
このように、原稿の地肌濃度によってしきい値を変動させることにより、原稿の地肌濃度の薄い、濃いにかかわらず、常に文字領域と網点領域との正確な判定処理を行うことができる。したがって、領域の性質に適応した後処理を行うことができ、高画質の原稿画像を得ることができる。
【0008】
しきい値変動手段によるしきい値の変動幅は、地肌濃度検出手段により検出された地肌濃度と、白色地肌濃度との差の約半分とすることが好ましい。これは他に存在する写真部分などで誤判定が発生するのを防止するためである。
しきい値変動手段によるしきい値の変動幅に上限を設定することが好ましい。これにより、濃度の濃い原稿での誤判定を防止することができる。
地肌濃度検出は、公知の方法を採用すればよい。例えば画像データに基づいて、濃度分布のヒストグラムを作成し、濃度が一番小さなところに分布が生じた場合に、その濃度を地肌濃度としてもよい。
【0009】
このとき、ヒストグラムにおける一定以上の画素数の分布に基づいて、地肌濃度の検出を行うことが好ましい。ノイズなどヒストグラム濃度の薄い部分に偶然現れる画素によって、地肌濃度の誤検出がなされるのを防止するためである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、ディジタル複写機における本発明の画像処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。各ブロックの機能は、ディジタル複写機に搭載されるコンピュータが所定の画像処理プログラムを実行することにより実現される。
【0011】
この画像処理装置は、CCD等のイメージセンサにより原稿画像を読み取って得られた画像データに対して、光源及びラインセンサの読取感度のばらつきを補正するシェーディング補正部1、シェーディング補正された画像データを原稿濃度に比例する階調特性を持った画像データに変換する入力γ補正部2、地肌判定処理部3、画像データを網点領域、文字領域及びその他の領域(写真領域など)の複数の種別に分離する領域分離処理部4、画像の変倍機能を実現する変倍処理部5、画像データに対してエッジ強調処理又は平滑化処理を施すフィルタ処理部6、出力エンジンのγ特性を補正する出力γ調整部7、並びにディザ処理や誤差拡散処理などを行う中間調処理部8を備えている。
【0012】
中間調処理部8の出力画像データは、レーザコントローラに送られ、ここでレーザ装置に供給する駆動信号が生成され、レーザ装置は、この駆動信号に応じてレーザ光線を照射する。
前記照射されたレーザ光線は、回転する感光体に照射され、ここに原稿画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置に収納されたトナーの付着によって現像され、この現像されたトナー像が記録シートの表面に転写される。さらに、記録シート上のトナー像は熱を加えられることにより定着される。これにより、原稿画像が記録シートの上に形成される。
【0013】
以下、前記領域分離処理部4の行う処理を詳細に説明する。
図2は、領域分離処理の手順を説明するためのフローチャートである。画像データが画像処理装置に入力されると(ステップS1)、原稿の地肌濃度の検出が行われる(ステップS2)。この検出は、画像データの濃度に対する画素数のヒストグラムをとることにより行う。このヒストグラムは、所定数(例えば256)の階調を16分割し、各階調区分ごとに、検出される画素数をプロットしたものである。
【0014】
図3は、地肌の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。図4は、有色地肌(いわゆる地肌かぶり)の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。図3、図4において、地肌を判定するのに最低必要な画素数をN1で示している。最低必要な画素数を設けるのは、ノイズなどで偶然、明るい画素が現れた場合、これを地肌と誤検知するのを防止するためである。
【0015】
図3では、地肌の白い通常の原稿を読み取っているので、地肌の濃度は、階調0〜16の部分と16〜32の部分に現れている。そして、文字や網点の濃度は、階調192〜208〜224〜240の部分に現れている。図4では、地肌かぶりの原稿を読み取っているので、地肌の濃度は、階調16〜32〜48〜64の部分に現われている。そして、文字や網点の濃度は、階調192〜208〜224〜240の部分に現れている。
【0016】
領域分離処理部4は、ヒストグラムの画素数がN1を超えている複数のピーク部分のうち、最も左側(濃度の薄い部分)のピークの濃度を参照し、この濃度を地肌の濃度とする。また最も右側(濃度の濃い部分)のピークの濃度を参照し、この濃度を文字や網点の濃度とする。
図3では、濃度が最も薄い部分、階調0〜16の値(例えば中間の8)が地肌の濃度となる。図4では、濃度が最も薄い部分、階調32〜48の値(例えば中間の40)が地肌の濃度となる。
【0017】
以上のようにして、原稿の地肌濃度が検出される。
また、地肌の濃度と、文字や網点の濃度との間に、画素数0の濃度区間が存在する。この画素数0の濃度区間の長さDは、図3ではD=192−16=176であり、図4ではD=192−64=128である。
領域分離処理部4は、まず、原稿の地肌濃度に応じてしきい値THの変更をする(ステップS3)。表1は、検出された原稿の地肌濃度と、しきい値の変動幅ΔTHとの関係を示す。変動幅ΔTHは正の値をとる。
【0018】
【表1】
【0019】
表1によれば、原稿の地肌濃度が、最も薄い値をとる場合すなわち階調0に近い場合、しきい値の変動幅ΔTHは0である。これは、しきい値THを白色の地肌濃度の原稿にあわせているからである。そして、原稿の地肌濃度が濃くなるにつれて変動幅ΔTHの絶対値を大きくしていく(しきい値THは正の方向に増大していく)。
また、表1から分かるように、原稿の地肌濃度がある値(階調112)以下の区間では、しきい値の変動幅ΔTHは、検出された地肌濃度と、白色地肌濃度との差の約半分となっている。これは、地肌濃度が例えばA階調濃くなった場合、地肌と文字・網点との濃度差がAだけ小さくなるので、文字・網点を識別するための判定しきい値の変動幅ΔTHをその約半分(A/2)にして、しきい値THを増加させて、他に存在する写真部分などで誤判定が発生するのを防止するためである。
【0020】
ところが、原稿の地肌濃度がある値(階調112)より濃くなっても、これ以上ΔTHは大きくならないようにしている。これは、しきい値THが一定の値以上増加しないようにして、文字でない部分を文字領域と誤検知したり、網点でない部分を網点領域と誤検知したりするのを防止するためである。
変動幅ΔTHが決まれば、もとのしきい値THに変動幅を加算することによって、新しいしきい値を設定する(ステップS4)。
【0021】
次に、この新しいしきい値を用いて、原稿画像に対して文字領域判定処理(ステップS5)と、網点領域判定処理(ステップS6)とを行う。これらの処理は、図5に示すように一定の大きさのマスク(例えば3画素×3画素)を用いて、時間的に並行して行う。マスクの中心の画素をXとし、その周囲の画素をA〜Hで表す。
文字領域判定処理(ステップS5)では、図6(a)に例示したような文字画像を判別する。マスクの中心の画素Xを、画像の注目画素にあわせて、横方向に次の判定をする。各符号A〜H,Xは階調値を表わし、THは新しいしきい値を表わす。演算式は、例えば次のような形になる。
【0022】
A+C<B+TH
D+E<X+TH
F+H<G+TH
これらの3式を満足すれば、注目画素は縦エッジを構成する画素であると判定する。例えば図4(a)の黒塗りした画素が縦につながっている部分は、左右の画素よりも濃度が高く、縦エッジを構成する画素であると判定される。以上の縦エッジの判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0023】
また、縦方向に次の判定をする。
A+F<D+TH
B+G<X+TH
C+H<E+TH
これらの3式を満足すれば注目画素は、上下の画素よりも濃度が高く、横エッジを構成する画素であると判定する。以上の横エッジの判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0024】
以上の判定で、横エッジ又は縦エッジを構成する画素が所定割合以上集まっている領域を特定し分離する。
網点領域判定処理(ステップS6)では、図4(b)に例示したような網点画像を判別する。マスクの中心の画素Xを、画像の注目画素にあわせて、縦横対角方向に次の判定をする。
A+H<X+TH
B+G<X+TH
C+F<X+TH
D+E<X+TH
これらの4式を満足すれば注目画素は、縦横斜めに隣接する画素よりも濃度が高いピーク画素であると判定する。例えば図4(b)の黒塗りした画素がピーク画素であると判定される。以上の判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0025】
ピーク画素が一定領域(例えば13画素×7行)内に、所定数以上存在する場合、その領域を分離する。
次に、分離した領域を統合する領域分離結果統合処理(ステップS7)を行う。この処理は、ステップS5で分離された横エッジ又は縦エッジを構成する画素が所定割合以上集まっている領域を文字領域とし、ステップS6で分離されたピーク画素が所定割合以上存在する領域を網点領域とする。また、文字とも網点とも判定されなかった領域は、その他の領域(写真領域)とする。そして、画像領域全体に対して、文字領域、網点領域、その他の領域の位置関係を決定する。
【0026】
文字領域、網点領域、その他の領域が決定されれば、それぞれに対して、適応した処理を行う。この適応処理は、図1を用いて説明したフィルタ処理部6、出力γ調整部7、中間調処理部8において、それぞれ行われる。例えばフィルタ処理部6において、文字領域はエッジ強調処理が行われるが、網点領域やその他の領域は平滑化処理が行われる、などである。
適応処理が行われた画像は、画像データとして出力される。
【0027】
以上のように、本実施形態では、原稿の地肌濃度が薄い原稿に対して設定された領域判定しきい値を、検出された原稿の地肌濃度が濃くなるほど増加する方向に変動させていくことによって、原稿の地肌濃度にかかわらず、常に適切なしきい値を設定することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、例えば、先に例示した文字領域判定、網点領域判定に用いる演算式は一例であり、判定しきい値を含む演算式であれば、これ以外の形の演算式を用いてもよい。また本画像処理装置は、ディジタル複写機のみならず、レーザプリンタなど電子写真プロセスを利用した画像形成装置に広く適用ができる。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディジタル複写機における本発明の画像処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図2】領域分離処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】地肌の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。
【図4】有色地肌(いわゆる地肌かぶり)の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。
【図5】原稿画像に対して文字領域判定処理と、網点領域判定処理とを行う場合に用いるマスクの図である。
【図6】(a)は文字画像を示す図であリ、(b)は網点画像を示す図である。
【符号の説明】
1 シェーディング補正部
2 入力γ補正部
3 地肌判定処理部
4 領域分離処理部
5 変倍処理部
6 フィルタ処理部
7 出力γ調整部
8 中間調処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字領域、網点領域など原稿領域の判定処理を行って各領域を分離し、それぞれの領域に適した内容の画像処理を行う画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる電子写真プロセスにより記録用紙上に画像を形成する画像形成装置には、レーザビームプリンタや複写機がある。複写機を例にとれば、複写機は、原稿画像を光学的に読み取る原稿読取部と、この原稿読取部によって読み取られた原稿の画像データを処理する画像処理部と、この画像処理部によって処理された後の画像データに基づいて画像を形成する画像形成部とを備えている。
【0003】
前記画像処理部は、画像データを構成する各部分が文字領域に属するか、網点領域に属するか、あるいはその他の領域(写真領域など)に属するかを判定し、判定結果に基づいて各領域を分離し、それぞれの領域に適した内容のフィルタ処理、出力γ調整、中間調処理などの画像処理を行っている。
前記文字領域、網点領域の判定処理では、画像データに対して一定大きさのマスクをかけて得られた各画素の濃度値を、所定の演算式に当てはめて、大小関係を満たすかどうかを判定している。前記演算式には、原稿の地肌濃度に関係するしきい値が含まれている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−101298号公報
【特許文献2】特開2002−112019号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこれまでは、地肌が白い原稿を対象としてしきい値を設定して文字領域、網点領域の判定処理を行っていたため、地肌がかぶった原稿(有色地肌の原稿)ではしきい値が適切でなくなり、文字領域、網点領域の誤った判定を行うことがあった。
そこで、本発明は、原稿地肌の濃度レベルを検出して、その地肌濃度に適応したしきい値を設定して領域の判定処理を行うことにより、原稿地肌の濃度にかかわらず、領域の正確な分離ができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の画像処理装置は、画像データを入力する入力手段と、入力手段により画像データが画像処理装置に入力されると、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う地肌濃度検出手段と、地肌濃度検出手段により検出された原稿の地肌濃度に応じて、文字領域/網点領域の判定処理に用いる演算式の中に現れる地肌濃度に関係するしきい値を変動させるしきい値変動手段と、しきい値変動手段により変動されたしきい値を含む演算式を用いて、原稿画像に対して文字領域と、網点領域との判定処理を行う領域判定手段とを備えるものである。
【0007】
前記の構成によれば、画像データが画像処理装置に入力されると、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う。そしてこの検出された原稿の地肌濃度に応じて、しきい値を変動させる。そして、変動後のしきい値に応じて、演算式を用いて、原稿画像に対して文字領域と網点領域との判定処理を行う。
このように、原稿の地肌濃度によってしきい値を変動させることにより、原稿の地肌濃度の薄い、濃いにかかわらず、常に文字領域と網点領域との正確な判定処理を行うことができる。したがって、領域の性質に適応した後処理を行うことができ、高画質の原稿画像を得ることができる。
【0008】
しきい値変動手段によるしきい値の変動幅は、地肌濃度検出手段により検出された地肌濃度と、白色地肌濃度との差の約半分とすることが好ましい。これは他に存在する写真部分などで誤判定が発生するのを防止するためである。
しきい値変動手段によるしきい値の変動幅に上限を設定することが好ましい。これにより、濃度の濃い原稿での誤判定を防止することができる。
地肌濃度検出は、公知の方法を採用すればよい。例えば画像データに基づいて、濃度分布のヒストグラムを作成し、濃度が一番小さなところに分布が生じた場合に、その濃度を地肌濃度としてもよい。
【0009】
このとき、ヒストグラムにおける一定以上の画素数の分布に基づいて、地肌濃度の検出を行うことが好ましい。ノイズなどヒストグラム濃度の薄い部分に偶然現れる画素によって、地肌濃度の誤検出がなされるのを防止するためである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、ディジタル複写機における本発明の画像処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。各ブロックの機能は、ディジタル複写機に搭載されるコンピュータが所定の画像処理プログラムを実行することにより実現される。
【0011】
この画像処理装置は、CCD等のイメージセンサにより原稿画像を読み取って得られた画像データに対して、光源及びラインセンサの読取感度のばらつきを補正するシェーディング補正部1、シェーディング補正された画像データを原稿濃度に比例する階調特性を持った画像データに変換する入力γ補正部2、地肌判定処理部3、画像データを網点領域、文字領域及びその他の領域(写真領域など)の複数の種別に分離する領域分離処理部4、画像の変倍機能を実現する変倍処理部5、画像データに対してエッジ強調処理又は平滑化処理を施すフィルタ処理部6、出力エンジンのγ特性を補正する出力γ調整部7、並びにディザ処理や誤差拡散処理などを行う中間調処理部8を備えている。
【0012】
中間調処理部8の出力画像データは、レーザコントローラに送られ、ここでレーザ装置に供給する駆動信号が生成され、レーザ装置は、この駆動信号に応じてレーザ光線を照射する。
前記照射されたレーザ光線は、回転する感光体に照射され、ここに原稿画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置に収納されたトナーの付着によって現像され、この現像されたトナー像が記録シートの表面に転写される。さらに、記録シート上のトナー像は熱を加えられることにより定着される。これにより、原稿画像が記録シートの上に形成される。
【0013】
以下、前記領域分離処理部4の行う処理を詳細に説明する。
図2は、領域分離処理の手順を説明するためのフローチャートである。画像データが画像処理装置に入力されると(ステップS1)、原稿の地肌濃度の検出が行われる(ステップS2)。この検出は、画像データの濃度に対する画素数のヒストグラムをとることにより行う。このヒストグラムは、所定数(例えば256)の階調を16分割し、各階調区分ごとに、検出される画素数をプロットしたものである。
【0014】
図3は、地肌の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。図4は、有色地肌(いわゆる地肌かぶり)の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。図3、図4において、地肌を判定するのに最低必要な画素数をN1で示している。最低必要な画素数を設けるのは、ノイズなどで偶然、明るい画素が現れた場合、これを地肌と誤検知するのを防止するためである。
【0015】
図3では、地肌の白い通常の原稿を読み取っているので、地肌の濃度は、階調0〜16の部分と16〜32の部分に現れている。そして、文字や網点の濃度は、階調192〜208〜224〜240の部分に現れている。図4では、地肌かぶりの原稿を読み取っているので、地肌の濃度は、階調16〜32〜48〜64の部分に現われている。そして、文字や網点の濃度は、階調192〜208〜224〜240の部分に現れている。
【0016】
領域分離処理部4は、ヒストグラムの画素数がN1を超えている複数のピーク部分のうち、最も左側(濃度の薄い部分)のピークの濃度を参照し、この濃度を地肌の濃度とする。また最も右側(濃度の濃い部分)のピークの濃度を参照し、この濃度を文字や網点の濃度とする。
図3では、濃度が最も薄い部分、階調0〜16の値(例えば中間の8)が地肌の濃度となる。図4では、濃度が最も薄い部分、階調32〜48の値(例えば中間の40)が地肌の濃度となる。
【0017】
以上のようにして、原稿の地肌濃度が検出される。
また、地肌の濃度と、文字や網点の濃度との間に、画素数0の濃度区間が存在する。この画素数0の濃度区間の長さDは、図3ではD=192−16=176であり、図4ではD=192−64=128である。
領域分離処理部4は、まず、原稿の地肌濃度に応じてしきい値THの変更をする(ステップS3)。表1は、検出された原稿の地肌濃度と、しきい値の変動幅ΔTHとの関係を示す。変動幅ΔTHは正の値をとる。
【0018】
【表1】
【0019】
表1によれば、原稿の地肌濃度が、最も薄い値をとる場合すなわち階調0に近い場合、しきい値の変動幅ΔTHは0である。これは、しきい値THを白色の地肌濃度の原稿にあわせているからである。そして、原稿の地肌濃度が濃くなるにつれて変動幅ΔTHの絶対値を大きくしていく(しきい値THは正の方向に増大していく)。
また、表1から分かるように、原稿の地肌濃度がある値(階調112)以下の区間では、しきい値の変動幅ΔTHは、検出された地肌濃度と、白色地肌濃度との差の約半分となっている。これは、地肌濃度が例えばA階調濃くなった場合、地肌と文字・網点との濃度差がAだけ小さくなるので、文字・網点を識別するための判定しきい値の変動幅ΔTHをその約半分(A/2)にして、しきい値THを増加させて、他に存在する写真部分などで誤判定が発生するのを防止するためである。
【0020】
ところが、原稿の地肌濃度がある値(階調112)より濃くなっても、これ以上ΔTHは大きくならないようにしている。これは、しきい値THが一定の値以上増加しないようにして、文字でない部分を文字領域と誤検知したり、網点でない部分を網点領域と誤検知したりするのを防止するためである。
変動幅ΔTHが決まれば、もとのしきい値THに変動幅を加算することによって、新しいしきい値を設定する(ステップS4)。
【0021】
次に、この新しいしきい値を用いて、原稿画像に対して文字領域判定処理(ステップS5)と、網点領域判定処理(ステップS6)とを行う。これらの処理は、図5に示すように一定の大きさのマスク(例えば3画素×3画素)を用いて、時間的に並行して行う。マスクの中心の画素をXとし、その周囲の画素をA〜Hで表す。
文字領域判定処理(ステップS5)では、図6(a)に例示したような文字画像を判別する。マスクの中心の画素Xを、画像の注目画素にあわせて、横方向に次の判定をする。各符号A〜H,Xは階調値を表わし、THは新しいしきい値を表わす。演算式は、例えば次のような形になる。
【0022】
A+C<B+TH
D+E<X+TH
F+H<G+TH
これらの3式を満足すれば、注目画素は縦エッジを構成する画素であると判定する。例えば図4(a)の黒塗りした画素が縦につながっている部分は、左右の画素よりも濃度が高く、縦エッジを構成する画素であると判定される。以上の縦エッジの判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0023】
また、縦方向に次の判定をする。
A+F<D+TH
B+G<X+TH
C+H<E+TH
これらの3式を満足すれば注目画素は、上下の画素よりも濃度が高く、横エッジを構成する画素であると判定する。以上の横エッジの判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0024】
以上の判定で、横エッジ又は縦エッジを構成する画素が所定割合以上集まっている領域を特定し分離する。
網点領域判定処理(ステップS6)では、図4(b)に例示したような網点画像を判別する。マスクの中心の画素Xを、画像の注目画素にあわせて、縦横対角方向に次の判定をする。
A+H<X+TH
B+G<X+TH
C+F<X+TH
D+E<X+TH
これらの4式を満足すれば注目画素は、縦横斜めに隣接する画素よりも濃度が高いピーク画素であると判定する。例えば図4(b)の黒塗りした画素がピーク画素であると判定される。以上の判定を、画像を構成するすべての画素について行う。
【0025】
ピーク画素が一定領域(例えば13画素×7行)内に、所定数以上存在する場合、その領域を分離する。
次に、分離した領域を統合する領域分離結果統合処理(ステップS7)を行う。この処理は、ステップS5で分離された横エッジ又は縦エッジを構成する画素が所定割合以上集まっている領域を文字領域とし、ステップS6で分離されたピーク画素が所定割合以上存在する領域を網点領域とする。また、文字とも網点とも判定されなかった領域は、その他の領域(写真領域)とする。そして、画像領域全体に対して、文字領域、網点領域、その他の領域の位置関係を決定する。
【0026】
文字領域、網点領域、その他の領域が決定されれば、それぞれに対して、適応した処理を行う。この適応処理は、図1を用いて説明したフィルタ処理部6、出力γ調整部7、中間調処理部8において、それぞれ行われる。例えばフィルタ処理部6において、文字領域はエッジ強調処理が行われるが、網点領域やその他の領域は平滑化処理が行われる、などである。
適応処理が行われた画像は、画像データとして出力される。
【0027】
以上のように、本実施形態では、原稿の地肌濃度が薄い原稿に対して設定された領域判定しきい値を、検出された原稿の地肌濃度が濃くなるほど増加する方向に変動させていくことによって、原稿の地肌濃度にかかわらず、常に適切なしきい値を設定することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、例えば、先に例示した文字領域判定、網点領域判定に用いる演算式は一例であり、判定しきい値を含む演算式であれば、これ以外の形の演算式を用いてもよい。また本画像処理装置は、ディジタル複写機のみならず、レーザプリンタなど電子写真プロセスを利用した画像形成装置に広く適用ができる。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディジタル複写機における本発明の画像処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図2】領域分離処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】地肌の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。
【図4】有色地肌(いわゆる地肌かぶり)の白い通常の原稿を、読取ラインLに沿って読み取った結果得られた画像データの濃度ヒストグラムである。
【図5】原稿画像に対して文字領域判定処理と、網点領域判定処理とを行う場合に用いるマスクの図である。
【図6】(a)は文字画像を示す図であリ、(b)は網点画像を示す図である。
【符号の説明】
1 シェーディング補正部
2 入力γ補正部
3 地肌判定処理部
4 領域分離処理部
5 変倍処理部
6 フィルタ処理部
7 出力γ調整部
8 中間調処理部
Claims (5)
- 文字領域、網点領域など原稿領域の判定処理を行って各領域を分離し、それぞれの領域に適した内容の画像処理を行うことのできる画像処理装置において、
画像データを入力する入力手段と、
入力手段により画像データが画像処理装置に入力されると、その画像データに基づいて原稿の地肌濃度の検出を行う地肌濃度検出手段と、
地肌濃度検出手段により検出された原稿の地肌濃度に応じて、文字領域/網点領域の判定処理に用いる演算式の中に現れる地肌濃度に関係するしきい値を変動させるしきい値変動手段と、
しきい値変動手段により変動されたしきい値を含む演算式を用いて、原稿画像に対して文字領域と、網点領域との判定処理を行う領域判定手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - しきい値変動手段によるしきい値の変動幅は、地肌濃度検出手段により検出された地肌濃度と、白色地肌濃度との差の約半分であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- しきい値変動手段によるしきい値の変動幅に上限が設定されていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 地肌濃度検出手段は、画像データに基づいて、濃度分布のヒストグラムを作成し、濃度が一番小さなところに分布が生じた場合に、その濃度を地肌濃度とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 地肌濃度検出手段は、ヒストグラムにおける一定以上の画素数の分布に基づいて、地肌濃度の検出を行うことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
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-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003116179A patent/JP2004328081A/ja active Pending
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